JP2657675B2 - 油脂の改質方法 - Google Patents

油脂の改質方法

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JP2657675B2 JP63211486A JP21148688A JP2657675B2 JP 2657675 B2 JP2657675 B2 JP 2657675B2 JP 63211486 A JP63211486 A JP 63211486A JP 21148688 A JP21148688 A JP 21148688A JP 2657675 B2 JP2657675 B2 JP 2657675B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は酵素による油脂の改質方法に関し、さらに詳
しくは部分グリセライド(ジグリセライド、モノグリセ
ライドのことを称する)を含む油脂に部分グリセライド
リパーゼ(この明細書においてはトリグリセライドに作
用せず、ジグリセライド及び/又はモノグリセライドに
作用するリパーゼのことを部分グリセライドリパーゼと
称する)を作用せしめ、油脂中のトリグリセライド分子
種組成(以下トリグリセライド組成という)を変化させ
ずに混在する部分グリセライドをトリグリセライドにエ
ステル合成することを特徴とする油脂の改質方法に関す
る。
即ち、本発明は油脂に含まれる不純物たる部分グリセ
ライドをトリグリセライドの組成変化を伴うことなくエ
ステル合成し、高収率で高トリグリセライド含有の油脂
を得ることを目的とする。
従来の技術 油脂は、トリグリセライドを主成分として含有し、ト
リグリセライド以外の成分としては部分グリセライドで
あるモノグリセライド、ジグリセライド及び遊離脂肪酸
等を含有している。
上記部分グリセライド及び遊離脂肪酸は、貯蔵−採油
−精製中に酵素若しくは非酵素的な作用で加水分解され
て生成したものであり、そのうち遊離脂肪酸とモノグリ
セライドについては既知の方法、例えばアルカリ脱酸や
水蒸気蒸留によって除去を行なっているが、ジクリセラ
イドについては有効な工業的分離手段は見出されていな
い。
最近になって、トリグリセライドリパーゼによりジグ
リセライドをトリグリセライドにエステル合成し高トリ
グリセライド油を得る方法が報告されているが、これら
の反応においてはエステル合成と同時にエステル交換反
応も進行し、トリグリセライド組成の変化を避けること
は本質的に不可能である。
また、酵素を用いたジグリセライドの除去法として、
部分グリセライドリパーゼでジグリセライドのみを選択
的に加水分解する方法が報告されているが(特開昭62−
287号)、この方法は酵素がトリグリセライドに対する
反応性を全く若しくはほとんど有しないという性質を持
つため、高トリグリセライ含量油が得られるという点で
優れた方法である。
しかしながら、この方法を工業的に実施しようとした
場合、いくつかの困難を伴う。まず、加水分解を行なう
ため当然ながら収率が低下する。また加水分解生成物で
あるグリセロールを反応液から分離する工程が必要にな
る。さらに加水分解生成物である脂肪酸については、通
常のアルカリ脱酸では脂肪酸濃度が高いため精製収率が
極端に低下し、水蒸気蒸留である物理脱酸の適用を余儀
なくされるが、これも脂肪酸濃度が高い場合高温処理で
あるため自触媒的に加水分解が進行し収率の低下、ジグ
リセライドの生成という問題がある。これらの問題点か
ら、この方法を工業的に実施することは依然として困難
であり、さらに優れた方法が望まれているのが現状であ
る。
発明が解決しようとする課題 上記した分離が困難であるジグリセライドはさらに、
(1)トリグリセライドの結晶核の生成を妨害しトリグ
リセライドの結晶化速度を低下させる、(2)トリグリ
セライドの安定な結晶形への移行速度、すなわち結晶転
移を抑制する、(3)SFC(固体脂含有率)の低下作用
により、トリグリセライド同志の分別を困難にする、
(4)フライ油として用いた場合には酸価の上昇を促進
する、等の問題を生じさせる。
この問題を解決するために、特開昭57−8787号、特願
昭62−43658号明細書に記載されているような脂質分解
活性のある通常のトリグリセライドリパーゼを用いてジ
グリセライドをトリグリセライドにエステル合成する方
法は、同時に起こるエステル交換反応によりトリグリセ
ライド組成が変化し、その結果諸物性の変化した油を与
えるので、トリグリセライド組成を変化させたくない場
合には適用ができない。
また部分グリセライドリパーゼを用いてジグリセライ
ドを加水分解で取り除こうとする方法は精製および収率
の点で問題がある。
したがって本発明の目的は、上記の問題点を克服し、
トリグリセライド組成を変化させることなく低コスト、
高収率でジグリセライド含有量の低い油脂を製造する方
法を提供することである。
課題を解決する為の手段 本発明者等は上記課題を解決する為に鋭意研究を重ね
た結果、部分グリセライドリパーゼをジグリセライド、
モノグリセライドおよび脂肪酸を含有する油脂に低水分
下で作用させることにより、容易にジグリセライドと脂
肪酸をトリグリセライドに変換でき、しかも得られる高
トリグリセライド含有油脂のトリグリセライド組成は原
料油脂と比較して変化していないことを見い出し、本発
明を完成するに至った。
即ち、本発明は部分グリセライドリパーゼを用いて、
エステル交換反応を伴わずにエステル合成のみを進行さ
せ低ジグリセライドの油脂を高収率で得ることを特徴と
する油脂の改質方法である。本発明方法により得られる
改質油は、原料に含まれていた脂肪酸もエステル合成の
進行と共に有効にトリグリセライドに交換され、トリグ
リセライドの精製負荷および精製ロスも大幅に軽減され
る。
本発明で使用される部分グセライドリパーゼは、グリ
セロールの三つの水酸基のいずれか一つが脂肪酸でエス
テル化されたいわゆるモノグリセライドおよび/または
グリセロールを1,2(または2,3)乃至1,3の水酸基が脂
肪酸でエステル化されたいわゆるジグリセライドを加水
分解する性質を有するが、三つの位置すべてが脂肪酸で
エステル化されたトリグリセライドに対する加水分解能
を全く有しないか、トリグリセライドに対する加水分解
能が、モノグリセライド、ジグリセライドに対する加水
分解能の20%程度以下であるような酵素のことである。
本発明で用いられる部分グリセライドリパーゼの例と
しては、ラット小腸、ブタ脂肪組織などの動物臓器由来
のモノグリセライドリパーゼ、ペニシリウム(penicill
ium)属の糸状菌が産生するモノグリセライドおよびジ
グリセライドに特異性を有するリパーゼが挙げられる。
好ましくはペニシウム属菌株由来のリパーゼ、特に好ま
しくはATCC 34613なる受託番号で示されたアメリカン
タイプ カルチャーコレクションに寄託されているペニ
シリウム・サイクロピウム(Penicillium cyclopium)
の産生する部分グリセライドリパーゼが用いられる。本
発明に使用される部分グリセライドリパーゼの市販品の
例としてはリパーゼG(天野製薬(株)製)がある。
部分グリセライドばかりでなくトリグリセライドにも
高い反応性を有するいわゆるトリグリセライドリパーゼ
は、エステル合成とともにトリグリセライドのエステル
交換が同時に進行しトリグリセライドの脂肪酸組成が原
料油脂と異なり諸物性が変化してしまうので本発明には
使用できない。
一般的に動植物油脂はその生体内でのトリグリセライ
ド合成時のメカニズムに起因して1−位、2−位、3−
位において脂肪酸の分布が異なっており、そのためにト
リグリセライドリパーゼを作用させた場合トリグリセラ
イドの脂肪酸組成が変化することになる。更に詳しく説
明するとトリグリセライドリパーゼにおいてもグリセリ
ンの三つの位置に対し位置特異性を持たない酵素と1、
3位のみに特異性を示す酵素とがあるが、前者において
は化学的エステル交換と同様に三つの位置につく脂肪酸
が全くランダム平均化され、後者においては1、3位が
平均化されることにより、もとのトリグリセライドとそ
の組成が変化してしまうことになる。
本発明で使用される部分グリセライドリパーゼが部分
グリセライドのみに活性を示すことは公知であり、また
その性質を利用して油脂中の部分グリセライドを加水分
解して取り除く方法は既に報告されてる(特開昭62−28
7号)。
しかしながら当該部分グリセライドリパーゼが、本来
酵素活性を示さないトリグリセライドをジグリセライド
からエステル合成できることを示した例は存在せず、ま
たその可能性を示唆する先行文献も知られていない。
本発明で言うジグリセライドのトリグリセライドへの
エステル合成はジグリセライドの加水分解とは本質的に
別反応である。なぜなら、次式に示すように両反応は基
質が異なり可逆反応の関係にはないからである。
DG*1+H2O2FFA*2+グリセロール〔DGの加水分
解〕 DG+FFA→DG*3+H2O〔TGの合成〕 (*1:ジグリセライド *2:脂肪酸 *3:トリグリセライド) 換言するならば本発明は部分グリセライドリパーゼ
が、ジグリセライドとトリグリセライドのエステル合
成、加水分解の両可逆反応のうち、エステル合成反応の
みを触媒し、トリグリセライドのエステル交換及び加水
分解は全く若しくはほとんど行わないという新たな事実
の発見に基いて完成されたものである。
本発明において対象となる油脂は、モノグリセライド
およびジグリセライドである部分グリセライドを多く含
む油脂、例えばパーム油、米油、コーン油、オリーブ油
等である。もちろん上記以外の油脂、例えばナタネ油、
サフラワー油、大豆油等の液体脂およびラード、タロ
ー、ビーフケンネン脂等の固体脂または上記油脂の加工
されたもの、例えば分別、水素添加、エステル交換など
の処理を施されたものを用いてもよい。
また必要に応じて上記油脂類に脂肪酸を単独もしくは
2種以上組合せて添加してもよい。添加量については特
に限定されるものではないが、脂肪酸の添加が多すぎる
と、酵素反応後の油脂の精製が困難となり、収率の低下
を招く。したがって通常原料油脂中のジグリセライド含
量に対し脂肪酸の量がモル比で0.5〜10倍になるように
添加するのが好ましい。また添加する脂肪酸の種類を特
に限定する必要はないが、反応油の用途によってはパル
ミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、オレイン酸、
リノール酸等の不飽和脂肪酸のいずれかを選択して添加
してもよい。これによりジグリセライドから新たに合成
される部分のトリグリセライド組成を限定し、反応油の
組成、物性を若干ながら改良することができる。
本発明における反応の条件としては、部分グリセライ
ドリパーゼをエステル合成条件下で作用させるため、可
及的に水分を除去しうる系で用いることが好ましい。そ
のような低水分下においては酵素の活性が発現しにくい
ので、通常は酵素を固定化担体に固定化して用いること
が好ましい。固定化担体としてはセライト、白土、セル
ロース及びその誘導体、キトサン及びその誘導体、イオ
ン交換樹脂等の吸着型担体、及び光硬化性樹脂、アルギ
ン酸ソーダ等の包括型担体のいずれも用いることができ
る。酵素と固定化担体の重量比は特に限定されないが一
般に1:4〜1:400が適当である。
更に本発明における条件下で酵素の活性発現を高める
為、固定化酵素剤調製時に、特願昭63−33009号明細書
に示すように、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル
等の界面活性剤;グルコース、フラクトース、ガラクト
ース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ラクトー
ス、ラフィノース、スタキオース、デキストリン等の糖
類;ソルビトール、エリスリトール、エチレングリコー
ル等の多価アルコール類を共存させることが好ましい。
その添加量は通常酵素に対し10〜500重量%が適当であ
る。
固定化酵素の油脂への添加量は特に限定されるもので
はないが、通常原料油脂あたり酵素と担体の総重量とし
て2〜30%添加すればよい。また、固定化酵素を充填し
たカラムに原料油脂を通液して反応させてもよい。
反応温度に関しては、部分グリセライドリパーゼ固定
化酵素の至適温度および使用する油脂の融点に応じて適
当な値を選ぶことができるが、通常20〜80℃が好まし
い。
水分に関しては、当該部分グリセライドリパーゼは上
記したようにジグリセライドの加水分解とトリグリセラ
イドへの合成反応を触媒し、水分が多い場合は加水分解
を触媒する。従って、本発明においては可及的に水分を
除去する条件が必要であり、その水分濃度は反応に使用
される油脂中のジグリセライドおよび脂肪酸の濃度によ
って異なるが、通常は1ppm以上1500ppm以下、好ましく
は10〜200ppmに反応系の水分を調整するのが好ましい。
水分の除去方法としては、減圧留去、モレキュラーシ
ーブ等の脱水剤の使用、窒素ガス等の不活性ドライガス
の使用等を用いることができる。
反応様式はバッチ反応、カラム法または流動槽法等の
バイオリアクターによる連続反応等いずれの方法も適用
でき、酵素を有効に利用することができる。
本発明の条件では無溶媒でも充分に目的を達すること
ができるが、必要に応じて有機溶媒を添加してもよい。
使用する有機溶媒としては、部分グリセライドリパーゼ
の活性を阻害せず油脂を溶解するものならば如何なるも
のでもよく、例えば、n−ヘキサン、オクタン、石油エ
ーテル、ジエチルエーテル、アセトン、酢酸エチル等が
挙げられる。
発明の効果 本発明に係わる部分グリセライドリパーゼを用いるこ
とにより、トリグリセライド組成を変化させることなく
ジグリセライド含有量が低い改質油が得られる。
さらに得られた改質油は脂肪酸、モノグリセライド及
びジグリセライド含量が低いため精製収率が高く、精製
コストも低い。
更に、この改質油は低ジグリセライド含量油というこ
とで、結晶化速度が早く、加水分解も受けにくく、さら
にトリグリセライド組成が変化していないためサラダ
油、フライ油等広範囲に用途の拡大が期待できる。
〈実施例1〉 部分グリセライドリパーゼとしてペニシリウムサイク
ロピウムATCC 34613株起源のリパーゼG(天野製薬
(株)製)200mgと市販の粉末レシチン100mgを水2gに溶
解し、この水溶液をセライト2gに均一散布し固定化を行
ない。40℃、15mmHgの条件で減圧乾燥処理し不要な水分
を除去した。こうして得られた固定化酵素剤を、ジグリ
セライド8.7%、モノグリセライド0.3%、部分グリセラ
イトとして計9.0%、及び脂肪酸5.2%を含むクルードパ
ームオレイン油20gに対し2g添加し温度60℃で所定時間
振盪反応を行なった。尚、脱水剤としてモレキュラーシ
ーブ3Aを8g同時に添加した。反応後、油脂と固定化酵素
剤及びモレキュラーシーブを濾別し、得られた油脂の組
成分析をガスクロマトグラフィー法により行ない、その
結果を表−1に示した。
尚、反応後の油脂の水分はカールフイッシャー法で測
定すると24、48、72時間でそれぞれ42ppm、35ppm、32pp
mであった。この結果からもトリグリセライド組成は変
化することなく、エステル合成が進行したことがわかっ
た。
〈実施例2〉 界面活性剤であるレシチンの添加効果を確認する為、
酵素(リパーゼG)を10%(対セライト)セライトに固
定化する際にレシチン無添加および5%(対セライト)
添加したものをそれぞれ調製し、その効果を検討した。
酵素剤およびモレキュラーシーブの油脂に対する添加
量、温度等の反応条件は実施例1に準じ、反応時間は48
時間で比較した。表−2に示したように、レシチン無添
加で合成活性を示すものの、レシチン添加で活性が2〜
3倍増大することが認められた。尚、反応後の水分を測
定したところ、いずれの場合も38ppmであった。
〈実施例3〉 部分グリセライドリパーゼであるリパーゼGと、トリ
グリセライドリパーゼであるシュードモナスフルオレッ
センス起源のリパーゼP、リゾープスデレマー起源のリ
パーゼD、リゾープス、ジャバニカス起源のリパーゼF
−APの3種について反応後のトリグリセライドの脂肪酸
組成変化を比較した。
トリグリセライドリパーゼのうちリパーゼPはトリグ
リセライドに対する位置特異性を持たないもの、リゾー
プス属のリパーゼD及びリパーゼF−APはトリグリセラ
イドの1,3−位に特異性を持つ酵素として代表的なもの
である。
セライトへの固定化の条件としては、各酵素200mgを
レシチン100mgととともに水2gに溶解し、これをセライ
ト2gに散布に固定化を行ない、続いて減圧乾燥処理を行
なった。実施例1に準じて反応を行ない、48時間後トリ
グリセライドの脂肪酸組成をガスクロマトグラフィー法
により測定しその結果を表−3に示した。
また反応後の水分は、リパーゼGが35ppm、リパーゼ
Pが29ppm、リパーゼDが38ppm、リパーゼF−APが32pp
mであった。
表−3の結果より、部分グリセライドリパーゼである
リパーゼGはトリグリセライド中にジグリセライドより
合成されたトリグリセライドを若干含む為、原料油脂と
比べて組成の変化が少し認められるが、その変化は他の
トリグリセライドリパーゼと比較すると非常に小さく、
実質上問題にならない程度の変化であることがわかる。
〈実施例4〉 トリグリセライド86.2%、脂肪酸5.0%、モノグリセ
ライド0.3%、ジグリセライド8.5%からなる組成のクル
ードパームオレイン油1,000gと固定化酵素剤200g(セラ
イト174gにリパーゼG17.4g、レシチン8.7gを実施例1に
準じて固定化調製したもの)を添加し、1.0mmHgの減圧
下、60℃、48時間撹拌反応した。この時の水分濃度は25
ppmであった。反応終了後、油脂を濾別し酵素剤に付着
した油脂はn−ヘキサンを用いて回収した。こうして得
られた反応油脂の重量は996gであった。
更に、上記反応油脂から脂肪酸を取り除くため通常の
水蒸気蒸留で物理脱酸を行ない972g(収率97.2%)の油
脂を得た。この収率は通常のパーム油の精製収率よりも
高く、更に加水分解による部分グリセライド除去方法に
比べると格段に高い値を示した。表−4に結果を示し
た。
〈実施例5〉 部分グリセライドリパーゼであるリパーゼG(天野製
薬(株)製)100mgと庶糖(純正化学特級)200mgを水50
0mgに溶解しこれをセライト(マンビル社製No.535)5g
に混合し固定化リパーゼ剤とした。
この固定化リパーゼ2g(水分約10%)をそのまま内径
1cm、長さ10cmのカラムに充填した。
水分80ppmに調製した原料油脂(クルードパームオレ
イン油TG含有率87.3%、DG含有率7.7%)を定量ポンプ
により10g/hで流し3時間初溜をカットした後、リサイ
クルした。
反応油はモレキュラーシーブ3A 75gを充填した脱水
用カラム(24φ×290mm)を通して脱水した後、固定化
リパーゼカラムに戻るようにした。全系を55℃に保持し
た。5時間後の反応油の組成を表5に示す。DGが減少
し、TGが合成されているが、TGは組成はわずかしか変化
していないことがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 間瀬 民生 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城 屋敷51 天野製薬株式会社西春工場内 (72)発明者 山口 庄太郎 愛知県西春日井郡西春町大字九之坪西城 屋敷51 天野製薬株式会社西春工場内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】部分グリセライド及び脂肪酸を含有する油
    脂に、トリグリセライドに対する加水分解能を全く有し
    ないか、トリグリセライドに対する加水分解能が、モノ
    グリセライド、ジグリセライドに対する加水分解能の20
    %以下であるような部分グリセライドリパーゼを作用さ
    せて、該部分グリセライドをトリグリセライドにエステ
    ル合成することを特徴とする油脂の改質方法。
  2. 【請求項2】部分グリセライドリパーゼが、ペニシリウ
    ム・サイクロピウムATCC 34613株の産生するリパーゼで
    ある請求項(1)記載の油脂の改質方法。
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