JP2713015B2 - 樹脂微粒子 - Google Patents

樹脂微粒子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂微粒子を有機液体
の媒体中に懸濁・分散させた各種加工用分散体として保
存する際に粘度の変化がない貯蔵安定性が良好な樹脂微
粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、イオン架橋したポリマーは、
通称アイオノマー(商標名)として、広く知られてい
る。アイオノマーは、熱可逆的なイオン架橋を利用し
て、2次元構造のポリマーの欠点である耐熱性、耐溶剤
性又は高温での耐クリープ性などの機械的特性をイオン
架橋構造によって改善するものであり、しかも、通常の
共有結合による三次元構造架橋ポリマーと相違して熱可
塑性ポリマーとしての加工性をも維持している点に特徴
を有するものである。イオン架橋ポリマーは、この特徴
を活用して広い用途が開発されている。一方、プラスチ
ゾル、オルガノゾル、プラスチゲル、オルガノゲル等を
用いたペースト加工技術、又はコーティング加工技術に
おいては、可塑剤、液状モノマー、液状ポリマー中に樹
脂微粒子を懸濁分散して用いる場合がある。これらの場
合はこれら分散体を加熱前に賦形した後に加熱熔融工程
によって媒体と樹脂微粒子を一体的な物質とするもので
あり、成形加工の操作、成形品の機械的物性、加工温度
等の関係で分散媒と樹脂微粒子の双方の物質の相溶性パ
ラメーター値が近いことが好ましく、その結果、樹脂微
粒子を分散体として保存中にポリマー粒子に媒体物質が
膨潤し易くなって、分散体全体の粘度が変化し加熱前の
賦形操作に支障を来し、プラスチゾル等の分散体の貯蔵
安定性が悪くなるという業界懸案の問題点が存在してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、相溶性パラ
メーターの近い分散媒と樹脂微粒子を使用した分散体に
おいてもポリマー粒子が膨潤する現象を解消して、貯蔵
安定期間の長い分散体を製造できる樹脂微粒子を提供す
ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、イオン架
橋構造においては架橋構造でありながら熱可塑性を維持
する特異な現象を示すことに着目して、該イオン架橋構
造によって樹脂微粒子の分散媒による膨潤現象を防止で
き、しかも、プラスチゾル等における加熱熔融加工性等
も損なわないことを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、樹脂微粒子が有機媒
体中に分散している分散体に用いる樹脂微粒子であっ
て、熱可塑性樹脂又はゴム系ポリマーの粒子からなる核
部の存在下において、ビニル化合物単量体と遊離カルボ
キシル基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性不飽
和カルボン酸単量体との共重合反応を行うことによっ
て、不飽和カルボン酸単量体単位を含有する共重合体層
を前記核部に外殻層として形成させて得られたコア/シ
ェル型樹脂微粒子の分散液に1価若しくは2価のカチオ
ンを添加して外殻層共重合体にイオン架橋を形成させて
なることを特徴とする樹脂微粒子を提供するものであ
る。
【0006】本発明は、樹脂微粒子を液状有機分散媒に
分散した分散体加工材料を調製する場合に用いる樹脂微
粒子の外殻部を構成する樹脂ポリマーとして、1個以上
の遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜8個のラジカ
ル重合性不飽和カルボン酸又はその酸無水物単量体と当
該ポリマーの主たる構成単位の単量体との共重合体を用
い、これに、1価又は2価のカチオンを遊離カルボキシ
ル基をイオン的に結合する架橋剤として添加した点に構
成としての特徴がある。従って、本発明のイオン性架橋
物は、硫黄架橋やパーオキサイド架橋などの共有結合の
架橋構造と異なり、熱可逆的に架橋構造の形成が変化す
るため、イオン架橋によって改質された樹脂微粒子の表
面は、室温では架橋された構造の性質を示し、加熱成形
の加工条件下では架橋が解離した構造での性質を示し、
その結果、貯蔵安定性と成形加工性とを兼ね備えた特徴
を有している。すなわち、本発明は、架橋剤としてのカ
チオンがプラスチゾルの外殻層の前記共重合体ポリマー
の側鎖として存在する遊離カルボキシル基間にイオン性
架橋を形成させ、分散微粒子外殻層に形成した3次元ポ
リマー構造によって媒体による室温での膨潤性を低下さ
せて、基体となるポリマーと分散媒との加熱加工物が本
来の物性を損なうことなく、前記分散体の粘度の貯蔵安
定性を改善させたものである。
【0007】本発明は、イオン架橋性ポリマーの特性を
樹脂分散体による加工技術分野に初めて応用したもので
あり、本発明の原理は樹脂分散体技術に普遍的に有効な
ものであり、樹脂の種類に拘わらずこの分散体用途の樹
脂微粒子に総て適用することができる。また、本発明樹
脂微粒子は、膨潤性を低下させるためには、少なくとも
外殻層のポリマーにイオン架橋構造を設ければ、目的を
達成することができる。しかし、所望により本発明樹脂
微粒子の核部にもイオン架橋構造を設けることも成形品
の物性に応じて適宜採用することができる。本発明樹脂
微粒子の核部には、熱可塑性樹脂では、例えば、アクリ
ル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ラ
ウリルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレ
ン、メタクリルアミド等のビニル化合物単量体;エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、ヘプテン−1、3−メチルーブテン−1,4−メ
チルーブテン−1、ジビニルベンゼン、クロルスルホン
化エチレン、ビニルピロリドンなどの1種の重合体又は
2種以上の共重合体を使用することができる。
【0008】さらに、ナイロン6、ナイロン66、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスルフォ
ン、熱可塑性ポリウレタンなどの樹脂を用いることがで
きる。また、ゴム系ポリマーとしては、特に制限はない
が、例えば、ポリブタジエン、ポリ1,3−ペンタジエ
ン、ポリイソプレン、アクリロニトリル・ブタジエン共
重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エピ
クロルヒドリンゴムなどを使用することができる。本発
明樹脂微粒子の外殻部は、少なくともビニル化合物単量
体及び遊離カルボキシル基を有する炭素数3〜8個のラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体の共重合体を含有
するものである。ビニル化合物単量体としては前記の核
部を構成する熱可塑性樹脂の単量体に例示したものが挙
げられる。また、外殻部ポリマーの共重合成分に用いる
カルボキシル基含有単量体は、イオン架橋させるための
遊離カルボキシル基を分子当たり1個以上持ち、3〜8
個の炭素数を有するラジカル重合性不飽和カルボン酸で
あり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリ
ル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン
酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン
酸、クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸やその無
水物及びマレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマ
ル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モ
ノエチル、イタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン
酸のモノエステルやその誘導体1種又は2種以上の単量
体を使用することができる。これらの単量体の内で特に
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸が好ましい。
【0009】本発明樹脂微粒子は、少なくともその外殻
層には遊離のカルボキシル基又はその誘導体基を含有す
る共重合体が存在し、該共重合体は、カルボキシル基や
誘導体基を含む単量体単位が共重合体1分子当たり、平
均して1ケ以上結合し、更に基体となる粒子表面の該共
重合体100重量部当たり0.01〜20重量部好まし
くは0.05〜10重量部、更に好ましくは0.1〜5
重量部の範囲で遊離カルボキシル基を有する単量体単位
が付加重合しているものを使用することができる。遊離
のカルボキシル基またはその誘導体基を含有する単量体
の付加量が該共重合体100重量部に対して0.01重
量部以下の場合は本発明のイオン架橋による粒子表面改
質効果が殆ど見られず、同様に20重量部以上の場合も
それ以下に比べて粒子表面改質効果の向上がなく、むし
ろ基体樹脂本来の機械的特性を低下させることが多い。
本発明樹脂微粒子では、微粒子全体を遊離カルボキシル
基を有する共重合体にすることができ、また、外殻層の
みを遊離カルボキシル基を有する共重合体にすることが
できる。
【0010】本発明の樹脂微粒子の外殻層の樹脂層の重
量は遊離カルボキシル基含有単量体との共重合を実施し
た間に生成した重合体重量でもって表され、コア/シェ
ルの重量比は10/1〜1/4の範囲が好ましい。本発
明においては、重合によって得られた重合体分散液にカ
チオン供給体の水溶液を添加して、イオン架橋して、こ
れを噴霧乾燥方法等によって乾燥して樹脂微粒子粉末を
製造することができる。本発明樹脂微粒子のイオン性架
橋物を得るために用いるカチオン供給体としては、任意
の1価または2価カチオン化合物を使用することができ
るが、特に1価の金属の水酸化物やカルボン酸塩が反応
効率上、また加熱成形時成形変形し易くて有効である。
【0011】本発明樹脂微粒子のイオン架橋剤として
は、K+、Na+、Li+、Cs+、NH+、Sn+
+、Cr++、Pb++、特に周期律表、I〜III蔟
の金属の1または2価の原子イオンの酸化物、水酸
化物、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、
塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩や▲10▼オクチル
酸、ステアリン酸、オレイン酸、カプリン酸、蟻酸、コ
ハク酸、エルシン酸、リノレン酸、パルチミン酸、プロ
ピオン酸、酢酸、アジピン酸、酪酸、ナフテン酸、チオ
カルボン酸等の各有機酸の塩や▲11▼アセチルアセト
ン塩や▲12▼エトキシド、メトキシドのアルコラート
などを使用することができる。特に、本発明において、
1価及び2価のカチオン供給体は、3価以上のカチオン
供給体の如く、架橋反応を行うに当たって、比較的長い
時間の加熱等を必要とせず、溶液中においては室温で数
分以内で架橋反応が可能であるという特徴を有するので
望ましい。
【0012】水系重合液中でカルボキシル基含有単量体
を共重合させた場合は、その親水性の性質によって微粒
子表層に、その大部分が集積されているので、水層にカ
チオン供給体を添加する場合は、イオン間の反応である
ために、水層中に解離したカチオンと解離性の高いカル
ボキシル基との遭遇の確率は極めて高く、短時間で架橋
反応が完了する。本発明における架橋反応は、外殻層の
表面で起こるものであるので、核部を構成する樹脂が遊
離カルボキシル基含有単量体との共重合体である必要は
ないが、遊離カルボキシル基を有する共重合体にするこ
とができる。また、本発明樹脂微粒子のイオン性架橋速
度の温度依存性が少なく、0〜50℃の温度範囲では、
イオン架橋した後の金属イオンの共重合体中の存在量は
不変であり、イオン架橋反応においては特に温度管理は
不要で、一定のイオン架橋を容易に得ることができる。
【0013】上記イオン性架橋物は遊離カルボキシル基
の一部ないし全量がイオン化して、カルボキシルアニオ
ンとなり、1価又は2価の金属イオンをカウンターカチ
オンとしてイオン結合を形成するために、イオン架橋率
は添加するカチオン供給体の量によって容易に調節する
ことができる。上述のイオン性架橋反応は一般的に定量
的に進行するが、理論量よりも過剰量のカチオン供給体
を使用することができる。このイオン性架橋の存在は赤
外吸収スペクトルによるカルボキシレート基の吸収の測
定や金属イオンの定量や溶剤への膨潤度を測定すること
により容易に分析可能である。イオン架橋の解離性につ
いては示差熱分析で、密度については膨潤度の測定によ
りそれぞれ確認することが可能である。本発明のイオン
性架橋物を効率的に得るためには、所望の架橋度に応じ
て、共重合体中に含有される遊離のカルボキシル基当た
りのカチオン供給体の金属原子のモル比を選択する必要
があり、カチオン供給体の添加量は共重合体中のカルボ
キシル基量に対して0.1〜3倍モルが好適範囲で、こ
れらのモル比では本発明のイオン性架橋物は特に機械的
特性が優れたものとなる。上記モル比が0.1未満の場
合は本発明の表面改質効果が顕著に劣り、3倍モルを超
えた場合は機械的特性低下への影響が大となる傾向を示
す。
【0014】また、本発明のイオン性架橋物中でイオン
架橋に関与していないカルボキシル基の量は共重合体全
体重量の1重量%以下とすることが、イオン性架橋物を
用いた組成物の耐水性の観点から望ましい。上記イオン
性架橋物を得る方法として、例えば、共重合体を適当
な溶媒に溶かして、このポリマー溶液中にカチオン供給
体またはその溶液を添加してイオン性架橋反応を起こさ
せる方法、重合工程後のラテックスにカチオン供給体
またはその溶液を添加する方法、分散媒体に共重合体
の粉体を添加して分散体を混合調整する過程でカチオン
供給体を添加する方法などがある。これらの何れの方法
も本発明のイオン性架橋物を得る方法として利用可能で
あるが、特に取扱性と分散効率上からはのラテックス
添加方法が尤も簡便であり有用である。本発明樹脂微粒
子は乳化重合、微細懸濁重合、懸濁重合で作製す
ることができる。
【0015】また0.1〜5μ程度の大きさの微粒子表
面の改質を効果的にグラフト重合によって行うためには
主に乳化重合又は微細懸濁重合の重合法で得た粒子
の凝集させた粒子に前述のごとく遊離カルボキシル基を
共重合して内在させ、イオン架橋させるのが有効であ
る。遊離カルボキシル基を含有する共重合用単量体は基
体となるポリマーの単量体と同時に反応器に仕込んで重
合する場合と、基体の単量体の反応の後期に追添加する
場合と、基体の単量体の反応中に分割して添加する場合
とがあり、これらは使用する単量体の組み合わせによっ
て、それぞれ特有の反応性比に従って適宜好適な方法を
採用することができる。
【0016】本発明樹脂微粒子を有機媒体中に分散させ
て分散体とするには、本発明樹脂微粒子粉末を有機媒体
中に投入して撹拌して製造することができる。この場合
の有機媒体は使用目的によって相違し、可塑剤、有機溶
剤、液状ポリマー、液状モノマー等を使用することがで
きる。本発明樹脂微粒子は、プラスチゾル用、オルガノ
ゾル用、プラスチゲル用、オルガノゲル用、液状の架橋
性あるいは加硫性ポリマーへの分散体用、液状モノマー
への分散体用として各種成形用部材、接着剤、塗料、シ
ール剤、発泡製品等々に利用可能で、特に成形加工され
る前に室温で1ケ月〜2年程度貯蔵ないし放置される可
能性のあるペースト加工用途の利用分野について好適に
使用できる。本発明樹脂微粒子には、さらに、安定剤、
乳化剤、充填剤、強化剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線
防止剤、滑剤などを任意に配合して、所望の分散体を製
造することができる。また、本発明のイオン性架橋物は
各種熱可塑性重合体やそれらの低分子量物や未加硫ゴ
ム、各種熱硬化性重合体の前駆物質などとの複合材料と
して新しい機能を付加することが可能である。
【0017】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例1〜3 n−ブチルアクリレート47重量部を炭素数12〜18
のソジウムアルキルサルフェート1.0重量部を乳化剤
として、過硫酸カリウム触媒0.1重量部を添加し、水
150重量部中で重合温度70℃で180分間撹拌して
乳化重合を行い、ポリn−ブチルアクリレートの核部微
粒子分散重合液を製造し、続いて、この重合液にメチル
メタクリレート47重量部を180分間に連続的に添加
して核部微粒子の表面に殻層を形成するいわゆるコア/
シェル乳化重合を行い、該重合において該メチルメタク
リレートの添加量が50%に達したときに、各実施例に
ついて表示のカルボキシル基含有単量体及び架橋剤TE
GDMA(テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト)を連続的に添加して共重合を完結させた。表示のカ
チオン供給体の5%水溶液40重量部を、それぞれ重合
後のラテックスに室温で添加した。これを、噴霧乾燥し
て各例の分散用樹脂を得た。各例の分散用樹脂とビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂と硬化剤ジシアンジアミドを
プラネタリーミキサーを用いて室温で混合し、得られた
分散体全体の粘度をBrookfield−H型粘度計
で測定した。粘度の熟成変化の測定は40℃に保存して
実施した。表中の熟成係数は、7日後の粘度を初日の値
で除した数値により示した。衝撃剥離強度はJISK−
6855に、引張剪断強度はJISK−6850にそれ
ぞれ準じて、冷延鋼板の未処理品に施工し、180℃×
30分の硬化条件で作製した試料を用いて測定した。結
果を第1表に示した。
【0018】比較例1 n−ブチルアクリレート49.5重量部を表示量の炭素
数12〜18のソジウムアルキルサルフェートを乳化剤
として、実施例1と同一の重合条件の乳化重合方法によ
り重合して、ポリn−ブチルアクリレートの核部微粒子
分散乳化重合液を製造し、続いて、この重合液にメチル
メタクリレート49.5重量部を180分間に連続的に
添加して核部微粒子の表面に殻層を形成するいわゆるコ
ア/シェル乳化重合を行った。該重合において該メチル
メタクリレートの添加量が50%に達したときに、TE
GDMAを連続的に添加して共重合を完結させた。カチ
オン供給体として表示量の水酸化カリウムの5%水溶液
を、重合後のラテックスに室温で添加した。これを、噴
霧乾燥して各例の分散用樹脂を得た。分散用樹脂につい
て実施例1と同一の操作によって、同一の試験を行っ
た。結果を第1表に示した。
【0019】比較例2 カチオン供給体として水酸化アルミニウムを使用した以
外は実施例1と同一の操作を行った。試験結果は第1表
に示した。
【0020】比較例3 カチオン供給体を添加しなかった以外は実施例1と同一
の操作を行い、結果を第1表に示した。
【0021】実施例4 表示量のスチレンとブタジエンの乳化共重合によりシー
ドになる粒径0.1μmのSBR微粒子分散乳化液を作
製し、ブタジエンでソルベント凝集させた後、メチルメ
タクリレートをグラフト重合して分散用MBS樹脂を得
た。カルボキシル基含有単量体としてメタクリル酸を後
段のグラフト重合の際に添加した。過硫酸カリウムとと
もに一括して反応機に投入し、炭素数12〜18のソジ
ウムアルキルサルフェートを乳化剤として、水200重
量部中で温度55℃で600分間撹拌して乳化共重合を
行った。カチオン供給体水酸化カリウムは5重量%の水
溶液40重量部を、重合後のラテックスに室温で添加し
た。この液を噴霧乾燥して分散用樹脂粒子を得た。実施
例1と同様の方法によって、得られた分散用樹脂と分散
媒体2−エチルヘキシルフタレートとの混合及び粘度変
化測定試験を行った。抗張力と伸張率は140℃×20
分の加熱条件で作製した0.5mm厚のシートを用いて
JISK−6723に準じて測定した。
【0022】比較例4 実施例4のメタクリル酸及びカチオン供給体を添加しな
いで、実施例4と同一の操作を行い、結果を実施例4と
ともに第1表に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明樹脂微粒子を用いた分散体は保存
安定性がよいため、1カ月〜2年に亙る長期間分散体と
して保存できる利点があり、その上、本発明樹脂微粒子
を用いた分散体の成形品の機械的物性も良好である。
フロントページの続き (72)発明者 永瀬 敏夫 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社 研究開発セン ター内 (56)参考文献 特開 平4−57811(JP,A) 特開 平3−197512(JP,A) 特開 昭58−215403(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂微粒子が有機媒体中に分散している分
    散体に用いる樹脂微粒子であって、熱可塑性樹脂又はゴ
    ム系ポリマーの粒子からなる核部の存在下において、ビ
    ニル化合物単量体と遊離カルボキシル基を有する炭素数
    3〜8個のラジカル重合性不飽和カルボン酸単量体との
    共重合反応を行うことによって、不飽和カルボン酸単量
    体単位を含有する共重合体層を前記核部に外殻層として
    形成させて得られたコア/シェル型樹脂微粒子の分散液
    に1価若しくは2価のカチオンを添加して外殻層共重合
    体にイオン架橋を形成させてなることを特徴とする樹脂
    微粒子。
  2. 【請求項2】有機媒体が可塑剤又は有機溶液であり、分
    散体がペースト加工用分散体である請求項1記載の樹脂
    微粒子。
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