JP2916662B2 - ビニル系樹脂水性エマルジョンの製造方法 - Google Patents

ビニル系樹脂水性エマルジョンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はビニル系樹脂水性エマル
ジョンの製造方法に関し、更に詳しくは水溶性ポリエス
テルとビニル系モノマーを出発原料としたビニル系樹脂
水性エマルジョンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からビニル系樹脂水性エマルジョン
は、安価でしかも作業環境の汚染及び火災、爆発等に対
して安全性が大きく且つ取り扱い易いために、汎用性の
ある材料として例えば塗料の原料、コーティング剤、接
着剤等と広い範囲で使用されている。
【0003】しかし乍らこのビニル系樹脂水性エマルジ
ョンは界面活性剤を乳化剤として使用したり、或いは水
溶性高分子やポリビニルアルコール等を保護コロイドと
して水媒体中でビニル系モノマーを重合させているた
め、界面活性剤や保護コロイドがもつ親水性のために塗
膜の耐水性が悪くなったり、界面活性剤が経時的に界面
に移動して接着性が低下するという欠点がある。
【0004】この欠点を解決するための対策の一つに特
公昭58−50606号に記載されている方法がある。
この方法には、平均分子量が500〜3000の、特定
の低分子ヒドロキシカルボン酸を成分として持つ水溶性
ポリエステルを保護コロイドとして使用する手段が示さ
れている。この方法に於いては使用されるポリエステル
樹脂は親水性が大きく且つ分子量が小さいため保護コロ
イドとしての効果が小さく、ビニル系モノマー重合中に
凝集物が発生しやすく、目的物水性エマルジョンの安定
性に難点があり、高濃度のエマルジョンを得るには問題
が多い。加えてこの方法では三官能のヒドロキシカルボ
ン酸や三価のカルボン酸又は水酸基含有化合物を使用し
ているために、網状構造となってゲル化を起こし易い。
又この方法に於いてはビニル系モノマーを重合させる手
段として、水溶性ポリエステル水溶液中にビニル系モノ
マーを滴下しながら重合させる方法を採用しているた
め、ビニル系モノマー重合中に凝集が生じ、目的物水性
エマルジョンの製造に支障を来す。
【0005】その他この種水溶性ポリエステル樹脂を用
いてビニル系モノマーを乳化重合して水性エマルジョン
を製造する手段としては以下のものがある。即ち、特開
昭58−27140号にはフレキソ印刷板用感光性樹脂
組成物が記載されており、ビニル系モノマー又はプレポ
リマーと、水溶性ポリエステルエーテルからなる組成物
が記載されている。この方法ではポリエステルエーテル
水溶液中にビニル系モノマーを滴下しながら重合させて
いるものではあるが、このものでは得られる組成物は懸
濁安定性が非常に悪いという致命的な欠点がある。又こ
の方法では熱重合を行っておらず、熱重合を行う本発明
とは根本的に異なっている。
【0006】特開昭57−200415号には、歯科配
合用ポリエステルポリオールに関する技術が開示されて
おり、特定のポリエステルポリオールを、β−エチレン
性不飽和化合物を必須として含むエチレン性不飽和モノ
マーで変性した歯科配合用のポリエステルポリオールが
記載されている。この方法においても、実質上歯科とい
う特異な用途に使用する組成物を開発することを目的と
しており、又ビニル系モノマーの重合は実質的に水溶性
ポリエステル水溶液中に滴下しながら行っているもので
ある。
【0007】又特開昭56−76421号には、接着性
良好なスチレン系樹脂の製造方法が開示されており、特
定のポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂の存在下に、ス
チレン系化合物をグラフト重合せしめることにより接着
性が改善されたスチレン系グラフト共重合体樹脂を製造
する方法が記載されている。しかし乍らこの方法におい
てはグラフト共重合体を得るものであって、水性エマル
ジョンを得ようとするものではなく、又乳化重合をして
いるものでもない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ポリ
エステル樹脂水溶液を乳化剤として用いて、ビニル系モ
ノマーを該ポリエステル水溶液中で、界面活性剤やその
他の保護コロイドを使用することなく重合せしめる手段
を採用して、従来の水性エマルジョンのような欠点を有
しない、即ち耐水性及びプラスチックへの密着性が優れ
るばかりでなく、ビニル系モノマー重合中での凝集を生
ずることなく容易に製造が可能な、且つ安定なビニル系
樹脂水性エマルジョンを開発することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題は、有機過酸化
物系重合開始剤を含有したビニル系モノマーを、平均分
子量4000〜30000の線状ポリエステル樹脂の
溶液で予め乳化し、次いで乳化して得られた乳化物を重
合することによって解決される。尚、本発明に於いて
は、この際のポリエステル樹脂としては、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸又はそのジメチルエステルを含有
するジカルボン酸を使用し、そのジカルボン酸成分のう
ち、その2〜15モル%の範囲で使用する。
【0010】即ち本発明に於いては、従来方法とは全く
異なり、ビニル系モノマーを予め線状ポリエステル樹脂
水溶液で乳化して、ビニル系モノマーの乳化物を先ず製
造し、次いでこの乳化物を重合することを大きな要旨と
している。これに対し、従来の製造方法では、水溶性ポ
リエステル樹脂水溶液中にビニル系モノマーを徐々に滴
下しながら重合を行うものであり、この点においてその
製造方法が大きく異なっている。
【0011】又本発明に於いては水溶性ポリエステルと
して平均分子量が4000〜30000という特定のポ
リエステルを選択使用し、且つポリエステルとして線状
のポリエステルを選択使用し、これら特定のポリエステ
ルの水溶液を用いて予めビニル系モノマーを乳化せしめ
て、その後重合することを最大の要旨としている。この
ような手段を採用することにより、従来のエマルジョン
に比し極めて安定性の優れた且つ耐水性及び接着性の優
れた塗膜を与え得る水性エマルジョンを得ることが出来
る。尚、該ポリエステルのジカルボン酸成分としては、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジメチルエ
ステルを2〜15モル%の範囲で使用する。
【0012】
【発明の作用】本発明に於いて使用する水溶性ポリエス
テル樹脂は線状で平均分子量が4000〜30000で
あることが必要である。ここで線状とは主鎖が芳香族や
脂環族ではなく、線状であることを意味する。
【0013】本発明のポリエステルは、ジカルボン酸と
ジオールから製造されたものが使用され、その製造方法
は何ら限定されない。
【0014】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸
のような芳香族ジカルボン酸特にテレフタル酸を含有し
た芳香族ポリエステルであることが好ましい。これは芳
香族ジカルボン酸の芳香核がプラスチックと親和性が大
きいために密着性が向上する利点がある。特にポリエチ
レンテレフタレートのような芳香族ポリエステルの成形
物に対して密着性が大きい。
【0015】本発明に使用する水溶性ポリエステル樹脂
を構成するジカルボン酸成分としては、5−ナトリウム
スルホイソフタル酸又はそのジメチルエステルを2〜1
5%モル含有するものを使用する。またジカルボン酸成
分としては、上記のような芳香族ジカルボン酸、又はそ
のエステルを使用することが好ましいが、これら以外に
アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン二酸のよ
うな脂肪族ジカルボン酸、ヒドロキシ安息香酸のような
ヒドロキシカルボン酸又はこれらのエステルを、ジカル
ボン酸成分として若しくはその一部として使用すること
もできる。この際のエステルとしては例えば、テレフタ
ル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジ
メチル、イソフタル酸ジエチル等が例示出来る。
【0016】一方本発明の水溶性ポリエステル樹脂を構
成するジオール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、ビスフェノール等が使用され
る。
【0017】更に本発明に於いては、親水性基を有する
成分を共重合することもできる。これらの具体例として
は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール等のジオール成分が例示でき
る。その使用量は例えば、ジオール成分中0〜100%
である。これら水溶性ポリエステルの使用量はビニル系
モノマー100重量部に対して20〜570重量部、好
ましくは33〜500重量部であり、この際20重量部
未満では得られるエマルジョンの安定性が低下し、又5
70重量部を越えると耐水性が損なわれる傾向がある。
【0018】本発明の水溶性ポリエステル樹脂は、既に
上記で述べた通り線状であって、且つ分子量が4000
〜30000であることが必要であるが、この際分子量
が4000未満では必要量のモノマーの乳化性が得られ
ず、得られるエマルジョンは次第に粒子が沈降するよう
になり、その安定性が損なわれる。又、分子量が300
00を越えると水への均一な溶解が難しく、時間の経過
と共にゲル化する傾向がある。
【0019】本発明に於いて使用するビニル系モノマー
としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリルブチル等の不飽和カルボン酸エステル、ジメチ
ルビニルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン等のビニルシランを挙げることが出
来る。
【0020】更に本発明に於いてはヒドロキシアクリル
酸エステルも使用出来、その例としては、例えばアクリ
ル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピル等が挙げられる。
【0021】本発明のビニル系モノマーのうち、特に親
水性の大きいビニル系モノマーとしてはエチレングリコ
ールアクリレート、エチレングリコールメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレ
ングリコールメタクリレート等のグリコールモノエステ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールア
クリルアミド、メトキシメチロールアクリルアミド等の
アクリルアミド系化合物、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル等のグリシジルアクリレート系化合
物等が例示出来る。
【0022】又ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、
ビニルピロリドン等の含窒素ビニル系化合物、アクリル
酸等の酸及びその塩も親水性ビニル系モノマーとして使
用出来る。しかしこれらの親水性モノマーは疎水性モノ
マーと併用するのが好ましい。
【0023】又その他エチレン、プロピレン、スチレ
ン、ブタジエン等のオレフィンやジオレフィン化合物、
ジメチルビニルメトキシシラン、メチルビニルジメトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン等のビニルシラン化合物の共重合成分として使用出
来る。その使用割合は30重量%以下である。
【0024】本発明に於いては、重合開始剤としては有
機過酸化物を使用する。この過酸化物としては例えばベ
ンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド、ラウ
ロイルパーオキサイド等が例示出来る。この際過硫酸ア
ンモニウムのような無機過酸化物を用いると添加時にポ
リエステル樹脂の凝集が生じて望ましくなく、又アゾ系
のラジカル反応開始剤ではエマルジョンの安定性が悪
い。従って本発明に於いては開始剤としては有機過酸化
物を使用する。
【0025】本発明のビニル系エマルジョンを製造する
に際しては、水溶性ポリエステル樹脂を好ましくは50
〜90℃の加温下、水若しくは水と水溶性有機溶剤の混
合物に均一に溶解させる。
【0026】又ビニル系モノマーには必要に応じ少量の
乳化剤を使用して有機過酸化物重合開始剤を分散させ
る。
【0027】次いで上記ポリエステル水溶液に、上記重
合触媒を含有したビニル系モノマーを徐々に添加し、乳
化してポリエステル樹脂とビニル系モノマーのエマルジ
ョンを作製する。
【0028】次いでこのポリエステル樹脂−ビニル系モ
ノマーエマルジョンを100℃以下、好ましくは65〜
85℃で重合させる。
【0029】このように本発明の製造方法に於いては、
予めポリエステル樹脂水溶液を用いてビニル系モノマー
を乳化せしめ、その後重合を行うことを大きな要旨とし
ており、この際ポリエステル水溶液にビニル系モノマー
を滴下しながら重合を行うと、高濃度のエマルジョンが
収得出来ず、且つ凝集物が多く生成し、本発明の目的に
合致しない。
【0030】必要に応じ水と併用する有機溶剤としては
メタノール、エタノール、アセトン、セロソルブ、カル
ビトール、ジオキサン等の1種又は2種以上が例示出来
る。
【0031】かくして得られるビニル系樹脂エマルジョ
ンは後記実施例でも示す通り耐水性、接着性が優れるば
かりでなく、特にエマルジョンの安定性が極めて大きい
という特徴を有する。
【0032】本発明に於いては目的物ビニル系樹脂エマ
ルジョンに、必要に応じてエポキシ樹脂、アミノ樹脂、
アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂成分、イソシ
アネート系化合物、シランカップリング剤等の架橋剤、
界面活性剤、粘性改良剤、着色剤、ブロッキング防止
剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等従来公知の添加剤を添
加することが出来る。
【0033】本発明のビニル系樹脂エマルジョンが適用
される成形物としては、親水性、疎水性の各種プラスチ
ック、ガラス、金属、布帛、紙等が挙げられ、これらの
上に均一で平滑且つ強靭な塗膜を形成することが出来
る。このため、コーティング剤や接着剤として極めて優
れた性質を示し、これら用途に好適なものである。そし
て特に水溶性ポリエステルが芳香族基を有する場合に
は、適用される成形物としては、芳香族ポリエステル特
にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、又は一部イソフタル酸、ナフタリンジカルボン
酸等の芳香族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグ
リコールを共重合したものが密着性が優れていて好まし
い結果が得られる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。水溶性ポリエステル樹脂の製造:下記、表1に
記したカルボン酸成分、グリコール成分を用いて、酢酸
亜鉛と三酸化アンチモンを触媒として反応容器中で17
0〜220℃で3時間エステル交換を行った後、260
℃まで昇温しつつ反応系内を徐々に減圧して、1時間後
に5mmHgとし、更に減圧下(0.2mmHg)で所
定粘度が得られるまで重縮合を行った。尚、樹脂Cは樹
脂Aと同じ組成で反応を進め、樹脂の粘度が上がる前に
反応系から取り出して低分子量のポリエステルを得たも
のである。
【0035】
【表1】
【0036】
【実施例1】上記表1のポリエステル樹脂A160重量
部を水240重量部に65〜85℃で撹拌しつつ均一に
溶解し、室温まで冷却する。
【0037】このポリエステル水溶液に、メタクリル酸
メチル220重量部、アクリル酸ブチル20重量部のモ
ノマー混合液に過酸化ベンゾイル2重量部を溶解した溶
液を少量ずつ加え、モノマー乳化液を作る。
【0038】次に、冷却管付き反応容器に、水358重
量部と上記モノマー乳化液とを仕込み、20分間窒素ガ
スを吹き込んで充分脱酸素を行った後、1時間かけて徐
々に昇温し、昇温液も75〜85℃を維持しつつ3時間
反応を行い、固形分40重量%、pH5.3、粘度12
0cpsの凝集物のない安定なエマルジョンを得た。
【0039】
【実施例2、3及び比較例1〜6】実施例1と同じ方法
で、表2に示した組成で重合を行った。
【0040】
【比較例7】冷却管付き反応容器を用いて、上記表1の
ポリエステル樹脂B200重量部を水598重量部に6
5〜85℃で撹拌しつつ均一に溶解し、室温まで冷却す
る。
【0041】このポリエステル樹脂水溶液を仕込んだ容
器に、20分間窒素ガスを吹き込んで充分脱酸素を行っ
た後、メタクリル酸メチル12重量部、アクリル酸ブチ
ル30重量部、ビニルシラン8重量部、過酸化ベンゾイ
ル2重量部からなるモノマー混合物を1時間かけて滴下
しつつ75〜85℃まで徐々に昇温し、更に3時間、こ
の温度で反応させる。
【0042】更に各実施例及び各比較例で得たエマルジ
ョンを膜厚100μの二軸延伸ポリエステル(PET)
フィルムに塗布し、100℃で5分間温風乾燥後、17
0℃で5分間熱処理を施した。このようにして得た加工
フィルムについて、次の方法によって耐水性及び密着性
試験に供した。その結果は表3の通りである。
【0043】耐水性:加工したフィルムを70℃の温水
に1時間浸漬した後に、外観の変化で判定した。密着
性:加工面の上からセロハンテープを貼り付け、180
°方向に速やかに引き剥がした後の樹脂残存比率を測っ
た。
【0044】
【表2】
【0045】表中組成は有効成分重量%を示す。 重合安定性評価基準 ○:凝集物なく、安定性良好 ×:凝集物多く、安定性不良
【0046】
【表3】
【0047】評価基準 耐水性 ○:外観の変化なし △:皮膜白化 ×:溶解する 密着性 ○:残存率100% △:残存率99〜80% ×:残存率79%以下
【0048】表2、表3の結果から明らかなように、実
施例1、2及び3の場合にはエマルジョンの安定性は良
好で、凝集物もなく、且つ耐水性、密着性も良好であ
る。一方、比較例1乃至3はポリエステル樹脂に対して
ビニル系モノマーが少ない場合であるが、この場合は、
重合安定性は良好であるが、耐水性が悪く、ガラスに対
する接着性も良好とはいえない。
【0049】比較例4は分子量の小さいポリエステル樹
脂を使った場合であるが、重合安定性が悪く、凝集物が
多い。従ってこのエマルジョンを使用して均一な密着性
を得ることは到底不可能であり、耐水性、密着性の試験
は実質的に出来なかった。
【0050】比較例5及び6はビニル系モノマーが多い
場合の例であるが、重合安定性が悪くて、凝集物が多
く、前記と同様に耐水性、密着性の試験は出来なかっ
た。比較例7はビニル系モノマーを反応系に滴下しつつ
重合する例であるが、やはり重合安定性が悪くて凝集物
が多い。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように本発明のビニル系樹脂
エマルジョンは、重合安定性が良好で、凝集物がなく、
しかもプラスチック、金属、ガラス等に優れた密着性を
示し、耐水性も良好であり、コーティング剤、接着剤等
として極めて有用なものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機過酸化物系重合開始剤を含有したビニ
    ル系モノマー100重量部を、そのジカルボン酸成分と
    して、5−ナトリウムスルホイソフタル酸又はそのジメ
    チルエステルを2〜15モル%使用した、且つ平均分子
    量4000〜30000の線状ポリエステル20〜57
    0重量部の水溶液に予め乳化し、次いで該乳化物を重合
    することを特徴とするビニル系樹脂水性エマルジョンの
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に於いて、線状ポリエステルが、
    芳香族ジカルボン酸成分を主体とするポリエステルであ
    るビニル系樹脂水性エマルジョンの製造方法。
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