JPH10182706A - 水分散型樹脂組成物の製造法 - Google Patents

水分散型樹脂組成物の製造法

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JPH10182706A
JPH10182706A JP8357058A JP35705896A JPH10182706A JP H10182706 A JPH10182706 A JP H10182706A JP 8357058 A JP8357058 A JP 8357058A JP 35705896 A JP35705896 A JP 35705896A JP H10182706 A JPH10182706 A JP H10182706A
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JP
Japan
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water
polymerization initiator
resin composition
resin
ethylenically unsaturated
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Application number
JP8357058A
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English (en)
Inventor
Akira Matsumura
明 松村
Seiji Maeda
誠二 前田
Teruhiko Ogawa
照彦 小川
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/12Polymerisation in non-solvents
    • C08F2/16Aqueous medium
    • C08F2/22Emulsion polymerisation
    • C08F2/24Emulsion polymerisation with the aid of emulsifying agents

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子径が小さく、残留モノマーが少ない水分
散型樹脂組成物の製造法を提供すること。 【解決手段】 水分散型樹脂組成物を得るにあたり、水
可溶性重合開始剤(A)、水不溶性重合開始剤(B)、
樹脂系分散剤(C)の存在下、水媒体中で、エチレン性
不飽和単量体(D)をラジカル重合させてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粒子径が小さく、
残留モノマーの少ない水分散型樹脂組成物の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳化(エマルジョン)重合は
モノマーを水中に配し、石鹸等の界面活性剤の乳化作用
にてミセルを形成することで分散させ、これに水溶性の
重合開始剤を添加することで重合が行われ、その特徴と
しては重合速度が速い、高重合体が得られる、0.5〜
5μmの大きな粒子径の重合体が得られる(逆に小さな
粒子径の重合体が得られない)、残留モノマーが少な
い、重合で使用した界面活性剤やポリマーを取り出すの
に使用した凝固剤等の不純物が大量にポリマー中に存在
するので電気特性や耐熱特性が悪い等がある。一方、懸
濁(サスペンジョン)重合は、モノマーに水不溶性の開
始剤を溶かし、水中に入れて激しく撹拌することで小粒
径として分散させ、これに分散体どうしの融付着を防止
するために、少量のポリビニルアルコール、カルボキシ
メチルセルロース、ゼラチン、澱粉、炭酸バリウム、ベ
ントナイト等の保護コロイド剤や安定剤を添加すること
で重合が行われ、その特徴としては、重合速度が速い、
高重合体が得られる、重合度分布が比較的狭く粒子径の
そろったポリマーが得られる、ポリマー中に不純物が比
較的少ない、比較的粒子径が大きいポリマーが得られ
る、真球状のポリマーが得られる、残留モノマーが多い
等がある。
【0003】最近、乳化(エマルジョン)重合や懸濁
(サスペンジョン)重合の問題点を改良するために、吸
着作用だけの乳化剤や保護コロイドを使用せずに、親水
基を含有する分散剤として、反応性乳化剤や樹脂系分散
剤等を使用した、いわゆる「ソープフリーエマルジョン
系樹脂」が提案されており、これらは、通常、水中で水
不溶性のポリマー芯粒子の周囲に、かかる分散剤が存在
しているもので、かかる「ソープフリーエマルジョン系
樹脂」を得る方法としては、(イ)水中に反応性乳化剤
を添加後、モノマーと水不溶性の開始剤を混合し重合す
る方法、(ロ)水中に反応性乳化剤を添加後、モノマー
と水可溶性の開始剤を混合し重合する方法、(ハ)プレ
ポリマーやポリマーの樹脂系分散剤を合成後に水に分散
させ、モノマーと水不溶性の開始剤を混合し重合する方
法、(ニ)プレポリマーやポリマーの樹脂系分散剤を合
成後に水に分散させ、モノマーと水可溶性の開始剤を混
合し重合する方法、(ホ)モノマーと水不溶性の開始剤
を混合し重合し、得られたポリマーの構造の一部を水に
可溶化処理してつくる方法等があり、かかる「ソープフ
リーエマルジョン系樹脂」の特徴として、(I)界面活
性剤等の不純物を含まないので各種性能や耐久性が向上
する、(II)残留モノマーが多い、(III)小さな粒子
径の重合体を得るのが難しい、(IV)分散剤と芯粒子に
さまざまな種類の構成単量体を配合することで、さまざ
まな特性を実現可能である等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
乳化(エマルジョン)重合、懸濁(サスペンジョン)重
合、「ソープフリーエマルジョン系樹脂」を得る方法で
は、残留モノマーが多いか、小さな粒子径の重合体を得
るのが難しいか、不純物を含むかのいずれかの欠点を伴
い、不純物を含まず、残留モノマーが少なく、かつ小さ
な粒子径の重合体を得ることが容易である水分散樹脂組
成物の製造法の開発が待たれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る問題を解決するために、各種重合法について鋭意研究
を重ねた結果、水可溶性重合開始剤(A)、水不溶性重
合開始剤(B)、樹脂系分散剤(C)の存在下、水媒体
中で、エチレン性不飽和単量体(D)をラジカル重合さ
せてなる水分散型樹脂組成物の製造法が、上記課題を解
決することを見いだし本発明を完成した。更に、樹脂系
分散剤(C)を含有させた樹脂水溶液(E)と水不溶性
重合開始剤(B)とエチレン性不飽和単量体(D)との
混合物(F)とを用いる時、本発明の効果を遺憾なく発
揮できることが判明した。
【0006】尚、後述するが、水可溶性重合開始剤
(A)とは、常温(20〜30℃)における水に対する
溶解量が1重量%以上の重合開始剤であり、水不溶性重
合開始剤(B)とは、常温(20〜30℃)における水
に対する溶解量が1重量%未満の重合開始剤と定義す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。まず、本発明で使用される原料について説明す
る。
【0008】本発明で使用される水溶解性重合開始剤
(A)とは、常温(20〜30℃)における水に対する
溶解量が1重量%以上(好ましくは5重量%以上)の重
合開始剤であれば、特には限定されないが、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化
水素、4,4′−アゾビス−4シアノバレリックアミ
ド、2,2′−アゾビス(2−メチルアミドオキシム)
ジヒドロクロライド等があげられ、これらの中より単独
もしくは2種以上の混合物で使用され、好適には、過硫
酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムが
使用される。
【0009】本発明の水不溶性重合開始剤(B)とは、
常温(20〜30℃)における水に対する溶解量が1%
重量未満(好ましくは0.1重量%未満)の重合開始剤
であれば、特には限定されず、アルキルパーオキサイ
ド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパ
ーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、イソ
ブチルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、
オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾ
イルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソ
ブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ
イソブチレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロ
ニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等があげられ、
これらの中より単独もしくは2種以上の混合物で使用さ
れ、好適にはアゾビスイソブチロニトリルが使用され
る。
【0010】本発明の樹脂系分散剤(C)とは、特には
限定されず、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂等の樹脂であればよく、かかる構造も特には限定され
ないが、樹脂中或いは末端に、スルホン酸塩基、カルボ
ン酸塩基、アミン基の酸中和基等の水溶性基と場合によ
りその他の架橋性の官能基、例えば不飽和二重結合を含
有する構造をしているものが好ましい。かかる樹脂の製
法も、特には限定されず、公知の手法が選択され、これ
らの官能基を含む単量体のラジカル重合、重縮合、重付
加、解重合等のどのような高分子合成の手法を採用して
もよく、かかる合成は水系中、非水系中どちらで行って
もよい。かかる樹脂系分散剤(C)の分子量について
は、特には限定しないが、数平均分子量が、500〜3
0000が好ましく、更に好ましくは700〜1500
0で、該分子量が500未満の時は得られる水分散型樹
脂組成物の諸物性が低下し、30000を越える時は高
粘度化し反応時の希釈剤が多くなり不経済であり好まし
くない。
【0011】本発明のエチレン性不飽和単量体(D)と
は、特には限定されず、例えば、スチレン、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタク
リレート、n−ヘキシルメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、グリシジルメタクリレート、酢酸ビニル、
t−デカン酸ビニル、トリデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリ
レート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレー
ト、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、1
0−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、ビニルト
ルエン、(メタ)アクリロニトリル、イタコン酸ジアル
キルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、マレイン
酸ジアルキルエステル、アクリルクロライド、アセトア
セチル化(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロ
キシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロ
ロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジ
クロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメ
チルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピル
トリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプ
ロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルトリブトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシブチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシペンチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシ
ラン等があげられ、単独もしくは2種以上の混合物にて
使用され、これらのなかでも、スチレン、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、n−ヘキシルメタクリレート、ラウリルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、酢酸ビニル、t
−デカン酸ビニル、トリデシル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オ
クチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8
−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレートが好まし
い。
【0012】本発明は、水可溶性重合開始剤(A)、水
不溶性重合開始剤(B)、樹脂系分散剤(C)の存在
下、水媒体中で、エチレン性不飽和単量体(D)をラジ
カル重合させてなる水分散型樹脂組成物の製造法に最大
の特徴を有するもので、粒子径が小さく、残留モノマー
の少ない水分散型樹脂組成物を得る製造法であり、かか
る製造法について述べる。
【0013】かかる製造法において、水可溶性重合開始
剤(A)、水不溶性重合開始剤(B)、樹脂系分散剤
(C)、エチレン性不飽和単量体(D)の仕込み方法に
ついては、特には限定されず、(A)〜(D)を水媒体
中に一括に仕込んでもよく、或いは(A)〜(D)を任
意の順序に仕込んでもよいが、あらかじめ樹脂系分散剤
(C)を含有させた樹脂水溶液(E)とし、また水不溶
性重合開始剤(B)とエチレン性不飽和単量体(D)を
あらかじめ混合して混合物(F)とした後、水可溶性重
合開始剤(C)とともに仕込んでラジカル重合させてな
る水分散型樹脂組成物の製造法が、本発明の効果を遺憾
なく発揮できる。
【0014】尚、かかる樹脂水溶液(E)とは、樹脂系
分散剤(C)が水に分散又は溶解している状態であり、
樹脂水溶液(E)は、これらの合成時に又は合成後に、
水に分散又は溶解したり、或いはアルカリ水溶液で中和
することにより得られる。
【0015】かかる製造法での、樹脂水溶液(E)、混
合物(F)、水溶解性重合開始剤(A)の仕込み方法
(順序)は、特には限定されず、例えば、樹脂水溶液
(E)を仕込んでおき、そこに水溶解性重合開始剤
(A)を仕込んだ後、混合物(F)を仕込んでラジカル
重合させる方法、樹脂水溶液(E)を仕込んでおき、
そこに混合物(F)を仕込んでラジカル重合させ、その
後に水溶解性重合開始剤(A)を仕込んで更にラジカル
重合させる方法、樹脂水溶液(E)、混合物(F)を
仕込んでラジカル重合すると同時に水溶解性重合開始剤
(A)を仕込む方法、樹脂水溶液(E)を仕込んだ
後、混合物(F)と水溶解性重合開始剤(A)との混合
物を仕込んでラジカル重合する方法、樹脂水溶液
(E)、混合物(F)、水溶解性重合開始剤(A)を一
括に仕込んでラジカル重合する方法等の様々な方法があ
り、特には限定しないが、すべての方法が有効である。
【0016】かかる製造法での(A)〜(D)の配合割
合について、特には限定されないが、水不溶性重合開始
剤(B)と水溶解性重合開始剤(A)との配合量の比率
が、水不溶性重合開始剤(B)1重量部に対して、水溶
解性重合開始剤(A)を0.1〜10重量部配合する
時、本発明の効果を顕著に発揮でき、重合開始剤(A)
が0.1重量部未満は残存エチレン性単量体が多くなり
不都合であり、10重量部を越える時は、必要以上に多
く不経済であり、好適には0.5〜3重量部の範囲で配
合される。
【0017】又、エチレン性不飽和単量体(D)と樹脂
系分散剤(C)との合計量に対する、エチレン性不飽和
単量体(D)の配合量も、特には限定されないが、エチ
レン性不飽和単量体(D)と樹脂系分散剤(C)との合
計量に対して、エチレン性不飽和単量体(D)の配合量
を10〜95重量%とすることが好ましく、エチレン性
不飽和単量体(D)が10重量%未満の時は耐水性、耐
薬品性が劣り、95重量%を越える時は、粒子径が大き
くなったり、分散安定性が悪くなったりと不都合であ
り、好適には50〜90重量%の範囲で配合される。更
に、エチレン性不飽和単量体(D)と水不溶性重合開始
剤(B)との配合割合についても、特に限定されない
が、エチレン性不飽和単量体(D)100重量部に対す
る水不溶性重合開始剤(B)の配合量を0.1〜5.0
重量部とすることが好ましく、水不溶性重合開始剤
(B)が0.1重量部未満では重合率が低く不都合であ
る。5.0重量部を越える時は、分子量が低下し不都合
であり、好適には0.5〜3.0重量部の範囲で配合さ
れる。
【0018】かかる製造時の重合条件も公知の条件で行
うことができ、重合時の反応温度としては、通常50〜
85℃程度の範囲が適当であり、通常、単量体仕込み終
了後1〜5時間程度で反応が終了する。尚、該重合にお
いて、樹脂系分散剤中に上記水溶性基を導入している時
は、界面活性剤は通常不要であり、従って重合後の水分
散型樹脂組成物中に界面活性剤を含有しないので、耐久
性と排水の面において良好という作用・効果が付随す
る。
【0019】かくして、エチレン性不飽和単量体(D)
による水不溶性の芯粒子樹脂が構成され、その外周に樹
脂系分散剤(C)が結合した重合体を主成分とした水分
散型樹脂組成物が得られ、本発明の製造法では、かかる
水分散型樹脂組成物の重合時に、かかる重合体の粒子径
が小さく、残留モノマーが少ないことが特徴であり、粒
子径については特には限定されないが、得られた粒子径
が0.01〜0.3μmの超微粒子である時、透明性に
優れ、樹脂分に富み、乾燥性に秀でて、各種性能、例え
ば、密着性、耐薬品性、凍結融解安定性、光沢性、耐水
性、耐候性、耐汚染性等に優れる水分散型樹脂組成物、
いわゆる「ウオーターボーン」が得られる。粒子径の調
整は、樹脂系分散剤(C)の濃度、水不溶性重合開始剤
(B)の濃度、エチレン性不飽和単量体(D)の濃度、
水溶解性重合開始剤(A)の濃度や、樹脂組成物重合時
の撹拌条件等により行われ、粒子径がこの範囲より小さ
くなると諸物性は向上の傾向はあるものの樹脂組成物の
製造に特別な配慮が必要で工業的採算がとれなくなり、
他方粒子径がこの範囲より大きくなると貯蔵中に粒子が
膨潤又は凝集したりするので好ましくない。又、水分散
型樹脂組成物中の残留モノマーについて、重合開始剤
(A)を添加しない通常の製造法では、残留モノマー
が、水分散型樹脂組成物100重量部に対して、0.2
〜1.0重量部存在するが、本発明の製造法で得られた
水分散型樹脂組成物の残留モノマーについては、0.1
重量部以下でモノマー臭がほとんどなく、皮膚刺激性の
少ない人体に対して安全な樹脂である(0.05重量部
以下の時は、更に良い。)。
【0020】
【実施例】以下、本発明について具体的に説明する。
尚、以下記述で「%」とあるのは「重量%」である。 実施例1 コンデンサー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコにイソ
プロパノール1000gを入れ、メチルメタアクリレー
ト500g、2−エチルヘキシルアクリレート350
g、アクリル酸150g、水不溶性重合開始剤(B)と
してアゾビスイソブチルニトリル10gを80℃3時間
滴下し、同温度で更に1時間反応させ、酸価54mgK
OH/g、固形分51.4%、粘度2400cps(2
5℃)の樹脂(樹脂系分散剤(C))を得た。かかる樹
脂を100〜150℃にてイソプロパノールを蒸発流出
させ、ついで減圧10torrで完全にイソプロパノー
ルを除去した。これを100℃まで下げ、水2880g
及び28%アンモニア水120gを加えて溶解し、固形
分25%,pH8.3の樹脂水溶液(E)を得た。コン
デンサー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコに樹脂水溶
液(E)171gと水86gを仕込み、窒素気流下に、
エチレン性不飽和単量体(D)としてメチルメタアクリ
レート75g、2−エチルヘキシルアクリレート25g
と水不溶性重合開始剤(B)としてアゾビスイソブチル
ニトリル(20℃の水に対する溶解量が0.1%未満)
3gの混合物(F)を、内部温度70℃,3時間で滴下
した。滴下終了と同時に水溶性重合開始剤(A)として
過硫酸アンモニウム(25℃の水に対する溶解量が約3
0%)1.5gを投入し更に1時間反応を続け、水分散
型樹脂組成物を得た。
【0021】得られた水分散型樹脂組成物に対して以下
の測定をおこなった。 (不揮発分)JIS K6828に準拠する条件にて不
揮発分を測定した。 (粘度)JIS K7117に準拠する回転粘度計及び
条件を用いて25℃にて粘度を測定した。 (PH値)JIS Z8802に準拠するpH計を用い
てpH値を測定した。 (平均粒子計)重合体の平均粒子径を大塚電子製レーザ
ー光散乱粒径測定機DLS−700で測定した (残留モノマー量)HITACHI 163型 FID
ガスクロマトグラフィー(カラム温度150℃)を使用
して残留モノマー量を測定した。
【0022】実施例2 実施例1で用いた水溶液(E)171gと水86gと水
溶性重合開始剤(A)として過硫酸カリウム(25℃の
水に対する溶解量が約30%)1.5gをコンデンサ
ー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコに仕込み、窒素気
流下にエチレン性不飽和単量体(D)としてメチルメタ
アクリレート75g、2−エチルヘキシルアクリレート
25gと、水不溶性重合開始剤(B)としてベンゾイル
パーオキサイド(30℃の水に対する溶解量が0.15
%)3gの混合物(F)を、内部温度70℃で3時間滴
下し、更に1時間反応を続け水分散型樹脂組成物を得
た。実施例1と同様に水分散型樹脂組成物の測定を行い
実施例1と同様に評価を行った。
【0023】比較例1 実施例1で用いた水溶液(E)171gと水86gをコ
ンデンサー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコに仕込
み、窒素気流下に、エチレン性不飽和単量体(D)とし
てメチルメタアクリレート75g、2−エチルヘキシル
アクリレート25gと、水不溶性重合開始剤(B)とし
てアゾビスイソブチルニトリル3gの混合物を、内部温
度70℃で3時間滴下し、更に1時間反応を続け、水分
散型樹脂組成物を得た。実施例1と同様に水分散型樹脂
組成物の測定を行い実施例1と同様に評価を行った。
【0024】比較例2 実施例1で用いた水溶液(E)171gと水86gと水
溶性重合開始剤(A)として過硫酸アンモニウム3gを
コンデンサー、温度計、撹拌翼を備えたフラスコに仕込
み、窒素気流下に、エチレン性不飽和単量体(D)とし
てメチルメタアクリレート75g、2−エチルヘキシル
アクリレート25gを、内部温度70℃3時間で滴下
し、更に1時間反応を続け、水分散型樹脂組成物を得
た。実施例1と同様に水分散型樹脂組成物の測定を行い
実施例1と同様に評価を行った。
【0025】実施例と比較例の評価結果を表1に示し
た。
【表1】 測定項目 実施例1 実施例2 比較例1 比較例2 固形分(%) 40.6 40.3 39.4 40.6 pH 7.6 7.8 8.2 7.3 粘度cps(25℃) 65 58 83 40 平均粒子径(nm) 85 88 79 208残留モノマー(%) 0.01以下 0.01以下 0.23 0.01以下
【0026】
【発明の効果】本発明は、水分散型樹脂組成物を得るに
あたり、水可溶性重合開始剤(A)、水不溶性重合開始
剤(B)、樹脂系分散剤(C)の存在下、水媒体中で、
エチレン性不飽和単量体(D)をラジカル重合させてな
る製造法をとるため、粒子径が小さく、残留モノマーが
少ない水分散型樹脂組成物が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水可溶性重合開始剤(A)、水不溶性重
    合開始剤(B)、樹脂系分散剤(C)の存在下、水媒体
    中で、エチレン性不飽和単量体(D)をラジカル重合さ
    せてなることを特徴とする水分散型樹脂組成物の製造
    法。
  2. 【請求項2】 樹脂系分散剤(C)を含有させた樹脂水
    溶液(E)と水不溶性重合開始剤(B)とエチレン性不
    飽和単量体(D)との混合物(F)を用いることを特徴
    とする請求項1記載の水分散型樹脂組成物の製造法。
  3. 【請求項3】 水不溶性重合開始剤(B)1重量部に対
    して、水溶解性重合開始剤(A)を0.1〜10重量部
    配合することを特徴とする請求項1又は2記載の水分散
    型樹脂組成物の製造法。
  4. 【請求項4】 エチレン性不飽和単量体(D)と樹脂系
    分散剤(C)の合計量に対するエチレン性不飽和単量体
    (D)の配合量が10〜95重量%であることを特徴と
    する請求項1〜3いずれか記載の水分散型樹脂組成物の
    製造法。
  5. 【請求項5】 エチレン性不飽和単量体(D)100重
    量部に対する水不溶性重合開始剤(B)の配合量が0.
    1〜5.0重量部であることを特徴とする請求項1〜4
    いずれか記載の水分散型樹脂組成物の製造法。
  6. 【請求項6】 樹脂系分散剤(C)の数平均分子量が、
    500〜30000であることを特徴とする請求項1〜
    5いずれか記載の水分散型樹脂組成物の製造法。
  7. 【請求項7】 ラジカル重合して得られる重合体の平均
    粒子径が0.01〜0.30μmであることを特徴とす
    る請求項1〜6いずれか記載の水分散型樹脂組成物の製
    造法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63264604A (ja) * 1987-03-30 1988-11-01 ハーキュルス・インコーポレーテッド 水相グラフト化傾向の高いモノマーから誘導した微粒状非界面活性保護コロイド安定化ラテックスの製造方法
JPH01249814A (ja) * 1988-03-30 1989-10-05 Hercules Inc 水性ポリアクリレート分散液の製造方法
JPH07268011A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Takamatsu Yushi Kk ビニル系樹脂水性エマルジョンの製造方法

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