JP2001240630A - 新規な共重合体および新規な反応性重合体 - Google Patents
新規な共重合体および新規な反応性重合体Info
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Abstract
性を飛躍的に高めることのできる、新規な共重合体を提
供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で示される反応性重合
体、およびこの反応性重合体からなるアルケニルエーテ
ル単量体と、酸性単量体および/またはその塩とを含む
単量体成分を重合させてなる共重合体。 【化1】 (但し、nは平均値で10〜300、Rは炭化水素基で
あり、Xは−C(O)−または−C(O)NH−であ
る。)
Description
溶で、溶解した際にその粘性を高めることのできる、新
規な共重合体に関する。また、本発明は、重合すること
により、アルカリ溶液に可溶で、溶解した際にその粘性
を高めることのできる重合体となり得る新規な反応性重
合体に関する。
れるアルカリ溶液に可溶な共重合体が、種々知られてい
る。これらの共重合体のうちでも、アルカリ溶液に溶解
した後に、共重合体中の疎水基同士が会合して増粘性を
高める共重合体があり(特開昭58−189299号公
報、特開平8−225618号公報、特許第25538
41号公報)、たとえば、増粘剤として利用されている
が、さらに高い増粘性を有する共重合体の開発が期待さ
れている。
しようとする課題は、アルカリ溶液に可溶で、溶解した
際にその粘性を飛躍的に高めることのできる、新規な共
重合体を提供することにある。
解決するために鋭意検討を行い、疎水基の疎水性を高め
ることによって、粘性が飛躍的に高めるのではないかと
考え、実験による確認を得て、本発明に到達した。すな
わち、本発明にかかる共重合体は、下記一般式(1)で
示される反応性重合体からなるアルケニルエーテル単量
体と、酸性単量体および/またはその塩とを含む単量体
成分を重合させてなる。
炭化水素基であり、Xは−C(O)−または−C(O)
NH−である。) また、本発明にかかる反応性重合体は、上記一般式
(1)で示される。
一般式(1)で示されるものであり、(3−メチル−3
−ブテニル)基と、R(炭化水素基)とが、2価のオキ
シエチレン基を介して結合してなる単量体である。この
単量体を重合して得られる重合体は、R(炭化水素基)
からなる疎水性基同士が強く会合するため、アルカリ溶
液に溶解した際に、その粘性を飛躍的に高めることがで
きる。一般式(1)におけるRは、炭化水素基であり、
炭素数6〜30の炭化水素基が好ましく、たとえば、オ
クチル基、ノニル基、ドデシル基、オクタデシル基等の
アルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等
のアリール基;ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基
等のアルキルアリール基;シクロオクチル基、コレスタ
ニル基、ラノスタニル基等の多環式アルキル基を挙げる
ことができ、これらの1種または2種以上が用いられ
る。これらの中でも、炭素数8〜30の炭化水素基が好
ましく、炭素数8〜30のアルキル基がより好ましく、
炭素数12〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数
16〜20のアルキル基がさらに好ましく、炭素数18
のアルキル基が最も好ましい。
300であり、好ましくは10〜100、さらに好まし
くは20〜80であり、特に好ましくは40〜60であ
り、最も好ましくは45〜55である。一般式(1)で
示されるアルケニルエーテル単量体の製造方法について
は、特に限定はなく、たとえば、下記一般式(2)で示
される化合物a(ポリオキシエチレン〔3−メチル−3
−ブテニル〕エーテル(ポリオキシエチレン基の末端は
水酸基))を原料とする以下の(a)および(b)の方
法を挙げることができる。なお、原料の化合物aは、イ
ソプレンに水を1分子付加後、エチレンオキシドを所定
量付加させることで製造することができる。
る。) (a)化合物aとRNCOとの反応で、X=−C(O)
NH−のアルケニルエーテル単量体を得る方法 (b)化合物aとRCOOM(Mはアルキル基または水
素)との反応で、X=−C(O)−のアルケニルエーテ
ル単量体を得る方法。 本発明の反応性重合体は、後述のように重合させて本発
明の共重合体等を製造するのに用いるほか、各種重合体
の改質剤等の用途に用いることができる。本発明にかか
る共重合体は、一般式(1)で示される反応性重合体か
らなるアルケニルエーテル単量体(以下、単に「一般式
(1)で示されるアルケニルエーテル単量体」というこ
とがある)と、酸性単量体および/またはその塩とを含
む単量体成分を、重合させて得られる。
ル単量体の配合割合は、全単量体に対して0.01〜4
モル%であることが好ましく、より好ましくは0.04
〜1モル%である。前記配合割合が0.01モル%未満
の場合は、本発明の共重合体の疎水性基の量が不足し、
アルカリ溶液に溶解した際に、その粘性を高める効果が
低くなる。一方、4モル%を超える量を使用すると、エ
マルション重合によって共重合体を製造することが困難
になる上、同一重合体内での疎水性基同士の会合が増加
し、粘性を高める効果が低下する。本発明の共重合体
は、酸性単量体および/またはその塩を共重合している
ことにより、アルカリ可溶性となり得る。かかる酸性単
量体および/またはその塩としては、たとえば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、シト
ラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスル
ホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)ア
クリレート等のスルホン酸基含有単量体;モノ(2−メ
タクリロイルオキシエチル)ホスフェート、モノ(2−
アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルホス
フェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェ
ニルホスフェート等のリン酸基含有単量体;およびこれ
らの塩を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。これらのうちでも、カルボキシル基含
有単量体および/またはその塩が好ましい。これは、カ
ルボキシル基含有単量体および/またはその塩は、他の
酸基含有単量体および/またはその塩と比べると、比較
的親水性が低く、重合時の安定性が高いためである。カ
ルボキシル基含有単量体および/またはその塩の中で
も、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの塩から選
ばれた少なくとも1種が、他の単量体との共重合性が良
好であるため、好ましい。
のナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩や、アンモニウ
ム塩等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。酸性単量体および/またはその塩の配
合割合は、全単量体に対して10〜70モル%が好まし
く、より好ましくは20〜60モル%である。前記配合
割合が10モル%未満の場合は、アルカリ可溶し難いた
め、十分な増粘性が得られない。一方、70モル%を超
える場合は、エマルション重合における重合安定性が保
てない。
れらの塩から選ばれた少なくとも1種の配合割合は、全
単量体に対して10〜70モル%が好ましく、より好ま
しくは20〜60モル%である。前記配合割合が10モ
ル%未満の場合は、アルカリ可溶し難いため、十分な増
粘性が得られない。一方、70モル%を超える場合は、
エマルション重合における重合安定性が保てない。本発
明の共重合体の原料となる単量体成分は、一般式(1)
で示されるアルケニルエーテル単量体や、酸性単量体お
よび/またはその塩以外の、これらの単量体と共重合可
能なエチレン性不飽和単量体を含むものでもよい。
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチレン等のスチ
レン系重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モ
ノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸
と炭素数1〜8のアルコールとのエステルである(メ
タ)アクリル酸エステル系重合性単量体;(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル等のシクロヘキシル基含有重合性
単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メ
タ)アクリル酸とポリアルキレングリコールとのモノエ
ステルであるヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合性単量体;ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリルエステル等のポリエチレングリコール鎖含
有重合性単量体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリ
ル;N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性
重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架
橋性(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルト
リエトキシシラン等のケイ素原子に直結する加水分解性
ケイ素基含有重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、アクリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有
重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニルオキサゾリン等のオキサゾリン基含有重
合性単量体;(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエ
チル、(メタ)アクロイルアジリジン等のアジリジン基
含有重合性単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合性単
量体等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。
単量体に対して30〜90モル%が好ましく、より好ま
しくは40〜80モル%である。前記配合割合が30モ
ル%未満の場合は、、エマルション重合における重合安
定性が保てない。一方、90モル%を超える場合は、ア
ルカリ可溶し難いため、十分な増粘性が得られない。単
量体成分は、架橋性単量体をさらに含むものでもよい。
架橋性単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸
と、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステ
ル化物等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多
官能(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体;メチ
レン(メタ)アクリルアミド等の分子内に重合性不飽和
基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸アミド系
重合性単量体;ジアリルフタレート、ジアリルマレー
ト、ジアリルフマレート等の分子内に重合性不飽和基を
2個以上有する多官能アリル系重合性単量体;(メタ)
アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン等を挙げることが
でき、これらが1種または2種以上使用される。
3,000以上が好ましく、より好ましくは10,00
0以上、さらに好ましくは100,000以上である。
ただし、架橋性単量体を用いた場合などは、分子量が非
常に高くなり、GPCによる分子量測定はできない。単
量体成分の重合方法については、特に限定はなく、たと
えば、水中油型乳化重合(以下、エマルション重合とい
うことがある)、油中水型乳化重合(逆相懸濁重合)、
懸濁重合、溶液重合、水溶液重合、塊状重合等を挙げる
ことができる。これらの重合方法のうち、エマルション
重合が好ましい。高分子量の共重合体を高濃度で重合で
きる上、取扱い粘度も低く、生産コストも安いからであ
る。
が用いられる。この重合開始剤は、熱によって分解し、
ラジカル分子を発生させる物質であり、特にエマルショ
ン重合では、水溶性の開始剤が使用される。重合開始剤
としては、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;2,2’−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−
アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合
物;過酸化水素等の熱分解系開始剤;過酸化水素とアス
コルビン酸、t−ブチルヒドロパーオキサイドとロンガ
リット、過硫酸カリウムと金属塩、過硫酸アンモニウム
と亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等
を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用
される。
いて行うのが好ましい。乳化剤としては、特に限定はな
いが、たとえば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高
分子界面活性剤や、これらの反応性界面活性剤等を挙げ
ることができ、これらを組み合わせて使用してもよく、
場合によっては、乳化剤を一切使用することなく重合す
ることもできる。アニオン系界面活性剤としては、たと
えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデ
シルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート
等のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリ
グリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリ
シノエート;スルホン化パラフィン塩等のアルキルスル
ホネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、
アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属
サルフェート等のアルキルスルホネート;高アルキルナ
フタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミ
ンオレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の
脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル
塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステ
ル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステ
ル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリ
オキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の2
重結合を有した反応性アニオン乳化剤等を挙げることが
でき、これらが1種または2種以上使用される。
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族
エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステ
ル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪族モノグリ
セライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合
体;エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミドまたは
酸との縮合生成物等を挙げることができ、これらが1種
または2種以上使用される。高分子界面活性剤として
は、たとえば、ポリビニルアルコールおよびその変性
物;(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ポリビニル
ピロリドン等を挙げることができ、これらが1種または
2種以上使用される。
ては、特に限定はないが、好ましくは0〜100℃、さ
らに好ましくは40〜95℃である。重合時間について
も、特に限定はないが、好ましくは、3〜15時間であ
る。エマルション重合する際に、得られる共重合体の物
性に悪影響を及ぼさない範囲で、親水性溶媒や添加剤等
を加えることができる。単量体成分をエマルション重合
反応系に添加する方法としては、特に限定はなく、一括
添加法、単量体成分滴下法、プレエマルション法、パワ
ーフィード法、シード法、多段添加法等を用いることが
できる。
ション中の不揮発分、すなわち、本発明の共重合体は、
60重量%以下であるのが好ましい。不揮発分が60重
量%を超えると、エマルションの粘度が高すぎるため、
分散安定性が保てず、凝集が起きる恐れがあるからであ
る。上記エマルションの平均粒径については、特に限定
はないが、好ましくは10nm〜1μmであり、さらに
好ましくは20〜500nmである。エマルションの平
均粒径が10nm未満であると、エマルションの粘度が
高くなりすぎたり、分散安定性が保てず、凝集するおそ
れがある。他方、1μmを超えると、エマルションでは
なくなる。
に、連鎖移動剤を単量体成分100重量部当たり0.0
01〜2重量部用いてもよい。連鎖移動剤としては、た
とえば、四塩化炭素、ブロモホルム、ブロモトリクロロ
エタン等のハロゲン置換アルカン;n−ドデシルメルカ
プタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクチルメ
ルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシル
メルカプタン等のアルキルメルカプタン;チオグリコー
ル酸ブチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリ
コール酸ドデシル等のモノチオグリコール酸アルキル等
のチオエステル;メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類;α−メチルスチレンダイマ
ー、ターピノール、テルピネン、ジペンテン等を挙げる
ことができるが、これらに限定されない。
し、アルカリ溶液に可溶である。そしてアルカリ溶液に
溶解後、一般式(1)で示されるアルケニルエーテル単
量体に由来するRからなる疎水性基同士が強く会合する
ことによって、溶液の増粘性が高まる。このような性質
を利用して、本発明の共重合体は、たとえば、建築・建
材用塗料、粘着剤、印刷インキ、紙塗被剤、ベントナイ
ト安定液等の増粘剤や、合成保水剤、コンクリート用分
離低減剤等に配合して利用することができる。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以
下において単に「部」、「%」とあるのは特にことわり
がない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表すも
のとする。 <実施例A−1>撹拌機、温度計、冷却器を備えた四ツ
口フラスコに、ポリオキシエチレン(3−メチル−3−
ブテニル)エーテルのエチレンオキシ基50モル付加物
を182.8部仕込んだ。内温60℃で撹拌しながら、
オクタデシルイソシアネート47.26部を1時間にわ
たって均一に滴下した。さらに70℃で4時間撹拌を続
け、IRスペクトルで水酸基に起因するピークの消失を
確認し、反応終点とした。次に、撹拌機、温度計、冷却
器を備えた三ツ口フラスコに750部のイオン交換水を
投入し、上記反応物を投入した。80℃で1時間撹拌
後、水分を除去した。得られたスラリーを、300部の
テトラヒドロフランに溶解させ、12000回転で1時
間遠心分離し、ろ紙でろ過した。エバポレーターでろ液
からテトラヒドロフランを除き、目的生成物であるオク
タデシルポリオキシエチレン(3−メチル−3−ブテニ
ル)エーテルのウレタン結合物をワックス状固体として
得た。
定結果を示すグラフを図1に、IR測定結果を示すグラ
フを図2に示す。参考のために、原料として用いたポリ
オキシエチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテル
のエチレンオキシ基50モル付加物のNMR測定結果を
示すグラフを図3に、IR測定結果を示すグラフを図4
に示す。図1および図3を比較すると、図1では、図3
になかったオクタデシル基に由来するプロトンが、δ
0.8〜1.5付近に出現した。図2および図4を比較
すると、図2では、図4にあったポリオキシエチレン
(3−メチル−3−ブテニル)エーテルのエチレンオキ
シ基50モル付加物の末端の水酸基に由来する吸収(3
100〜3700cm-1付近)がほぼ消失し、その代わ
りに、ウレタン結合に由来する吸収(1600〜175
0cm-1付近および3350cm-1付近)が出現した。
PC測定結果を示すグラフを図5に示す。図5から、実
施例A−1で得られた化合物の分子量には分布があるこ
とがわかる。 <実施例A−2>ポリオキシエチレン(3−メチル−3
−ブテニル)エーテルのエチレンオキシ基50モル付加
物200部とドデシルイソシアネート37部を実施例A
−1と同様の手法で反応させ、ドデシルポリオキシエチ
レン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルのウレタン
結合物を得た。
−メチル−3−ブテニル)エーテルのエチレンオキシ基
50モル付加物100部とヘキシルイソシアネート1
1.1部を実施例A−1と同様の手法で反応させ、ヘキ
シルポリオキシエチレン(3−メチル−3−ブテニル)
エーテルのウレタン結合物を得た。 <実施例A−4>撹拌機、温度計、冷却器を備えた四ツ
口フラスコに、ポリオキシエチレン(3−メチル−3−
ブテニル)エーテルのエチレンオキシ基50モル付加物
を250部、ステアリン酸メチルを35.8部、シクロ
ヘキサン100部を仕込んだ。内温100℃で撹拌しな
がら、シクロヘキサンを還流させ、水分を完全に除去し
た。次にテトラブトキシチタン2.96部を投入した。
さらに100℃で20時間撹拌を続け、GPC測定でス
テアリン酸メチルに起因するピークの消失を確認し、反
応終点とした。次に、イオン交換水を3部投入し、10
0℃で1時間撹拌した。得られたスラリーからエバポレ
ーターで水分とシクロヘキサンを除き、目的生成物であ
るオクタデシルポリオキシエチレン(3−メチル−3−
ブテニル)エーテルのエステル結合物をワックス状固体
として得た。
定結果を示すグラフを図6に、IR測定結果を示すグラ
フを図7に示す。図6および図3を比較すると、図6で
は、図3になかったオクタデシル基に由来するプロトン
が、δ0.8〜1.5付近に出現した。図7および図4
を比較すると、図7では、図4にあったポリオキシエチ
レン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルのエチレン
オキシ基50モル付加物の末端の水酸基に由来する吸収
(3100〜3700cm-1付近)がほぼ消失し、その
代わりに、エステル結合に由来する吸収(1650〜1
750cm-1付近)が出現した。
PC測定結果を示すグラフを図8に示す。図8から、実
施例A−4で得られた化合物の分子量には分布があるこ
とがわかる。 <実施例B−1>撹拌機、温度計、冷却器、窒素導入
管、滴下ロートを備えた四ツ口セパラブルフラスコに、
イオン交換水336部、ポリオキシエチレンドデシルエ
ーテルのスルホン酸アンモニウム塩1.5部、塩化ナト
リウム0.038部を投入した。内温68℃で撹拌しな
がら、緩やかに窒素を流し、反応容器内を完全に窒素置
換した。次に、ポリオキシエチレンドデシルエーテルの
スルホン酸アンモニウム塩1.5部をイオン交換水26
9部に溶解させ、これにメタクリル酸40部、アクリル
酸エチル52.6部、実施例A−1で得たオクタデシル
ポリオキシエチレン(3−メチル−3−ブテニル)エー
テルのウレタン結合物7.4部の混合物を投入し、撹拌
してプレエマルションを作製した。また、過硫酸アンモ
ニウム0.23部を、イオン交換水67.4部に混合
し、重合開始剤水溶液を作製した。上記プレエマルショ
ンの5%を反応容器に投入して5分撹拌後、亜硫酸水素
ナトリウム0.017部を投入した。次いで上記重合開
始剤溶液の5%を反応容器に投入後20分撹拌し、初期
重合を行った。反応容器の内温を72℃に保ち、残りの
プレエマルションおよび重合開始剤水溶液を2時間にわ
たって均一に滴下した。滴下終了後、イオン交換水2
6.5部で滴下槽を洗浄後、反応容器に投入した。内温
を72℃に保ち、さらに1時間撹拌を続けた後、冷却し
て反応を完了し、不揮発分30%のエマルション重合体
(1)を得た。
中和溶液を調製し、そのpHおよび粘度を測定した。そ
の結果を表1に示す。1%アルカリ中和溶液は、固形分
換算で2部のエマルションを所定の容器に入れ、これを
イオン交換水で希釈し、次いで、攪拌棒で攪拌しなが
ら、所定量の0.5規定の水酸化ナトリウム水溶液を加
えて、合計200部として調製した。粘度は、B型粘度
計により、ロータNo.4、30回転にて、25℃の粘
度を測定した。なお、表1には、アルカリ可溶性会合型
増粘剤プライマルTT−615(ローム・アンド・ハー
ス社製)の1%アルカリ中和溶液のpHおよび粘度も併
記した。
単量体成分として、メタクリル酸40部、アクリル酸エ
チル52.9部、実施例A−2で得たドデシルポリオキ
シエチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルのウ
レタン結合物7.1部からなる単量体成分を用いた以外
は、実施例B−1と同様に重合を行い、エマルション重
合体(2)を得た。実施例B−1と同様にして、エマル
ション重合体(2)の1%アルカリ中和溶液を調製し、
そのpHおよび粘度(25℃、B型粘度計)を測定し
た。その結果を表1に示す。
単量体成分として、メタクリル酸40部、アクリル酸エ
チル52.3部、実施例A−4で得たオクタデシルポリ
オキシエチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテル
のエステル結合物7.7部からなる単量体成分を用いた
以外は、実施例B−1と同様に重合を行い、エマルショ
ン重合体(3)を得た。実施例B−1と同様にして、エ
マルション重合体(3)の1%アルカリ中和溶液を調製
し、そのpHおよび粘度(25℃、B型粘度計)を測定
した。その結果を表1に示す。
単量体成分として、メタクリル酸40部、アクリル酸エ
チル50部、ポリオキシエチレン(3−メチル−3−ブ
テニル)エーテル6.5部からなる単量体成分を用いた
以外は、実施例B−1と同様に重合を行い、エマルショ
ン重合体(4)を得た。実施例B−1と同様にして、エ
マルション重合体(4)の1%アルカリ中和溶液を調製
し、そのpHおよび粘度(25℃、B型粘度計)を測定
した。その結果を表1に示す。
単量体成分として、メタクリル酸35部およびアクリル
酸エチル65部からなる単量体成分を用いた以外は、実
施例B−1と同様に重合を行い、エマルション重合体
(5)を得た。実施例B−1と同様にして、エマルショ
ン重合体(5)の1%アルカリ中和溶液を調製し、その
pHおよび粘度(25℃、B型粘度計)を測定した。そ
の結果を表1に示す。
り、アルカリ溶液に可溶で、溶解した際にその粘性を飛
躍的に高めることができる。
結果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
エチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルのエチ
レンオキシ基50モル付加物のNMR測定結果を示すグ
ラフである。
エチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルのエチ
レンオキシ基50モル付加物のIR測定結果を示すグラ
フである。
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示される反応性重合
体からなるアルケニルエーテル単量体と、酸性単量体お
よび/またはその塩とを含む単量体成分を重合させてな
る共重合体。 【化1】 (但し、nは平均値で10〜300、Rは炭化水素基で
あり、Xは−C(O)−または−C(O)NH−であ
る。) - 【請求項2】 前記重合がエマルション重合である、請
求項1記載の共重合体。 - 【請求項3】 前記共重合体がアルカリ可溶性増粘剤と
して使用される、請求項1または2記載の共重合体。 - 【請求項4】 下記一般式(1)で示される反応性重合
体。 【化2】 (但し、nは平均値で10〜300、Rは炭化水素基で
あり、Xは−C(O)−または−C(O)NH−であ
る。)
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JP2000052609A JP3658264B2 (ja) | 2000-02-28 | 2000-02-28 | 新規なアルカリ可溶性増粘剤 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002022692A1 (fr) * | 2000-09-11 | 2002-03-21 | Kao Corporation | Agent de surface destine a la polymerisation d'une emulsion |
US7420014B2 (en) * | 2002-09-26 | 2008-09-02 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Thickener for water-based vibration damper |
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US10703848B2 (en) | 2015-09-09 | 2020-07-07 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Hydrogenated block copolymer, polypropylene resin composition, and molding |
-
2000
- 2000-02-28 JP JP2000052609A patent/JP3658264B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7098250B2 (en) | 2000-09-11 | 2006-08-29 | Kao Corporation | Surfactant for emulsion polymerization |
US7420014B2 (en) * | 2002-09-26 | 2008-09-02 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Thickener for water-based vibration damper |
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