JP2003147150A - 重合体水性分散液およびその製造方法 - Google Patents

重合体水性分散液およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003147150A
JP2003147150A JP2001315195A JP2001315195A JP2003147150A JP 2003147150 A JP2003147150 A JP 2003147150A JP 2001315195 A JP2001315195 A JP 2001315195A JP 2001315195 A JP2001315195 A JP 2001315195A JP 2003147150 A JP2003147150 A JP 2003147150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
layer
group
meth
ethylenically unsaturated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001315195A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3952726B2 (ja
Inventor
Jun Shiraga
潤 白髪
Yoshifumi Tamaki
淑文 玉木
Akira Murakawa
昭 村川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2001315195A priority Critical patent/JP3952726B2/ja
Publication of JP2003147150A publication Critical patent/JP2003147150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3952726B2 publication Critical patent/JP3952726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 被覆剤として使用した場合に、低温(−10
℃)での屈曲性があり、且つ、常温(25℃)での硬度
にも優れる被膜を形成することが出来る重合体水性分散
液及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 重合体水性分散液において、水性媒体中
に分散する重合体粒子[X]が、少なくともA層および
B層の2種の層から構成されており、A層がカルボキシ
ル基を含有し、且つ、実測Tgが−50〜−15℃であ
る重合体[A]から構成され、B層が実測Tgが30〜
150℃である重合体[B]から構成され、該重合体水
性分散液から形成される被膜が、測定温度−10℃での
引張試験における伸び率が20%以上であり、且つ、測
定温度25℃での引張試験におけるヤング率が10MP
a以上であることを特徴とする重合体水性分散液であ
る。B層はA層の形成後に重合により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた低温特性を
有し、且つ、常温での硬度に優れた被膜を形成する被覆
剤として使用できる重合体水性分散液およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種エチレン性不飽和単量体を重
合して得られる重合体水性分散液は、エマルジョンバイ
ンダーとして塗料、接着剤、繊維加工等の広範囲の用途
に利用されているが、これらのポリマーエマルジョンは
通常、重合体粒子として存在するために、被膜形成時に
重合体粒子相互間の融着による造膜過程を経て被膜化す
るため、比較的硬度を有する被膜を得ようとした場合、
重合体粒子自体が硬質なため、被膜形成時の重合体粒子
相互間の融着が十分ではなく、硬くて脆い被膜しか形成
しないという欠点があり、柔軟性を必要とする用途や、
特に、低温特性が要求される用途には使用出来なかっ
た。
【0003】一方、重合体粒子を軟質なものとして、重
合体粒子相互間の融着を容易にした場合は、得られる被
膜の硬度が不十分なものとなり、使用上問題であった。
【0004】これらの欠点を改良するために、硬質な
重合体粒子に重合体を可塑化させる可塑剤(「造膜助
剤」と云う)を添加して、重合体粒子相互間の融着性を
向上させる方法や、重合体粒子の粒子形態を硬質な重
合体と軟質な重合体とから構成される「多層構造粒子」
とすることにより重合体粒子相互間の融着性を向上させ
る方法などが提案されている。
【0005】しかしながら、方法の可塑剤(造膜助
剤)を添加する方法においては、重合体粒子相互間の融
着性は改善されるが、被膜化の直後には重合体自体が可
塑化されているために硬度を発現し難く、また、経時的
に可塑剤が流出するため、被膜の硬度が経時的に変化す
るという欠点も有している。
【0006】また、方法の重合体粒子の粒子形態を硬
質な重合体と軟質な重合体から構成される多層構造粒子
とする方法は、当該分野においては公知であり、例え
ば、特開平7−70215号公報には耐水白化性、被膜
形成特性、および柔軟性が要求される用途に適した特性
を有する多段重合ラテックスが開示されいるが、低温特
性や常温での硬度がまだ不十分であり、実用上問題であ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、被覆剤として使用した場合に、低温(−10℃)で
の屈曲性があり、且つ、常温(25℃)での硬度に優れ
た被膜を形成することができる重合体水性分散液を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、水性媒体
中に分散する特定の重合体粒子[X]を含有する重合体
水性分散液に関して、該重合体水性分散液を用いて得ら
れる被覆剤が、前記課題を解決できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、重合体水性分散液におい
て、水性媒体中に分散する重合体粒子[X]が、少なく
ともA層およびB層の2種の層から構成されており、A
層がカルボキシル基を含有し、且つ、実測Tgが−50
〜−15℃である重合体[A]から構成され、B層が実
測Tgが30〜150℃である重合体[B]から構成さ
れ、該重合体水性分散液から形成される被膜が、測定温
度−10℃での引張試験における伸び率が20%以上で
あり、且つ、測定温度25℃での引張試験におけるヤン
グ率が10MPa以上であることを特徴とする重合体水
性分散液であり、また、カルボキシル基を含有し、酸価
が10〜300mgKOH/gであり、重量平均分子量
が50,000以上であり、ゲル分率が95重量%以下
であり、且つ、重合体の実測Tgが−50〜−15℃で
ある重合体[A]の存在する水性媒体中で、重合体の実
測Tgが30〜150℃となるエチレン性不飽和単量体
成分(b)を、新たに乳化剤を追加することなく重合す
ることを特徴とする重合体水性分散液の製造方法に関す
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次いで、本発明を実施するにあた
り、必要な事項を具体的に以下に述べる。
【0011】本発明における重合体粒子[X]は、少な
くともA層およびB層の2種の層から構成されており、
特にその層構造が特定されるものではないが、通常、A
層をマトリックスとしてB層が該マトリックスのA層内
に1つの塊状となって、或いは多数に分散して存在し、
マトリックスとなるA層中に存在するものである。更
に、具体的には、B層をコア、A層をシェルとする「コ
ア−シェル構造」、或いは、B層がA層中に多数に分散
し、A層がB層を完全に或いは不完全にカプセル化して
いる構造、或いは、A層とB層の重合体が多数の不連続
なドメインを形成する相互貫入網目構造などの不均質な
構造、或いは、A層が水性媒体中に溶解ないしは非粒子
状態で分散しており、B層がA層をマトリックスとして
粒子状に分散している状態等が挙げられる。
【0012】これら何れの分散状態においてもA層が重
合体粒子の最外殻部に存在するものである粒子形態が好
ましい。
【0013】また、上記の構成のうち、A層とB層がそ
れぞれ同芯のいわゆる「コア−シェル構造」或いは、B
層がA層中に多数に分散し、A層がB層をカプセル化し
ている構造を形成し、A層が粒子最外殻部に位置する構
造が、低温特性に優れ、且つ、常温での硬度にも優れる
ため好ましい。
【0014】この形態学的な粒子構造は、当該分野で知
られている種々の方法で観察することができるが、染色
法を用いた走査透過型電子顕微鏡による観察が、各層間
の違いを強調するために適している。また、クライオミ
クロトームを用いて作成した粒子の断面を、原子間力顕
微鏡(AFM)を用いて観察する方法においても、粒子
構造を確認することができる。
【0015】また、後述する本発明の製造方法により得
られる重合体水性分散液において、電子顕微鏡観察で、
B層の重合体[B]がA層の重合体[A]中に存在して
いることが確認できる。
【0016】本発明の重合体水性分散液とは、水性媒体
中に分散する重合体粒子[X]が、少なくともA層およ
びB層の2種の層から構成されており、A層がカルボキ
シル基を含有し、且つ、実測Tgが−50〜−15℃で
ある重合体[A]から構成され、B層が実測Tgが30
〜150℃である重合体[B]から構成され、該重合体
水性分散液から形成される被膜が、測定温度−10℃で
の引張試験における伸び率が20%以上であり、且つ、
測定温度25℃での引張試験におけるヤング率が10M
Pa以上である。
【0017】即ち、本発明の重合体水性分散液におい
て、A層は、重合体粒子[X]の最外殻部に存在し、ガ
ラス転移温度(実測Tg)が−50〜−15℃である柔
軟な重合体[A]から成り、被膜の低温(−10℃)で
の屈曲性を付与している。
【0018】被膜の低温(−10℃)での屈曲性は、重
合体[A]のガラス転移温度の影響を大きく受けるが、
重合体[A]のガラス転移温度(実測Tg)を好ましく
は−15℃以下にすると、重合体粒子[X]から形成さ
れる被膜が、測定温度−10℃での引張試験での伸び率
が20%以上となり、屈曲性に優れた被膜が得られる。
更に、重合体[A]の実測Tgは、より好ましくは−2
0℃以下、特に好ましくは−25℃以下とすることが屈
曲性に優れるため好ましい。
【0019】一方、常温(25℃)での硬度を保持する
という点から、重合体[A]の実測Tgは−50℃以上
とすることが好ましく、−40℃以上であることがより
好ましい。
【0020】ここで、重合体のガラス転移温度(実測T
g)、および測定温度−10℃での引張試験での伸び率
とは、後記の実施例に示す方法で測定した値である。
【0021】また、重合体[A]はカルボキシル基を含
有する重合体であり、重合体[A]のカルボキシル基
は、(1)重合体粒子[X]を水性媒体中で安定的に分
散させる目的で使用すると共に、(2)後述する重合体
[B]中の官能基との架橋性反応基としても作用する。
【0022】また、得られる被膜の低温での屈曲性と常
温での硬度のバランスから、重合体粒子[X]のA層を
構成する重合体[A]と、B層を構成する重合体[B]
の重量割合が、固形分比で[A]/[B]=7/3〜4
/6であることが好ましく、常温での硬度に優れる点か
ら[A]/[B]=6/4〜4/6であることがより好
ましい。
【0023】本発明で使用する重合体粒子[X]のA層
を構成する重合体[A]中のカルボキシル基の含有量
は、特に制限を受けるものではないが、重合体粒子
[X]の水性媒体中での分散安定性および被膜の耐水性
をバランス良く付与できる点から、酸価として10〜3
00mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0024】また、重合体粒子[X]は、上述の通り少
なくともA層とB層の2種の層で構成されており、カル
ボキシル基を含有する重合体[A]で安定化された粒子
である。重合体粒子[X]全体の酸価は、重合体粒子
[X]の分散安定性や得られる被膜の耐水性の面から、
酸価が5〜100の範囲であることが好ましい。
【0025】ここで、酸価とは、重合体[A]または重
合体粒子[X]に含まれるカルボキシル基の量を表す数
値で、重合体[A]または重合体粒子[X]1g中に含
まれる遊離カルボキシル基を中和するために要する水酸
化カリウムのmg数であり、測定は後記の実施例にて示
される条件で実施される。
【0026】また、本発明で使用する重合体粒子[X]
のA層を構成する重合体[A]の分子量は、特に制限を
受けるものではないが、重量平均分子量で50,000
以上であることが好ましい。重量平均分子量がかかる範
囲であれば、優れた低温屈曲性と耐水性を有し、粘着性
が少なく、ブロッキングし難い被膜を得ることができ
る。
【0027】ここで重量平均分子量とは、重合体[A]
を構成するポリマーを溶媒(テトラヒドロフラン)に溶
解して、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(G
PC法)で測定することにより行われるポリスチレン換
算での重量平均分子量を示し、測定は後記の実施例にて
示される条件で実施される。
【0028】本発明で使用する重合体[A]の重量平均
分子量は、50,000以上であることが好ましく、例
えば、分子量を高くするために重合体[A]を三次元に
架橋してもよいが、重合体[A]のアセトン不溶解分率
で表される「ゲル分率」を95重量%以下にすることが
好ましい。
【0029】即ち、重合体[A]のゲル分率を95重量
%以下にすることにより、重合体[A]を重合体粒子
[X]の最外殻部に存在させることが容易となり、更
に、後述する単量体成分(b)重合時の安定性も向上
し、また、得られる被膜の低温特性も良好なものとな
る。
【0030】本発明で使用する重合体粒子[X]のA層
を構成する重合体[A]は、カルボキシル基の他、更に
後述するB層を構成する重合体[B]中の反応性官能基
と反応性を有する基を含有していると、A層とB層が該
反応性官能基によって相互に結合し、常温での被膜の硬
度や、耐水性が向上するため、好ましい。
【0031】A層に導入し得るカルボキシル基以外の反
応性官能基としては、具体的には、例えば、グリシジル
基、水酸基、アミノ基、メチロールアミド基、加水分解
性シリル基もしくはシラノール基、アジリジニル基、イ
ソシアナート基、ブロックイソシアナート基、オキサゾ
リン基、アミド基、カルボニル基、アセトアセチル基、
アリル基、シクロペンテニル基等が挙げられる。
【0032】上述したA層中の反応性官能基とB層中の
反応性官能基は、重合体水性分散液の製造時に反応して
重合体粒子[X]内で架橋していてもよいが、被膜の造
膜性や硬度の点から、造膜前の重合体粒子においては未
架橋のまま残存していることが好ましく、被膜形成時、
或いは被膜形成後に反応性官能基を反応させることによ
り、架橋被膜を形成させることが諸物性を著しく向上さ
せるため、より好ましい。
【0033】前述のA層を構成する重合体[A]は、特
定されるものではないが、例えば、アクリル系重合体、
ブタジエン系重合体等のエチレン性不飽和単量体のラジ
カル重合体(以下、「エチレン性重合体」と略記す
る)、尿素並びにウレタン結合を有する重合体を含むウ
レタン重合体、ポリエステル重合体等が挙げられ、これ
ら種々の重合体の混合物、例えばアクリル重合体/ウレ
タン重合体の混合物や、種々の重合体のグラフト化(ブ
ロック化)物、例えば、不飽和ポリエステル重合体或い
はアルキッド樹脂にアクリル重合体をグラフト化した物
等も使用できる。特に、重合体[A]は、前述の如く酸
価、分子量の調整やカルボキシル基以外の反応性官能基
の導入等を考慮して設計する場合、設計が容易で後述す
る方法により簡単に製造することができるという利点か
ら、エチレン性重合体であることが好ましい。
【0034】次に、本発明で使用する重合体粒子[X]
のB層を構成する重合体[B]は、重合体粒子[X]の
A層よりも内部に存在し、実測Tgが30〜150℃で
ある剛直な重合体[B]から成り、重合体粒子[X]の
内部に剛直な重合体[B]が存在することにより、被膜
の低温特性を維持しつつ、常温での硬度を向上させてい
る。
【0035】被膜の常温での硬度は、重合体[B]のガ
ラス転移温度の影響を大きく受けるが、実測Tgを30
℃以上とすると、重合体粒子[X]から形成される被膜
が、測定温度25℃での引張試験でのヤング率が10M
Pa以上となり、硬度に優れた被膜が得られる。更に、
重合体[B]の実測Tgは、35℃以上とすることが硬
度に優れるため好ましい。
【0036】ここで、測定温度25℃での引張試験での
ヤング率とは、後記の実施例に示す方法で測定し決定さ
れた値である。
【0037】一方、被膜の低温(−10℃)での屈曲性
を維持するためには、重合体[B]の実測Tgが150
℃以下であることが好ましい。
【0038】本発明で使用する重合体[B]の分子量
は、特に制限を受けるものではないが、被膜の常温(2
5℃)での硬度を向上させるという点から、重合体
[B]の分子量は、重量平均分子量で50,000以上
であることが好ましい。
【0039】本発明で使用する重合体粒子[X]のB層
を構成する重合体[B]は、A層中の重合体[A]のカ
ルボキシル基やその他の反応性官能基と反応性を有する
基を含有していると、A層とB層が該反応性基により結
合し、常温での被膜の硬度や、耐水性が向上するため好
ましく、特に、被膜の耐水性を向上させるという点か
ら、重合体[B]にカルボキシル基と反応性を有する官
能基を含有することが好ましい。
【0040】本発明で使用する重合体粒子[X]のB層
を構成する重合体[B]中のカルボキシル基と反応性を
有する官能基としては、例えば、グリシジル基、メチロ
ールアミド基、アジリジニル基、イソシアナート基、ブ
ロックイソシアナート基、オキサゾリン基等が挙げられ
るが、特に、グリシジル基を導入した場合が被膜の耐水
性の向上効果が高く、好ましい。
【0041】また、B層を構成する重合体[B]には、
A層中の重合体[A]のカルボキシル基以外の反応性官
能基と反応性を有していて、カルボキシル基とは反応性
を持たない反応性官能基(以下、「カルボキシル基と非
反応性の官能基」と略記)を導入してもよく、具体的に
は、例えば、水酸基、アミノ基、アミド基、カルボニル
基、加水分解性シリル基もしくはシラノール基、アセト
アセチル基、アリル基、シクロペンテニル基等が挙げら
れる。
【0042】この様なA層を構成する重合体[A]およ
びB層を構成する重合体[B]に存在する反応性官能基
との組み合わせとしては、例えば、以下に挙げる組み合
わせがそれら相互の反応性に優れる点から好ましい。
【0043】即ち、A層中のカルボキシル基と、B層中
のグリシジル基、メチロールアミド基、アジリジニル
基、イソシアナート基、ブロックイソシアナート基、オ
キサゾリン基との組み合わせ;A層中のグリシジル基
と、B層中のアミノ基、メチロールアミド基、アセトア
セチル基、加水分解性シリル基もしくはシラノール基と
の組み合わせ;A層中の水酸基と、B層中のメチロール
アミド基、イソシアナート基、ブロックイソシアナート
基、加水分解性シリル基もしくはシラノール基との組み
合わせ;A層中のアミノ基と、B層中のグリシジル基、
アセトアセチル基との組み合わせ;A層中のメチロール
アミド基と、B層中のメチロールアミド基、水酸基、グ
リシジル基、イソシアナート基、ブロックイソシアナー
ト基、アミド基、アセトアセチル基、加水分解性シリル
基もしくはシラノール基との組み合わせ;A層中の加水
分解性シリル基もしくはシラノール基と、B層中の水酸
基、メチロールアミド基、グリシジル基、加水分解性シ
リル基もしくはシラノール基との組み合わせ;A層中の
イソシアナート基と、B層中の水酸基、メチロールアミ
ド基、グリシジル基、アセトアセチル基との組み合わ
せ;A層中のアミド基と、B層中のメチロールアミド
基、アセトアセチル基との組み合わせ;A層中のアセト
アセチル基と、B層中のアミノ基、メチロールアミド
基、グリシジル基、イソシアナート基との組み合わせ;
A層中のシクロペンテニル基と、B層中のシクロペンテ
ニル基との組み合わせ;A層中のアリル基と、B層中の
アリル基との組み合わせ;或いは更に、これら2種以上
の組み合わせ等が使用できる。
【0044】上記の組み合わせの中でも、A層中のカル
ボキシル基と、B層中のグリシジル基、メチロールアミ
ド基、アジリジニル基、イソシアナート基、ブロックイ
ソシアナート基、オキサゾリン基との組み合わせ、及
び、A層中の加水分解性シリル基もしくはシラノール基
と、B層中の水酸基、メチロールアミド基、グリシジル
基、加水分解性シリル基もしくはシラノール基との組み
合わせが、得られる被膜の常温での硬度や耐水性等の諸
物性が著しく向上するため、好ましい。
【0045】上述したA層中の反応性官能基とB層中の
反応性官能基は、重合体水性分散液の製造時に反応して
重合体粒子[X]内で架橋していても良いが、被膜の造
膜性や硬度の点から、造膜前の重合体粒子においては未
架橋のまま残存していることが好ましく、被膜形成時、
或いは被膜形成後に反応性官能基を反応させることによ
り、架橋被膜を形成させることが常温での硬度や耐水性
等の諸物性を一層向上させるためより好ましい。
【0046】本発明の重合体水性分散液を構成する重合
体粒子[X]の粒子径は、特に制限されるものではない
が、粒子径(体積基準での50%メジアン径)が250
〜1500nmであることが、被膜形成時の乾燥性に優
れることから好ましい。
【0047】また、重合体水性分散液の固形分濃度は、
特に制限されるものではないが、固形分濃度が55%以
上であることが、被膜形成時の乾燥性に優れることから
好ましい。
【0048】本発明の重合体水性分散液は、それ自体、
常温もしくは加熱乾燥により、低温特性に優れ、且つ、
常温での硬度や耐水性に優れる被膜を形成するものであ
るが、必要に応じて、水溶性、或いは水分散性の架橋剤
を添加して使用でき、架橋剤としては、例えば、多官能
性メラミン化合物、多官能性ポリアミン化合物、多官能
性ポリエチレンイミン化合物、多官能性(ブロック)イ
ソシアネート化合物、多官能性ヒドラジン化合物、金属
塩化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上の
混合物として使用することができる。
【0049】また、上述した架橋剤の他に、水溶性、或
いは水分散性の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等を混和し
て使用することもできる。
【0050】更に、必要に応じて、本発明の所望の効果
を阻害しない範囲で、充填剤、顔料、pH調整剤、被膜
形成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等公
知のものを適宜添加して使用することができる。
【0051】本発明の重合体水性分散液の製造方法と
は、例えば、(1)重合体[A]と重合体[B]とを別
々に製造し、これらを一旦混合した後に水性媒体中に分
散させて重合体粒子[X]の水分散液を得る方法、
(2)重合体[A]を製造し、これを水性媒体中に溶
解、或いは分散させた後、該水性媒体中で重合体[B]
を製造する方法、(3)重合体[B]を製造し、これを
水性媒体中に溶解、或いは分散させた後、該水性媒体中
で重合体[A]を製造する方法等が挙げられる。所望と
する被膜の低温特性や硬度を発現するためには、重合体
[A]および重合体[B]の分子量を高めることが好ま
しく、そのためには以下に詳述する本発明の製造方法に
よって製造することが好ましい。また、本発明の重合体
水性分散体の製造方法によれば、重合体水性分散体の貯
蔵安定性や生産性の向上にも効果がある。
【0052】即ち、本発明の重合体水性分散液の製造方
法は、カルボキシル基を含有し、酸価が10〜300m
gKOH/gであり、重量平均分子量が50,000以
上であり、ゲル分率(アセトン不溶解分率)が95重量
%以下であり、且つ、重合体のガラス転移温度(実測T
g)が−50〜−15℃である重合体[A]の存在する
水性媒体中で、重合体のガラス転移温度(実測Tg)が
30〜150℃となるエチレン性不飽和単量体成分
(b)を、新たに乳化剤を追加することなく重合する重
合体水性分散液の製造方法である。
【0053】本発明の重合体水性分散液の製造方法にお
ける重合体粒子[X]を製造する際の重合体[A]の水
性媒体中での性状は、特に制限されず、重合体[A]が
水性媒体に完全に溶解している場合や、水性媒体に半可
溶化している場合、或いは水性媒体中に粒子として分散
している場合等が挙げられるが、前述の如く被膜の低温
特性や常温での硬度を向上し、更に耐水性などの諸物性
を向上させるためには、重合体[A]の酸価をできる限
り低く抑制し、且つ、分子量を高めることが好ましく、
具体的には重量平均分子量を50,000以上とするこ
とが好ましい。このような特性の重合体[A]を水性媒
体中で安定的に存在させるには、重合体[A]は水性媒
体中に粒子として分散していることが好ましい。
【0054】本発明においては、水性媒体中に粒子とし
て分散する重合体[A]の粒子径(体積基準での50%
メジアン径)は、特に制限を受けるものではないが、後
述するエチレン性不飽和単量体成分(b)の重合時の安
定性や、最終的に得られる被膜の造膜性等の点から、粒
子径(体積基準での50%メジアン径)が10〜100
0nmの範囲であることが好ましい。
【0055】本発明で使用する重合体[A]の製造方法
は、使用する重合体の種類によって異なり特に限定する
ものではないが、例えば、エチレン性不飽和単量体のフ
リーラジカル重合により製造する方法や、非フリーラジ
カル付加重合または重縮合によっても製造できる。これ
らの中でも特に、エチレン性不飽和単量体を原料とする
フリーラジカル重合により製造する方法が、得られる重
合体[A]のガラス転移温度(実測Tg)、酸価、分子
量、ゲル分率の調整が容易であり、また、重合体[A]
と、エチレン性不飽和単量体成分(b)およびエチレン
性不飽和単量体成分(b)の重合により生成するポリマ
ーとの相溶性が良く、水性媒体中で行うエチレン性不飽
和単量体成分(b)重合時の安定性が向上する面から好
ましい。
【0056】本発明では、重合体[A]をフリーラジカ
ル重合で製造する方法としては、特定されるものではな
いが、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体成分
(a−1)を必須成分とする単量体成分(a)を、その
性状に応じて、例えば、懸濁重合、乳化重合、塊状重
合、溶液重合の何れの方法でも製造することができる
が、特に、重合体[A]の重量平均分子量を50,00
0以上にすることが容易である点から、水性媒体中で行
う乳化重合で実施することが好ましい。
【0057】また、重合体[A]を水性媒体中で製造し
た場合、重合体[A]を水性媒体中に分散させる工程が
省略でき、重合体[A]の製造工程と単量体成分(b)
の重合工程を連続して行えるので製造工程を簡素化でき
る点からも好ましい。
【0058】本発明においては、重合体[A]をフリー
ラジカル重合で製造する際に用いる単量体成分(a)
は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−
1)を必須成分とするが、カルボキシル基含有エチレン
性不飽和単量体(a−1)としては、分子内にカルボキ
シル基とエチレン性不飽和基を有するものであれば特に
限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、β−
カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)
アクリロイルプロピオン酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸ハーフエステル、マ
レイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロ
ゲンサクシネート、β−(メタ)ヒドロキシエチルハイ
ドロゲンフタレートおよびこれらの塩等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物を使用することがで
きる。これらの中でも、特に、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体として、メタクリル酸を用いると、
単量体成分(b)重合時の安定性に優れるため好まし
い。
【0059】本発明で使用する単量体成分(a)として
は、上記のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
(a−1)の他、その他のエチレン性不飽和単量体(a
−2)を併用して重合させることにより、重合体のガラ
ス転移温度(−50〜−15℃)および酸価を前述の好
ましい範囲に調整した重合体[A]を得ることができ
る。
【0060】ここで云うところの、その他のエチレン性
不飽和単量体(a−2)としては、エチレン性不飽和単
量体(a−1)と共重合性のあるものであれば特に限定
されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含
有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビ
ニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエス
テル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和
カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチ
レン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族
環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、
ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ
化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物を使用することがで
きる。これらのなかでも特に重合が容易であり、重合体
のガラス転移温度の調整が容易である点から(メタ)ア
クリル酸エステル類が好ましい。
【0061】本発明において、所望のガラス転移温度
(即ち、実測Tgが−50〜−15℃の範囲)の重合体
[A]を得るためには、アルキル基の炭素原子数が4〜
12の長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エ
ステル類を使用することが好ましい。
【0062】また、本発明においては、単量体成分
(a)中のその他のエチレン性不飽和単量体として、上
述した単量体と共に、カルボキシル基以外の反応性官能
基を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)を併用し
て重合することにより、後述するB層を形成するエチレ
ン性重合体[B]中の反応性官能基と結合して、耐水性
等の諸物性が向上するため、好ましい。
【0063】また、カルボキシル基以外の反応性官能基
を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)の反応性官
能基がカルボキシル基と反応性を有するものである場
合、重合体[A]の分子量を増大させ耐水性等の諸物性
を向上させる効果があるが、前述の如く重合体[A]の
ゲル分率が95重量%以下となる条件(反応性官能基の
種類、量の選択、重合体[A]重合時の反応温度、重合
時の系のpH等の調節)で使用する必要がある。
【0064】本発明で使用するカルボキシル基以外の反
応性官能基を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)
としては、特に限定されるものではないが、例えば、グ
リシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエー
テル等のグリシジル基含有重合性単量体;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アク
リレート等の水酸基含有重合性単量体;アミノエチル
(メタ)アクリレート、N−モノアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有重合性単
量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−イ
ソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド等のメチロールアミド基
及びそのアルコキシ化物含有重合性単量体;ビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロ
ピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキ
シプロピルトリイソプロポキシシラン、N−β−(N−
ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン及びその塩酸塩等のシリル基含有重合
性単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレー
ト等のアジリジニル基含有重合性単量体;(メタ)アク
リロイルイソシアナート、(メタ)アクリロイルイソシ
アナートエチルのフェノール或いはメチルエチルケトオ
キシム付加物等のイソシアナート基及び/またはブロッ
ク化イソシアナート基含有重合性単量体;2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾ
リン等のオキサゾリン基含有重合性単量体;(メタ)ア
クリルアミド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のア
ミド基含有重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)
アクリレート等のシクロペンテニル基含有重合性単量
体;アリル(メタ)アクリレート等のアリル基含有重合
性単量体;アクロレイン、ジアセトン(メタ)アクリル
アミド等のカルボニル基含有重合性単量体;アセトアセ
トキシエチル(メタ)アクリレート等のアセトアセチル
基含有重合性単量体等が挙げられる。エチレン性不飽和
単量体(a−3)としては上述した単量体の1種または
2種以上の混合物として使用することができる。
【0065】上記のカルボキシル基以外の反応性官能基
を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)の中でも、
後述する重合体[B]中の反応性官能基との反応性に優
れ、被膜の耐久性および耐水性がより向上する点から、
特にグリシジル基含有重合性単量体、水酸基含有重合性
単量体、メチロールアミド基含有重合性単量体、シリル
基含有重合性単量体、アセトアセチル基含有重合性単量
体を使用することが好ましく、その中でも、シリル基含
有重合性単量体を使用すると、エマルジョン被膜の耐水
性等の諸物性が著しく向上するため、より好ましい。
【0066】また、その他のエチレン性不飽和単量体と
して、乳化重合時の安定性、エマルジョンの貯蔵安定性
を向上させることを目的として、得られるエマルジョン
被膜の耐水性を低下しない範囲で、スルホン酸基および
/またはサルフェート基(および/またはその塩)、リ
ン酸基および/またはリン酸エステル基(および/また
はその塩)を含有するエチレン性不飽和単量体を併用す
ることができる。そのようなその他のエチレン性不飽和
単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、スチレン
スルホン酸等のビニルスルホン酸類またはその塩、アリ
ルスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸等のアリル
基含有スルホン酸類またはその塩、(メタ)アクリル酸
2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロ
ピル等の(メタ)アクリレート基含有スルホン酸類また
はその塩、(メタ)アクリルアミド−t−ブチルスルホ
ン酸等の(メタ)アクリルアミド基含有スルホン酸類ま
たはその塩、リン酸基を有する「アデカリアソープPP
−70、PPE−710」(旭電化工業(株)製)等が挙
げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用す
ることができる。
【0067】更に、本発明においては、必要に応じてそ
の他のエチレン性不飽和単量体として、重合体[A]を
架橋せしめて分子量を高くすることを目的に、ゲル分率
が95重量%越えない範囲で、エチレン性不飽和基を2
つ以上持つ多官能性エチレン性不飽和単量体を併用する
ことも可能である。このような多官能性エチレン性不飽
和単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0068】その他のエチレン性不飽和単量体としては
上述した単量体の1種または2種以上の混合物として使
用することができる。
【0069】また、本発明において、カルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体(a−1)と、その他のエチ
レン性不飽和単量体との使用割合は、前記の如く重合体
[A]のガラス転移温度が−50〜―15℃、酸価が1
0〜300となるような割合でカルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体(a−1)を使用する必要があり、
且つ、後述する単量体成分(b)及びその生成ポリマー
成分との相溶性を考慮して、その種類と量を選択するこ
とが好ましい。
【0070】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体(a−1)と、その他のエチレン性不飽和単量体との
使用割合は、重量基準で、カルボキシル基含有エチレン
性不飽和単量体(a−1)/その他のエチレン性不飽和
単量体=1/99〜40/60が好ましく、より好まし
くは前者/後者=2/98〜20/80である。カルボ
キシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)とその
他のエチレン性不飽和単量体をかかる範囲で用いること
により、重合体[A]のガラス転移温度(実測Tg)を
所望の範囲に調整することができ、且つ、エチレン性不
飽和単量体成分(b)重合時の安定性が向上し、得られ
る被膜の耐水性が向上するため、好ましい。
【0071】また、その他のエチレン性不飽和単量体と
して、カルボキシル基以外の反応性官能基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a−3)を使用する場合におい
て、該単量体(a−3)が、カルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体(a−1)中のカルボキシル基と反応
性を有する場合には、単量体成分(b)重合時の安定性
と貯蔵安定性の点から、その使用量はカルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体(a−1)1モルに対して、
該単量体(a−3)が0.01〜0.5モルの範囲であ
ることが好ましい。カルボキシル基以外の反応性官能基
を有するエチレン性不飽和単量体(a−3)をかかる範
囲で用いれば、重合体[A]のゲル分率を95重量%以
下に調製し易くなる。
【0072】また、その他のエチレン性不飽和単量体と
して、カルボキシル基以外の反応性官能基を有するエチ
レン性不飽和単量体(a−3)が、カルボキシル基含有
エチレン性不飽和単量体(a−1)中のカルボキシル基
と反応性を有しない場合には、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体(a−1)1モルに対して、該単量
体(a−3)が0.01〜2.0モルの範囲で使用する
ことが好ましい。カルボキシル基以外の反応性官能基を
有するエチレン性不飽和単量体(a−3)をかかる範囲
で用いれば、エチレン性不飽和単量体成分(b)重合時
の安定性が良好となるため、好ましい。
【0073】本発明では、重合体[A]を水性媒体中で
製造する際には、乳化剤やその他の分散安定剤を使用し
て重合することが出来、その際の乳化剤およびその他の
分散安定剤は、得られる被膜の耐水性等を低下させない
範囲で必要に応じて使用することが好ましい。
【0074】本発明で使用する乳化剤としては、陰イオ
ン性乳化剤、非イオン性乳化剤の公知のものが使用でき
るが、陽イオン性乳化剤はカルボキシル基含有エチレン
性不飽和単量体(a−1)を含む単量体成分(a)の重
合には好ましくない。
【0075】本発明で使用する陰イオン性乳化剤として
は、例えば、高級アルコールの硫酸エステル及びその
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルスルホン酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジ
フェニルエーテルジスルホン酸塩、コハク酸ジアルキル
エステルスルホン酸塩等が挙げられ、非イオン性乳化剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンジフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物を使用することがで
きる。
【0076】更に、一般的に「反応性乳化剤」と称され
る重合性不飽和基を分子内に有する乳化剤を使用するこ
ともできる。本発明で使用できる反応性乳化剤として
は、例えば、スルホン酸基及びその塩を有する「ラテム
ルS−180」(花王(株)製)、「エレミノールJS−
2、RS−30」(三洋化成工業(株)製)等;硫酸基及
びその塩を有する「アクアロンHS−10、HS−2
0」(第一工業製薬(株)製)、「アデカリアソープSE
−10、SE−20」(旭電化工業(株)製)等;リン酸
基を有する「ニューフロンティアA−229E」(第一
工業製薬(株)製)等;非イオン性親水基を有する「アク
アロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−5
0」(第一工業製薬(株)製)等が挙げられ、これらの1
種または2種以上の混合物が使用できる。
【0077】また、本発明で使用することのできる乳化
剤以外のその他の分散安定剤としては、例えば、ポリビ
ニルアルコール、繊維素エーテル、澱粉、マレイン化ポ
リブタジエン、マレイン化アルキッド樹脂、ポリアクリ
ル酸(塩)、ポリアクリルアミド、水性アクリル樹脂、
水性ポリエステル樹脂、水性ポリアミド樹脂、水性ポリ
ウレタン樹脂等の合成或いは天然の水溶性高分子物質が
挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用
することができる。
【0078】上記乳化剤及び分散安定剤は、重合時の安
定性及び貯蔵安定性を向上させる目的で使用するが、エ
マルジョン被膜の耐水性等の面からその使用量を極力少
なくすることが好ましく、その使用量は重合体[A]の
固形分に対して、2重量%以下とすることが好ましい。
【0079】本発明において、重合体[A]を重合する
際の水性媒体としては、特に限定されるものではない
が、水のみを使用してもよいし、或いは、水と水溶性溶
剤の混合溶液を使用してもよい。ここで用いる水溶性溶
剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、エチルカルビトール、
エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール
類、N−メチルピロリドン等の極性溶剤が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0080】水と上記水溶性溶剤の混合物を使用する場
合の上記水溶性溶剤の使用量は、重合時の安定性の点か
ら任意に選択することができるが、得られる重合体水性
分散液の引火の危険性、及び安全衛生の面から水溶性溶
剤の使用量は極力少なくすることが好ましい。これらの
理由から、水単独で使用することが特に好ましい。
【0081】重合体[A]を水性媒体中で製造する方法
としては、水、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単
量体(a−1)を必須の成分とする重合性単量体混合
物、重合開始剤、(必要に応じて乳化剤及び分散安定剤
を用いてもよい)を一括混合して重合する方法や、水、
重合性単量体、乳化剤を予め混合したものを滴下するい
わゆるプレエマルジョン法や、モノマー滴下法等の方法
により製造することができる。これらの中でも、特に、
モノマー滴下法、またはプレエマルジョン法で製造する
ことが、重合時の安定性の点から好ましい。
【0082】また、重合の際、親水性溶剤、疎水性溶剤
を加えること、及び公知の添加剤を加えることも可能で
あるが、使用量は得られる被膜に悪影響を及ぼさない範
囲に抑えることが好ましい。
【0083】重合体[A]の重合の際に用いる重合開始
剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロ
パーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等
の有機過酸化物類、過酸化水素等があり、これら過酸化
物のみを用いてラジカル重合するか、或いは前記過酸化
物と、アスコルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラ
ートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、塩化第二鉄等のような還元剤とを併用したレドック
ス重合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−
アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を
使用することも可能であり、これらの1種または2種以
上の混合物が使用できる。これらの重合開始剤の中でも
特に、有機過酸化物類と還元性有機化合物の組み合わせ
によるレドックス重合開始剤系を使用すると、得られる
被膜の耐水性が向上するため、好ましい。
【0084】上記の重合体[A]の重合の際に用いる重
合開始剤の内、有機過酸化物類としては、例えば、過酸
化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイル
パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシ
ラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパ
ーオキシエステル類、クメンハイドロパーオキサイド、
パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等が
挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が使用
できる。
【0085】また、上記の重合体[A]の重合の際に用
いる重合開始剤の内、還元性有機化合物としては、例え
ば、アスコルビン酸およびその塩、エリソルビン酸およ
びその塩、酒石酸およびその塩、クエン酸およびその
塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩等が挙
げられ、上記有機過酸化物類と併用して、これらの1種
または2種以上の混合物が使用できる。
【0086】本発明において、重合体[A]の分子量を
調整する必要がある場合は、重量平均分子量が50,0
00未満にならない範囲で、重合体[A]を合成する際
に分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例え
ば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオ
グリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、
チオグリセリン等のメルカプタン類、またはα−メチル
スチレン・ダイマー等を添加してもよい。
【0087】重合体[A]を重合する際の重合温度は、
使用する単量体の種類、重合開始剤の種類等によって異
なるが、水性媒体中で重合する場合は通常30〜90℃
の温度範囲で行うことが好ましい。
【0088】また、本発明においては、重合体[A]に
対するエチレン性不飽和単量体成分(b)の使用割合
は、得られる被膜の低温特性や常温での硬度のバランス
から、重量基準で、重合体[A]の固形分重量/単量体
成分(b)=7/3〜4/6とすることが好ましく、よ
り好ましくは6/4〜4/6である。かかる範囲の使用
割合であれば、より優れた常温での硬度を得ることがで
きる。
【0089】本発明においては、重合体[A]のカルボ
キシル基は、中和せずにそのままエチレン性不飽和単量
体成分(b)の重合に用いてもよいが、重合時の安定性
の面からカルボキシル基の一部を塩基性物質で中和して
使用する方法が好ましい。その際のカルボキシル基の中
和度は、特に限定されないが、重合時の安定性の点か
ら、塩基性物質の使用量を重合体[A]中の全カルボキ
シル基に対して10モル%以上とすることが好ましい。
【0090】上記の中和剤として使用する塩基性物質と
しては、通常のものが使用でき、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化
カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属化合
物;アンモニア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチル
プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン等の水溶性有機アミン類等が挙げら
れ、これらの1種または2種以上の混合物を使用するこ
とができる。特に、得られる被膜の耐水性をより向上さ
せたい場合は、常温或いは加熱により飛散するアンモニ
アを使用することが好ましい。
【0091】上述のようにして得られる重合体[A]
は、本発明の重合体水性分散液の重合体粒子[X]の粒
子最外殻部に存在するA層を形成する。
【0092】本発明の重合体水性分散液の製造方法で
は、以上のようにして得られた重合体[A]の存在下、
重合体のガラス転移温度(実測Tg)が30〜150℃
となるエチレン性不飽和単量体成分(b)を、新たに乳
化剤を追加することなく重合する。
【0093】本発明で使用するエチレン性不飽和単量体
成分(b)としては、重合体の実測Tgが30〜150
℃となるエチレン性不飽和単量体であれば特に制限され
ず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含
有ビニル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビ
ニルブチラート、バーサチック酸ビニル等のビニルエス
テル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビ
ニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和
カルボン酸のニトリル類;スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチ
レン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族
環を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、
ブタジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ
化ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、こ
れらの1種または2種以上の混合物を使用することがで
きる。これらのなかでも特に重合が容易であり、重合体
のガラス転移温度の調整が容易である点から(メタ)ア
クリル酸エステル類が好ましい。
【0094】更に具体的に、所望のガラス転移温度(3
0〜150℃)の重合体[B]を得るためには、単量体
の単独重合時に得られる重合体のガラス転移温度が、3
0℃以上のエチレン性不飽和単量体を使用することが必
須であり、例えば、メチルメタクリレート、i−ブチル
メタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレ
ート、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エ
ステル類、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペン
タニルアクリレート、イソボルニルアクリレート等のア
クリル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン等
が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して使
用することができる。
【0095】また、上記の単量体の単独重合時に得られ
る重合体のガラス転移温度が30℃以上の前記単量体
と、アルキル基の炭素原子数が1〜3のアルキル基を有
するアクリル酸アルキルエステル類、または炭素原子数
が4〜12の長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリ
ル酸エステル類を併用して、重合体[B]のガラス転移
温度を30℃〜150℃に調整することもできる。
【0096】また、本発明においては、エチレン性不飽
和単量体成分(b)中に、上述した単量体と共に、重合
体[A]中の反応性官能基と反応性を有する官能基を含
有するエチレン性不飽和単量体(b−1)を併用して重
合することにより、得られる重合体[B]が、A層を構
成する重合体[A]と結合し、耐水性等の諸物性が向上
するため、好ましい。
【0097】上述のような重合体[A]中の反応性官能
基と反応性を有する官能基を含有するエチレン性不飽和
単量体(b−1)としては、例えば、グリシジル(メ
タ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリ
シジル基含有重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の
水酸基含有重合性単量体;アミノエチル(メタ)アクリ
レート、N−モノアルキルアミノアルキル(メタ)アク
リレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)
アクリレート等のアミノ基含有重合性単量体;N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド等のメチロールアミド基及びそのアルコ
キシ化物含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルト
リイソプロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン及びその塩酸塩等のシリル基含有重合性単量体;2
−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリ
ジニル基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソ
シアナート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチ
ルのフェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物
等のイソシアナート基及び/またはブロック化イソシア
ナート基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−
オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキ
サゾリン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジアルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有
重合性単量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト等のシクロペンテニル基含有重合性単量体;アリルメ
タクリレート等のアリル基含有重合性単量体;アクロレ
イン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニ
ル基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メ
タ)アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性単量
体等が挙げられ、これら単量体の1種または2種以上の
混合物として使用することができる。
【0098】これらの中でも特に、重合体[A]中の反
応性官能基と反応性を有する官能基を含有するエチレン
性不飽和単量体(b−1)として、カルボキシル基と反
応性を有する官能基を含有するエチレン性不飽和単量体
を使用すると、得られる重合体[B]が重合体[A]に
親水性を付与しているカルボキシル基と反応して架橋構
造を形成することにより、被膜の耐水性が著しく向上す
るため、好ましい。
【0099】本発明において、上記単量体(b−1)と
して使用可能なカルボキシル基と反応性を有する基を含
有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリ
シジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル等のグリシジル基含有重合性単量体;N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド等のメチロールアミド基及びそのアルコキシ
化物含有重合性単量体;2−アジリジニルエチル(メ
タ)アクリレート等のアジリジニル基含有重合性単量
体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、(メタ)ア
クリロイルイソシアナートエチルのフェノール或いはメ
チルエチルケトオキシム付加物等のイソシアナート基及
び/またはブロック化イソシアナート基含有重合性単量
体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有重合性単
量体等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上の混合物を使用することができる。これらの中でも重
合体[A]中のカルボキシル基との反応性に優れ、耐水
性等の諸物性を著しく向上させる点から、特にグリシジ
ル基含有重合性単量体、メチロールアミド基およびその
アルコキシ化物含有重合性単量体を使用することが好ま
しい。
【0100】更に、必要に応じてその他のエチレン性不
飽和単量体として、重合体[A]を架橋せしめて分子量
を高くすることを目的に、エチレン性不飽和基を2つ以
上持つ多官能性エチレン性不飽和単量体を併用すること
も可能であり、この多官能性エチレン性不飽和単量体と
しては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
アリルフタレート、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0101】本発明の重合体水性分散液の製造方法にお
いて、重合体[A]の存在下に、水性媒体中でエチレン
性不飽和単量体成分(b)を重合する方法は、通常の乳
化重合法で行うことができるが、その際に新たに乳化剤
を追加することなく重合する方法が、所望とする形態の
重合体粒子[X](即ち、重合体[A]が粒子の最外殻
部に存在する粒子形態)が容易に得られるため、好まし
い。
【0102】即ち、エチレン性不飽和単量体成分(b)
の乳化重合を、乳化剤を新たに追加することなく実施す
る場合、エチレン性不飽和単量体成分(b)によって得
られる重合体[B]が、重合体[A]中に取り込まれ易
くなり、1つの粒子中に重合体[A]と重合体[B]を
含有する粒子構造となり易く、且つ、粒子の最外殻部に
重合体[A]が存在し易くなるため、好ましい。
【0103】本発明では、エチレン性不飽和単量体成分
(b)を乳化重合する方法としては、特に制限されるも
のではないが、例えば、方法1.重合体[A]の存在す
る水性媒体中に、単量体成分(b)及び重合開始剤を一
括混合して重合する方法、方法2.水性媒体中に、水、
単量体成分(b)、重合体[A]を予め混合したもの
と、重合開始剤を滴下するいわゆるプレエマルジョン
法、方法3.重合体[A]の存在する水性媒体中に単量
体成分(b)と、重合開始剤を滴下するモノマー滴下
法、或いは、方法4.重合体[A]の存在下、単量体成
分(b)を添加して重合体[A]を単量体成分(b)で
膨潤させた後に重合開始剤を添加して重合する方法、等
が挙げられる。
【0104】上記の重合方法の中でも、特にエチレン性
不飽和単量体成分(b)の乳化重合を、乳化剤またはそ
の他の分散安定剤を全く使用せずに実施できる点、更に
単量体成分(b)の重合時の安定性の点から、方法3の
モノマー滴下法で行うことが好ましい。
【0105】上記方法3のモノマー滴下法によってエチ
レン性不飽和単量体成分(b)を重合する具体的な方法
としては、例えば、滴下漏斗の付いた撹拌式反応器に、
水性媒体、重合開始剤、重合体[A]を入れ、次いで、
重合温度まで反応器を昇温させ、滴下漏斗より単量体成
分(b)を滴下する方法が挙げられる。この際、反応器
内は、開放系であってもよいが、窒素等の不活性ガスで
置換されていることが好ましい。また、重合温度は、使
用する単量体の種類、重合開始剤の種類等によって異な
るが、通常は30〜90℃の温度範囲が適当であり、よ
り好ましくは40℃〜85℃の範囲である。単量体成分
(b)の滴下速度は、重合体[A]と単量体成分(b)
との比率、及び得られる重合体水性分散液の固形分濃度
により適宜調節することが好ましく、特に限定はしな
い。
【0106】また、本発明の効果を損なわない範囲でエ
チレン性不飽和単量体成分(b)の乳化重合の際、親水
性溶剤、疎水性溶剤を加えること及び公知の添加剤を加
えることも可能であるが、使用量は得られる被膜に悪影
響を及ぼさない範囲に抑えることが好ましい。
【0107】本発明におけるエチレン性不飽和単量体成
分(b)の乳化重合の際に用いる重合開始剤としては、
ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩類、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイ
ド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化
物類、過酸化水素等があり、これら過酸化物のみを用い
てラジカル重合するか、或いは前記過酸化物と、アスコ
ルビン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属
塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第
二鉄等ののような還元剤とを併用したレドックス重合開
始剤系によっても重合でき、また、4,4’−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用するこ
とも可能であり、これらの1種または2種以上の混合物
が使用できる。これらの重合開始剤の中でも特に、有機
過酸化物類と還元性有機化合物の組み合わせによるレド
ックス重合開始剤系を使用すると、得られる被膜の耐水
性が向上するため、好ましい。
【0108】本発明におけるエチレン性不飽和単量体成
分(b)の乳化重合の際に用いる重合開始剤である上記
有機過酸化物類としては、例えば、過酸化ベンゾイル、
ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド
等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパ
ーオキサイド類、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステ
ル類、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド等のハイドロパーオキサイド類等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上の混合物が使用できる。
【0109】更に、エチレン性不飽和単量体成分(b)
の乳化重合の際に用いる重合開始剤である上記還元性有
機化合物としては、例えば、アスコルビン酸およびその
塩、エリソルビン酸およびその塩、酒石酸およびその
塩、クエン酸およびその塩、ホルムアルデヒドスルホキ
シラートの金属塩等が挙げられ、上記有機過酸化物類と
併用して、これらの1種または2種以上の混合物が使用
できる。
【0110】また、エチレン性不飽和単量体成分(b)
の乳化重合により得られる重合体[B]の分子量を調整
する必要がある場合は、単量体成分(b)を重合する際
に分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物、例え
ば、ラウリルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、チオ
グリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、
チオグリセリン等のメルカプタン類、またはα−メチル
スチレン・ダイマー等を添加してもよい
【0111】以上のようにして得られる重合体[B]
は、本発明の重合体水性分散液の重合体粒子[X]にお
けるB層を形成する。
【0112】本発明において、B層を構成する重合体
[B]の分子量は特に限定されるものではないが、通
常、重量平均分子量50,000以上であることが好ま
しく、かかる範囲の重量平均分子量であれば、得られる
被膜において、より優れた常温での硬度や耐水性等の諸
物性をもたらすことができる。
【0113】このようにして得られる本発明の重合体水
性分散液は、それ自体常温もしくは加熱により乾燥し
て、優れた低温特性を有し、且つ、常温での硬度に優
れ、耐水性の良好な被膜を形成するものであるが、必要
に応じて水溶性、或いは水分散性の架橋剤を添加して使
用することができる。この場合、架橋剤としては、例え
ば、多官能性メラミン化合物、多官能性ポリアミン化合
物、多官能性ポリエチレンイミン化合物、多官能性(ブ
ロック)イソシアネート化合物、金属塩化合物等が挙げ
られ、これらの1種または2種以上の混合物として使用
することができる他に、水溶性または水分散性の熱硬化
性樹脂、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、ウレタン樹脂等を混和して使用することもでき
る。
【0114】また、必要に応じて本発明の所望の効果を
阻害しない範囲で、充填剤、顔料、pH調整剤、皮膜形
成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等公知
のものを適宜添加して使用することができる。
【0115】本発明の重合体水性分散液は、優れた低温
特性を有し、且つ、常温での硬度に優れ、耐水性の良好
な被膜を与えるものであり、その用途は多技に渡るが、
特に、低温特性と常温での硬度の要求される分野におい
て有用なものであり、塗料、プライマー処理剤、接着
剤、フィルムコーティング剤、繊維加工用樹脂(織編物
や不織布用バインダー・被覆剤、植毛加工用バインダー
等)、紙加工(含浸、塗工)用樹脂、ガラス繊維加工用
樹脂(ガラス繊維集束剤、ガラスペーパー用バインダ
ー、ガラス繊維被覆剤等)、モルタル改質用樹脂等とし
て利用できる。特に、塗料、インキ、ニス、フィルムコ
ーティング、接着、繊維加工用樹脂、紙加工用樹脂等の
応用分野で利用される用途において、既述の通り極めて
優れた効果を発現する。
【0116】尚、本発明の態様は、上述したように、重
合体水性分散液において、水性媒体中に分散する重合体
粒子[X]が、少なくともA層およびB層の2種の層か
ら構成されており、A層がカルボキシル基を含有し、且
つ、ガラス転移温度(実測Tg)が−50〜−15℃で
ある重合体[A]から構成され、B層がガラス転移温度
(実測Tg)が30〜150℃である重合体[B]から
構成され、該重合体水性分散液から形成される被膜が、
測定温度−10℃での引張試験における伸び率が20%
以上であり、且つ、測定温度25℃での引張試験におけ
るヤング率が10MPa以上であることを特徴とする重
合体水性分散液にかかるものである。
【0117】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
粒子[X]のA層を構成する重合体[A]と、B層を構
成する重合体[B]の重量割合が、固形分比で[A]/
[B]=7/3〜4/6である上記の重合体水性分散液
にかかるものである。
【0118】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
粒子[X]のA層を構成する重合体[A]が、酸価が1
0〜300mgKOH/g、重量平均分子量が50,0
00以上で、且つ、ゲル分率(アセトン不溶解分率)が
95重量%以下である上記の各重合体水性分散液にかか
るものである。
【0119】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
粒子[X]のA層を構成する重合体[A]と、B層を構
成する重合体[B]が、相互に結合し得る反応性官能基
を有する上記の各重合体水性分散液にかかるものであ
る。
【0120】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
粒子[X]のB層を構成する重合体[B]が、カルボキ
シル基と反応性を有する基を含有する上記の各重合体水
性分散液にかかるものである。
【0121】本発明の他の態様の一つとしては、カルボ
キシル基を含有し、酸価が10〜300mgKOH/g
であり、重量平均分子量が50,000以上であり、ゲ
ル分率が95重量%以下であり、且つ、重合体の実測T
gが−50〜−15℃である重合体[A]の存在する水
性媒体中で、重合体の実測Tgが30〜150℃となる
エチレン性不飽和単量体成分(b)を、新たに乳化剤を
追加することなく重合することを特徴とする重合体水性
分散液の製造方法にかかるものである。
【0122】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
[A]が粒子であり、且つ、その粒子径(体積基準での
50%メジアン径)が10〜1000nmである上記の
重合体水性分散体の製造方法にかかるものである。
【0123】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
[A]が、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
(a−1)を必須成分とする単量体成分(a)を水性媒
体中で重合させて得られるものである上記の各重合体水
性分散液の製造方法にかかるものである。
【0124】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
[A]に対するエチレン性不飽和単量体成分(b)の使
用割合が、重量基準で[A]/(b)=7/3〜4/6
である上記の各重合体水性分散体の製造方法にかかるも
のである。
【0125】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
[A]中のカルボキシル基の10モル%以上が塩基性物
質で中和されたものである上記の各重合体水性分散体の
製造方法にかかるものである。
【0126】本発明の他の態様の一つとしては、エチレ
ン性不飽和単量体成分(b)が、重合体[A]中の反応
性官能基と反応性を有する官能基を含有するエチレン性
不飽和単量体(b−1)を必須成分とするものである上
記の各重合体水性分散体の製造方法にかかるものであ
る。
【0127】本発明の他の態様の一つとしては、重合体
[A]中の反応性官能基と反応性を有する官能基を含有
するエチレン性不飽和単量体(b−1)が、カルボキシ
ル基と反応性を有する官能基を含有するエチレン性不飽
和単量体である上記の各重合体水性分散体の製造方法に
かかるものである。
【0128】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例により、一
層、具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例
に限定されるものではない。以下において、例中特に断
らない限り、「%」は重量%、「部」は重量部をそれぞ
れ示すものとする。
【0129】本発明で用いた評価方法について以下に述
べる。 [酸価の測定方法]酸価は、重合体に含まれるカルボキ
シル基の量を表す数値で、重合体1g中に含まれる遊離
カルボキシル基を中和するために要する水酸化カリウム
のmg数である。ガラス板上に3milアプリケーター
で試料を塗工し、常温で1時間乾燥して半乾きの被膜を
作成後、得られた被膜をガラス板から剥がし、この被膜
1gを精秤してテトラヒドロフラン(THF)100g
に溶解したものを測定試料とした。測定方法は、水酸化
カリウム水溶液による中和滴定法で行った。尚、THF
に不溶の試料については、本方法での測定が不可能であ
るので、重合体製造時に使用したカルボキシル基含有単
量体の仕込量から求めた計算値を重合体の酸価として算
出した。
【0130】[重量平均分子量の測定方法]重量平均分
子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(G
PC法)により測定した。測定装置として東洋曹達(株)
製高速液体クロマトグラフHLC−8120GPC型を
用い、カラムは東洋曹達(株)製パックドカラムを使用し
た。標準試料として昭和電工(株)製及び東洋曹達(株)製
の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。溶離
液、及び試料溶解液としてTHFを用い、RI検出器を
用いて重量平均分子量を測定した。
【0131】[ゲル分率の測定方法]ゲル分率はアセト
ン不溶解分率として測定した。ガラス板上に乾燥後の膜
厚が0.5mmとなるように試料を塗工し、40℃で8
時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に140℃で
5分間乾燥したものを50mm角に切り取り、試料とし
た。次に、予め試料のアセトン浸漬前の重量(G1)を
測定しておき、アセトン溶液中に常温で24時間浸漬し
た後の試料のアセトン不溶解分を300メッシュ金網で
濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した
後の残さの重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲ
ル分率を求めた。 ゲル分率(重量%)=G2/G1×100
【0132】[粒子径の測定方法]粒子径は動的光散乱
法により測定したものであり、日機装(株)製マイクロト
ラックUPA型粒度分布測定装置にて測定した粒子径
(体積基準での50%メジアン径)の値を求めた。尚、
実施例、比較例中の粒子径は、特にことわりのない限り
「体積基準での50%メジアン径」である。
【0133】[測定温度−10℃での引張試験での伸び
率の測定方法]重合体水性分散液を乾燥後の膜厚が0.
5mmとなるようにガラス板に塗工し、40℃で8時間
乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分
間乾燥したものを2号ダンベルで打ち抜き試料とした。
この試料を用いて、オリエンテック社製テンシロンRT
M−100型引張試験機にて、−10℃の雰囲気下で、
クロスヘッドスピード200mm/分で引張試験を実施
した時の最大伸度を測定して決定する。
【0134】[測定温度25℃での引張試験でのヤング
率の測定方法]重合体水性分散液を乾燥後の膜厚が0.
5mmとなるようにガラス板に塗工し、40℃で8時間
乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分
間乾燥したものを2号ダンベルで打ち抜き試料とした。
この試料を用いて、オリエンテック社製テンシロンRT
M−100型引張試験機にて、25℃の雰囲気下で、ク
ロスヘッドスピード200mm/分で引張試験を実施し
た時のチャートの原点と、伸び率が2.5%時の応力か
ら概算したヤング率を測定して決定する。
【0135】[ガラス転移温度(実測Tg)の測定方
法]重合体水性分散液を乾燥後の膜厚が0.5mmとな
るようにガラス板に塗工し、40℃で8時間乾燥した
後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分間乾燥し
たものを試料とし、直径5mm、深さ2mmのアルミニ
ウム製円筒型セルに試料約10mgを秤取し、TAイン
スツルメント社製のDSC−2920モジュレイテッド
型示差走査型熱量計を用い、−50℃から昇温速度20
℃/分で150℃まで昇温した時の吸熱曲線を測定して
決定した。
【0136】[−10℃での屈曲性の測定方法]重合体
水性分散液を乾燥後の膜厚が1.0mmとなるようにガ
ラス板に塗工し、40℃で8時間乾燥した後、ガラス板
から剥離し、更に140℃で5分間乾燥したものを20
mm×100mmに切り出したものを試料とし、−10
℃の雰囲気下で、一端を固定して90度折り曲げ、試料
の外観変化を観察して評価を行った。評価結果は、破断
もしくは亀裂が生じた場合を×、応力白化や皺等の欠点
が発生した場合を△、これらの欠点が発生しない場合を
○の記号で表した。
【0137】[ショアーD硬度の測定方法]重合体水性
分散液を乾燥後の膜厚が1.0mmとなるようにガラス
板に塗工し、40℃で8時間乾燥した後、ガラス板から
剥離し、更に140℃で5分間乾燥したものを50mm
×100mmに切り出して6枚重ね合わせたものを試料
とし、25℃の雰囲気下で、高分子計器(株)製タイプD
デュロメーター(ASTMD2240)にてショアーD
硬度を測定した。
【0138】《実施例1》 重合体[A]の製造方法 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を
備えた反応容器に脱イオン水73部を入れ、窒素を吹き
込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウ
ム0.02部を添加し、続いてn−ブチルアクリレート
168部、メチルメタクリレート20部、メタクリル酸
12部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B
(花王(株)製:有効成分25%)16部と脱イオン水6
0部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前
記モノマーと乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたも
のを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を
75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、
反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマー
プレエマルジョン(273部)と、t−ブチルハイドロ
パーオキサイドの水溶液(有効成分1%)30部、アス
コルビン酸水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々
別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保
ちながら180分間かけて滴下して重合せしめた。
【0139】滴下終了後、同温度にて120分間撹拌
し、後述する方法により酸価、重量平均分子量、ゲル分
率、粒子径を測定するために試料を採取した。その後、
反応容器内温度を75℃に保ちながら、アンモニア水
(有効成分10%)15部を30分間かけて滴下し、重
合体中のカルボキシル基を中和した。前述の採取した試
料から、この重合体水性分散液に含まれる重合体の酸
価、重量平均分子量、ゲル分率、粒子径を測定すると、
酸価39、ゲル分率45.0%、重量平均分子量は重合
体がGPCの溶離液および試料溶解液として使用するT
HFに完全に溶解せず、ゲル分が多いため全体としての
分子量が測定できなかった。粒子径(体積基準での50
%メジアン径)は270nmであった。
【0140】重合体[B]の製造方法 重合体[A]の製造に引き続き、反応容器内温度を75
℃に保ちながら、n−ブチルアクリレート60部、メチ
ルメタクレート132部、グリシジルメタクリレート8
部からなる単量体混合物と、t−ブチルハイドロパーオ
キサイドの水溶液(有効成分1%)30部、アスコルビ
ン酸水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の滴
下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちなが
ら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了
後、同温度にて120分間撹拌し、内容物を冷却し、p
Hが7.8になるようにアンモニア水(有効成分10
%)で調整し、固形分濃度が58.0%になるように脱
イオン水で調整した後、100メッシュ金網で濾過し
た。
【0141】ここで得られた本発明の重合体水性分散液
は、粒子径(体積基準での50%メジアン径)350n
m、固形分濃度58.0%、粘度780mPa・s(B
M型粘度計にて25℃で測定)、pH7.8であり、1
00メッシュ金網不通過の凝集物は2.0%(対生成分
散液比)以下であった。
【0142】この本発明の重合体水性分散液を用いて得
た被膜の評価結果を第1表に示したが、測定温度−10
℃での引張試験での伸び率は120%であり、測定温度
25℃での引張試験でのヤング率は50MPaであり、
また、ガラス転移温度(実測Tg)は−22℃と45℃
であった。また、この重合体水性分散液から得られた被
膜の低温特性として、−10℃での屈曲性は、破断や亀
裂の発生が無く良好であり、被膜の常温でのショアーD
硬度は85であった。
【0143】《実施例2》及び《実施例3》単量体混合
物として第1表に示したものを用いた以外は、実施例1
と全く同様にして本発明の重合体水性分散液を得た。こ
の重合体水性分散液中に含まれる重合体[A]の酸価、
重量平均分子量、ゲル分率、粒子径(体積基準での50
%メジアン径)、および重合体水性分散液の粒子径(体
積基準での50%メジアン径)、固形分濃度は第1表に
記載した通りであった。また、この重合体水性分散液か
ら得られた被膜の測定温度−10℃での引張試験での伸
び率、および測定温度25℃での引張試験でのヤング
率、ガラス転移温度(実測Tg)、−10℃での屈曲
性、25℃での硬度は第1表に記載した通りであった。
【0144】《比較例1》単量体混合物として第1表に
示したものを用いた以外は、実施例1と全く同様にして
重合体水性分散液を得た。この重合体水性分散液中に含
まれる重合体[A]の酸価、重量平均分子量、ゲル分
率、粒子径(体積基準での50%メジアン径)、および
重合体水性分散液の粒子径、固形分濃度は第1表に記載
した通りであった。また、この重合体水性分散液から得
られた被膜の測定温度−10℃での引張試験での伸び
率、および測定温度25℃での引張試験でのヤング率、
ガラス転移温度(実測Tg)、−10℃での屈曲性、2
5℃での硬度は第1表に記載した通りであった。
【0145】《比較例2》撹拌機、還流冷却管、窒素導
入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水
200部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温
した。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続
いてn−ブチルアクリレート228部、メチルメタクリ
レート152部、メタクリル酸12部、グリシジルメタ
クリレート8部からなる単量体混合物に、ラテムルE−
118B(花王(株)製:有効成分25%)32部と脱
イオン水80部を加えて乳化させたモノマープレエマル
ジョンと、t−ブチルハイドロパーオキサイドの水溶液
(有効成分1%)30部、アスコルビン酸水溶液(有効
成分0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用し
て、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間か
けて滴下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて1
20分間撹拌し、内容物を冷却し、固形分濃度が50.
0%になるように脱イオン水で調整し、100メッシュ
金網で濾過した。
【0146】得られた重合体水性分散液の酸価、重量平
均分子量、ゲル分率、粒子径(体積基準での50%メジ
アン径)、固形分濃度は第1表に記載した通りであっ
た。また、この重合体水性分散液から得られた被膜の測
定温度−10℃での引張試験での伸び率、および測定温
度25℃での引張試験でのヤング率、ガラス転移温度
(実測Tg)、−10℃での屈曲性、25℃での硬度は
第1表に記載した通りであった。
【0147】
【表1】
【0148】第1表中の略号の正式名称を下記に示す。 n−BA ;n−ブチルアクリレート MMA ;メチルメタクリレート MAA ;メタクリル酸 AA ;アクリル酸 GMA ;グリシジルメタクリレート MAPTMS;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン L−SH ;ラウリルメルカプタン 2−EHA ;2−エチルヘキシルアクリレート CHMA ;シクロヘキシルメタクリレート
【0149】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、被覆剤(表
面コーティング剤)として使用した場合に、低温での屈
曲性があり、且つ、常温での硬度に優れる被膜を形成す
ることができる重合体水性分散液が得られる。本発明の
重合体水性分散液は、優れた低温特性を有し、且つ、常
温での硬度に優れ、耐水性の良好な被膜を与えるもので
あり、その用途は多技に渡るが、特に、低温特性と常温
での硬度の要求される分野において有用なものであり、
塗料、プライマー処理剤、接着剤、フィルムコーティン
グ剤、繊維加工用樹脂(織編物や不織布用バインダー・
被覆剤、植毛加工用バインダー等)、紙加工(含浸、塗
工)用樹脂、ガラス繊維加工用樹脂(ガラス繊維集束
剤、ガラスペーパー用バインダー、ガラス繊維被覆剤
等)、モルタル改質用樹脂等として利用できる。特に、
塗料、インキ、ニス、フィルムコーティング、接着、繊
維加工用樹脂、紙加工用樹脂等の応用分野で利用される
用途において、極めて優れた効果を発現する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BN031 BN051 BN111 BN141 BN171 BN211 DE026 GH01 4J011 BA04 JA03 JA06 JB08 JB13 JB16 PA69 PA76 PA78 PA88 PA95 PB06 PB08 PC07 4J026 AA42 AA68 AB02 AB07 AC09 AC10 AC23 AC36 BA02 BA05 BA11 BA15 BA19 BA20 BA27 BA29 BA31 BA40 BA46 BA47 BA49 BB07 DA03 DA07 DA12 DA13 DB03 DB08 FA04 GA02 GA08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体水性分散液において、水性媒体中
    に分散する重合体粒子[X]が、少なくともA層および
    B層の2種の層から構成されており、A層がカルボキシ
    ル基を含有し、且つ、ガラス転移温度(実測Tg)が−
    50〜−15℃である重合体[A]から構成され、B層
    がガラス転移温度(実測Tg)が30〜150℃である
    重合体[B]から構成され、該重合体水性分散液から形
    成される被膜が、測定温度−10℃での引張試験におけ
    る伸び率が20%以上であり、且つ、測定温度25℃で
    の引張試験におけるヤング率が10MPa以上であるこ
    とを特徴とする重合体水性分散液。
  2. 【請求項2】 重合体粒子[X]のA層を構成する重合
    体[A]と、B層を構成する重合体[B]の重量割合
    が、固形分比で[A]/[B]=7/3〜4/6である
    請求項1記載の重合体水性分散液。
  3. 【請求項3】 重合体粒子[X]のA層を構成する重合
    体[A]が、酸価が10〜300mgKOH/g、重量
    平均分子量が50,000以上で、且つ、ゲル分率(ア
    セトン不溶解分率)が95重量%以下である請求項1又
    は2記載の重合体水性分散液。
  4. 【請求項4】 重合体粒子[X]のA層を構成する重合
    体[A]と、B層を構成する重合体[B]が、相互に結
    合し得る反応性官能基を有する請求項1〜3の何れか一
    項に記載の重合体水性分散液。
  5. 【請求項5】 重合体粒子[X]のB層を構成する重合
    体[B]が、カルボキシル基と反応性を有する基を含有
    する請求項1〜4の何れか一項に記載の重合体水性分散
    液。
  6. 【請求項6】 カルボキシル基を含有し、酸価が10〜
    300mgKOH/gであり、重量平均分子量が50,
    000以上であり、ゲル分率が95重量%以下であり、
    且つ、重合体の実測Tgが−50〜−15℃である重合
    体[A]の存在する水性媒体中で、重合体の実測Tgが
    30〜150℃となるエチレン性不飽和単量体成分
    (b)を、新たに乳化剤を追加することなく重合するこ
    とを特徴とする重合体水性分散液の製造方法。
  7. 【請求項7】 重合体[A]が粒子であり、且つ、その
    粒子径(体積基準での50%メジアン径)が10〜10
    00nmである請求項6記載の重合体水性分散体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 重合体[A]が、カルボキシル基含有エ
    チレン性不飽和単量体(a−1)を必須成分とする単量
    体成分(a)を水性媒体中で重合させて得られるもので
    ある請求項6又は7記載の重合体水性分散液の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 重合体[A]に対するエチレン性不飽和
    単量体成分(b)の使用割合が、重量基準で[A]/
    (b)=7/3〜4/6である請求項6〜8の何れか一
    項に記載の重合体水性分散体の製造方法。
  10. 【請求項10】 重合体[A]中のカルボキシル基の1
    0モル%以上が塩基性物質で中和されたものである請求
    項6〜9の何れか一項に記載の重合体水性分散体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 エチレン性不飽和単量体成分(b)
    が、重合体[A]中の反応性官能基と反応性を有する官
    能基を含有するエチレン性不飽和単量体(b−1)を必
    須成分とするものである請求項6〜10の何れか一項に
    記載の重合体水性分散体の製造方法。
  12. 【請求項12】 重合体[A]中の反応性官能基と反応
    性を有する官能基を含有するエチレン性不飽和単量体
    (b−1)が、カルボキシル基と反応性を有する官能基
    を含有するエチレン性不飽和単量体である請求項11記
    載の重合体水性分散体の製造方法。
JP2001315195A 2001-08-27 2001-10-12 重合体水性分散液およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3952726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001315195A JP3952726B2 (ja) 2001-08-27 2001-10-12 重合体水性分散液およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001256067 2001-08-27
JP2001-256067 2001-08-27
JP2001315195A JP3952726B2 (ja) 2001-08-27 2001-10-12 重合体水性分散液およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003147150A true JP2003147150A (ja) 2003-05-21
JP3952726B2 JP3952726B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=26621023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001315195A Expired - Lifetime JP3952726B2 (ja) 2001-08-27 2001-10-12 重合体水性分散液およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3952726B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096148A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Dainippon Ink & Chem Inc 重合体水性分散液およびその製造方法
JP2005281339A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Nippon Shokubai Co Ltd 樹脂粒子分散体、その製造方法、およびその用途
JP2005290046A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Ink & Chem Inc アクリル系重合体水性分散液及び製造方法
JP2006176624A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2006233123A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Dainippon Ink & Chem Inc 水分散型アクリル系ポリマーの製造方法
JP2008189907A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Mitsubishi Chemicals Corp ブロックポリマー及びその製造方法と、このブロックポリマーを含有した化粧料組成物
WO2009144980A1 (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Dic株式会社 コーティング剤及びその製造方法
JP2012149147A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Mitsubishi Chemicals Corp ブロックポリマー
JP2021116354A (ja) * 2020-01-27 2021-08-10 株式会社日本触媒 水性インク用樹脂エマルション

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57119945A (en) * 1981-01-19 1982-07-26 Dainippon Ink & Chem Inc Aqueous composition
JPS63238180A (ja) * 1987-03-26 1988-10-04 Nitto Electric Ind Co Ltd 水分散型感圧性接着剤組成物
JPH0770215A (ja) * 1993-05-07 1995-03-14 Rohm & Haas Co 水性被覆組成物の耐水白化性を改善する多段重合ラテックス
JPH0853598A (ja) * 1994-08-11 1996-02-27 Nof Corp 水分散性のアクリル系グラフト共重合体、製造方法および水性塗料
JPH08169919A (ja) * 1994-10-21 1996-07-02 Dainippon Ink & Chem Inc 硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液
JP2001089697A (ja) * 1999-09-27 2001-04-03 Rinrei:Kk 可剥離性被覆組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57119945A (en) * 1981-01-19 1982-07-26 Dainippon Ink & Chem Inc Aqueous composition
JPS63238180A (ja) * 1987-03-26 1988-10-04 Nitto Electric Ind Co Ltd 水分散型感圧性接着剤組成物
JPH0770215A (ja) * 1993-05-07 1995-03-14 Rohm & Haas Co 水性被覆組成物の耐水白化性を改善する多段重合ラテックス
JPH0853598A (ja) * 1994-08-11 1996-02-27 Nof Corp 水分散性のアクリル系グラフト共重合体、製造方法および水性塗料
JPH08169919A (ja) * 1994-10-21 1996-07-02 Dainippon Ink & Chem Inc 硬化性重合体水性分散液の製造方法及び硬化性重合体水性分散液
JP2001089697A (ja) * 1999-09-27 2001-04-03 Rinrei:Kk 可剥離性被覆組成物

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003096148A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Dainippon Ink & Chem Inc 重合体水性分散液およびその製造方法
JP2005281339A (ja) * 2004-03-26 2005-10-13 Nippon Shokubai Co Ltd 樹脂粒子分散体、その製造方法、およびその用途
JP4691894B2 (ja) * 2004-03-31 2011-06-01 Dic株式会社 アクリル系重合体水性分散液及び製造方法
JP2005290046A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Dainippon Ink & Chem Inc アクリル系重合体水性分散液及び製造方法
JP2006176624A (ja) * 2004-12-22 2006-07-06 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP4513600B2 (ja) * 2005-02-28 2010-07-28 Dic株式会社 水分散型アクリル系ポリマーの製造方法
JP2006233123A (ja) * 2005-02-28 2006-09-07 Dainippon Ink & Chem Inc 水分散型アクリル系ポリマーの製造方法
JP2008189907A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Mitsubishi Chemicals Corp ブロックポリマー及びその製造方法と、このブロックポリマーを含有した化粧料組成物
WO2009144980A1 (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Dic株式会社 コーティング剤及びその製造方法
JP4431999B2 (ja) * 2008-05-26 2010-03-17 Dic株式会社 コーティング剤及びその製造方法
JPWO2009144980A1 (ja) * 2008-05-26 2011-10-06 Dic株式会社 コーティング剤及びその製造方法
US8829080B2 (en) 2008-05-26 2014-09-09 Dic Corporation Coating agent and method for production thereof
JP2012149147A (ja) * 2011-01-18 2012-08-09 Mitsubishi Chemicals Corp ブロックポリマー
JP2021116354A (ja) * 2020-01-27 2021-08-10 株式会社日本触媒 水性インク用樹脂エマルション
JP7340467B2 (ja) 2020-01-27 2023-09-07 株式会社日本触媒 水性インク用樹脂エマルション

Also Published As

Publication number Publication date
JP3952726B2 (ja) 2007-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5660779B2 (ja) 制振材用エマルション
US20090286933A1 (en) Emulsion for vibrating damping materials
JP5030780B2 (ja) 制振材用エマルション
WO2005108519A1 (ja) 接着剤用水性樹脂分散体及びその組成物
JP4888678B2 (ja) 重合体水性分散液およびその製造方法
JP2008138218A (ja) 水性樹脂分散体、水性樹脂組成物および水性樹脂組成物の製造方法
JP2010180398A (ja) シーラー用樹脂エマルションおよびその製造方法
JP3952726B2 (ja) 重合体水性分散液およびその製造方法
JP4441847B2 (ja) 水性粘着剤組成物、その製造方法及び粘着製品
JP2008133357A (ja) 制振材用重合体水性分散液、制振材用塗料及び制振材
WO2006108570A1 (en) Aqueous vinyl coating compositions
JP4895072B2 (ja) アクリル系水性粘着剤組成物の製造方法
JP3666615B2 (ja) 硬化性重合体水性分散液およびその製造方法
JP2007084781A (ja) アクリル系水性粘着剤組成物の製造方法
JP4678477B2 (ja) 再剥離型水性粘着剤組成物及び粘着製品
JP2004156025A (ja) 水性樹脂分散体、水性樹脂組成物および水性樹脂組成物の製造方法
JP3988072B2 (ja) 水性樹脂組成物
JP4691894B2 (ja) アクリル系重合体水性分散液及び製造方法
JP4304903B2 (ja) 水性粘着剤組成物およびその製造方法
JP4483288B2 (ja) アクリル系水性粘着剤組成物、及び粘着剤
JP2004002525A (ja) 水性粘着剤組成物およびその製造方法
JP5001829B2 (ja) 水性樹脂分散体、水性樹脂組成物および水性樹脂組成物の製造方法
JP4244733B2 (ja) 車輌カーペット用不織布バインダー用水性樹脂組成物
JP2004285541A (ja) 紙繊維バインダー用水性樹脂組成物
JP2006143763A (ja) 共重合体エマルジョンおよび塗料用組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040922

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3952726

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140511

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250