JP4483288B2 - アクリル系水性粘着剤組成物、及び粘着剤 - Google Patents
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Description
(1)形成される被膜の引張試験における100%モジュラスと伸び率とを制御することで接着力と保持力を両立させることができる。
(2)前記のような被膜特性を有し、接着力と保持力に優れたアクリル系水性粘着剤組成物は、(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み乳化重合する製造方法で得られる。
即ち、本発明は、(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を前記重合性単量体全重量の0.5〜10重量%と、(b)炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを前記重合性単量体全重量の45〜99.5重量%とを含有する単量体類を、平均粒子径10〜300nmの重合体粒子[A]が分散する水性媒体を含む反応容器へ一括して仕込み、乳化重合して得られる水分散型アクリル系樹脂を含有するアクリル系水性粘着剤組成物であって、前記重合体粒子[A]が(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を一括して仕込み、乳化重合して得られたものであり、かつ、前記アクリル系水性粘着剤組成物から形成される乾燥被膜を25℃の温度条件下で2号ダンベルを用いて打ち抜いて得られた試料は、クロスヘッドスピード200mm/分の条件での引張試験で得られる100%モジュラスが0.02〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2000〜7000%であり、前記乾燥被膜のトルエンに対するゲル分率が10〜50重量%であり、前記乾燥被膜のガラス転移温度が−60〜−25℃であることを特徴とするアクリル系水性粘着剤組成物を提供する。
本発明のアクリル系水性粘着剤組成物は、水分散型アクリル系ポリマーを含有するものである。この水分散型アクリル系ポリマーの内で、ある程度の強度を有し、かつ非常に柔軟で伸び率の大きい被膜を形成し得るアクリル系ポリマーを主成分として含有するアクリル系水性粘着剤組成物を粘着剤として用いると、接着力と保持力を同時に向上する。具体的には、アクリル系水性粘着剤組成物から形成される被膜が、25℃の温度条件下での引張試験における100%モジュラスが0.02〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2000〜7000%の範囲であることを特徴とする。好ましくは100%モジュラスが0.04〜0.2MPaであり、かつ伸び率が2500〜7000%であることが必要である。更に好ましくは、100%モジュラスが0.05〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2800〜7000%の範囲であることを特徴とする。この範囲にある時、接着力と保持力が共に優れた粘着剤が得られる。本発明における引張り試験の結果は、後記実施例に記載した測定方法で得られた数値に基づくものである。
(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、0.5〜10重量%
(b)炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、45〜99.5重量%を必須成分とした、合計100重量%の単量体成分からなる共重合体である。この時、必要に応じて(a)、(b)以外のエチレン性不飽和単量体(c)を0.001〜54.5重量%の範囲で共重合しても良い。
重合開始温度が高いと、高分子量ポリマーが得られ難くなる場合がある。
[測定温度25℃での引張試験での伸び率の測定方法]
ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5mmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを2号ダンベルで打ち抜き試料とした。この試料を用いて、オリエンテック社製テンシロンRTM−100型引張試験機にて、25℃の雰囲気下で、クロスヘッドスピード200mm/分で引張試験を実施した時の最大伸度を測定して決定する。
ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.3mmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを50mm角に切り取り、これを試料とした。次に、予め上記試料のトルエン浸漬前の重量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に常温で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残さの重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。ゲル分率(重量%)=G2/G1×100
後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を乾燥後の膜厚が0.3mmとなるようにガラス板に塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを試料とし、直径5mm、深さ2mmのアルミニウム製円筒型セルに試料約10mgを秤取し、TAインスツルメント社製のDSC−2920モジュレイテッド型示差走査型熱量計を用い、窒素雰囲気下で−150℃から昇温速度20℃/分で100℃まで昇温した時の吸熱曲線を測定して求めた。
乳化重合中の密閉型圧力反応容器から、内容液を10gサンプリングし、重合禁止剤として硫酸ヒドロキシルアミンの10%水溶液0.2gを添加し、攪拌し重合率測定用サンプルとする。次に、このサンプルの固形分濃度を、110℃で1時間乾燥した後の残さの重量から測定し、以下の式に従って重合転化率を求めた。
= 100 × (サンプルの固形分濃度:実測値(%) − 単量体成分以外の原料の固形分濃度:計算値(%)) / 単量体成分の全仕込原料に対する濃度:計算値(%))
日機装(株)製マイクロトラックUPA型粒度分布測定装置にて測定した平均粒子径(体積基準での50%メジアン径)の値を求めた。
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、乾燥後における膜厚が25μmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間乾燥して粘着シートを作成した。粘着シートおよび被着体として鏡面仕上げしたステンレス板を用い、JIS Z−0237に準じて23℃、50%RHの雰囲気下で180度剥離強度を測定し、接着力とした。
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、乾燥後における膜厚が25μmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間乾燥して粘着シートを作成した。粘着シートおよび被着体として#100のサンドペーパーで研磨したステンレス板を用い、JIS Z−0237に準じて23℃、50%RHの雰囲気下で180度剥離強度を測定し、接着力とした。
接着力測定時と同様にして粘着シートを作成し、ステンレス板に接着面積が25mm×25mmとなるように粘着シートを貼付け、40℃にて1kgの荷重をかけてずれ落ちるまでの時間を測定し、その保持時間を保持力とした。また、12時間後にも保持されていた場合には、保持時間を12時間以上とし、初期貼付け位置からのずれ幅を測定し、併記した。
接着力測定時と同様にして粘着シートを作成し、JIS Z−0237の球転法に準じて23℃、50%RHの雰囲気下で測定した。
(1)重合体粒子[A](水性分散液)の製造
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の脱イオン水560部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の脱イオン水の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製:有効成分100%]2部、2−エチルヘキシルアクリレート136部、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸8部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液16.4部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器圧力を0.05MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を30℃に調整した。次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液16.8部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.15MPaに加圧した。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の前記重合体粒子[A](水性分散液)を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の重合体粒子[A](水性分散液)の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、2−エチルヘキシルアクリレート560部、メタクリル酸メチル64部、メタクリル酸16部、ラウリルメルカプタン1.6部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液32.8部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器内圧力を0.30MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を40℃に調整した。
次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液33.6部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.40MPaに加圧した。
このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を第1表に示した。
単量体混合物として第1表に示したものを用いた以外は、実施例1と全く同様にして本発明のアクリル系水性粘着剤組成物を得た。このアクリル系水性粘着剤組成物に含まれる重合体粒子の平均粒子径(50%メジアン径)、固形分濃度、粘度は第1表に記載した通りであった。このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を第1表に示した。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にアクアロンKH−10を0.4部と脱イオン水440部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、続いて重亜硫酸ナトリウム0.4部、過硫酸アンモニウム0.8部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアクリレート696部、メタクリル酸メチル80部、メタクリル酸24部、ラウリルメルカプタン1.6部からなる単量体混合物に、アクアロンKH−10を1.6部と脱イオン水144部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(920.3部)と、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液33.6部、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液32.8部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下、重合した。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌し、内容物を冷却、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。ここで得られたは、固形分濃度54.6%、粘度230mPa・s、平均粒子径250nmであった。
このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を表2に示した。
単量体混合物として第1表に示したものを用いた以外は、実施例1〜5、または比較例1と全く同様にしてアクリル系水性粘着剤組成物を得た。このアクリル系水性粘着剤組成物に含まれる重合体粒子の平均粒子径(50%メジアン径)、固形分濃度、粘度は第1表に記載した通りであった。このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を表2に示した。
攪拌機、窒素導入管、コンデンンサー(冷却管)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの反応容器に、25℃の脱イオン水280部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から50mL/minの流量で窒素ガス導入した。120分後、反応容器内の溶存酸素濃度を測定したところ、2.3ppmであった。反応容器内を攪拌下、窒素ガスを導入しながら、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩7.5部、ブチルアクリレート237.5部、アクリロニトリル10部、アクリル酸2.5部を仕込み、全体を均一に乳化した。その後、反応容器内温度を40℃に調整した。次に、反応容器内温度が40℃であることを確認後、2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]の5重量%メタノール溶液0.25部を加え、40℃に12時間維持して乳化重合を行った。重合転化率は95.1%であった。その後、更に上記の5重量%メタノール溶液0.1部を加え、40℃で24時間維持した。その後、内容物を冷却し、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度46.6%、粘度180mPa・s、平均粒子径220nmであり、重合転化率は100%であった。
このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を表2に示した。(特開平7−228612 実施例2に相当する比較例)
攪拌機、窒素導入管、コンデンンサー(冷却管)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの反応容器に、25℃の脱イオン水300部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から50mL/minの流量で窒素ガス導入した。120分後、反応容器内の溶存酸素濃度を測定したところ、2.3ppmであった。反応容器内を攪拌下、窒素ガスを導入しながら、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル[HLB:14]2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部、2−エチルヘキシルアクリレート140部、アクリル酸エチル54部、アクリル酸6部を仕込み、全体を均一に乳化した。その後、反応容器内温度を50℃に調整した。次に、反応容器内温度が50℃であることを確認後、2、2−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)−プロピオンアミジン]ジハイドロクロライド0.04部を加え、50℃に8時間維持して、乳化重合を行い、第一の分散液Bを得た。重合率は99.8重量%であった。このようにして水分散液Bを得た後、さらにその重合系内に、第二工程として過硫酸アンモニウム0.4部を水20部に溶解した溶液を加え、窒素置換しながら70℃に加温した。これに2−エチルヘキシルアクリレート140部、アクリル酸エチル54部、アクリル酸6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:14)2部、及び脱イオン水140部をホモミキサーにて均一に乳化した水乳化物を3時間かけて滴下し、滴下終了後上記と同じ温度で2時間維持し、乳化重合を行った。その後、内容物を冷却し、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度50.9%、粘度230mPa・s、平均粒子径210nmであり、重合転化率は100%であった。
このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を表2に示した。(特開2002−60713 実施例3に相当する比較例)
2−EHA ;2−エチルヘキシルアクリレート
BA ;n−ブチルアクリレート
EA ;エチルアクリレート
AN ;アクリロニトリル
MMA ;メチルメタクリレート
MAA ;メタクリル酸
AA ;アクリル酸
DAAM ;ジアセトンアクリルアミド
GMA ;グリシジルメタクリレート
L−SH ;ラウリルメルカプタン
WS−500;(株)日本触媒製 エポクロスWS−500
ADH ;アジピン酸ジヒドラジド
また表1、2中の製造方法の部分で、一括、滴下と示してあるものは以下の通りである。
滴下;モノマーを滴下供給し乳化重合する製造方法
重合開始温度;モノマー中に重合開始剤を添加し、重合発熱が開始したときの反応系内の温度。
発熱停止温度;重合発熱が停止したときの反応系内の温度。
発熱時間;重合発熱が、開始してから停止するまでに要した時間。
反応時間;重合体[A]または水性粘着剤用ポリマーを得るのに要した総反応時間。
Claims (9)
- (a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を前記重合性単量体全重量の0.5〜10重量%と、(b)炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを前記重合性単量体全重量の45〜99.5重量%とを含有する単量体類を、平均粒子径10〜300nmの重合体粒子[A]が分散する水性媒体を含む反応容器へ一括して仕込み、乳化重合して得られる水分散型アクリル系樹脂を含有するアクリル系水性粘着剤組成物であって、前記重合体粒子[A]が(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を一括して仕込み、乳化重合して得られたものであり、かつ、前記アクリル系水性粘着剤組成物から形成される乾燥被膜を25℃の温度条件下で2号ダンベルを用いて打ち抜いて得られた試料は、クロスヘッドスピード200mm/分の条件での引張試験で得られる100%モジュラスが0.02〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2000〜7000%であり、前記乾燥被膜のトルエンに対するゲル分率が10〜50重量%であり、前記乾燥被膜のガラス転移温度が−60〜−25℃であることを特徴とするアクリル系水性粘着剤組成物。
- 前記反応容器が密閉型圧力反応容器であり、前記密閉型圧力反応容器内の圧力を水性媒体と前記重合性単量体成分の混合物の蒸気圧を超える状態に加圧して重合して得られる請求項1記載のアクリル系水性粘着剤組成物。
- 反応開始時から180分以内に、重合性単量体成分の重合転化率を95%以上になるように重合反応を進める請求項1記載のアクリル系水性粘着剤組成物。
- 前記重合体粒子[A]と(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分の比率が、重量基準で、重合体粒子[A](固形分の重量)/単量体成分=5/95〜40/60である請求項1記載の水性粘着剤組成物。
- 密閉型圧力反応容器内の液中の溶存酸素濃度を3ppm以下の条件で重合する請求項1に記載の水性粘着剤組成物。
- 内面の材質がグラスライニング製である密閉型圧力反応容器を用いる請求項1に記載の水性粘着剤組成物。
- 重合開始剤としてレドックス系重合開始剤を使用し、且つ、重合開始時の温度を10〜50℃の範囲内として重合を開始して乳化重合する請求項1に記載の水性粘着剤組成物。
- 請求項1に記載のアクリル系水性粘着剤組成物と基材から構成される粘着製品。
- (メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を一括して仕込み、乳化重合することによって平均粒子径10〜300nmの重合体粒子[A]が分散する水性媒体を得、前記重合体粒子[A]が分散する水性媒体を含む反応容器へ、(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を前記重合性単量体全重量の0.5〜10重量%と、(b)炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを前記重合性単量体全重量の45〜99.5重量%とを含有する単量体類を、一括して仕込み、乳化重合して得られる水分散型アクリル系樹脂を含有するアクリル系水性粘着剤組成物の製造方法であって、前記アクリル系水性粘着剤組成物から形成される乾燥被膜を25℃の温度条件下で2号ダンベルを用いて打ち抜いて得られた試料は、クロスヘッドスピード200mm/分の条件での引張試験で得られる100%モジュラスが0.02〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2000〜7000%であり、前記乾燥被膜のトルエンに対するゲル分率が10〜50重量%であり、前記乾燥被膜のガラス転移温度が−60〜−25℃であることを特徴とするアクリル系水性粘着剤組成物の製造方法。
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