JP4895072B2 - アクリル系水性粘着剤組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)形成される被膜の引張試験における100%モジュラスと伸び率とを制御することで接着力と保持力を両立させることができる。
(2)形成される被膜の水抽出物の量が2重量%以下であると、被膜の耐水白化性が向上する。
(3)前記のような被膜特性を有し、接着力と保持力、耐水白化性に優れたアクリル系水性粘着剤組成物は、(メタ)アクリレートを主成分とする単量体成分を水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み乳化重合する製造方法で得られる。本発明は、このような知見に基づくものである。
本発明のアクリル系水性粘着剤組成物は、水分散型アクリル系ポリマーを含有するものである。この水分散型アクリル系ポリマーの内で、ある程度の強度を有し、かつ非常に柔軟で伸び率の大きい被膜を形成し得るアクリル系ポリマーを主成分として含有するアクリル系水性粘着剤組成物を粘着剤として用いると、接着力と保持力を同時に向上する。具体的には、アクリル系水性粘着剤組成物から形成される被膜が、25℃の温度条件下での引張試験における100%モジュラスが0.02〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2000〜7000%の範囲であることを特徴とする。好ましくは100%モジュラスが0.04〜0.2MPaであり、かつ伸び率が2500〜7000%であることが必要である。更に好ましくは、100%モジュラスが0.05〜0.2MPaであり、かつ、伸び率が2800〜7000%の範囲であることを特徴とする。この範囲にある時、接着力と保持力が共に優れた粘着剤が得られる。本発明における引張り試験の結果は、後記実施例に記載した測定方法で得られた数値に基づくものである。
(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、0.5〜10重量%
(b)炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、45〜99.5重量%を必須成分とした、合計100重量%の重合性単量体成分からなる共重合体である。
但し、式中の各成分は、下記の値を表す。
水分散型アクリル系ポリマーの固形分濃度:実測値(%)
重合性単量体成分以外の原料の固形分濃度:計算値(%)
重合性単量体成分の全仕込原料に対する濃度:計算値(%)
前記製造方法では、密閉型圧力反応容器を使用して重合性単量体成分を乳化重合するが、その際、密閉型圧力反応容器内の液中の溶存酸素濃度を3ppm以下とした条件下で乳化重合すると、酸素によるラジカル重合の阻害を回避でき、乳化重合が円滑に進行して水分散型アクリル系ポリマーを効率良く生産できるため好ましい。密閉型反応容器内の液中の溶存酸素濃度を低下させる方法としては、水性媒体と重合性単量体成分、重合開始剤を各々別の容器で溶存酸素を低下させた後、これらを混合する方法や、水性媒体、重合性単量体成分、重合開始剤を密閉型圧力反応容器に仕込んだ後、溶存酸素を低下させる方法が挙げられ、使用する装置に応じ適宜、方法を選択することができるが、何れの方法においても、乳化重合開始時の密閉型圧力反応容器内の液中の溶存酸素濃度を3ppm以下とすることが好ましい。液中(水性媒体、或いは場合によっては重合体粒子[A]や乳化剤を含んだ水性媒体、及び重合性単量体成分、及び重合開始剤の溶液等の混合物)の溶存酸素濃度を低下させる方法としては、具体的には、(1)容器内を攪拌下、容器の一方の口から不活性ガスを連続的に吹き込み、またはバブリングし、もう一方の口から不活性ガスと酸素を吹き出しながら溶存酸素濃度を低下させる方法、(2)容器内を攪拌下、一旦容器内の液体を沸騰させた後、不活性ガス雰囲気下で冷却することにより溶存酸素濃度を低下させる方法、(3)容器内を攪拌下、容器内に不活性ガスを加圧充填した後、容器内の圧力を下げることで容器内の酸素の分圧を低くして溶存酸素濃度を低下させる方法等が挙げられる。これらの内、容器内の液中の溶存酸素を低下させるには、(3)不活性ガスを加圧充填した後、容器内の圧力を下げる操作を繰り返す方法が効率良く容器内の液中の溶存酸素を低下できるため好ましい。不活性ガスを加圧充填した後、容器内の圧力を下げる工程は、2〜10回繰り返すことが好ましく、この工程の繰り返し回数が多いほど溶存酸素濃度が低くなるが、10回を越えると溶存酸素濃度が低下し難くなるため効率が悪くなる。
[測定温度25℃での引張試験での伸び率の測定方法]
ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.5mmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを2号ダンベルで打ち抜き試料とした。この試料を用いて、オリエンテック社製テンシロンRTM−100型引張試験機にて、25℃の雰囲気下で、クロスヘッドスピード200mm/分で引張試験を実施した時の最大伸度を測定して決定する。
ガラス板上に乾燥後の膜厚が0.3mmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを50mm角に切り取り、これを試料とした。次に、予め上記試料のトルエン浸漬前の重量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に常温で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残さの重量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=G2/G1×100
再剥離型水性粘着剤組成物を乾燥後の膜厚が0.3mmとなるようにガラス板に塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に120℃で5分間加熱処理して残存する水分を蒸発させた。そのフィルムを20mm角に切り取り重量(W1)を測定し試験フィルムとした。試験フィルムを25℃水中に7日間浸漬し、引き上げてフィルム表面の水分を軽く拭き取った後、そのフィルムを110℃で1時間乾燥し、放冷後、重量(W2)を測定し、以下の式に従ってフィルムの水抽出物量を求めた。
水抽出物量(重量%)={(W1−W2)/W1}×100
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、乾燥後における膜厚が25μmとなるように再剥離型水性粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間乾燥して粘着シートを作成し試料とした。粘着剤塗工面が暴露される様に30℃の水中に試料を24時間浸漬し、水浸漬前と水浸漬後の試料の濁度を濁度計で測定し、その濁度の変化度合いをW値として求め、耐水白化性を評価した。
測定光源;ハロゲンランプ
受光素子;JIS K7105に準拠するシリコンフォトセル
濁度および水浸漬前後の濁度の変化度合いは下記の式に従って求めた。
TL;全透過率(%)
DF;拡散透過率(%)
濁度の変化度合い;W値=H1/H0(H0;水浸漬前の濁度、H1;水浸漬後の濁度)を求めた後、下記の判定基準で結果を求めた。
△;濁度の変化度合いW値が5以上で且つ30未満
×;濁度の変化度合いW値が30以上
[Tgの測定方法]
後述する実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を乾燥後の膜厚が0.3mmとなるようにガラス板に塗工し、25℃で24時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に100℃で5分間乾燥したものを試料とし、直径5mm、深さ2mmのアルミニウム製円筒型セルに試料約10mgを秤取し、TAインスツルメント社製のDSC−2920モジュレイテッド型示差走査型熱量計を用い、窒素雰囲気下で−150℃から昇温速度20℃/分で100℃まで昇温した時の吸熱曲線を測定して求めた。
乳化重合中の密閉型圧力反応容器から、内容液を10gサンプリングし、重合禁止剤として硫酸ヒドロキシルアミンの10%水溶液0.2gを添加し、攪拌し重合率測定用サンプルとする。次に、このサンプルの固形分濃度を、110℃で1時間乾燥した後の残さの重量から測定し、以下の式に従って重合転化率を求めた。
但し、式中の各成分は、下記の値を表す。
サンプルの固形分濃度:実測値(%)
重合性単量体成分以外の原料の固形分濃度:計算値(%)
重合性単量体成分の全仕込原料に対する濃度:計算値(%)
日機装(株)製マイクロトラックUPA型粒度分布測定装置にて測定した平均粒子径(体積基準での50%メジアン径)の値を求めた。
厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に、乾燥後における膜厚が25μmとなるように後記実施例で得られたアクリル系水性粘着剤組成物を塗布し、100℃で2分間乾燥して粘着シートを作成した。粘着シートおよび被着体として鏡面仕上げしたステンレス板を用い、JIS Z−0237に準じて23℃、50%RHの雰囲気下で180度剥離強度を測定し、接着力とした。
接着力測定時と同様にして粘着シートを作成し、ステンレス板に接着面積が25mm×25mmとなるように粘着シートを貼付け、40℃にて1kgの荷重をかけてずれ落ちるまでの時間を測定し、その保持時間を保持力とした。また、12時間後にも保持されていた場合には、保持時間を12時間以上とし、初期貼付け位置からのずれ幅を測定し、併記した。
接着力測定時と同様にして粘着シートを作成し、JIS Z−0237の球転法に準じて23℃、50%RHの雰囲気下で測定した。
(1)重合体粒子[A](水性分散液)の製造
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の脱イオン水560部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の脱イオン水の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、アクアロンKH−10[第一工業製薬(株)製:有効成分100%]4部、2−エチルヘキシルアクリレート80部、ブチルアクリレート72部、アクリル酸8部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液16.4部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器圧力を0.05MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を30℃に調整した。次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液16.8部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.15MPaに加圧した。
攪拌機、加圧が可能な窒素導入管、減圧管(減圧ポンプ)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの密閉型圧力反応容器(容器内の材質:グラスライニング製)に、25℃の前記重合体粒子[A](水性分散液)757.2部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧した。この操作を3回繰り返した後、反応容器内の重合体粒子[A](水性分散液)の溶存酸素濃度を測定したところ、0.5ppmであった。反応容器内を攪拌下、2−エチルヘキシルアクリレート552部、メタクリル酸メチル80部、アクリル酸8部、ラウリルメルカプタン1.6部を仕込んだ。引き続き、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液32.8部を仕込み、窒素導入管から窒素ガスを反応容器に導入し、1分間かけて反応容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、5分間かけて反応容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、反応容器内圧力を0.30MPaに加圧した。この間に反応容器内温度を40℃に調整した。次に、内容積が0.2Lの別の密閉型圧力容器に、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液33.6部を仕込み、10秒間かけて容器内圧力が0.3MPaになるように加圧した。その後、減圧管から減圧ポンプを使用して、20秒間かけて容器内圧力が−0.08MPaになるように減圧し、この操作を3回繰り返し、その後、容器内圧力を0.40MPaに加圧した。
単量体混合物として第1表に示したものを用いた以外は、実施例1と全く同様にして本発明のアクリル系水性粘着剤組成物を得た。このアクリル系水性粘着剤組成物に含まれる重合体粒子の平均粒子径(50%メジアン径)、固形分濃度、粘度は第1表に記載した通りであった。また、このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、水抽出物量、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの耐水白化性、接着力、保持力、タックの評価結果を第1表に示した。
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器にラテムルE−118B[花王(株)製;有効成分25%]を1.6部と脱イオン水440部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、続いて重亜硫酸ナトリウム0.4部、過硫酸アンモニウム0.8部を添加し、続いて2−エチルヘキシルアクリレート696部、メタクリル酸メチル80部、メタクリル酸24部、ラウリルメルカプタン1.6部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118Bを10.4部と脱イオン水144部を加えて乳化させたモノマープレエマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、残りのモノマープレエマルジョン(920.3部)と、過硫酸アンモニウムの4.8%水溶液33.6部、重亜硫酸ナトリウムの2.4%水溶液32.8部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちながら240分間かけて滴下、重合した。滴下終了後、同温度にて120分間撹拌し、内容物を冷却、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した。ここで得られたは、固形分濃度54.6%、粘度230mPa・s、平均粒子径250nmであった。
単量体混合物として第1表に示したものを用いた以外は、比較例1と全く同様にしてアクリル系水性粘着剤組成物を得た。このアクリル系水性粘着剤組成物に含まれる重合体粒子の平均粒子径(50%メジアン径)、固形分濃度、粘度は第1表に記載した通りであった。このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの接着力、保持力、タックの評価結果を表2に示した。
攪拌機、窒素導入管、コンデンンサー(冷却管)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの反応容器に、25℃の脱イオン水280部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から50mL/minの流量で窒素ガス導入した。120分後、反応容器内の溶存酸素濃度を測定したところ、2.3ppmであった。反応容器内を攪拌下、窒素ガスを導入しながら、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩7.5部、ブチルアクリレート237.5部、アクリロニトリル10部、アクリル酸2.5部を仕込み、全体を均一に乳化した。その後、反応容器内温度を40℃に調整した。次に、反応容器内温度が40℃であることを確認後、2、2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン][V−061;和光純薬工業(株)製]の5重量%メタノール溶液0.25部を加え、40℃に12時間維持して乳化重合を行った。重合転化率は95.1%であった。その後、更に上記の5重量%メタノール溶液0.1部を加え、40℃で24時間維持した。その後、内容物を冷却し、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度46.6%、粘度180mPa・s、平均粒子径220nmであり、重合転化率は100%であった。
攪拌機、窒素導入管、コンデンンサー(冷却管)、原料仕込口、温度計を備えた内容積が2Lの反応容器に、25℃の脱イオン水300部を仕込み、攪拌下、窒素導入管から50mL/minの流量で窒素ガス導入した。120分後、反応容器内の溶存酸素濃度を測定したところ、2.3ppmであった。反応容器内を攪拌下、窒素ガスを導入しながら、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル[HLB:14]2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部、2−エチルヘキシルアクリレート140部、アクリル酸エチル54部、アクリル酸6部を仕込み、全体を均一に乳化した。その後、反応容器内温度を50℃に調整した。次に、反応容器内温度が50℃であることを確認後、2、2−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)−プロピオンアミジン]ジハイドロクロライド[VA−552;和光純薬工業(株)製]0.04部を加え、50℃に8時間維持して、乳化重合を行い、第一の分散液Bを得た。重合率は99.8重量%であった。このようにして水分散液Bを得た後、さらにその重合系内に、第二工程として過硫酸アンモニウム0.4部を水20部に溶解した溶液を加え、窒素置換しながら70℃に加温した。これに2−エチルヘキシルアクリレート140部、アクリル酸エチル54部、アクリル酸6部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:14)2部、及び脱イオン水140部をホモミキサーにて均一に乳化した水乳化物を3時間かけて滴下し、滴下終了後上記と同じ温度で2時間維持し、乳化重合を行った。その後、内容物を冷却し、pHが8.0になるようにアンモニア水(有効成分10%)で調整した後、200メッシュ金網で濾過し、本発明の水分散型アクリル系ポリマーを得た。ここで得られた水分散型アクリル系ポリマーは、固形分濃度50.9%、粘度230mPa・s、平均粒子径210nmであり、重合転化率は100%であった。
このアクリル系水性粘着剤組成物を用いて得た被膜の引張試験での伸び率、水抽出物量、ガラス転移温度(実測Tg)、ゲル分率(トルエン不溶解分率)、および粘着シートの耐水白化性、接着力、保持力、タックの評価結果を表2に示した。(特開2002−60713号公報 実施例3に相当する比較例)
2−EHA ;2−エチルヘキシルアクリレート
BA ;n−ブチルアクリレート
EA ;エチルアクリレート
AN ;アクリロニトリル
MMA ;メチルメタクリレート
MAA ;メタクリル酸
AA ;アクリル酸
DAAM ;ジアセトンアクリルアミド
GMA ;グリシジルメタクリレート
L−SH ;ラウリルメルカプタン
TBHP ;t−ブチルハイドロパーオキサイド
APS ;過硫酸アンモニウム
SMS ;重亜硫酸ナトリウム
PAP ;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩
PNP ;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
BDS ;ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ
WS−500;(株)日本触媒製 エポクロスWS−500
ADH ;アジピン酸ジヒドラジド
表1、2で用いられている単量体、架橋剤の量は固形分の重量部で表した。
滴下;モノマーを滴下供給し乳化重合する製造方法
Claims (2)
- 乾燥被膜のガラス転移温度が−25℃以下であり、重合性単量体成分の全重量に対して、(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を0.5〜10重量%、及び(b)炭素原子数が4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを45〜99.5重量%を含有する重合性単量体成分を、水性媒体が存在する密閉型圧力反応容器に一括して仕込み、反応開始時の密閉型圧力反応容器内のゲージ圧力を0.1〜1.5MPaの範囲に制御して乳化重合することによって得られる、25℃の温度条件下での引張試験で測定した100%モジュラスが0.02〜0.2MPa、伸び率が2000〜7000%、且つ、水抽出物量が2重量%以下である乾燥被膜を形成可能な水分散型アクリル系樹脂を含有することを特徴とするアクリル系水性粘着剤組成物の製造方法。
- 前記乾燥被膜のゲル分率が、10〜50重量%である請求項1記載のアクリル系水性粘着剤組成物の製造方法。
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