JP2001106748A - 新規な共重合体 - Google Patents

新規な共重合体

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JP2001106748A
JP2001106748A JP28459399A JP28459399A JP2001106748A JP 2001106748 A JP2001106748 A JP 2001106748A JP 28459399 A JP28459399 A JP 28459399A JP 28459399 A JP28459399 A JP 28459399A JP 2001106748 A JP2001106748 A JP 2001106748A
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JP
Japan
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group
monomer
parts
propenyl
meth
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JP28459399A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Kono
克之 河野
Takahiro Miwa
貴宏 三輪
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ溶液に可溶で、溶解した際にその粘
性を飛躍的に高める、新規な共重合体を提供する。 【解決手段】 共重合体は、1−プロペニル基含有単量
体と酸性単量体および/またはその塩とを含む単量体成
分を重合させてなる共重合体において、前記1−プロペ
ニル基含有単量体が、エチレングリコール単位を含む2
価のオキシアルキレン基を介して、ベンゼン環に置換基
を有していてもよい(1−プロペニル)フェノキシ基と
炭素数8〜30の疎水性基とが結合してなる単量体であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ溶液に可
溶で、溶解した際にその粘性を高める、新規な共重合体
に関する。
【0002】
【従来の技術】酸性基を有する単量体を共重合して得ら
れるアルカリ溶液に可溶な共重合体が、種々知られてお
り、たとえば、増粘剤として利用されている。これらの
共重合体のうちでも、アルカリ溶液に溶けた後に、共重
合体中の疎水基同士が会合して増粘性を高める共重合体
があるが、さらに高い増粘性を有する共重合体の開発が
期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、アルカリ溶液に可溶で、溶解した
際にその粘性を飛躍的に高める、新規な共重合体を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を行い、疎水基の疎水性を高め
ることによって、粘性が飛躍的に高めるのではないかと
考え、実験による確認を得て、本発明に到達した。すな
わち、本発明にかかる共重合体は、1−プロペニル基含
有単量体と酸性単量体および/またはその塩とを含む単
量体成分を重合させてなる共重合体において、前記1−
プロペニル基含有単量体が、エチレングリコール単位を
含む2価のオキシアルキレン基を介して、ベンゼン環に
置換基を有していてもよい(1−プロペニル)フェノキ
シ基と炭素数8〜30の疎水性基とが結合してなる単量
体であることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明にかかる共重合体は、1−
プロペニル基含有単量体と、酸性単量体および/または
その塩とを含む単量体成分を、重合させて得られる。本
発明で用いられる1−プロペニル基含有単量体は、(1
−プロペニル)フェノキシ基と、炭素数8〜30の疎水
性基とが、2価のオキシアルキレン基を介して結合して
なる単量体である。1−プロペニル基含有単量体が重合
して得られる共重合体中の疎水性基同士が強く会合する
ため、共重合体をアルカリ水に溶かすと、粘度が飛躍的
に高まる。
【0006】(1−プロペニル)フェノキシ基は、その
ベンゼン環に置換基を有していてもよく、たとえば、2
−(1−プロペニル)フェノキシ基、2−(1−プロペ
ニル)−4−ノニル−フェノキシ基等を挙げることがで
き、これらの1種または2種以上が用いられる。疎水性
基は、炭素数8〜30の有機基であれば、特に限定はな
いが、炭化水素基が好ましい。このような炭化水素基と
しては、たとえば、オクチル基、ノニル基、ドデシル
基、オクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、ナフ
チル基、アントリル基等のアリール基;ノニルフェニル
基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール基;シク
ロオクチル基、コレスタニル基、ラノスタニル基等の多
環式アルキル基を挙げることができ、これらの1種また
は2種以上が用いられる。
【0007】オキシアルキレン基は、2価の基であり、
エチレングリコール単位を含むことを必須とし、イソブ
チレングリコール単位を含むことがある基である。エチ
レングリコール単位およびイソブチレングリコール単位
の繰り返し数については、特に限定はないが、好ましく
は10〜70、さらに好ましくは30〜50である。オ
キシアルキレン基の疎水性基と結合する末端は、たとえ
ば、エーテル結合(−O−)、ウレタン結合(−OC
(O)NH−)、エステル結合(−OC(O)−)、−
OCH2 CH(OH)−等の結合を介して繋がり、これ
らのうちでも、ウレタン結合を介して繋がるものは、最
も粘性を高める。オキシアルキレン基の疎水性基と結合
する末端がウレタン結合である場合、ウレタン結合中の
末端の窒素原子が疎水性基と結合する。また、オキシア
ルキレン基の疎水性基と結合する末端がエステル結合の
場合、エステル結合中の末端の炭素原子が疎水性基と結
合する。
【0008】1−プロペニル基含有単量体の一例とし
て、たとえば、下記一般式(I)で示される単量体
(1)を挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】(但し、Rは、水素原子またはアルキル
基;R0 は、炭素数8〜30の炭化水素基;Xは、−O
−、−OC(O)NH−および−OC(O)−から選ば
れた少なくとも1種;nは1〜60の整数;mは0〜1
0の整数である。) 上記一般式(I)で、nは、好ましくは10〜60、さ
らに好ましくは30〜50である。
【0011】上記Rがアルキル基の場合、炭素数6〜1
8のアルキル基が好ましく、炭素数9のノニル基がさら
に好ましい。mは0〜10の整数であるが、Rがノニル
基等の炭素数の多いアルキル基の場合は0である。本発
明の1−プロペニル基含有単量体の製造方法について
は、特に限定はなく、単量体(1)を製造する場合は、
たとえば、下記一般式(II)で示される化合物a(ポリ
オキシエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニ
ル〕フェニルエーテル(ポリオキシエチレン基の末端は
水酸基))を原料する以下の(a)〜(d)の方法を挙
げることができる。
【0012】
【化2】
【0013】(但し、Rは、水素原子またはアルキル
基;nは1〜60の整数;mは0〜10である。) (a)化合物aとR0 Clとの反応で、X=−O−の単
量体(1)を得る方法。 (b)化合物aとR0 NCOとの反応で、X=−O(C
O)NH−の単量体(1)を得る方法。
【0014】(c)化合物aとR0 COOHとの反応
で、X=−OC(O)−の単量体(1)を得る方法。 (d)化合物aと下記一般式(III)で示されるエポキ
シ化合物との反応で、X=−OCH2 CH(OH)−の
単量体(1)を得る方法。
【0015】
【化3】
【0016】次に、酸性単量体としては、たとえば、ア
クリル酸、メタクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、
シトラコン酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、
無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;ビニル
スルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メ
タ)アクリレート等のスルホン酸基含有単量体;モノ
(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、モ
ノ(2−アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、2
−(メタ)アクリロイルオキシプロピルホスフェート、
2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピル
ホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
フェニルホスフェート等のリン酸基含有単量体等を挙げ
ることができ、これらの1種または2種以上が用いられ
る。これらのうちでも、カルボキシル基含有単量体が好
ましい。これは、カルボキシル基含有単量体は、他の酸
基含有単量体と比べると、比較的親水性が低く、重合時
の安定性が高いためである。カルボキシル基含有単量体
としては、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれた
少なくとも1種が、他の単量体との共重合性が良好であ
るため、好ましい。
【0017】酸性単量体の塩としては、上記酸性単量体
のナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩や、アンモニウ
ム塩等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。本発明の共重合体の原料となる単量体
成分は、1−プロペニル基含有単量体や、酸性単量体お
よび/またはその塩以外の、これらの単量体と共重合可
能なエチレン性不飽和単量体を含むものでもよい。
【0018】エチレン性不飽和単量体としては、たとえ
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチレン等のスチ
レン系重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モ
ノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸
と炭素数1〜8のアルコールとのエステルである(メ
タ)アクリル酸エステル系重合性単量体;(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル等のシクロヘキシル基含有重合性
単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メ
タ)アクリル酸とポリアルキレングリコールとのモノエ
ステルであるヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合性単量体;ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリルエステル等のポリエチレングリコール鎖含
有重合性単量体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリ
ル;N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性
重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架
橋性(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルト
リエトキシシラン等のケイ素原子に直結する加水分解性
ケイ素基含有重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、アクリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有
重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニルオキサゾリン等のオキサゾリン基含有重
合性単量体;(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエ
チル、(メタ)アクロイルアジリジン等のアジリジン基
含有重合性単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合性単
量体等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。
【0019】単量体成分は、架橋性単量体をさらに含む
ものでもよい。架橋性単量体としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸と、エチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの
エステル化物等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有
する多官能(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量
体;メチレン(メタ)アクリルアミド等の分子内に重合
性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸
アミド系重合性単量体;ジアリルフタレート、ジアリル
マレート、ジアリルフマレート等の分子内に重合性不飽
和基を2個以上有する多官能アリル系重合性単量体;
(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0020】単量体成分中の単量体の配合割合について
は、特に限定はないが、好ましくは、1−プロペニル基
含有単量体0.1〜99重量部、酸性単量体および/ま
たはその塩1〜60重量部、エチレン性不飽和単量体0
〜70重量部であり、さらに好ましくは、1−プロペニ
ル基含有単量体1〜70重量部、酸性単量体および/ま
たはその塩10〜50重量部、エチレン性不飽和単量体
20〜60重量部である。なお、上記において架橋性単
量体をさらに含むものでもよい。
【0021】単量体成分の重合方法については、特に限
定はなく、たとえば、水中油型乳化重合(以下、単に乳
化重合ということがある)、油中水型乳化重合、水溶液
重合、塊状重合等を挙げることができる。これらの重合
方法のうち、乳化重合が好ましく、高分子量のポリマー
を高濃度で重合できる上、取扱い粘度も低く、生産コス
トも安いからである。
【0022】単量体成分の重合には、通常、重合開始剤
が用いられる。この重合開始剤は、熱によって分解し、
ラジカル分子を発生させる物質であり、特に乳化重合で
は、水溶性の開始剤が使用される。重合開始剤として
は、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、
過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビ
ス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過
酸化水素等の熱分解系開始剤;過酸化水素とアスコルビ
ン酸、t−ブチルヒドロパーオキサイドとロンガリッ
ト、過硫酸カリウムと金属塩、過硫酸アンモニウムと亜
硫酸水素ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等を挙
げることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0023】乳化重合法は一般に、乳化剤を用いて行う
のが好ましい。乳化剤としては、特に限定はないが、た
とえば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界
面活性剤や、これらの反応性界面活性剤等を挙げること
ができ、これらを組み合わせて使用してもよく、場合に
よっては、乳化剤を一切使用することなく重合すること
もできる。
【0024】アニオン系界面活性剤としては、たとえ
ば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等
のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグ
リコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシ
ノエート;スルホン化パラフィン塩等のアルキルスルホ
ネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ア
ルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サ
ルフェート等のアルキルスルホネート;高アルキルナフ
タレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミン
オレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂
肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;
ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル
塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル
塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリオ
キシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の2重
結合を有した反応性アニオン乳化剤等を挙げることがで
き、これらが1種または2種以上使用される。
【0025】ノニオン系界面活性剤としては、たとえ
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族
エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステ
ル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪族モノグリ
セライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合
体;エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミドまたは
酸との縮合生成物等を挙げることができ、これらが1種
または2種以上使用される。
【0026】高分子界面活性剤としては、たとえば、ポ
リビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アクリ
ル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
ル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0027】乳化重合における重合温度については、特
に限定はないが、好ましくは0〜100℃、さらに好ま
しくは40〜95℃である。重合時間についても、特に
限定はないが、好ましくは、3〜15時間である。乳化
重合する際に、得られる共重合体の物性に悪影響を及ぼ
さない範囲で、親水性溶媒や添加剤等を加えることがで
きる。
【0028】単量体成分を乳化重合反応系に添加する方
法としては、特に限定はなく、一括添加法、単量体成分
滴下法、プレエマルション法、パワーフィード法、シー
ド法、多段添加法等を用いることができる。乳化重合反
応後に得られるエマルション中の不揮発分、すなわち、
本発明の共重合体は、60重量%以下であるのが好まし
い。不揮発分が60重量%を超えると、エマルションの
粘度が高すぎるため、分散安定性が保てず、凝集が起き
る恐れがあるからである。
【0029】上記エマルションの平均粒径については、
特に限定はないが、好ましくは10nm〜1μmであ
り、さらに好ましくは20〜500nmである。エマル
ションの平均粒径が10nm未満であると、エマルショ
ンの粘度が高くなりすぎたり、分散安定性が保てず、凝
集するおそれがある。他方、1μmを超えると、エマル
ションではなくなる。
【0030】本発明の共重合体の重量平均分子量は、
3,000〜8,000,000であり、好ましくは1
0,000〜8,000,000、より好ましくは10
0,000〜8,000,000である。乳化重合時
に、分子量低減のために、連鎖移動剤を単量体成分10
0重量部当たり0.001〜2重量部用いてもよい。連
鎖移動剤としては、たとえば、四塩化炭素、ブロモホル
ム、ブロモトリクロロエタン等のハロゲン置換アルカ
ン;n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメ
ルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメル
カプタン、ヘキサデシルメルカプタン等のアルキルメル
カプタン;チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸
イソオクチル、チオグリコール酸ドデシル等のモノチオ
グリコール酸アルキル等のチオエステル;メタノール、
エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;α−
メチルスチレンダイマー、ターピノール、テルピネン、
ジペンテン等を挙げることができるが、これらに限定さ
れない。
【0031】本発明の共重合体は、分子内に酸性基を有
し、アルカリ溶液に可溶である。そしてアルカリ溶液に
溶解後、炭素数8〜30の疎水性基同士が強く会合する
ことによって、溶液の増粘性が高まる。このような性質
を利用して、本発明の共重合体は、たとえば、建築・建
材用塗料、粘着剤、印刷インキ、紙塗被剤、ベントナイ
ト安定液等の増粘剤や、合成保水剤、コンクリート用分
離低減剤等に配合して利用することができる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例とを示す
が、本発明は下記実施例に限定されない。以下では、
「%」は「重量%」、「部」は「重量部」のことであ
る。 −製造例1− 滴下ロート、攪拌機、温度計および冷却器を備えた四ツ
口フラスコに、ポリオキシエチレン〔2−(1−プロペ
ニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル(エチレンオキ
シド基30モル付加物、第一工業製薬(株)社製のアク
アロンRN−30)120部を仕込み、60℃で攪拌し
ながら、オクタデシルイソシアネート44.9部を1時
間かけて滴下し、さらに60℃で2時間攪拌を続け、反
応混合物の一部を取り出してIRスペクトルを測定し、
イソシアネートに起因するピークの消失を確認して、反
応を終了した。
【0033】次に、攪拌機、温度計および冷却器を備え
た三ツ口フラスコに、824.5部のイオン交換水を添
加し、続いて、上記の反応混合物を加えた。三ツ口フラ
スコを60℃で1時間攪拌後、冷却して、300メッシ
ュ金網でろ過して、水溶性の原料であるポリオキシエチ
レン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニル
エーテルを除去した。メッシュ金網上に残存した生成物
を200部のTHFに溶解させ、1時間遠心分離(12
000回転)し、ろ紙でろ過し、THFを留去させて、
ワックス状の固体となった、一般式(1)でX=−OC
(O)NH−のオクタデシルポリオキシエチレン〔2−
(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルを
得た。以下、この化合物を「製造例1で得た化合物」と
いうことがある。
【0034】−製造例2− 製造例1において、ポリオキシエチレン〔2−(1−プ
ロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルの使用量を
90部に変更し、オクタデシルイソシアネート44.9
部をドデシルイソシアネート24.08部に変更する以
外は、製造例1と同様に反応させて、一般式(1)でX
=−OC(O)NH−のドデシルポリオキシエチレン
〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエー
テルを得た。以下、この化合物を「製造例2で得た化合
物」ということがある。
【0035】−比較製造例1− 製造例1において、ポリオキシエチレン〔2−(1−プ
ロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルの使用量を
140部に変更し、オクタデシルイソシアネート44.
9部をヘキシルイソシアネート22.54部に変更する
以外は、製造例1と同様に反応させて、一般式(1)で
X=−OC(O)NH−のヘキシルポリオキシエチレン
〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエー
テルを得た。以下、この化合物を「比較製造例1で得た
化合物」ということがある。
【0036】−実施例1− 〔反応の準備〕ハイテノールN−08(第一工業製薬
(株)製)1.5部をイオン交換水269部に溶解させ
た溶液に、メタクリル酸40部、アクリル酸エチル50
部および製造例1で得た化合物10部からなる単量体成
分を混合し、プレエマルジョンを調製した。また、過硫
酸カリウム0.23部とイオン交換水67.4部とを混
合し、開始剤水溶液を調製した。 〔重合反応〕滴下ロート、攪拌機、温度計、窒素導入管
および冷却器を備えた四ツ口セパラブルフラスコに、イ
オン交換水336部、ハイテノールN−08(第一工業
製薬(株)製)1.5部および塩化ナトリウム0.03
8部を仕込み、内温68℃で攪拌しながら、緩やかに窒
素を流し、フラスコ内を完全に窒素で置換した。上記で
調製したプレエマルジョンのうちの5%をフラスコに滴
下し、5分間攪拌後、亜硫酸水素ナトリウム0.017
部を添加し、続いて、開始剤水溶液のうちの5%をフラ
スコに滴下して、初期重合を行った。内温を72℃に保
ちながら、残りのプレエマルジョンおよび開始剤水溶液
を2時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、イオン交
換水26.5部で滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラ
スコに滴下した。さらに内温を72℃に保ちながら1時
間攪拌を続け、冷却して、反応を終了し、エマルション
重合体(1)を得た(エマルション中の不揮発分:30
%)。
【0037】エマルション重合体(1)の1%アルカリ
中和溶液を調製し、そのpHおよび粘度(25℃、B型
粘度計)を測定した。その結果を表1に示す。1%アル
カリ中和溶液は、固形分換算で2部のエマルションを所
定の容器に入れ、これをイオン交換水で希釈し、次い
で、攪拌棒で攪拌しながら、所定量の0.5規定の水酸
化ナトリウム水溶液を加えて、合計200部として調製
した。なお、表1には、アルカリ可溶性会合型増粘剤プ
ライマルTT−615(ローム・アンド・ハース社製)
の1%アルカリ中和溶液のpHおよび粘度も併記した。
【0038】−実施例2− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55部および製造例1で得た化合物5
部からなる単量体成分を用いる以外は、実施例1と同様
に重合反応を行い、エマルション重合体(2)を得た。 −実施例3− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル50.4部および製造例2で得た化合
物9.6部からなる単量体成分を用いる以外は、実施例
1と同様に重合反応を行い、エマルション重合体(3)
を得た。エマルション重合体(3)のpHおよび粘度を
測定し、結果を表1に示す。
【0039】−実施例4− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55.2部および製造例2で得た化合
物4.8部からなる単量体成分を用いる以外は、実施例
1と同様に重合反応を行い、エマルション重合体(4)
を得た。 −比較例1− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル50.9部および比較製造例1で得た
化合物9.1部からなる単量体成分を用いる以外は、実
施例1と同様に重合反応を行い、比較エマルション重合
体(1)を得た。比較エマルション重合体(1)のpH
および粘度を測定し、結果を表1に示す。
【0040】−比較例2− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55.4部および比較製造例1で得た
化合物4.6部からなる単量体成分を用いる以外は、実
施例1と同様に重合反応を行い、比較エマルション重合
体(2)を得た。
【0041】−比較例3− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル50部およびポリオキシエチレン〔2
−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル
10部からなる単量体成分を用いる以外は、実施例1と
同様に重合反応を行い、比較エマルション重合体(3)
を得た。比較エマルション重合体(3)のpHおよび粘
度を測定し、結果を表1に示す。
【0042】−比較例4− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55部およびポリオキシエチレン〔2
−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル
5部からなる単量体成分を用いる以外は、実施例1と同
様に重合反応を行い、比較エマルション重合体(4)を
得た。
【0043】−比較例5− 実施例1で、単量体成分として、メタクリル酸35部お
よびアクリル酸エチル65部からなる単量体成分を用い
る以外は、実施例1と同様に重合反応を行い、比較エマ
ルション重合体(5)を得た。比較エマルション重合体
(5)のpHおよび粘度を測定し、結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる共重合体は、新規であ
り、アルカリ溶液に可溶で、溶解した際にその粘性を飛
躍的に高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J027 AA08 AC02 AC03 AC05 AC06 AC09 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA09 BA13 BA14 BA15 BA16 BA20 BA21 BA22 CB02 CB07 CB09 CC02 CD00 4J100 AB03P AB07Q AJ01Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK07Q AK19Q AK32Q AL08Q AP01Q BA02P BA07P BA15P BA16Q BA38P BA56Q BA58Q BA64Q CA04 FA20 JA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−プロペニル基含有単量体と酸性単量体
    および/またはその塩とを含む単量体成分を重合させて
    なる共重合体において、前記1−プロペニル基含有単量
    体が、エチレングリコール単位を含む2価のオキシアル
    キレン基を介して、ベンゼン環に置換基を有していても
    よい(1−プロペニル)フェノキシ基と炭素数8〜30
    の疎水性基とが結合してなる単量体であることを特徴と
    する、共重合体。
  2. 【請求項2】前記酸性単量体がカルボキシル基含有単量
    体である、請求項1に記載の共重合体。
  3. 【請求項3】前記1−プロペニル基含有単量体の疎水性
    基が、炭素数8〜30の炭化水素基である、請求項1ま
    たは2に記載の共重合体。
  4. 【請求項4】前記重合が乳化重合である、請求項1から
    3までのいずれかに記載の共重合体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009520843A (ja) * 2005-12-21 2009-05-28 コンストラクション リサーチ アンド テクノロジー ゲーエムベーハー 不飽和モノカルボン酸誘導体またはジカルボン酸誘導体およびオキシアルキレングリコール−アルケニルエーテルをベースとするコポリマー、その製造法およびその使用
CN115785334A (zh) * 2022-12-16 2023-03-14 化学与精细化工广东省实验室 一种疏水缔合型阴离子聚丙烯酰胺及其制备方法和应用

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