JP2001106646A - 1−プロペニル基含有単量体 - Google Patents

1−プロペニル基含有単量体

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JP2001106646A
JP2001106646A JP28459499A JP28459499A JP2001106646A JP 2001106646 A JP2001106646 A JP 2001106646A JP 28459499 A JP28459499 A JP 28459499A JP 28459499 A JP28459499 A JP 28459499A JP 2001106646 A JP2001106646 A JP 2001106646A
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propenyl
meth
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Katsuyuki Kono
克之 河野
Takahiro Miwa
貴宏 三輪
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合することによって粘性が飛躍的に高まる
性質を有する、新規な1−プロペニル基含有単量体を提
供する。 【解決手段】 1−プロペニル基含有単量体は、下記一
般式(I)で示される単量体である。 【化1】 (但し、Rは、水素原子またはアルキル基;R0 は、炭
素数8〜30の炭化水素基;Xは、−O−、−OC
(O)NH−および−OC(O)−から選ばれた1種;
nは1〜60の整数;mは0〜10の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合することによ
って粘性が飛躍的に高まる性質を有する、新規な1−プ
ロペニル基含有単量体に関する。
【0002】
【従来の技術】酸性基を有する単量体を共重合して得ら
れるアルカリ溶液に可溶な共重合体が、種々知られてお
り、たとえば、増粘剤として利用されている。これらの
共重合体のうちでも、アルカリ溶液に溶けた後に、共重
合体中の疎水基同士が会合して増粘性が高まる共重合体
がある。現在では、さらに高い増粘性を有する共重合体
の開発が期待されており、その原料である単量体の研究
が種々行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする課題は、重合することによって粘性が飛躍
的に高まる性質を有する、新規な1−プロペニル基含有
単量体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討を行い、疎水基の疎水性を高め
ることによって、上記疎水性基同士の会合により粘性が
飛躍的に高めるのではないかと考え、炭素数8〜30の
疎水性基が結合した下記の新規な単量体を合成してみ
て、これを用いて重合体を得、上記課題を達成すること
を実験で確認して、本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明にかかる1−プロペニル
基含有単量体は、下記一般式(I)で示される単量体で
ある。
【0006】
【化2】 (但し、Rは、水素原子またはアルキル基;R0 は、炭
素数8〜30の炭化水素基;Xは、−O−、−OC
(O)NH−および−OC(O)−から選ばれた1種;
nは1〜60の整数;mは0〜10の整数である。)
【0007】
【発明の実施の形態】1−プロペニル基含有単量体およ
びその製造方法 本発明の1−プロペニル基含有単量体は、上記一般式
(I)で示される単量体である。Rは、水素原子または
アルキル基である。アルキル基としては、炭素数6〜1
8のアルキル基が好ましく、炭素数9のノニル基がさら
に好ましい。
【0008】R0 は、炭素数8〜30の炭化水素基であ
る。R0 としては、たとえば、オクチル基、ノニル基、
ドデシル基、オクタデシル基等のアルキル基;フェニル
基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;ノニル
フェニル基、ドデシルフェニル基等のアルキルアリール
基;シクロオクチル基、コレスタニル基、ラノスタニル
基等の多環式アルキル基を挙げることができ、これらの
1種または2種以上が用いられる。
【0009】Xは、−O−(エーテル結合)、−OC
(O)NH−(ウレタン結合)および−OC(O)−
(エステル結合)から選ばれた1種であり、これらのう
ち、−OC(O)NH−が好ましく、最も粘性を高め
る。Xが−OC(O)NH−の場合、この中の末端の窒
素原子がR0 と結合し、別の末端の酸素原子がメチレン
基と結合する。Xが−OC(O)−の場合、この中の末
端の炭素原子がR0 と結合し、別の末端の酸素原子がメ
チレン基と結合する。
【0010】nは1〜60の整数であり、好ましくは1
0〜60、さらに好ましくは30〜50である。mは0
〜10の整数であるが、Rがノニル基等の炭素数の多い
アルキル基である場合は0である。本発明の1−プロペ
ニル基含有単量体の製造方法については、特に限定はな
く、たとえば、下記一般式(II)で示される化合物a
(ポリオキシエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−
ノニル〕フェニルエーテル(ポリオキシエチレン基の末
端は水酸基))を原料する以下の(a)〜(c)の方法
を挙げることができる。
【0011】
【化3】 (但し、Rは、水素原子またはアルキル基;nは1〜6
0の整数;mは0〜10の整数である。) (a)化合物aとR0 Clとの反応で、X=−O−の単
量体(1)を得る方法。
【0012】(b)化合物aとR0 NCOとの反応で、
X=−OC(O)NH−の単量体(1)を得る方法。 (c)化合物aとR0 COOHとの反応で、X=−OC
(O)−の単量体(1)を得る方法。 本発明の1−プロペニル基含有単量体は、後述のように
重合させて用いるほか、各種ポリマーの改質剤等の用途
に用いることができる。1−プロペニル基含有単量体の用途(酸性単量体との共
重合体) 本発明の1−プロペニル基含有単量体と、酸性単量体お
よび/またはその塩とを含む単量体成分を重合させるこ
とによって、共重合体が得られる。この共重合体をアル
カリ水に溶かすと、その粘度が飛躍的に高まる。これ
は、共重合体中の1−プロペニル基含有単量体に由来す
る疎水性基同士が強く会合するためである。
【0013】酸性単量体としては、たとえば、アクリル
酸、メタクリル酸、アクリロキシプロピオン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アク
リレート等のスルホン酸基含有単量体;モノ(2−メタ
クリロイルオキシエチル)ホスフェート、モノ(2−ア
クリロイルオキシエチル)ホスフェート、2−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルホスフェート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル
ホスフェート等のリン酸基含有単量体等を挙げることが
でき、これらの1種または2種以上が用いられる。これ
らのうちでも、カルボキシル基含有単量体が好ましい。
これは、カルボキシル基含有単量体は、他の酸基含有単
量体と比べると、比較的親水性が低く、重合時の安定性
が高いためである。カルボキシル基含有単量体として
は、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれた少なく
とも1種が、他の単量体との共重合性が良好であるた
め、好ましい。
【0014】酸性単量体の塩としては、上記酸性単量体
のナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩や、アンモニウ
ム塩等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。上記共重合体の原料となる単量体成分
は、1−プロペニル基含有単量体や、酸性単量体および
/またはその塩以外の、これらの単量体と共重合可能な
エチレン性不飽和単量体を含むものでもよい。
【0015】エチレン性不飽和単量体としては、たとえ
ば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチレン等のスチ
レン系重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モ
ノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸
と炭素数1〜8のアルコールとのエステルである(メ
タ)アクリル酸エステル系重合性単量体;(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル等のシクロヘキシル基含有重合性
単量体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の(メ
タ)アクリル酸とポリアルキレングリコールとのモノエ
ステルであるヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合性単量体;ポリエチレングリコール(メ
タ)アクリルエステル等のポリエチレングリコール鎖含
有重合性単量体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリ
ル;N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
ルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルア
ミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性
重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架
橋性(メタ)アクリルアミド系重合性単量体;ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルト
リエトキシシラン等のケイ素原子に直結する加水分解性
ケイ素基含有重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、アクリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有
重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニルオキサゾリン等のオキサゾリン基含有重
合性単量体;(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエ
チル、(メタ)アクロイルアジリジン等のアジリジン基
含有重合性単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合性単
量体等を挙げることができ、これらの1種または2種以
上が用いられる。
【0016】単量体成分は、架橋性単量体をさらに含む
ものでもよい。架橋性単量体としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸と、エチレングリコール、1,3−ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとの
エステル化物等の分子内に重合性不飽和基を2個以上有
する多官能(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量
体;メチレン(メタ)アクリルアミド等の分子内に重合
性不飽和基を2個以上有する多官能(メタ)アクリル酸
アミド系重合性単量体;ジアリルフタレート、ジアリル
マレート、ジアリルフマレート等の分子内に重合性不飽
和基を2個以上有する多官能アリル系重合性単量体;
(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0017】単量体成分中の単量体の配合割合について
は、特に限定はないが、好ましくは、1−プロペニル基
含有単量体0.1〜99重量部、酸性単量体および/ま
たはその塩1〜60重量部、エチレン性不飽和単量体0
〜70重量部であり、さらに好ましくは、1−プロペニ
ル基含有単量体1〜70重量部、酸性単量体および/ま
たはその塩10〜50重量部、エチレン性不飽和単量体
20〜60重量部である。なお、上記において架橋性単
量体をさらに含むものでもよい。
【0018】単量体成分の重合方法については、特に限
定はなく、たとえば、水中油型乳化重合(以下、単に乳
化重合ということがある)、油中水型乳化重合、水溶液
重合、塊状重合等を挙げることができる。これらの重合
方法のうち、乳化重合が好ましく、高分子量のポリマー
を高濃度で重合できる上、取扱い粘度も低く、生産コス
トも安いからである。
【0019】単量体成分の重合には、通常、重合開始剤
が用いられる。この重合開始剤は、熱によって分解し、
ラジカル分子を発生させる物質であり、特に乳化重合で
は、水溶性の開始剤が使用される。重合開始剤として
は、たとえば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、
過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビ
ス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過
酸化水素等の熱分解系開始剤;過酸化水素とアスコルビ
ン酸、t−ブチルヒドロパーオキサイドとロンガリッ
ト、過硫酸カリウムと金属塩、過硫酸アンモニウムと亜
硫酸水素ナトリウム等のレドックス系重合開始剤等を挙
げることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0020】乳化重合法は一般に、乳化剤を用いて行う
のが好ましい。乳化剤としては、特に限定はないが、た
とえば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界
面活性剤や、これらの反応性界面活性剤等を挙げること
ができ、これらを組み合わせて使用してもよく、場合に
よっては、乳化剤を一切使用することなく重合すること
もできる。
【0021】アニオン系界面活性剤としては、たとえ
ば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシ
ルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等
のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグ
リコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシ
ノエート;スルホン化パラフィン塩等のアルキルスルホ
ネート;ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ア
ルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サ
ルフェート等のアルキルスルホネート;高アルキルナフ
タレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミン
オレエート、トリエタノールアミンアビエテート等の脂
肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;
ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル
塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル
塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩;ポリオ
キシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の2重
結合を有した反応性アニオン乳化剤等を挙げることがで
き、これらが1種または2種以上使用される。
【0022】ノニオン系界面活性剤としては、たとえ
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族
エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステ
ル;グリセロールのモノラウレート等の脂肪族モノグリ
セライド;ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合
体;エチレンオキサイドと脂肪族アミン、アミドまたは
酸との縮合生成物等を挙げることができ、これらが1種
または2種以上使用される。
【0023】高分子界面活性剤としては、たとえば、ポ
リビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アクリ
ル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
ル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等を挙げ
ることができ、これらが1種または2種以上使用され
る。
【0024】乳化重合における重合温度については、特
に限定はないが、好ましくは0〜100℃、さらに好ま
しくは40〜95℃である。重合時間についても、特に
限定はないが、好ましくは、3〜15時間である。乳化
重合する際に、得られる共重合体の物性に悪影響を及ぼ
さない範囲で、親水性溶媒や添加剤等を加えることがで
きる。
【0025】単量体成分を乳化重合反応系に添加する方
法としては、特に限定はなく、一括添加法、単量体成分
滴下法、プレエマルション法、パワーフィード法、シー
ド法、多段添加法等を用いることができる。乳化重合反
応後に得られるエマルション中の不揮発分、すなわち、
上記共重合体は、60重量%以下であるのが好ましい。
不揮発分が60重量%を超えると、エマルションの粘度
が高すぎるため、分散安定性が保てず、凝集が起きる恐
れがあるからである。
【0026】上記エマルションの平均粒径については、
特に限定はないが、好ましくは10nm〜1μmであ
り、さらに好ましくは20〜500nmである。エマル
ションの平均粒径が10nm未満であると、エマルショ
ンの粘度が高くなりすぎたり、分散安定性が保てず、凝
集するおそれがある。他方、1μmを超えると、エマル
ションではなくなる。
【0027】上記共重合体の重量平均分子量は、3,0
00〜8,000,000であり、好ましくは10,0
00〜8,000,000、より好ましくは100,0
00〜8,000,000である。乳化重合時に、分子
量低減のために、連鎖移動剤を単量体成分100重量部
当たり0.001〜2重量部用いてもよい。連鎖移動剤
としては、たとえば、四塩化炭素、ブロモホルム、ブロ
モトリクロロエタン等のハロゲン置換アルカン;n−ド
デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタ
ン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタ
ン、ヘキサデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタ
ン;チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸イソオ
クチル、チオグリコール酸ドデシル等のモノチオグリコ
ール酸アルキル等のチオエステル;メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール等のアルコール類;α−メチル
スチレンダイマー、ターピノール、テルピネン、ジペン
テン等を挙げることができるが、これらに限定されな
い。
【0028】上記共重合体は、分子内に酸性基を有し、
アルカリ溶液に可溶である。アルカリ溶液に溶解後、炭
素数8〜30の疎水性基同士が強く会合することによっ
て、溶液の増粘性が高まる。このような性質を利用し
て、上記共重合体は、たとえば、建築・建材用塗料、粘
着剤、印刷インキ、紙塗被剤、ベントナイト安定液等の
増粘剤や、合成保水剤、コンクリート用分離低減剤等に
配合して利用することができる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の実施例と比較例とを示す
が、本発明は下記実施例に限定されない。以下では、
「%」は「重量%」、「部」は「重量部」のことであ
る。 −実施例1− (一般式(1)でX=−OC(O)NH−の1−プロペ
ニル基含有単量体)滴下ロート、攪拌機、温度計および
冷却器を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレン
〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエー
テル(エチレンオキシド基30モル付加物、第一工業製
薬(株)社製のアクアロンRN−30)120部を仕込
み、60℃で攪拌しながら、オクタデシルイソシアネー
ト44.9部を1時間かけて滴下し、さらに60℃で2
時間攪拌を続け、反応混合物の一部を取り出してIRス
ペクトルを測定し、イソシアネートに起因するピークの
消失を確認して、反応を終了した。
【0030】次に、攪拌機、温度計および冷却器を備え
た三ツ口フラスコに、824.5部のイオン交換水を添
加し、続いて、上記の反応混合物を加えた。三ツ口フラ
スコを60℃で1時間攪拌後、冷却して、300メッシ
ュ金網でろ過して、水溶性の原料であるポリオキシエチ
レン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニル
エーテルを除去した。メッシュ金網上に残存した生成物
を200部のTHFに溶解させ、1時間遠心分離(12
000回転)し、ろ紙でろ過し、THFを留去させて、
ワックス状の固体となった、一般式(1)でX=−OC
(O)NH−のオクタデシルポリオキシエチレン〔2−
(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルを
得た。以下、この化合物を「実施例1で得た化合物」と
いうことがある。
【0031】−実施例2− (一般式(1)でX=−OC(O)NH−の1−プロペ
ニル基含有単量体)実施例1において、ポリオキシエチ
レン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニル
エーテルの使用量を90部に変更し、オクタデシルイソ
シアネート44.9部をドデシルイソシアネート24.
08部に変更する以外は、実施例1と同様に反応させ
て、一般式(1)でX=−OC(O)NH−のドデシル
ポリオキシエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノ
ニル〕フェニルエーテルを得た1以下、この化合物を
「実施例2で得た化合物」ということがある。
【0032】実施例2で得た化合物のNMR測定結果を
示すグラフを図1に、IR測定結果を示すグラフを図2
に示す。また、実施例2で得た化合物の元素分析結果
を、表1に示す。参考のために、原料として用いたポリ
オキシエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニ
ル〕フェニルエーテル(エチレンオキシド基30モル付
加物)のNMR測定結果を示すグラフを図3に、IR測
定結果を示すグラフを図4に示す。
【0033】図1および図3を比較すると、図1では、
図3になかったドデシル基に由来するプロトンが、δ
0.7〜2.0付近に出現した。図2および図4を比較
すると、図2では、図4にあったポリオキシエチレン
〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエー
テルの末端の水酸基に由来する吸収(3100〜370
0cm-1付近)がほぼ消失し、その代わりに、ウレタン
結合に由来する吸収(1600〜1750cm-1および
3350cm-1付近)が出現した。
【0034】−実施例3− (一般式(1)でX=−O−の1−プロペニル基含有単
量体)滴下ロート、攪拌機、温度計および冷却器を備え
た四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレン〔2−(1−
プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル(エチレ
ンオキシド基40モル付加物、第一工業製薬(株)社製
のアクアロンRN−40)80部および塩化ドデシル1
6.2部を仕込み、攪拌しながら80℃に昇温した。さ
らに、攪拌しながら、水素化ナトリウム2.85部を徐
々に投入し、80℃に保ったまま、6時間攪拌し、反応
混合物を得た。
【0035】次に、攪拌機、温度計および冷却器を備え
た三ツ口フラスコに、400部のイオン交換水を添加
し、続いて、上記の反応混合物を加えた。60℃で30
分間攪拌後、冷却して、300メッシュ金網でろ過し
た。この作業を5回繰り返し、水溶性の原料である、ポ
リオキシエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニ
ル〕フェニルエーテルを除去した。ろ過物から水を留去
させて、ワックス状の固体となった、一般式(1)でX
=−O−のドデシルポリオキシエチレン〔2−(1−プ
ロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルを得た。以
下、この化合物を「実施例3で得た化合物」ということ
がある。
【0036】実施例3で得た化合物のNMR測定結果を
示すグラフを図5に、IR測定結果を示すグラフを図6
に示す。また、実施例3で得た化合物の元素分析結果
を、表1に示す。参考のために、原料として用いたポリ
オキシエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニ
ル〕フェニルエーテル(エチレンオキシド基40モル付
加物)のNMR測定結果を示すグラフを図7に、IR測
定結果を示すグラフを図8に示す。
【0037】図5および図7を比較すると、図5では、
図7になかったドデシル基に由来するプロトンが、δ
0.7〜2.0付近に出現した。図6および図8を比較
すると、図6では、図8にあったポリオキシエチレン
〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエー
テルの末端の水酸基に由来する吸収(3100〜370
0cm-1付近)がほぼ消失した。
【0038】−実施例4− (一般式(1)でX=−OC(O)−の1−プロペニル
基含有単量体)滴下ロート、攪拌機、温度計および冷却
器を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレン〔2
−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル
(エチレンオキシド基40モル付加物、第一工業製薬
(株)社製のアクアロンRN−40)150部、ラウリ
ン酸55部、p−トルエンスルホン酸2.36部、フェ
ノチアジン0.04部およびシクロヘキサン10.2部
を仕込み、乾燥窒素雰囲気下で攪拌しながら、115℃
に昇温した。さらに、30時間以上攪拌し、シクロヘキ
サンとの共沸によって得た脱水縮合水が1.55部に達
した時点を反応の終点とした反応混合物を得た。
【0039】次に、上記反応混合物をフラスコに入れ、
0.6%水酸化ナトリウム水溶液1200部を加え、攪
拌した後、水を留去し、THF200部を添加した。こ
のTHFを含む混合物を300メッシュ金網でろ過し、
ろ液からTHFを留去し、ワックス状の固体となった、
一般式(1)でX=−OC(O)−のドデシルポリオキ
シエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フ
ェニルエーテルを得た。以下、この化合物を「実施例4
で得た化合物」ということがある。
【0040】実施例4で得た化合物のNMR測定結果を
示すグラフを図9に、IR測定結果を示すグラフを図1
0に示す。また、実施例4で得た化合物の元素分析結果
を、表1に示す。図9および図7を比較すると、図9で
は、図7になかったドデシル基に由来するプロトンが、
δ0.7〜2.0付近に出現した。
【0041】図10および図8を比較すると、図10で
は、図8にあったポリオキシエチレン〔2−(1−プロ
ペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルの末端の水酸
基に由来する吸収(3100〜3700cm-1付近)が
ほぼ消失し、その代わりに、エステル結合に由来する吸
収(1700〜1750cm-1付近)が出現した。
【0042】
【表1】 −比較例1− 実施例1において、ポリオキシエチレン〔2−(1−プ
ロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテルの使用量を
140部に変更し、オクタデシルイソシアネート44.
9部をヘキシルイソシアネート22.54部に変更する
以外は、実施例1と同様に反応させて、一般式(1)で
X=−OC(O)−のヘキシルポリオキシエチレン〔2
−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル
を得た。以下、この化合物を「比較例1で得た化合物」
ということがある。
【0043】−参考例1− 〔反応の準備〕ハイテノールN−08(第一工業製薬
(株)製)1.5部をイオン交換水269部に溶解させ
た溶液に、メタクリル酸40部、アクリル酸エチル50
部および実施例1で得た化合物10部からなる単量体成
分を混合し、プレエマルジョンを調製した。また、過硫
酸カリウム0.23部とイオン交換水67.4部とを混
合し、開始剤水溶液を調製した。 〔重合反応〕滴下ロート、攪拌機、温度計、窒素導入管
および冷却器を備えた四ツ口セパラブルフラスコに、イ
オン交換水336部、ハイテノールN−08(第一工業
製薬(株)製)1.5部および塩化ナトリウム0.03
8部を仕込み、内温68℃で攪拌しながら、緩やかに窒
素を流し、フラスコ内を完全に窒素で置換した。上記で
調製したプレエマルジョンのうちの5%をフラスコに滴
下し、5分間攪拌後、亜硫酸水素ナトリウム0.017
部を添加し、続いて、開始剤水溶液のうちの5%をフラ
スコに滴下して、初期重合を行った。内温を72℃に保
ちながら、残りのプレエマルジョンおよび開始剤水溶液
を2時間かけて均一に滴下した。滴下終了後、イオン交
換水26.5部で滴下ロートを洗浄し、この洗液をフラ
スコに滴下した。さらに内温を72℃に保ちながら1時
間攪拌を続け、冷却して、反応を終了し、エマルション
重合体(1)を得た(エマルション中の不揮発分:30
%)。
【0044】エマルション重合体(1)の1%アルカリ
中和溶液を調製し、そのpHおよび粘度(25℃、B型
粘度計)を測定した。その結果を表2に示す。1%アル
カリ中和溶液は、固形分換算で2部のエマルションを所
定の容器に入れ、これをイオン交換水で希釈し、次い
で、攪拌棒で攪拌しながら、所定量の0.5規定の水酸
化ナトリウム水溶液を加えて、合計200部として調製
した。なお、表2には、アルカリ可溶性会合型増粘剤プ
ライマルTT−615(ローム・アンド・ハース社製)
の1%アルカリ中和溶液のpHおよび粘度も併記した。
【0045】−参考例2− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55部および実施例1で得た化合物5
部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例1と同様
に重合反応を行い、エマルション重合体(2)を得た。 −参考例3− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル50.4部および実施例2で得た化合
物9.6部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例
1と同様に重合反応を行い、エマルション重合体(3)
を得た。エマルション重合体(3)のpHおよび粘度を
測定し、結果を表2に示す。
【0046】−参考例4− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55.2部および実施例2で得た化合
物4.8部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例
1と同様に重合反応を行い、エマルション重合体(4)
を得た。 −比較参考例1− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル50.9部および比較例1で得た化合
物9.1部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例
1と同様に重合反応を行い、比較エマルション重合体
(1)を得た。比較エマルション重合体(1)のpHお
よび粘度を測定し、結果を表2に示す。
【0047】−比較参考例2− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55.4部および比較例1で得た化合
物4.6部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例
1と同様に重合反応を行い、比較エマルション重合体
(2)を得た。 −比較参考例3− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル50部およびポリオキシエチレン〔2
−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル
10部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例1と
同様に重合反応を行い、比較エマルション重合体(3)
を得た。比較エマルション重合体(3)のpHおよび粘
度を測定し、結果を表2に示す。
【0048】−比較参考例4− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸40部、
アクリル酸エチル55部およびポリオキシエチレン〔2
−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエーテル
5部からなる単量体成分を用いる以外は、参考例1と同
様に重合反応を行い、比較エマルション重合体(4)を
得た。
【0049】−比較参考例5− 参考例1で、単量体成分として、メタクリル酸35部お
よびアクリル酸エチル65部からなる単量体成分を用い
る以外は、参考例1と同様に重合反応を行い、比較エマ
ルション重合体(5)を得た。比較エマルション重合体
(5)のpHおよび粘度を測定し、結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明にかかる1−プロペニル基含有単
量体は、新規であり、重合することによって粘性が飛躍
的に高まる性質を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得た化合物のNMR測定結果を示す
グラフ。
【図2】実施例2で得た化合物のIR測定結果を示すグ
ラフ。
【図3】実施例2で原料として用いたポリオキシエチレ
ン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエ
ーテル(エチレンオキシド基30モル付加物)のNMR
測定結果を示すグラフ。
【図4】実施例2で原料として用いたポリオキシエチレ
ン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フェニルエ
ーテル(エチレンオキシド基30モル付加物)のIR測
定結果を示すグラフ。
【図5】実施例3で得た化合物のNMR測定結果を示す
グラフ。
【図6】実施例3で得た化合物のIR測定結果を示すグ
ラフ。
【図7】実施例3および4で原料として用いたポリオキ
シエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フ
ェニルエーテル(エチレンオキシド基40モル付加物)
のNMR測定結果を示すグラフ。
【図8】実施例3および4で原料として用いたポリオキ
シエチレン〔2−(1−プロペニル)−4−ノニル〕フ
ェニルエーテル(エチレンオキシド基40モル付加物)
のIR測定結果を示すグラフ。
【図9】実施例4で得た化合物のNMR測定結果を示す
グラフ。
【図10】実施例4で得た化合物のIR測定結果を示す
グラフ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示される1−プロペニ
    ル基含有単量体。 【化1】 (但し、Rは、水素原子またはアルキル基;R0 は、炭
    素数8〜30の炭化水素基;Xは、−O−、−OC
    (O)NH−および−OC(O)−から選ばれた1種;
    nは1〜60の整数;mは0〜10の整数である。)
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