JPH083437A - 水性常温硬化性樹脂組成物 - Google Patents

水性常温硬化性樹脂組成物

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JPH083437A
JPH083437A JP13597994A JP13597994A JPH083437A JP H083437 A JPH083437 A JP H083437A JP 13597994 A JP13597994 A JP 13597994A JP 13597994 A JP13597994 A JP 13597994A JP H083437 A JPH083437 A JP H083437A
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JP
Japan
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group
acrylic emulsion
resin composition
unsaturated monomer
emulsion
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JP13597994A
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English (en)
Inventor
Koichi Saito
宏一 斉藤
Toru Yagi
徹 八木
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 二液型水性常温硬化性樹脂組成物において、
二液を混合した後の可視時間が長く、従って二液を均一
に混合することができ、かつ耐溶剤性等に優れた水性常
温硬化性樹脂組成物を得る。 【構成】 ラジカル重合性不飽和基を有する乳化剤を用
いて乳化重合させたイソシアネート基と反応する基を有
する酸価が5以下のエマルション(A)と、水分散性の
ポリイソシアネート(B)とを含有することを特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性塗料や水性接着剤
などとして用いることができる、常温で硬化可能な二液
型の水性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水性塗料や水性接着剤等として用いられ
る水性樹脂組成物としては、ポリイソシアネートと、イ
ソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂とを混
合して用いる二液型の水性塗料組成物が知られている。
特開平5−222150号公報、特開昭62−4127
0号公報、及び特開平4−246489号公報では、水
分散性及び安定性に優れたポリイソシアネートを用いた
水性樹脂組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の水性樹脂組成物では、可使時間、すなわちいわゆ
るポットライフが短いという問題があった。
【0004】また、可使時間が十分に長くとれないた
め、塗料として用いた場合に塗装時間が制約され作業へ
の支障が大きいという問題があった。本発明の目的は、
このような従来の問題点を解消し、十分に長い可使時間
を得ることができ、塗料として用いた場合に塗装作業性
に優れ、耐溶剤性及び硬度に優れる水性常温硬化性樹脂
組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水性常温硬化性
樹脂組成物は、ラジカル重合性不飽和基を有する乳化剤
を用いて乳化重合させたイソシアネート基と反応する基
を有する樹脂固形分酸価が5以下のアクリルエマルショ
ンと、水分散性のポリイソシアネートとを含有すること
を特徴としている。
【0006】<アクリルエマルション>本発明において
用いられるアクリルエマルションは、上述のようにラジ
カル重合性不飽和基を有する乳化剤(以下「ラジカル重
合性乳化剤」という)を用いて乳化重合させたアクリル
エマルションである。ラジカル重合性乳化剤としては、
例えば、アリル基、プロペニル基、アクリロイル基、メ
タクリロイル基、マレオイル基等のラジカル重合性官能
基を有するアニオン性またはノニオン性の乳化剤を用い
ることができる。ここでアニオン性親水基としては硫酸
基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等が挙げ
られ、ノニオン性親水基としてはポリオキシエチレン基
が挙げられる。また、疎水基としては炭素数6〜60の
アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキルア
リール基、アリール基などが挙げられる。このような乳
化剤の具体例としては、以下のような化合物を挙げるこ
とができる。
【0007】
【化1】
【0008】(R1 は水素原子またはメチル基、R2
置換基を有してもよい炭化水素基またはオキシアルキレ
ン基を有する有機基、Aは炭素数2〜4のアルキレン
基、nは0以上の整数、Mはアルカリ金属,アルカリ土
類金属,アンモニウム,有機アミン塩基または有機4級
アンモニウム塩基を示す。) 例えば、商品名「エレミノールJS−2」(三洋化成社
製)
【0009】
【化2】
【0010】(R1 は置換基を有していてもよい炭化水
素基、R2 は水素原子またはメチル基、Aは炭素数2〜
4のアルキレン基、nは0〜100の整数、Mは1価ま
たは2価のカチオンを示す。) 例えば、商品名「ラテムルS−180」(花王社製)
【0011】
【化3】
【0012】(R1 は水素原子またはメチル基、R2
炭素数8〜24の炭化水素基またはアシル基、Aは炭素
数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは
0〜50の整数、Mは水素原子,アルカリ金属,アルカ
リ土類金属,アンモニウムまたは有機アミン塩基を示
す。) 例えば、商品名「アデカリアソープSE−10N」(旭
電化工業社製)
【0013】
【化4】
【0014】(R1 は炭素数6〜18のアルキル基,ア
ルケニル基またはアラルキル基、R 2 は水素,炭素数6
〜18のアルキル基,アルケニル基またはアラルキル
基、R 3 は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4
のアルキレン基、nは1〜200の整数、Mはアルカリ
金属,アンモニウムまたはアルカノールアミン残基を示
す。) 例えば、商品名「アクアロンHS−10」(第一工業製
薬社製)
【0015】
【化5】
【0016】(R1 ,R2 は水素原子または炭素数1〜
25のアルキル基、R3 ,R4 は炭素数1〜25のアル
キル基,ベンジル基またはスチレン基、mは0〜2の整
数、R5 は水素原子またはメチル基、Aは炭素数2また
は3のアルキレン基、nは1以上の整数、Mはアルカリ
金属,アルカリ土類金属,アンモニウムまたはアミンカ
チオンを示す。) 例えば、商品名「Antox MS−60」(日本乳化
剤社製)
【0017】
【化6】
【0018】(Rは炭化水素基、Aは炭素数2または3
のアルキレン基、nは1以上の整数、Mはアルカリ金
属,アルカリ土類金属,アンモニウムまたはアミンカチ
オンを示す。) 例えば、商品名「RA−1120」(日本乳化剤社製)
【0019】
【化7】
【0020】(R1 は水素原子またはメチル基、R2
炭素数8〜24の炭化水素基またはアシル基、Aは炭素
数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは
0〜50の整数を示す。) 例えば、商品名「アデカリアソープNE−30」(旭電
化工業社製)
【0021】
【化8】
【0022】(R1 は炭素数6〜18のアルキル基,ア
ルケニル基またはアラルキル基、R 2 は水素,炭素数6
〜18のアルキル基,アルケニル基またはアラルキル
基、R 3 は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4
のアルキレン基、nは1〜200の整数を示す。) 例えば、商品名「アクアロンRN−50」及び「アクア
ロンRN−30」(第一工業製薬社製)
【0023】
【化9】
【0024】(R1 は水素原子またはメチル基、R2
炭化水素基、Aは炭素数2または3のアルキレン基、n
は1〜100の整数を示す。) 例えば、商品名「RMA−506」(日本乳化剤社製)
【0025】このようなラジカル重合性乳化剤の使用量
は、乳化重合させる不飽和モノマーの合計量の対し0.
1〜10重量%が好ましい。ラジカル重合性乳化剤の量
が少なすぎると、重合が進行しなかったり、重合後に大
量の凝集物が発生したりする。逆に多すぎると、得られ
たアクリルエマルションとポリイソシアネートから形成
される塗膜の硬度や耐水性が低下する。
【0026】本発明において用いられるアクリルエマル
ションは、好ましくは、水酸基含有不飽和モノマー
(a)、酸基含有不飽和モノマー(b)、及びその他の
不飽和モノマー(c)からなる不飽和モノマー混合物を
乳化重合させて得られるアクリルエマルションである。
このような不飽和モノマー混合物に用いられる各種モノ
マーの具体例としては、以下のものを挙げることができ
る。
【0027】水酸基含有不飽和モノマー(a) ・ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメ
タクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒ
ドロキシブチルアクリレート、プラクセルFM−1(ダ
イセル化学社製、εカプロラクトン変性ヒドロキシエチ
ルメタクリレート)、ポリエチレングリコールモノアク
リレートまたはモノメタクリレート、ポリプロピレング
リコールモノアクリレートまたはモノメタクリレートな
どのアルコール類
【0028】酸基含有不飽和モノマー(b) ・アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸などのカルボン酸類 ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スルホエチルメタクリレート、スチレンスルホン酸
などのスルホン酸類及びそれらの塩
【0029】その他の不飽和モノマー(c) ・アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、ラウリル
などのエステル類 ・ビニルアルコールと酢酸、プロピオン酸などのカルボ
ン酸とのエステル類 ・スチレン、αメチルスチレン、ビニルナフタレン、ブ
タジエン、イソプレンなどの不飽和炭化水素類 ・アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリ
ル類 ・アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミドなどのアミド類 ・ポリエチレングリコールメチルエーテルアクリレート
またはメタクリレートなどのポリオキシアルキレン誘導
体 ・N,N−ジメチル−N−メタクリロキシエチル−N−
(3−スルホプロピル)−アンモニウムベタインなどの
両性化合物 ・エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグ
リコール類のジアクリレート及びジメタクリレートなど ・グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトールなどのポリオール類のポリアクリレート及びポ
リメタクリレートなど ・アリルアルコール、メタリルアルコールなどのアクリ
レート及びメタクリレート類
【0030】本発明において用いられるアクリルエマル
ションの樹脂固形分酸価は5以下である。酸価が5を超
えると、アクリルエマルションを中和するために使用さ
れる塩基の量が増え、かつアクリルエマルション樹脂の
親水性が高まることになる。このため塩基とイソシアネ
ート基との反応、塩基によるイソシアネート基と水との
反応の促進、あるいは親水化されたポリマーとイソシア
ネート基との反応が生起し、可使時間が短くなる。酸基
含有不飽和モノマー(b)によってアクリルエマルショ
ンポリマー中に導入される酸基は、アルカリ金属や4級
アンモニウムの水酸化物、3級アミンなどによって中和
することが好ましい。アンモニアによる中和は、アンモ
ニアがイソシアネート基と反応するので好ましくない。
【0031】本発明において用いられるアクリルエマル
ションの樹脂固形分水酸基価は20〜200であること
が好ましく、さらに好ましくは40〜160である。こ
のような水酸基は、例えば、水酸基含有不飽和モノマー
(a)を共重合させることにより導入することができ
る。水酸基価が小さすぎると、架橋度が不足し、所望の
塗膜性能が得られない場合がある。また、逆に水酸基価
が高すぎる場合には、乳化重合が困難となり、実用的な
濃度のアクリルエマルションが得られない場合がある。
【0032】本発明におけるアクリルエマルションの乳
化重合に使用する重合開始剤としては、過硫酸塩及びレ
ドックス系開始剤、水溶性アゾ化合物が挙げられる。使
用量は、モノマーに対し、0.1〜3重量%が好まし
い。
【0033】具体的には、過硫酸カリウム、過硫酸カリ
ウム/亜硫酸水素ナトリウム、過酸化水素/アスコルビ
ン酸、tブチルハイドロパーオキサイド/ロンガリッ
ト、ACVA(大塚化学社製、4,4´アゾビス−(4
−シアノ吉草酸)、3級アミンで中和し水溶化)、VA
−086(和光純薬社製、2,2´−アゾビス〔2−メ
チル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド〕)などが挙げられる。
【0034】また、乳化重合の際に重合度調節が必要な
場合は、メルカプタン類に代表される連鎖移動剤を使用
できる。例えば、ラウリルメルカプタン、オクチルチオ
グリコレートなどを用いることができる。
【0035】本発明においてアクリルエマルションの乳
化重合は、一般的な重合操作により行うことができる。
例えば、不揮発分40重量%以上となるように、プレエ
マルション滴下法またはモノマー滴下法により、重合温
度40〜100℃、重合時間1〜8時間の条件で乳化重
合を行うことができる。
【0036】<ポリイソシアネート>本発明において
は、上記アクリルエマルションと水分散性のポリイソシ
アネートが混合される。ポリイソシアネートとしては、
脂肪族または脂環族系のポリイソシアネート及びその誘
導体の一部のイソシアネート基をポリエチレンオキシド
モノアルキルエーテルと反応させて水分散性を付与した
自己乳化型のポリイソシアネートが好ましい。
【0037】脂肪族または脂環族系のポリイソシアネー
トとしては、イソシアヌレート基、ウレトジオン基、ウ
レタン基、アロファネート基、ビウレット基及び/また
はオキサジアジン基を含むヘキサメチレンジイソシアネ
ートまたはイソホロンジイソシアネートなどが用いられ
る。これらのイソシアネート化合物及びその誘導体の一
部のイソシアネート基に次式で示すようなポリエチレン
グリコールモノアルキルエーテルを反応させて自己乳化
型ポリイソシアネートとすることができる。
【0038】RO(CH2 CH2 O)n −H (R:炭素数1〜4のアルキル基、n:2〜20の整
数) このような自己乳化型ポリイソシアネートとしては、例
えば、商品名「DC−3900」NCO基含有率17%
及び「DC−3901」NCO基含有率13%(日本ポ
リウレタン社製)、並びに商品名「バイヒジュール T
PLS−2032」NCO基含有率17%(住友バイエ
ルウレタン社製)が挙げられる。使用するポリイソシア
ネートが親水化されていない場合には、造膜時にアクリ
ルエマルション樹脂との親和性が低いため、塗膜外観が
損なわれる場合がある。
【0039】<アクリルエマルションとポリイソシアネ
ートの混合>本発明においては、以上のようなポリイソ
シアネートとアクリルエマルションが添加混合される。
添加混合方法は、特に限定されるものではないが、アク
リルエマルションに必要であれば顔料や添加剤を加えて
調製されたアクリルエマルション塗料に対して予め水に
乳化分散させたポリイソシアネートを添加する方法、あ
るいは直接ポリイソシアネートをアクリルエマルション
あるいはアクリルエマルション塗料に添加し攪拌分散さ
せる方法などにより、本発明の樹脂組成物を得ることが
できる。アクリルエマルションとポリイソシアネート
は、(アクリルエマルション中のイソシアネート基と反
応する基):(ポリイソシアネート中のNCO基)=
1:5〜5:1程度の当量比で配合することが好まし
い。イソシアネート反応性の基が少なすぎると、塗膜の
乾燥性や耐水性が低下することがある。逆に多すぎる
と、架橋度が不足し所望の塗膜性能が得られないことが
ある。
【0040】本発明の樹脂組成物を、例えば塗料として
用いる場合、以上のようにして調製した樹脂組成物を適
当な粘度に調整した後、例えば、刷毛塗り、スプレー塗
装、ロールコーター塗装などの一般的な塗装方法によ
り、可使時間内に塗装し、室温乾燥あるいは強制乾燥さ
せて塗膜を形成することができる。
【0041】
【発明の作用効果】本発明の水性常温硬化性樹脂組成物
は、ラジカル重合性乳化剤を用いて乳化重合させたアク
リルエマルションを用いている。このようにして得られ
たアクリルエマルションを用いることにより、高い安定
性が得られ、可使時間が長くなる。本発明の樹脂組成物
により高い安定性が得られ可使時間が長くなる理由につ
いて詳細は不明であるが、以下のように推測される。
【0042】すなわち、一般に用いられる乳化剤は、ア
クリルエマルションの粒子表面に付着した状態であり、
何らかの作用によってアクリルエマルションの粒子表面
から乳化剤が離れる場合がある。従って、アクリルエマ
ルション粒子とポリイソシアネート粒子が共存する状況
下では、両者の接触等により、乳化剤がアクリルエマル
ションの表面から離れ、アクリルエマルション粒子とポ
リイソシアネート粒子が接触し反応する。これに対し
て、本発明のアクリルエマルションではラジカル重合性
乳化剤を用いているので、アクリルエマルション粒子か
らの乳化剤の脱離がなく、その結果ポリイソシアネート
粒子との反応が抑制される。このような理由により、本
発明では安定性が増加し、可使時間が長くなるものと考
えられる。
【0043】また、本発明では樹脂固形分酸価が5以下
のアクリルエマルションを用いている。このように低い
酸価のアクリルエマルションは、アクリルエマルション
を中性に保つための塩基の使用量が少ないため、塩基と
イソシアネート基との反応や、塩基によるイソシアネー
ト基と水との反応促進といった不都合を回避できる。ま
た、樹脂の親水性が低いため、ポリイソシアネート粒子
との接触が生じにくくなる。これらの理由から可使時間
が長くなるものと考えられる。
【0044】本発明の水性常温硬化性樹脂組成物は、従
来の水性樹脂組成物に比べ、非常に長い可使時間を得る
ことができる。従って、本発明の樹脂組成物を塗料とし
て用いる場合には、塗装作業性を向上させることができ
る。また、本発明に従えば、高い架橋度を得ることがで
き、従来に比べ優れた耐溶剤性及び硬度を得ることがで
きる。
【0045】
【実施例】実施例1 (アクリルエマルションの合成)攪拌機、温度制御装
置、滴下漏斗及び窒素導入管を備えたガラス製3リット
ルフラスコに、ラジカル重合性乳化剤としての「エレミ
ノールJS−2」(有効成分39%)3gを脱イオン水
303gに溶解させた乳化剤水溶液を仕込み、窒素雰囲
気下で83℃に加熱した。スチレン300g、メタクリ
ル酸メチル(MMA)260g、アクリル酸2−エチル
ヘキシル(EHA)240g及びアクリル酸4−ヒドロ
キシブチル(HBA)200gからなるモノマー混合物
1000gのうち50gをフラスコに仕込んだ後、重合
開始剤「ACVA」(大塚化学社製、有効成分80%)
10gに脱イオン水300gを加えジメチルエタノール
アミン(DMEA)5gで中和し溶解させた開始剤水溶
液の1/4量を加えて重合を開始させた。開始剤添加1
0分後から、上記モノマー混合物の残り950gを、
「エレミノールJS−2」23gを脱イオン水600g
に溶解した乳化剤水溶液に攪拌下に添加して乳化させ、
得られたモノマーエマルションを120分間にわたって
滴下するとともに、開始剤水溶液の残り3/4量を14
0分間にわたって均一に滴下した。滴下終了後そのまま
120分間同温度に加温、攪拌を続けて反応を終了させ
た。冷却後400メッシュの金網で濾過して得られたア
クリルエマルションの樹脂固形分は45%、pHは6.
6であった。
【0046】(塗料の調製)親水性ポリイソシアネート
「DC−3900」30gに攪拌下、脱イオン水30g
を少量ずつ添加して固形分50%の水分散物を得た。こ
れを即座に上記アクリルエマルション樹脂222gに加
えることによって常温硬化性のクリヤー塗料を得た。
【0047】(塗膜の形成と評価)上記塗料を塗料調製
後2時間目と8時間目に6ミルのドクターブレードを用
いてガラス板に塗布し、室温で1週間乾燥後下記の外
観、耐溶剤性及び鉛筆硬度試験を行い表1に示した結果
を得た。
【0048】 ・外観…塗膜の透明性及び平滑性を目視評価 ○:透明、平滑 △:若干の濁りまたはユズ肌 ×:不透明 ・耐溶剤性…キシレンをしみ込ませたガーゼで塗膜表面
を10往復擦り、そのまま溶剤を揮散させた後、表面の
状態を下記の基準で目視評価した。 ○:ほとんど無傷 ○〜△:軽い線状の傷 △:全体が薄く曇る △〜×:溶解 ×:素地が露出 ・鉛筆硬度…JIS K5400に従って評価した。
【0049】(塗料中のNCO基の定量)塗料を作成し
てから2時間後と8時間後のNCO基の残存率を滴定法
により求め、表1に示した結果を得た。
【0050】実施例2 実施例1と同様の装置を使用し、まずフラスコにラジカ
ル重合性乳化剤としての「Antox MS−60」
(有効成分90%)3gと「アクアロンRN−50」
(有効成分65%)8gを脱イオン水343gに溶解さ
せた乳化剤水溶液を仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下
で80℃に加熱した。スチレン300g、メタクリル酸
メチル(MMA)260g、アクリル酸2−エチルヘキ
シル(EHA)240g及びアクリル酸4−ヒドロキシ
ブチル(HBA)200gからなるモノマー混合物10
00gのうち50gをフラスコに仕込んだ後、過硫酸カ
リウム(KPS)3gを脱イオン水30gに溶解させた
開始剤水溶液の1/4量を加えて重合を開始させた。開
始剤添加10分後から、上記モノマー混合物の残り95
0gを、「Antox MS−60」19gと「アクア
ロンRN−50」23gを脱イオン水600gに溶解し
た乳化剤水溶液に攪拌下に添加して乳化させ、得られた
モノマーエマルションを120分間にわたって滴下する
とともに、残った開始剤水溶液を140分間にわたって
均一に滴下した。滴下終了後そのまま120分間同温度
で加熱、攪拌を続けた。冷却した後、トリエチルアミン
(TEA)2.2g/脱イオン水10gを滴下して中和
し反応を終了させた。実施例1と同様に塗料化し、表1
に記した評価結果を得た。
【0051】実施例3 実施例2の重合開始剤を過硫酸カリウムの代わりに「V
A−086」を6g使用し、反応温度を90℃に変更
し、最後の中和操作を除く他は同一の配合と操作で重合
した。塗料評価は実施例1と同様に行い、表1に記した
結果を得た。
【0052】実施例4〜7 表1に示した処方でACVAを使用して83℃で重合
し、各アクリルエマルション樹脂を得た。実施例6では
ポリイソシアネートとして「バイヒジュールTPLS−
2032」を使用する他は同様の配合、評価方法で行っ
た。これらの結果を表1に示す。
【0053】比較例1 乳化剤としてラジカル重合性を持たない「レベノールW
Z」(花王社製、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸ナトリウム 有効成分26%)を用い、そ
の他は実施例1と同様の手順で重合した。得られたアク
リルエマルション樹脂も実施例1と同様の配合で評価
し、表1に示した結果を得た。
【0054】比較例2 実施例1と同様の装置を使用し、まずフラスコに酢酸ブ
チル630gを仕込み、攪拌しながら窒素雰囲気下で1
10℃に加熱した。スチレン300g、メタクリル酸メ
チル(MMA)170g、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル(EHA)230g及びアクリル酸4−ヒドロキシブ
チル(HBA)200g、アクリル酸(AA)100g
及び重合開始剤「V−601」(和光純薬社製 ジメチ
ル−2,2´−アゾビスイソ酪酸)35gからなるモノ
マーと開始剤の混合物を180分間にわたって均一に滴
下した。滴下終了30分後に「V−601」7gと酢酸
ブチル70gからなる開始剤溶液を添加し、そのまま1
20分間同温度で加熱、攪拌を続けた後冷却し、反応を
終了させた。
【0055】上記樹脂溶液1742gを50℃に予備加
熱し、80℃に加熱したトリエチルアミン(TEA)4
2gと脱イオン水1549gの混合液に攪拌下少量ずつ
分割して添加し水に分散乳化させた。1時間同温度で攪
拌を続けた後冷却した。得られた乳化樹脂から酢酸ブチ
ルをロータリーエバポレーターを用いて水と共沸させて
除去し、最終的に樹脂固形分45%、pH6.8の実質
的に溶剤を含まない乳化樹脂を得た。これを実施例1と
同様に塗料化し、表1に記した評価結果を得た。
【0056】比較例3 実施例2のモノマー処方を表1に示したように変更する
以外(MAAはメタクリル酸を示す)は同様の操作で乳
化重合を行い、重合後、水酸化ナトリウム(NaOH)
2gの脱イオン水40g溶解液で中和した。実施例1と
同様の評価を行い、表1に示した結果を得た。
【0057】比較例4 実施例4のモノマー処方を表1に示したように変更する
以外は同様の操作で乳化重合を行い、同様の評価を行っ
た。
【0058】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ラジカル重合性不飽和基を有する
    乳化剤を用いて乳化重合させたイソシアネート基と反応
    する基を有する樹脂固形分酸価が5以下のアクリルエマ
    ルションと、 (B)水分散性のポリイソシアネート、 とを含有することを特徴とする水性常温硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記アクリルエマルションの樹脂固形分
    水酸基価が20〜200である請求項1に記載の水性常
    温硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記アクリルエマルションが、(a)水
    酸基含有不飽和モノマー、(b)酸性基含有不飽和モノ
    マー、及び(c)その他の不飽和モノマーからなる不飽
    和モノマー混合物を乳化重合させて得られるアクリルエ
    マルションである請求項1または2に記載の水性常温硬
    化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリイソシアネートが、脂肪族また
    は脂環族系のポリイソシアネート及びその誘導体の一部
    のイソシアネート基をポリエチレンオキシドモノアルキ
    ルエーテルと反応させて水分散性を付与したポリイソシ
    アネートである請求項1、2または3に記載の水性常温
    硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記乳化剤として、親水基が硫酸基、ス
    ルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、及びポリオキ
    シエチレン基から選ばれる少なくとも1種であり、疎水
    基が炭素数6〜60のアルキル基、アルケニル基、アラ
    ルキル基、アルキルアリール基、アリール基及びこれら
    を側鎖に持つ炭化水素基から選ばれる少なくとも1種で
    あり、ラジカル基がアリル基、プロペニル基、アクリロ
    イル基、メタクリロイル基、及びマレオイル基から選ば
    れる少なくとも1種である乳化剤を用いることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性常温硬化
    性樹脂組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036767A (ja) * 1996-07-25 1998-02-10 Kansai Paint Co Ltd 2液型水性塗料組成物
US7745530B2 (en) 2001-06-28 2010-06-29 Daikin Industries, Ltd. Aqueous emulsion resin compositions
JP2016040388A (ja) * 2009-01-09 2016-03-24 アイデアペイント インコーポレイテッドIdeapaint,Inc. 書込み可能−消去可能表面のための常温硬化型水性コーティング
CN115052942A (zh) * 2020-02-18 2022-09-13 日本电石工业株式会社 聚烯烃基材涂布用树脂组合物

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