JP2711932B2 - Pc柱とpc壁との接合方法 - Google Patents

Pc柱とpc壁との接合方法

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JP2711932B2 JP24816790A JP24816790A JP2711932B2 JP 2711932 B2 JP2711932 B2 JP 2711932B2 JP 24816790 A JP24816790 A JP 24816790A JP 24816790 A JP24816790 A JP 24816790A JP 2711932 B2 JP2711932 B2 JP 2711932B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この出願の発明は、プレキャストコンクリート製(こ
の明細書てはPCという)柱とPC壁との接合方法、特に、
壁式ラーメン工法におけるPC壁柱とPC耐震壁との接合方
法に関する。
従来の技術 従来の壁式ラーメン工法におけるPC壁柱とPC耐震壁と
の接合方法には、たとえば、第11図および第12図に示す
ように、壁柱を構成する一対のPC柱1a、1bの接合端面に
閉鎖型水平接合筋4a、4bを突設し、この接合筋4a、4bの
基部に両端フック付き幅止め筋5a、5bを取付け、また一
対のPC耐震壁6a、6bの端面にU字型水平接合筋9a、9bを
突設し、先ず一方のPC柱1aを閉鎖型水平接合筋4aにより
下部軸筋を包囲して据付け、次に前記一対のPC耐震壁6
a、6bを前記PC柱1aに直角に相対して据付け、PC耐震壁
のU字型水平接合筋9a、9bにループ型水平接合筋12を跨
いで添設し、次に他方のPC柱1bを前記一方のPC柱1aに対
峙させ、かつ閉鎖型水平接合筋4bにより他方の所定の下
部軸筋を包囲して据付けたのち、水平接合添筋13をこの
添筋13の両端フックが前記幅止め筋5a、5bの両端フック
に重塁するように閉鎖型水平接合筋4a、4bに添設し、次
に軸筋14a、14bを閉鎖型水平接合筋4a、4bに挿入して下
部軸筋に重ね接合し、壁柱側組立筋15a、15bを前記閉鎖
型水平接合筋4a、4bと幅止め筋5a、5bにより形成される
枠内の隅部に配設し、壁側組立筋16を前記U字型水平接
合筋9a、9bとループ型水平接合筋12の重なり部の輪枠に
挿入して鉄筋組を完成させ、鉄筋組立を封塞するように
型枠を組み、コンクリートを打設して鉛直接合部を建造
するもの(特公平2−5213号公報参照)がある。
発明が解決しようとする課題 前記の従来の接合方法によると、コンクリートの打設
により形成される鉛直接合部が横方向に拘束され、性能
が良いといわれているいるが、次ぎの(イ)ないし
(ハ)等の欠点がある。
(イ)鉛直接合部の耐震壁に直交する部分のコンクリー
ト量が多いため、耐震壁の面内破壊に対しては横拘束す
る必要がない。
(ロ)閉鎖型水平接合筋4a、4bおよびU字型水平接合筋
9a、9bがループ状になっているため、PC柱およびPC耐震
壁をプレキャストする際の型枠の製作、脱型等の作業が
煩雑になる。
(ハ)接合部の配筋が煩雑になり、手間がかかる。
この発明の解決しようとする課題は、上記の欠点のな
いPC柱とPC壁との接合方法を提供すること、換言する
と、PC柱およびPC壁をプレキャストする際の型枠の製
作、脱型等の作業が簡単で、かつ接合部の配筋作業が簡
単なPC柱とPC壁との接合方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 この発明は、前記課題を解決するための手段として、
次の構成を採用する。
この発明の構成は、PC柱に長手方向に延びる接合空間
を形成し、該接合空間内に水平連結筋の一部を露出させ
て、PC柱を形成し、PC壁の端部分のコンクリート中に、
各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋の少なくとも二つの
交差部列を含む部分を埋設し、前記連結格子鉄筋の少な
くとも一つの交差部列を含む部分をPC壁の端面から突出
させて、PC壁を形成し、前記PC柱の下部を下部躯体に取
付け、各PC壁の端面から突出している連結格子鉄筋を前
記接合空間内に位置させて、PC壁の下部を下部躯体に取
付け、各PC壁から突出した連結格子鉄筋の鉄筋により囲
まれる空間内に、前記PC柱の水平連結筋の露出した部分
または該部分に添えた水平連結添え筋を位置させて、PC
壁の端部分とPC柱の側面との間の隙間を型板で塞いで型
を形成し、型内にコンクリートを打設して接合部を建造
し、該接合部を介してPC柱とPC壁とを接合することを特
徴とするPC柱とPC壁との接合方法にある。
この発明の接合方法は、PC壁柱とPC耐震壁との接合に
適しており、PC壁柱は一体のPC柱で構成してもよいし、
一対のPC柱で構成してもよい。
PC壁柱を一体にPC柱で構成する場合は、両側面または
一側面の略中央に接合空間となる長手方向の凹溝を形成
し、この凹溝内に水平連結鉄筋を構成する帯筋の一部を
露出させる。PC壁柱を一対のPC柱で構成する場合は、一
対のPC柱をその接合端面を互いに対向させて配置し、前
記接合端面間に所定の接合空間を形成し、各PC柱の端面
に水平接合筋の端部分を露出させる。
各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋としては、略同じ
長さの複数の第1の鉄筋を間隔おいて且つ接合面に対し
て略45゜傾斜して配置し、略同じ長さの複数の第2の鉄
筋を間隔おいて且つ前記複数の第1の鉄筋に対して略90
゜の角度をなして交差させて配置し、第1の鉄筋と第2
の鉄筋の交差部を第1および第2の鉄筋の長手方向に少
なくとも3以上形成し、各交差部を溶接して形成した連
結格子鉄筋を使う。
PC壁柱を一本のPC柱で構成する場合は、PC壁柱の下部
を下部躯体に取付け、PC耐震壁の端面から突出している
連結格子鉄筋の各鉄筋の端部間の各隙間とPC壁柱の前記
凹溝内に露出している各帯筋の部分とを合わせ、PC耐震
壁をPC壁柱に向けて移動させ、PC耐震壁から突出した連
結格子鉄筋の各鉄筋により囲まれる空間内にPC壁柱の凹
溝内に露出している帯筋の部分を位置させ、PC耐震壁を
下部躯体に取付ける。
PC壁柱を一対のPC柱で構成する場合は、一対のPC柱の
下部をその接合端面を互いに対向させ且つ前記接合端面
間に所定の接合空間を形成して下部躯体に取付けてPC壁
柱を形成してから、 (1)各PC柱の水平接合筋の露出する端部分に水平連結
添え筋を添設し、且つ水平連結添え筋および(または)
水平接合筋の端部分に幅止め筋のフックを掛けてから、
PC耐震壁から突出している連結格子鉄筋の各鉄筋の端部
間の各隙間と前記空間内にある水平連結添え筋とを合わ
せ、PC耐震壁を前記接合空間に向けて移動させ、PC耐震
壁から突出した連結格子鉄筋の各鉄筋により囲まれる空
間内に前記水平連結添え筋を位置させて、各PC耐震壁の
下部を下部躯体に取付け、または、 (2)各PC耐震壁の端面から突出している連結格子鉄筋
を前記接合空間内に位置させて、PC耐震壁の下部を下部
躯体に取付け、各PC柱の水平接合筋の露出する端部分に
水平連結添え筋を添設し、水平連結添え筋および(また
は)水平接合筋の端部分に幅止め筋のフックを掛け、若
しくは、 (3)各PC柱の対向する水平接合筋の露出する端部分に
幅止め筋のフックを掛けてから、各PC耐震壁の端面から
突出している連結格子鉄筋を前記接合空間内に位置させ
て、PC耐震壁の下部を下部躯体に取付け、各PC柱の水平
接合筋の露出する端部分に水平連結添え筋を添設する。
そして、PC耐震壁の端部分とPC壁柱の側面との間の隙
間を型板で塞いで型を形成し、型内にコンクリートを打
設して鉛直接合部を建造し、該鉛直接合部を介してPC壁
柱とPC耐震壁とを接合する。
なお、水平連結添え筋は、たとえば、水平接合筋の露
出する端部分に重ね継ぎする。
実施例 この発明の第1実施例を第1図ないし第4図を使って
説明する。
壁式ラーメン工法は、集合住宅のような平面視が長い
矩形状の建物Bの建造に使われる工法で、PC壁柱やPC耐
震壁とを使ってこの工法を実施する場合は、PC壁柱およ
びPC耐震壁を第4図に示すように配置し、壁柱10と耐震
壁20とを接合する。
PC壁柱10は、第1図および第4図に示すように、横断
面が幅に対して長さが大きい長方形のPC鉄筋コンクリー
トで構成され、このPC壁柱10は、平面視の建物の長手方
向に対して直角な端面に近い部分に主筋11aが配筋さ
れ、前記端面から離れた部分に主筋11bが配筋され、中
央に近い部分に主筋11aが配筋され、各主筋11a、11b、1
1cの周囲に帯筋12が配筋され、各主筋11a、11bの周囲に
帯筋13が配筋され、主筋11c、11cに対応する帯筋12の部
分に幅止め筋14の両端のフック部14aが掛けられてい
る。
そして、壁柱10の平面視の建物の長手方向の両側面の
中央には、壁柱10の長手方向に延びる接合空間となる凹
溝15が形成され、凹溝15内に水平接合筋を構成する帯筋
12の中央部分12aが露出している。
PC耐震壁20は、第1図ないし第4図に示すように、PC
鉄筋コンクリートで厚い長方形に構成され、縦鉄筋21a
と横鉄筋21bを直角に交差させて形成した壁鉄筋21が間
隔をおいて二層配設され、PC耐震壁20のPC壁柱10側の端
部分の二層の壁鉄筋21に連結格子筋22がそれぞれ添設さ
れている。
連結格子鉄筋22の形成法は、たとえば、鉄筋22aと鉄
筋22bを直角に交差させ、その交差部22cを溶接により結
合して形成した溶接格子を、各鉄筋22a、22bが略45゜傾
斜するように配置して、交差部列が少なくとも3列含ま
れるように、溶接格子の交差部22cと交差部22cの間の鉄
筋22a、22bを切断して形成する。
そして、連結格子鉄筋22の少なくとも二つの交差部列
を含む部分がコンクリート中に埋設され、連結鉄筋22の
一つの交差部列を含む部分が耐震壁20の端面から突出す
るように、連結格子鉄筋22が耐震壁20の端部分の壁鉄筋
21に添設する。
なお、連結格子鉄筋22は、その量を壁鉄筋21の鉄筋量
に合わせる。太い鉄筋22a、22bを使って、連結格子鉄筋
22を一層にしても良い。
PC耐震壁20は、第3図に示すように、その上側部が壁
梁になっていて、この壁梁になっている部分に下側の梁
主筋が埋設され、その端部23aが耐震壁20の端面から突
出させてあり、また、前記梁主筋の周囲に配設された肋
筋は、その主な部分が耐震壁20中に埋設され、その上部
24aの一部のみが耐震壁20の上面から突出している。
次に、PC壁柱10とPC耐震壁20との接合方法を説明す
る。
第1図、第2図および第4図に示すように、壁柱10の
下部を、通常の方法により下部躯体に取付ける。PC耐震
壁20の端面をPC壁柱10の長手方向の凹溝15に対向させて
建て、かつPC耐震壁20の端面から突出している連結格子
鉄筋22の交差部22cより先の各鉄筋22a、22bの切断端間
の隙間22dをPC壁柱10の前記凹溝16内に露出している帯
筋12の中央部分12aに合わせて、PC耐震壁20を壁柱10に
向けて水平移動させて、PC耐震壁から突出している連結
格子鉄筋の各鉄筋により囲まれる空間22e内にPC壁柱の
凹溝内に露出している帯筋の中央の部分を位置させて、
第1図および第2図に示す状態にし、PC耐震壁20の下部
を通常の方法により下部躯体に取付ける。
そして、PC耐震壁20の端部分とPC壁柱10の側面との間
の隙間を型板Pで塞いで型を形成し、型内にコンクリー
トを打設して鉛直接合部を建造し、この鉛直接合部を介
してPC壁柱10とPC耐震壁20とを接合する。
なお、対向する一対のPC耐震壁20の上側部の壁梁は、
その端面から突出している梁主筋の端部23を使って通常
の方法により互いに結合し、また、且つPC耐震壁20の壁
梁の上方部には、壁梁の肋筋の露出している上部24aを
使って通常の方法により床スラブを形成する。
第1実施例においては、PC耐震壁20の端面に露出して
いる連結格子鉄筋22の交差部22cの切断端間の隙間22dを
PC壁柱10の凹溝16内に露出している帯筋12の中央部分12
aに合わせて、PC耐震壁20をPC壁柱10に向けて水平移動
させ、PC耐震壁から突出した連結格子鉄筋の各鉄筋によ
り囲まれる空間22e内にPC壁柱の前記凹溝内に露出して
いる各帯筋の中央部分を位置させるだけで、PC耐震壁20
の連結格子鉄筋22とPC壁柱10の帯筋12との所望の関係が
設定されるから、接合部の配筋作業が非常に簡単にな
る。また、PC壁柱10はその凹溝15内に帯筋12の中央部分
12aを露出させ、PC耐震壁20は平面状の連結格子鉄筋を
その端面から突出させるだけでよいから、PC壁柱10およ
びPC耐震壁20をプレキャストするときの型枠の製作、脱
型等の作業は容易になる。さらに、連結鉄筋22はそれを
構成する各鉄筋22a、22bが接合面に対して略45゜傾斜す
るように配置され、連結格子鉄筋22の少なくとも二つの
交差部列がコンクリート中に埋設され、その一つの交差
部列が後打ちされる鉛直接合部中に埋設されるから、連
結鉄筋22を構成する各鉄筋22a、22bが抜けることがな
い。しかも、鉛直接合部とPC耐震壁20の端面との接合面
に作用する剪断力は、各鉄筋22a、22bが接合面に対して
略45゜傾斜しているから、各鉄筋22a、22bに対して引っ
張り力(および圧縮力)として作用する。そのため、鉄
筋を接合面に対して直角に配置する場合のように、前記
剪断力が鉄筋に対して曲げ力として作用することがなく
(鉄筋は曲げ強度より引っ張り強度が大きいから)、前
記接合面に大きな剪断力が作用しても、接合部分が破損
するようなことはない。
この発明の第2実施例を第4図ないし第8図を使って
説明する。
壁柱は横断面が長方形に一対のPC柱30A、30Bで構成さ
れる。PC柱30A、30Bは建物の長手方向に対して直角な外
側の端面に近い部分に主筋31aが配筋され、内側の端面
に近い部分に主筋31bが配設され、柱の長手方向に間隔
をおいて、U字型の水平接合筋32が配設され、各主筋31
a、31bの周囲に帯筋33が配設されている。U字型の水平
接合筋32の二つの端部分32aがPC柱30A、30Bの接合端面
から露出し、その端部にフック32a1が形成されている。
PC耐震壁20として、第1実施例と同じのPC耐震壁を使用
する。
次に、一対のPC柱30A、30BからなるPC壁柱30とPC耐震
壁20との接合方法を説明する。
一対のPC柱30A、30Bの下部を、その接合端面を互いに
対向させ且つ前記接合端面間に所定の接合空間40を形成
して、通常の方法により下部躯体に取付け、PC壁柱30を
形成する。第5図に示すように、前記接合空間40内の水
平接合筋32のフック32a1に対応する位置に縦筋41を建て
る。次に、第6図に示すように、PC柱30A、30Bの水平接
合筋32の端部分32aに水平連結添え筋42の端部分を重ね
て添設し、PC柱30Aの端部分32aとPC柱30Bの端部分32aと
を連結する。更に、第7図に示すように、前記フック32
a1に対応する部分の水平連結添え筋42および(または)
水平接合筋32の端部分32aに幅止め筋43の両端フック43a
を掛けて、幅止め筋43を配設する。
次に、各PC耐震壁10を、その端面の中心が前記空間40
の中心線に一致するように建て、かつPC耐震壁10の端面
から突出している連結格子鉄筋22の交差部22cより先の
各鉄筋22a、22bの切断端面の各隙間22dをPC柱30A、30B
間の空間40内に位置している各水平連結添え筋42の中央
部分42aに合わせて、PC耐震壁20の端面が前記隙間40内
に少々入るように水平移動させ、第7図および第8図に
示すように、PC耐震壁から突出した連結格子鉄筋の各鉄
筋により囲まれる空間22e内に、前記接合空間40にある
各水平連結添え筋42の中央部分が位置する状態にする。
PC耐震壁20の端部分とPC柱30A、30Bの側面との間の隙間
を型抜Pで塞いで型を形成し、型内にコンクリートを打
設して鉛直接合部を建造し、この鉛直接合部を介して一
対のPC柱なるPC壁柱とPC耐震壁20とを接合する。
第2実施例においては、各水平接合筋32の露出した端
部分32aに水平連結添え筋42を添筋し、各水平接合筋32
のフック32a1に対応する水平連結添え筋42の部分および
水平接合筋32の部分32aに幅止め筋42の両端フックaを
掛けてから、PC耐震壁20をその端部が前記空間40内に少
々入るように水平移動させて、PC耐震壁から突出した連
結格子鉄筋22の各鉄筋により囲まれる空間22e内に、各
水平連結添え筋42の中央部分を位置させているが、前記
空間40とPC耐震壁20の端部との位置が所定の位置関係に
なるように、PC柱30A、30BおよびPC耐震壁20の下部を下
部躯体に取付けてから、各水平接合筋32の露出した部分
32aに水平連結添え筋42を添設し、フック32a1に対応す
る水平連結添え筋42の部分および(または)水平接合筋
32の端部分32aに幅止め筋42の両端フックaを掛けるよ
うにしてもよい。この場合は、連結格子鉄筋22の突出し
た部分の長さを大きくすることができる。すなわち、連
結格子鉄筋22の二つ以上の交差部列が耐震壁20の端面か
ら突出するようにすることができる。この場合は、水平
連結添え筋42は連結格子鉄筋22の格子目内に通して添設
する。また、一方の側のPC耐震壁20の連結格子鉄筋22と
他方の側のPC耐震壁20の連結格子鉄筋22とが重なるよう
にすることもできる。
この発明の第3実施例が第9図および第10図に示さ
れ、PC柱30、PC耐震壁20等の構成や、それらの接合の仕
方等は第2実施例と同じで、第3実施例と第2実施例と
の相違点は、一方の側のPC耐震壁20の連結格子鉄筋22の
突出した部分と他方の側のPC耐震壁20の連結格子鉄筋22
の突出した部分とに沿って、縦筋50aと横筋50bとの交点
を溶接して形成した補強格子筋50を添設する点のみであ
る。補強格子筋50は前記空間40内に上方から差し込むこ
とにより、容易に添設できる。補強格子筋50の添設によ
りPC壁柱とPC耐震壁との結合が強化される。
発明の作用効果 この発明のPC柱とPC壁との接合方法は、PC柱に長手方
向に延びる接合空間を形成し、該接合空間内に水平連結
筋の一部を露出させて、PC柱を形成し、PC壁の端部分の
コンクリート中に、各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋
の少なくとも二つの交差部列を含む部分を埋設し、前記
連結格子鉄筋の少なくとも一つの交差部列を含む部分を
PC壁の端面から突出させて、PC壁を形成し、前記PC柱の
下部を下部躯体に取付け、各PC壁の端面から突出してい
る連結格子鉄筋を前記整合空間内に位置させて、PC壁の
下部を下部躯体に取付け、各PC壁から突出した連結格子
鉄筋の鉄筋により囲まれる空間内に、前記PC柱の水平連
結筋の露出した部分または該部分に添えた水平連結添え
筋を位置させて、PC壁の端部分とPC柱の側面との間の隙
間を型抜で塞いで型を形成し、型内にコンクリートを打
設して接合部を建造し、該接合部を介してPC柱とPC壁と
を接合するから、PC柱およびPC壁をプレキャストすると
きの型枠の製作、脱型等の作業は容易になり、連結格子
鉄筋が抜けることがなく、しかも、鉛直接合部とPC壁の
端面との接合面に大きな剪断力が作用しても、連結格子
鉄筋の各鉄筋が接合面に対して傾斜(略45゜)している
ため、連結格子鉄筋を構成する各鉄筋に対して引っ張り
力(および圧縮力)として作用し、接合部分で連結格子
鉄筋が破損することはない。
また、請求項2および3のようにすると、PC耐震壁を
PC壁柱の凹溝または接合空間に向けて水平移動させるだ
けで、PC耐震壁から突出した連結格子鉄筋の各鉄筋によ
り囲まれる空間内にPC壁柱の凹溝内に露出している帯筋
またはPC柱の水平接合筋の端部分に添設した水平連結添
え筋を位置させることができから、接合部分の配筋作業
が非常に容易になる。
さらに、請求項4および5のようにすると、PC耐震壁
を水平移動させる必要がなく、しかも、連結格子鉄筋の
突出する部分の長さを大きくすることができ、PC壁柱と
PC耐震壁との結合が強化される。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は第1実施例を示すもので、第1図
は接合位置におけるPC壁柱とPC耐震壁との関係を示す平
面図、第2図は第1図のものをそのI−I線で断面した
正面図、第3図はPC耐震壁の一部を示す斜視図、第4図
は壁式ラーメン工法により建造される建物のPC壁柱とPC
耐震壁との関係の概略を示す平面図であり、第5図ない
し第8図は第2実施例を示すもので、第5図はPC壁柱の
平面図、第6図はPC壁柱と水平連結添え筋との関係を示
す平面図、第7図は接合位置におけるPC壁柱、PC耐震
壁、水平連結添え筋および幅止め筋の関係等を示す平面
図、第8図は第7図のものをそのII−II線で断面した正
面図、第9図は第3実施例の接合位置におけるPC壁柱、
PC耐震壁、水平連結添え筋、幅止め金筋、補強格子筋の
関係等を示す平面図、第10図は第9図のものをそのIII
−III線で断面した正面図であり、第11図は従来の壁式
ラーメン工法により建造される建物のPC壁柱、PC耐震
壁、各種鉄筋等を示す斜視図、第12図は第11図のものの
平面図である。 図中、10はPC壁柱、11a、11b、11c、31aおよび31bは主
筋、12、13、および33は帯筋、13aは帯筋の中央部分、1
4は幅止め筋、15は凹溝、20はPC耐震壁、21は壁鉄筋、2
2は連結格子鉄筋、22aおよび22bは鉄筋、22cは交差部、
23aは梁主筋の端部分、30はPC壁柱、30Aおよび30BはPC
柱、32は水平接合筋、32aは水平接合筋の端部分、32a1
はフック、40は接合空間、41は縦筋、42は水平連結添え
筋、43は幅止め筋、50は補強格子筋である。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PC柱に長手方向に延びる接合空間を形成
    し、該接合空間内に水平連結筋の一部を露出させて、PC
    柱を形成し、PC壁の端部分のコンクリート中に、各鉄筋
    が傾斜している連結格子鉄筋の少なくとも二つの交差部
    列を含む部分を埋設し、前記連結格子鉄筋の少なくとも
    一つの交差部列を含む部分をPC壁の端面から突出させ
    て、PC壁を形成し、前記PC柱の下部を下部躯体に取付
    け、各PC壁の端面から突出している連結格子鉄筋を前記
    接合空間内に位置させて、PC壁の下部を下部躯体に取付
    け、各PC壁から突出した連結格子鉄筋の鉄筋により囲ま
    れる空間内に、前記PC柱の水平連結筋の露出した部分ま
    たは該部分に添えた水平連結添え筋を位置させて、PC壁
    の端部分とPC柱の側面との間の隙間を型板で塞いで型を
    形成し、型内にコンクリートを打設して接合部を建造
    し、該接合部を介してPC柱とPC壁とを接合することを特
    徴とするPC柱とPC壁との接合方法。
  2. 【請求項2】PC壁柱の側面の略中央に長手方向の結合凹
    溝を形成し、該結合凹溝内に帯筋の一部を露出させて、
    PC壁柱を形成し、PC耐震壁の端部分のコンクリート中
    に、各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋の少なくとも二
    つの交差部列を含む部分を埋設し、前記連結格子鉄筋の
    一つの交差部列を含む部分をPC耐震壁の端面から突出さ
    せて、PC耐震壁を形成し、前記PC壁柱の下部を下部躯体
    に取付け、PC耐震壁の端面から突出している連結格子鉄
    筋の各鉄筋の端部間の隙間とPC壁柱の前記接合凹溝内に
    露出している帯筋の部分とを合わせ、PC耐震壁をPC壁柱
    に向けて移動させ、PC耐震壁から突出した連結格子鉄筋
    の各鉄筋により囲まれる空間内にPC壁柱の前記結合凹溝
    内に露出している帯筋を位置させ、PC耐震壁を下部躯体
    に取付け、PC耐震壁の端部分とPC壁柱の側面との間の隙
    間を型板で塞いで型を形成し、型内にコンクリートを打
    設して鉛直接合部を建造し、該鉛直接合部を介してPC壁
    柱とPC耐震壁とを接合することを特徴とするPC壁柱とPC
    耐震壁との接合方法。
  3. 【請求項3】PC柱をその接合端面に水平接合筋の端部分
    を露出させて形成し、PC耐震壁の端部分のコンクリート
    中に、各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋の少なくとも
    二つの交差部列を含む部分を埋設し、前記連結格子鉄筋
    の一つの交差部列を含む部分をその端面から突出させ
    て、PC耐震壁を形成し、一対の前記PC柱の下部をその接
    合端面を互いに対向させ且つ前記接合端面間に所定の接
    合空間を形成して下部躯体に取付けてPC壁柱を形成し、
    各PC柱の水平接合筋の露出する端部分に水平連結添え筋
    を添設し、且つ水平連結添え筋および(または)水平接
    合筋の端部分に幅止め筋のフックを掛けてから、PC耐震
    壁の端面から突出している連結格子鉄筋の各鉄筋の端部
    間の各隙間と前記空間内にある水平連結添え筋とを合わ
    せ、PC耐震壁を前記接合空間に向けて移動させ、PC耐震
    壁から突出した連結格子鉄筋の各鉄筋により囲まれる空
    間内に前記水平連結添え筋を位置させて、各PC耐震壁の
    下部を下部躯体に取付け、PC耐震後の端部分とPC壁柱の
    側面との間の隙間を型板で塞いで型を形成し、型内にコ
    ンクリートを打設して鉛直接合部を建造し、該鉛直接合
    部を介してPC壁柱とPC耐震壁とを接合することを特徴と
    するPC壁柱とPC耐震壁との接合方法。
  4. 【請求項4】PC柱の接合端面に水平接合筋の端部分を露
    出させてPC柱を形成し、PC耐震壁の端部分のコンクリー
    ト中に、各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋の少なくと
    も二つの交差部列を含む部分を埋設し、前記連結格子鉄
    筋の少なくとも一つの交差部列を含む部分をPC耐震壁の
    端面から突出させて、PC耐震壁を形成し、一対の前記PC
    柱をその接合端面を互いに対向させ且つ前記接合端面間
    に所定の接合空間を形成して下部躯体に取付けてPC壁柱
    を形成し、かつ各PC耐震壁の端面から突出している連結
    格子鉄筋を前記接合空間内に位置させて、PC耐震壁の下
    部を下部躯体に取付け、各PC柱の水平接合筋の露出する
    端部分に水平連結添え筋を添設し、且つ水平連結添え筋
    および(または)水平接合筋の端部分に幅止め筋のフッ
    クを掛け、PC耐震壁の端部分とPC壁柱の側面との間の隙
    間を型板で塞いで型を形成し、型内にコンクリートを打
    設して鉛直接合部を建造し、該鉛直接合部を介してPC壁
    柱とPC耐震壁とを接合することを特徴とするPC壁柱とPC
    耐震壁との接合方法。
  5. 【請求項5】PC柱の接合端面に水平接合筋の端部分を露
    出させてPC柱を形成し、PC耐震壁の端部分のコンクリー
    ト中に、各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋の少なくと
    も二つの交差部列を含む部分を埋設し、前記連結格子鉄
    筋の少なくとも一つの交差部列を含む部分をPC耐震壁の
    端面から突出させて、PC耐震壁を形成し、一対の前記PC
    柱をその接合端面を互いに対向させ且つ前記接合端面間
    に所定の接合空間を形成して下部躯体に取付けてPC壁柱
    を形成し、各PC柱の対向する水平接合筋の露出する部分
    に幅止め筋のフックを掛けてから、各PC耐震壁の端面か
    ら突出している連結格子鉄筋を前記接合空間内に位置さ
    せて、PC耐震壁の下部を下部躯体に取付け、各PC柱の水
    平接合筋の露出する端部分に水平連結添え筋を添設し、
    PC耐震壁の端部分とPC壁柱の側面との間の隙間を型板で
    塞いで型を形成し、型内にコンクリートを打設して鉛直
    接合部を建造し、該鉛直接合部を介してPC壁柱とPC耐震
    壁とを接合することを特徴とするPC壁柱とPC耐震壁との
    接合方法。
  6. 【請求項6】一方の側のPC耐震壁の突出する連結格子鉄
    筋と他方の側のPC耐震壁の突出する連結格子鉄筋とに沿
    って、縦筋と横筋との交差部を溶接して形成した補強溶
    接格子筋を添設することを特徴とする請求項1および3
    ないし5のいずれか一つの項記載のPC壁柱とPC耐震壁と
    の接合方法。
  7. 【請求項7】各鉄筋が傾斜している連結格子鉄筋とし
    て、略同じ長さの複数の第1の鉄筋を間隔おいて且つ接
    合面に対して略45゜傾斜して配置し、略同じ長さの複数
    の第2の鉄筋を間隔おいて且つ前記複数の第1の鉄筋に
    対して略90゜の角度をなして交差させて配置し、第1の
    鉄筋と第2の鉄筋の交差部を第1および第2の鉄筋の長
    手方向に少なくとも3以上形成し、各交差部を溶接して
    形成した連結格子鉄筋を使うことを特徴とする請求項1
    ないし6のいずれか一つの項記載のPC壁柱とPC耐震壁と
    の接合方法。
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