JPH0350846B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は鉄骨鉄筋コンクリート造柱の施工方法
に係るものである。

（従来の技術） 鉄骨鉄筋コンクリート造柱は鉄骨柱部分と鉄筋
の接合方法が異なるため、プレキヤスト化しても
鉄骨柱部分の接合と鉄筋の接合を別々に行つたの
ち、後打ちコンクリートで接合部分を充填し、一
体化を図つていた。

（発明が解決しようとする問題点） このように前記従来の工法によれば、鉄骨柱部
分と鉄筋部分の接合が別々に行なわれるために、
施工上の利点が少なかつた。

また鉄骨柱部分の外側に柱主筋があるために、
この鉄筋が邪魔になつて鉄骨の接合がやりにくい
等、一般に鉄骨鉄筋コンクリート造柱のプレキヤ
スト化は出来にくいという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提
案されたもので、鉄骨鉄筋コンクリート柱の鉄骨
柱部分を組立てたのち、溝型またはＬ型のコンク
リート部片に複数の柱主筋及び同各柱主筋を囲繞
する帯筋が埋設され、且つ同帯筋における前記コ
ンクリート部片の端部からの突出端部にフツク部
が曲成されたプレキヤスト鉄筋コンクリート外殻
部材で前記鉄骨柱を囲むとともに、相隣る前記外
殻部材における各帯筋突出端部のフツク部を交差
させ、同交差部に縦筋を挿貫したのち、前記各外
殻部で囲まれた空間内にコンクリートを打設する
ことを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート造柱の施
工方法に係るものである。

（作用） 本発明は前記したように、溝型またはＬ型のコ
ンクリート部片に、複数の柱主筋及び同各柱主筋
を囲繞する帯筋が埋設され、且つ同帯筋における
前記コンクリート部片の端部からの突出端部がフ
ツク部に曲成されたプレキヤスト鉄筋コンクリー
ト外殻部材を構成し、同外殻部材で鉄骨柱部分を
囲むとともに、相隣る同外殻部材における各帯筋
のコンクリート部片からの突出端部に曲成された
フツク部を交差させて、同交差部に縦筋を挿入し
て前記各外殻部材に内蔵された帯筋によつてその
端部フツク部と縦筋とを介して前記鉄骨柱を取り
囲む連続した帯筋を構成し、しかるのち前記外殻
部材を型枠として、同各外殻部材で囲まれた空間
内にコンクリートを打設し、かくして鉄骨柱部分
とプレキヤスト鉄筋コンクリート外殻部材とを一
体化して鉄骨鉄筋コンクリート造柱を施工するも
のである。

（発明の効果） このように本発明によれば鉄骨柱部分と鉄筋コ
ンクリート外殻部材とを別々に工場生産し、鉄骨
柱部分と鉄筋コンクリート外殻部材とを現場にお
いて別々に接合し、同鉄筋コンクリート外殻部材
を型枠として同部材によつて囲繞された空洞部分
にコンクリートを打設することによつて型枠工事
を不要ならしめ、施工を大幅に簡略化しようとす
るものである。

また前記Ｌ型または溝型のプレキヤスト鉄筋コ
ンクリート外殻部材は、相隣る帯筋の突出端部に
設けたフツク部の交差部に挿貫された縦筋のだぼ
作用によつて一体化され、構造的に信頼性の高い
鉄骨鉄筋コンクリート造柱が構成されるものであ
る。

（実施例） 以下本発明を図面に示す実施例について説明す
る。

１は角筒体を２分割した溝型のプレキヤスト鉄
筋コンクリート外殻部材で、同外殻部材における
溝型コンクリート部片の隅角部に配設された柱主
筋２及び同柱主筋２を囲繞する帯筋３が埋設され
るとともに、同帯筋３の両端部が部材端面より突
出され、90度のフツク３ａが曲成されている。

而して柱鉄骨４を組立てたのち、前記一双のプ
レキヤスト鉄筋コンクリート外殻部材１を柱鉄骨
４を囲繞するように組立てる。この際、必ず相隣
る外殻部材１における帯筋３端部のフツク部３ａ
が交差するようにしておくものである。

次いで前記フツク部３ａの交差部に縦筋５を挿
貫したのち、前記各プレキヤスト鉄筋コンクリー
ト外殻部材１によつて囲繞された空洞部分にコン
クリート６を打設して柱鉄骨４とプレキヤスト鉄
筋コンクリート外殻部材１とを一体化し、鉄骨鉄
筋コンクリート造柱を施工する。

この際、前記一双のプレキヤスト鉄筋コンクリ
ート外殻部材１の帯筋３の突出端部に設けたフツ
ク部３ａの交差部に挿貫された縦筋５のだぼ作用
によつて帯筋３が拘束されることによつて鉄筋コ
ンクリート部分は強固になり、通常の鉄骨鉄筋コ
ンクリート造柱と同性能の柱が構成される。

第１図は本発明を独立柱に適用した場合を示す
ものである。また第２図は耐震壁７が鉄骨鉄筋コ
ンクリート造柱の両側に配設された場合を示し、
この場合、耐震壁７の厚み分だけプレキヤスト鉄
筋コンクリート外殻部材１のフランジ部分を短く
作成する。

第３図は４方向に耐震壁が配設される場合に本
発明を適用した実施例を示し、この場合はプレキ
ヤスト鉄筋コンクリート外殻部材１は角筒体を４
分したＬ型の部材に構成される。

なお前記プレキヤスト鉄筋コンクリート外殻部
材１の柱主筋２の接合は第４図に示したように、
同部材１に内蔵されている柱主筋２の柱脚部に鉄
筋接合用スリーブ８を取付け、同スリーブ８を介
して接合するか、または柱脚部での重ね継ぎとす
るものである。

図中、９は梁、１０はスラブで、柱主筋２はス
ラブ面より同柱主筋の接合に必要な長さｈだけ突
出される。

図示の実施例によればこのように、柱鉄骨４部
分とプレキヤスト鉄筋コンクリート外殻部材１よ
り構成された鉄筋コンクリート部材とが別々に接
合され、前記外殻部材１が型枠を兼用して、コン
クリートの打設は同外殻部材１によつて囲繞され
た空洞部分だけとなるので型枠工事が不要とな
り、施工を大幅に簡略化しうるものである。

また前記Ｌ型または溝型のプレキヤスト鉄筋コ
ンクリート外殻部材１は、相隣る帯筋３の突出端
部に設けたフツク部３ａの交差部に挿貫された縦
筋５のだぼ作用によつて一体化され、構造的に信
頼性の高い鉄骨鉄筋コンクリート造柱が構成され
るものである。

更にまた前記実施例によれば、耐震壁７と鉄骨
鉄筋コンクリート造柱との接合が容易に行われる
ものである。

なお前記したように型枠を兼用したプレキヤス
ト鉄筋コンクリート外殻部材１を使用する場合、
必らずプレキヤストコンクリート部片間に繋ぎ部
が存在するが、一般的には無処理である。これは
コンクリートの、骨材が大きいので、〓間からコ
ンクリートが洩れてくることがないからである。
なお縦方向に目地ができるが、これは意匠上の問
題であつて、モルタルで補修する等の後処理が可
能で、構造的には何等問題はない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は夫々本発明の方法によつて
施工された鉄骨鉄筋コンクリート造柱の各実施例
を示す横断平面図、第４図はその鉄筋コンクリー
ト部分のみを示す正面図、第５図はプレキヤスト
鉄筋コンクリート外殻部材の斜面図である。 １……プレキヤスト鉄筋コンクリート外殻部
材、２……柱主筋、３……帯筋、３ａ……フツク
部、４……柱鉄骨、５……縦筋、６……コンクリ
ート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鉄骨鉄筋コンクリート柱の鉄骨部分を組立て
   たのち、溝型またはＬ型のコンクリート部片に複
   数の柱主筋及び同各柱主筋を囲繞する帯筋が埋設
   され、且つ同帯筋における前記コンクリート部片
   の端部からの突出端部にフツク部が曲成されたプ
   レキヤスト鉄筋コンクリート外殻部材で前記鉄骨
   柱を囲むとともに、相隣る前記外殻部材における
   各帯筋突出端部のフツク部を交差させ、同交差部
   に縦筋を挿貫したのち、前記各外殻部材で囲まれ
   た空間内にコンクリートを打設することを特徴と
   する鉄骨鉄筋コンクリート造柱の施工方法。