JP2704493B2 - 発酵食品の製造方法 - Google Patents

発酵食品の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、γ(ガンマ)−アミ
ノ酪酸を含有する発酵食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】γ−アミノ酪酸(GABA)は、自然界
に広く分布しているアミノ酸であり、食品の成分として
も、茶、野菜類などに通常含まれており、生体内におい
てもグルタミン酸からの脱炭酸により生成され、組織内
に存在する。このγ−アミノ酪酸は、他の多くのアミノ
酸とは異なり、非タンパク質構成アミノ酸であるが、生
理的には重要な働きを持っている。すなわち、γ−アミ
ノ酪酸は、食品として体内に摂取された場合、エネルギ
ー源として消費されるだけでなく、塩分の過剰摂取に対
して尿へのナトリウムイオンの排出を促進し、また血圧
降下作用を示すなどの重要な調節作用に寄与しているこ
とが知られている。
【0003】γ−アミノ酪酸を含有した食品としては、
γ−アミノ酪酸を強化した茶葉がギャバロン茶として開
発され、ラットを用いた実験により、ギャバロン茶が血
圧降下作用や尿へのナトリウムイオンの排出促進作用を
有していることが確認されている。また、昔から血圧降
下作用が顕著であるとして薬膳料理などに用いられてき
た紅麹の主要な有効物質はγ−アミノ酪酸であること
が、最近明らかにされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、γ−ア
ミノ酪酸が含まれている食品は、少数の野菜など種類が
限定されており、また、γ−アミノ酪酸を含んでいる食
品でも、その含有量は少なく、γ−アミノ酪酸は、有効
な成分であるにもかかわらず、食品として摂取される機
会が少ない。
【0005】そこで、人為的にγ−アミノ酪酸の摂取量
を多くする方法として、大腸菌等の微生物によりγ−ア
ミノ酪酸を生産し、それを食品に添加することも考えら
れる。しかしながら、大腸菌により生産されたγ−アミ
ノ酪酸は、食品に用いるには安全性の面で問題がある。
このように、微生物により生産されたものは、食品とし
て用いる場合、γ−アミノ酪酸を生産する菌の種類が問
題になるとともに、それを安全かつ大量に生産すること
ができる菌は、まだ見付かっていない。
【0006】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、γ−アミノ酪酸の優れた性質に着目
し、γ−アミノ酪酸を多量に含有した食品を製造する方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明では、食品とし
ての安全性の点から、従来から食品の製造に用いられて
いる微生物によるγ−アミノ酪酸の生成能力を利用する
こととし、通常の発酵(醸造)食品の製造工程において
γ−アミノ酪酸を生成する能力を持つ微生物を検索し
た。その結果、ラクトバティルス(Lactobaci
llus)属の乳酸菌のうち特定種類のものが、魚醤
発酵工程中において、グルタミン酸が多量に存在する
と、グルタミン酸を脱炭酸してγ−アミノ酪酸を生産す
ることを見い出し、この発明に至った。
【0008】すなわち、請求項1又は請求項2に記載の
発明は、魚介類を原料としそれを製麹して作られる魚麹
を食塩水と混合して仕込み、得られた魚醤油諸味もしく
はその圧搾液又はその圧搾液を火入れして得られる魚醤
油に、又は、その魚醤油諸味もしくはその圧搾液又は魚
醤油にグルタミン酸又はその塩類と食塩水とを混合して
その混合液に、ラクトバティルス・プランタラム(La
ctobaci1lus Plantarum)又はそ
れを含有する醸造諸味を添加し、前記魚醤油諸味、その
圧搾液もしくは魚醤油又は前記混合液を発酵させて発酵
食品を得ることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、グルタミン酸又
はその塩類を含有した食塩水に、ラクトバティルス・プ
ランタラムを含有する魚醤油諸味もしくはその圧搾液又
は魚醤油諸味の圧搾液を火入れして得られる魚醤油と
クトバティルス・プランタラムもしくはそれを含有する
醸造諸味とを添加し、それを発酵させて発酵食品を得る
ことを特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】また、上記した各製造方法によってそれぞ
れ得られた発酵食品を脱塩、脱色及び脱臭して液体状の
発酵食品を得るようにし、またそれを乾燥させて粉末状
の発酵食品を得るようにすることができる。
【0013】
【作用】請求項1に記載の発明に係る製造方法では、魚
醤油諸味もしくはその圧搾液又は魚醤油中に含有されて
いるグルタミン酸が、添加されたラクトバルティス・プ
ランタラム又は添加された魚醤抽諸味等の醸造諸味中の
ラクトバルティス・プランタラムにより、その発酵作用
を受けて脱炭酸され、γ−アミノ酪酸が生産される。ま
た、請求項2に記載の発明に係る製造方法によれば、魚
醤抽諸味もしくはその圧搾液又は魚醤油中に含有されて
いるグルタミン酸及び別途混合されたグルタミン酸又は
その塩類から、上記と同様にラクトバルティス・プラン
タラムによる発酵作用により、γ−アミノ酪酸が生産さ
れる。尚、その他の醸造食品である酒、大豆から作られ
る醤油、酢及び納豆については、同様の方法では、γ−
アミノ酪酸が生産されない。
【0014】請求項3に記載の発明に係る製造方法で
は、食塩水中に含有されているグルタミン酸又はその塩
類が、添加された魚醤油諸味もしくは圧搾液中のラクト
バルティス・プランタラム又は魚醤油と共に添加された
ラクトバルティス・プランタラムもしくは醸造諸味中の
ラクトバルティス・プランタラムによる発酵作用によ
り、γ−アミノ酪酸に変換される。
【0015】
【0016】
【0017】また、請求項4に記載の発明に係る方法に
よれば、上記したようにしてそれぞれ得られた発酵食品
から、他の食品に添加されてγ−アミノ酪酸を多量に含
有した食品を調製するのに適した液体状又は粉末状食品
が得られる。
【0018】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例について実験
例を示しながら説明する。
【0019】まず、魚介類を原料としそれを製麹して作
られる魚麹を食塩水及び種諸味と混合して仕込んで得ら
れる魚醤油諸味、もしくはその魚醤油諸味を圧搾した
液、又は魚醤油諸味を圧搾して生揚魚醤油と醤油粕とを
得て、生揚魚醤油を火入れすることにより得られる魚醤
油から、γ−アミノ酪酸を多量に含有する魚醤油を得る
方法について説明する。
【0020】通常、魚醤油諸味は、γ−アミノ酪酸を生
成する能力(γ−アミノ酪酸を0.03%程度含有)を
持っている。この能力を強化する方法について、最初に
述べる。
【0021】 〔魚醤油諸味中のγ−アミノ酪酸の増産方法〕 新しい魚醤油諸味に、γ−アミノ酪酸を生成する能力の
ある魚醤油諸味(γ−アミノ酪酸を0.03%程度含
有)を1/20量接種したものを入れた試験管を10本
用意し、それぞれ30℃で3ヵ月間培養を行なった。次
に、それらのうちで最もγ−アミノ酪酸の含有量が多い
ものを選択し、その1/20量の魚醤油諸味を新しい魚
醤油諸味に接種した。以上の操作を合計5回繰り返し
た。この結果、図1に示すように、γ−アミノ酪酸の生
産量は、植え継ぎ回数が2回から3回、4回へとなるに
従って飛躍的に増加した。尚、この実験で使用した魚醤
油諸味は、魚粉2kgに割砕小麦2kgと水3 1を加
えて混合し、その混合物に種麹8gを接種し、30〜4
0℃で48時間培養して製麹し、得られた魚麹に18%
食塩水61と種諸味とを加え、それを仕込んで発酵熟成
させることにより製造した。魚醤油諸味の製法として
は、これ以外の方法、例えば特公平4−49989号公
報に記載されている方法であってもよい。また、この実
験においては、グルタミン酸をγ−アミノ酪酸に変換す
る微生物として、醸造食品に通常見られるラクトバティ
ルス・プランタラム(Lactbaci1lus p
1antarum)に類似の耐塩性乳酸菌が分離され
た。
【0022】〔魚醤油諸味でのγ−アミノ酪酸の生産方
法〕上記したように調製した魚麹を、食塩濃度が10〜
21%、好ましくは、諸味の腐敗の可能性が無くかつグ
ルタミン酸からγ−アミノ酪酸への転換効率の良い食塩
濃度である15〜18%になるように食塩水で仕込み、
γ−アミノ酪酸の生産能のある種諸味を1/20量接種
し、30℃で培養した。この結果、図2に折線Iで示す
ように、新しい魚醤油諸味では、魚粉や小麦の分解によ
って生じたグルタミン酸がγ−アミノ酪酸に転換するこ
とにより、発酵開始1〜2ヵ月後からグルタミン酸の急
激な減少が見られた。尚、図2に折線IIで示したもの
は、γ−アミノ酪酸生産能のある種諸味を接種せずに普
通に発酵させた魚醤油諸味におけるグルタミン酸濃度の
経時変化を示している。また、図3は、γ−アミノ酪酸
生産能のある種諸味を接種した魚醤油諸味の搾り汁を液
体クロマトグラフ分析した結果を示し、(A)が発酵開
始1ヵ月後のもののクロマトグラム、(B)が発酵開始
2ヵ月後のもののクロマトグラムである。図3からも、
魚醤油諸味の発酵過程において、グルタミン酸が減少
し、γ−アミノ酪酸が生産されて増加していることが分
かる。
【0023】図4は、普通の醤油諸味にγ−アミノ酪酸
の生産能のある種諸味を1/20量接種して30℃で培
養したときのグルタミン酸濃度及びγ−アミノ酪酸濃度
の経時変化を示す折線図である。図4に示した結果よ
り、醤油諸味中ではγ−アミノ酪酸の多量生産ができな
いことが分かった。
【0024】尚、上記した実験例では、魚醤油諸味にγ
−アミノ酪酸生産能のある種諸味を接種して培養するよ
うにしているが、魚醤油諸味に代えて、それを圧搾した
圧搾液、或いはその圧搾液を火入れして得られる魚醤油
を使用するようにしてもよいし、また、種諸味を接種す
る代わりに、ラクトバルティス・プランタラムを魚醤油
諸味等へ添加するようにしてもよい。さらに、魚醤油諸
味、その圧搾液又は魚醤油にグルタミン酸又はその塩類
と食塩水とを混合し、その混合液を発酵させる過程で増
殖するラクトバルティス・プランタラムより、魚醤油諸
味等に元々含有されているグルタミン酸の他別途混合さ
れたグルタミン酸又はその塩類をγ−アミノ酪酸に変換
するようにして、より多くの量のγ−アミノ酪酸を含有
する魚醤油を製造することができる。
【0025】次に、グルタミン酸を含有した食塩水を原
料液とし、魚醤油諸味もくはその圧搾液又はその圧搾液
を火入れして得られる魚醤油を用いてγ−アミノ酪酸を
生産する方法について説明する。
【0026】〔グルタミン酸を含有した食塩水でのγ−
アミノ酪酸の生産方法〕グルタミン酸ナトリウムを2%
含有した15%食塩水にγ−アミノ酪酸の生産能のある
魚醤油諸味を1/20量接種して30℃で培養したとき
の結果を図5に示す。図5より、食塩水中のグルタミン
酸がγ−アミノ酪酸に変換されて、γ−アミノ酪酸を多
量に含有する培養液が得られることが分かる。また、グ
ルタミン酸ナトリウムを2%含有した15%食塩水にγ
−アミノ酪酸の生産能のある魚醤油諸味を1/200量
接種して30℃で培養したときの結果を図6に示す。こ
の結果より、食塩水中のグルタミン酸をγ−アミノ酪酸
に変換するには、一定量以上の魚醤油諸味が必要である
ことが分かる。そこで、魚醤油諸味の必要添加量を検討
するために、グルタミン酸ナトリウムを2%含有した1
5%食塩水にγ−アミノ酪酸の生産能のある魚醤油諸味
を、その添加比率を1/10、1/20、1/50、1
/100及び1/200と変えて添加し、それぞれ30
℃で2ヵ月間培養する実験を行なった。その結果を図7
に示す。図7より、上記した培養条件では魚醤油諸味の
添加量を1/50量以上とする必要があることが分か
る。尚、グルタミン酸ナトリウムを2%含有した15%
食塩水に、魚醤油諸味を火入れ滅菌したものを、その添
加比率を1/10、1/20、1/50、1/100及
び1/200と変えて添加し、それぞれ30℃で2ヵ月
間培養してみたが、何れの場合にも、γ−アミノ酪酸を
生成しなかった。一方、同様の条件で、魚醤油諸味を火
入れ滅菌したものを添加し、さらにγ−アミノ酪酸の生
産能のある魚醤油諸味を1/1,000量添加した場合
には、図7に示した結果と同様の結果が得られた。この
ことより、食塩水中のグルタミン酸をγ−アミノ酪酸に
変換するには、生きた乳酸菌を含有した魚醤油諸味が必
要であり、魚醤油諸味の量は、微量であってもよいこと
が分かる。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】また、上記のようにして得られた魚醤油や
培養液を脱塩、脱色及び脱臭して、精製された液体状食
品とし、或いは、それを乾燥させて粉末状食品とするこ
とができる。このようにすれば、他の食品、例えば茶葉
に添加することにより、γ−アミノ酪酸を多量に含有し
た食品を得ることができる。
【0034】次に、各種発酵食品の具体的製法例につい
て説明する。
【0035】〔γ−アミノ酪酸を含有した魚醤油の製法
例〕蒸煮した魚粉2kgと割砕小麦2kgとを混合し、この
混合物に水を加えて水分量30〜35%に調整し、その
混合物に1/500量の醤油用種麹を接種し、30〜4
0℃で48時間培養して製麹した。その出麹に18%食
塩水6 lを加え、さらにγ−アミノ酪酸の生産能のあ
る種諸味を1/20量接種し、これを30℃で3ヵ月間
発酵させた。これにより、γ−アミノ酪酸を0.75
%、グルタミン酸を0.04%それぞれ含有し、食塩濃
度15.1%の魚醤油が得られた。
【0036】〔γ−アミノ酪酸を含有した培養液の製法
例〕グルタミン酸ナトリウムを2%含有した13%食塩
水1 lにγ−アミノ酪酸の生産能のある種諸味(魚醤
油諸味)を100ml接種し、25℃で静置培養した。
約70日間の培養で、γ−アミノ酪酸を1.30%、グ
ルタミン酸を0.14%それぞれ含有した培養液が得ら
れた。
【0037】
【0038】〔γ−アミノ酪酸を含有した魚醤油の精製
例〕上記製法例によって得られたγ−アミノ酪酸含有魚
醤油1 lに、脱色及び脱臭のため粉末活性炭を10g
添加し、これを30℃で30分間振盪させ、次いで遠心
分離した後濾過した。さらに、脱塩装置(電気透析方
式)を使用して濾過液を脱塩処理した。この精製前後に
おける各液に含まれたγ−アミノ酪酸及び総アミノ酸の
分析値は、表1の通りであった。
【0039】
【表1】
【0040】表1から分かるように、γ−アミノ酪酸及
び総アミノ酸共に、精製操作に伴う損失は無く、精製に
より各成分が約2倍程度に濃縮された液体が得られた。
【0041】〔γ−アミノ酪酸を強化した茶葉の製法
例〕通常の製茶工程(蒸熱→冷却→粗揉→揉捻→中揉→
精揉→乾燥)において、揉捻工程でγ−アミノ酪酸含有
魚醤油の精製液を生葉2kg当り100ml添加し、γ−
アミノ酪酸を強化した茶葉(GABA強化茶)を製造し
た。
【0042】得られたGABA強化茶と市販のギャバロ
ン茶とについて、それぞれの試料茶1.5gを80℃、
100mlの湯で90秒間抽出し、その各抽出液中のグ
ルタミン酸及びγ−アミノ酪酸の各濃度を測定した。そ
の分析結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】また、得られたGABA強化茶と市販のギ
ャバロン茶とについて、それぞれ官能試験を行なった結
果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表3からも分かるように、市販のギャバロ
ン茶は、いわゆるギャバ臭が強く嗜好性が劣っている。
これに対し、GABA強化茶は、表2に示したように市
販ギャバロン茶に比べて約4倍量のγ−アミノ酪酸を含
有するように調製しても、表3から分かるように、まっ
たく普通の煎茶と変わりが無く、嗜好性を落とすこと無
く喫飲することができる。このように、この発明によ
り、嗜好性の劣ったギャバロン茶に代わるような、γ−
アミノ酪酸を強化した嗜好性の良い茶を製造することが
できた。
【0047】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
かつ作用するので、この発明に係る製造方法によれば、
天然には存在しないような多量の、血圧降下作用や塩分
の過剰摂取に対する尿へのナトリウムイオンの排出促進
作用などを有するγ−アミノ酪酸を含有し、食品として
の安全性の面でも何ら問題が無い発酵食品を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】新しい魚醤油諸味にγ−アミノ酪酸生産能のあ
る魚醤油諸味を接種し培養したときの実験結果を示し、
植え継ぎ回数とγ−アミノ酪酸の生産量との関係を示す
折線図である。
【図2】魚麹を食塩水で仕込みγ−アミノ酪酸生産能の
ある種諸味を接種し培養したときの魚醤油諸味における
グルタミン酸濃度の経時変化(折線I)と、γ−アミノ
酪酸生産能のある種諸味を接種せずに普通に発酵させた
魚醤油諸味におけるグルタミン酸濃度の経時変化(折線
II)とを示す折線図である。
【図3】γ−アミノ酪酸生産能のある種諸味を接種した
魚醤油諸味の搾り汁を液体クロマトグラフ分析した結果
を示し、(A)が発酵開始1ヵ月後のもののクロマトグ
ラム、(B)が発酵開始2ヵ月後のもののクロマトグラ
ムである。
【図4】普通の醤油諸味にγ−アミノ酪酸生産能のある
種諸味を接種し培養したときのグルタミン酸濃度及びγ
−アミノ酪酸濃度の経時変化を示す折線図である。
【図5】グルタミン酸を含有した食塩水にγ−アミノ酪
酸生産能のある接種し培養したときのグルタミン酸濃度
及びγ−アミノ酪酸濃度の経時変化を示す折線図であ
る。
【図6】グルタミン酸を含有した食塩水にγ−アミノ酪
酸生産能のある魚醤油諸味を1/200量接種し培養し
たときのグルタミン酸濃度及びγ−アミノ酪酸濃度の経
時変化を示す折線図である。
【図7】グルタミン酸を含有した食塩水にγ−アミノ酪
酸生産能のある魚醤油諸味を、その添加比率を変えて添
加し、それぞれ培養したときの結果を示し、魚醤油諸味
の添加比率とγ−アミノ酪酸濃度との関係を示す折線図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 良三 京都府相楽郡木津町相楽台3丁目1−7 株式会社福寿園CHA研究センター内 (72)発明者 山口 淳 京都府相楽郡木津町相楽台3丁目1−7 株式会社福寿園CHA研究センター内 (72)発明者 竹内 美由紀 京都府相楽郡木津町相楽台3丁目1−7 株式会社福寿園CHA研究センター内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類を原料としそれを製麹して作られ
    る魚麹を食塩水と混合して仕込み、得られた魚醤油諸味
    もしくはその圧搾液又はその圧搾液を火入れして得られ
    る魚醤油に、ラクトバティルス・プランタラム又はそれ
    を含有する醸造諸味を添加し、前記魚醤油諸味もしくは
    その圧搾液又は魚醤油を発酵させて発酵食品を得ること
    を特徴とする発酵食品の製造方法。
  2. 【請求項2】 魚介類を原料としそれを製麹して作られ
    る魚麹を食塩水と混合して仕込み、得られた魚醤油諸味
    もしくはその圧搾液又はその圧搾液を火入れして得られ
    る魚醤油にグルタミン酸又はその塩類と食塩水とを混合
    し、その混合液に、ラクトバティルス・プランタラム又
    はそれを含有する醸造諸味を添加し、前記混合液を発酵
    させて発酵食品を得ることを特徴とする発酵食品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 グルタミン酸又はその塩類を含有した食
    塩水に、ラクトバティルス・プランタラムを含有する魚
    醤油諸味もしくはその圧搾液又は魚醤油諸味の圧搾液を
    火入れして得られる魚醤油とラクトバティルス・プラン
    タラムもしくはそれを含有する醸造諸味とを添加し、そ
    れを発酵させて発酵食品を得ることを特徴とする発酵食
    品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の発酵食品を脱塩、脱色及び脱臭して、液体状食品又
    はこれを乾燥させた粉末状食品を得るようにする発酵食
    品の製造方法。
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