JP4921721B2 - 機能性食品の製造法 - Google Patents

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本発明は、γ−アミノ酪酸(以下、「GABA」という)を、雑菌の増殖を抑えながら乳酸菌の働きにより製造する方法、及びこの方法により得られる食品に関する。
自然界に広く分布する非タンパク質構成アミノ酸であるGABAは、哺乳類の脳や脊髄に存在する抑制系の神経伝達物質であり、生体内で生理的に重要な働きをすることがわかっている。例えば、脳の血流を活発にさせ、酸素供給量を増大させて脳の代謝機能を亢進すること、ノルアドレナリンの分泌を抑制し腸管細動脈を収縮抑制することで血圧を降下させること、その他、免疫調節作用、リラックス作用、学習能力の向上や老化防止作用をもつことが報告されている。このGABAを含有する食品としては、茶、米、野菜、漬物等が挙げられるが、その含有量はきわめて少ない。
したがって、GABAを食品として摂取することにより、上述した生理作用が期待できることから、適当な処理を食品に施すことによりGABA含有量を増強させた食品がいくつも提唱されている。例えば、茶葉を嫌気処理しGABA含量を処理前の数十倍に高めたギャバロン茶(非特許文献1)や、コメ胚芽を嫌気処理してGABA含量を0.3%に高めたGABA富化コメ胚芽(オリザ油化(株))等が知られているが、原材料中に含まれる内在性酵素(グルタミン酸脱炭酸酵素)を活性化させるこれらの方法では富化できるGABA濃度が低いという課題があった。
また、微生物の利用によりGABAを増加させた食品の製造方法として、グルタミン酸および/またはグルタミン酸塩に酵母を作用させる方法(特許文献1)、グルタミン酸およびその塩の多い食品素材に麹菌を作用させる方法(特許文献2)が報告されているが、こちらの方法についても増加できるGABA濃度が低いという課題があった。
一方、微生物のうち、特に乳酸菌に作用させる方法により高濃度のGABAを付与できることがわかり、近年種々の報告がされている。例えば、乳類にグルタミン酸遊離活性及びグルタミン酸デカルボキシラーゼ(グルタミン酸脱炭酸酵素)生産能を有する乳酸菌を作用させる方法(特許文献3)、グルタミン酸またはその塩類を含有する原料にキムチから単離された乳酸菌を作用させる方法(特許文献4)、グルタミン酸またはその塩類を蒸した大豆に含有させた培地に乳酸菌を作用させる方法(特許文献5)、乳酸菌によりGABA及び免疫賦活物質を製造する方法(特許文献6)、グルタミン酸及びその塩類の少なくとも一つを含有する食品素材に米ぬか、米胚芽および麸のうち少なくとも一つの成分を含有させ、乳酸菌を作用させる方法(特許文献7)が挙げられる。しかし、どの方法においても無塩又は低塩分を含んだ培地系又は食品素材に作用させるため、他の微生物の増殖を抑えなければならず、純粋培養に近い醗酵設備を要する、又は作用させる前に殺菌を行い、乳酸菌数を多量に接種しなければならないといった課題があった。
また、魚醤油にラクトバチルス.プランタラムを添加して発酵食品を得る方法(特許文献8)では、醗酵期間が1〜2ヶ月と長期間要するといった課題があった。
日本農芸化学学会誌,61,NO.11,p1449−1451,1987 特許第2891296号公報 特許第3166077号公報 特許第3172150号公報 特開2003−70462号 特開2004−187501号 特開2004−357535号 特開2001−352940号 特許第2704493号公報
本発明の課題は、グルタミン酸またはその塩を含む食品にグルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌を作用させてGABAを製造する方法において、無菌的な設備を要することなく、安価に、安全に、高濃度のGABAを付与させる技術を提供することである。
そこで本発明者らは上述した課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、グルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する耐塩性及びアルコール耐性の強い乳酸菌を高塩分ナトリウム濃度下において、さらにはアルコールを添加した高アルコール濃度下においてグルタミン酸及び/又はその塩を添加した食品に作用させることで、他の雑菌の増殖を抑えながら、安価に、安全に、高濃度のGABAを付与させることができることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明はグルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する耐塩性及びアルコール耐性の強い乳酸菌を高塩化ナトリウム濃度下、さらに必要に応じてアルコールを添加した高アルコール濃度下においてグルタミン酸及び/又はその塩を添加した食品に作用させることを特徴とするGABAの製造方法であり、その方法により得られた高濃度GABA含有食品及びその加工食品である。
本発明は上述した手段により、グルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌以外の菌、主に細菌、酵母、かびなどの雑菌の増殖を抑制できるため、無菌的な設備を要することなく、安価に、安全に、高濃度のGABAを付与させることができる。初発菌数を多く接種する必要がなく、前培養にかかる手間や、前培養にかかる費用も抑えられる。また、食品中に高濃度のGABAを付与できるため、これを任意の食品に少量添加するだけでその食品中のGABA含量を著しく増加させることができ、味、風味への影響もほとんどない食品を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられる5w/v%〜20w/v%の塩化ナトリウムを含有する食品とは、もともと塩化ナトリウムを含む食品以外に、塩化ナトリウムを含まない又は微量しか含まない食品に塩化ナトリウムを5w/v%〜20w/v%の濃度になるよう添加したものを含む。添加する塩化ナトリウムは原塩、並塩、天日塩等、主成分が塩化ナトリウムであればかまわない。塩化ナトリウムによりグルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌以外の菌、例えば、細菌、かび、酵母などの雑菌の増殖を抑えるには、5w/v%〜20w/v%の塩化ナトリウム濃度が必要であり、8w/v%〜20w/v%がより好ましい。ただし、耐塩性の乳酸菌であっても、塩化ナトリウム濃度が高すぎるとグルタミン酸脱炭酸酵素活性が阻害されるため、雑菌の増殖抑制とGABA産生量の両面から判断すると、8w/v%〜14w/v%の範囲が最も好ましい。
アルコールも塩化ナトリウムと同様、細菌、かび、酵母などの雑菌の増殖を抑制することができる。アルコール単独でも増殖を抑制できるが、グルタミン酸脱炭酸酵素活性も若干阻害されるため、塩化ナトリウムと併用した方が良い。すなわち、5w/v%〜20w/v%の塩化ナトリウム濃度を含む食品に、必要に応じて0.1w/v%〜6w/v%になるようにアルコールを添加すると良い。塩化ナトリウムを多く含有する食品であればあるほど、雑菌の増殖を抑制できるため、添加するアルコール添加量は少なくて済む。併用例として、5w/v%〜10w/v%の塩化ナトリウム濃度の食品に、3w/v%〜6w/v%になるようにアルコールを添加するのが好ましい。添加するアルコールは、食品に添加可能なエチルアルコールが主成分であれば問題なく、醸造アルコールでかまわない。
塩化ナトリウムをもともと含む食品には、醤油、みそ、蛋白加水分解物、醤油様調味料などがある。特に醤油、みそには醸造過程で醗酵により作られたアルコールを一部含んでいることもあり、別途塩化ナトリウムやアルコールを添加する必要がないため、用いる食品としてより好ましい。醤油とは、大豆、小麦などを原料に醤油の常法に従い製造された調味料であり、醤油様調味料とは、穀類を原料に醤油の常法に従って作られた調味料や、醤油に魚貝または畜肉系のだしまたはエキス等を添加した調味料を指す。蛋白加水分解物は、植物性および/または動物性蛋白が酸により加水分解された後アルカリにより中和された調味料を指す。
乳酸菌の作用によりGABAを付与させる場合、乳酸菌の醗酵産物により味、風味の低下が起こることが多い。種々の処理により精製を行うことで、味、風味の低下は緩和できるが、コストがかかるという問題がある。しかし、できるだけ高濃度のGABAを含有させ、任意の食品に少量添加するだけでその食品中のGABA含量を著しく増加させることができれば、乳酸菌の醗酵産物由来の味、風味への影響がほとんどない食品を安価で得ることができる。GABAを高含有させるためには、5w/v%〜20w/v%の塩分を含む食品に、基質となるグルタミン酸またはその塩を多く含むことが重要である。食品中に含まれる天然のグルタミン酸量には限界があり、別途製造されたグルタミン酸またはその塩を添加する必要がある。ただし、20w/v%以上添加するとグルタミン酸脱炭酸酵素活性が阻害を受けるため、添加量は0.1w/v%〜15w/v%が好ましく、5w/v%〜12w/v%がより好ましい。このような範囲内であると、グルタミン酸脱炭酸酵素活性によりGABAを高濃度付与させるために必要な基質を十分含ませることができる。
本発明に用いる乳酸菌は、耐塩性及びアルコール耐性があり、グルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌であれば特に限定しない。例として、ラクトバチルス(Lactobacillus、以下、L.と略記する)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属を挙げることができる。これらの中でもラクトバチルス属に属するものが好ましく、この例として、ラクトバチルス ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス ブルガリカス(L. bulgaricus)、ラクトバチルス プランタラム(L. plantarum)、ラクトバチルス アシドフィラス(L. acidophilus)、ラクトバチルス ラクティス(L. lactis)、ラクトバチルス カゼイ(L. casei)、ラクトバチルス ファーメンタム(L. fermentum)等を挙げることができる。耐塩性及びアルコール耐性のあるグルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌の選抜については、グルタミン酸又はその塩と、塩化ナトリウム及びアルコールを含有させた一般的な乳酸菌用の培地(MRS培地)に分離した乳酸菌を接種して25℃〜35℃で数日培養後、この培養液のGABA含量を測定し、GABA量の多い乳酸菌株を選定すれば良い。
乳酸菌はあらかじめ前培養したものを作用させるのが好ましい。前培養は乳酸菌が増殖できる培地であれば特に限定しないが、その例として、グルコース、ペプトン、酵母エキス、グルタミン酸またはその塩類をそれぞれ1w/v%、塩化ナトリウムを5〜10w/v%含有し、pHを5.0〜6.0に調整した培地を挙げることができる。乳酸菌前培養液は遠沈濃縮等を行わなくても、そのまま接種して作用させることができる。接種させる乳酸菌の割合は、塩分を含む食品1ミリリットルあたり、10〜10cellsの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは10〜10cellsの範囲に設定する。この範囲であると、グルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌の生育もよく、乳酸菌以外の細菌やかび、酵母などの雑菌の増殖を抑えることが容易である。作用させる方法としては、通気、攪拌、静置、またはこれらの組み合わせにより作用させると良い。作用させる温度は20℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃の範囲が良く、作用させる時間は5日間〜25日間が良い。初発pHを酸またはアルカリによりpH4.5〜7.0、好ましくは5.0〜6.0に調整すると乳酸菌の生育が特に良い。乳酸菌を作用させている時のpH変動に対する調整についても、酸又はアルカリで行うことができる。
塩化ナトリウム、塩化ナトリウム及びアルコールを含有する食品には、乳酸菌の増殖速度を高めるために、グルコース、フルクトース、シュークロース、ラクトース、ソルビトール、マルトースなどの糖源を0.1w/v%〜5w/v%になるように、より好ましくは0.5w/v%〜3w/v%になるように添加すると良い。糖源を添加することで乳酸菌の増殖速度が高まり、また、作用中の糖源不足を解消できるため、付与できるGABA含量を優位に高めることができる。
このようにして得られた食品はさまざまな生理機能を有するGABAが高含有されている。その食品はそのまま調味料として使用しても良く、既存の調味料からの置き換えで容易に麺類つゆ、スープ類等といった幅広い食品にGABAを高含有させることができる。任意の食品に少量添加するだけでその食品中のGABA含量を著しく増加させることができ、乳酸菌の醗酵産物由来の味、風味への影響がほとんどない食品を得ることができる。アルコール含有量が多く官能的に好まれない場合は、加熱、減圧等で気化させた後、種々の用途に用いれば良い。さらに脱塩、脱色、および脱臭といった加工を施し、粉末化することにより、お菓子、飲料などの材料としても用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明の技術的範囲はこれらの例により何ら限定されるものではない。
実施例1 <塩化ナトリウム高含有醤油中におけるGABA産生量>
L−グルタミン酸ナトリウムをそれぞれ4.9w/v%、7.4w/v%加えた醤油1,2(塩化ナトリウムはともに12w/v%)を準備し、醤油のpHを40%NaOH溶液で5.5に調整した。20LR容密閉容器に16LRづつ入れ、ラクトバチルス ブレビスYS1403(自社保有株)の前培養液を約0.27%(43ミリリットル)接種して、30℃で14日間醗酵させた。前培養液は培地(グルコース、ペプトン、酵母エキス、グルタミン酸ナトリウムをそれぞれ1w/v%、塩化ナトリウム10w/v%、pH6.0)に前述の乳酸菌株を一白金耳接種後、30℃で4日間培養し、7乗オーダーcfu/mlまで増殖させた。10日目、14日目の醗酵液に含まれる乳酸菌以外の菌数をトーマ氏血球計算盤にて測定した。また、14日間醗酵後、85℃/10分の殺菌を行い、8000rpmで10分間遠心分離後、得られた上澄み中に含まれるGABA含量を測定した。初発グルタミン酸量および得られた上澄み中に含まれるGABA含量の測定は、pH2.2クエン酸緩衝液で希釈してアミノ酸分析システム(HPLC、島津製作所社製)を用いて、オルトフタルアルデヒド法により定量した。乳酸菌以外の細菌、酵母、かびのトーマ氏血球計算盤での測定結果及びGABA含量測定結果を表1に示す。
Figure 0004921721
表1より、L−グルタミン酸ナトリウムを加えて基質を増やした塩化ナトリウム含有量の高い醤油1、2に耐塩性のグルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する乳酸菌を作用させることにより、接種した乳酸菌以外の細菌、かび、酵母の増殖を抑えながらそれぞれ、3.2w/v%、4.2w/v%のGABAを付与させることができた。ちなみに醤油1の塩化ナトリウム濃度を4w/v%に調整した醤油に乳酸菌を作用させたところ、Bacillus属細菌の増殖が確認されたことから、塩化ナトリウム濃度は5w/v%以上必要である。
実施例2 <塩化ナトリウム及びアルコール高含有醤油様調味料中でのGABA産生量>
醤油を12.0w/w%、シュークロースを22.4w/w%、並塩を4.4w/w%、L−グルタミン酸ナトリウムを5.1w/w%、酵母エキスを0.4w/w%、サバエキスを3.3w/w%、95%アルコール3.9w/w%を含む醤油様調味料1と、醤油様調味料1の配合の並塩を6.9w/w%、95%アルコールを2.7w/w%にした醤油様調味料2のpHを乳酸で5.5に調整した。20ml容ねじつき試験管に15mlづつ分注し、ラクトバチルスsp. YD05(自社保有株)の前培養液を約0.27%(40マイクロリットル)接種して、30℃で19日間醗酵させた。前培養液は実施例1と同様に培養した。10日目、19日目の醗酵液に含まれる乳酸菌以外の菌数をトーマ氏血球計算盤にて測定した。19日間醗酵後、実施例1と同様の処理を行い、醤油様調味料中に含まれるGABA含量を測定した。乳酸菌以外の細菌、酵母、かびのトーマ氏血球計算盤での測定結果及びGABA含量測定結果を表2に示す。
Figure 0004921721
表2より、塩化ナトリウム及びアルコールを高含有する醤油様調味料1及び醤油様調味料2に、グルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する耐塩性及びアルコール耐性の強い乳酸菌を作用させることにより、接種した乳酸菌以外の細菌、かび、酵母の増殖を抑えながら、それぞれ3.3w/v%、3.4w/v%のGABAを付与できた。
実施例3 <糖源の添加によるGABA産生量の増加>
L−グルタミン酸ナトリウム添加量が7.92w/v%、グルコース添加量がそれぞれ0%(加えない)、1w/v%、3w/v%である醤油3、4、5を準備した。それぞれの醤油のpHを、40%NaOH溶液で5.5に調整し、ラクトバチルスsp. YD05(自社保有株)を実施例1と同様に接種し、30℃で21日間培養した。GABA含量測定結果を表3に示す。
Figure 0004921721
表3より、グルコースを加えていない醤油3ではGABA含量が3.49w/v%であったのに対し、1w/v%添加した醤油4、3w/v%添加した醤油5ではそれぞれGABA含量が4.65w/v%、4.47w/v%と高くなった。グルコース以外に、フルクトース、シュークロース、ラクトース、ソルビトールなどの糖源を添加した場合でも同様の結果が得られた。塩化ナトリウムを高含有する食品にグルタミン酸脱炭酸酵素活性を有する耐塩性の乳酸菌を作用させ、雑菌の増殖を抑えながらGABAを安全に製造する方法において、グルコースなどの糖源(炭素源)を添加することでGABA含量を優位に高めることができる。ただし、グルコースを10w/v%加えた醤油で同様の試験を行ってみたが、GABA含量を優位に高めることはできなかった。適度に糖源を添加することで乳酸菌の増殖速度が高まり、また、作用中の糖源不足を解消できるため、GABA含量が高くなる。
実施例4 <GABA富化食品の加工食品1>
実施例3に示した醤油4に乳酸菌を作用させて得られたGABA高含有醤油(GABA4.65w/v%含有)を1.25w/v%、市販の濃口醤油20w/v%、並塩6w/v%、グラニュー糖9w/v%、グリシン0.1w/v%、かつおエキス5w/v%を加えてGABA0.058w/v%含有濃縮そばつゆを得た。一食分40mlから約21mgのGABA摂取が可能なそばつゆであり、GABA高含有醤油の使用量は1.25w/v%と少量添加しただけなので乳酸菌の醗酵産物由来の味、風味への影響がほとんどないそばつゆであった。
実施例5 <GABA富化食品の加工食品2>
実施例1に示した醤油2に乳酸菌を作用させて得られたGABA高含有醤油(GABA4.2w/v%含有)を2w/v%、市販の濃口醤油35w/v%、植物蛋白加水分解物11.8w/v%、L−グルタミン酸ナトリウム4w/v%、かつおエキス1w/v%、5’−イノシン酸ナトリウム0.1w/v%、5’−グアニル酸ナトリウム0.1w/v%、中華だし4w/v%、並塩12w/v%、にぼしエキス5w/v%を加えて、GABA0.084w/v%含有濃縮醤油ラーメンスープを得た。ラーメン一杯(スープ40ml)から約30mgのGABA摂取が可能なスープであり、GABA高含有醤油の使用量は2w/v%と少量添加しただけなので、実施例4のそばつゆと同様、乳酸菌の醗酵産物由来の味、風味への影響がほとんどないラーメンスープであった。

Claims (2)

  1. 10w/v%〜14w/v%の塩化ナトリウムと、3w/v%〜6w/v%のアルコールとを含有する醤油に5w/v%〜12w/v%のグルタミン酸及び/又はその塩を添加し、これを加熱滅菌することなく、グルタミン酸脱水素酵素活性を有する耐塩性及びアルコール耐性を備えたラクトバチルス属の乳酸菌をpH5.0〜6.0、初期添加量が10〜10個/mlにて作用させて、14日間〜21日間培養し、3.2w/v%以上のγ−アミノ酪酸を製造することを特徴とするγ−アミノ酪酸の製造方法。
  2. 前記醤油に、更に糖源を添加する請求項1に記載のγ−アミノ酪酸の製造方法。
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