JP2702207B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2702207B2 JP1016336A JP1633689A JP2702207B2 JP 2702207 B2 JP2702207 B2 JP 2702207B2 JP 1016336 A JP1016336 A JP 1016336A JP 1633689 A JP1633689 A JP 1633689A JP 2702207 B2 JP2702207 B2 JP 2702207B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真感光体に関し、より詳しくは特定の
カプラー成分を用いて合成したアゾ顔料を光導電層中に
有する有機電子写真感光体に関する。
〔従来の技術〕
電子写真法は、米国特許第2,297,691号明細書に示さ
れているように、暗所では絶縁性であるが画像露光の間
に受けた照射量に応じてその電気抵抗が変化する物質を
コーティングした支持体よりなる光導電性材料を用い
る。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求さ
れる基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に
帯電できること、(2)暗所において電荷の逸散が少な
いこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せし
めうることなどがあげられる。
従来より電子写真感光体としてはセレン、酸化亜鉛、
硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする
感光層を有する無機感光体が広く用いられてきた。しか
し、これらは前記(1)〜(3)の条件は満足するが熱
安定性、耐湿性、耐久性等において必ずしも満足し得る
ものではない。例えば、セレンは結晶化すると感光体と
しての特性が劣化してしまうため、製造上も難しく、ま
た熱や指紋等が原因となって結晶化し、感光体としての
性能が劣化してしまう。また硫化カドミウムでは耐湿性
や耐久性に、酸化亜鉛では平滑性、硬度、耐摩擦性に問
題がある。さらに無機感光体の多くは感光波長領域が限
定されている。例えば、セレンでは感光波長領域は青色
領域であり、赤色領域にはほとんど感度を有さない。そ
のため感光性を長波長領域に広げるために種々の方法が
提案されているが感光波長域の選択には制約が多い。酸
化亜鉛あるいは硫化カドミウムを感光体として用いる場
合も、それ自体の感光波長領域は狭く、種々の増感剤の
添加が必要である。
これら無機感光体の持つ欠点を克服する目的で様々な
有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開
発が近年盛んに行なわれている。例えば、特公昭50−10
496号公報、米国特許第3484237号明細書にはポリ−N−
ビニルカルバゾール及び2,4,7−トリニトロフルオロレ
ノン−9−オンを含有する感光層を有する感光体が、ま
た特公昭48−25658号公報にはポリ−N−ビニルカルバ
ゾールをピリリウム塩系色素で増感したものが示されて
いる。これらの有機電子写真感光体は前記無機電子写真
感光体の欠点をある程度改善しているものの概して光感
度が低くなり、また繰り返し使用に適するものではなか
った。これらの欠点を克服するために近年有機電子写真
感光体として様々な感光体が提案されているが、中でも
光を照射したとき電荷担体を発生する物質(以下、電荷
発生物質という)を含む層(以下、電荷発生層という)
と、電荷発生層が発生した電荷担体を受いれこれを搬送
する物質(以下、電荷輸送物質という)を主体とする層
(以下、電荷輸送層という)とからなる積層型の感光体
が従来の有機電子写真感光体に比べ、一般に感度が高
く、繰り返しの使用にも耐えるなどの点から一部実用に
供されている。
以上の様な有機電子写真感光体に用いられる電荷発生
物質としては、アミン骨格(特開昭57−195767号及び特
開昭61−43662号)、ベンズオキサゾール骨格(特開昭6
1−272754号)、フルオレノン骨格(特開昭56−167759
号)などのジスアゾ又はトリスアゾ構造をもつアゾ顔料
が挙げられる。
これらのアゾ顔料は、合成的には中心骨格部分のアミ
ンをジアゾ化して、フェノール性OH基を有する芳香族系
の化合物(以下、カプラーと称する)と、ジアゾカップ
リング反応を行う事によって容易に製造する事ができる
上、中心骨格部分とカプラー部分との組み合わせを変化
させることにより種種の絶対感度、分光感度のものを製
造することが可能である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、アゾ顔料を有機電子写真感光体に用いる場
合、その絶対感度、分光感度はもとより、電子写真感光
体としての帯電能などについては、実際に顔料を作成
し、電子写真感光体の形状を整え、試験を実施した上で
なければその特性を知る事は不可能であり、特に帯電能
に関しては顔料に負う所が大きいにもかかわらず、アゾ
顔料からその特性を予想する事はできなかった。
本発明の第一の目的は帯電能特性の優れた電子写真感
光体を提供する事である。
本発明の第二の目的はアゾ顔料の段階でそのアゾ顔料
を用いた電子写真感光体における帯電能特性の良し悪し
を予測できる手段を提供する事である。
〔問題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の電子写真感光体
は、電荷発生物質としてアゾ顔料を用いた有機電子写真
感光体において、該アゾ顔料が、精製メチルエチルケト
ン中に1mg/ccの濃度で完全に溶解させた溶液の20℃にお
ける導電率が3.0×10-7Ω-1cm-1以下であるカプラー成
分を用いて合成されたものであることを特徴とする。
カプラー成分を精製メチルエチルケトン中に1mg/ccの
濃度で完全に溶解させた溶液の20℃における導電率(以
下、溶液導電率という)の測定は通常の導電率測定セル
を用いて実施することができる。即ち、第1図に示す様
に外部容器1として硬質ガラス、石英ガラスを用いて、
電極2として白金黒付白金電極を用いた測定セルで実施
する。電極として用いる白金線、白金板は線の場合には
直径0.3mm以上、板の場合には厚さ0.3mm、対向する側の
表面積2cm2以上が好ましい。
溶液の導電率は一般的には下記の式で示される。即
ち、上記測定セルの電極部分(第2図参照)の表面積を
A(cm2)、距離をL(cm)とした時の電気抵抗をR
(Ω)とし、比抵抗をρ(Ω・cm)とすると、導電率Λ
(Ω-1cm-1)は となる。通常、L/Aはセル定数と呼ばれており、これを
Cで示すと(1)式は で示される。
Cの値は測定セルによって異なり、それでCの算出は
KClの標準溶液を用いて行う。通常はKCl標準液の抵抗R
を測定し、それと下記表に示された様な実際のΛから
(2)式を用いてCの算出を行う: ちなみに後述する実施例でのRの測定は市販の抵抗測
定器を用い、又その実験に用いたセルのセル定数は1.1
であった。
カプラー成分を溶かした溶液の導電率が何故変動する
かは現在の所不明であるが、カプラー中に取りこまれた
何らかの塩、例えばアニリド化を行うようなカプラーの
場合はそのアニリド化に用いるアニリンとアニリド化に
用いる酸触媒の塩などが考えられる。
アゾ顔料の合成に従来用いられている市販のカプラー
成分あるいは公知の方法で合成されたカプラー成分の溶
液導電率については何等報告されていないが、本発明者
の行った測定では、いずれのカプラー成分の溶液導電率
についても3.0×10-7Ω-1cm-1よりもかなり高く、また
通常の精製処理を行っても3.0×10-7Ω-1cm-1以下にす
ることはできなかった。そこでカプラー成分の溶液導電
率を低下させるための処理について試行錯誤を繰り返し
た結果、次のような処理工程を用いることによって溶液
導電率を低下させることができることを見いだした。
第1工程 DMF系又はケトン系溶剤による再結工程、又はDMF/水
系又はDMF/アルコール系溶剤による再沈工程のいずれか
による精製を行う。いずれの工程を採用するか、また何
回行うかはカプラー成分の化学構造によって選択され
る。また再結工程後に再沈工程を行うことも、再沈工程
後に再結工程を行うことも、それらを複合させることも
可能であり、また効果的でもある。
第2工程 アルコール系溶剤による分散洗浄を行う。アルコール
の種類、量及び洗浄回数は被精製物の化学構造に依存す
る。尚、ナフトール系の一部のカプラー成分については
エーテル系溶剤を用いても良好な結果が得られる。
第3工程 DMF/水系又はアルコール系溶剤による再沈工程を行
う。
以上の3工程を実施することによってカプラー成分の
溶液導電率を3.0×10-7Ω-1cm-1以下にすることが可能
であるが、カプラー成分の化学構造、反応特性により省
略できる工程があり、被精製物毎に効率の良い方法を選
択することが望ましい。例えば、反応性の低いカルバゾ
ール系カプラー成分の場合には第1工程〜第3工程は必
須工程であるが、反応性の高いカルバゾール系カプラー
成分の場合には、その具体的化学構造に依存するが、第
1工程でかなり精密に精製すれば第3工程を省略するこ
ともできる。即ち、反応性の高いカルバゾール系カプラ
ー成分の場合には、第1工程で再沈工程後に更に再結工
程を行うことがより効果的であり、その場合には第2工
程までで目的を達成することができる。ナフトール系等
のその他のカプラー成分の場合には第2工程の洗浄回数
を増加させることによって第2工程までで目的を達成す
ることもできる。
本発明の電子写真感光体に用いられるアゾ顔料の中心
骨格として使用できるアミン類として次の化合物を挙げ
ることができる: 上記のアミンをジアゾ化し、DMF系又は水系でカップ
リング反応を行うためのカプラー成分として以下の化合
物を挙げることができる: (式中、Xはベンゼン環と縮合して多環芳香環あるいは
複素環を形成する残基で、これらの基は置換基を有して
いてもよい;R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル
基、アラルキル基、アリール基あるいは複素環基、また
は一緒になって窒素原子と共に環状アミノ基を形成する
残基で、これらの基は置換基を有していてもよい;R3
びR4はそれぞれアルキル基、アラルキル基またはアリー
ル基で、これらの基は置換基を有していてもよい;Yは芳
香族炭化水素の2価の基あるいは窒素原子と一緒になっ
て複素環の2価の基を形成する残基で、これらの基は置
換基を有していてもよい;R5はアリール基あるいは複素
環基で、これらの基は置換基を有していてもよい;R6
びR7はそれぞれアルキル基、アラルキル基、アリール基
あるいは複素環基、または一緒になって窒素原子と共に
環状アミノ基を形成する残基で、これらの基は置換基を
有していてもよい)。
上記カプラー成分の具体例として以下の化合物を挙げ
ることができる。
本発明に従って、3.0×10-7Ω-1cm-1以下の溶液導電
率を示すカプラー成分を用いて合成したアゾ顔料を用い
る事により、帯電特性が良好で、特に−1000V以上の高
電界領域においてさえも暗部電位(Vd)が帯電しにくく
なる様な現象が起こらず、一次帯電量に比例してVdの値
が大きくなる感光体を得る事ができる。この様な感光体
はVdの設定値に巾を持たせることができ、更にレーザー
ビームプリンター等でよく使用される反転現像(Vd部分
を現像せず、Vl部分を現像する方式)などでも白地が現
像されてしまう事がなく、美しい画像を得る事ができ
る。
以下実施例に従って本発明を具体的に説明する。
実施例1 (1)カプラー成分として下記の構造式を有する化合物
について考察した。
上記構造式を有する化合物は次のようにして製造し
た。まず、 (0.1モル)とをモノクロベンゼン中で混合し、50℃の
液温になったところでPCl3(0.05モル)を投入して10時
間還流を行った。還流後、温度が40℃になった後過
し、そのペーストをDMF/水で再沈して乾燥させた。これ
を導電率1.37×10-7Ω-1cm-1のメチルエチルケトンに1m
g/ccの温度(液温20℃)で完溶させ、10μポールフィル
ターで過した液の導電率を測定したところ76.3×10
-7Ω-1cm-1であった。
この化合物を更に以下の様に処理して、各々について
同様にして導電率を測定した。
なお、ここで用いたメチルエチルケトン単品の導電率
は1.37×10-7Ω-1cm-1であったが、本発明に関してはメ
チルエチルケトンの導電率は1×10-7Ω-1cm-1程度であ
ることが望ましい。しかし1.4×10-7Ω-1cm-1までなら
ば、測定値に大きな変動は認められていない。
なお上記(1)〜(7)について、シリカプレートに
よる薄層クロマトグラフによっても原材料の は検出されなかった。
次に上記(1)〜(7)のいずれかの処理を行ったカ
プラー成分を用いて以下の要領でアゾ顔料を合成した。
500mlビーカーに水80ml及び濃塩酸16.6ml(0.19モ
ル)を入れ、氷水浴(塩類を入れたもの)で冷却しなが
ら式 の化合物8.45g(0.029モル)を加え、攪拌しつつ液温を
−2℃とした。次に亜硝酸ソーダ6.3g(0.0915モル)を
水10mlに溶かした液を、上記アミン液の液温を0℃以下
にコントロールしながら30分間で滴下し、滴下終了後同
温度で更に15分間攪拌した。反応後にカーボンブラック
を加え、濾過してヘキサゾ化液を得た。
次に2lビーカーにジメチルホルムアミド700mlを入
れ、トリエチルアミン79.5g(0.80モル)を加え、式 の化合物3.48g(0.0915モル)を添加して溶解させた。
このカプラー溶液を外部手段によって0℃に冷却し、液
温を−5〜0℃にコントロールしながら前述の冷ヘキサ
ゾ化液を30分かけて攪拌下に滴下し、その後室温で30分
間攪拌し、さらに1晩放置した。反応液を濾過した後、
水洗濾過し、固形分換算で34.2gの粗製顔料の水ペース
トを得た。
次に400mlのN,N−ジメチルホルムアミドを用い、室温
で攪拌、濾過を4回繰り返した。その後、400mlのメチ
ルエチルケトンでそれぞれ2回攪拌、濾過を繰り返した
後、室温で減圧乾燥して精製顔料30.5gを得た。収率は7
2%であった。分解点250℃以上。
上記(1)〜(7)のいずれかで処理したカプラー成
分を用いて合成した顔料を上記(1)〜(7)で得たカ
プラー成分に対応させて各々顔料1〜顔料7とする。顔
料1〜7について赤外分光分析(IR)を行ったが、どれ
も同様のピークを生じ、差はなかった。代表として顔料
6のIRチャートを第3図に示す。顔料1〜7についての
元素分析の結果を表1に示す。
元素分析の結果については顔料1〜7について特に大
きな差はなく、顔料自体の分析では特に差は認められな
い。
(電子写真感光体の作成) アルミ板上にポリアミド(6ナイロン)のエタノール
溶液(濃度3重量%)を乾燥後の膜厚が0.2μになる様
にマイヤーバーで塗布し、乾燥した。
前記顔料1〜7の各々5gを、メチルエチルケトン95g
にブチラール樹脂(ブチラール化度65モル%)2.0gを溶
かした液を加え、サンドミルで1時間分散した。この分
散液を先に形成したポリアミド層の上に、乾燥後の膜厚
が0.5μとなるようにマイヤーバーで塗布し、乾燥して
電荷発生層を形成した。
次いで構造式(VIII) のヒドラゾン化合物5g及びポリカーボネート樹脂(数平
均分子量55000)5gをモノクロルベンゼン40gに溶解しこ
れを乾燥後の膜厚が18μとなるようにマイヤーバーで塗
布し、乾燥して電荷輸送層を形成した。
又、別に、構造式(IX) のスチリル化合物も同様な方法で塗工して電荷輸送層を
形成した。
本実施例で作成した感光体を表2に示す。
(測定) キャノン製レーザービームプリンターLBP−SXを改造
した装置で感度を測定した。一次帯電に外部より−550
μAの定電流を流し、グリッドに外部より−500Vの電界
をかけて測定した。各感光体の暗部電位(Vd)と明部電
位(Vl/光量2.5μJ/cm2)を表3に示す。なお電位の測
定はCXの現像装置をとりはずし、現像位置で測定した。
次にグリッドバイアスにかかる電界を−800V,−1.1k
V,−1.4kV,−1.7kVにした時のVdの値を表4に示す。
上記の結果のうち、感光体No.1〜7に関してグリッド
バイアス値とVdとの関係を第4図に示す。又、各感光体
のグリッドバイアス−1.7kVの時のVdと感光体に使用し
た顔料のカプラー成分の溶液導電率との関係を第5図
(感光体No.1〜7)及び第6図(感光体No.8〜14)に示
す。
以上の記載及び第5図及び第6図から明らかなよう
に、溶液導電率3.0×10-7Ω-1cm-1以下のカプラー成分
を用いて合成したアゾ顔料を用いた感光体は高電界側で
のVdの帯電が一定であり、それに対して3.0×10-7Ω-1c
m-1を超えるカプラー成分を用いた場合には、溶液導電
率の上昇に比例して高電界側での帯電能低下が認められ
る。
実際に作成した感光体No.8〜No.14をキャノン製レー
ザービームプリンターLBP−SXに搭載して画像を出した
ところ、感光体No.13,10の場合には問題のない美しい画
像が得られた。それに対しNo.14,No.11の場合には白地
部分がやや現像されており、No.12,No.9,No.8の場合に
至っては白地部分がかなり現像されていることが確認さ
れた。
実施例2 中心骨格として式 のアミン化合物を用いた。
又、カプラー成分については、実施例1の(1)と同
様にして式 のカプラー成分を合成、精製し、更に実施例1と同様に
(2)〜(7)の処理を行った。(1)〜(7)の処理
を行ったカプラー成分の溶液導電率は次の通りであっ
た: この(1)〜(7)のいずれかの処理をしたカプラー
成分を用い、実施例1と同様の方法を用いて、(1)〜
(7)に対応する顔料8〜顔料14を作成した。電荷発生
物質に前記の構造式(IX)のスチリル化合物を用い、実
施例1と同様にして顔料8〜顔料14に対応して感光体N
o.15〜No.21を作成した。
実施例1と同様に測定したカプラー成分の溶液導電率
と帯電能(Vd)との関係を第7図に示す。
実施例3 中心骨格として式 のアミン化合物を用いた。
又、カプラー成分については、実施例1の(1)と同
様にして式 のカプラー成分を合成、精製し、更に実施例1と同様に
(2)〜(7)の処理を行った。(1)〜(7)の処理
を行ったカプラー成分の溶液導電率は次の通りであっ
た: この(1)〜(7)のいずれかの処理をしたカプラー
成分を用い、実施例1と同様の方法を用いて、(1)〜
(7)に対応する顔料15〜顔料21を作成した。電荷発生
物質に前記の構造式(VIII)のヒドラゾン化合物を用
い、実施例1と同様にして顔料15〜顔料21に対応して感
光体No.22〜No.28を作成した。
実施例1と同様に測定したカプラー成分の溶液導電率
と帯電能(Vd)との関係を第8図に示す。
以上に示した様に、溶液導電率が3.0×10-7Ω-1cm-1
以下の値を示すカプラー成分を用いたアゾ顔料を用いて
作成した感光体の帯電能は良好であり(実施例1〜
3)、実際の画像によるチェックでも良好である(実施
例1)。
本発明は帯電能に対しての電荷発生物質の効果に関す
るものであるが、帯電能自体は本来電荷発生物質と電荷
輸送物質との相関によって決定される性質のものであ
る。
電荷輸送物質としては、具体的に示せば、電子輸送性
物質としては、クロルアニル、テトラシアノエチレン、
テトラシアノキノジメタン、2,4,5,7−テトラニトロ−
9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン等の電子吸引物
質やこれら電子吸引性物質を高分子化したもの等があ
る。
正孔輸送性物質としては、ピレン、N−エチルカルバ
ゾール、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メ
チリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフェニル
ヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジ
ン、p−ジエチルアミノベベンズアルデヒド−N,N−ジ
フェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルベンズア
ルデヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒドラ
ゾン等のヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミ
ノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニ
ル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−
ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル
(2)〕−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピ
リジル(3)〕−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1
−〔ピリジル(2)〕−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチルア
ミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、スピロピラゾリンなどのピラ
ゾリン類、2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−
ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチ
ルアミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾール等のオ
キサゾール系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾール等のチアゾ
ール系化合物、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチル
フェニル)−フェニルメタン等のトリアリールメタン系
化合物、1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メ
チルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4−
N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)エタン等
のポリアリールアルカン類、トリフェニルアミン、スチ
ルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビ
ニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアク
リジン、ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン、ピレ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルム
アルデヒド樹脂等がある。
又電荷発生物質又は電荷輸送物質と共に結着剤として
高分子バインダーを用いるが、従来知られているよう
に、電荷発生層のバインダーについては特に制限はな
く、電荷輸送層のバインダーについては誘電率3.4以下
のものならば何でも良い。
これらの層のエネルギーレベルは塗膜又は溶液のいず
れの形でも測定する事ができる。具体的には仕事関数又
は酸化電位という物性値である。帯電能は電荷発生層と
電荷輸送層の塗膜の仕事関数によって決定されるがその
巾は各電荷発生物質によって異り、一概に決定できな
い。一例を述べると実施例1で作成した顔料は仕事関数
5.6〜5.14程度で良好な感度を示す。一般的に仕事関数
の低い電荷輸送物質は、電荷発生物質を固定した場合に
は、暗減衰(暗電流)が大きい傾向にある。前記の構造
式VIIIのヒドラゾン化合物の仕事関数は5.14であり、前
記の構造式IXのスチリル化合物の仕事関数は5.5であ
る。第5図及び第6図のY軸(Vd)の絶対値が異るのは
この為である。すなわち少くとも仕事関数がこの範囲の
電荷発生物質を使用する限り、溶液導電率が3.0×10-7
Ω-1cm-1以下であるカプラー成分を用いて合成した顔料
を用いる限り、同様な帯電能傾向を示す事は明らかであ
る。
さらに、電荷輸送物質の仕事関数が電荷発生物質の仕
事関数に近づけば近づくほど電荷発生層から電荷輸送層
へのホールの注入は阻止され、感度が大巾に低下して実
用的ではないし、又逆に仕事関数がかけはなれてしまえ
ば基盤からのホール注入が顕著となり、この場合も実用
的ではない。
すなわち、実用的に少くとも−500〜−800Vまで問題
なく帯電する事ができ、電荷発生物質に応じた感度が得
られる領域に関してはカプラー成分の溶液導電率を3.0
×10-7Ω-1cm-1以下にコントロールする事により帯電能
の良い電子写真感光体とする事が可能である。
〔発明の効果〕
本発明は帯電能特性の優れた電子写真感光体を提供す
ることができる。また、電子写真感光体の作成に用いる
アゾ顔料の合成に使用するカプラー成分の溶液導電率を
測定することにより、そのアゾ顔料を用いて作成した電
子写真感光体の帯電能特性の良し悪しを予測することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は導電率測定セルの概略斜視図である。 第2図は第1図の測定セルの電極部分の拡大概略斜視図
である。 第3図は実施例1で用いた顔料の1種についてのIRチャ
ートである。 第4図は感光体のグリッドバイアス値とVdとの関係を示
すグラフである。 第5図及び第6図はそれぞれ感光体のグリッドバイアス
が−1.7kVである時の帯電能(Vd)と、感光体に使用し
た顔料のカプラー成分の溶液導電率との関係を示すグラ
フである。 第7図及び第8図はそれぞれ感光体に使用した顔料のカ
プラー成分の溶液導電率と帯電能(Vd)との関係を示す
グラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷発生物質としてアゾ顔料を用いた有機
    電子写真感光体において、該アゾ顔料が、精製メチルエ
    チルケトン中に1mg/ccの濃度で完全に溶解させた溶液の
    20℃における導電率が3.0×10-7Ω-1cm-1以下であるカ
    プラー成分を用いて合成されたものであることを特徴と
    する電子写真感光体。
  2. 【請求項2】カプラー成分が、精製メチルエチルケトン
    中に1mg/ccの濃度で完全に溶解させた溶液の20℃におけ
    る導電率が3.0×10-7Ω-1cm以下となるように処理され
    た、下記一般式(I)〜(VII)で表される化合物から
    選ばれたものである請求項1記載の電子写真感光体: (式中、Xはベンゼン環と縮合して多環芳香環あるいは
    複素環を形成する残基で、これらの基は置換基を有して
    いてもよい;R1及びR2はそれぞれ水素原子、アルキル
    基、アラルキル基、アリール基あるいは複素環基、また
    は一緒になって窒素原子と共に環状アミノ基を形成する
    残基で、これらの基は置換基を有していてもよい;R3
    びR4はそれぞれアルキル基、アラルキル基またはアリー
    ル基で、これらの基は置換基を有していてもよい;Yは芳
    香族炭化水素の2価の基あるいは窒素原子と一緒になっ
    て複素環の2価の基を形成する残基で、これらの基は置
    換基を有していてもよい;R5はアリール基あるいは複素
    環基で、これらの基は置換基を有していてもよい;R6
    びR7はそれぞれアルキル基、アラルキル基、アリール基
    あるいは複素環基、または一緒になって窒素原子と共に
    環状アミノ基を形成する残基で、これらの基は置換基を
    有していてもよい)。
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