JP2700067B2 - ハロゲン化銀写真乳剤および保存性の改良されたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真乳剤および保存性の改良されたハロゲン化銀写真感光材料

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JP2700067B2 JP63260333A JP26033388A JP2700067B2 JP 2700067 B2 JP2700067 B2 JP 2700067B2 JP 63260333 A JP63260333 A JP 63260333A JP 26033388 A JP26033388 A JP 26033388A JP 2700067 B2 JP2700067 B2 JP 2700067B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高感度でカブリが低く且つ高温迅速処理に耐
えるハロゲン化銀写真感光材料に関し、特に保存時にお
ける特性の安定性について改良されたハロゲン化銀写真
感光材料に関する。
〔発明の背景〕
近時、ハロゲン化銀写真感光材料の性能に関しては、
ますます複雑多岐に亘る要求がなされており、特に写真
性能が安定した高感度乃至超高感度のハロゲン化銀写真
感光材料が要求されている。特に、X線用感光材料に於
ては人体に対するX線の被曝量を少なくするためより少
ないX線量で多くの情報が得られるような高感度にし
て、かつカブリの発生が少なく、しかも高画質の写真感
光材料が要求されている。
ハロゲン化銀写真感光材料(以下単に感光材料という
こともある)の感光度を高める方法としては乳剤層に含
まれるハロゲン化銀の粒径を大きくすること、増感色素
を用いて分光増感を行うこと等が最も一般的なものとし
て行われている。
ハロゲン化銀粒子の粒径を大きくすると感度が高くな
ることは周知の通りであるが大粒系のハロゲン化銀乳剤
を用いた感光材料は一般に保存中にカブリが増大した
り、減感したりするいわゆる保存性が悪くなる傾向があ
る。ハロゲン化銀写真感光材料の保存性向上には各種添
加剤の添加など多くの技術が開示されているが多くは減
感などの好ましくない副次的効果を伴なうものが多く、
特に大型のハロゲン化銀粒子を含んだ高感度感光材料の
保存性には、なお満足すべきものは得られていないのが
現状である。又粒子の大型化に伴ないカバリングパワー
の低下、或いは感光材料が折曲げ等の機械的圧力を受け
た場合の減感の増大等の好ましくない性質をも増加する
ためハロゲン化銀粒子を大型化して感度を高めるには限
界があった。
同一粒径で感度を上げる方法、つまり増感方法につい
ては多種多様の技術がある。例えば、チオエーテル類な
どの現像促進剤を乳剤中に添加する方法、分光増感され
たハロゲン化銀乳剤では適当な色素の組み合わせで超色
増感する方法、また化学増感剤の改良技術などが多く報
じられているが、これらの方法は必ずしも高感度ハロゲ
ン化銀写真感光材料において汎用性があるとは言い難
い。高感度のハロゲン化銀写真感光材料に用いるハロゲ
ン化銀乳剤は、可能な限り化学増感を最大に行うため
に、上記の方法であると保存中にカブリを生じやすい等
の欠点を伴なっている。
一方、分光増感も極めて有用な増感手段であって医療
用Xレイ写真の分野では従来450nmに感光波長域があっ
たレギュラータイプから、更にオルソ増感して、540−5
50nmの波長域で感光するオルソタイプの感光材料が用い
られるようになっている。このように増感されたもの
は、感光波長域が広くなるとともに感度が高くなってお
り、従って、被曝X線量を低減でき、人体等に与える影
響を小さくできるが、反面使用される乳剤の種類、色素
の選択、使用量、併用される他の添加量との組合せ等が
適切を欠くと増感性が損われたり、得られた感光材料の
保存性が低下したりして充分な効果が得られないことが
多い。特に大型粒子を用いた高感度感光材料においては
上記のような欠点が強く表れる傾向があり尚改善すべき
余地が多く残っている。
〔発明の目的〕
上記のように従来技術による感光材料高感度化の方途
はいづれも派生する保存性の低下の問題に阻まれて一定
の限度を越えることが困難であった。本発明はこうした
障害を越えて保存期間中における写真特性の劣化が極め
て少なく、且つ、高温迅速処理適性のすぐれた高感度ハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供しようとするものであ
る。
〔発明の構成〕
本発明者は種々検討の結果、化学熟成後のハロゲン化
銀乳剤をゼラチン誘導体により凝集せしめ懸濁媒中の溶
存物を除去することによって、得られたハロゲン化銀写
真感光材料により上記の問題点である保存性の改良なら
びに、高温迅速処理性の優れた高感度ハロゲン化銀写真
感光材料が得られることを見い出した。
一般に写真用ハロゲン化銀乳剤の製造工程に於いて、
物理熟成を終了したハロゲン化銀乳剤の過剰のハロゲン
化物を始めとして硝酸塩、アンモニアなどを除去するた
めの脱塩工程を行うのが普通である。
脱塩法としては例えばヌードル法、透析法あるいは凝
析沈降法などが知られているが、そのうちの凝析沈降法
は他の方法に比して、優れることから広く実用化されて
いる。
しかし、これらはいずれもハロゲン化銀粒子の結晶成
長後に行われる脱塩工程であり、そのあとに行われる化
学熟成をより効果的にするための手段である。
本発明は、このように結晶成長後の脱塩工程を経て、
化学増感剤により充分な化学熟成を施したハロゲン化銀
乳剤をゼラチン誘導体を用いて再び凝析処理することを
特徴とするものである。
本発明に用いられるゼラチン誘導体とは、ゼラチン分
子中に含まれる官能基としてアミノ基、イミノ基、ヒド
ロキシル基、又はカルボニル基をそれらと反応し得る基
を1ヶ持った試薬で処理改質した例えばアシル化ゼラチ
ンのような所謂、ゼラチン誘導体を指し、別名変性ゼラ
チン、化学修飾ゼラチンともいわれているものである。
本発明に用いるゼラチン誘導体は、ゼラチン分子のア
ミノ基の50%以上を置換した変性ゼラチンが好ましい。
ゼラチンのアミノ基に対する置換基例は、例えば米国特
許2,489,341号、同2,691,582号、同2,614,928号、同2,5
25,753号などに記載されている。
本発明に有用な置換基としては、 (1) アルキルアシル,アリールアシル、アセチル及
び置換,無置換のベンゾイル等のアシル基 (2) アルキルカルバモイル,アリールカルバモイル
等のカルバモイル基、 (3) アルキルスルホニル,アリールスルホニル等の
スルホニル基、 (4) アルキルチオカルバモイル,アリールチオカル
バモイル等のチオカルバモイル基、 (5) 炭素数1〜18個の直鎖,分岐のアルキル基、 (6) 置換,無置換のフェニル,ナフチル及びピリジ
ル,フリル等の芳香族複素環等のアリール基 が挙げられる。
就中、好ましい変性ゼラチンはアシル基(−COR1)カ
ルバモイル基 によるものである。前記R1は置換,無置換の脂肪族基
(例えば炭素族1〜18個のアルキル基,アリル基)、ア
リール基またはアラルキル基(例えばフェネチル基)で
あり、R2は水素原子,脂肪族基,アリール基,アラルキ
ル基である。
特に好ましいものはR1がアリール基、R2が水素原子の
場合である。
以下にゼラチン誘導体の具体例をアミノ基置換基によ
って例示するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
:例示ゼラチン誘導体(アミノ基置換基): 脱塩に使用するこれらゼラチン誘導体の添加量は、特
に制限はないが脱塩時に保護膠質として含まれているゼ
ラチンの0.3〜10倍量(重量)が適当であり、特に好ま
しくは1〜5倍量(重量)である。
本発明の方法による化学熟成後のゼラチン誘導体によ
る凝析法は、従来より行われている物理熟成後の凝析法
と同様の手順で行うことができる。
即ちゼラチン誘導体を添加した後pHを調整してAgX乳
剤を凝析せしめる。凝析を行わせるpHとしては5.5以下
特に5.0〜2が好ましい。pH調整に用いる酸には特に制
限はないが、酢酸、くえん酸、サリチル酸等の有機酸、
塩酸、硝酸、硫酸、燐酸等の無機酸が好ましく用いられ
る。ゼラチン誘導体に併用して重金属イオン例えばマグ
ネシウムイオン、カドミウムイオン、鉛イオン、ジルコ
ニウムイオン等を添加してもよい。
脱塩は1回でも数回繰返してもかまわない。数回繰返
す場合は、脱塩の度にゼラチン誘導体を添加してもよい
が、最初にゼラチン誘導体を添加しただけでもよい。
本発明に於ける化学熟成とは物理熟成後に行う熟成を
指し、ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行わないいわゆ
る未後熟乳剤(プリミテイブ乳剤)を用いることもでき
るが、通常は化学増感される。化学増感のためには、Gl
afkides又はZelikmanらの著書、あるいはH.Frieser編、
「(デ グランドランゲン デル フォトグラフィシェ
ン プロセス ミット シルベルハロゲニデン)Die Gr
undlagen der Photographischen Prozesse mit Silberh
alogeniden」,Akademische Verlagsgesellschaft(196
8)に記載の方法を用いることができる。
すなわち、活性ゼラチンや銀と反応しうる硫黄を含む
化合物(例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、メルカプト化
合物、ローダニン類)を用いる硫黄増感法、還元性物質
(例えば第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホ
ルムアミジンスルフィン類、シラン化合物)を用いる還
元増感法、貴金属化合物(例えば金化合物の他、白金、
イリジウム、パラジウムなどの周期律表第VIII族金属の
錯塩)を用いる貴金属増感法などを単独或いは組み合わ
せて実施することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含まれるハロゲ
ン化銀粒子は、ヨウ化銀を含むハロゲン化銀であり、ヨ
ウ塩化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀のいずれであって
もよい。特に、高感度のものが得られるという点では、
ヨウ臭化銀であることが好ましい。
このようなハロゲン化銀粒子中の平均ヨウ化銀含有量
は0.5〜10モル%、好ましくは1〜8モル%であり、粒
子の内部には、少なくとも20モル%以上の高濃度のヨウ
化銀が局在化した局在化部分が存在する。
この場合、粒子内部としては、粒子の外表面からでき
るだけ内側にあることが好ましく、特に外表面から0.01
μm以上離れた部分に局在部分が存在することが好まし
い。
また、局在部分は、粒子内部にて、層状に存在しても
よく、またいわゆるコアシェル構造をとって、そのコア
全体が局在化部分となっていてもよい。この場合、外表
面から0.01μm以上の厚さのシェル部分を除く粒子コア
部の一部ないし全部が20モル%以上のヨウ化銀濃度の局
在化部分であることが好ましい。
なお、局在化部分のヨウ化銀は、その濃度が30〜40モ
ル%の範囲であることが好ましい。
このような局在化部分の外側は、通常、ヨウ化銀を含
まないハロゲン化銀によって被覆される。すなわち、好
ましい態様においては、外表面から0.01μm以上、特に
0.01〜1.5μmの厚さのシェル部分がヨウ化銀を含まな
いハロゲン化銀(通常、臭化銀)で形成される。
本発明において、粒子内部(好ましくは粒子外壁から
0.01μm以上離れている粒子の内側)に少なくとも20モ
ル%以上の高濃度ヨウ化銀の局在化部分を形成する方法
としては、種晶を使わないものであってもよい。
種晶を使わない場合は、保護ゼラチンを含む反応液相
(以後、母液という)中に熟成開始前は成長核となるよ
うなハロゲン化銀がないので、まず銀イオン及び少なく
とも20モル%以上の高濃度ヨウ素イオンを含むハライド
イオンを供給して成長核を形成させる。そして、さらに
添加供給を続けて、生長核から粒子を生長させる。最後
に、ヨウ化銀を含まないハロゲン化銀で0.01μm以上の
厚さをもつシェル層を形成せしめる。
種晶を使う場合には、種晶のみに少なくとも20モル%
以上のヨウ化銀を形成し、この後シェル層で被覆しても
良い。あるいは、種晶のヨウ化銀量を0とするか10モル
%以下の範囲内とし、種晶を生長させる工程で粒子内部
のに少なくとも20モル%のヨウ化銀を形成させて、この
のちシェル層で被覆してもよい。
本発明によるハロゲン化銀写真感光材料においてはそ
の乳剤層中に存在するハロゲン化銀粒子の少なくとも50
%が前記のようなヨウ化銀局在部分を有する粒子である
ことが好ましい。
又本発明のハロゲン化銀写真感光材料の好ましい実施
態様は前記のごときヨウ化銀局在部分を有する構造又は
形態が規則正しいハロゲン化銀粒子を用いることであ
る。
ここにいう構造又は形態が規則正しいハロゲン化銀粒
子とは、双晶面等の異方的生長を含まず、全て等方的に
生長する粒子を意味し、例えば立方体、14面体、正8面
体、球型等の形状を有する。かかる規則正しいハロゲン
化銀粒子の製法は公知であり、例えばJ.Phot.Sci.,,3
32(1961),Ber.Bunsenges.Phys.Chem.67,949(1963),
Int−ern,Congress Phot.Sei.Tokyo(1967)等に記載さ
れている。
かかる規則正しいハロゲン化銀粒子は、同時混合法を
用いてハロゲン化銀粒子を成長させる際の反応条件を調
節することにより得られる。かかる同時混合法において
は、ハロゲン化銀粒子は、保護コロイドの水溶液中へ激
しく攪拌しつつ、硝酸銀溶液とハロゲン化銀溶液とをほ
ぼ等量づつ添加することによって作られる。
そして、銀イオン及びハライドイオンの供給は、結晶
粒子の成長に伴って、既存粒子結晶を溶失させず、又逆
に新規粒子の発生、成長を許さない、既存粒子のみの成
長に必要充分なハロゲン化銀を供給する限界成長速度、
あるいはその許容範囲において、成長速度を連続的にあ
るいは段階的に逓増させることが好ましい。この逓増方
法としては特公昭48−36890号、同52−16364号、特開昭
55−142329号公報に記載されている。
この限界成長速度は、温度、pH、pAg、攪拌の程度、
ハロゲン化銀粒子の組成、溶解度、粒径、粒子間距離、
晶癖、あるいは保護コロイドの種類と温度等によって変
化するものではあるが、液相中に懸濁する乳剤粒子の顕
微鏡観察、濁度測定等の方法により実験的に容易に求め
ることができる。
本発明の好ましい実施態様としてはそのハロゲン化銀
乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の少なくとも50重量
%が前記の如き規則正しい粒子であることが望ましい。
また本発明の他の好ましい実施態様としては前記のよ
うなヨウ化銀局在部分を有する単分散乳剤を使用するこ
とが挙げられる。
ここにいう単分散乳剤とは、常法により、例えばThe
Photographic Journal,79,330〜338(1939)にTrivell
i,Smithにより報告された方法で、平均粒子直径を測定
したときに、粒子数又は重量で少なくとも95%粒子が、
平均粒子径の±40%以内、好ましくは±30%以内にある
ハロゲン化銀乳剤からなるものをいう。
かかる単分散乳剤粒子は、規則正しいハロゲン化銀粒
子の場合と同様に、同時混合法を用いて作られる。同時
混合時の諸条件は規則正しいハロゲン化銀粒子の製法と
同様である。
かかる単分散乳剤の製法は公知であり、例えばJ.Pho
t.Sic.,12,242〜251(1963)特開昭48−36890号、同52
−16364号、特開昭55−142329号、特開昭58−49938号の
各公報に記載されている。
上記単分散乳剤を得るためには、特に種晶を用い、こ
の種晶を成長核として銀イオン及びハライドイオンを供
給することにより、粒子を成長させることが好ましい。
この種晶の粒子サイズの分布が広いほど、粒子成長核
の粒子サイズ分布も広くなる。従って、単分散乳剤を得
るためには、種晶の段階で粒子サイズ分布の狭いものを
用いるのが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる前記
の如きハロゲン化銀粒子は、例えばT.H.James著“The T
heory of the Photographic Process"第4版、Macmilla
n社刊(1977年)38〜104頁等の文献に記載されている中
性法、酸性法、アンモニア法、順混合、逆混合、ダブル
ジェット法、コントロールド−ダブルジェット法、コン
バージョン法、コア/シェル法などの方法を適用して製
造することができる。
又これらのハロゲン化銀粒子又はその粒子を含むハロ
ゲン化銀乳剤中にはその写真的特性改良のためイリジウ
ム塩、ロジウム塩等の各種重金属塩含有されていてもよ
い。
更にこれらのハロゲン化銀粒子は、その成長過程にお
いて保護コロイドを含む母液のpAgを一時的に少なくと
も10.5、特に好ましくは11.5以上であるブロムイオン過
剰の状態に置くことにより粒子外表面の(111)面を5
%以上増加させて粒子を丸めることにより本発明の効果
を一層高めることができる。
この場合、(111)面の増加率は、上記の10.5以上のp
Ag雰囲気を通過させる前のものに対するもので有り、特
に(111)面の増加率が10%以上、より好ましくは10〜2
0%となることが好ましい。
ハロゲン化銀粒子外表面を(111)面もしくは(100)
面のどちらかが覆っているか、或いはその比率をどのよ
うに測定するかについては、平田明による報告、“ブチ
レン オブ ド ソサイアティオブ サンエンティフィ
ック フォトグラフィックオブ ジャパン”(Bulletin
of the Society of Scientific Photography of Japa
n)No.13.5〜15ページ(1963)に記載されている。
本発明において、化学増感前の粒子成長中に、保護コ
ロイドを含む母液のpAgが少なくとも10.5以上である雰
囲気を一度通過させることにより、平田の測定方法によ
って、(111)面が5%以上増加しているか否かは容易
に確認することができる。
この場合、上記pAgとする時期は、化学増感前である
が、ハロゲン化銀粒子の成長のために銀イオンを添加す
る時期から脱塩工程前が好ましく、特に銀イオンの添加
終了後であって、化学増感前に通常行なわれているいわ
ゆる脱塩工程前であることが望ましい。これは、粒径分
布の狭い単分散乳剤が得やすいからである。
なお、pAgが10.5以上である雰囲気での熟成は、2分
以上行うことが好ましい。
このようなpAg制御により、(111)面が5%以上増加
し、形状が丸みを帯びることになる。
本発明において用いられるハロゲン化銀乳剤は平均粒
径が3.0μmより大きい時には、粒状性の劣化が著し
く、また更に必ずしも増感効果が得られず、本発明の目
的を達成できない。一方、平均粒径が0.2μmより小さ
い時は感度の低下が著しく、目的にかなう感度及び示性
曲線が得られない。本発明におけるハロゲン化銀粒子の
平均粒径は、好ましくは0.4〜0.7μmの範囲である。
本発明のハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀粒子の成長
の終了後に、適当な方法によって化学増感に適するpAg
やイオン濃度にする事ができる。例えば凝集法やヌード
ル水洗法など、リーサチディスクロジャー17643号(Res
earch Disclosure 17643号)記載の方法で行うことがで
きる。
また、本発明においては乳剤を単独で使用してもよ
く、2種以上の互いに異なる平均粒径を有するハロゲン
化銀乳剤を組み合わせて用いてもよい。この場合、それ
ぞれの乳剤のハロゲン化銀の組成は互いに異なっても同
じであってもよい。
前記のようなハロゲン化銀粒子に施す化学増感法とし
ては、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素化合物等
を用いる硫黄増感法、塩化金酸塩、三塩化金等を用いる
金増感法、二酸化チオ尿素、塩化第一錫、銀熟成等を用
いる還元増感法、その他パラジウム増感法、セレン増感
法等があり、これらを単独で用いたり、これらを二種以
上併用したりすることができる。この場合、特に金増感
と硫黄増感を併用することが好ましい。
また本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は上記硫黄
増感法等の他にセレン増感法を用いることもできる。例
えばセレノウレア、N,N′−ジメチルセレノウレアなど
を用いた米国特許第1,574,944号明細書、同第3,591,385
号明細書、特公昭43−13849号、同44−15748号公報に記
載の方法を使用することができる。
二種以上の乳剤を混合して用いるときは乳剤を混合し
て化学増感を施してもよく、各乳剤を単独に化学増感し
た後混合してもよい。
本発明のハロゲン化銀粒子は、その粒子の成長過程に
Ir,Rh,Pt,Auなどの貴金属イオンを添加し、粒子内部に
包含せしめることができ、また、低pAg雰囲気や適当な
還元剤を用いて粒子内部に還元増感核を付与することが
できる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料においては乳剤に
分光増感を施すことができる。分光増感剤については特
に限定はなく、例えばシアニン色素、メロシアニン色素
等通常ハロゲン化乳剤の分光増感に用いられる公知の分
光増感剤をもちいることができる。
本発明において用いられるハロゲン化銀粒子を分散せ
しめる親水性コロイドとしては、ゼラチンが最も好まし
いが、更にバインダー物性を改良するために、例えば、
セルロース誘導体、例えばセルロースエーテル、部分加
水分解した酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロー
ス等、又は合成親水性樹脂、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、アクリル酸及びメタクリル
酸又はその誘導体、例えばエステル、アミド及びニトリ
ルのホモ及びコポリマー、ビニル重合体、例えばビニル
エーテル及びビニルエステルを使用できる。
自動現像機で迅速処理する際に、ハロゲン化銀写真感
光材料中のゼラチン量は、乾燥性をよくするためにでき
るだけ少ない法が望ましい。一方、ゼラチン量が減少す
ると、その保護コロイド性が減少し、ローラー搬送中に
おける圧力マークが生じやすくなる。従って本発明に係
るハロゲン化銀写真感光材料に用いられるゼラチン量
は、使用するハロゲン化銀にあたる量の銀の重量に対
し、重量比として(ゼラチン量/銀量)0.4〜0.8が好ま
しい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いられる
ハロゲン化銀乳剤は安定剤、カブリ抑制剤として、例え
ば米国特許第2,444,607号、同第2,716,062号、同第3,51
2,982号、同第3,342,596号、独国特許第1,189,380号、
同第205,862号、同第211,841号の各明細書、特公昭43−
4183号、同39−2825号、特開昭50−22626号、同50−252
18号の各公報などに記載の安定剤、カブリ抑制剤を用い
る方法を適用してもよく、特に好ましい化合物として
は、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデン、5,6−トリメチレン−7−ヒドロキシ−s−
トリアゾロ(1,5,−a)ピリミジン、5,6−テトラメチ
レン−7−ヒドロキシ−s−トリアゾロ(1,5−a)ピ
リミジン、5−メチル−7−ヒドロキシ−s−トリアゾ
ロ(1,5−a)ピリミジン)、7−ヒドロキシ−s−ト
リアゾロ(1,5−a)ピリミジン,没食子酸エステル
(例えば没食子酸イソアミル、没食子酸ドデシル、没食
子酸プロピル、没食子酸ナトリウムなど)、メルカプタ
ン類(例えば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾー
ル、2−メルカプトベンツチアゾールなど)、ベンツト
リアゾール類(例えば5−ブロムベンツトリアゾール、
4−メチルベンツトリアゾールなど)、ベンツイミダゾ
ール類(例えば6−ニトロベンツイミダゾールなど)等
が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料は、その塗布液中
に通常用いられる写真用硬膜剤、例えばアルデヒド系、
アジリジン系(例えばPBレポート、19,921、米国特許第
2,950,197号、同第2,964,404号、同第2,983,611号、同
第3,271,175号の各明細書、特公昭46−40898号、特開昭
50−91315号の各公報に記載のもの)、イソオキサゾー
ル系(例えば米国特許第331,609号明細書に記載のも
の)、エポキシ系(例えば米国特許第3,047,394号、西
独特許第1,085,663号、英国特許第1,033,518号の各明細
書、特公昭48−35495号公報に記載のもの)、ビニール
スルホン系(例えばPBレポート19,920、西独特許第1,10
0,942号、英国特許第1,251,091号、特開昭45−54236
号、同48−110996号、米国特許第353,964号、同第3,49
0,911号の各明細書に記載のもの)、アクリロイル系
(例えば特願昭48−27949号、米国特許第3,640,720号の
各明細書に記載のもの)、カルボジイミド系(例えば米
国特許第2,938,892号明細書、特公昭46−38715号公報、
特願昭49−15095号明細書に記載のもの)、その他マレ
イミド系、アセチレン系、メタンスルホン酸エステル
系、トリアジン系、高分子型等の硬膜剤が使用できる。
また、増粘剤として、例えば米国特許第3,167,410号、
ベルギー国特許第558,143号の各明細書に記載のもの、
ゼラチン可塑剤としてポリオール類(例えば米国特許第
2,960,404号明細書、特公昭43−4939号、特開昭48−637
16号の各公報のもの)、さらにはラテックス類として、
米国特許第766,979号、フランス特許第1,395,554号の各
明細書、特公昭48−43125号公報に記載されるもの、マ
ット剤として英国特許第1,221,980号明細書に記載のも
のなどを用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の構成要素中
には、所望の塗布助剤を用いることができ、例えばサポ
ニン或いはスルホコハク酸系界面活性剤として、例えば
英国特許第548,532号、特願昭47−89630号の各明細書な
どに記載のもの、或いはアニオン性界面活性剤として、
例えば特公昭43−18166号公報、米国特許第3,514,293
号、フランス特許第2,025,688号の各明細書、特公昭43
−10247号公報などに記載のものが使用できる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、所
謂クロスオーバー効果の軽減のために、本発明の乳剤層
の下層で支持体に接する層に染料を用いることができる
えし、また画像の鮮鋭性の向上あるいは安全光に起因す
るカブリの軽減のために保護層及び/又は本発明の乳剤
層に染料を添加することができる。そして、かかる染料
としては、上記目的のための公知のあらゆるものが使用
できる。
また本発明の乳剤をカラー用の感光材料に適用するに
は、赤感性、緑感性及び青感性に調整された本発明の乳
剤にシアン、マゼンタ及びイエローカプラーを組合せて
含有せしめるカラー用感光材料に使用される手法及び素
材を充当すればよい。
有用なカプラーとしては閉鎖メチレン系イエローカプ
ラー、ピラゾロン系マゼンタカプラー、フェノール系又
はナフトール系シアンカプラーが挙げられ、これらのカ
プラーに組合せてオートマスクをするためのカラードカ
プラー(例えばカプラーの活性点に結合基としてアゾ基
を有するスプリットオフ基が結合したカプラー)、オサ
ゾン型化合物、現像拡散性色素放出型カプラー、現像抑
制剤放出型化合物(芳香族第1級アミン現像主薬の酸化
体として現像抑制型化合物を放出する化合物であり、芳
香族第1級アミン現像主薬の酸化体と反応して有用の色
素を形成する、いわゆるDIRカプラーならびに無色の化
合物を形成するいわゆるDIR物質の両方を含む)などを
用いることも可能である。またこれらのカプラーをハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料中に含有せしめるために
は、従来からカプラーについて用いられている公知の種
々の技術を適用することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、前記のごとき
乳剤を支持体上に塗布することによって得られる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、平
均粒径の互いに異なる2種以上のハロゲン化銀乳剤を用
いる場合には、支持体上に個々に履状に分解して塗布す
ることができるし、また混合して塗布することもでき
る。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持
体は、公知のもののすべてを含み、例えばポリエチレン
テレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリアミド
フィルム、ポリカーボネートフィルム、スチレンフィル
ム、またバライタ紙、合成高分子を被覆した紙などであ
る。そして支持体上の片面あるいは両面に本発明の乳剤
を塗布することができ、両面に塗布する場合、乳剤の構
成が支持体に対して対称もしくは非対称に塗布すること
ができる。
本発明はハロゲン化銀写真感光材料のすべてについて
適用可能であるが、高感度の黒白用あるいはカラー用ネ
ガ感光材料等に特に適している。医療用X線ラジオグラ
フィーに適用する場合、例えば、透過性放射線曝射によ
って近紫外ないし可視光を発する蛍光体を主成分とする
蛍光増感紙を用いて、これを本発明の乳剤を両面塗布し
てなる本発明に係るハロゲン化銀材料の両面に密着し、
露光することが望ましい。ここに透過性放射線とは高エ
ネルギーの電磁波であって、X線及びγ線を意味する。
そしてここに蛍光増感紙とは、例えばタングステン酸カ
ルシウム(CaWO4)を主たる蛍光成分とする増感紙、そ
してテルビウムで活性化された稀土類を主たる蛍光成分
とする蛍光増感紙である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は通常用いら
れる公知の方法により現像処理することができる。黒白
現像液は、通常用いられる現像液、例えばハイドロキノ
ン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、N−メチルイ−
p−アミノフイェノール或いはp−フェニレンジアミン
等の単一又はこれらの2種以上を組み合わせて含有した
ものが用いられ、その他の添加剤は常用のものが使用で
きる。また、該感光材料がカラー用の場合には、通常用
いられる発色現像法で発色現像することができる。
アルデヒド硬膜剤を含有する現像液もまた本発明に係
るハロゲン化銀感光材料に使用することができ、例えば
ジアルデヒド類であるマレイツクジアルデヒド、或いは
グルタルアルデヒド及びこれらの重亜硫酸ナトリウム塩
などを含有した写真分野では公知の現像液を用いること
もできる。
以下、本発明を実施例により例証するが、これによっ
て本発明の実施態様が限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例−1 〔A〕 種晶の調製 温度60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、
ダブルジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%
を含む沃臭化銀の単分散立方晶粒子を調製し次いで下記
に示すような脱塩を行ない沃臭化銀の種晶を得た。
(脱塩方法) 混合を終えた沃臭化銀液に、ナフタレンスルホン酸ナ
トリウム塩のアルデヒド樹脂をハロゲン化銀1モル当り
15gと硫酸マグネシウムを60gそれぞれ水溶液にして40℃
下で添加した。3分撹拌後、静置し、デカンテーション
により過剰塩類を除去した。次いで40℃の純水をハロゲ
ン化銀1モル当り2.1加え分散させたのち、硫酸マグ
ネシウム30gを加え、3分撹拌したのち静置し、再びデ
カンテーションを行った。その後ゼラチンを添加し55℃
に保ち20分撹拌し再分散させることにより、種晶を得
た。
〔B〕 種晶からの成長 上述の〔A〕で得られた種晶を用いて粒子成長を行っ
た。まず40℃に保たれた保護ゼラチン溶液(必要によっ
てはアンモニアを含む。)の8.5中に種晶を溶解さ
せ、さらに酢酸によりpHを調整した。
この母液に3.2規定のアンモニア性銀イオン水溶液を
ダブルジェット法で添加した。
この場合、pHとEAgは沃化銀含有率及び晶癖により随
時変化させた。
即ちpAgを7.3、pHを9.7に制御し沃化銀含有率が35モ
ル%の層を形成させた。
次にpHを8〜9に変化させpAgは7.0に保ち粒子を成長
させた。
その後、臭化カリ溶液をノズルで8分かけて添加しpA
gを11.0に落とし、臭化カリ溶液の添加後3分で混合を
終了した。次に酢酸でpHを6.0に落とした。得られた乳
剤は、粒子全体の沃化銀含有率が2モル%の平均粒径0.
53μmを示す単分散粒子であった。
次にこの乳剤の脱塩法を示す。
(脱塩方法) 混合を終えた反応液に40℃のまま、前記と同様のナフ
タレンスルホン酸ナトリウム塩のアルデヒド樹脂をハロ
ゲン化銀1モル当り5.5gと硫酸マグネシウム8.5gを加え
3分撹拌したのち、静置しデカンテーションを行った。
ついで40℃の純水を1.8加え分散させたのち、硫酸
マグネシウムを20g加え、3分撹拌したのち静置してか
らデカンテーションを行った。
この純水と硫酸マグネシウムによる工程を再度くりか
えして、過剰塩類を除去した。
ついでゼラチン15gを含む水溶液を加え総量を450mlに
仕上げたのち、55℃で20分間撹拌して乳剤を得た。
このようにして得られた乳剤に対して、本発明の方法
である化学増感後の凝集剤即ちゼラチン誘導体による処
理を次のように行った。
チオシアン酸アンモニウムと塩化金酸及びチオ硫酸ナ
トリウムの適量を加えて化学増感を行ない、化学熟成を
終えてから熟成停止剤として4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンの適量を加えた。
ついでハロゲン化銀1モル当り沃化カリウムを150mg
と分光増感色素の下記DYe−1とDYe−2をそれぞれ300m
gと15mg添加し、オルソ型乳剤を得た。
得られた乳剤を8分割し、そのうちの1つはそのまま
比較試料とし他の7種には表−1に示すごとく本発明に
係る化合物をそれぞれ40℃下で添加し、3分間撹拌した
のち、苛性カリでpHを4.0にして静置してからデカンテ
ーションを行った。ついで40℃の純水をハロゲン化銀1
モル当り2.1加えてから苛性カリでpHを5.8にして5分
間撹拌する。その後、1.7規定の硝酸水溶液でpHを4.3に
落としてから静置し、デカンテーションを行った。
そのあと、ゼラチン溶液を加え、苛性カリでpHを5.8
に調整して再分散した。
得られた高感度沃臭化銀乳剤8種類のいづれもに増粘
剤としてスチレンと無水マレイン酸の共重合物と湿潤剤
としてトリメチロールプロパン及びジエチレングリコー
ルの適量を加えた。
ついで塗布助剤としてソジウム−イソアミル−N−デ
シル−スルホサクシネートの適量と硬膜剤としてホルマ
リンの適量を添加し、ポリエチレンテレフタレート支持
体上に銀量が3g/m2になるよう均一塗布した。
得られた試料を保存性試験として23℃の恒温室に3日
間放置したものと50℃の恒温室に3日間放置したもの及
び未処理のフレッシュ試料を作成した。
これらの試料をJiS法にもとづきKS−1型セントメー
ター[コニカ(株)製]で露光後、KX−500自動現像機
[コニカ(株)製]でXD−90現像液により35℃30秒の現
像を行った。
定着−水洗−乾燥後の試料をセンシトメトリーした結
果が下記の表−1である。
なお表中の感度は試料1(比較)のフレッシュ試料の
感度を100として表した相対感度値である。
上記の表−1から明らかなように本発明に係る凝集剤
で処理した試料のNo.2〜8は、未処理の比較試料No.1に
対してフィルムの保存中に於けるカブリの増加が少な
く、かつ感度の劣化も少いすぐれた写真特性を維持する
ことが判る。
実施例−2 実施例−1で得た乳剤とまったく同一の方法で処理し
た下記表−2の乳剤2種と比較用としての乳剤を調製し
た。
上記表−2の(A)(B)及び(C)乳剤をそれぞれ
4分割にして計12種の乳剤に下記の表−3に示したよう
に公知のカブリ抑制剤を添加した以外は実施例−1と同
様にして塗布液を調製した。
ついで下引済みのポリエチレンテレフタレート支持体
の両面に塗布銀量が両面で5g/m2になるよう保護層と併
せて2層同時塗布したのち乾燥して高感度X線用ハロゲ
ン化銀フィルムを作成した。
なお、保護層用塗布液は、3%のゼラチン水溶液で、
塗布助剤及び硬膜剤は実施例−1で用いたものと同一の
ものを適量含み、塗布ゼラチン量は両面で6.5g/m2にな
るよう塗布したものである。
得られたフィルムを実施例−1とまったく同様の保存
性試験を行ってから現像処理したセンシトメトリー結果
を表−3に示す。
但し表中の感度は比較試料である試料No.9のフレッシ
ュピースを100として表した相対感度である。
上記の表−3からも判るように、代表的なカブリ抑制
剤を添加することによって、従来法の化学熟成後に凝集
水洗をしない比較乳剤(C)の試料No.17〜No.20では、
カブリ抑制効果が僅かで減感性を生じるのに対し、化学
熟成後に凝集水洗を施工した本発明に係る乳剤〔A〕及
び〔B〕の試料No.9〜No.16ではカブリ抑制剤の添加に
よって減感性の少ないカブリ抑制効果がさらに強調され
安定した写真特性を有するハロゲン化銀写真感光材料が
得られる。
〔発明の効果〕
上記の実施例により詳細に説明した通り、本発明によ
り、高感度で、しかも保存中にカブリの発生が少なく、
安定した性能を有するハロゲン化銀写真感光材料を提供
することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀イオンとハライドイオンとを供給し、ハ
    ロゲン化銀結晶粒子を形成する工程、該形成したハロゲ
    ン化銀結晶粒子の成長後に脱塩する工程、該脱塩したハ
    ロゲン化銀結晶粒子を化学増感剤により充分な化学熟成
    を施す工程、および該化学熟成を施したハロゲン化銀結
    晶粒子を、ゼラチン誘導体を用いて再び凝析処理する工
    程とを含むことを特徴とするハロゲン化銀写真乳剤の製
    造方法。
  2. 【請求項2】支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有する写真感光材料に於いて、該ハロゲ
    ン化銀乳剤層の少なくとも一つが、結晶成長後の脱塩工
    程を経て、化学増感剤により充分な化学熟成を施した
    後、ゼラチン誘導体を用いて再び凝析処理されたハロゲ
    ン化銀粒子を含有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。
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JPS61103149A (ja) * 1984-10-26 1986-05-21 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JPS62237993A (ja) * 1986-04-08 1987-10-17 Mitsubishi Paper Mills Ltd ハロゲン化銀写真感光乳剤の凝集沈澱法
JPS63106744A (ja) * 1986-10-24 1988-05-11 Konica Corp 赤外光に対して高感度のハロゲン化銀写真感光材料

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