JP2829641B2 - 帯電防止性能が優れたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

帯電防止性能が優れたハロゲン化銀写真感光材料

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JP2829641B2 JP1251379A JP25137989A JP2829641B2 JP 2829641 B2 JP2829641 B2 JP 2829641B2 JP 1251379 A JP1251379 A JP 1251379A JP 25137989 A JP25137989 A JP 25137989A JP 2829641 B2 JP2829641 B2 JP 2829641B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は帯電防止性能を付与したハロゲン化銀写真感
光材料に関するものであり、更に詳しくは高湿度下に於
ける帯電性を改良したハロゲン化銀写真感光材料に関す
るものである。
〔発明の背景〕
近年、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、感光材料と
いう)に対する要求は益々複雑多岐に亙り、特に写真性
能が安定した高感度にしてカブリの発生が少なく、しか
も高画質の感光材料が要望されている。
特にX線用感光材料においては、人体に対するX線の
被曝量を少なくするために、より少ないX線量で多くの
情報が得られるような高感度、高画質で、しかも早く情
報を得るため迅速現像処理に適合した感光材料が望まれ
ている。
かかる要望から、より高感度なX線用感光材料を得る
目的で、ハロゲン化銀粒子の製法を含めて多くの提案が
なされている。
そのうちの一方法として、写真用分光増感色素をハロ
ハゲン化銀粒子の形成時、物理熟成時或いは脱塩工程時
に添加して増感性を得る技術として例えば特開昭58−18
4142号、同61−19628号、及び同61−205929号などが知
られている。
一方、感光材料は一般に電気絶縁性の支持体及び写真
構成層から成っているので、感光材料の製造工程中なら
びに使用時に同種又は異種物質の表面との間の接触摩擦
又は剥離を受けることにより静電電荷が蓄積され易い。
現像処理前に蓄積された静電電荷が放電することによっ
て感光性乳剤層が感光し、写真フィルムを現像処理した
際に点状スポット又は樹枝状や羽毛状の線斑、いわゆる
スタチックマークを生ずる。これは写真フィルムの商品
価値を著しく損ねる。例えば医療用又は工業用X−レイ
フィルム等に現れるスタチックマークは非常に危険な判
断に繋がるが、この現像は現像してみて初めて明らかに
なるもので非常に厄介な問題の1つである。又、これら
の蓄積された静電電荷は、フィルム表面へ塵挨が付着し
たり、塗布が均一に行えないなどの第2次的故障を誘起
する原因ともなる。このスタチックマークは感光材料の
高感度化及び高速塗布、高速撮影、高速自動処理化等に
より一層発生し易くなっている。
即ち、感光材料の塗布、感光、加工包装をはじめとし
た製造工程時、更にはフィルム装填、撮影、自動現像材
処理工程或いは影写などで各種のローラー、機器や感材
同士などとの接触摩擦の機会が極めて多い。
従来から感光材料の支持体や各種塗布表面層の導電性
を向上させる方法が考えられ、種々の吸湿性物質や水溶
性無機塩、ある種の界面活性剤、ポリマー等の利用が試
みられてきた。
しかしながら、これら多くの物質は支持体の種類や写
真組成物の違いによって特異性を示したり写真性能にも
悪影響を及ぼす場合がある。特に親水性コロイド層に対
する帯電防止は非常に困難で、低温又は高湿下で表面比
抵抗の低下が十分でなかったり、高温高湿において感光
材料同士又は他の物質との間で接着故障を生ずることが
しばしばある。又、ポリエチレンオキサイド系化合物の
ように帯電防止効果を有しながら、カブリの増加、減
感、粒状性の劣化等、写真特性への悪影響を与えるもの
も多く、医療用X−レイ感材のように支持体の両面に乳
剤層を有する感光材料への使用に適する帯電防止剤を見
い出すのは困難であった。
特に前述した分光増感法によって高感度化されたX線
用フィルムでは、フィルムの保存が高湿(湿度・約50%
以上)下になった場合、著しく表面比抵抗値が上昇する
という予測しえなかった負効果を招くことがわかった。
そこで、従来技術による帯電防止法について種々試み
たが、それぞれある程度の効果は認められるものの、他
の特性例えば増感性を損ねたりするなど必ずしも満足す
るものではなかった。
〔発明の目的〕
本発明は上記の実情に鑑み試されたもので、本発明の
第一の目的は、写真性能に悪影響を及ぼすことのない帯
電防止剤を用いて帯電防止された高感度ハロゲン化銀写
真感光材料を提供することである。
本発明の第二の目的は、高湿条件下での表面比抵抗が
改良された分光増感性を有する高感度X線用ハロゲン化
銀写真感光材料を提供することである。他の目的は以下
の明細にて明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明者は、上記の目的に対して鋭意検討の結果、下
記の本発明によって達成されることを見出した。
即ち、ハロゲン化銀粒子の粒子形成工程、物理熟成工
程及び脱塩工程のうちの少なくとも一つの工程中に、後
記一般式〔I〕で表される分光増感色素で分光増感され
た少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を支持体上に有
するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化
銀写真感光材料の乳剤保護層中に、下記一般式〔A〕で
表される化合物から選ばれる少なくとも一つを含有する
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料によって成
される。
式中、R1は水素原子、直鎖ないし分岐鎖のアルキル
基、環状アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、ア
ルコキシ基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、
チオカルバモイル基、スルファモイル基を表し、R2,R3
はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状
アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、アルキルスルホキシド基、アルキルス
ルホニル基及び複素環基を表す。またR2とR3は互いに結
合して置換基を有してもよいベンゼン環を形成してもよ
い。上記のうちアルキル基、環状アルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素
環基、カルバモイル基、チオカルバモイル基及びスルフ
ァモイル基は置換基を有していてもよい。
一般式〔A〕で表される化合物としては、次の一般式
〔A−1〕及び〔A−2〕の化合物がより好ましく用い
られる。
上記一般式〔A−1〕のR4において、アルキル基及び
アルケニル基の炭素数は1〜36、より好ましくは1〜18
である。環状アルキル基の炭素数は3〜12、より好まし
くは3〜6である。
式中、R4で表されるアルキル基は置換基を有していて
もよく置換分としては例えば、ハロゲン原子(Br、Clな
ど)、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基な
どが挙げられる。
アリール基は置換基を有していてもよいフェニル基が
挙げられ、置換分としては例えば、ハロゲン原子、ニト
ロ基、シアノ基などが挙げられる。カルバモイル基、チ
オカルバモイル基、及びスルファモイル基はそれぞれ置
換基を有していてもよく置換分としては例えば、炭素数
1〜8の置換または無置換のアルキル基、フェニル基な
どが挙げられ、フェニル基にはハロゲン原子、ニトロ
基、シアノ基などが置換されていてもよい。
R4に置換してもよい複素環としては、N、O、Sのう
ちのすくなくとも1つのフテロ原子を含む5〜6員の複
素環で、例えば、フリル基、チアゾリル基、チエニル基
などが挙げられ、これら複素環には例えば、炭素数1〜
5のアルキル基、ハロゲン原子などが置換されていても
よい。
次に前記一般式〔A−I〕で表される化合物の代表的
具体例を以下に示すが、本発明の化合物は、これらに限
定されるものではない。
次に上記一般式〔A−2〕に於いて、R7は水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基など、炭素数1〜4のアルコ
キシ基例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基
及びブトキシ基などが挙げられる。複素環としては例え
ば、前記一般式〔A−1〕のR4と同義のものが挙げられ
る。R8、R9はそれぞれ同じかまたは異なってもよい水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、などを
挙げることができる。
次に前記一般式〔A−2〕で表される化合物の代表的
具体例を以下に示すが、本発明の化合物がこれに限定さ
れるものではない。
これらの化合物は水または例えばアルコール類、(メ
タノール、エタノール、イソプロパノール等)、ケトン
類(アセトン等)、グリコール類(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等)、エステル類(酢酸エチ
ル等)等の有機溶媒のうち写真性能に悪影響をおよぼさ
ない溶媒に溶解し、溶液として親水性コロイド中に添加
しても良く、保護層の上に塗布しても良く、あるいは写
真感光材料を本発明の化合物溶液中に浸して含有させて
も良い。あるいは高沸点有機溶媒、低沸点有機溶媒もし
くは両者の混合溶媒に溶解した後、界面活性剤の存在下
で乳化分散し、親水性コロイドを含む液に添加、又は保
護層の上に更に塗布する方法によっても良い。又、ポリ
アクリル酸ブチルのごとき高分子化合物中に含有せし
め、界面活性剤の存在下で分散した後、親水性コロイド
を含む液に添加または保護層の上に塗布しても良い。
本発明に用いられる一般式〔A−1〕で示されるイソ
チアゾリン−3−オン化合物は親水性コロイドに対し1
×10-4〜10重量%の範囲であるのが好ましく、特に3×
10-4〜1重量%の範囲が好ましい。
又、一般式〔A−2〕で示される1,2−ベンズイソチ
アゾリン−3−オン化合物は、親水性コロイドに対して
1×10-3〜10重量%の範囲で含有させるのが好ましく、
特に1×10-4〜1重量%の範囲が好ましい。添加量は写
真感光材料の種類、添加する層、塗布方法等によって上
記の範囲外で用いても良いことは勿論である。
前記一般式〔A〕で表される化合物は、例えばフラン
ス特許1555416号明細書記載の方法又は、それに準じて
容易に合成することができる。
次に、本発明に用いられる分光増感色素としては通常
メチン色素が用いられるが、これにはシアニン色素、メ
ロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン
色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、
スチリル色素及びヘミオキソノール色素が包含される。
上記の色素の中で本発明にとくに有用な増感色素はシ
アニン色素である。本発明に有用なシアニン色素の具体
例として次の一般式〔I〕で表わされる色素が挙げられ
る。
式中、Z1及びZ2は非置換又はそれぞれハロゲン原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基もしくはフェニル基
で置換されたピロリン環、チアゾリン環、チアゾール
環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナ
ゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフセレナゾール
環、オキサアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフト
オキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール
環又はピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表
し、R1及びR2は低級アルキル基、ヒドロキシアルキル
基、カルボキシアルキル基又はスルホアルキル基を表
し、R3はn3が1のときに低級アルキル基又は水素原子で
あると共に、n3が0又は2のときに水素原子を表し、n1
及びn2は0又は1を表し、n3は0、1又は2を表し、X
はアニオンを表し、mは1又は2を表す。
前記一般式〔I〕におけるZ1及びZ2の非金属原子群
は、相互に同じか又は異なってアゾール環などを完成で
きるものであればよく、例えばベンゾチアゾール環とし
ては、ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾー
ル、5−メチルベンゾチアゾール、5−メトオキシベン
ゾチアゾール、5−ヒドロオキシベンゾチアゾール、5
−ヒドロオキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5,6−
ジメチルベンゾチアゾール、5−エトオキシ−6−メチ
ルベンゾチアゾール、5−ヘニルベンゾチアゾール、5
−カルボキシベンゾチアゾール、5−エトオキシカルボ
ニルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルアミノベンゾチ
アゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾールなとが
挙げられる。そしてベンゾセレナゾール環としては、例
えばベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾー
ル、5−メチルベンゾセレナゾール、5−メトオキシベ
ンゾセレナゾール、5−ヒドロオキシベンゾセレナゾー
ル、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、5,6−ジメトオ
キシベンゾセレナゾール、5−エトオキシ−6−メチル
ベンゾセレナゾール、5−ヒドロオキシ−6−メチルベ
ンゾセレナゾール、5−ヘニルベンゾセレナゾールなと
が挙げられ、更にナフトチアゾール環としては、例えば
β−ナフトチアゾール、β,β−ナフトチアゾールなと
が挙げられ、更に又ナフトセレナゾール環としては、例
えばβ−ナフトセレナゾールなとが挙げられる。
更にベンゾオキサゾール環としては、例えばベンゾオ
キサゾール、5−クロロ−ベンゾオキサゾール、5−ヘ
ニルベンゾオキサゾール、6−メトキシ−ベンゾオキサ
ゾール、5−メチル−ベンゾオキサゾール、β,β−ナ
フトオキサゾールなとが挙げられる。
又、ベンゾイミダゾール環としては、例えばベンゾイ
ミダゾール、5−クロロ−ベンゾイミダゾール、5,6−
ジクロロベンゾイミダゾール、5−メトオキシカルボニ
ルベンゾイミダゾール、5−エトオキシカルボニルベン
ゾイミダゾール、5−ブトオキシカルボニルベンゾイミ
ダゾール、5−フルオロ−ベンゾイミダゾールなとが挙
げられる。
上記R1及びR2の具体例としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基などのアルキル基、β−カルボ
キシエチル基、γ−カルボキシプロピル基、γ−スルホ
プロピル基、γ−スルホブチル基、δ−スルホブチル
基、スルホエトオキシエチル基などの置換アルキル基を
挙げることができる。又、上記R3の具体例としては、水
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を挙げること
ができる。
上記Xで示されるアニオンの具体例としては、例えば
ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、チオシアン酸イオ
ン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン
酸イオン、メチル硫酸イオンなどを挙げることができ
る。
次に、本発明に有効に用いられる前記一般式〔I〕で
表される代表的な化合物例を挙げるが本発明は、これら
によって限定されるものではない。
上記の増感色素は、例えば、F.M.Hamer著“Heterocyl
ic Compounds cyanine dYes and related Compounds"Jo
hn wiley & sons(New York,London)社1964年刊に合
成法も含めて記載されているシアニン色素類である。
これらの増感色素は、単一もしくは組合せて所望の分
光感度を得るため本発明の方法によってハロゲン化銀乳
剤に添加される。
本発明で言う粒子形成、物理熟成及び脱塩工程とは、
前述のごときハロゲン化銀粒子調製時に於ける銀塩溶液
とハライド溶液との反応直後から粒子成長のための物理
熟成を経て、水可溶性塩類を除去する脱塩工程までを指
す。
本発明に係る増感色素の添加時期は、上記工程中であ
れば、いづれの時期であってもよい。
脱塩方法としては、例えば凝集法やヌードル水洗法な
ど、リサーチディスクロジャー17643号(Research Disc
losure17643号)記載の方法で行うことができる。
ハロゲン化銀乳剤粒子調製中に添加される本発明に係
る増感色素の量はハロゲン化銀の種類や銀量などによっ
て一様ではないが、好ましい添加量はハロゲン化銀1モ
ル当たり0.01〜10ミリモルで、更に好ましくは0.1〜1
ミリモルである。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含まれるハロゲ
ン化銀粒子は、ヨウ化銀を含むハロゲン化銀であり、ヨ
ウ塩化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ臭化銀のいずれであって
もよい。特に、高感度のものが得られるという点では、
ヨウ臭化銀であることが好ましい。
このようなハロゲン化銀粒子中の平均ヨウ化銀含有量
は0.5〜10モル%、好ましくは1〜8モル%であり、粒
子の内部には、少なくとも20モル%以上の高濃度のヨウ
化銀が局在化した局在化部分が存在する。
この場合、粒子内部としては、粒子の外表面からでき
るだけ内側にあることが好ましく、特に外表面から0.01
μm以上離れた部分に局在部分が存在することが好まし
い。
又、局在部分は、粒子内部にて、層状に存在してもよ
く、又いわゆるコアシェル構造をとって、そのコア全体
が局在化部分となっていてもよい。この場合、外表面か
ら0.01μm以上の厚さのシェル部分を除く粒子コア部の
一部ないし全部が20モル%以上のヨウ化銀濃度の局在化
部分であることが好ましい。
なお、局在化部分のヨウ化銀は、その濃度が30〜40モ
ル%の範囲であることが好ましい。
このような局在化部分の外側は、通常、ヨウ化銀を含
まないハロゲン化銀によって被覆される。すなわち、好
ましい態様においては、外表面から0.01μm以上、特に
0.01〜1.5μmの厚さのシェル部分がヨウ化銀を含まな
いハロゲン化銀(通常、臭化銀)で形成される。
本発明において、粒子内部(好ましくは粒子外壁から
0.01μm以上離れている粒子の内側)に少なくとも20モ
ル%以上の高濃度ヨウ化銀の局在化部分を形成する方法
としては、種晶を使わないものであってもよい。
種晶を使わない場合は、保護ゼラチンを含む反応液相
(以後、母液という)中に熟成開始前は成長核となるよ
うなハロゲン化銀がないので、まず銀イオン及び少なく
とも20モル%以上の高濃度ヨウ素イオンを含むハライド
イオンを供給して成長核を形成させる。そして、さらに
添加供給を続けて、成長核から粒子を生長させる。最後
に、ヨウ化銀を含まないハロゲン化銀で0.01μm以上の
厚さをもつシェル層を形成せしめる。
種晶を使う場合には、種晶のみに少なくとも20モル%
以上のヨウ化銀を形成し、この後シェル層で被覆しても
良い。あるいは、種晶のヨウ化銀量を0とするか10モル
%以下の範囲内とし、種晶を生長させる工程で粒子内部
のに少なくとも20モル%のヨウ化銀を形成させて、この
のちシェル層で被覆してもよい。
本発明によるハロゲン化銀写真感光材料においてはそ
の乳剤層中に存在するハロゲン化銀粒子の少なくとも50
%が前記のようなヨウ化銀局在部分を有する粒子である
ことが好ましい。
又本発明の他の好ましい実施態様としては前記のよう
なヨウ化銀局在部分を有する単分散乳剤を使用すること
が挙げられる。
ここにいう単分散乳剤とは、常法により、例えばThe
Photographic Journal,79,330〜338(1939)にTrivell
i,Smithにより報告された方法で、平均粒子直径を測定
したときに、粒子数又は重量で少なくとも95%粒子が、
平均粒子径の±40%以内、好ましくは±30%以内にある
ハロゲン化銀乳剤からなるものをいう。
かかる単分散乳剤粒子は、規則正しいハロゲン化銀粒
子の場合と同様に、同時混合法を用いて作られる。同時
混合時の諸条件は規則正しいハロゲン化銀粒子の製法と
同様である。
かかる単分散乳剤の製法は公知であり、例えばJ.Pho
t.Sic.,12,242〜251(1963)特開昭48−36890号、同52
−16364号、特開昭55−142329号、特開昭58−49938号の
各公報に記載されている。
上記単分散乳剤を得るためには、特に種晶を用い、こ
の種晶を成長核として銀イオン及びハライドイオンを供
給することにより、粒子を成長させることが好ましい。
この種晶の粒子サイズの分布が広いほど、粒子成長核
の粒子サイズ分布も広くなる。従って、単分散乳剤を得
るためには、種晶の段階で粒子サイズ分布の狭いものを
用いるのが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる前記
の如きハロゲン化銀粒子は、例えばT.H.James著“The T
heory of the Photographic Process"第4版、Macmilla
n社刊(1977年)38〜104頁等の文献に記載されている中
性法、酸性法、アンモニア法、順混合、逆混合、ダルブ
ジェット法、コントロールド−ダブルジェット法、コン
バージョン法、コア/シェル法などの方法を適用して製
造することができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロ
イド層には、本発明の目的効果を得る為にゼラチン硬化
剤としてビニルスルホン型硬化剤を用いることが好まし
い。
本発明に用いられるビニルスルホン型硬化剤とは、ス
ルホニル基に結合したビニル基或はビニル基を形成し得
る基を有する化合物であり、好ましくはスルホニル基に
結合したビニル基又はビニル基を形成し得る基を少なく
とも2つ有している例えば下記一般式〔VS−1〕で表さ
れる化合物が、本発明において好ましく用いられる。
一般式〔VS−1〕 L−(SO2−X)m 式中、Lはm値の連結基で、Xは−CH=CH2又はCH2CH
2YでありYは塩基によってHYの形で遊離し得る基例えば
ハロゲン原子、スルホニルオキル基、スルホオキシ基
(塩を含む)又は3級アミンンの残基等を表す。mは2
〜10の整数を表すがmが2以上の際、(SO2−X)は同
じでも異なってもよい。m値の連結基Lは、例えば脂肪
族炭化水素基例えば(アルキレン、アルキリデン、アル
キリジン等或はこれらが結合して形成される基)、芳香
族炭化水素基例えば(アリーレン基或はこれらが結合し
て形成される基)、−O−、−NR1−(R1は水素原子又
は好ましくは1〜15個の炭素原子を有するアルキル基を
表す。)、−S−、−N−、−CO−、−SO−、−SO
2−、−SO3−で示される結合を一つ或は複数組み合わせ
ることにより形成されるm価の基であり、−NR1−を2
つ以上含む場合、それらのR1同志が結合して環を形成し
てもよい。連結基はさらに、ヒドロキシ基、アルコキシ
基、カルバモイル基、スルアモイル基、アルキル基又は
アリール基等の置換基を有するものを含むXの具体例と
しては、例えばCH−CH又はCH2CH2Clが好ましい。
以下に、本発明によって用いられるビニルスルホン型
硬化剤の代表的具体例を示すが本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
V−1 H2C=CHSO2CH2SO2CH=CH2 V−2 H2C=CHSO2(CH22SO2CH=CH2 V−3 H2C=CHSO2(CH23SO2CH=CH2 V−4 H2C=CHSO2CH2OCH2SO2CH=CH2 V−5 H2C=CHSO2(CH22O(CH22SO2CH=CH2 V−8 H2C=CHSO2CH2CONHCH2NHCOCH2SO2CH=CH2 V−9 H2C=CHSO2CH2CONH(CH22NHCOCH2SO2CH=CH2 V−10 H2C=CHSO2CH2CONHCH2CH2NHCOCH2SO2CH=CH2 V−20 [(H2C=CHSO23CCH2SO2(CH22SCH22CO V−22 (H2C=CHSO2CH24C V−24 (H2C=CHSO2CH23CC2H5 V−30 H2C=CHSO2(CH22SO2(CH22SO2CH=CH2 V−31 H2C=CHSO2(CH2)2O(CH2)2NHONH(CH2)2O(CH2)2SO2CH=CH
2 V−35 (H2C=CHSO2NH)2CH2 V−36 H2C=CHSO2(CH22NH(CH22NH(CH22SO2CH=CH2 V−41 C8H17C(CH2SO2CH=CH2 V−44 CH2(CONHCH2SO2CH=CH2 V−46 C〔CO(CH22SO2CH=CH2 V−48 NH〔(CH22SO2CH=CH2 V−49 CH3C(CH2OCH2SO2CH=CH2 V−50 C(CH2OCH2SO2CH=CH2 V−51 N〔(CH22OCH2SO2CH=CH2 V−52 (CH2=CHSO2CH23CCHSO2(CH22Cl V−53 H2C=CHSO2CH=CH2 V−54 H2C=CHSO2CH2C(CH2SO2CH2CH2OSO3 Na V−55 CH3SO3(CH22SO2(CH22OSO2CH3 本発明に用いられるビニルスルホン型硬化剤は、例え
ば、独国特許第1,100,942号および米国特許第3,490,911
号等に記載されている如き芳香族系化合物、特公昭44−
29622号、同47−25373号、同47−24259号等に記載され
ている如きヘテロ原子で結合されたアルキル化合物、特
公昭47−8736号等に記載されている如きスルホンアミ
ド、エステル系化合物、特開昭49−24435号等に記載さ
れている如き1,3,5−トリス[β−(ビニルスルホニ
ル)−プロピオニル]−ヘキサヒドロ−s−トリアジン
あるいは特公昭50−35807号、特開昭51−44164号等に記
載されている如きアルキル系化合物および特開昭59−18
944号等に記載されている化合物等を包含する。
これらのビニルスルホン型硬化剤は、水または有機溶
剤に溶解し、バインダー(例えばゼラチン)に対して0.
005〜20重量%、好ましくは、0.02〜10重量%用いられ
る。
写真層への添加はバッチ方式あるいはインライン添加
方式等が採用される。
これらの硬化剤の写真層への添加の層は特に限定され
ることは無く、例えば最上層一層、最下層一層、あるい
は全層に添加してもよい。
本発明に係る硬化剤は単独で用いてもよく、本発明の
硬化剤を2種以上混合して用いてもよい。又従来公知の
他の硬化剤と併用して用いてもさしつかえない。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤には公知の写真用添加
剤を使用することができる。
公知の写真用添加剤としては例えば下表に示したリサ
ーチ・ディスクロージャーのRD−17643及びRD−18716に
記載の化合物が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、い
わゆるクロスオーバー効果の軽減のために、本発明の乳
剤層の下層で支持体に接する層に染料を用いることがで
きるし、また画像の鮮鋭性の向上或いは安全光に起因す
るカブリの軽減のために保護層及び/又は本発明の乳剤
層に染料を添加することができる。そして、かかる染料
としては、上記目的のための公知のあらゆるものが使用
できる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤に用いられる支持体
は、公知のもののすべてを含み、例えばポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステルフィルム、ポリアミドフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム、スチレンフィル
ム、又バライタ紙、合成高分子を被覆した紙などであ
る。そして支持体上の片面或いは両面に本発明の乳剤を
塗布することができ、両面に塗布する場合、乳剤の構成
が支持体に対して対称もしくは非対称に塗布することが
できる。
本発明はハロゲン化銀写真感光材料のすべてについて
適用可能であるが、高感度の黒白用或いはカラー用ネガ
感光材料等に特に適している。医療用X線ラジオグラフ
ィーに適用する場合、例えば、透過性放射線曝射によっ
て近紫外ないし可視光を発する蛍光体を主成分とする蛍
光増感紙を用いて、これを本発明の乳剤を両面塗布して
なる本発明に係るハロゲン化銀材料の両面に密着し、露
光することが望ましい。ここに透過性放射線とは高エネ
ルギーの電磁波であって、X線及びγ線を意味する。そ
してここに蛍光増感紙とは、例えばタングステン酸カル
シウム(CaWO4)を主たる蛍光成分とする増感紙、そし
てテルビウムで活性化された稀土類化合物を主たる蛍光
成分とする蛍光増感紙である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は通常用いら
れる公知の方法により現像処理することができる。黒白
現像液は、通常用いられる現像液、例えばハイドロキノ
ン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p
−アミノフェノール或いはp−フェニレンジアミン等の
単一又はこれらの2種以上を組み合わせて含有したもの
が用いられ、その他の添加剤は常用のものが使用でき
る。また、該感光材料がカラー用の場合には、通常用い
られる発色現像法で発色現像することができる。
アルデヒド硬膜剤を含有する現像液もまた本発明に係
るハロゲン化銀感光材料に使用することができ、例えば
ジアルデヒド類であるマレイツクジアルデヒド、或いは
グルタルアルデヒド及びこれらの重亜硫酸ナトリウム塩
などを含有した写真分野では公知の現像液を用いること
もできる。
以下、本発明を実施例により例証するが、これによっ
て本発明の実施態様が限定されるものではない。
〔実施例〕
実施例−1 60℃,pAg=8.pH=2.0にコントロールしつつ、ダブル
ジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%を含む
沃臭化銀の単分散立法晶乳剤(A)を得た。この乳剤
は、電子顕微鏡写真から双晶の発生率は個数で1%以下
であった。この乳剤(A)を種晶として、以下のように
成長させた。
即ち、40℃に保たれた保ゴゼラチン及び必要に応じて
アンモニアを含む溶液8.5にこの種晶(A)を溶解さ
せ、更に酢酸によりpHを調整した。
この液を母液として3.2規定のアンモニア性銀イオン
水溶液をダブルジェット法で添加した。この場合、pHと
EAgは、沃化銀含有率及び晶癖により随時変化させた。
つまり、pAgを7.3、pHを9.7に制御し、沃化銀含有率3
5モル%の層を形成した。次に、粒径の95%まで、pHを
9から8へ変化させ、pAgを9.0に保ち成長させた。(工
程−1)その後、臭化カリ溶液をノズルで8分かけ添加
し、pAgを11.0に落とし、その臭化カリ添加終了3分後
に混合終了させた。(工程−2)この乳剤は、平均粒径
0.55μm、又粒子全体の沃化銀含有率は約2.2モル%で
ある。
次にこの反応液の過剰な可溶性塩を除去するために脱
塩工程を行なった。
即ち、反応液を40℃に保ち、化合物(I)5g/AgX1モ
ル、MgSO48g/AgX1モルを添加し、5分間攪拌しその後静
置した。その後、上澄液を排出し、AgX1モルあたり200c
cの液量にした。その次に、40℃の純水を1.8/AgX1モ
ル加え、5分間攪拌した。(工程−3)次にMgSO420g/A
gX1モルを加え、上記と同様に攪拌静置し、上澄液を排
除し、脱塩を行なった。次に、この溶液を攪拌し、AgX
を再び分散させるための後ゼラチンを添加した。
得られた乳剤を次のような化学増感をかけた。即ち、
まず乳剤を55℃に保った。
その後、チオシアン酸アンモニウムと塩化金酸とハイ
ポを加え、金・硫黄増感を行なった。増感終了後、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a、7−テトラザインデ
ンを加えた。(工程−4) 上述の工程のうちで、各工程の最後に、増感色素を添
加して後記表−1に示した試料を得た。色素の添加位
置、色素の種類、量なども表1に示す。
これらの乳剤には、いづれも添加剤として、AgX1モル
当たりt−ブチル−カテコール400mg、ポリビニルピロ
リドン(分子量10,000)1.0g、スチレン・無水マレイン
酸共重合体2.5g、トリメチロールプロパン10g、ジエチ
レングリコール5g、ニトロフェニル−トリフェニルフォ
スフォニウムクロライド50mg、1,3−ジヒドロキシベン
ゼン−4−スルホン酸アンモニウム4g、2−メルカプト
ベンツイミダゾール−5−スルホン酸ソーダ15mg 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン10m
gを加えて乳剤塗布液とした。
又、保護層添加剤として、下記の化合物を加えた。
(添加量はゼラチン1g当りの量で示す。) 平均粒径5μmのポリメチルメタクリレートからなる
マット剤7mg、平均粒径0.013μmのコロイダルシリカ70
mg、(CHO)28mg、HCHO6mgを加えて保護層用塗布液とし
た。
この保護層用塗布液中に、本発明に係る一般式〔A〕
で表される化合物及び比較化合物をそれぞれ後記表1の
ごとく添加した。
得られた各々の塗布液を、グリシジルメタクリレート
50wt%、メチルアクリレート10wt%、ブチルメタクリレ
ート40wt%の3種のモノマーからなる共重合体を、その
濃度が10wt%になるように希釈して得た共重合体水性分
散液を下引き液としたポリエチレンテレフタレートベー
ス上に塗設した。
即ち、ベースの両面に支持体から順に乳剤層、保護層
を二層同時重層塗布し、乾燥して試料を得た。
尚、各試料の塗布銀量は両面で5g/m2で、保護層用塗
布液は、3%ゼラチン溶液を用い乳剤層保護層を含めて
の塗布ゼラチン量は両面で6.5g/m2になるよう塗布した
ものである。
実施例に用いた化合物 これらの試料を23℃、RH55%及び30℃RH.65%でそれ
ぞれ3日間保存した。次にこれらを以下のようにして表
面比抵抗を測定した。
〔表面比抵抗の測定〕
試料の試験片を電極間隔0.14cm、長さ10cmのしんちゅ
う製電極に挟み、武田理研製絶縁計TR8651型で1分間測
定した。試料は、25℃,20%RHに2時間調湿し測定し
た。結果は、表1に示す。
〔センシトメトリーの測定〕
「新編、照明のデータブック」に記載の標準の光Bを
光源とし、露光時間0.1秒3.2cmsでノンフィルターでフ
ィルムの両面に同一の光量となるように露光した。上記
試料は、SRX−501自動現像機(コニカ(株)製)を用
い、XD−SR現像液で45秒処理を行い、各試料の感度を求
めた。感度は、黒化濃度が1.0だけ増加するのに必要な
光量の逆数を求め、試料No1−1〜1−13では、1−4
を1−14〜1−23では、1−16を1−24〜1−33では1
−26の感度を100とした相対感度で表した。
得られた結果を表1に示す。
実施例2 水1中に臭化カリウム、チオエーテル(HO(CH22
S(CH22S(CH22S(CH2)OH)及び、ゼラチンを加え
て溶解し、65℃に保った。この溶液中に、攪拌しながら
硝酸銀溶液と沃化カリと臭化カリの混合溶液をダブルジ
ェット法により添加した。(添加する硝酸銀の液量で50
%の時点を〔工程1〕添加終了の時点を〔工程2〕とす
る。)添加終了後、40℃まで降温し、化合物(I)及び
MgSO4をそれぞれ2.4g、6g/AgX1モル宛添加し、pHを降下
させ沈降せしめて、上澄液を排出することで、可溶性塩
類を除去した。次にこの溶液を分散させ〔工程3〕後ゼ
ラチンを添加した。
得られたハロゲン化銀粒子は平均直径が1.18μmで厚
み0.15μmの平板状ハロゲン化銀粒子で、沃化銀含有率
が2.5モル%であった。この乳剤を実施例1と同様の化
学増感を行なった。化学増感後を〔工程4〕とする。
上述の工程のうちで、各工程の最後に増感色素を添加
して下記の表2に示した試料を得た。色素の添加位置、
色素の種類、量なども表2に示す。
次いで実施例1と同様に保護層中に本発明に係る一般
式〔A〕の化合物を加えた試料を作成した。添加した化
合物とその量を表2に示す。
これらの試料を実施例1と同様にして表面比抵抗及び
センシトメトリを測定し、その結果を表2に示す。
表1及び表2の結果から判るように、増感色素の添加
位置(添加時期)が本発明外である化学熟成後(工程−
4)である場合には、本発明化合物を添加しても高温下
での帯電防止性は改良されないのに対して、本発明に係
る方法で分光増感された場合には、高感度を得られるの
と併せて、高湿下での表面比抵抗値を著しく減少させ優
れた帯電防止性能を示した。
尚、ゴムシート上に未露光フィルムを置いて上からゴ
ムローラーで圧着剥離してのスタチックマークを生ぜし
める試験法を行った結果、本発明に係る試料のいずれも
が比較試料に対してスタチックマークの発生が全く認め
られず表中の表面比抵抗値とよく相関していた。
実施例3 実施例1及び2で調製した試料1−5、1−6、1−
7、1−8、1−9、1−10、1−18、1−25及び2−
5、2−6に於いて保護層の硬膜剤として用いた(CH
O)とHCHOの代わりに表3に示す化合物を添加して試
料を作成した。
得られた試料について、23℃、RH55%の条件下で3日
間保存した試料と、55℃、RH55%の条件下で3日間保存
した試料を実施例1と同様に現像しセンシトメトリー行
った。
表中の感度は、それぞれの試料の23℃、RH55%の感度
を100としたときの相対感度で表した。
表3から判るように、本発明に係る試料のいずれも
が、高温下での保存に対しても安定した感度特性を有し
ており、斯かる効果は、硬膜剤としてアルデヒド型より
ビニルスルホン系硬膜剤を使用した場合に顕著に表され
ていた。
なお本発明に係る試料は、いずれも表面比抵抗値、及
びスタチックマーク防止性が優れ、ビニルスルホン型硬
膜剤と組み合わした場合にも、本発明の効果が優れてい
た。
〔本発明の効果〕
本発明により、写真特性に悪影響を及ぼすことのない
帯電防止方法が得られ、特に分光増感色性を付与した高
感度X線用ハロゲン化銀写真感光材料の高湿条件下に於
ける帯電防止性を改良することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/85 G03C 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀粒子の粒子形成工程、物理熟
    成工程及び脱塩工程のうちの少なくとも一つの工程中
    に、下記一般式〔I〕で表される分光増感色素で分光増
    感された少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を支持体
    上に有するハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロ
    ゲン化銀写真感光材料の乳剤保護層中に、下記一般式
    〔A〕で表される化合物から選ばれる少なくとも一つを
    含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕に於いて式中、Z1、Z2は非置換又はハロゲ
    ン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、もしくは
    フェニル基で置換されたピロリン環、チアゾリン環、チ
    アゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール
    環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフセレ
    ナゾール環、オキサアゾール環、ベンゾオキサアゾール
    環、ナフトオキサアゾール環、イミダゾール環、ベンゾ
    イミダゾール環又はピリジン環を形成するに必要な非金
    属原子群を表し、R1、R2は低級アルキル基、ヒドロキシ
    アルキル基、カルボキシアルキル基又はスルホアルキル
    基を表し、R3はn3が1のときに低級アルキル基又は水素
    原子であると共に、n3が0又は2のときに水素原子を表
    し、n1及びn2は0又は1を表し、n3は0、1又は2を表
    し、X はアニオンを表し、mは1又は2を表す。 一般式〔A〕に於いて式中、R1は水素原子、直鎖ないし
    分岐鎖のアルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、
    アラルキル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、
    カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルファモイル
    基を表し、R2,R3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
    アルキル基、環状アルキル基、アリール基、シアノ基、
    アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホキシ
    ド基、アルキルスルホニル基及び複素環基を表す。また
    R2とR3は互いに結合して置換基を有してもよいベンゼン
    環を形成してもよい。上記のうちアルキル基、環状アル
    キル基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、
    アリール基、複素環基、カルバモイル基、チオカルバモ
    イル基及びスルファモイル基は置換基を有していてもよ
    い。
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