JPH0743502B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH0743502B2
JPH0743502B2 JP59254582A JP25458284A JPH0743502B2 JP H0743502 B2 JPH0743502 B2 JP H0743502B2 JP 59254582 A JP59254582 A JP 59254582A JP 25458284 A JP25458284 A JP 25458284A JP H0743502 B2 JPH0743502 B2 JP H0743502B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高感度でカブリが低く、且つ高温迅速処理に耐
えうる画質の改良されたハロゲン化銀写真感光材料に関
する。
〔従来の技術〕
近時、ハロゲン化銀写真感光材料の性能に関しては、ま
すます複雑多岐に亘る要求がなされており、特に写真性
能が安定して高感度乃至超高感度のハロゲン化銀写真感
光材料が要求されている。特に、X線用感光材料におい
ては人体に対するX線の被爆量を少なくするためより少
ないX線量で多くの情報が得られるような高感度にし
て、かつカブリの発生が少なく、しかも高画質の写真感
光材料が要求されている。
ハロゲン化銀写真感光材料の感光度を高める方法として
は乳剤層に含まれるハロゲン化銀の粒径を大きくするこ
と、増感色素を用いて光学増感を行うこと等が最も一般
的なものとして行なわれている。
ハロゲン化銀粒子の粒径を大きくすると感度が高くなる
ことは周知の通りであるが、同時にそのハロゲン化銀粒
子を露光後現像して得られる金属銀粒子も粗大化し画像
の画質(粒状度、鮮鋭度、解像性等)が著しく低下し、
更にカバリングパワーの低下を伴うためハロゲン化銀粒
子の粒径を大きくして感度を高めることには限界があっ
た。
同一粒径で感度を上げる方法、つまり増感方法について
は多種多様の技術がある。例えば、チオエーテル類など
の現像促進剤を乳剤中に添加する方法、分光増感された
ハロゲン化銀乳剤では適当な色素の組み合わせで超色増
感する方法、また化学増感剤の改良技術などが多く報じ
られているが、これらの方法は必ずしも高感度ハロゲン
化銀写真感光材料において汎用性があるとは言い難い。
高感度のハロゲン化銀写真感光材料に用いるハロゲン化
銀乳剤は、可能な限り化学増感を最大に行うために、上
記の方法であると保存中にカブリを生じやすい等の欠点
を伴うことが多い。
光学増感も極めて有用な増感手段であって医療用Xレイ
写真の分野では従来450nmの感光波長域であったレギュ
ラータイプから、更にオルソ増感して、540〜550nmの波
長域で感光するオルソタイプのの感光材料が用いられる
ようになっている。このように増感されたものは、感光
波長域が広くなるとともに感度が高くなっており、従っ
て、被爆X線量を低減でき、人体等に与える影響を小さ
くできるが、反面使用されている乳剤の種類、色素の選
択、使用量、併用される他の添加剤との組み合わせ等が
適切を欠くと増感性が損なわれたり、得られた感光材料
の保存性が低下したりして充分な効果の得られないこと
も多い。また一定の限界の量を越えた量の色素を用いて
感度を高めようとすると、写真画像の画質を劣化させる
こともあって、光学増感に関しても未だ改良すべき点が
残されている。
また、X線用感光材料などは、迅速処理の要請の下、画
像形成処理において、高いpH値で30〜40℃の高い温度
で、20〜30秒の短時間現像処理が行なわれるが、このよ
うな現像条件下では得られる金属銀粒子は粗大となり画
像は一層低下する傾向がある。また高温、高pH下で行な
われる現像処理に耐えるよう且つ画質の低下を抑制する
ための手段として写真感光材料のゼラチン(バインダ
ー)を硬化させる「硬膜剤」を使用する方法が知られて
いる。たとえば、クロム明ばんのような無機化合物やホ
ルムアルデヒド化合物、グルタルアルデヒドのようなア
ルデヒド化合物、米国特許第3,288,755号明細書などに
記載されている如き活性ハロゲンを有する化合物、米国
特許第3,653,718号明細書などに記載されている如き反
応性のエチレン性不飽和結合をもつ化合物、米国特許第
3,091,537号明細書に記載されている如きエポキシ化合
物、ムコクロル酸のようなハロゲンカルボキシアルデヒ
ド等の有機化合物が知られている。
しかし、このような硬膜剤はハロゲン化銀写真感光材料
の高温迅速現像処理に耐えるのに充分な程に添加量を増
すと、ハロゲン化銀写真感光材料の性質に悪影響(例え
ば、カブリの増大、感度の低下、階調の変化、最高濃度
の低下等)をおよぼしたり、「後硬膜」と称する硬化作
用の長期経時変化をひきおこしたりするなどの欠点を持
っている。
〔発明の解決しようとする問題点〕
上記のように従来技術による感光材料高感度化の方途は
いずれも派生する画質低下等の問題によって阻まれ一定
の限界を越えることが困難となっている。本発明はこう
した障壁を越えて高温迅速処理によってもすぐれた画質
が得られる且つセーフライト性も良好な高感度、低カブ
リのハロゲン化銀写真感光材料を提供しようとするもの
である。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者等は種々検討の結果、粒子内部にヨウ化銀の局
在部分を有するハロゲン化銀粒子と特定の構造を有する
有機化合物との組み合わせによって画像劣化を著しく抑
制しうることを見出だし本発明に至った。
尚、この効果は色増感を施した乳剤においても著しいも
のであった。
すなわち、前記の問題は、ハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀乳剤層が、粒子中の平均ヨウ化銀含有量が
0.5乃至10モル%であり粒子内部にヨウ化銀濃度20モル
%以上のヨウ化銀局在部分を有し、かつ該粒子の成長
中、化学増感前に保護コロイドを含む母液のpAgを少な
くとも10.5以上にしたハロゲン化銀粒子を含有し、且つ
該ハロゲン化銀乳剤層及び/又はその隣接層に下記一般
式〔I〕又は〔II〕で表される化合物の少なくとも1種
を含むハロゲン化銀写真感光材料によって解決された。
一般式〔I〕 〔式中、Zはリン原子又は窒素原子を表し、R1,R2,R3
及びR4は各置換もしくは非置換のアルキル基、アリール
基又はアラルキル基を表す。但し、R1,R2,R3及びR4
うち、少なくとも1つは電子吸引性の置換基を有するア
リール基又はアラルキル基である。X-は酸アニオンを表
す。〕 一般式〔II〕 〔式中、Aはイオウ原子又はセレン原子を表し、B1及び
B2は各々ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を
表し、X2 -は陰イオンを表す。〕 本発明に用いられる一般式〔I〕で表される化合物の中
で、特に本発明に有用に用いられる化合物は、好ましく
は、下記一般式〔III〕で表されるものである。
一般式〔III〕 式中、Zはリン原子または窒素原子を表し、R1′,
R2′,R3′及びR4′は、置換もしくは非置換の、炭素原
子数1〜6のアルキル基、フェニール基、トリル基、キ
シリル基、ビフェニール基、ナフチル基、アントリル基
又は、 (d:整数1〜6)である。ここで置換基としては、−CH
3,−OH,−CN,−NO2ハロゲン、カルボニル基、カルボキ
シル基、スルホニル基、第4級アミノ基で置換基数は1
〜2である。但しR1′,R2′,R3′及びR4′のうち少な
くとも1つは電子吸引性の置換基例えばニトロ基、シア
ノ基、ハロゲン、カルボニル基、カルボキシル基、スル
ホニル基、第4級アミノ基を有するアリール基又はアラ
ルキル基である。X-は酸アニオン例えばBr- r,Cl-
I-,ClO4 -,BF4 -を表す。
上記一般式〔I〕あるいは〔III〕で示される化合物は
米国特許第3,951,661号に記載される方法により合成す
ることができる。
本発明に用いられる一般式〔III〕で示される化合物の
代表的な具体例は下記の如くである。
一般式〔II〕で表される化合物についてはそのヘテロ環
を形成するのに必要な非金属原子群B1および/またはB2
〔但し、R6は水素原子又は低級アルキル基、m′は2又
は3を表す。〕で示されるものが好ましい。化合物〔I
I〕の代表的具体例としては下記の化合物があげられ
る。
〔化合物〔II〕の例示化合物〕 上記に例示した化合物〔II〕はつぎのような方法で合成
することができる。
合成例1(例示化合物〔II−1〕の合成例) 2−メチルチオベンゾチアゾール50gとエチレンブロミ
ド60gを160℃で5時間加熱反応させ、冷却後折出した結
晶を濾取し、エタノールを用い再結晶させ、融点258℃
の針状結晶の目的物50gを得た。
合成例2(例示化合物〔II−2〕の合成例) 2−メチルチオベンゾチアゾール50gと1,3−ジブロモプ
ロパン80gを160℃で5時間加熱反応させ、冷却後折出し
た結晶を濾取し、エタノールを用い再結晶させ融点261
℃の針状結晶の目的物22gを得た。
また例えば〔II−7〕,〔II−8〕および〔II−9〕の
化合物は、ケミカル・アブストラクツ(Chemical Abstr
ucts)72巻の3166頁(1970年)に記載の方法で合成する
ことができる。
本発明において、一般式〔I〕および〔II〕で示される
化合物を含有せしめるハロゲン化銀写真感光材料は支持
体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有
するものであり、該乳剤層の他に保護層、中間層などの
補助層を構成して有することは任意である。
本発明の目的を達成するためにこれら化合物を使用する
場合には、これら化合物をハロゲン化銀乳剤層に含有せ
しめるのが有効であるが、該ハロゲン化銀乳剤層に隣接
する保護層、下引層及び中間層中に含有せしめてもよ
く、又これら2種の化合物を同一層中に含有させても、
隣接する別々の層中に存在せしめてもよい。
本発明に用いる一般式〔I〕,〔II〕で示される化合物
をハロゲン化銀写真感光材料中に含有せしめるには、水
又は水に可溶な有機溶媒(例えばメタノール、エタノー
ル、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テト
ラフロロプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、
ジメチルホルムスルフォキサイドなど)若しくはこれら
の混合溶剤に溶解して添加すればよい。又これらの化合
物をそれぞれ別々に加えてもよく、混合して添加しても
よい。又ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、ジエチルドデカンアミド等に溶解し、予めゼラチ
ン等のバインダー中に分散した後に添加することもでき
るる これらの化合物を添加する時期は、例えばハロゲン化銀
乳剤中に添加する場合、乳剤製造工程(ハロゲン化銀粒
子の沈澱生成時、それに続く物理熟成時、化学熟成時及
び塗布直前から選ばれる少なくとも1工程)中の任意の
時期でよいが、好ましくは化学熟成終了後から塗布まで
の間で添加するのがよい。
また、これらの化合物の添加量は、含有せしめるハロゲ
ン化銀感光材料の構成層(例えば、ハロゲン化銀乳剤
層、下引層、中間層、保護層等)の種類、ハロゲン化銀
の種類や大きさ、ハロゲン化銀乳剤のpH、銀電位、化学
増感の方法及び用いる化合物の種類等によって異なる
が、概して、乳剤層中に添加する場合はハロゲン化銀1
モル当り、それぞれ1mg〜1gの範囲、特に2mg〜300mgの
範囲が好ましい。
しかしながら、添加量は必ずしも上記範囲に限定される
のではなく、適用目的に適宜選択することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含まれるヨウ化銀
局在部分を有するハロゲン化銀粒子は、ヨウ化銀を含む
ハロゲン化銀であり、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀、塩ヨウ
臭化銀のいずれであってもよい。特に、高感度のものが
得られるという点では、ヨウ臭化銀であることが好まし
い。
このようなハロゲン化銀粒子中の平均ヨウ化銀含有量は
0.5〜10モル%、好ましくは1〜8モル%であり、粒子
の内部には、少なくとも20モル%以上の高濃度のヨウ化
銀が局在化した局在化部分が存在する。
この場合、粒子内部としては、粒子の外表面からできる
だけ内側にあることが好ましく、特に外表面から0.01μ
m以上離れた部分に局在部分が存在することが好まし
い。
また、局在化部分は、粒子内部にて、層状に存在しても
よく、またいわゆるコアシェル構造をとって、そのコア
全体が局在化部分となっていてもよい。この場合、外表
面から0.01μm以上の厚さのシェル部分を除く粒子コア
部の一部ないし全部が、20モル%以上のヨウ化銀濃度の
局在化部分であることが好ましい。
なお、局在化部分のヨウ化銀は、その濃度が30〜40モル
%の範囲であることが好ましい。
このような局在化部分の外側は、通常、臭化銀を含むハ
ロゲン化銀によって被覆されるが、ヨウ化銀を含むハロ
ゲン化銀で被覆されてもよい。すなわち、好ましい態様
においては、外表面から0.01μm以上、特に0.01〜1.5
μmの厚さのシェル部分が臭化銀を含むハロゲン化銀で
形成される。
本発明において、粒子内部(好ましくは粒子外壁から0.
01μm以上離れている粒子の内側)に少なくとも20モル
%以上の高濃度ヨウ化銀の局在化部分を形成する方法と
しては、種晶を使わないものであってもよい。
種晶を使わない場合は、保護ゼラチンを含む反応液相
(以後、母液という)中に熟成開始前は成長核となるよ
うなハロゲン化銀がないので、まず銀イオンおよび少な
くとも20モル%以上の高濃度ヨウ素イオンを含むハライ
ドイオンを供給して成長核を形成させる。そして、さら
に添加供給を続けて、成長核から粒子を成長せさる。最
後に、臭化銀を含むハロゲン化銀で0.01μm以上の厚さ
をもつシェル層を形成せしめる。
種晶を使う場合には、種晶のみに少なくとも20モル%以
上のヨウ化銀を形成し、この後シェル層で被覆しても良
い。あるいは、種晶のヨウ化銀量を0とするか10モル%
以下の範囲内とし、種晶を成長させる工程で粒子内部の
に少なくとも20モル%のヨウ化銀を形成させて、このの
ちシェル層で被覆してもよい。
本発明によるハロゲン化銀写真感光材料においてはその
乳剤層中に存在するハロゲン化銀粒子の少なくとも50%
が前記のようなヨウ化銀局在部分を有する粒子であるこ
とが好ましい。
また本発明のハロゲン化銀写真感光材料の好ましい実施
態様は前記のごときヨウ化銀局在部分を有する構造又は
形態が規則正しいハロゲン化銀粒子を用いることであ
る。
ここにいう構造又は形態が規則正しいハロゲン化銀粒子
とは、双晶面等の異方的成長を含まず、全て等方的に成
長する粒子を意味し、例えば立方体、14面体、正8面
体、球型等の形状を有する。かかる規則正しいハロゲン
化銀粒子の製法は公知であり、例えばJ.Phot.Sci.,5,33
2(1961),Ber.Bunsenges.Phys.Chem.67,949(1963),I
ntern.Congress Phot.Sci.Tokyo(1967)等に記載され
ている。
かかる規則正しいハロゲン化銀粒子は、同時混合法を用
いてハロゲン化銀粒子を成長させる際の反応条件を調節
することにより得られる。かかる同時混合法において
は、ハロゲン化銀粒子は、保護コロイドの水溶液中へ激
しく撹拌しつつ、硝酸銀溶液とハロゲン化銀溶液とをほ
ぼ等量づつ添加することによって作られる。
そして、銀イオンおよびハライドイオンの供給は、結晶
粒子の成長に伴って、既存結晶粒子を溶失させず、また
逆に新規粒子の発生、成長を許さない、既存粒子のみの
成長に必要充分なハロゲン化銀を供給する限界成長速
度、あるいはその許容範囲において、成長速度を連続的
にあるいは段階的に逓増させることが好ましい、この逓
増方法としては特公昭48-36890号、同52-16364号、特開
昭55-142329号公報に記載されている。
この限界成長速度は、温度pH、pAg、撹拌の程度、ハロ
ゲン化銀粒子の組成、溶解度、粒径、粒子間距離、晶
癖、あるいは保護コロイドの種類と濃度等によって変化
するものではあるが、液相中に懸濁する乳剤粒子の顕微
鏡観察、濁度測定等の方法により実験的に容易に求める
ことができる。
本発明の好ましい実施態様としてはそのハロゲン化銀乳
剤層に含まれるハロゲン化銀粒子の少なくとも50重量%
が前記の如き規則正しい粒子であることが望ましい。
また本発明の他の好ましい実施態様としては前記のよう
なヨウ化銀局在部分を有する単分散乳剤を使用すること
が挙げられる。
ここにいう単分散乳剤とは、常法により、例えばThe Ph
otographic Journal,79,330〜338(1939)にTrivelli,S
mithにより報告された方法で、平均粒子直径を測定した
ときに、粒子数又は重量で少なくとも95%の粒子が、平
均粒子径の±40%以内、好ましくは±30%以内にあるハ
ロゲン化銀乳剤からなるものをいう。
かかる単分散乳剤粒子は、規則正しいハロゲン化銀粒子
の場合と同様に、同時混合法を用いて作られる。同時混
合時の諸条件は規則正しいハロゲン化銀粒子の製法と同
様である。
かかる単分散乳剤の製法は公知であり、例えばJ.Phot.S
ic.,12,242〜251(1963)特開昭48-36890号、同52-1636
4号、特開昭55-142329号、特開昭58-49938号の各公報に
記載されている。
上記単分散乳剤を得るためには、特に種晶を用い、この
種晶を成長核として銀イオンおよびハライドイオンを供
給することにより、粒子を成長させることが好ましい。
この種晶の粒子サイズの分布が広いほど、粒子成長核の
粒子サイズ分布も広くなる。従って、単分散乳剤を得る
ためには、種晶の段階で粒子サイズ分布の狭いものを用
いるのが好ましい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる前記の
如きハロゲン化銀粒子は、例えばT.H.James著“The The
ory of the Photographic Process"第4版、Macmillan
社刊(1977年)38〜104頁等の文献に記載されている中
性法、酸性法、アンモニア法、順混合、逆混合、ダブル
ジェット法、コントロールド−ダブルジェット法、コン
バージョン法、コア/シェル法などの方法を適用して製
造することができる。
またこれらのハロゲン化銀粒子又はしその粒子を含むハ
ロゲン化銀乳剤中にはその写真的特性改良のためイリジ
ウム塩、ロジウム塩等の各種重金属塩が含有されていて
もよい。
更にこれらのハロゲン化銀粒子は、その成長過程におい
て保護コロイドを含む母液のpAgを一時的に少なくとも1
0.5、特に好ましくは11.5以上であるブロムイオン過剰
の状態に置くことにより粒子外表面の(111)面を5%
以上増加させて粒子が丸められる。
この場合、(111)面の増加率は、上記の10.5以上のpAg
雰囲気を通過させる前のものに対するものであり、特に
(111)面の増加率が10%以上、より好ましくは10〜20
%となることが好ましい。
ハロゲン化銀粒子外表面を(111)面もしくは(100)面
のどちらかが覆っているか、或いはしその比率をどのよ
うに測定するかについては、平田明による報告、“ブレ
チン オブ ザ ソサイアティ オブ サンエンティフ
ィック フォトグラフィック オブ ジャパン"No.13,5
〜15ページ(1963)に記載されている。
本発明において、化学増感前の粒子成長中に、保護コロ
イドを含む母液のpAgが少なくとも10.5以上である雰囲
気を一度通過させることにより、平田の測定方法によっ
て、(111)面が5%以上増加しているか否かは容易に
確認することができる。
この場合、上記pAgとする時期は、化学増感前である
が、ハロゲン化銀粒子の成長のために銀イオンを添加す
る時期から脱塩工程前が好ましく、特に銀イオンの添加
終了後であって、化学増感前に通常行なわれているいわ
ゆる脱塩工程前のであることが望ましい。これは、粒径
分布の狭い単分散乳剤が得やすいからである。
なお、pAgが10.5以上である雰囲気での熟成は、2分以
上行うことが好ましい。
このようなpAg制御により、(111)面が5%以上増加
し、形状が丸みを帯びることになる。
本発明において用いられるハロゲン化銀粒子は平均粒径
が3.0μより大きい時には、粒状性の劣化が著しく、ま
た更に必ずしも増感効果が得られず、本発明の目的を達
成できない。一方、平均粒径が0.2μより小さい時は感
度の低下が著しく、目的にかなう感度及び示性曲線が得
られない。本発明におけるハロゲン化銀粒子の平均粒径
は、好ましくは0.4〜1.7μの範囲である。
本発明のハロゲン化銀乳剤はハロゲン化銀粒子の成長の
終了後に、適当な方法によって化学増感に適するpAgや
イオン濃度にする事ができる。例えば凝集法やヌードル
水洗法など、リサーチティスクロジャー17643号(Resea
rch Disclosure 17643号)記載の方法で行うことができ
る。
また、本発明においては乳剤を単独で使用してもよく、
2種以上の互いに異なる平均粒径を有するハロゲン化銀
乳剤を組み合わせて用いてもよい。この場合、それぞれ
の乳剤のハロゲン化銀の組成は互いに異なっても同じで
あってもよい。
前記のようなハロゲン化銀粒子に施す化学増感法として
は、例えば、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素化合物等を
用いる硫黄増感法、塩化金酸塩、三塩化金等を用いる金
増感法、二酸化チオ尿素、塩化第一錫、銀熟成等を用い
る還元増感法、その他パラジウム増感法、セレン増感法
等があり、これらを単独で用いたり、これらを二種以上
併用したりすることができる。この場合、特に金増感と
硫黄増感を併用することが好ましい。
また本発明に用いるられるハロゲン化銀乳剤は上記硫黄
増感法等の他にセレン増感法を用いることもできる。例
えばセレノウレア、N,N′−ジメチルセレノウレアなど
を用いた米国特許第1,574,944号明細書、同第3,591,385
号明細書、特公昭43-13849号公報、同44-15748号公報に
記載の方法を採用することができる。
二種以上の乳剤を混合して用いるときは乳剤を混合して
化学増感を施してもよく、各乳剤を単独に化学増感した
後混合してもよい。
本発明のハロゲン化銀粒子は、その粒子の成長過程にI
r,Rh,Pt,Auなどの貴金属イオンを添加し、粒子内部に包
含せしめることができ、また、低pAg雰囲気や適当な還
元剤を用いて粒子内部に還元増感核を付与する事ができ
る。また化学増感感光材料の感度を増感前のものと同一
感度レベルに保つことにすればハロゲン化銀粒子を微細
化することが可能となるため画質、耐圧性等にすぐれた
ものを得ることができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は下記一般式〔I
V〕,〔V〕又は〔VI〕で表される化合物から選ばれた
少なくとも1種の増感色素により光学増感される。前述
の如く光学増感を施した高感度感光材料は一般に保存中
における減感、或いはカブリ増加が大きく保存性が悪化
するが本発明によれば保存性の悪化が防止されるため光
学増感の利点を有効に利用した極めて感度の高い感光材
料を得ることができる。
一般式〔IV〕,〔V〕,〔VI〕は下記に示す通りであ
る。
一般式〔IV〕 〔式中、R11,R12,R13は各々置換もしくは非置換のア
ルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、少な
くともR11とR13の内1つはスルホアルキル基またはカル
ボキシアルキル基をとる。X1 -はアニオン、Z1及びZ2
置換または非置換のベンゼン環を完成するに必要な非金
属原子群、nは1または2を表す。(ただし、分子内塩
を形成するときはnは1である。)〕 〔V〕 〔式中、R14,R15は各々置換もしくは非置換のアルキル
基、アルケニル基またはアリール基を表し、少なくとも
R14とR15の内いずれかはスルホアルキル基またはカルベ
キシアルキル基をとる。R16は水素原子、低級アルキル
基、アリール基を表す。X2 -はアニオン、Z1およびZ2
置換または非置換のベンゼン環を完成するに必要な非金
属原子群、nは1または2を表す。(ただし、分子内塩
を形成するときはnは1である。)〕 〔VI〕 〔式中、R17及びR19は置換もしくは非置換の低級アルキ
ル基、R18及びR20は低級アルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル基、X3 -
はアニオン、Z1およびZ2は置換または非置換のベンゼン
環を完成するに必要な非金属原子群、nは1または2を
表す。(ただし、分子内塩を形成するときはnは1であ
る。)〕 また式〔VI〕においてX1 -で示されるアニオンとして
は、例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、チオ
シアン酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、p−ト
ルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン等を挙げる
ことができる。
次にこの一般式〔VI〕で表される化合物の代表的な具体
例を挙げる。
(化合物例) 式〔V〕において、R16は水素原子、低級アルキル基、
アリール基を表わすが、低級アルキル基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等の基が挙げられる。ア
リール基の例としては、例えばフェニル基が挙げられ
る。R14およびR15としては、前記式〔IV〕の説明におい
て、式〔II〕のR11,R13として例示したものを挙げるこ
とができる。X2 -のアニオンも、式〔IV〕のX1 -とそして
例示したものを挙げることができる。
次に式〔V〕で表わされる化合物の代表的な具体例を挙
げるが、勿論この場合もこの例示により本発明が限定さ
れるものではない。
次に式〔IV〕においては、R17,R19の低級アルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の基を例
示できる。置換アルキル基としては、式〔IV〕におい
て、R11〜R13につき例示した基を挙げることができる。
R18,R20の低級アルキル基はR17,R19と同じものを例示
できる。またR18,R20のヒドロキシアルキル基、スルホ
アルキル基、カルボキシアルキル基としては、式〔IV〕
において、R11〜R13につき例示した基を挙げることがで
きる。
X2のアニオンも式X1 -として例示したものを挙げること
ができる。
かかる式〔IV〕で表わされる化合物の代表的な具体例を
次に挙げる。勿論この場合もこの例示により本発明は限
定されるものではない。
(化合物例) 本発明の上記式〔IV〕〔V〕〔VI〕で示される化合物の
添加総量はハロゲン化銀1モルに対し、10mg〜900mgの
範囲で用いることができる。特に60〜600mgが好まし
い。
本発明において用いられるハロゲン化銀粒子を分散せし
める親水性コロイドとしては、ゼラチンが最も好ましい
が、更にバインダー物性を改良するために、例えばゼラ
チン誘導体、他の天然親水性コロイド、例えばアルブミ
ン、カゼイン、寒天、アラビアゴム、アルギン酸および
その誘導体、例えば塩、アミドおよびエステル、でん粉
およびその誘導体、セルロース誘導体、例えばセルロー
スエーテル、部分加水分解した酢酸セルロース、カルボ
キシメチルセルロース等、または合成親水性樹脂、例え
ばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アク
リル酸およびメタクリル酸またはその誘導体、例えばエ
ステル、アミドおよびニトリルのホモおよびコポリマ
ー、ビニル重合体、例えばビニルエーテルおよびビニル
エステルを使用できる。
自動現像機で迅速処理する際に、ハロゲン化銀写真感光
材料中のゼラチン量は、乾燥性をよくするためにできる
だけ少ない方が望ましい。一方、ゼラチン量が減少する
と、その保護コロイド性が減少し、ローラー搬送中にお
ける圧力マークが生じやすくなる。従って本発明に係る
ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるゼラチン量は、
使別するハロゲン化銀にあたる量の銀の重量に対し、重
量比として(ゼラチン量/銀量)0.4〜0.8が好ましい。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いられるハ
ロゲン化銀乳剤は安定剤、カブリ抑制剤としては、例え
ば米国特許第2,444,607号、同第2,716,062号、同第3,51
2,982号、同第3,342,596号、独国特許第1,189,380号、
同第205,862号、同第211,841号の各明細書、特公昭43-4
183号、同39-2825号、特開昭50-22626号、同50-25218号
の各公報などに記載の安定剤、カブリ抑制剤を用いる方
法を適用してよく、特に好ましい化合物としては、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3−,3a,7−テトラザインデ
ン、5,6−トリメチレン−7−ヒドロキシ−s−トリア
ゾロ(1,5−a)ピリミジン、5,6−テトラメチレン−7
−ヒドロキシ−s−トリアゾロ(1,5−a)ピリミジ
ン、5−メチル−7−ヒドロキシ−s−トリアゾロ(1,
5−a)ピリミジン、7−ヒドロキシ−s−トリアゾロ
(1,5−a)ピリミジン、没食子酸エステル(例えば没
食子酸イソアミル、没食子酸ドデシル、没食子酸プロピ
ル、没食子酸ナトリウムなど)、メルカプタン類(例え
ば1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メ
ルカプトベンツチアゾールなど)、ベンツトリアゾール
類(例えば5−ブロムベンツトリアゾール、4−メチル
ベンツトリアゾールなど)、ベンツイミダゾール類(例
えば6−ニトロベンツイミダゾールなど)等が挙げられ
る。
本発明に係るハロゲン化銀感光材料は、その塗布液中に
通常用いられる写真用硬膜剤、例えばアルデヒド系、ア
ジリジン系(例えばPBレポート、19,921、米国特許第2,
9050,197号、同第2,964,404号、同第2,983,611号、同第
3,271,175号の各明細書、特公昭46-40898号、特開昭50-
91315号の各公報に記載のもの)、イソオキサゾール系
(例えば米国特許第331,609号明細書に記載のもの)、
エポキシ系(例えば米国特許第3,047,394号、西独特許
第1,085,663号、英国特許第1,033,518号の明細書、特公
昭48-35495号公報に記載のもの)、ビニールスルホン系
(例えばPBレポート19,920、西独特許第1,100,942号、
英国特許第1,251,091号、特願昭45-54236号、同48-1109
96号、米国特許第353,964号、同第3,490,911号の各明細
書に記載のもの)、アクリロイル系(例えば特願昭48-2
7949号、米国特許第3,640,720号の各明細書に記載のも
の)、カルボジイミド系(例えば米国特許第2,938,892
号明細書、特公昭46-38715号公報、特願昭49-15095号明
細書に記載のもの)、その他マレイミド系、アセチレン
系、メタンスルホン酸エステル系、トリアジン系、高分
子型の硬膜剤が使用できる。また、増粘剤として、例え
ば米国特許第3,167,410号、ベルギー国特許第558,143号
の各明細書に記載のもの、ゼラチン可塑剤としてポリオ
ール類(例えば米国特許第2,960,404号明細書、特公昭4
3-4939号、特開昭48-63715号の各公報のもの)、さらに
はラテックス類として、米国特許第766,979号、フラン
ス特許第1,395,544号の各明細書、特公昭48-43125号公
報に記載されるもの、マット剤として英国特許第1,221,
980号明細書に記載のものなどを用いることができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の構成要素層中
には、所望の塗布助剤を用いることができ、例えばサポ
ニン或いはスルホコハク酸系界面活性剤として、例えば
英国特許第548,532号、特願昭47-89630号の各明細書な
どに記載のもの、或いはアニオン性界面活性剤として、
例えば特公昭43-18166号公報、米国特許第3,514,293
号、フランス特許第2,025,688号の各明細書、特公昭43-
10247号公報などに記載のものが使用できる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、所謂
クロスオーバー効果の軽減のために、本発明の乳剤層の
下層で支持体に接する層に染料を用いることができる
し、また画像の鮮鋭性の向上あるいは安全光に起因する
カブリの軽減のために保護層および/または本発明の乳
剤層に染料を添加することができる。そして、かかる染
料としては、上記目的のための公知のあらゆるものが使
用できる。
また本発明の乳剤をカラー用の感光材料に適用するに
は、赤感性、緑感性および青感性に調整された本発明の
乳剤にシアン、マゼンタおよびイエローカプラーを組合
せて含有せしめる等カラー用感光材料に使用される手法
および素材を充当すればよい。
有用なカプラーとしては開鎖メチレン系イエローカプラ
ー、ピラゾロン系マゼンタカプラー、フェノール系また
はナフトール系シアンカプラーが挙げられ、これらのカ
プラーに組合せてオートマスクをするためのカラードカ
プラー(例えばカプラーの活性点に結合基としてアゾ基
を有するスプリットオフ基が結合したカプラー)、オサ
ゾン型化合物、現像拡散性色素放出型カプラー、現像抑
制剤放出型化合物(芳香族第1級アミン現像主薬の酸化
体と反応して現像抑制型化合物を放出する化合物であ
り、芳香族第1級アミン現像主薬の酸化体と反応して有
用の色素を形成する、いわゆるDIRカプラーならびに無
色の化合物を形成するいわゆるDIR物質の両方を含む)
などを用いることも可能である。またこれらのカプラー
をハロゲン化銀カラー写真感光材料中に含有せしめるに
は、従来からカプラーについて用いられている公知の種
々の技術を適用することができる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、前記のごとき乳
剤を支持体上に塗布することによって得られる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料において、平均
粒径の互いに異なる2種以上のハロゲン化銀乳剤を用い
る場合には、支持体上に個々に層状に分離して塗布する
ことができるし、また混合して塗布することもできる。
本発明のハロゲン化銀写真乳剤に用いられる支持体、公
知のもののすべてを含み、例えばポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステルフィルム、ポリアミドフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、スチレンフィルム、ま
たバライタ紙、合成高分子を被覆した紙などである。そ
して支持体上の片面あるいは両面に本発明の乳剤を塗布
することができ、両面に塗布する場合、乳剤の構成が支
持体に対して対称もしくは非対称に塗布することができ
る。
本発明はハロゲン化銀写真感光材料のすべてについて適
用可能であるが、高感度の黒白用あるいはカラー用ネガ
感光材料等に特に適している。医療用X線ラジオグラフ
ィーに適用する場合、例えば、透過性放射線曝射によっ
て近紫外ないし可視光を発する螢光体を主成分とする螢
光増感紙を用いて、これを本発明の乳剤を両面塗布して
なる本発明に係るハロゲン化銀材料の両面に密着し、露
光することが望ましい。ここに透過性放射線とは高エネ
ルギーの電磁波であって、X線およびγ線を意味する。
そしてここに螢光増感紙とは、例えばタングステン酸カ
ルシウム(CaWO4)を主たる螢光成分とする増感紙、そ
してテルビウムで活性化された稀土類化合物を主たる螢
光成分とする螢光増感紙である。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は通常用いられ
る公知の方法により現像処理することができる。黒白現
像液は、通常用いられる現像液、例えばハイドロキノ
ン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p
−アミノフェノール或いはp−フェニレンジアミン等の
単一またはこれらの2種以上を組み合わせて含有したも
のが用いられ、その他の添加剤は通常のものが使用でき
る。また、該感光材料がカラー用の場合には、通常用い
られる発色現像法で発色現像することができる。
アルデヒド硬膜剤を含有する現像液もまた本発明に係る
ハロゲン化銀感光材料に使用することができ、例えばジ
アルデヒド類であるマレイツクジアルデヒド、或いはグ
ルタルアルデヒドおよびこれらの重亜硫酸ナトリムウ塩
などを含有した写真分野では公知の現像液を用いること
もできる。
以下、本発明を実施例により例証するが、これによって
本発明の実施態様が限定されるものではない。
〔実施例1〕 (1) 乳剤E−1の調製 下記の溶液を準備した。
I−A液を60℃に保ち、pAg=8,pH=2にコントロール
しながらI−B液及びI−C液をダブルジェット法によ
ってI−A液に注入、混合して種晶として使用するヨウ
化銀2.5モル%、平均粒径0.25μmのヨウ臭化銀単分散
立方晶乳剤(種晶乳剤)を得た。次いで を調製し、II−A液中にII−B液、II−C液をダブルジ
ェット法で注入混合し種晶上にヨウ化銀30モル%を含む
ヨウ化銀層を成長させた。混合の間温度は40℃を保ちpA
g=7.6、pH=9.7にコントロールした、続いてpAg=9.0
に保ちながら下記III−B液、III−C液をダブルジェッ
ト法で注入、混合して純臭化銀のシェルを成長させ、ヨ
ウ化銀局在部分を有する乳剤E−1を得た。
乳剤A−1は平均ヨウ化銀含有率約2モル%、平均粒径
1.1μmの立方晶単分散型の粒子の丸め処理されない対
比乳剤であった。
(2) 乳剤E−2の調製 前記乳剤E−1の一部をとりpAgを11.5として10分間熟
成し粒子の丸め処理を行い乳剤E−2を得た。平均粒径
はE−1と同じく1.1μmであった。
(3) 乳剤E−3の調製 下記溶剤を準備した。
IV−A液にIV−B液、IV−C液をダブルジェット法で注
入、混合しE−3を得た。混合期間中の温度は40℃、pA
g=9、pH=9〜8に保った。
乳剤E−3はヨウ化銀含有率約2モル%、外観も乳剤E
−1と近似の平均粒径1.1μmの粒子から成るが、粒子
中にヨウ化銀の局在部分を持たない対比乳剤である。
(4) 乳剤E−4の調製 下記57℃のV−A液中にV−Br液を50分間で注入混合し
て乳剤E−4を得た。
乳剤E−4はヨウ化銀含有率約2モル%の、ヨウ化銀局
在部を持たない双晶型多分散乳剤で平均粒径1.1μmの
対比乳剤である。
前記E−1〜E−4の各乳剤はいずれも粒子形成完了
後、凝集法によって脱塩し、ゼラチンを加えそれぞれ最
適条件下で金、硫黄増感を施し、適量の安定剤、硬膜
剤、塗布助剤を加えた後、更に第1表の如く化合物
〔I〕及び/又は〔II〕を添加、ポリエチレンテレフタ
レートの両面に塗布して感光材料試料を作製した。
この感光材料の各試料をJIS法に基きKS−1型センシト
メーター(小西六写真工業株式会社製)により、白色露
光を与えた後現像液XD−90(小西六写真工業株式会社
製)を満たした自動現像機QX−1200(小西六写真工業株
式会社製)で現像処理を行った。
上記によって得られた現像後の試料にいてカブリより+
1.0の濃度を示す点から感度を求め、試料No.1の感度を1
00とする相対感度で表し、同時にカブリを求め第1表に
示した。
また、上記試料を20W白熱灯光源にサクラ赤色セーフラ
イトフィルターハイライトを用いた安全光下1mの距離に
1時間放置し、放置後同様に自動現像機により処理して
セーフライトによるカブリを測定し、第1表に示した。
また第1表に示した画質は濃度0.8における現像銀粒子
の荒れ具合を目視判定したものであり、◎は極めて良
好、○は良好、△は普通、×は使用に耐えない程度悪い
事を示したものであり、これらの記号を2つ併用したも
のは、各記号の中間評価を示す。
第1表に見られる通り、本発明による乳剤E−2と化合
物〔I〕及び/又は〔II〕を組み合わせたものはいずれ
も画質が向上し同時にカブリ、セーフライト性も改善さ
れているのに対し、粒子の丸め処理がされていない対比
乳剤E−1はセーフライトカブリが高く、ヨウ化銀局在
化部分を持たない対比乳剤E−3及びE−4においては
化合物〔I〕,〔II〕を加えて画質の向上効果はほとん
ど得られなかった。
〔実施例2〕 実施例1において得た乳剤E−1〜E−4に対し前記例
示の光学増感色素(2),(43),(47),(69)及び
下記(101),(102),(103)を第2表の如く添加し
た後金、硫黄増感を行い更に安定剤、硬膜剤、塗布助剤
を加えてポリエチレンテレフタレートベースの両面に塗
布、乾燥して試料を得た。光学増感色素中(2)は一般
式〔IV〕,(43),(47)は一般式〔V〕,(69)は一
般式〔VI〕でそれぞれ表される化合物であり、(10
1),(102),(103)はそれ以外のものである。
各試料につき実施例1と同様の試験を行い第2表に示す
結果を得た。
第2表から分かるようにオルソ増感された系においても
本発明によるヨウ化銀の局在化部分を有し、粒子の丸め
処理されたハロゲン化銀粒子を有する乳剤E−2では化
合物〔I〕,〔II〕の添加により著しい画質の向上が見
られ高感度、高画質且つセーフライト性のよい感光材料
が得られたのに対し、粒子の丸め処理がされていない対
比乳剤E−1はセーフライトカブリが高く、ヨウ化銀の
局在部を持たない粒子を有するE−3及びE−4におい
ては化合物〔I〕,〔II〕の効果が得られず画質の劣っ
たものしか得られなかった。
また一般式〔I〕〜〔III〕に適合しない(101),〜
(103)の光学増感色素を加えたものは一般式〔I〕〜
〔III〕で表される色素を用いたものに比べやや画質が
劣っていた。
〔発明の効果〕
ヨウ化銀が局在し、丸められたハロゲン化銀粒子と特定
の化合物を含む本発明の感光材料においては感度を損な
うことなく画質が著しく改善され、同時にセーフライト
特性、及びカブリも向上した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 目時 郁 東京都日野市さくら町1番地 小西六写真 工業株式会社内 審査官 安田 佳与子 (56)参考文献 特開 昭57−154232(JP,A) 特開 昭57−74738(JP,A) 特開 昭58−203432(JP,A) 特開 昭59−40637(JP,A) 特公 昭50−40665(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を有
    するハロゲン化銀写真感光材料において、前記ハロゲン
    化銀乳剤層中、粒子中の平均ヨウ化銀含有率が0.5乃至1
    0モル%であり粒子内にヨウ化銀含有率20モル%以上の
    ヨウ化銀局在部分を有し、かつ該粒子の成長中、化学増
    感前に保護コロイドを含む母液のpAgを少なくとも10.5
    以上にしたハロゲン化銀粒子を含有し、且つ該ハロゲン
    化銀乳剤層及び/又はその隣接層に下記一般式〔I〕又
    は〔II〕で表される化合物の少なくとも1種を含むハロ
    ゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 〔式中、Zはリン原子又は窒素原子を表し、R1,R2,R3
    及びR4は各置換もしくは非置換のアルキル基、アリール
    基又はアラルキル基を表す。但し、R1,R2,R3及びR4
    うち、少なくとも1つは電子吸引性の置換基を有するア
    リール基又はアラルキル基である。X-は酸アニオンを表
    す。〕 一般式〔II〕 〔式中、Aはイオウ原子又はセレン原子を表し、B1及び
    B2は各々ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を
    表し、X2 -は陰イオンを表す。〕
  2. 【請求項2】少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層を有
    するハロゲン化銀写真感光材料において、前記ハロゲン
    化銀乳剤層中、粒子中の平均ヨウ化銀含有率が0.5乃至1
    0モル%であり粒子内にヨウ化銀含有率20モル%以上の
    ヨウ化銀局在部分を有し、かつ該粒子の成長中、化学増
    感前に保護コロイドを含む母液のpAgを少なくとも10.5
    以上にしたハロゲン化銀粒子を含有し、且つ該ハロゲン
    化銀乳剤層及び/又はその隣接層に下記一般式〔I〕又
    は〔II〕で表される化合物の少なくとも1種を含み、か
    つ該ハロゲン化銀乳剤層に下記一般式〔IV〕、〔V〕、
    〔VI〕で表される化合物の少なくとも1種を含むハロゲ
    ン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 〔式中、Zはリン原子又は窒素原子を表し、R1,R2,R3
    及びR4は各置換もしくは非置換のアルキル基、アリール
    基又はアラルキル基を表す。但し、R1,R2,R3及びR4
    うち、少なくとも1つは電子吸引性の置換基を有するア
    リール基又はアラルキル基である。X-は酸アニオンを表
    す。〕 一般式〔II〕 〔式中、Aはイオウ原子又はセレン原子を表し、B1及び
    B2は各々ヘテロ環を形成するのに必要な非金属原子群を
    表し、X2 -は陰イオンを表す。〕 一般式〔IV〕 〔式中、R11,R12,R13は各々置換もしくはは非置換の
    アルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、少
    なくともR11とR13の内1つはスルホアルキル基またはカ
    ルボキシアルキル基をとる。X1 -はアニオン、Z1及びZ2
    は置換または非置換のベンゼン環を完成するに必要な非
    金属原子群、nは1または2を表す。(ただし、分子内
    塩を形成するときはnは1である。)〕 〔V〕 〔式中、R14,R15は各々置換もしくは非置換のアルキル
    基、アルケニル基またはアリール基を表し、少なくとも
    R14とR15の内いずれかはスルホアルキル基またはカルボ
    キシアルキル基をとる。R16は水素原子、低級アルキル
    基、アリール基を表す。X2 -はアニオン、Z1およびZ2
    置換または非置換のベンゼン環を完成するに必要な非金
    属原子群、nは1または2を表す。(ただし、分子内塩
    を形成するときはnは1である。)〕 〔VI〕 〔式中、R17およびR19は各々置換もしくは非置換の低級
    アルキル基、R18およびR20は低級アルキル基、ヒドロキ
    シアルキル基、スルホアルキル基、カルボキシアルキル
    基、X3 -はアニオン、Z1およびZ2は置換または非置換の
    ベンゼン環を完成するに必要な非金属原子群、nは1ま
    たは2を表す。(ただし、分子内塩を形成するときはn
    は1である。)〕 また式〔VI〕においてX1 -で示されるアニオンとして
    は、例えば塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、チオ
    シアン酸イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、p−ト
    ルエルスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン等を挙げる
    ことができる。
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