JP2689385B2 - 海洋ペイント組成物 - Google Patents

海洋ペイント組成物

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JP2689385B2 JP63102867A JP10286788A JP2689385B2 JP 2689385 B2 JP2689385 B2 JP 2689385B2 JP 63102867 A JP63102867 A JP 63102867A JP 10286788 A JP10286788 A JP 10286788A JP 2689385 B2 JP2689385 B2 JP 2689385B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オルガノスズを全く含まずに製造すること
ができそして自己磨き(self−polishing)の性質を有
する被覆を与える、新規な汚れ止め(AF)(antifoulin
g)海洋ペイント組成物に関する。
自己磨き汚れ止め被覆は当該技術において公知であ
る。それらは徐々に溶解して(i)新しい汚れ止めペイ
ント表面が連続的に現れ、そして(ii)動く海水が被覆
の表面を滑らかにする。英国特許第1,124,297号は、自
己磨き汚れ止め被覆を与える、トリオルガノスズ コモ
ノマーを含むフィルム形成コポリマーを開示している。
公知の自己磨き汚れ止めペイントは、海水との反応に
よってポリマーから遊離される枝葉の(side)基(離れ
る(leaving)基とも呼ばれる)を含む線状ポリマーで
あるバインダーを使用する。残りのポリマーは、ペイン
トの表面から取り除かれるのに十分に分散性または可溶
性であり、海水との同様な反応を受けることができるバ
インダーの新しい層をさらす。
このような自己磨きペイントの被覆はそれらの最初の
滑らかさを保持しそして相対的に動く水の作用によって
一層滑らかになりさえすることもある。
ペイントフィルムが徐々に薄くなることによって、汚
れに対して活性で、ペイント中に顔料として存在する及
び/または離れる基として放出される殺生物剤の放出が
調節される。かくして、ペイント中に含まれる殺生物剤
は比較的一定の速度で表面から解放される傾向がある。
たいていの自己磨きペイントは、トリオルガノスズ エ
ステルの離れる基から成るバインダーを使用する。トリ
オルガノスズ エステルは、自己磨き作用がそれに依存
している加水分解を容易に受け、そして放出されたトリ
オルガノスズが殺生物作用を与える。このようなペイン
トの例は、英国特許第1,124,297号及び第1,457,590号中
に、しかしまたヨーロッパ特許出願第51,930号、第151,
809号及び218,573号、そして日本特許出願第231061/61
号及び第231062/61号中に見いだされる。英国特許出願
第2,159,827号は、ジオルガノスズの離れる基を有する
同様なペイントを開示している。
多くの国が新しい厳しい水質プログラムを導入しつつ
あり、それらのあるものは海洋ペイントのオルガノスズ
含量における段階的な削減を要求している。トリオルガ
ノスズ コモノマーを置き換えることにはまたコスト上
の利点もある。例えば、ヨーロッパ特許第69,559号はオ
レフィン様不飽和カルボン酸のキノリニルエステルとそ
の他のオレフィン様不飽和コモノマーから製造されたコ
ポリマーを開示している。そして国際特許出願WO第84/0
2915号は汚れ止めペイントバインダーにおける使用のた
めの広い範囲の有機の離れる基を示唆しているが、これ
らは一般に海水中で十分に速くは加水分解しないと言わ
れてきた。ヨーロッパ特許出願第204,444号中では、ト
リアリール(メチル)メタクリレート コモノマーで製
造された加水分解されるポリマーであるバインダーが開
示されている。しかしながら、エステル化反応は、トリ
オルガノスズ コモノマーとよりもすべてのこれらのコ
モノマーとのほうが一層困難であることが当該技術にお
いて知られている;それ故、加水分解は一層困難であろ
う。このことは、これらのコポリマーのいずれかに基づ
く商業的な開発がなお待たれていることを説明する。
国際特許出願WO第86/02660号は、実質的に非イオン性
の、ある種のポリカルボキシルのポリマーは、海水との
反応によって十分に分散性または可溶性のポリカルボキ
シレートポリマーに変化し、そして自己磨きAFペイント
のためのバインダーとして使用されるかもしれないこと
を開示している。しかしながら、生成する被覆は、浸漬
されると膨張することがすぐに明らかである。また、有
毒剤として典型的にはZnOまたは酸化第一銅を含むこれ
らのペイントは貯蔵するとゲル化する。
それ故、これらの欠点を持たない、オルガノスズを含
まない自己磨き汚れ止め海洋ペイントに対する要求があ
る。
本出願人は、オルガノスズなしで製造できる、自己磨
き汚れ止め被覆を与える新しい型の海洋ペイント組成物
を見い出した。
本発明による海洋ペイント組成物は: (i)(a)一またはそれ以上のロジンを基にした成
分、 (b)分岐した鎖の酸及び/または脂環式の酸から選ば
れた飽和のC6−C12の脂肪酸の、一またはそれ以上のほ
んの少し可溶性の金属塩、及び (a)と(b)の混合物、 から選ばれた第一の成分; (ii)バインダーとして、 (a)一般式 式中、 R1がアルケニル基でありそしてR2がH及びアルキル基
から選ばれるが、R2がアルケニル基でありそしてR1がH
及びアルキル基から選ばれるかのいずれかであり、 R3はメチレン及びカルボニルから選ばれ、そして nは≧1の整数である、 の少なくとも一つのモノマーAの5ないし40重量%; (b)少なくとも一つのアクリルのコモノマーBの5な
いし45重量%、ここでA+Bの合計はモノマー組成物の
15ないし75重量%の量になり、そして (c)残りは25ないし85重量%の少なくとも一つのC1
C4アルキルメタクリレート及び/またはスチレンコモノ
マーCである; の重合によって製造されたポリマー、 ここで、ロジンを基にした成分(i)(a)とポリマ
ー(ii)との重量比は10:90ないし70:30であり、及び/
または該ほんの少し可溶性の塩(i)(b)と該ポリマ
ーとの重量比は1:50ないし1:1であり、 (iii)少なくとも一のほんの少し可溶性の金属を含む
顔料;及び (iv)該顔料と同一でも同一でなくてもよい、少なくと
も一つの海洋の殺生物剤; から成る。
本発明は、非反応性のバインダーとゆっくり溶解する
ロジンを基にした成分または非常にゆっくり溶解する金
属塩との組み合わせに基づく、全く新しい概念に基礎を
置いている。理論によって拘束されることを望むのでは
ないが、これは、ロジンまたは金属塩とコポリマー上の
N−CO部分との間の相互作用に起因するのかもしれない
と信じられる。
本発明の一つの好ましい具体例においては、本発明の
海洋ペイント組成物はロジンを含む。
先行技術は自己磨きペイント中にロジンを使用するこ
とはできないと教示しているので、このような組成物が
自己磨き被覆を与えることはまさに驚くべきことであ
る。公知のロジンを基にした汚れ止めペイントは、母体
(matrix)の溶解度に従って二つのグループに分けられ
るであろう。可溶性母体のロジンを基にしたペイント
は、使用中に侵食されて消費されたロジンの脆い母体を
形成し、これは海水によって船体(hull)表面から徐々
に洗われるかもしれないが、時間とともに粗さを増しそ
して非常に限られた寿命しか持たないと主張されてい
る。一方、不溶性母体のロジンを基にしたペイントは、
表面をあけるためにいくらかのビニル樹脂及び多量のほ
んの少し可溶性の顔料を含む;顔料が海水によって徐々
に洗われると、バインダーは洗い去られないので、表面
はより粗くなる。ロジンは漠然と使われている術語であ
り、ある種の木に作られた表面切り込みからのゴム浸出
の収穫物の成果を表す。ロジンは、、通常、マツから得
られた生成物と定義される;類似の生成物は工夫紅茶
(congo)、ダンマル(damar)、ナギモドキ(kauri)
及びマニラ(manila)ゴムを含む。ロジンを得るための
その他の方法は、森林が伐採された後でマツの切株から
ウッドロジンを溶解すること、またはクラフト紙製造プ
ロセスの副生成物を精製してトール油ロジンを製造する
ことを含む。
好ましくはマツを起源としたロジンが選択されるが、
類似の製品も、もしそれらが類似の親水性/親油性バラ
ンスを有するならば、意図されてよい。
ロジンの主な成分(約80重量%)はアビエチン酸であ
り、これはまたシルビン酸(ケミカルアブストラクツ
サービス登録番号:514−10−3)とも呼ばれ、ロジンの
代わりに使用することができるであろう。好ましいロジ
ンを基にした成分は、ロジンそれ自身、以下樹脂酸銅及
び樹脂酸亜鉛と呼ぶロジンの銅または亜鉛誘導体、匹敵
する溶解度を有するその他の樹脂酸塩、あるいはこれら
の混合物である。これらの塩は、任意の公知の方法によ
って、典型的には金属炭酸塩、水酸化物またはヒドロキ
シ炭酸塩とのメタセシス(metathesis)によって製造さ
れる。ある場合には、アビエチン酸をその塩に転換する
と、融点、硬さ、耐性、水または溶媒抵抗性のような性
質が向上することがある。
反応がペイントの中で起こりえること、例えばアビエ
チン酸が部分的にペイントのその他の成分、例えばZn
O、Cu2Oまたはトリブチルスズ酸化物と反応しえるこ
と、あるいは部分的なメタセシスが金属樹脂酸塩とペイ
ント中に含まれるその他の金属誘導体との間で起こりえ
ることが知られている。
本発明のもう一つの好ましい具体例においては、本発
明の海洋ペイント組成物は、分岐した鎖の酸、脂環式の
酸、またはそれらの混合物から選ばれた、6ないし12の
炭素原子、好ましくは8ないし11の炭素原子を有する飽
和の脂肪酸の、一またはそれ以上のほんの少し可溶性の
金属塩を含む。“ほんの少し可溶性(sparingly solubl
e)”という表現は海洋ペイントの技術において知られ
ていて(例えば米国特許第4,407,997号参照)、そこで
はそれは、高度に不溶性の化合物に対して、通常は水不
溶性と定義される化合物のいくつかに特性を与えてい
る。金属塩としては、一般に、遷移金属塩、好ましくは
亜鉛、銅、コバルトまたはジルコニウム塩から選ばれた
塩、またはそれらの混合物、さらに好ましくは亜鉛及び
/または銅塩が使用される。これらの金属塩は、しばし
ば、不純物の一つとして低いパーセントの対応する酸を
含む。分岐した鎖の酸の例としては、一分岐した酸、こ
れらの中では2−エチルヘキサン酸が好ましいが、ある
いは好ましくは第三級の酸が挙げられてよい。脂環式の
酸の例としては、ナフテン酸が挙げられてよい。ナフテ
ン酸は、その構造が主にアルキル側鎖の末端にカルボニ
ル基を有するシクロペンタン環である酸の混合物であ
る。
反応がこれらのペイントの中で起こるかもしれないこ
と、例えば部分的なメタセシスが脂肪酸の金属塩とペイ
ント中に含まれるその他の金属誘導体との間で起こりえ
ることが知られている。
非反応性のバインダーは、 (a)一般式 式中、 R1がアルケニル基でありそしてR2がH及びアルキル基
から選ばれるか、R2がアルケニル基でありそしてR1がH
及びアルキル基から選ばれるかのいずれかであり、 R3はメチレン及びカルボニルから選ばれ、そして nは≧1の整数である、 の少なくとも一つのモノマーAの5ないし40重量%; (b)少なくとも一つのアクリルのコモノマーBの5な
いし45重量%、ここでA+Bの合計はモノマー組成物の
15ないし75重量%の量になり、そして (c)残りは25ないし85重量%の少なくとも一つのC1
C4アルキルメタクリレート及び/またはスチレンコモノ
マーCである; の重合によって製造されたポリマーである。
モノマーAとしては、本明細書中で既に述べられた任
意のモノマー、またはモノマーの組み合わせが使用され
てよい。好ましいモノマーAは、ビニルまたはアルケニ
ル機能を有する環式の第三級アミドであり、もっとも好
ましいのはN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリド
ン及びN−ビニルカプロラクタムである。
モノマーAは、モノマー類の5ないし40重量%、好ま
しくは15ないし30重量%を占める。もし40重量%より多
い量が使用されると、生成する被覆は海水中で膨張し、
それ故それは低い機械的性質を有するであろう。一方、
もし5重量%より少ない量が使用されると、生成するコ
ポリマーは所望の性質を持たないであろう。
コモノマーBは、フィルム形成技術においてよく知ら
れている。アクリルモノマーの好ましい例は、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシ
ルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを含
み、もっとも好ましいのはブチルアクリレートである。
コモノマーBは、モノマー類の5ないし45重量%、好
ましくは15ないし40重量%、さらに好ましくは15ないし
30重量%を占める。これより高い量を使用すると、生成
する被覆は、過剰に柔らかくそして機械的な阻害を受け
やすい。
好ましいコモノマーCはメチルメタクリレートであ
る。
本コポリマーは、エステルの代わりに5重量%までの
対応するアクリル及び/またはメタクリル酸単位を含む
ことができるが、遊離酸の機能を含むコモノマーを使用
する時にはペイントのゲル化を避けるために注意を払ね
ばならない。
本バインダーは、フリーラジカル触媒、例えばベンゾ
イルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエー
ト、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエートま
たはアゾビスイソブチロニトリルを使用して、有機溶
媒、例えばキシレン、トルエン、ブチルアセテート、ブ
タノール、2−エトキシエタノール、シクロヘキサノ
ン、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノー
ル、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケト
ン、メチル(またはエチル)アミルケトン及び/または
2−エトキシエチルアセテート中で付加重合することに
よって製造することができる。この重合は、溶媒中のす
べての成分を加熱することによって、または好ましくは
加熱された溶媒にモノマー類と触媒を徐々に添加するこ
とによって実施されてよい。低分子量のポリマーを製造
するために、連鎖移動剤、例えばメルカプタンを使用す
ることもできる。有機溶媒としてキシレンが使用される
時には、重合は、好ましくは70−140℃の範囲の温度で
実施される。
ロジンを基にした成分(i)(a)とバインダー(i
i)との重量比は、好ましくは10:90ないし70:30、さら
に好ましくは20:80ないし60:40、もっとも好ましくは2
5:75ないし50:50である。
脂肪酸の金属塩、成分(i)(b)とバインダー(i
i)との重量比は、好ましくは1:50ないし1:1、さらに好
ましくは1:20ないし2:3である。
本発明によるペイント組成物はまた、少なくとも一つ
のほんの少し可溶性の金属を含む顔料、そして随時、海
水中に非常に不溶性である一またはそれ以上の顔料及び
/またはその他の殺生物剤から成る。
海水中にほんの少し可溶性の金属を含む顔料は、チオ
シアン酸第一銅、酸化第一銅、酸化亜鉛、酢酸メタヒ酸
第二銅(cupric acetate meta−arsenate)、またはク
ロム酸亜鉛によって例示される。本ペイントは、好まし
くは酸化亜鉛、酸化第一銅及びチオシアン酸第一銅及び
海水溶解度がこれらのものと同様な顔料から選ばれた少
なくとも一つの金属を含む顔料を含有する。これらの顔
料は、顔料粒子がペイント表面で存続しないような海水
溶解度を有する。この顔料は、相対的に動く海水がペイ
ントフィルムに影響を及ぼして得られる全体の平滑化を
起こし、局限された侵食(erosion)を最小にし、そし
てペイントの塗布の間に形成された異常成長(excresce
nces)を優先的に除去する効果を有する。ほんの少し可
溶性の顔料の混合物を使用することができ、もっとも好
ましいのは、ペイントの徐々の溶解を起こすのにもっと
も有効である酸化亜鉛と、一層効果的な海洋殺生物剤で
ある酸化第一銅及び/またはチオシアン酸第一銅との混
合物であり、この混合物は好ましくは少なくとも25重量
%の酸化及び/またはチオシアン酸第一銅から成り、残
りは酸化亜鉛である。
本ペイント組成物は、海水中に非常に不溶性である顔
料、例えば二酸化チタンまたは酸化第二鉄を付加的に含
むことができる。このような非常に不溶性の顔料は、ペ
イントの顔料成分全部の40重量パーセントまで使用する
ことができる。この非常に不溶性の顔料は、ペイントの
溶解を遅らせる効果を有する。
ポリマーに対する顔料の比率は一般に、乾燥ペイント
フィルム中で少なくとも25パーセント、好ましくは少な
くとも35パーセントの顔料容量濃度をあたえるようなも
のである。顔料濃度の上限は、極限顔料容量濃度であ
る。例えば、約50パーセントの顔料容量濃度を有するペ
イントが、海水中での平滑化及び汚れの防止のために非
常に有効なことが見い出された。
本ペイントは、汚れ止め剤として有効なその他の殺生
物剤を含むことができる。このような殺生物剤の例は、
ジチオカルバメート誘導体例えば亜鉛ジメチルジチオカ
ルバメート、亜鉛エチレンビス(ジチオカルバメー
ト)、亜鉛ジエチルジチオカルバメート、第一銅エチレ
ンビスジチオカルバメートまたは2−(N,N−ジメチル
チオカルバミルチオ)−5−ニトロチアゾール、置換イ
ソチアゾロン特にハロゲン化されたN−置換イソチアゾ
ロン、テトラメチル チウラム ジスルフィド、N−ジ
メチルN′−3,4−ジクロロフェニル尿素である。その
他の公知の殺生物剤は、トリオルガノスズ誘導体例えば
トリブチルスズ酸化物、トリブチルスズフッ化物または
トリフェニルスズフッ化物を含む。
本発明をさらに以下の実施例によって説明するが、こ
れらの実施例は説明を目的としたものであり、決して限
定を目的としたものではない。
実施例 1 a.樹脂酸銅の製造 765重量部(pbw)のロジンを275pbwの石油の蒸留物
(white spirit)中に溶かし、約130℃に加熱し、そし
て100pbwのヒドロキシ炭酸銅を撹拌しながら添加した。
この混合物が透明になりそして色が緑から明るい茶に変
わるまで、温度を約175℃に還流下で増加した。冷却
後、この混合物に75pbwのイソプロピルアルコールを添
加することによって約70重量%の乾燥物質に希釈した。
b.ターポリマーの製造 約5時間の時間にわたって16.7kgのメチルメタクリレ
ート(MMA)、8.3kgのブチルアクリレート(BA)及び1k
gのtert−ブチルペルオキシベンゾエート(TBP)を、11
5℃に加熱された40.9kgのキシレン中の12.5kgのビニル
ピロリドン(VP)、8.3kgのMMA及び4.2kgのBAの溶液
に、撹拌しながら徐々に添加することによってターポリ
マーを製造した。
約12時間加熱後、ガスクロマトグラフィーによる残留
モノマーの監視によってそれ以上の重合は観察されなか
った。次にこの溶液を130℃に約1時間加熱して触媒の
残留するいかなる活性をも破壊した。この生成物を冷却
しそして9.1kgのキシレンで希釈してキシレン中の約50
重量%のポリマー溶液を得た。
c.ペイント組成物の製造 4.37pbwの樹脂酸銅溶液を8.53pbwのこのポリマー溶液
と混合し、次に30.96pbwの酸化第一銅、29.38pbwの酸化
亜鉛、0.79pbwのベントナイト(凝固防止剤(anti−set
ting agent)として)、2.18pbwのイソブチルアルコー
ル、及びさらに23.79pbwのキシレンとブレンドした。
d.自己磨き性質の評価 かくして得られた汚れ止めペイントを以下の手順に従
ってその自己磨き性質を試験した。20cm径の鉄の円板を
まずコールタールとエポキシ樹脂を基にした商業的に入
手できる防食ペイントの220μmの乾燥フィルム厚の層
で被覆した。防食ペイント層がさわって乾燥した状態に
なってから48時間以内に、本汚れ止めペイントを約120
μmの乾燥フィルム厚を有する層として塗布した。乾燥
後、この円板を連続的に更新される天然の海水で満たさ
れたタンク中で20℃の温度で回転した。円板の周速度は
約19ノット(35km/h)であった。
厚さの測定は、7日の条件付け後、次にその294日
後、円板の中心から9cmの10の異なった場所で実施され
た。平均侵食(erosion)速度は3.0μm/月であった。
比較の目的のために、第二の鉄の円板を上と同じ手順
に従って被覆し、そして第一の板の条件付け後294日で
終わる7日の期間の間条件付けした。侵食された被覆
は、比較の被覆より僅かに滑らかであった。
e.汚れ止め性質の評価 かくして得られたペイントはまた、それを板のビニル
樹脂/タール防食ペイントの上に塗布し、この板をパネ
ル上に乗せそしてこのパネルを12ヶ月間南部オランダ沖
の三角江中のいかだから沈めることによって汚れ止め活
性について試験した。各々のパネルはまた非毒性対照で
被覆された板(これらは4週間以内に海草及びある種の
動物でひどく汚された)を含んでいた。
本発明によるペイントで被覆されたパネル上には海草
または動物汚れは観察されなかったし、そして藻のスラ
イム(algal slime)は実際上存在しなかった。
実施例 2 以下の割合を用いて、実施例1(a)において開示さ
れた手順に従って、約70重量%溶液として樹脂酸亜鉛を
製造した: − ロジン 200pbw − 石油の蒸留物 72pbw − 炭酸亜鉛 27pbw − イソプロパノール 19pbw 実施例1(b)において述べられたようにしてターポ
リマーを製造した。
ペイントは組成の以下の通りであった: − 樹脂酸亜鉛 4.38pbwの70重量%溶液 − ターポリマー 8.56pbwの50重量%キシレン溶液 − 酸化第一銅 31.07pbw − 酸化亜鉛 29.49pbw − ベントナイト 0.79pbw − 付加的なキシレン 21.72pbw − イソブタノール 2.19pbw − イソプロパノール 0.38pbw − 付加的な石油の蒸留物 1.42pbw 実施例1において述べられたようにしてすべての性質
を評価した。
平均侵食速度は2.1μm/月であった。侵食された被覆
は比較の被覆より僅かに滑らかであった。汚れ止め性質
は、樹脂酸銅を基にした被覆の性質と同じように良好で
あった。
実施例 3 以下の成分でペイントを製造した: − ロジン(不溶の) 3.65pbw − ターポリマー(実施例1(b)) 8.04pbwの50重量
%キシレン溶液 − 酸化第一銅 31.92pbw − 酸化亜鉛 30.30pbw − ベントナイト 0.81pbw − 付加的なキシレン 19.91pbw − イソブタノール 4.06pbw 平均侵食速度は3.8μm/月であり、そして侵食された
被覆の滑らかさは変わらなかった。
比較実施例1及び2 約4時間の時間にわたって460gのMMA、220gのエチル
アクリレート(EA)及び20gのTBPを、115℃に加熱され
た1lのキシレン中の220gのMMA及び100gのEAの溶液に、
撹拌しながら徐々に添加することによってコポリマーを
製造した。
約12時間加熱後、ガスクロマトグラフィーによる残留
モノマーの監視によってそれ以上の重合は観察されなか
った。次にこの溶液を130℃に約1時間加熱して触媒の
残留するいかなる活性をも破壊した。この生成物を冷却
しそして130gのキシレンで希釈してキシレン中の約50重
量%のポリマー溶液を得た。
二つのペイント組成物を製造した: −比較実施例1:実施例1(c)において述べられたよう
にして樹脂酸銅で −比較実施例2:実施例3で述べられたようにしてロジン
で 実施例1(d)の手順に従って自己磨き性質を評価す
ると、侵食は観察されなかった。
この実施例は、ポリマーが本発明の要件を満たさない
時には、ペイントは自己磨き性質を持たない(コモノマ
ーとしてのBAを一層親水性のEAに置きかえてさえ)こと
を示している。
比較実施例 3 汚れ止めペイントが以下のものから製造された: − ロジン 19.8pbw − ボールミル中でCaOで中和された、可塑剤として使
用されるフェノールのワニス 6.6pbw − 炭酸カルシウム 19.0pbw − 酸化第一銅 27.0pbw − 溶媒 23.6pbw (トルエン/石油の蒸留物1:1) − 添加物 4.0pbw このペイントは、炭酸カルシウムをまず運搬具(vehi
cle)中に入れそして24時間の間ボールミルで粉砕する
ことによって製造された。次に酸化第一銅を添加しそし
て3時間の間分散させた。
実施例1において述べられたようにして性質を評価す
ると、表面がより粗くなっていたことが見い出された。
さらに、汚れに11ヶ月さらした後で、マクロな汚れ(フ
ジツボ類(barnacles)など)は稀であったがかなりの
量の藻のスライムが観察された。
実施例 4 a.コポリマーの製造 約5時間の時間にわたって12.7kgのメチルメタクリレ
ート(MMA)、0.7kgのメタクリル酸(MA)、13.3kgのブ
チルアクリレート(BA)及び1kgのtert−ブチルペルオ
キシベンゾエート(TBP)を、105℃に加熱された28.6kg
のキシレン及び12.3kgのn−ブタノールの混合物中の1
0.0kgのビニルピロリドン(VP)、6.3kgのMMA、6.7kgの
BA及び0.3kgのMAの溶液に、撹拌しながら徐々に添加す
ることによってコポリマーを製造した。
約12時間加熱後、ガスクロマトグラフィーによる残留
モノマーの監視によってそれ以上の重合は観察されなか
った。次にこの溶液を130℃に約1時間加熱して触媒の
残留するいかなる活性をも破壊した。この生成物を冷却
してそして2.7kgのn−ブタノール及び6.4kgのキシレン
で希釈してキシレン/n−ブタノール中の約50重量%のポ
リマー溶液を得た。
b.ペイント組成物の製造 88重量部(pbw)のこのポリマー溶液を11pbwの亜鉛シ
ッカトール(Siccatol)(10%の亜鉛含量を有する、飽
和の分岐した鎖の合成脂肪酸の亜鉛塩のためのアクゾ化
学(AKZO Chmie)の商標)と混合し、次に177pbwの酸化
第一銅、58pbwの酸化亜鉛、3pbwのベントナイト(凝固
防止剤として)、30pbwのチョーク、40pbwのイソブチル
アルコール、及びさらに80pbwのキシレンとブレンドし
た。
c.自己磨き性質の評価 かくして得られた汚れ止めペイントを以下の手順に従
ってその自己磨き性質を試験した。20cm径の鉄の円板を
まずコールタールとエポキシ樹脂を基にした商業的に入
手できる防食ペイントの220μmの乾燥フィルム厚の層
で被覆した。防食ペイント層がさわって乾燥した状態に
なってから48時間以内に、本汚れ止めペイントを約120
μmの乾燥フィルム厚を有する層として塗布した。乾燥
後、この円板を連続的に更新される天然の海水で満たさ
れたタンク中で20℃の温度で回転した。円板の周速度は
約19ノット(35km/h)であった。
厚さの測定は、7日の条件付け後、次にその91日後、
円板の中心から9cmの10の異なった場所で実施された。
平均侵食速度は6μm/月であった。
比較の目的のために、第二の鉄の円板を上と同じ手順
に従って被覆し、そして第一の板の条件付け後91日で終
わる7日の期間の間条件付けした。侵食された被覆は、
比較の被覆より僅かに滑らかであった。
d.汚れ止め性質の評価 かくして得られたペイントはまた、それを板のビニル
樹脂/タール防食ペイントの上に塗布し、この板をパネ
ル上に乗せそしてこのパネルを6ヶ月間南部オランダ沖
の三角江中のいかだから沈めることによって汚れ止め活
性について試験した。各々のパネルはまた非毒性対照で
被覆された板(これらは4週間以内に海草及びある種の
動物でひどく汚された)を含んでいた。
本発明によるペイントで被覆されたパネル上には海草
または動物汚れは観察されなかったし、そして藻のスラ
イムは実際上存在しなかった。
実施例 5 実施例4(a)におけるようにして製造された68pbw
のポリマー溶液を37pbwのナフテン酸銅と混合し、次に1
77pbwの酸化第一銅、17pbwの亜鉛エチレンジチオカルバ
メート、3pbwのベントナイト、30pbwのチョーク、40pbw
のイソブチルアルコール、及びさらに80pbwのキシレン
とブレンドした。実施例4において述べられたようにし
てすべての性質を評価した。平均侵食速度は5μm/月で
あった;侵食された被覆は比較の被覆より僅かに滑らか
であった。汚れ止め性質は、実施例4において観察され
た性質と同じように良好であった。
本発明の主なる特徴及び態様は以下の通りである。
1.(i)(a)一またはそれ以上のロジンを基にした 成分、 (b)分岐した鎖の酸及び/または脂環式の酸から選ば
れた飽和のC6−C12の脂肪酸の、一またはそれ以上のほ
んの少し可溶性の金属塩、及び (a)と(b)の混合物、 から選ばれた第一の成分; (ii)バインダーとして、 (a)一般式 式中、 R1がアルケニル基でありそしてR2がH及びアルキル基
から選ばれるが、R2がアルケニル基でありそしてR1がH
及びアルキル基から選ばれるかのいずれかであり、 R3はメチレン及びカルボニルから選ばれ、そして nは≧1の整数である、 の少なくとも一つのモノマーAの5ないし40重量%; (b)少なくとも一つのアクリルのコモノマーBの5な
いし45重量%、ここでA+Bの合計はモノマー組成物の
15ないし75重量%の量になり、そして (c)残りは25ないし85重量%の少なくとも一つのC1
C4アルキルメタクリレート及び/またはスチレンコモノ
マーCである; の重合によって製造されたポリマー、 ここで、ロジンを基にした成分(i)(a)とポリマ
ー(ii)との重量比は10:90ないし70:30であり、及び/
または該ほんの少し可溶性の塩(i)(b)と該ポリマ
ーとの重量比は1:50ないし1:1であり、 (iii)少なくとも一つのほんの少し可溶性の金属を含
む顔料(pigment);及び (iv)該顔料と同一でも同一でなくてもよい、少なくと
も一つの海洋の殺生物剤(marine biocide); から成る海洋ペイント組成物。
2.含量の総重量の40重量%までが、一またはそれ以上の
海水中に非常に不溶性である顔料から付加的に成る、上
記1に記載のペイント。
3.ロジンを基にした成分(i)(a)がロジン、樹脂酸
銅、樹脂酸亜鉛、またはそれらの混合物から選ばれる、
上記1または2に記載のペイント。
4.該ほんの少し可溶性の金属塩(i)(b)が、好まし
くは亜鉛、銅、コバルトまたはジルコニウムから選ばれ
た遷移金属の塩である、上記1または2に記載のペイン
ト。
5.該金属塩が亜鉛及び/または銅塩である、上記4に記
載のペイント。
6.該飽和脂肪酸が8ないし11の炭素原子を有する、上記
1、2、4または5に記載のペイント。
7.該飽和脂肪酸が分岐した鎖の酸から選ばれる、上記
1、2、4または5に記載のペイント。
8.該飽和脂肪酸が脂環式の酸から選ばれる、上記1、
2、4または5に記載のペイント。
9.ナフテン酸が飽和脂肪酸として使用される、上記8に
記載のペイント。
10.モノマーAがビニルまたはアルケニル機能またはそ
れらの混合物を有する環式の第三級アミドから選ばれ
る、上記の先行する記載のいずれか一つに記載のペイン
ト。
11.モノマーAがN−ビニルピロリドン、N−ビニルピ
ペリドン、N−ビニルカプロラクタム、またはそれらの
混合物から選ばれる、上記10に記載のペイント。
12.モノマーAがモノマー組成物の15ないし30重量%を
占める、上記の先行する記載のいずれか一つに記載のペ
イント。
13.モノマーBがブチルアクリレートである、上記の先
行する記載のいずれか一つに記載のペイント。
14.モノマーBがモノマー組成物の15ないし30重量%を
占める、上記の先行する記載のいずれか一つに記載のペ
イント。
15.コモノマーCがC1−C4−アルキルメタクリレートま
たはそれらの混合物から選ばれる、上記の先行する記載
のいずれか一つに記載のペイント。
16.コモノマーCがメチルメタクリレートである、上記1
5に記載のペイント。
17.成分(i)(a):成分(ii)の重量比が20:80ない
し60:40である、上記1ないし3、及び10ないし16のい
ずれか一つに記載のペイント。
18.成分(i)(a):成分(ii)の重量比が25:75ない
し50:50である、上記17に記載のペイント。
19.成分(i)(b):成分(ii)の重量比が1:20ない
し2:3である、上記1、2及び4ないし16のいずれか一
つに記載のペイント。
20.コポリマー(ii)がエステルの代わりに5重量%ま
での対応するアクリル及び/またはメタクリル酸を含
む、上記の先行する記載のいずれか一つに記載のペイン
ト。
21.ほんの少し可溶性の金属を含む顔料が酸化亜鉛、酸
化第一銅、チオシアン酸第一銅またはそれらの混合物か
ら選ばれる、上記の先行する記載のいずれか一つに記載
のペイント。
22.ほんの少し可溶性の金属を含む顔料が少なくとも25
重量%の酸化及び/またはチオシアン酸第一銅から成
り、残りは酸化亜鉛である混合物である、上記21に記載
のペイント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘンドリク・バン・デル・ポエル オランダ国エヌエル‐1186エツクスジー アムステルベーン・トウルフシツプ 155 (72)発明者 ヨゼフ・ベルボルクト オランダ国エヌエル‐1421 ウイトホー ルン・タメルホルン 82 (72)発明者 ペーター・ハーク オランダ国エヌエル‐1852エルエイハイ ロー・クローステルホーフ 13 (56)参考文献 特開 昭60−28456(JP,A) 特開 昭59−36166(JP,A) 特開 昭61−285193(JP,A) 特開 昭58−5375(JP,A) 米国特許4313860(US,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)(a)一またはそれ以上のロジンを
    基にした成分、 (b)分岐した鎖の酸及び/または脂環式の酸から選ば
    れた飽和のC6−C12の脂肪酸の、一またはそれ以上のほ
    んの少し可溶性の金属塩、及び (a)と(b)の混合物、 から選ばれた第一の成分; (ii)バインダーとして、 (a)一般式 式中、 R1がアルケニル基でありそしてR2がH及びアルキル基か
    ら選ばれるか、R2がアルケニル基でありそしてR1がH及
    びアルキル基から選ばれるかのいずれかであり、 R3はメチレン及びカルボニルから選ばれ、そして nは≧1の整数である、 の少なくとも一つのモノマーAの5ないし40重量%; (b)少なくとも一つのアクリルのコモノマーBの5な
    いし45重量%、ここでA+Bの合計はモノマー組成物の
    15ないし75重量%の量になり、そして (c)残りは25ないし85重量%の少なくとも一つのC1
    C4アルキルメタクリレート及び/またはスチレンコモノ
    マーCである; の重合によって製造されたポリマー、 ここで、ロジンを基にした成分(i)(a)とポリマー
    (ii)との重量比は10:90ないし70:30であり、及び/ま
    たは該ほんの少し可溶性の塩(i)(b)と該ポリマー
    との重量比は1:50ないし1:1であり、 (iii)少なくとも一つのほんの少し可溶性の金属を含
    む顔料;及び (iv)該顔料と同一でも同一でなくてもよい、少なくと
    も一つの海洋の殺生物剤; から成る海洋ペイント組成物。
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