JP2666123B2 - 床支持装置 - Google Patents

床支持装置

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JP2666123B2
JP2666123B2 JP9685895A JP9685895A JP2666123B2 JP 2666123 B2 JP2666123 B2 JP 2666123B2 JP 9685895 A JP9685895 A JP 9685895A JP 9685895 A JP9685895 A JP 9685895A JP 2666123 B2 JP2666123 B2 JP 2666123B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体育館等におけるステ
ージ等の床部材を支える床支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、体育館、ホール等におけるステー
ジの床構造としては、図12に示すステージ床117と
このステージ床の下方に設けられる中間床118からな
るものが知られている。この床構造は、体育館のスラブ
面108に中間床支持脚110及びステージ支持脚10
4を立設し、この中間床支持脚110に大引材114を
架設してこの上に根太材111を所定の間隔で配設し、
さらに捨板112及び床材113を敷いてステージ下方
に低い中間床を形成する。
【0003】またステージ床117の敷設に際しては、
上記中間床113の上部面に框支持柱102を立設し、
これに大引角材103を架設してこの大引角材103に
框101を取付けて固定した後、上記ステージ支持脚1
04に大引材115及び根太材105を架設し、この上
に捨て板106及び床板107を敷設してステージ床を
敷設していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて、上記框101の
敷設工事は、上記框支持柱102及び大引角材103を
用いた木工事で行うため、框支持柱102の高さ調整の
他、框101に製造誤差、仕上げの程度、反り或いは捩
じれがある場合には、これらに対する調整が必要とな
る。このような框101の設置状態における垂直方向、
水平方向或いは傾斜等の片寄りを調整する場合には、例
えば楔等を用いて詰めを行ったり大引角材103或いは
框支持柱102をずらす等の処置が必要となり、ステー
ジの施工において特に框101の設置には手間を要して
いた。また、先に框101を設置し、この框101に揃
えてステージ床の敷設を行う施工方法をとるため、ステ
ージ床の施工が手間取り施工時間が長くなる等施工性に
も問題があった。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、体育館等におけるステージ等の床の施工が容易
かつ迅速に行え施工性のよい床支持装置を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上の技術的課題を解決
するため、第一の発明に係る床支持装置は図1及び図2
に示すように、支持脚部11の上部に、床部材10を支
持する上部支持部材1及びこの上部支持部材1を支持す
る下部支持部材2とからなる支持部材が取付けられた床
支持装置であって、上記上部支持部材1は、床部材10
を載置する床材支持板4及びこの床材支持板4の略中央
部に下方に膨出した膨出部3を有する一方、上記下部支
持部材2は、基板8及びこの基板8の略中央部には凹状
の窪部5を有し、上記膨出部3の膨出する高さ寸法は上
記窪部5の窪みの寸法より大きく形成され、膨出部3が
窪部5に突入した状態で上部支持部材1が下部支持部材
2に支持される構成である。
【0007】また第二の発明に係る床支持装置は、上記
下部支持部材2の窪部5の周辺部に複数の螺孔9を設
け、上記膨出部3が窪部5に突入した状態で、上記各螺
孔9に調整ボルト7をねじ込み床材支持板4に当接させ
て上部支持部材1を支持した構成である。
【0008】また第三の発明に係る床支持装置は、支持
脚部11の上部に、床部材10を支持する上部支持部材
26及びこの上部支持部材26を支持する下部支持部材
27とからなる支持部材が取付けられた床支持装置であ
って、上記下部支持部材27は、床部材10を載置する
床材支持板4の略中央部に下方に膨出した膨出部3を有
する一方、上記下部支持部材27は、基板8及びこの基
板8の略中央部には前後方向に長い凹状の長窪部16及
びこの長窪部16の周辺部に複数の螺孔9を有し、上記
膨出部3の膨出する高さ寸法は上記長窪部16の窪みの
寸法よりも大きく形成され、膨出部3が長窪部16に突
入した状態で、上記各螺孔9に調整ボルト7をねじ込み
床材支持板4に当接させて上部支持部材26を支持した
構成である。
【0009】第四の発明に係る床支持装置は、上記上部
支持部材1,26は、上記床材支持板4の両端から垂下
する側板12a,12bを有する一方、上記下部支持部
材2,27は、上記基板8の両端から垂下する下部側板
13a,13bを有し、上記下部支持部材2,27は上
部支持部材1,26に内包されるように構成されてい
る。
【0010】
【作用】上記第一の発明によれば、床として例えばステ
ージ床の敷設については、スラブ面の必要な箇所に床支
持装置を設置し、床支持装置の上部支持部材1に床部材
10として例えば框を載置し、必要な個所を木ねじ等を
用いて固定する。このとき框の下部面は、框自体の製作
誤差、仕上げの程度、反り或いは捩じれ等により必ずし
も水平ではなく傾斜していることがあり、この場合上部
支持部材1は傾いた状態で取り付けられる。
【0011】この状態で框を床支持装置に載置したとき
には、上部支持部材1は傾いたままで、上部支持部材1
の膨出部3は下部支持部材2の窪部5に突入して支持さ
れる。このとき膨出部3の高さ寸法は窪部5の窪みの寸
法より大きく形成されていることから、床材支持板4は
基板8に対して傾斜した状態のままで支持可能である。
【0012】第二の発明によれば、ステージ床の敷設及
び床部材10としての框の設置がこの両者の接合部を残
して終了すれば、この接合部位のズレを調節し両者の接
合部位を合致させるために框の設置状態を調整する。そ
して上述したように膨出部3が窪部5に突入した状態に
おいて、下部支持部材2の基板8に設けられた螺孔9に
下方から調節ボルト7をねじ込み、この調節ボルト7の
先を床材支持板4に当接させて床材支持板4を支持す
る。さらに必要に応じて調節ボルト7を調整して上部支
持部材1の傾き状態を補正し、これにより框の設置角度
の調整等を行ない、この後上記接合部を仕上げる。
【0013】また第三の発明によれば、上述した第一の
発明と同様、床部材10として例えば框を支持する上部
支持部材26が傾斜した状態の場合には、そのまま上部
支持部材26の膨出部3は下部支持部材27の長窪部1
6に突入し、傾斜した状態で上部支持部材26は下部支
持部材27に支持される。
【0014】そして、ステージ床と接合させるために框
の位置を調整し、必要な場合には框をステージに向かっ
て前後方向に移動調整する。このとき框の前後方向移動
にともない、上記膨出部3は長窪部16に突入した状態
のまま窪みの長尺方向に移動する。この調整の後、調節
ボルト7によって上部支持部材26をその状態で支持す
ると共に、さらに調節ボルト7を調節して上部支持部材
26の傾きを変化させ、これにより框の設置角度の調整
を行ない両者の接合部位を合致させる。
【0015】第四の発明によれば、上記膨出部3は窪部
5に突入し、或いは膨出部3は長窪部16に突入した状
態のまま窪みの長尺方向に移動する。また必要に応じて
調節ボルト7を調節し、上部支持部材1の傾きを変化さ
せて框の設置角度の調節等を行なう。そして、調節の
後、例えばビスを用いて上部支持部材1,26の側板1
2a,12bを貫通させて下部側板13a,13bを止
着し、上部支持部材1,26を下部支持部材2,27に
固定する。
【0016】
【実施例】以下本発明に係る床支持装置を体育館のステ
ージ床に適用した場合の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。まず、第一の実施例について説明する。図1
及び図2は上記床支持装置22を示したものである。こ
の床支持装置22は、スラブ面50に接地する台座3
1、この台座31に立設され鋼管(角鋼管又は丸鋼管)
からなる支持脚部11、この支持脚部11の上端部と螺
合し高さ調節に用いられる支持ボルト14及びこの支持
ボルト14の上部には床部材としての框10を支持する
支持部材15が取付けられている。
【0017】上記支持脚部11の上端を覆うベースキャ
ップ33の上部にはキャップナット34が設けられ、こ
のキャップナット34に支持ボルト14の下部が螺合さ
れ、さらにキャップナット34はナット41、ワッシャ
44を用いて補強されている。
【0018】また上記台座31は、基体板36の左右両
端から上方に立ち上がる立上板37を有し、これら立上
板37及び支持脚部11の下端部近傍を貫通するボルト
38によって、支持脚部11を一定の範囲で回動可能に
支持している。上記ベースキャップ33はボルト42を
用いて支持脚部11の上端に固定され、またキャップナ
ット34はベースキャップ33の上端部に回転可能に嵌
め込まれ、ネジ43によりベースキャップ33に固定さ
れている。
【0019】図1及び図3に示すように、上記支持部材
15は框10を支持する上部支持部材1とこの上部支持
部材1を支持する下部支持部材2とからなっている。こ
の上部支持部材1は、框10を載置する床材支持板4、
この床材支持板4の略中央部から下方に半球形状に膨出
した膨出部3、この床材支持板4の両端から垂下する側
板12a,12b、床材支持板4の前端部から垂下して
框10の垂下面46に当接する当接板20及び床材支持
板4の後端部から上方に折り曲げた折曲板17からなっ
ている。
【0020】上記下部支持部材2は、基板8とこの基板
8の両端から下方に垂下する下部側板13a,13bと
を有し、この基板8の略中央部に上記膨出部3が突入す
る半球形状の窪部5が設けられ、また窪部5の先には上
記支持ボルト14の上部と螺合する螺合ナット6が取付
けられている。上記窪部5内部の球面半径は、ここに突
入する上記膨出部3の球面半径と等しく形成され、突入
状態で両方の面同士は密着する。
【0021】また窪部5の深さの寸法は膨出部3の高さ
の寸法より短くとられており、このため膨出部3を有す
る床材支持板4は、窪部5を有する基板8に対して一定
の角度内で傾斜した状態で支持可能である。この窪部5
の周辺の前後左右の4箇所の部位には螺孔9が設けら
れ、これに螺合する調節ボルト7により上部支持部材1
を傾斜した状態で支持する。
【0022】なお、窪部5の周辺の螺孔9の数は、3個
或いは4個以上であっても良い。また、上記膨出部3は
半球形状としたが、これはさらに球径を大きくし、高さ
の寸法は同じ程度とした球の一部をなす部分球形状と
し、窪部5についてもこの膨出部3の形状と合う形状と
する構成としてもよい。この場合には、窪部5と膨出部
3との接する面積が広くなり耐荷重性が高まる。
【0023】図4は框10の施工途中の状態を示したも
のである。框10は所定の間隔を隔てて複数の床支持装
置22に支持され、これら支持される箇所には予め上部
支持部材1が木ねじ25を用いて取り付けられている。
このとき框10は、框10の製造誤差或いは仕上げの程
度等にもよるが下部面47は必ずしも水平ではない場合
があり、このときには下部面47に取り付けられた上部
支持部材1は前後或いは左右に傾斜した状態になる。
【0024】したがって、この状態で上部支持部材1の
膨出部3を下部支持部材2に突入させると、窪部5と膨
出部3とは球状の面同士が密着した状態で接触するの
で、上部支持部材1は下部支持部材2に対して傾斜した
状態で支持される。この状態で、下部支持部材2の調節
ボルト7を用いて上部支持部材1を支持し、さらに必要
な場合には調節ボルト7を調節して上部支持部材1を傾
きを変える。
【0025】図5及び図6は、上記床支持装置22が設
置されるステージの構造を示したもので、これは所謂三
重床タイプである。スラブ面50の高さはステージ床の
下方についても体育館の床93の下方と同一であり全体
に一平面に形成されている。ステージ部分にはステージ
床60と、このステージ床60の下方にはステージの中
間床61が形成され、この中間床61は体育館の床93
と連続しておりこれら双方の床面は同一平面をなしてい
る。
【0026】ステージ床60はステージ支持材51を用
いて支持する。このステージ支持材51は胴部65、支
持ボルト部66及び支持部68で構成され、この胴部6
5には断面四角形の角鋼管(円鋼管を用いることもでき
る)が用いられている。さらに当該実施例においては、
中間床61についても上記ステージ支持材51を用いて
支持し、ステージ支持材51のみでステージ床60及び
中間床61の両方の床を支持する構造とした。これは、
通常中間床61の下方のスラブ面50には配線或いは配
管等の設備がなされるため、これら設備の妨げにならな
いようにステージ床60及び中間床61の床支持材を共
通化して床支持材の数を減らすようにしたものである。
【0027】図9は、上記床支持装置22及びステージ
支持材51の設置位置を示したものである。床支持装置
22はステージ前面を左右に一列に所定間隔を隔てて配
置され、また各床支持装置22に揃えてステージの後方
向に所定の間隔でステージ支持材51が配置され、各ス
テージ支持材51にはクランプ部材70が取付けられて
いる。また、ステージ支持材51間にはステージ左右方
向に大引鋼管55及び角鋼管56が配設され、ステージ
前後方向に振れ止材62が架設され、床支持装置22と
ステージ支持材51間には連結ステー69が設けられ
る。これら床支持装置22及びステージ支持材51の配
置の構成は、ステージの荷重の程度或いは中間床61の
荷重の程度によって増減する。
【0028】ここで、上記ステージ床60及びステージ
の中間床61の各床の施工について説明する。これら床
の施工では、体育館の床93の工事と中間床61の工事
が先ず行われる。体育館の床93の工事については、床
支持材91を所定の位置に設置し、これに大引材92を
架設し、これに根太材、捨板及び床材を敷設して仕上げ
る。
【0029】中間床61の工事では、上述した位置に床
支持装置22及びステージ支持材51を配置し、床支持
装置22は図2に示すようにコンクリートピン39又は
アンカーボルトを用いて台座31の接地部36をスラブ
面50に固定して設置し、ステージ支持材51について
もコンクリートピン39を用いて、この胴部65の下端
の台座をスラブ面50に固定する。
【0030】中間床61は大引材によって支持され、当
該実施例では大引材として角鋼管(円鋼管を用いること
もできる)からなる大引鋼管55を用いている。この大
引鋼管55の架設に際しては、大引鋼管55と上記ステ
ージ支持材51の胴部65とを交差させ、クランプ部材
70を用いて大引鋼管55をステージ支持材51に固定
する。
【0031】上記クランプ部材70は図7に示すよう
に、角環状をなしステージ支持材51の胴部65を抱持
する第一抱持体71と、この胴部65と直交する方向の
大引鋼管55を抱持する第二抱持体72とを有してい
る。そして、この第一抱持体71はナット75を用いて
第一のボルト74を締めつけて胴部65に固定され、ま
た第二抱持体72は第二抱持体72と軸部77を中心に
回動する回動片76とによって大引鋼管55を抱持し、
ナット80を用いて第二のボルト79を締めつけて大引
鋼管55に固定され、これによりステージ支持材51の
胴部65に大引鋼管55を交差した状態で結合する。
【0032】なお、大引鋼管55或いはステージ支持材
51の胴部65が円鋼管からなる場合には、これに合わ
せて第一抱持体71及び第二抱持体72も円環状のもの
を用いる。
【0033】そして上記ステージ支持材51の胴部65
に結合された大引鋼管55の上に、この大引鋼管55と
直交する方向に根太鋼52を所定の間隔をおいて配置す
る。この根太鋼52の上には、ラワン合板等からなる捨
板53を配設し、さらにこれに重ねて上捨板54を敷設
する。また、図5に示すように前後のステージ支持材5
1間には、胴部65間に振れ止材62を架け渡して補強
する。
【0034】従来、ステージ床60を敷設する場合には
框10を先に敷設し、この框10の縁に揃えてステージ
床を敷設していたが、当該実施例においては、框10の
敷設作業と同時並行してステージ床60の敷設作業を行
う。そして框10とステージ床60の接合部の作業を残
して両者の工事が一応終了した後に、框10とステージ
床60との係合部が合致するよう框10の位置或いは傾
きを調整して接合部の仕上げを行う。
【0035】ステージ床60の敷設では、上記ステージ
床支持材51の支持部68に大引材としての角鋼管56
を架設し、この角鋼管56をステージに向かって左右方
向に配設する。この角鋼管56の上にはこれと直交する
方向に根太鋼57を所定の間隔をおいて配設する。そし
てこの根太鋼57の上にはラワン合板等からなる捨板5
8を配設し、この捨板58の上から所定の大きさのステ
ージ床板59を順に敷いてステージ床全体に敷設する。
【0036】上記ステージ床60の敷設工事と同時に框
10の工事も行われる。框10には、床支持装置22に
支持される箇所に予め上部支持部材1が取付けられ、こ
の場合、上部支持部材1の折曲板17及び当接板20
が、框10の後端面45及び垂下面46にそれぞれ木ね
じ25を用いて取り付けられる。このとき框10の下部
面47は、框10自体の製作誤差あるいは粗仕上げ等の
ため凸凹等が生じており、必ずしも下部面47は水平で
はなく前後或いは左右に傾斜していることがあり、その
場合上部支持部材1は傾いた状態で取り付けられること
になる。一方床支持装置22には、支持ボルト14の先
端部に下部支持部材2が取り付けられる。
【0037】またスラブ面50に設置された床支持装置
22の支持脚部11は、台座31に設けられたボルト3
8を中心に前後方向に回動するので、これを必要な位置
に設定しネジ40を用いて支持脚部11を固定する。
【0038】そして、框10を床支持装置22に載置す
ると共に各下部支持部材2の位置を上部支持部材1に合
わせ、上部支持部材1の膨出部3を下部支持部材2の窪
部5に突入させる。このとき、窪部5と膨出部3とは球
状の面同士を合わせた状態で接触するので、上部支持部
材1は下部支持部材2に対して傾いた状態であってもそ
の状態で支持される。
【0039】さて、ステージ床60の敷設及び框10の
敷設工事が両者の接合部を残して終了すれば、この接合
部位を合致させるために框10の設置状態を調節する。
床支持装置22の高さ調節はキャップナット34を回し
て行われ、所定の高さに調節した後はネジ43を用いて
キャップナット34をベースキャップ33に固定する。
【0040】一方、下部支持部材2の窪部5周辺の4箇
所の螺孔9に調節ボルト7をねじ込み、この調節ボルト
7の先端を上部支持部材1の床材支持板4下面に当接さ
せて支持する。さらに、框10の傾きを補正する場合に
は、各調節ボルト7を加減し上部支持部材1の傾きを変
え、框10の上部面48を水平に補正する。
【0041】さらに、上部支持部材1の側板12a,1
2bの孔21からビス28をねじ込んでこのビス28を
下部支持部材2の下部側板13a,13bにくい込ませ
或いは貫通させて固定し、両支持部材1,2間のがたつ
きを防止する。
【0042】上記框10と床支持装置との連結を強固に
するために、図8に示す床支持装置22の支持ボルト1
4と框10の垂下面46との間に受けプレート63を設
け、さらに的確かつ強固に框10を支持する。この受け
プレート63は基板63aとこの一端を直角に折曲げた
折曲板63bを有し、この折曲板63bは框10の垂下
面46に木ネジ25を用いて固定される。
【0043】また基板63aには前後方向に横長の長孔
63cが設けられ、この長孔63cを支持ボルト14に
嵌め込み、基板63aを前後方向の必要な位置に調節し
た後、2個のナット67で挟んで固定する。この受けプ
レート63により、框10前後方向の傾きが補正される
と共に、荷重に対する補強も行われる。さらに、床支持
装置22の支持ボルト14とステージ床支持材51の支
持ボルト部66間を連結ステー69を用いて連結し、そ
れぞれナット41,67で固定する。
【0044】このようにして框10の設置状態を調整
し、框10の上部面48を水平かつステージ床60面と
均一に合わせた状態で、框10とステージ床60とを接
続するステージ床板59を框10の上面後部の切欠いた
段部49に嵌め込んで架け渡し、ステージ床面の全体の
敷設を完了する。
【0045】上記敷設された所謂三重床タイプのステー
ジ構造では、ステージ床60と中間床61との間に空間
部が形成され、ここを収納スペースとして利用する。例
えばこの中間床61に体育館等で使用される備品等を搭
載した収納車等を収納する。この収納車は前端部に化粧
パネルが取り付けられ、収納車を収納した状態ではこの
化粧パネルが、ステージの框10の下方に位置しステー
ジの前面部は縦列に並べられた収納車の化粧パネルで覆
われる。
【0046】また中間床61には従来のように中間床6
0の専用の支持脚を用いていないため、中間床60の下
方の空間部では配線、配管等を妨げるものが少なくな
り、設備のスペースが十分に確保される。
【0047】従って、上記実施例に係る床支持装置22
によれば、床支持装置の高さ調節と共に上部支持部材1
は下部支持部材2に対してあらゆる方向に傾斜した状態
で支持される。このため框10の載置面が傾いているよ
うな場合に、楔等を用いて床支持材との接合部位を調整
するなどの手間をかける必要がなく、簡便に床の施工が
行え、施工時間の短縮が図れる。
【0048】また従来は框部の木工事を先行して行う必
要があったが、この実施例によれば、框10とステージ
床60との接合の際に框10の設置状態の調整が行える
ことから、框10の敷設作業と同時並行してステージ床
60の敷設作業が行え、全体の施工時間が短縮され施工
性にすぐれるという効果がある。
【0049】ここで第二の実施例について説明する。図
10及び図11は、この実施例で用いられる床支持装置
の支持部材29を示したものであり、これは框10を支
持する上部支持部材26及びこの上部支持部材26を支
持する下部支持部材27とからなっている。この上部支
持部材26は、框10を載置する床材支持板4、この床
材支持板4の略中央部から下方に半球形状に膨出した膨
出部3、この床材支持板4の両端から垂下する側板12
a,12b、床材支持板4の前端部から垂下して框10
の垂下面46に当接する当接板20及び床材支持板4の
後端部から上方に折れ曲がる折曲板17からなってい
る。
【0050】上記下部支持部材27は、基板8、この基
板8の略中央部に上記膨出部3が突入する前後方向に横
長の半球形状の長窪部16及び基板8の両端から下方に
垂下する下部側板13a,13bとを有し、長窪部16
の先端中央部には床支持装置の支持ボルト14の上部と
螺合する螺合ナット6が取付けられている。
【0051】また上記下部支持部材27は上部支持部材
26に内包されると共に、これら両部材は上記上部支持
部材26の側板12a,12bに設けられた長孔83
a,83b及び下部支持部材27の下部側板13a,1
3bに設けられた孔部84a,84bを貫通する連結軸
材85により接合されている。上記長孔83a,83b
の上下方向の寸法は、連結軸材85のボルト軸88の直
径の寸法より大きく形成されている。
【0052】上記長窪部16の前後方向の断面は図10
に示すように横長の半円形状をなし、また長窪部16面
の左右方向の断面は半円状をなしており、この半径はこ
れと合わさる上記膨出部3外面の球面半径と等しく形成
されている。また長窪部16の深さの寸法は膨出部3の
高さの寸法より短くとられており、このため膨出部3を
有する床材支持板4は、長窪部16を有する基板8に対
して一定の角度内で傾斜した状態で支持可能である。
【0053】また、この長窪部16の周辺の前後左右の
4箇所の部位には螺孔9が設けられ、これに螺合する調
節ボルト7により上部支持部材1を傾斜した状態で支持
できる。なお、長窪部16の周辺の螺孔9の数は、3個
或いは4個以上であっても良い。
【0054】このように当該実施例に係る床支持装置に
おいては、下部支持部材27には横長の半球形状の長窪
部16が設けられているため、上記膨出部3はこの長窪
部16に突入した状態で窪みの長尺方向に摺動し、これ
と同時に連結軸材85は長孔83a,83b内を移動す
る。
【0055】さて、ステージ床の施工に際しては、上記
第一の実施例と同様にしてステージ床60及び框10の
敷設工事を並行して行う。この框10の敷設では上記第
一の実施例と同様、框10を床支持装置22に載置して
各下部支持部材27の位置を框10に取付けられている
上部支持部材26に合わせて、上部支持部材26の膨出
部3を下部支持部材27の長窪部16に突入させる。
【0056】このとき框10の下部面47は、框10自
体の製作誤差等により前後或いは左右に傾斜しておれ
ば、上部支持部材26は傾いた状態で取り付けられる。
しかし、膨出部3の球状の面は長窪部16の内部の円筒
状の窪み面と滑らかに接触するので、上部支持部材26
は下部支持部材27に対して傾いた状態であっても膨出
部3は長窪部16に当接して一様に支持される。
【0057】ステージ床60についても上記第一の実施
例と同様にして行われ、ステージ床60の敷設及び框1
0の敷設工事が両者の接合部を残して終了すれば、この
接合部位を合致させるために框10の設置状態を調節す
る。この調節に際しては上記第一の実施例と同様に床支
持装置22の高さ調節を行った後、框10の位置調整を
行う。
【0058】まず框10をステージ床60の端部に揃え
るために前後方向を調節する。この調節の際、上部支持
部材26の膨出部3は下部支持部材27の長窪部16に
突入した状態で長窪部16内を前後に摺動し、同時に連
結軸材85は長孔83a,83b内を前後に移動する。
【0059】框10の前後方向の位置を調節した後、長
窪部16周辺の4箇所の螺孔9に調節ボルト7をねじ込
み、この調節ボルト7の先端を上部支持部材26の床材
支持板4下面に当接させて支持し、框10の捩じれ等に
より框10自体が傾いている場合には、各調節ボルト7
を加減して框10の上部面48を水平に補正する。
【0060】この際、上記連結軸材85は長孔83a,
83b内を上下方向に移動し、この長孔83a,83b
の上下の遊び間隔内で上部支持部材26を傾けることが
できる。そして、第一の実施例と同様にして床支持装置
22の支持ボルト14と框10の垂下面46との間に受
けプレート63を設けて補強し、框10の支持を強固に
する。なお、長孔83a,83bの上下に遊び間隔を設
ける代わりに、下部支持部材27に設けた孔部84a,
84bを上下方向に長い長孔とし、上部支持部材26の
傾きに対処する構成としてもよい。
【0061】さらに、上部支持部材26の側板12a,
12bの孔21からビス28をねじ込んで上部支持部材
26を下部支持部材27に固定する。また、上部支持部
材26と下部支持部材27とを結合するボルト軸88
を、長孔83a,83bの外側からナット86及びワッ
シャ87を用いて固定する。
【0062】このようにして框10の設置状態を調整し
て、框10の上部面48を水平かつステージ床60面と
均一に合わせ、最後に框10とステージ床60とを接続
するステージ床板59を、框10の上面後部の切欠いた
段部49に嵌め込んで架け渡し、ステージ床面の全体の
敷設を完了する。
【0063】従って上記実施例に係る床支持装置22に
よれば、第一の実施例に係る効果に加えて、床支持装置
22に框10を取り付けた状態で框10を前後に移動さ
せて位置調整することができ、ステージ床60の先端部
と框10との間の位置調整が容易にしかも迅速に行える
ことから、施工性にすぐれるという効果がある。
【0064】また上部支持部材26の側板12に設けた
長孔83と下部支持部材27の下部側板13に設けた孔
部84を貫通する連結軸材85を用いてこれらを接続す
る構成としたから、上部支持部材26と下部支持部材2
7との接続が容易かつ確実に行えるという効果がある。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、第一の発明に係る
床支持装置によれば、上部支持部材1に床材支持板4及
びこの床材支持板4に膨出部3を設ける一方、下部支持
部材2は基板8の略中央部には凹状の窪部5を設け、膨
出部3が窪部5に突入した状態で上部支持部材1を支持
する構成を採用したから、上部支持部材1は下部支持部
材2に対してあらゆる方向に傾斜した状態で支持される
ため、床部材10の載置面が傾いているような場合に、
楔等を用いて床支持材との接合部位を調整するなどの手
間をかける必要がなく、簡便に床の施工が行えるととも
施工時間の短縮が図れるという効果がある。また、上部
支持部材1で支持する床部材10とこれと接合する他の
床の部分との敷設作業を同時並行して行うことができ、
全体の施工時間が短縮される。
【0066】また、第二の発明によれば、下部支持部材
2の窪部5の周辺部に複数の螺孔9を設け、膨出部3が
窪部5に突入した状態で調整ボルト7によって上部支持
部材1を支持する構成としたから、調整ボルト7により
上部支持部材1が安定して支持されるとともに床部材1
0の傾きを調節して床部材10の設置状態を容易に補正
することができるという効果がある。
【0067】第三の発明によれば、長窪部16内を膨出
部3が移動できる構成としたため、床支持装置22に床
部材10を取り付けた状態で床部材10を前後に移動さ
せて位置を調整することができ、床部材10の前後方向
の位置調整が簡単に行えるという効果がある。
【0068】第四の発明によれば、上部支持部材1,2
6に側板12a,12bを設ける一方、下部支持部材
2,27に下部側板13a,13bを設け、下部支持部
材2,27は上部支持部材1,26に内包される構成と
したから、上部支持部材26と下部支持部材27との結
合が容易かつ確実に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例に係る床支持装置の部分
図である。
【図2】本発明の第一の実施例に係る床支持装置の側面
図である。
【図3】第一の実施例に係る支持部材の分解斜視図であ
る。
【図4】第一の実施例に係り床支持装置に框を取付ける
際の説明図であり、(a)は床支持装置の側面図、
(b)は床支持装置の背面図である。
【図5】実施例に係るステージ床構造の断面図である。
【図6】実施例に係るステージ床構造の部分正面図であ
る。
【図7】実施例に係りステージ支持材と大引材とをクラ
ンプ部材を用いて結合した図である。
【図8】実施例に係りステージ床構造における框とステ
ージ床近傍の側面図である。
【図9】実施例に係りステージ床の平面を示す図であ
る。
【図10】本発明の第二の実施例に係る床支持装置の側
面図である。
【図11】第二の実施例に係る支持部材の分解斜視図で
ある。
【図12】従来例に係るステージ近傍の床構造を示す断
面図である。
【符号の説明】
1,26 上部支持部材 2,27 下部支持部材 3 膨出部 4 床材支持板 5 窪部 7 調整ボルト 8 基板 9 螺孔 10 床部材 11 支持脚部 12a,12b 側板 13a,13b 下部側板 16 長窪部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持脚部(11)の上部に、床部材(1
    0)を支持する上部支持部材(1)及びこの上部支持部
    材(1)を支持する下部支持部材(2)とからなる支持
    部材が取付けられた床支持装置であって、 上記上部支持部材(1)は、床部材(10)を載置する
    床材支持板(4)及びこの床材支持板(4)の略中央部
    に下方に膨出した膨出部(3)を有する一方、上記下部
    支持部材(2)は、基板(8)及びこの基板(8)の略
    中央部には凹状の窪部(5)を有し、 上記膨出部(3)の膨出する高さ寸法は上記窪部(5)
    の窪みの寸法より大きく形成され、膨出部(3)が窪部
    (5)に突入した状態で上部支持部材(1)が下部支持
    部材(2)に支持されることを特徴とする床支持装置。
  2. 【請求項2】 上記下部支持部材(2)の窪部(5)の
    周辺部に複数の螺孔(9)を設け、 上記膨出部(3)が窪部(5)に突入した状態で、上記
    各螺孔(9)に調整ボルト(7)をねじ込み床材支持板
    (4)に当接させて上部支持部材(1)を支持したこと
    を特徴とする請求項1記載の床支持装置。
  3. 【請求項3】 支持脚部(11)の上部に、床部材(1
    0)を支持する上部支持部材(26)及びこの上部支持
    部材(26)を支持する下部支持部材(27)とからな
    る支持部材が取付けられた床支持装置であって、 上記下部支持部材(27)は、床部材(10)を載置す
    る床材支持板(4)の略中央部に下方に膨出した膨出部
    (3)を有する一方、 上記下部支持部材(27)は、基板(8)及びこの基板
    (8)の略中央部には前後方向に長い凹状の長窪部(1
    6)及びこの長窪部(16)の周辺部に複数の螺孔
    (9)を有し、 上記膨出部(3)の膨出する高さ寸法は上記長窪部(1
    6)の窪みの寸法よりも大きく形成され、膨出部(3)
    が長窪部(16)に突入した状態で、上記各螺孔(9)
    に調整ボルト(7)をねじ込み床材支持板(4)に当接
    させて上部支持部材(26)を支持したことを特徴とす
    る床支持装置。
  4. 【請求項4】 上記上部支持部材(1,26)は、上記
    床材支持板(4)の両端から垂下する側板(12a,1
    2b)を有する一方、 上記下部支持部材(2,27)は、上記基板(8)の両
    端から垂下する下部側板(13a,13b)を有し、 上記下部支持部材(2,27)は上部支持部材(1,2
    6)に内包されるように構成されていることを特徴とす
    る請求項1、請求項2又は請求項3記載の床支持装置。
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