JP2663820B2 - 判定帰還形等化器 - Google Patents

判定帰還形等化器

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JP2663820B2
JP2663820B2 JP4348995A JP34899592A JP2663820B2 JP 2663820 B2 JP2663820 B2 JP 2663820B2 JP 4348995 A JP4348995 A JP 4348995A JP 34899592 A JP34899592 A JP 34899592A JP 2663820 B2 JP2663820 B2 JP 2663820B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
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    • H04B7/04Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas
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    • H04B7/0837Diversity systems; Multi-antenna system, i.e. transmission or reception using multiple antennas using two or more spaced independent antennas at the receiving station using pre-detection combining
    • H04B7/0842Weighted combining
    • H04B7/0848Joint weighting
    • H04B7/0854Joint weighting using error minimizing algorithms, e.g. minimum mean squared error [MMSE], "cross-correlation" or matrix inversion
    • HELECTRICITY
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    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q3/00Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system
    • H01Q3/26Arrangements for changing or varying the orientation or the shape of the directional pattern of the waves radiated from an antenna or antenna system varying the relative phase or relative amplitude of energisation between two or more active radiating elements; varying the distribution of energy across a radiating aperture
    • H01Q3/2605Array of radiating elements provided with a feedback control over the element weights, e.g. adaptive arrays
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/06Receivers
    • H04B1/10Means associated with receiver for limiting or suppressing noise or interference
    • H04B1/12Neutralising, balancing, or compensation arrangements
    • H04B1/123Neutralising, balancing, or compensation arrangements using adaptive balancing or compensation means
    • H04B1/126Neutralising, balancing, or compensation arrangements using adaptive balancing or compensation means having multiple inputs, e.g. auxiliary antenna for receiving interfering signal

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は判定帰還形等化器(DF
E)に関わり、特に適応アンテナ・アレイ機能を発揮し
ながらマルチパスフェージングによる波形歪と干渉妨害
波の除去を行う判定帰還形等化方式を提供する。本方式
では、従来の判定帰還形等化器の前方フィルタを適応ア
ンテナアレイ・フィルタに置き換え、該フィルタと後方
フィルタに対して判定器誤差信号の自乗平均誤差最小化
(MMSE)制御を行う。該手段の共通MMSE制御に
より、アンテナパターンと適応等化の最適化が行われ、
両者の相乗効果を得ることが出来る。従って、マルチパ
ス歪と干渉妨害が問題となる移動体および固定デジタル
無線に対する最適受信が可能となる。
【0002】
【従来の技術】地上マイクロ波通信、陸上移動通信、構
内無線、および衛星移動体通信などにおいてデジタル伝
送を行う際、マルチパスフェージングによる波形歪およ
び種々の干渉妨害波が問題となる。
【0003】マルチパスによる波形歪(符号間干渉:I
ntersymbol Interference)を
克服するものとして、適応フィルタ(Adaptive
Filter)または最尤系列推定(MLSE)等に
よる各種適応等化方式が従来より用いられている。
【0004】一方、干渉妨害波に対しては適応アンテナ
・アレイ(Adaptive Array Anten
nas)を用いて、アンテナ・パターン・フォーミング
により干渉波を除去している。また最近、適応アンテナ
・アレイを干渉妨害波除去だけでなくマルチパス歪の除
去にも用いる検討が行われている。
【0005】適応アンテナ・アレイの従来技術例を図1
3および図14に、適応等化器の従来技術の一例を図1
5に示す。
【0006】図13はN素子アンテナ・アレイを用いた
LMS適応アレイの一例である。
【0007】図13において、1301は無線周波数の
半波長(λ/2)間隔に配置されたN個のアンテナ素
子、1302はN個の複素乗算器、1303は合成器、
1304は基準信号発生器、1305は減算器、130
6はタップ係数修正回路である。
【0008】図14は図13のLMS適応アレイにタッ
プ付遅延線フィルタ(TDLフィルタ:Tapped
Delay Line Filter)を導入した従来
技術である。
【0009】図14において、1401は無線周波数の
半波長(λ/2)間隔に配置されたL個のアンテナ素
子、1402はL個のTDLフィルタ、1402aはN
−1個の遅延時間τの遅延素子、1402bはN個の複
素乗算器、1402cは合成器、1403は合成器、1
404は基準信号発生器、1405は減算器、1406
はタップ係数修正回路である。
【0010】図13および図14はともにバーナード・
ウィドロ(Bernard Widrow)の提案した
LMSアルゴリズム(Least−Mean−Squa
reAlgorithm)を用いている為、LMS適応
アレイとも呼ばれている。その動作・特性などの詳細に
関してはアール・ティ・コンプトン(R.T.Comp
ton)著の“アダプティブ・アンテナズ−コンセプト
アンド パーフォーマンス”(プレンティス・ホール
社 1988年)などが参考となる。
【0011】図13において、N個のアンテナ素子13
01は無線周波数の半波長(λ/2)間隔に配置され、
各アンテナ素子の受信信号をx1 ,x2 ,…xN とす
る。ここで、該受信信号は実際には、受信機に入力され
るが、図13では受信機は省略している。これは信号系
を全て等価ベースバンド系で取り扱う為で、無線周波数
を中間周波数およびベースバンド周波数に変換する受信
機などは今後記載しないことにする。
【0012】各アンテナ素子の受信信号は複素乗算器1
302によりタップ係数c1 ,c2,…cN がそれぞれ
乗ぜられ、合成器1303にて線形合成される。ここで
受信信号ベクトルおよびタップ係数ベクトルを数1及び
数2のように定義する。
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】
【0015】この時アレイ出力(合成器1303出力)
yは数3で表される。
【0016】
【数3】
【0017】基準信号発生器1304は送信側で発生し
たデジタル信号と同じ既知のデジタル信号Rを発生す
る。実際には、送信デジタル信号中のトレーニング・バ
ーストがこれに相当する。基準信号発生器1304出力
と合成器1303出力との誤差信号が減算器1305に
より出力される。すなわち基準信号発生器1304は送
信側の既知のトレーニングを発生させているので、受信
トレーニング・バーストとの誤差は、伝搬中のマルチパ
ス歪や干渉波によって生じたものになる。該誤差信号ε
の自乗平均値はMSE(Minimum−Square
−Error)評価関数と呼ばれ、数4で示される。
【0018】
【数4】
【0019】このMSE評価関数ξを最小化するタップ
係数ベクトル解Copt は必ず1個存在し、それは世紀方
程式(ウィーナー・ホップ方程式)を満足する。ここで
正規方程式は、数4をタップ係数で偏微分したものを零
として求められるが、直交原理から容易に求められる。
すなわち誤差信号εと受信信号ベクトルXの複素共約と
の相関によって与えられ、数5で示される。
【0020】
【数5】
【0021】ここでΨは受信信号ベクトルXの相関行
列、SはXと基準信号Rとの相関ベクトルで数6及び数
7のようになる。
【0022】
【数6】
【0023】
【数7】
【0024】Ψの行列を求め、数5からMSEを最小と
する理想タップ係数解Copt が数8として求められる。
【0025】
【数8】
【0026】実際の高速デジタル伝送では相関行列の直
接解法よりも適応アルゴリズムによるタップ係数の制御
が行われている。これにはLMS、定包絡線(CM
A)、アップルバウム、カルマンなど種々のアルゴリズ
ムが検討されているが、ここでは簡素でよく用いれてい
るLMSを取り扱う。
【0027】タップ係数c1 ,c2 ,…cN を座標軸と
するN次元MSE評価関数ξは自乗平均操作によって作
られている為、下に凸な楕円回転体となり、必ず1個の
最小点ξmin が存在する。そこで時刻nのタップ係数c
i n を1タイムスロット過去のci n-1 を用いて、漸化
式数9によって逐次修正を繰り返す。
【0028】
【数9】
【0029】これによって、タップ係数は前記最小点に
漸近する。すなわち正規方程式を戸かなくても数9のL
MSアルゴリズム演算を繰り返すだけでウィーナー・ホ
ップ解Copt の近似値が求められる。図13のタップ修
正係数回路1306では上記に述べたタップ係数の更新
を常時行い、そのタップ係数を乗算器1302に供給し
ている。
【0030】このLMS制御された適応アレイ(LMS
アレイ)の一般的性質は次のようにまとめられる。
【0031】マルチパス歪も干渉妨害波も無い時、L
MSアレイは希望波到来方向にアンテナ・パターンが最
大となるようにビーム形成を行う。またLMSアレイは
各アンテナ素子ブランチの最大比(MRC)合成器とし
て働く。
【0032】干渉妨害波が存在し干渉波レベルが希望
波に比べ高い場合、LMSアレイは干渉波到来方向にア
ンテナ・パターンのナルを作り、干渉波を受信しないよ
うに働く。この時、希望波到来方向のアンテナ・パター
ンは必ずしも最大とは限らない。他方、干渉波レベルが
希望よりも低い場合、このナルは作られず、干渉波の受
信を許しながら、アンテナ・パターンを希望波到来方向
に向ける。
【0033】干渉妨害ではなくマルチパスがある場
合、遅延分散の大きなマルチパス波は主波との相関性が
低下するので、LMSアレイは符号間干渉に対しても、
前記干渉妨害波に対するのと同様の動作を行う。すなわ
ちLMSアレイはマルチパスによるエコー波に対してア
ンテナ・パターンのナルを向けようとする。
【0034】強度の干渉波の振幅位相が時間変動して
いる場合、LMSアレイはこれに応じて適応的にナルを
変動させる。この際、希望波に対する受信パターンも時
間変動し、希望波に不要な変調がかかってしまう。
【0035】以上は長所と短所を含む一般的性質である
が、上記に述べたようにアンテナ・パターンを機械的で
はなく、電気的に制御できる為、その利用価値は高い。
例えは、移動体より衛星通信を行う場合常にアンテナ追
尾が必要であり、適応アレイは不可欠なものとなる。ま
た構内無線や自動車無線においてはあらゆる方向からの
干渉妨害が問題となる為、パターン・ナリングによる干
渉除去を行う適応アレイが利用されている。さらに上記
に述べたように、マルチパスによるエコーなみも干渉妨
害として扱えるので、適応アレイは一種の適応等化器と
して利用できることが論じられている。例えば、クラー
クらはアイ・イー・イー・イー グローバル・テレコミ
ャニケーション・コンファレンス 1990年において
“MMSEダイバーシティ コンバイニング フォア
ワイドバンド デジタル セルラー ラジオ”(No.
404.5.1)として発表を行っている。ここでは適
応アレイによりエコー波到来方向にアンテナ・パターン
のナルを作り、主波のみ受信することで等価的な適応等
化を行った場合の効果について評価を行っている。
【0036】図14は各アンテナ素子ブランチ信号を単
なる乗算器に通すのでなく、タップ付き遅延線フィルタ
(TDLフィルタ)に通す場合の適応アレイである。図
13の乗算器1302がTDLフィルタ1402に置き
換えられただけで、基本動作は図13と同様である。図
13の適応アレイは狭帯域の干渉妨害波に対して有効で
あるが、広帯域化した干渉妨害に対しては劣化する。図
14のTDLフィルタを用いた適応アレイは広帯域干渉
妨害に対しても干渉除去効果を発揮する。
【0037】以上の図13および図14の適応アレイは
希望波到来方向を追尾したり干渉除去を行う場合有効で
ある。しかし構内無線や移動無線では複数の干渉妨害波
の影響を考慮する必要がある。この場合、複数の干渉波
到来方向にナルを作り、希望波を受信パターンを向ける
ような複雑なパターン形成が必要となる。その為にはア
ンテナ素子数を増加せざるを得ない。これは装置の小型
化が必要条件となる移動通信に対して相反する問題とな
る。さらに適応アレイの致命的欠点は希望波と干渉波の
到来方向が一致した場合である。この場合、ナルを希望
波に向けると希望波を受信できないことになり、ナルを
向けなければ干渉が問題となる。希望波と干渉波が到来
方向で一致した場合、従来の適応アレイ正規方程式の解
は、アンテナ・パターンを希望波に向けて干渉波も同時
に受信する解となり、そのタップ係数振幅は極めて小さ
な値となり、もはや正常レベルで希望波は受信できず、
また干渉も除去できない。この他、上述したように干渉
波が時間変動している時、希望波に不要な変調を与える
問題も無視できない。
【0038】次に適応フィルタを用いた適応等化器の従
来技術の一例を述べる。ここでは判定帰還形等化器(D
FE)に関して述べる。
【0039】図15において、1501はN−1個の遅
延時間τの遅延素子、1502はN個の複素乗算器、1
503は合成器、1504は合成器、1505は判定
器、1506は減算器、1507は遅延時間が変調シン
ボル長TのM個の遅延素子、1508はM個の複素乗算
器、1509は合成器、1510はタップ係数修正回路
である。
【0040】判定帰還形等化器(DFE)はオースティ
ンにより提案された適応等化器であり、前方フィルタと
後方フィルタから構成される。前方フィルタとは図15
において、構成要素1501,1502および1503
からなり、後方フィルタとは構成要素1507,150
8と1509からなるタップ付き遅延線フィルタであ
る。特に、後方フィルタの入力には受信信号ではなく判
定器1505出力の判定データ信号が用いられ、後方フ
ィルタ出力は合成器1504を介して判定器入力に帰還
されている。従って判定帰還等化器と呼ばれ、また非線
形の判定器を用いている為、非線形等化器とも呼ばれて
いる。
【0041】判定帰還形等化器の基準タップは通常、前
方フィルタの最終タップに設定される。この時、前方フ
ィルタはインパルス応答の前縁(Precursor)
による符号間干渉を除去し、後方フィルタはインパルス
応答の後縁(Postcursor)による符号間干渉
を除去する。前方フィルタでは、各タップ信号の線形合
成により、合成器1503において符号間干渉の逆相キ
ャンセルが行われる。しかし前方フィルタ各タップには
受信機雑音が含まれており、該線形合成時に雑音が増幅
される。従って前方フィルタはこの雑音増幅の為、余り
高い等化能力は示さない。一方、後方フィルタでは雑音
も符号間干渉も含まない非線形の判定データ信号を用い
て符号間干渉を直接除去するので極めて高い等化能力を
示す。
【0042】図15において前方フィルタの各タップの
受信信号ベクトル、前方フィルタ・タップ係数ベクトル
および後方フィルタ・タップ係数をそれぞれ数10,数
11,及び数12で定義する。
【0043】
【数10】
【0044】
【数11】
【0045】
【数12】
【0046】適応フィルタを用いた適応等化器では一般
に等化器では判定データを基準信号として、これと判定
器入力との誤差の自乗平均値(MSE)を最小とするよ
うに適応制御される。従って図15の判定帰還形等化器
に関しても減算器1506出力の誤差信号εに関して、
直交原理を用いて正規方程式を導出できる。ただしこの
時、判定データan (推定値)が正しく判定されシンボ
ル誤りが無かったと仮定し、後方フィルタ入力をan
近似する。判定帰還等化器の正規方程式は数13で示さ
れる。
【0047】
【数13】
【0048】ここで、Ψ,H,Sは数14,数15,及
び数16で示される。
【0049】
【数14】
【0050】
【数15】
【0051】
【数16】
【0052】である。また上記相関行列Ψの各要素は数
17で示される。
【0053】
【数17】
【0054】上述した適応アレイの場合と同様にタップ
係数ci およびdi は数18及び数19のLMSアルゴ
リズムで逐次修正される。
【0055】
【数18】
【0056】
【数19】
【0057】一般に判定帰還形等化器はマルチパスフェ
ージングなどによる符号間干渉の適応等化に用いられ
る。通常判定帰還形等化器の基準タップは前方フィルタ
最終タップに設定されていることは既に述べた。ところ
がこの基準タップを入力側にシフトした場合、判定帰還
形等化器はCW干渉波を除去できる機能を発揮する。こ
のCW干渉波除去効果に関しては、リーとミルスタイン
がアイ・イー・イー・イー・トランズアクション オン
コミュニケーションボル コム31 ナンバー4、1
983年4月にリジェクション オブ CW インター
フェアランス イン QPSK システムズ ユージン
グ ディシジョンフィードバック フィルターズに論文
発表している。
【0058】この論文によると、単に線形フィルタをノ
ッチフィルタとして用いただけの狭帯域干渉除去では、
干渉波の周波数にノッチを作って干渉波を除去するので
希望波自身のスペクトラムまで影響を及ぼす。従って線
形ノッチフィルタだけでは誤差の自乗平均を最小化する
MMSE法を用いる限り良好な干渉除去が行えない。一
方判定帰還形等化器を用いると、前方フィルタが希望信
号スペクトラムに落ち込み(ノッチ)を深く作っても、
後方フィルタがノッチで削れた希望信号成分を補償する
ので、希望波に影響を与えることなく狭帯域干渉波を十
分除去できると述べられている。
【0059】上記論文を図15の判定帰還形等化器に対
応させると、前方フィルタ・タップ数をN+1、後方フ
ィルタ・タップ数をNとする。基準タップを前方フィル
タの第1タップ目のc1 と設定し、c1 =1とする。す
なわち、この基準タップのみ乗算器を介さないで加算器
1503に入力させる。この時、CW干渉波の周波数を
Ω、干渉波電力をJ、希望波シンボル周期をT、希望波
信号電力をS、受信雑音電力をσ2 とすれば、前方フィ
ルタのタップ係数ci および後方フィルタのタップ係数
i は数20及び数21で示される。
【0060】
【数20】
【0061】
【数21】
【0062】数20は前方フィルタ・各タップに分布す
るCW干渉波どうしが加算器1503において逆相キャ
ンセルされる為の前方フィルタ・タップ係数を与える。
該タップ係数と希望波Sは前方フィルタにおいて畳み込
まれ、判定帰還形等化器自身による符号間干渉が生じ
る。これらはいずれも判定器1505の判定出力よりも
過去のデータに依存するものなので、数21の後方フィ
ルタ・タップ係数により判定帰還等化可能であることを
示している。
【0063】上記リーとミルシュタインの論文では、基
準タップに複素乗算器を用いていないが、基準タップに
も乗算器を用意した場合、マルチパス歪と複数のCW干
渉波を同時に除去できる。これに関しては“マルチパス
伝搬路における判定帰還形等化器等化器によるCW干渉
波除去特性”辻本一郎、電子通信情報学会1992年春
季全国大会B−418にて論じられている。ここではマ
ルチパスによるフェード(ノッチ)をPSK希望波に与
え、かつ強度の複数のCW干渉波を加えて判定帰還形等
化器に入力している。シミュレーション結果では判定帰
還形等化器は符号間干渉と複数CW干渉の両方を除去す
る能力を有しており、D/U(希望波対CW干渉波電力
比)が−5dBくらいまでが等化能力限界となることが
報告されている。
【0064】以上述べたように判定帰還形等化器は適応
等化と干渉除去能力を有している。しかしながら、図1
5に示すように単一受信のみではフェージングによる瞬
断には対処できない。この場合ダイバーシティ受信との
併用で判定帰還形等化器が用いられている。自動車電話
などでは無指向性アンテナ2個によるダイバーシティが
行われている。しかしアンテナ・ゲインの有効率を向上
させたり、干渉妨害の影響を低下させるにはアンテナ・
パンターン制御技術が必要となる。最近では適応アレイ
を用いたダイバーシティ受信機なども研究されている。
移動体衛星通信においても、狭帯域コチャンネル干渉を
除去しながらアンテナ追尾する技術が将来的に必要であ
る。これらの需要に対応する従来技術は図16に示す適
応アレイ・アンテナと判定帰還形等化器との組み合わせ
である。
【0065】図16において、1601は適応アレイ・
アンテナ、1601aはN素子のアンテナ・アレイ、1
601bは適応アレイ・フィルタ、1601cは減算
器、1601dは基準信号発生器、1602は判定帰還
形等化器、1602aは前方フィルタ、1602bは後
方フィルタ、1602cは判定器、1602dは合成
器、1602eは減算器である。
【0066】ここで1601は既に説明した図13また
は図14による適応アレイ・アンテナであり、減算器1
601cによる誤差信号を用いて適応制御される。これ
により希望波到来方向にアンテナパターンを向け、希望
波受信電力が最大すなわちSN比を最大化する。そして
マルチパス伝搬による符号間干渉は判定帰還形等化器1
602により除去する。
【0067】ところで図16の受信機には問題点があ
る。適応アレイ・アンテナ1601と判定帰還形等化器
1602は、それぞれ独立なLMS制御が行われてい
る。すなわち減算器1601cの誤差信号は1601b
の適応アレイ・フィルタ1601bの制御に、減算器1
602eの誤差信号は前方フィルタ1602aと後方フ
ィルタ1602bの制御に用いられている。従って、適
応アレイ・アンテナは判定帰還形等化器とは無関係に受
信信号の相関マトリックスに依存したウィーナー解を求
めて動作を始める。この場合、図16の問題点は図13
および図14の適応アンテナ・アレイ自身の問題点と一
致する。上述したように適応アレイにおいては、強度の
干渉波が存在する場合、適応アレイ・パターンの干渉波
到来方向にナルが作成されるが、これにより希望波到来
方向のアンテナ・パターンは必ずしも最大とはならな
い。従って適応アレイによる希望波の追尾が厳密に行わ
れず。SN比は改善されない。特に希望波の到来方向が
一致した場合には、適応アレイ・フィルタの係数は縮小
し、もはや希望波を受信出来ない。
【0068】図16において、適応アレイと判定帰還形
等化器を従属接続している本来の目的は適応アレイに希
望波を追尾させ、同時に受信される符号間干渉を判定帰
還形等化器に除去させることである。上述したように主
波と相関の小さなマルチパス波に対しては、適応アレイ
がナリングによる除去動作を行い、判定帰還形等化器に
よる効率的な適応等化が行われないという問題が生じ
る。効率的な適応等化とは判定帰還による強力な除去効
果と下記に述べる整合フィルタリング効果である。
【0069】判定帰還形等化器前方フィルタの遅延素子
を分数間隔(例えばT/2:Tは送信シンボル周期)に
設定した場合、前方フィルタがPrecursor歪を
除去すると同時に整合フィルタとして動作し、SN比を
最大化することが知られている。これはマルチパス伝搬
により遅延分散した希望波を干渉波として除去するだけ
でなく、希望信号波として基準時刻に時間領域の最大比
合成を行うことを意味する。その効果はインプリシット
・ダイバーシティ・ゲインとして得られる。ところが図
16のようにマルチパス波を全て適応アレイで除去して
しまうと、分数間隔判定帰還形等化器による整合フィル
タリング効果(インプリシット・ダイバーシティ・ゲイ
ン)は全く得られない。すなわち図16において判定帰
還形等化器を導入した効果が得られないのである。
【0070】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、適応アレイ・アンテナをマルチパスフェージング回
線に用いた場合、遅延分散の大きな複数マルチパス波に
対してはアンテナ素子数を増加させる必要がある。これ
は装置の小型化が必要な移動通信に対して問題となる。
また適応アレイは、干渉妨害波をアンテナ・パターンの
ナル制御により除去する為、希望波と干渉波との到来方
向が一致した場合全く除去効果が得られないという問題
が生じる。
【0071】また移動体通信を考慮した場合、適応アレ
イ・アンテナのパターン制御により希望波受信レベルを
最大に保持しながら判定帰還形等化器により符号間干渉
の除去を行う必要がある。しかしながら従来技術の適応
アレイと判定帰還形等化器を単に従属接続しそれぞれ独
立な適応制御を行っただけでは、必ずしも最適受信を構
成できるわけではない。マルチパス波が主波に比べ低い
レベルの時には適応アレイが希望波を捕捉し判定帰還形
等化器が干渉波を除去する。しかしマルチパス波が大と
なると適応アレイのパターン・ナリングによる除去が行
われ、希望波に対する最大受信パターンが崩れ、また判
定帰還形等化器の強力な除去効果が得られない。さらに
干渉妨害波の数がアンテナ素子数で決まる自由度を越え
た場合、適応アレイによるアンテナ・パターン・ゲイン
は縮小し、希望波すら受信できない状態となる。
【0072】本発明はこれら適応アレイ・アンテナの本
質的問題を解決する目的で、常に希望波に対する最大受
信パターンを保持しながらマルチパスフェージングによ
る波形歪と干渉妨害波の除去を行い、デジタル無線一般
において最適受信系を構成出来る判定帰還形等化器を提
供することにある。
【0073】
【課題を解決するための手段】本発明による判定帰還形
等化器では、複数のアンテナ・アレイにより受信した受
信波を適応アレイ・フィルタにより合成する手段と、該
手段の出力を判定器に通し変調シンボルの判定を行う手
段と、該手段による判定データをトランスバーサルフィ
ルタで構成された後方フィルタに通す手段と、該手段の
出力を前記適応アレイ・フィルタ出力に合成する手段
と、前記判定器入出力間の誤差信号を得る手段と、該誤
差信号の自乗平均値を最小となるように前記適応アレイ
・フィルタと前記後方フィルタのタップ係数を制御する
手段とを備えることを特徴とする。
【0074】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の構成ブロック図である。図2は本発
明の第1の実施例を示す構成図である。図3は適応アレ
イの動作説明図である。図4は第1の実施例の効果を説
明する為のシミュレーション結果である。図5は本発明
の第2の実施例を示す構成図である。図6は1波CW干
渉に対する第2の実施例の説明図である。図7は1波C
W干渉に対する第2の実施例によるシミュレーション結
果である。図8は図7において干渉周波数を変化させた
時のシミュレーション結果である。図9は2波CW干渉
に対する第2の実施例の説明図である。図10は2波C
W干渉に対する第2の実施例によるシミュレーション結
果である。図11は図10において干渉波到来方向を変
化させた時のシミュレーション結果である。図12は第
2の実施例の第2の構成方法を示す構成図である。
【0075】図1において、101は無線周波数の半波
長(λ/2)間隔に配置されたN素子アンテナ、102
は適応アレイ・フィルタ、103は後方フィルタ、10
4は判定器、105は合成器、106は減算器である。
【0076】図1より明らかなように本発明の最大の特
徴は、従来の判定帰還形等化器において前方フィルタを
適応アレイ・アンテナに置き換え、後方フィルタと共に
適応アレイ・フィルタを共通の判定器誤差信号εにより
自乗平均最小化(MMSE)制御を行うことである。
【0077】既に述べた従来技術の図16では、適応ア
レイ・アンテナと判定帰還形等化器を単に従属接続し、
それぞれ独立なMMSE制御を行っていた。これを改善
する方法としては、図16の適応アレイ・アンテナと判
定帰還形等化器のMMSE制御に判定器誤差信号εを共
通に用いることが考えられる。しかし単に共通MMSE
制御を導入しただけでは、問題は解決されない。それは
適応アレイ・フィルタと前方フィルタを従属接続した系
に対して共通MMSE制御を行った場合、適応アレイ・
タップ係数と前方フィルタ・タップ係数の積が正規方程
式に混入し、線形一次とはならない為である。この場
合、適応アレイと判定帰還形等化器のタップ係数・空間
に描かれたMSE評価関数は複雑な構造を示し、MSE
最小点以外の極小点にトラップされるという適応収束性
の問題を残す。図16の判定帰還形等化器が正常に動作
する為の条件は、入力の変化速度が判定帰還形等化器自
身の適応追随速度よりも十分低速である必要がある。と
ころが適応アレイ・フィルタを判定器誤差信号εでMM
SE制御させた場合、前方フィルタ入力の変化速度は判
定帰還形等化器の適応速度と同一になってしまう。これ
では判定帰還形等化器が収束しようとしても、その入力
がまた変化して適応アレイと判定帰還形等化器の系全体
がなかなか収束しない。すなわち適応アレイと判定帰還
形等化器とが整合するという問題が新たに生じる。
【0078】通常、2つの適応フィルタを従属接続して
共通MMSE制御を行わせる場合には、2つの制御系に
適応制御速度差を持たせる手法がよく用いられている。
これはエコー・キャンセラと適応等化器の場合などにそ
の例を見ることが出来る。電話回線のエコーは伝搬で生
じるマルチパス変動に比べ極めて低速である為、このよ
うな制御系の速度差が可能であるが、これを適応アレイ
と判定帰還形等化器には適用出来ない。その理由は、適
応アレイと判定帰還形等化器が対象とするものはマルチ
パス歪または干渉妨害と共通であり、適応アレイと判定
帰還形等化器は同じ適応速度で動作する必要がある為で
ある。
【0079】以上の問題を踏まえて、本発明では図16
の判定帰還形等化器から前方フィルタを取外し、適応ア
レイ・アンテナを前方フィルタとして判定器誤差信号ε
により後方フィルタと共に同一の追随速度でMMSE制
御を行わせることを提案する。すなわち単なる2種の従
来技術の組み合わせではなく、図1に示すように適応ア
レイ・アンテナを構成要素として取り込んだ新しい判定
帰還形等化器の発明である。これにより従来の適応アレ
イと判定帰還形等化器では得られなかった種々の相乗効
果を生み出すことが可能であり、以下にそのいくつかを
説明する。
【0080】第1の実施例を示す図2において、201
はN素子アンテナ、202はN個の複素乗算器、203
は合成器、204は減算器、205は判定器、206は
遅延時間がT(変調シンボル周期)のM個の遅延素子、
207はM個の複素乗算器、208は合成器、209は
タップ係数修正回路である。
【0081】図2において、各アンテナ素子の受信信号
をx1 ,x2 ,…xN とし、乗算器202の複素タップ
係数をそれぞれ、c1 ,c2 ,…cN とする。また送信
側において変調シンボルを系列{…a1-,a0 ,a
+1…}の順で送信する。判定データ出力がa0 の時、後
方フィルタ各タップには、これより過去の判定データが
-1,a-2…a-M(それぞれ推定値を表す)の順で分布
する。また後方フィルタタップ係数をそれぞれd1 ,d
2 ,…dM とする。
【0082】またN素子アンテナ受信信号ベクトルおよ
び適応アレイと後方フィルタのタップ係数ベクトルをそ
れぞれ数22,数23,及び数24で定義する。
【0083】
【数22】
【0084】
【数23】
【0085】
【数24】
【0086】この時合成器203出力yは数25で表わ
される。
【0087】
【数25】
【0088】となる。ここでaは判定出力よりも過去に
送信されたシンボルの判定結果であり、シンボル誤り率
が低い場合には、送信シンボルそのもので近似できる。
すなわち数26で表わすことができる。
【0089】
【数26】
【0090】判定器誤差信号εは数25のyと判定デー
タa0 (推定値)との差であるが、判定データをa0
近似し、数27のように示される。
【0091】
【数27】
【0092】この判定器誤差信号εの自乗平均値を最小
とするタップ係数ベクトル解Cおよびdは正規方程式
(ウィーナー・ホップ方程式)より求められる。正規方
程式は直交原理より簡単に求められる。すなわち数28
及び数29で示される。
【0093】
【数28】
【0094】
【数29】
【0095】これによって、線形一次のタップ係数を未
知数とする正規方程式が得られる。数28及び数29に
おいて、Eは期待値操作すなわち時間平均を取ることを
意味する。
【0096】ここでは先ずマルチパス歪に対する本発明
の第1の実施例(図2)の効果を評価する為、遅延分散
特性を有する伝搬モデルを扱う。伝送系のインパルス応
答のシンボル間隔離散値をhi とし、i=0を現在の基
準タイミングに設定する。iが負の値となる離散値hi
はインパルス応答の前縁(Precursor)を、i
が正の値となる離散値はインパルス応答の後縁(Pos
tcursor)を示すものとする。この場合受信信号
は送信シンボル系列{ai }と離散値hi との畳込みと
なる。この時、主波成分はh0 0 となり、i番目のイ
ンパルス応答離散値によるマルチパス波成分はhi
0-i となる。
【0097】図3は、このようなマルチパス回線におい
てN素子アレイ・アンテナに受信される信号を示した説
明図である。
【0098】図3において、301はN素子アンテナ、
302はN個の乗算器、303は合成器、304は第1
のアンテナ素子へ入射する主波、305は第2のアンテ
ナ素子に入射する主波、306は第Nのアンテナ素子に
入射する主波、307は第1のアンテナ素子に入射する
マルチパス波、308は第2のアンテナ素子に入射する
マルチパス波、309は第Nのアンテナ素子に入射する
マルチパス波、310は主波304を基準とした時の第
1のアンテナにより受信される波面である。
【0099】図3において主波をh0 0 、マルチパス
波をhi 0-i とする。アンテナ素子301は無線周波
数の半波長(λ/2)間隔で設置されている為、第2ア
ンテナ素子で受信される主波305は主波304よりも
exp(−jφ0 )の位相だけ遅れる。これは主波30
4が第1のアンテナに受信された時、主波305は第2
のアンテナにまだ到達しておらず、波面310との交点
に位置する為である。この遅れ位相角φ0 は主波のアン
テナ・アレイへの入射角θ0 に依存し、数30で与えら
れる。
【0100】
【数30】
【0101】同様に第Nのアンテナに受信される主波3
06は第1のアンテナの受信波よりexp{−j(N−
1)φ0 }だけ位相が遅れる。同様にマルチパス波のア
レイ・アンテナへの入射角をθi とすると、数31で示
す位相角を単位とした位相推移が受信マルチパス波30
8,309に生じる。
【0102】
【数31】
【0103】以上のことより第k番目アンテナ素子の受
信信号xk は数32で表現できる。
【0104】
【数32】
【0105】ここでnk はk番目アンテナ受信波の受信
機雑音を示す。
【0106】またここではn番目インパルス応答離散値
によるマルチパス波の入射角をθnとしており、これに
よる位相推移量は数33で示される。
【0107】
【数33】
【0108】以上の数22式から数29および数32,
数33を用いて正規方程式を導くと数34で示すように
なる。
【0109】
【数34】
【0110】ここでΨpqはN素子アンテナ受信波による
N行N列の相関行列で、その要素は数35となる。
【0111】
【数35】
【0112】σ2 は雑音電力であり、δpqはクロネッカ
ー・デルタで数36で示される。
【0113】
【数36】
【0114】Hは後方フィルタによるN行M列の相関行
列で、数37で示される。
【0115】
【数37】
【0116】Sは受信波ベクトルXと判定データ信号と
の相関値ベクトルであり、数38で示される。
【0117】
【数38】
【0118】またIはM行M列の単位行列、0はM次元
の零ベクトルである。数34より明らかなように、適応
アレイと判定帰還の後方フィルタは全て線形一次の連立
方程式で表現されており、この正規方程式は適応アレイ
が判定帰還形等化器の前方フィルタの役目をしているこ
とを示している。すなわち単に適応フィルタと判定帰還
形等化器とを組み合わせたものではなく、数34そのも
のが適応アレイと判定帰還形等化器の完全な融合化を意
味している。
【0119】図2の適応アレイ・フィルタによるアンテ
ナパターンは単位直流信号ベクトルΓを入射し、入射角
θを回転させることにより求められる。すなわち数39
及び数40で示すアンテナパターンに対して数41が得
られる。
【0120】
【数39】
【0121】
【数40】
【0122】
【数41】
【0123】以上の第1の実施例の効果を評価する為、
主波に対して進み波と遅れ波が存在する3波マルチパス
伝搬モデルを取り扱う。またそれぞれの遅延時間差をシ
ンボル周期のTとする。すなわちインパルス応答離散値
としてはh-1,h0 およびh+1のみとなり、主波はh0
0 、進み波はh-1+1、遅れ波はh+1-1となる。こ
こではインパルス応答離散値の振幅を数42で示すよう
に設定する。
【0124】
【数42】
【0125】これは選択性フェードが無限大となる厳し
いマルチパス状態を意味する。進み波、主波および遅れ
波のアレイ・アンテナへの入射角をそれぞれ数43で示
すようにする。
【0126】
【数43】
【0127】各アンテナ素子におけるSN比(受信信号
対雑音レベル比)を10dBとする。
【0128】図2において、アレイ・アンテナは4素子
とし、後方フィルタを1タップとした場合のシミュレー
ション結果を図4に示す。
【0129】図4(a)は後方フィルタが無い場合で、
(b)は後方フィルタが有る場合である。(a)におい
て、401は適応アレイによるアンテナ・パターン、4
02は主波到来ベクトル、403は進み波到来ベクト
ル、404は遅れ波到来ベクトルを示す。(b)におい
て405は適応アレイによるアンテナ・パターン、40
7は進み波到来ベクトル、408は遅れ波到来ベクトル
である。
【0130】図4(a)では後方フィルタが無い為、図
2の判定帰還形等化器は従来のN素子適応アレイに一致
する。図より明かなように主波402と遅れ波404の
到来方向が一致し、また数42に示すように主波とマル
チパス波のレベルが等しくなっている。このようなモデ
ルに対しては、アンテナ・パターンのナリングにより遅
れ波404を除去できない。この場合、パターン・ナリ
ングで不要波を除去することは希望波の主波402の受
信をも拒否することに他ならないからである。従って後
方フィルタを有さない従来の4素子適応アレイのパター
ンは401のように全体のゲインを縮小してしまい、主
波402すら満足に受信されていないことを示してい
る。
【0131】一方、後方フィルタ1タップを有している
図4(b)では主波406到来方向(θ=20°)に最
大パターンを向けている。進み波407到来方向に対し
てはパターン405にナルが作られていることを確認出
来る。遅れ波408はパターン405により主波406
と共に受信されるが、この成分は前述したようにh+1
-1であり、これは後方フィルタの第1タップの判定デー
タa-1(推定値)を用いて判定帰還除去される。このよ
うに図2の第1の実施例では、アンテナパターンにより
進み波が、後方フィルタにより遅れ波が除去されると理
解できる。従って、アンテナ・パターンはマルチパスの
波の存在に関わらず、常に希望波の主波到来方向に最大
パターンを向け、SN比を最大化しようと働く。この効
果は従来の適応アレイ・アンテナでは全く得られなかっ
たものである。
【0132】以上は4素子アンテナの場合であったが、
移動通信などへの適用を考慮すると、より小規模の2素
子アレイの場合についても検討しておく必要がある。上
記3波モデルにおいて従来の2素子適応アレイを用いた
場合には、アンテナ・パターンにナルを2個作り、進み
波と遅れ波を除去する必要がある。しかしこれは素子数
2で決まるパターン形成の自由度を越えている為、ナリ
ングによる除去は不可能となる。ところが本発明の第1
の実施例を適用すると、遅れ波は後方フィルタで除去さ
れるので、適応アレイは進み波のみに対してパターン・
ナリングすれば良い。従って2素子アレイでも本発明を
用いると3波マルチパス歪を適応等化できる。このよう
に本発明は素子数の少ない適応アレイの性能を著しく向
上出来、装置の小型化を可能にするという効果がある。
【0133】以上の評価ではすべて正規方程式(34)
式の解に基づき行ったものであるが、従来の適応フィル
タ同様、実際には適応アルゴリズムによりタップ修正を
行う必要がある。従って、図2のタップ係数修正回路2
09は誤差信号ε、アレイ受信信号および後方フィルタ
・判定データよりタップ係数を更新する。例えばLMS
アルゴリズムを用いた場合には、数44及び数45でタ
ップ修正を行う。
【0134】
【数44】
【0135】
【数45】
【0136】本発明の第2の実施例を図5に示す。50
1は無線周波数の半波長(λ/2)間隔で設置されたL
素子アンテナ、502はL個のタップ付遅延線(TD
L)フィルタ、502aは遅延時間がτのN−1個の遅
延素子、502bはN個の複素乗算器、502cは合成
器、503は合成器、504は減算器、505は判定
器、506は後方フィルタ、506aは遅延時間がシン
ボル周期TのM個の遅延素子、506bはM個の複素乗
算器、506cは合成器、507はタップ係数修正回路
である。
【0137】図5の第2の実施例では、図2の第1の実
施例の適応アレイ・フィルタをTDLフィルタ化したも
のである。この第2の実施例は主に2つの機能を有して
いる。その1つは第1の実施例と同様マルチパス歪に対
する適応等化機能、もう1つは第1の実施例では得られ
ない高度な干渉妨害除去機能である。
【0138】第2の実施例の適応等化機能から説明を行
う。p(p=1〜L)番目アンテナ素子のTDLフィル
タ502のq(q=0〜N−1)番目タップの受信信号
をxpqとし、これに乗ぜられるタップ係数をcpqとす
る。後方フィルタ506に関しては、第1の実施例(図
2)と同様とする。直交原理より正規方程式を求めると
数46のようになる。
【0139】
【数46】
【0140】上式においてN×Nの小行列Ψpqのi行j
列(i,j=1,2,…N)要素を{ψ(p,q)ij
とした場合、これは数47で示される。
【0141】
【数47】
【0142】Ψpqはエルミート行列であり、下記のよう
にp,qに関する転置複素共約は数48で示すように等
しくなる。
【0143】
【数48】
【0144】また後方フィルタによるN×Mの相関行列
K (k=1〜N)および判定データとアレイ・アンテ
ナ受信信号との相関ベクトルSk (k=0〜N−1)は
数49及び数50のようになる。
【0145】
【数49】
【0146】
【数50】
【0147】また未知数としてのタップ係数ベクトルは
数51及び52で示される。
【0148】
【数51】
【0149】
【数52】
【0150】以上がL素子アンテナ、TDLフィルタ・
Nタップ、後方フィルタ・Mタップの第2の実施例(図
5)の正規方程式の一般系である。これを実際に解け
ば、本実施例が適応等化器として動作することが確認出
来るが、ここでは物理的解釈を容易にする為、下記のよ
うに考える。
【0151】図5において、L個のTDLフィルタに重
ね合わせの理を適用すると、L個のTDLフィルタは1
個の等価TDLフィルタに集約出来る。すなわちL個の
TDLフィルタ502において、入力側第1タップ上の
受信信号を第1番目ブランチから第L番目ブランチまで
をx1N-1+x2N-1…+xLN-1のように重ね合わせる。T
DLフィルタのタップ係数についても同様にc1N-1+c
2N-1…+cLN-1と重ね合わせる。この重ね合わせを第N
番目タップまで繰り返せば、L個のTDLフィルタは等
価的に1個の合成TDLフィルタと見なせることにな
る。すなわち図5において、合成TDLフィルタは1個
の前方フィルタと1個の後方フィルタから構成される判
定帰還形等化器と等価であり、マルチパス歪に対しては
適応等化を行うことが理解できる。特に、TDLフィル
タの基準タップをTDLフィルタの最終タップ(図5の
k0,k=1〜L)に設定した場合、合成TDLフィル
タはPrecursor歪の除去を、後方フィルタはP
ostcursor歪の除去を行う。ここで注意すべき
点は、通常の判定帰還形等化器と違って本実施例の判定
帰還形等化器では希望波到来方向にアンテナ最大パター
ンを向けて、常にSN比を最大にすることである。該ア
ンテナ・パターンはTDLフィルタの基準タップにおい
て形成され、数53で与えられる。
【0152】
【数53】
【0153】図2の第1の実施例では、主波到来方向に
最大パターンを向け、1つの進み波到来方向にナルを形
成していた。ところが遅延時間の異なる複数の進み波が
到来した場合には図2の適応アレイは複数のナルを作
り、これらの進み波を除去しようとする。第2の実施例
では、L個の基準タップによる数53のパターンは複数
の進み波に対して個別的なナルは作らず、主に主波到来
方向に最大受信パターン形成に専念する。合成TDLフ
ィルタの基準タップ以外のL個の合成タップによる数5
4で示されるパターンは進み波を捕捉し、合成基準タッ
プのパターン数53で受信した進み波と、合成器503
において、逆相キャンセルするように働く。
【0154】
【数54】
【0155】一方、合成基準タップで受信した遅れ波成
分に関しては、第1の実施例(図2)と同様に後方フィ
ルタ506により合成器503において除去される。ま
たTDLフィルタの遅延素子の遅延時間をτ=T/2と
分数間隔に設定した場合、TDLフィルタは単にPre
cursor歪を除去するだけでなく、整合フィルタと
して遅延分散した希望波電力を集束し、さらにSN比を
最大化する効果を生み出す。これをインプリシット・ダ
イバーシティ・ゲインと呼ぶ。またτを分数間隔とすれ
ば、受信側サンプリング・タイミング位相のずれによる
折り返しスペクトラムの問題を解決する。すなわちTD
Lフィルタはタイミング制御機能をも有する。
【0156】従って図5の第2の実施例は第1の実施例
よりも高度な適応等化動作を行うことが理解出来る。
【0157】以上のように図5において基準タップをT
DLフィルタ最終タップに設定した時、第2の実施例が
適応等化機能を発揮することを理解できた。次に第2の
機能としての干渉妨害除去機能について説明する。
【0158】図6は図5の第2の実施例において、アン
テナを2素子、TDLフィルタ・タップ数を2、後方フ
ィルタ・タップ数を1と極めて簡単な構成としている。
ただし基準タップをTDLフィルタの第1タップ目に設
定している。
【0159】図6において、601は第1のアンテナ素
子、602は第2のアンテナ素子、603と604は遅
延時間がシンボル周期Tの遅延素子、605は第1タッ
プ目(基準タップ)の2個の複素乗算器、606は第2
タップ目の2個の複素乗算器、607は合成器、608
は判定器、609は減算器、610は遅延時間がシンボ
ル周期Tの遅延素子、611は複素乗算器、612はア
ンテナ601に入射する希望波、613はアンテナ60
2に入射する希望波、614はアンテナ601に入射す
るCW干渉波、615はアンテナ602に入射するCW
干渉波である。
【0160】伝搬モデルとしては、希望波に対してはマ
ルチパス歪な無く、角周波数ΩのCW干渉波が1波到来
しているものとする。希望波を変調シンボルai 、CW
干渉波を√J・exp(jΩt)として、それぞれのア
レイ・アンテナへの入射角をθa 、θj とする。この
時、アンテナ601と602に受信される希望波につい
ては、図6に示すように位相差exp(−jφa )が生
じる。同様に干渉波に関しても2素子アンテナ間におい
てexp(−jφj )の位相差となる。ここでφa =π
sinθa 、φj =πsinθj である。
【0161】図6に示すモデルにおいて本発明の第2の
実施例の正規方程式を求めると、数55のように示せ
る。
【0162】
【数55】
【0163】ここでΨ22=Ψ11およびΨ21=Ψ12 T*であ
り、これらは数56及び数57で示される。
【0164】
【数56】
【0165】
【数57】
【0166】数56及び数57において、ξはD/U
(希望波対干渉波電力比)の逆数、ρはSN比(信号対
雑音比)の逆数であり、数58及び数59のようにな
る。
【0167】
【数58】
【0168】
【数59】
【0169】また数55において、各要素は数60ない
し数67で示される。
【0170】
【数60】
【0171】
【数61】
【0172】
【数62】
【0173】
【数63】
【0174】
【数64】
【0175】
【数65】
【0176】
【数66】
【0177】
【数67】
【0178】上記正規方程式を解いた計算シミュレーシ
ョン結果を図7に示す。図7において、701はTDL
フィルタ・第1タップ(基準タップ)のc10とc20によ
る2素子アレイのアンテナ・パターン、702は希望波
到来ベクトル、703はCW干渉波到来ベクトル、70
4はTDLフィルタ・第2タップのc11とc21による2
素子アレイのアンテナ・パターン、705は干渉波到来
方向に対する2素子適応アレイ・フィルタの周波数特性
である。
【0179】ここでは希望波702とCW干渉波703
の入射角は共にθ=45°であり、D/U(希望波対干
渉波電力比)=0dB、SN比=20dB、CW干渉波
周波数Ω=0(中心周波数)としている。
【0180】図7(a)の701は図6の基準タップ6
05によるアンテナ・パターンであり、数55の正規方
程式を解き、数53により描かれたものである。ここで
は希望波702到来方向に最大パターンを向けているこ
とが分かる。従来の適応アレイでは干渉波到来方向にナ
ルを作っていたが、本方式では適応アレイ・パターンで
除去を行うのではなく、TDLフィルタの線形合成によ
る逆相キャンセル除去を行う。すなわち図6において、
合成TDLフィルタの第1(基準)タップ乗算器605
出力と第2タップ乗算器606出力を合成することによ
り、CW干渉を逆相キャンセルさせている。この際、希
望シンボルai に対してシンボル周期Tだけ先行してい
る第1タップのai-1 成分が符号間干渉として加算され
るが、これは後方フィルタのai-1 (推定値)成分によ
り除去され、結果的には干渉除去に伴う希望波信号の劣
化は全く生じない。図7(b)は図6の第1タップ乗算
器力606によるアンテナ・パターンである。このパタ
ーン704とパターン701は空間領域における適応ア
レイフィルタのゲインであるが、周波数領域のゲインす
なわち適応フィルタの周波数特性の評価を次に行う。
【0181】単位振幅の角周波数ωの信号exp(jω
t)がアレイ・アンテナに干渉波703の到来方向(θ
=45°)に入射されると仮定する。この時、2個のT
DLフィルタ乗算器605と606の合成周波数特性は
数68で求められる。
【0182】
【数68】
【0183】これによる適応アレイ・フィルタ周波数特
性を図7(c)に示す。横軸は−fs /2〜+fs /2
(fs は変調速度)で、縦軸は1目盛り10dBを示
す。周波数特性705はf=0(中心周波数)において
極めて深いノッチ特性を示している。すなわちこの深い
ノッチによりf=0のCW干渉波を除去しているのであ
る。一方、このノッチが希望波にも加えられ、希望波が
劣化するのではないかという疑問が生じる。しかし前述
したように後方フィルタが該ノッチ・フィルタリングに
より生じる符号間干渉を除去しており、等価的にノッチ
特性は希望波には加わらない。従って図6の受信機はC
W干渉に影響されることなく、最大パターンを希望波に
向け、希望波を損なわないでCW干渉のみをノッチフィ
ルタリングにより除去すると言える。
【0184】図8は、図7のシミュレーションにおいて
CW干渉波の周波数のみをf=0からf=−0.25f
s に設定した場合の結果である。
【0185】図8において、801はTDLフィルタ・
第1タップ(基準タップ)のc10とc20による2素子ア
レイのアンテナ・パターン、802は希望波裏意ベクト
ル、803はCW干渉波到来ベクトル、804はTDL
フィルタ・第2タップのc11とc21による2素子アレイ
のアンテナ・パターン805は干渉波到来方向に対する
2素子適応アレイ・フィルタの周波数特性である。
【0186】このシミュレーション結果においても常に
希望波の最大パターン受信を行い、周波数−0.25f
s のCW干渉波に対してはノッチフィルタリング805
による除去を行っている。
【0187】以上1波CW干渉除去の効果を説明した
が、図5の第2の実施例は複数CW干渉波に対しても除
去効果を有する。その為の条件として、2素子アレイに
おいて、TDLフィルタを少なくとも3タップ、後方フ
ィルタを2タップとすればよい。その構成図を図9に示
す。
【0188】図9において、901は第1のアンテナ素
子、902は第2のアンテナ素子、903は第1のTD
Lフィルタの遅延時間がシンボル周期Tの2個の遅延素
子、904は第2のTDLフィルタの遅延時間がシンボ
ル周期Tの2個の遅延素子、905は第1のTDLフィ
ルタの3個の乗算器、906は第2のTDLフィルタの
3個の乗算器、907は合成器、908は判定器、90
9は減算器、910は遅延時間がシンボル周期Tの2個
の遅延素子、911は2個の乗算器、912は合成器で
ある。
【0189】伝搬モデルとしては図6の場合と同様マル
チパス伝搬は無く、干渉妨害に関しては、角周波数Ω1
とΩ2 の2波CW干渉がそれぞれ角度θ1 ,θ2 でアレ
イ・アンテナに入射しているものとする。また希望波電
力を1と正規化した時の2波CW干渉電力をそれぞれJ
1 ,J2 とする。
【0190】この時、正規方程式は前述の数55で与え
られるが、小行列Ψは3×3のサイズであり、数69及
び数70で与えられる。
【0191】
【数69】
【0192】
【数70】
【0193】ここで、φa =πsinθa ,φ1 =πs
inθ,φ2 =πsinθ2 であり、また数55におい
て各要素は数71ないし数78で示される。
【0194】
【数71】
【0195】
【数72】
【0196】
【数73】
【0197】
【数74】
【0198】
【数75】
【0199】
【数76】
【0200】
【数77】
【0201】
【数78】
【0202】図10(a)にシミュレーションに用いる
モデルを示す。図において、1002は電力が1の希望
波Sであり、θa =60°の角度で到来している。10
03は、角周波数がΩ1 =0、入射角度θ1 =60°、
希望波電力1に対するD/U比がJ1 のCW干渉波J1
である。1004は角周波数がΩ2 =−0.25fs×
2π、入射角度θ2 =60°、希望波電力1に対するD
/U比がJ2 のCW干渉波J2 である。またSN比を6
0dBに設定している。この時、上記数69ないし数7
8を用いて数55の正規方程式を解いて求めたTDLフ
ィルタ・第1(基準)タップ係数c10,c20によるアン
テナ・パターンは1001となる。既に上述した図6の
構成図の場合と同様に、干渉と希望波の到来方向が一致
していてもアンテナ・パターン1001は希望波Sを最
大受信する為にθ=60°方向に最大パターンを形成し
ている。従って、同時に個別D/Uが0dBの2波のC
W干渉をも受信するが、これらは図9の2個のTDLフ
ィルタ合成の周波数ノッチフィルタリング機能により除
去される。
【0203】図5の本発明の第2の実施例による適応ア
レイ・フィルタ(L素子、NタップTDLフィルタ)の
到来角度θ方向に対する周波数特性は数79で求められ
る。
【0204】
【数79】
【0205】で求められる。これを上記条件において計
算すると、図10(b)のようになる。これより明らか
なように周波数が0と−0.25fs の2波CW干渉は
ノッチフィルタリングにより除去されている。この場合
に関しても該ノッチフィルタリングによる希望波に対す
る符号間干渉は後方フィルタ(図9の合成器912出
力)により除去される。
【0206】図11は図10のシミュレーション条件に
おいて干渉波J2 の到来方向のみをθ2 =20°と変化
させた場合の計算結果である。図11において、110
1はc10,c20によるアンテナ・パターン、1102は
希望波S、1103は干渉波J1 、1104は干渉波J
2 である。また1105はθ=60°方向に対する周波
数特性で、これにより周波数0のCW干渉波J1 が除去
されていることが分かる。同様にθ=20°方向の適性
アレイ周波数特性を1106に示す。ここでは周波数−
0.25fs 干渉波J2 が除去されている。
【0207】以上のシミュレーション結果より、最小規
模の2素子アレイでも本発明を適用すれば、任意の角度
で到来する複数のCW干渉波を除去できることがわか
る。また干渉除去のみならず、適応アレイパターンを希
望波到来方向に形成し、SN比の最大化を行っている。
従って、装置の小型化が要求される移動デジタル通信に
最適な受信系を構成できる。このような効果は従来の適
応アレイ・アンテナでは全く得られなかった効果であ
る。
【0208】図5のアンテナ素子数とTDLフィルタ・
タップ数および後方フィルタ・タップ数を増加させ、T
DLフィルタの基準タップを中央に設定すれば適応等化
と干渉除去を含む最適受信を実現できる。すなわちTD
Lフィルタの基準タップによるアンテナ・パターン追尾
により希望波を先ず最大受信し、基準タップ前後のタッ
プにより遅延分散した希望波に整合フィルタリングを行
って、インプリシット・ダイバーシティ・ゲインを得、
さらにTDLフィルタ・タップ間の線形合成により干渉
除去を行い、さらにTDLフィルタは判定帰還形等化器
の前方フィルタとしてPrecursorによるマルチ
パス歪を除去し、後方フィルタは干渉除去に伴う符号間
干渉とPostcursorによるマルチパス歪を除去
する。またTDLフィルタのタップ数を増加させれば、
CW干渉のみならず帯域を有する複数の変調波干渉の除
去も可能である。これら種々の効果は、図1の構成をM
MSE制御するだけで、同時に実現される。
【0209】図5の本発明の第2の実施例は、図12に
示すような第2の構成によっても実現できる。図12は
L素子アンテナにおいて、τ=T、TLDフィルタを3
タップ、後方フィルタを2タップとした場合の一例であ
る。図2において、1201はL素子アンテナ、120
2はL×3個の複素乗算器、1203は3個の合成器1
204は遅延時間がシンボル周期Tの遅延素子、120
5は遅延時間がシンボル周期2Tの遅延素子、1206
は合成器、1207は合成器、1208は判定器、12
09は減算器、1210は遅延時間がシンボル周期Tの
2個の遅延素子、1211は2個の複素乗算器、121
2は合成器である。なお図12においてはタップ係数修
正回路の記述は省略している。
【0210】図12ではTDLフィルタの構成方法が図
5の場合と相違するだけで、TDLフィルタはトポロジ
ー的に一致する。従って、動作としては図5の判定帰還
形等化器と全く同一である。
【0211】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、判定帰還
形等化器の前方フィルタを適応アンテナアレイ・フィル
タに置き換え、後方フィルタと共に判定誤差の共通MM
SE制御を行うことで、アレイ・アンテナと適応等化の
最適化が行われ、両者の相乗効果を得ることが出来る。
【0212】最小規模の2素子アンテナでも本発明によ
り複数の干渉波の除去が可能であり、希望波と干渉波の
到来方向が一致しても常にアンテナ・パターンを希望波
方向に追尾しSN比を最大化しながら干渉波を除去出来
る。さらに干渉妨害を除去すると同時にマルチパスフェ
ージングによる波形歪を除去し、遅延分散回線に対して
インプリシット・ダイバーシティ・ゲインを得る効果を
有する。
【0213】従って、マルチパス歪と干渉妨害が問題と
なる移動体および固定デジタル無線一般に対して最適受
信系を構成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による判定帰還形等化器の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明による判定帰還形等化器の第1の実施例
を示す図である。
【図3】適応アレイの動作説明図である。
【図4】図2に示す構成における効果を説明するための
シミュレーション結果を示す図である。
【図5】本発明による判定帰還形等化器の第2の実施例
を示す図である。
【図6】図5に示す構成において1波CW干渉を説明す
るための図である。
【図7】図5に示す構成において1波CW干渉に対する
シミュレーション結果を示す図である。
【図8】図7において干渉周波数を変化させた際のシミ
ュレーション結果を示す図である。
【図9】図5に示す構成において2波CW干渉を説明す
るための図である。
【図10】図5に示す構成において2波CW干渉に対す
るシミュレーション結果を示す図である。
【図11】図10において干渉波到来方向を変化させた
際のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】本発明による判定帰還形等化器の第2の実施
例において他の構成を示す図である。
【図13】N素子アンテナ・アレイを用いたLMS適応
アレイの一例を示す図である。
【図14】図13に示すLMS適応アレイにタップ付遅
延線フィルタを導入した状態を示す図である。
【図15】適応等化器の従来例を示す図である。
【図16】適応アレイ・アンテナと判定帰還形等化器と
の組み合わせ例を示す図である。
【符号の説明】
101 N素子アンテナ 102 適応アレイ・フィルタ 103 後方フィルタ 104 判定器 105 合成器 106 減算器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無線周波数の半波長間隔に配列された複数
    適応アレイ・アンテナによって受けた受信波をそれぞ
    れ複数の第1のタップ係数に応じて合成して第1の合成
    データとする第1の手段と、 該第1の合成データを受け変調シンボルの判定を行い判
    定データを出力する第2の手段と、 該判定データを複数の第2のタップ係数に基づいてフィ
    ルタリングしてフィルタデータとする第3の手段と、 前記第1の合成データと前記フィルタデータとを合成し
    て第2の合成データとする第4の手段と、 前記第2の合成データと前記判定データとの間の誤差を
    求めて誤差信号として出力する第5の手段と、 該誤差信号に基づいて前記第1及び前記第2のタップ係
    数を共に同一の追随速度で自乗平均誤差最小化(MMS
    E)方式により制御する第6の手段とを有することを特
    徴とする判定帰還形等化器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された判定帰還形等化器
    において、前記第6の手段では前記誤差信号の自乗平均
    が最小となるように前記第1及び前記第2のタップ係数
    を制御するようにしたことを特徴とする判定帰還形等化
    器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された判定帰還形等化器
    において、前記第1の手段は前記第1のタップ係数に応
    じて前記受信波を合成するための適応アレイ・フィルタ
    を備えていることを特徴とする判定帰還形等化器。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載された判定帰還形等化器
    において、前記第3の手段は前記第2のタップ係数に応
    じて前記判定データをフィルタリングするためのトラン
    スバーサルフィルタを備えていることを特徴とする判定
    帰還形等化器。
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