JP2660757B2 - 反転カラー写真感光材料 - Google Patents

反転カラー写真感光材料

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JP2660757B2 JP1258860A JP25886089A JP2660757B2 JP 2660757 B2 JP2660757 B2 JP 2660757B2 JP 1258860 A JP1258860 A JP 1258860A JP 25886089 A JP25886089 A JP 25886089A JP 2660757 B2 JP2660757 B2 JP 2660757B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、極めて自然な色相と、高い彩度を与える反
転カラー写真感光材料に関するものである。
(従来の技術) 従来カラーフィルムは用いる3種の発色色素の改良、
青感、緑感、赤感分光感度の改良、各感光層間に起る混
色を重層効果の適切な応用などの工夫によってその性能
が改善されてきた。しかしこれらの技術自体未だに不十
分なものがあり、また人の視感覚の分光感度特性(例え
ば人間の3色刺激値曲線など)の総合的な配慮が不十分
であったこともあり、彩度が高く、高い濃度の色被写体
の階調表現、あるいは微妙に変化する色相の差異の表現
などについては従来のカラー感光材料はまだ不十分であ
った。
例えば米国特許第3,672,898号には、いろいろの光源
を用いて撮影された多層カラー感光材料からえられる、
特に中性色と色の演色性のよい各感光層の相対的分光感
度分布について記載されている。しかしこれも人間の色
感覚分光特性や、各発色色素の分光吸収特性や各3層相
互の重層効果による自動補償特性の細部についての配慮
がなく、これだけでは、前記のえられたカラー写真の色
再現の品質について満足な結果は得られない。
特開昭54−118245号には発色現像剤の酸化生成物とカ
ップリングして、現像抑制剤を放出し、かつ実質的に無
色の反応生成物を生じるDIR化合物を含有し、色像形成
に実質的に寄与しないハロゲン化銀乳剤層を設けて色再
現性、鮮鋭度を向上させる方法が開示されている。
しかし人間の色感覚の分光特性の細部について配慮が
なく、えられるカラー写真における画像品質について満
足を与えるものではない。
特開昭62−136649号には、色素像形成単位の少なくと
も1個が、色素形成性カプラーとあるスペクトル領域に
分光増感した第1のハロゲン化銀乳剤層と、第1のもの
とは異なるスペクトル領域に分光増感し、そして色像形
成に実質的に寄与しない化合物を発色現像の際に形成す
る重層効果生成手段を含む第2のハロゲン化銀乳剤層と
を含む主としてプリント用のカラー反転感光材料により
重層効果が改良されることが開示されている。
さらにEP−0296784A2号にはプリント用および透過用
リバーサル感材について同様の効果が開示されている。
上記二つの発明はしかしながら、いずれも発色現像時
にDIR化合物により重層効果をより効かせようとする試
みであり、反転カラー処理の如く、高pHおよび/あるい
は長時間にわたる発色現像において不十分な効果は得ら
れない。
特開昭61−34541号および特開昭63−89850号には人間
の目の等色分光感度を模した分光感度の実現方法と、そ
の効果が開示されているものの、反転カラー写真感光材
料についての開示はない。その理由としては、反転カラ
ー写真感光材料では上述の如く、発色現像時での重層効
果発現がカラーネガ写真感光材料のように容易ではない
こと、およびカラードカプラーが使用できないことが挙
げられる。
特開昭64−66644号には、黒白現像時に重層効果を発
現する実質的に画像色素を形成しない乳剤層を含む反転
カラー写真感光材料が開示されているが、分光感度につ
いて検討が不十分であり、いくつかの色の再現が忠実で
ないという欠点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、自然な色相と高い彩度を与える反転
カラー写真感光材料を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の目的は、 (1)支持体上に各々少なくとも一層の、イエローカプ
ラーを含有し、その特定分光感度域が400nmから520nmの
間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤層(B
L)、マゼンタカプラーを含有し、その特定感度域が470
nmから600nmの間にあるように分光増感されたハロゲン
化銀乳剤層(GL)、及びシアンカプラーを含有し、その
特定感度域が540nmから700nmの間にあるように分光増感
されたハロゲン化銀乳剤層(RL)を有する反転カラー写
真感光材料において;GLの分光感度分布の重心感度波長
)が約520nmから580nmの間にあり、RLの分光感度
分布の重心感度波長()が約590nmから650nmの間に
あり、BLの分光感度分布の重心感度波長()が約43
0nmかから480nmの間にあり、かつ少なくともGLとRLの間
に少なくとも2層の非感光性中間層を有し、かつGLとRL
の間の非感光性中間層の内のGLに隣接した層に表面およ
び/または内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子を含有す
ることを特徴とする反転カラー写真感光材料、 (2)黒白ネガ現像の際に重層効果を発現し、かつ実質
的に画像色素を形成しない少なくとも1つのハロゲン化
銀乳剤層(ICL)を有する第(1)項に記載の反転カラ
ー写真感光材料、 (3)ICL中に発色現像の際に重層効果を発現し、かつ
実質的に画像色素を形成しない化合物を含有する第
(1)項及び第(2)項に記載の反転カラー写真感光材
料、 により達成された。ここで「特定分光感度域」とは分光
感度スペクトル曲線の最大分光感度域の1/10の感度に対
応する長波長側及び短波長側の波長ではさまれる波長域
のことであり、「実質的に画像色素を形成しない」とは
最大発色濃度が0.3以下であり、好ましくは0.2以下であ
ることを指す。
以下本発明を詳細に説明する。
分光感度分布の重心感度波長については、例えば特開
昭61−34541号公報などに記載されている。本発明にお
いてGLについて重心感度波長。は次の式で与えられ
る。
ここでSG(λ)はGLの分光感度分布曲線である。同様
にして また、主としてRLに対する重層効果ドナー層(ICL)
の重心感度波長をλ-Rと定義することができる。他の用
語もこれに準じて用いている。
本発明の第1の目的は、人間の視感覚を模した、自然
な色再現性をうるにある。人の視覚について色彩科学ハ
ンドブック、第10章(日本色彩学会、昭和60年の第5
版、東京大学出版会の出版)に記載があり、赤、緑、青
の3色によるスペクトル色度度を示すWrightの曲線が知
られている。またPrinciples of Color Photography
(R.M.Evansらの著書1953年版John Wiley & Sons社発
刊)の第18章に色再現性についての記載がある。イエロ
ー、マゼンタ、シアンの現用の色素系を用いた視覚の等
色相対分光感度分布が示すように青感、緑感、及び赤感
分布にそれぞれ負の感度が表われ、また青感域にわずか
のシアン像を与える効果が必要である(第1図)。
本発明者らはこの負または正の感度を与える手段を種
々検討を重ねた結果、まず視覚的に自然になるように改
良された色再現性を得るためには次のような重層効果を
与えることが必要であることを見出した。
すなわち、主としてRLへの重層効果ドナー層の分光感
度としては、その重心感度波長が約490nmから560nmの間
にあること、GLへの重層効果ドナー層の分光感度として
はその重心感度波長が約400nmから500nmおよび/又は約
570nmから670nmの間にあること、BLへの重層効果ドナー
層の分光感度としてはその重心感度波長が約520nmから5
90nmにあることである。さらにBLにわずかのシアン像を
与える効果を出すためにわずかのシアンカプラーをBLに
混合することも好ましい。
本発明者は重層効果の大きいカラー感材において、色
再現を忠実にするために感材設計指針を得るべく検討し
た結果、白色光の混じったスペクトル光の再現を調べる
ことにより、その感材の色再現の忠実度が定量的に測定
できることを見出した。この方法では、白色光の混じっ
たスペクトル光すなわち刺激純度(Pe)を下げたスペク
トル光を使用する。その理由は、純粋のスペクトル光を
与え、青、緑、赤感層のうち1つのみが感光した場合に
は重層効果の撮影が表われないこと、また、撮影用カラ
ー感材が、ある程度色の濁った反射物体を被写体とする
ことが多いこと、にある。
次に色再現の忠実度を測定する方法について説明す
る。
(過程1) カラー感光材料に1931年CIEに定められる刺激純度を
一定にした等エネルギースペクトル光を400nmから700nm
の間、10nm間隔で与える。さらにCIEに定めるC光源に
よる露光も同時に行う。
(過程2) カラー反転現像を行う。
(過程3) 再現されたポジ像の色度を色度計SSカラーコンピュー
タ(スガ電機株式会社製)にて測定し、1931年CIEXY
度図上にプロットする。
(過程4) 色度図上の作図により再現されたポジ像の主波長を第
2図に示すように求め露光されたスペクトル光の波長と
の相関を第3図のように作図する。
以上の過程1〜4にて得られたグラフで、感光材料に
与えられたスペクトル光の波長と再現の主波長が一致す
るほど、つまり直線上にあるほど色再現性がよいことに
なる。
本発明者らは上記方法で鋭意検討を重ねた結果、可視
光の全域にわたってスペクトル光の色再現を忠実に得る
には、前述の本発明の範囲を満たさねばならないことを
見出した。
本発明において、好ましくは用いられる重層効果ドナ
ー層には、通常用いられるハロゲン化銀の分光増感用素
材を適宜選択使用することによって前記した如き所定の
分光感度を与えることができる。
反転カラー写真感光材料の色再現改良のポイントの1
つはいかに重層効果を大きく設計できるかという点にあ
る。米国特許第4,082,553号には感光性乳剤層中に粒子
表面をかぶらせたハロゲン化銀乳剤を含有させることに
より重層効果が増大することが開示されており、米国特
許第4,626,498号には粒子内部をかぶらせたハロゲン化
銀の効果が開示されている。さらに特開昭60−305355号
には、かぶらせたハロゲン化銀乳剤層を各感色性層中の
最低感層に隣接させることにより、ポジ像のハイライト
部の色彩度が良化せしめられることが開示されている。
本発明の分光感度を用いる際、重層効果を従来の感光材
料程度に設計しても色彩度の低下を免れず、この難点を
克服することができない。
本発明のかぶらせたハロゲン化銀乳剤とは、写真感光
材料の未露光部および露光部を問わず一様に(非像様
に)現像が可能となるハロゲン化銀乳剤のことをいう。
表面がかぶらされたハロゲン化銀乳剤は、表面潜像を
形成できる乳剤を、pHおよびpAgの適当な条件で、還元
剤や金塩を添加する方法、あるいは低pAg下で加熱する
方法、または、一様な露光を与える方法などによって調
製できる。還元剤としては、塩化第1スズ、ヒドラジン
系化合物、エタノールアミン等を用いることができる。
粒子内部がかぶらされたハロゲン化銀粒子は、上記表
面がかぶらされたハロゲン化銀粒子の表面に、ハロゲン
化銀を沈積させて外部殻を形成させることにより調製で
きる。
ICLとは黒白ネガ現像の際に重層効果を発現し、かつ
実質的に画像色素を形成しないハロゲン化銀乳剤層を指
す。
ICLに用いられる黒白現像において放出されうる現像
抑制剤としては、ハロゲン化銀粒子中に含まれるヨード
イオン又はいわゆるDIR化合物から放出される現像抑制
剤を用いることができる。
ヨードイオン放出物としてICLに用いる感光性ハロゲ
ン化銀粒子のヨード含量は適宜選択することが必要であ
るが、好ましくは40モル%以下、より好ましくは20モル
%以下2モル%以上である。
DIR化合物としては、下記一般式(I)で示されるも
のが好ましい。
上記DIR化合物を用いる際には、前記のICLを感光性ハ
ロゲン化銀乳剤を含むICL(1)とDIR化合物を含む非感
光性の親水性コロイド層であるICL(2)に分離するこ
とが特に好ましい。
一般式(I) A−(Time)−X 式中Aは酸化還元母核を意味し、写真現像処理中に酸
化されることによってはじめてTimetXが離脱するこ
とを可能ならしめる原子団を表わす。
Timeは硫黄原子、窒素原子、酸素原子もしくはセレン
原子を介してAに連結するタイミング基を表わす。tは
0または1の整数である。
Xは現像抑制剤を意味する。
以下Aについて説明する。Aで示される酸化還元母核
としては、他えばハロゲンキノン、カテンコール、p−
アミノフェノール、o−アミノフェノール、1,2−ナフ
タレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,6−ナフ
タレンジオール、1,2−アミノナフトール、1,4−アミノ
ナフトール又は1,6−アミノナフトールなどがあげられ
る。この時アミノ基は炭素数1〜25のスルホニル基、ま
たは炭素数1〜25のアシル基で置換されていることが好
ましい。
スルホニル基としては置換または無置換の脂肪族スル
ホニル基、あるいは芳香族スルホニル基があげられ
る。。またアシル基としては置換または無置換の脂肪族
アシル基あるいは芳香族アシル基があげられる。
Aの酸化還元母核を形成する水酸基またはアミノ基
は、現像処理時に脱保護可能な保護室で保護されていて
もよい。
保護基の例としては、炭素数1〜25のもので、例えば
アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
さらに特開昭59−19703号、特開昭59−201057号に記載
されている保護基が挙げられる。
さらにこの保護基は、可能な場合以下に述べるAの置
換基と互いに結合して5,6あるいは7員環を形成しても
よい。
Aで表わされる酸化還元母核は適当な位置が適当な置
換基で置換されていてもよい。これら置換基の例として
は、炭素数25以下のもので、アルキル基、アリール基、
アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アミノ基、アミド基、スルホンアミド
基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、カル
バモイル基、アルコキシカルボニル基、スルファモイル
基、スルホニル基、シアノ基、ハロゲン原子、アシル
基、カルボキシル基、スルホ基、ニトロ基、ヘテロ環残
基、があげられる。これらの置換基はさらに以上述べた
置換基で置換されていてもよい。またこれらの置換基
は、それぞれ可能な場合は互いに結合して飽和あるいは
不飽和の炭素環、または飽和あるいは不飽和のヘテロ環
を形成してもよい。
Aの好ましい例としては、ハイドロキノン、カテコー
ル、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、1,
4−ナフタレンジオール、1,4−アミノナフトールなどが
あげられる。Aとしてさらに好ましくはハイドロキノ
ン、カテコール、p−アミノフェノール、o−アミノフ
ェノールがあげられる。Aとして最も好ましくはハイド
ロキノンである。
Aの好ましい具体列を以下に示す。*はTimetXが
結合する位置を示す。
TimetXは一般式〔I〕においてAで表わされる酸
と還元母核が現像時のクロス酸化反応をおこし酸化体と
なつた時はじめて TimetXとして放出される基であ
る。
Timeは硫黄原子、窒素原子、酸素原子またはセレン原
子でAに連結するタイミング基であり、現像時放出され
TimetXから一段階であるいはそれ以上の段階の
反応を経てXを放出せしめる基があげられる。Timeとし
ては、例えば米国特許第4,248,962号、米国特許第4,40
9,323号、英国特許第2,096,783号、米国特許第4,146,39
6号、日本特許公開公報第51−146,828号、日本特許公開
公報第57−56,837号などに記載されているものがあげら
れる。Timeとしては、これらに記載されているものから
選ばれる二つ以上の組合せでもよい。
Xは現像抑制剤を意味する。現像抑制剤の例として
は、ヘテロ環に結合するメルカプト基を有する化合物あ
るいはイミノ銀生成可能なヘテロ環化合物があげられ
る。ヘテロ環に結合するメルカプト基を有する化合物の
例としては、例えば置換あるいは無置換のメルカプトア
ゾール類(例えば1−フエニル−5−メルカプトテトラ
ゾール、1−プロピル−5−メルカプトテトラゾール、
1−ブチル−5−メルカプトテトラゾール、2−メチル
チオ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−
メチル−4−フエニル−5−メルカプトー1,2,4−トリ
アゾール、1−(4−エチルカルバモイルフエニル)−
2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンズオ
キサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−
メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズオ
キサゾール、2−フエニル−5−メルカプト−1,3,4−
オキサジアゾール、1−{3−(3−メチルウレイド)
フエニル}−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−
ニトロフエニル)−5−メルカプトテトラゾール、5−
(2−エチルヘキサノイルアミノ)−2−メルカプトベ
ンズイミダゾール)、置換あるいは無置換のメルカプト
アザインデン類(例えば6−メチル−4−メルカプト−
1,3,3a,7−テトラザインデン、4,6−ジメチル−2−メ
ルカプト−1,3,3a,7−テトラザインデン)、置換あるい
は無置換のメルカプトピリミジン類(例えば2−メルカ
プトピリミジン、2−メルカプト−4−メチル−6−ヒ
ドロキシピリミジン)などがある。
イミノ銀を形成可能なヘテロ環化合物としては、例え
ば置換あるいは無置換のトリアゾール類(例えば1,2,4
−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチルベン
ゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、5−
ブロモベンゾトリアゾール、5−n−ブチルベンゾトリ
アゾール、5,6−ジメチルベンゾトリアゾール)、置換
あるいは無置換のインダゾール類(例えばインダゾー
ル、5−ニトロインダゾール、3−ニトロインダゾー
ル、3−クロロ−5−ニトロインダゾール)、置換ある
いは無置換のベンズイミダゾール類(例えば5−ニトロ
ベンズイミダゾール、5,6−ジクロロベンズイミダゾー
ル)などがあげられる。
またXは一般式〔I〕のTimeから離脱して、いつたん
現像抑制性を有する化合物となつた後、更にそれが現像
液成分とある種の化学反応をおこして実質的に現像抑制
性を有しないか、あるいは著しく減少した化合物に変化
するものであつてもよい。このような化学反応を受ける
官能基としては、例えばエステル基、カルボニル基、イ
ミノ基、インモニウム基、マイケル付加受容基、あるい
はイミド基などがあげられる。このような失活型現像抑
制剤の例としては、1−(3−フエノキシカルボニルフ
エニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4−フ
エノキシカルボニルフエニル)−5−メルカプトテトラ
ゾール、1−(3−マレインイミドフエニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール、5−フエノキシカルボニルベン
ゾトリアゾール、5−(4−シアノフエノキシカルボニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−フエノキシカルボニルメ
チルチオ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、
5−ニトロ−3−フエノキシカルボニルインダゾール、
5−(2,3−ジクロロプロピルオキシカルボニル)ベン
ゾトリアゾール、1−(4−ベンゾイルオキシフエニ
ル)−5−メルカプトテトラゾール、5−(2−メタン
スルホニルエトキシカルボニル)−2−メルカプトベン
ゾチアゾール、5−シンナモイルアミノベンゾトリアゾ
ール、1−(3−ビニルカルボニルフエニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール、5−スクシンイミドメチルベン
ゾトリアゾール、2−{4−スクシンイミドフエニル}
−5−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール、6−フ
エノキシカルボニル−2−メルカプトベンズオキサゾー
ルがあげられる。
本発明の内容をより具体的に述べるために、以下に一
般式〔I〕で表わされる化合物の具体例を示す。
一般式(I)で示された化合物は、一般に以下の2通
りの方法で合成できる。まずTimeが単なる結合手(t=
0)の場合、第1はクロロホルムや1,2−ジクロロエタ
ン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン中、無触媒または
p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸などの酸触
媒共存下に、ベンゾキノンやオルトキノン、キノンモノ
イミン、キノンジイミン誘導体と現像抑制剤を室温から
100℃の間の温度で反応させる方法である。第2はアセ
トン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなど
の非プロトン性極性溶媒中、炭素カリウム、炭酸水素ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミンなどの
塩基存在下、塩素、臭素またはヨウ素で置換されたベン
ゾキノン、オルトキノン、キノンモノイミン、キノンジ
イミン誘導体と現像抑制剤を−20℃から100℃の間で反
応させて得られたキノン体をジエチルヒドロキシルアミ
ン、ハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤で還
元する方法である。
[参考文献:Research Disclosure 18227(1979);Lie
bigs Ann.Chem.764,131(1972)] 次いでXがTimeを介して放出される型式(t=1)の
場合も、上記とほぼ同様な方法で合成できる。すなわち
上記の現像抑制剤(X)のかわりにTime−Xを用いる
か、またはXに置換可能な基(例えばハロゲン原子、ヒ
ドロキシ基、またはそれらの前駆体)を有するTimeを先
にレドックス母核に導入した後、置換反応によりXを連
結させる方法である。
本発明の一般式で表わされる化合物は単独で用いても
よいし、2種以上併用してもよい。
一般式で表わされる化合物は、高沸点オイルに溶解高
速撹拌して得られる乳化物として添加してもよいし、ア
ルコール、セロソルブ等の水溶性有機溶剤に溶解、ゼラ
チン溶液中に添加、撹拌により微細に分散して添加して
もよい。
本発明第(3)項における「発色現像の際に重層効果
を発現し、かつ実質的に画像色素を形成しない化合物」
としてはいわゆるDIRカプラーが好ましい。
本発明でICLに用いられるDIRカプラーとしては次の一
般式(II)で示される化合物が用いられる。
B(L1Z (II) 式中、Bはカプラー成分(無呈色カプラーやハイドロ
キノン残基を含む)を表わし、Zは現像抑制作用を示す
化合物(現像抑制剤)の基本骨核を表わし、aは0又は
1を表わし、a=0のときはZは直接Bに結合し、a=
1のときはZは連結基L1を介してAに直結、L1は連結基
を表わす。
一般式(II)におけるカプラー成分Bとしては、例え
ば米国特許第4,052,213号、同4,088,491号、同3,632,34
5号、同3,958,993号明細書、特開昭51−64927号、特開
昭55−161237号公報等に記載されている如き現像主薬の
酸化生成物と反応するが発色色素を形成しないカプラー
成分も好ましく用いられる。このタイプのカプラー成分
Bを有する上記一般式(II)の化合物は本発明における
ICLに広く用いることができる。
次に、一般式(II)で表わされる化合物について詳述
する。
上記一般式(II)のBで表わされるイエロー色画像形
成カプラー残基(イエローカプラー成分)としてはピバ
ロイルアセトアニリド型、ベンゾイルアセトアニリド
型、マロンジエステル型、マロンジアミン型、ジベンゾ
イルメタン型、ベンゾチアゾリルアセトアミド型、マロ
ンエステルモノアミド型、ベンゾチアゾリルアセテート
型、ベンズオキサゾリルアセトアミド型、ベンズオキサ
ゾリルアセテート型、ベンズイミダゾリルアセトアミド
型もしくはベンズイミダゾリルアセテート型のカプラー
残基、米国特許第3,841,880号に含まれるヘテロ環置換
アセトアミドもしくはヘテロ環置換アセテートから導か
れるカプラー残基又は米国特許第3,770,446号、英国特
許第1,459,171号、西独特許(OLS)第2,503,099号、日
本国公開特許50−139738号もしくはリサーチ・ディスク
ロージャー15737号に記載のアシルアセトアミド類から
導かれるカプラー残基又は、米国特許第4,046,574号に
記載のヘテロ環型カプラー残基が好ましい。ヘテロ環置
換アセテートから導かれるカプラー残基又は米国特許第
3,770,446号、英国特許第1,459,171号、西独特許(OL
S)第2,503,099号、日本国公開特許50−139738号もしく
はリサーチ・ディスクロージャー15737号に記載のアシ
ルアセトアミド類から導かれるカプラー残基又は、英国
特許第4,046,574号に記載のヘテロ環型カプラー残基が
好ましい。
Bで表わされるマゼンタ色画像形成カプラー残基(マ
ゼンタカプラー成分)としては5−オキソ−2−ピラゾ
リン核、ピラゾロ−[1,5−a]ベンズイミダゾール
核、シアノアセトフェノン型カプラー残基またはピラゾ
ロトリアゾール核を有するカプラー残基が好ましい。
Bで表わされるシアン色画像形成カプラー残基(シア
ンカプラー成分)としてはフェノール核またはα−ナフ
トール核を有するカプラー残基が好ましい。
本発明における約490nm〜560nmに分光感度をもつICL
にはシアン発色が少なく、マゼンタ発色のBを、約400n
m〜500nmに分光感度をもつICLにはマゼンタ発色が少な
く好ましくはシアン発色がイエロー発色のBを、約570n
m〜670nmに分光感度をもつICLにはマゼンタ発色が少な
く、シアン発色のBを、また約520nm〜590nmの分光感度
をもつICLにはイエローが少なく、好ましくはマゼンタ
発色のBを用いることがとくに好ましい。
上記一般式のZで表わされる現像抑制剤の基本部分と
しては、二価の含窒素ヘテロ環基又は含窒素ヘテロ環チ
オ基があり、ヘテロ環チオ基としてはたとえばテトラゾ
リルチオ基、ベンズチアゾリルチオ基、ベンズイミダゾ
リルチオ基、トリアゾリルチオ基、イミダゾリルチオ基
などが挙げられる。その具体例をB−(L1−基およ
び−(L2−Y)基の置換位置とともに次に示す。
上式においてXなる置換基は一般式(I)のZの部分
に含まれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
ケニル基、アルカンアミド基、アルケンアミド基、アル
コキシ基、スルホンアミド基又はアリール基を表わす。
L1で表わされる連結基としてはたとえば次に示すもの
があげられる。BおよびZ−(L2−Y)とともに示
す。
BOCH2−Z−(L2−Y) (米国特許第4,146,396号に記載の連結基) BSCH2−Z−(L2−Y) (西独公開特許第2,626,315号に記載の連結基) (西独公開特許第2,855,697号に記載の連結基、cは0
〜2の整数を表わす。) 上式中、R21は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、アル
コキシカルボニル基、アニリノ基、アシルアミノ基、ウ
レイド基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基、ス
ルファモイル基、カルバモイル基、アリール基、カルボ
キシ基、スルホ基、シクロアルキル基、アルカンスルホ
ニル基、アリールスルホニル基、またはアシル基を表わ
し、 R22は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラル
キル基、シクロアルキル基、またはアリール基を表わ
し、 p、qはそれぞれ1または2を表わす。qが2のとき
はR21どうしで縮合環を形成してもよい。
これらのDIRカプラー(一般式(II)においてa=1
の場合)では、現像主薬の酸化体と反応した後放出され
る離脱基は、ただちに分解し現像抑制剤(H−Z−(L2
−Y))を放出する。したがってL1で表わされる基を
持たないDIRカプラー(一般式(II)においてa=0の
場合)と本発明の効果は同じである。
上記の各式において、L2で表わされる連結基には、現
像液中で開裂する化学結合が含まれる。このような化学
結合として、下表に挙げる例が包含される。これらはそ
れぞれ発色現像液の成分であるヒドロキシイオンもしく
はヒドロキシルアミンなどの求核試薬により開裂するの
で本発明の効果が得られる。
前表中に示した二価の連結基はZと直接もしくはアル
キレン基または(および)フェニレン基を介在して連結
し、他方Yと直接連結する。アルキレン基またはフェニ
レン基を介在してZと連結する場合、この介在する二価
基の部分に、エーテル結合、アミド結合、カルボニル
基、チオエーテル結合、スルホン基、スルホンアミド結
合および尿素結合を含んでもよい。
L2で表わされる連結基としては、例えば次に示す例が
好ましい。Zの置換位置およびYの置換位置とともに次
に示す。
−Z−(CH2 dCOO−Y −Z−(CH2dNHCOO−Y −ZCH2−COOCH2SO2−Y ただしdは0〜10、好ましくは0〜5の整数を表わ
す。W1は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10、好ま
しくは1〜5のアルキル基、炭素数1〜10、好ましくは
1〜5のアルカンアミド基、炭素数1〜10、好ましくは
1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜10、好ましくは1〜
5のアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルカンスル
ホンアミド基、アリール基、カルバモイル基、炭素数1
〜10、好ましくは1〜5のN−アルキルカルバモイル
基、ニトロ基、シアノ基、アリールスルホンアミド基、
スルファモイル基およびイミド基、などから選ばれる。
W2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基
またはアルケニル基を表わし、W3は水素原子、ハロゲン
原子、ニトロ基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはア
ルキル基を表わし、eは0〜6の整数を表わす。
XおよびYで表わされるアルキル基またはアルケニル
基はくわしく炭素数1〜10、好ましくは1〜5の直鎖、
分岐鎖または環状のアルキル基、またはアルケニル基を
表わし、好ましくは置換基を有するものであり、置換基
としてはハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1
〜4のアルカンスルホニル基、炭素数6〜10のアリール
スルホニル基、炭素数1〜5のアルカンアミド基、アニ
リノ基、ベンズアミド基、炭素数1〜6のアルキル置換
カルバモイル基、カルバモイル基、炭素数6〜10のアリ
ール置換カルバモイル基、炭素数1〜4のアルキルスル
ホンアミド基、炭素数6〜10のアリールスルホンアミド
基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数6〜10のア
リールチオ基、フタールイミド基、スクシンイミド基、
イミダゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ピラゾリル
基、ベンズトリアゾリル基、フリル基、ベンズチアゾリ
ル基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、炭素数1〜4
のアルカノイル基、ベンゾイル基、炭素数1〜4のアル
カノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、炭素数1〜4
のパーフルオロアルキル基、シアノ基、テトラゾリル
基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、ス
ルホ基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルスルファモ
イル基、炭素数6〜10のアリールスルファモイル基、モ
ルホリノ基、炭素数6〜10のアリール基、ピロリジニル
基、ウレイド基、ウレタン基、炭素数1〜6のアルコキ
シ置換カルボニル基、炭素数6〜10のアリールオキシ置
換カルボニル基、イミダゾリジニル基または炭素数1〜
6のアルキリデンアミノ基などから選ばれる。
X及びYで表わされるアルカンアミド基またはアルケ
ンアミド基は詳しくは炭素数1〜10、好ましくは1〜5
の直鎖、分岐鎖または環状のアルカンアミド基またはア
ルケンアミド基を表わし、置換基を有してもよく置換基
としては前記アルキル基およびアルケニル基のところで
列挙した置換基などから選ばれる。
Xで表わされるアルコキシ基はくわしくは炭素数1〜
10、好ましくは炭素数1〜5の直鎖、分岐鎖または環状
のアルコキシ基を表わし、置換基を有していてもよく、
置換基としては前記アルキル基またはアルケニル基のと
ころで列挙した置換基などから選ばれる。
Yで表わされるアリール基はフェニル基またはナフチ
ル基で表わし、置換基としては前記アルキル基またはア
ルケニル基のところで列挙した置換基または炭素数1〜
4のアルキル基などから選ばれる。
Yで表わされるヘテロ環基は、ジアゾリル基(2−イ
ミダゾリル基、4−ピラゾリル基など)、トリアゾリル
基(1,2,4−トリアゾール−3−イル基など)、チアゾ
リル基、(2−ベンゾチアゾリル基など)、オキサゾリ
ル基(1,3−オキサゾール−2−イル基など)、ピロリ
ル基、ピリジル基、ジアゾニル基(1,4−ジアジン−2
−イル基など)、トリアジニル基(1,2,4−トリアジン
−5−イル基など)、フリル基、ジアゾリニル基(イミ
ダゾリン−2−イル基など)、ピロニル基およびチエニ
ル基などから選ばれる。
さらに詳細な化合物の例は特開昭63−89850号に記載
されている。
一般式(I)の化合物の添加量はICL中のハロゲン化
銀1モル当り、好ましくは10-4〜1、より好ましくは10
-3〜10-1モルとする。一般式(II)で表わされる化合物
は、ICL中のハロゲン化銀1モル当り、好ましくは10-4
〜1、より好ましくは10-3〜10-1モルを含有させる。
また、表面及び/又は内部をかぶらせたハロゲン化銀
粒子の塗布銀量は、好ましくは1mg〜100mg/m2、より好
ましくは5mg〜80mg/m2とする。
本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤には、臭化
銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀のい
ずれのハロゲン化銀を用いてもよい、前記ICLに使用さ
れるハロゲン化銀を除き、好ましいハロゲン化銀は約30
モル%以下の沃化銀を含む。沃臭化銀もしくは沃塩臭化
銀である。特に好ましいのは約0.5モル%から約15モル
%までの沃化銀を含む沃臭化銀である。
ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体のよ
うな規則的な結晶体を有するいわゆるレギュラー粒子で
もよく、また平板状、球状などのような変則的な結晶形
を持つもの、双晶面などの結晶欠陥を持つものあるいは
それらの複合形でもよい。また種々の結晶形の混合物を
用いてもよい。
ハロゲン化銀の粒径は、約0.1μm以下の微粒子でも
投影面積直径が約10μmに至るまでの大サイズ粒子でも
よい。好ましくは0.05μm以上2μm以下である。
また狭い分布を有する単分散乳剤でも、あるいは広い
分布を有する多分散乳剤でもよいが、単分散乳剤が粒状
性及び階調を良化する上で好ましい。
単分散乳剤としては、その少なくとも95重量%が平均
粒子直径の±40%以内にあるような乳剤が代表的であ
る。平均粒子直径0.05〜2ミクロンであり、少なくとも
95重量%または(粒子数)で少なくとも95%のハロゲン
化銀粒子を平均粒子直径±20%の範囲内としたような乳
剤を本発明で使用できる。このような乳剤の製造方法は
米国特許第3,574,628号、同第3,655,394号及び英国特許
第1,413,7489号に記載されている。
また特開昭59−133542号や特願昭61−306029号に開示
されているような内部潜像型乳剤も好ましく用いること
ができる。
内部潜像型乳剤に好ましい潜像分布を与えるために
は、化学増感の程度や化学増感後に沈殿させるハロゲン
化銀の量、沈殿の条件の調製しなければならない。
具体的にはコアの化学増感を最適に行った後、厚さ0.
01μm以下、好ましくは0.001〜0.009μm以下、さらに
好ましくは0.002〜0.008μmのシェル付けを行い、さら
に上記シェル表面に化学増感を行う。前記コア表面とシ
ェル表面を施すべき化学増感の程度は、露光した際にシ
ェル表面とコア表面との潜像数の比が1/5以上1未満、
好ましくは1/4〜9/10となるようにする方法がある。
前記のハロゲン化銀乳剤は、粒子形成中のpAgとpHを
制御することにより得られる。詳しくは、例えばフォト
グラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Photographic Science and Engineering)第6巻、15
9〜165頁(1962);ジャーナル・オブ・フォトグラフィ
ック・サイエンス(Journal of Photographic Scienc
e),12巻、242〜251頁(1964)、米国特許第3,665,394
号および英国特許第1,413,748号に記載されている。
また公知のハロゲン化銀溶剤(例えば、アンモニア、
ロダンカリまたは米国特許第3,271,157号、特開昭51−1
2360号、特開昭53−82408号、特開昭53−144319号、特
開昭54−100717号もしくは特開昭54−155828号等に記載
のチオエーテル類およびチオン化合物)の存在下で物理
熟成を行うこともできる。
またアスペクト比が5以上であるような平板状粒子も
本発明に使用できる。平板状粒子は、ガフト著、フォト
グラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリング
(Gutoff,Photogaphic Science and Engineering),第
14巻、248〜257頁(1970年);米国特許第4,434,226
号、同4,414,310号、同4,433,048号、同4,439,520号お
よび英国特許第2,112,157号などに記載の方法により簡
単に調製することができる。平板状粒子を用いた場合、
被覆力が上がること、増感色素による色増感効率が上が
ることなどの利点があり、先に引用した米国特許第4,43
4,226号に詳しく述べられている。
本発明においては次のような単分散六角平板粒子を用
いることができる。該乳剤は、分散媒とハロゲン化銀粒
子とからなるハロゲン化銀乳剤であって、該ハロゲン化
銀粒子の全投影面積の705以上が、最少の長さを有する
辺の長さに対する最大の長さを有する辺の長さの比が、
2以下である六角形であり、かつ、平行な2面を外表面
として有する平板状ハロゲン化銀によって占められてお
り、さらに該六角平板状ハロゲン化銀粒子の粒子サイズ
分布の変動係数(その投影面積の円換算直径で表わされ
る粒子サイズのバラツキ(標準偏差)を、平均粒子サイ
ズで割った値)が20%以下の単分散性をもつものであ
り、アスペクト比は2.5以上の粒子サイズは0.2μm以上
である。
該六角平板粒子の組成としては、臭化銀、ヨウ臭化
銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀のいずれであってもよい。
沃度イオンを含む場合、その含量は0〜30モル%であ
り、結晶構造は一様なものでも、内部と外部が異質なハ
ロゲン組成から成るものでもよく、層状構造をなしてい
てもよい。また、粒子中に還元増感銀核を含んでいるこ
とが好ましい。
該ハロゲン化銀粒子は、該形成−オストワルド熟成及
び粒子成長を経ることによって製造することができる
が、その詳細は特願昭61−299155号の記載に従う。
これらの乳剤粒子は、英国特許第1,027,146号、米国
特許第3,505,068号、同第4,444,877号および特開昭60−
143331号等に開示されている。また、エピタキシャル接
合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合されていて
もよく、また例えばロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化
銀以外の化合物と接合されていてもよい。これらの乳剤
粒子は、米国特許第4,094,684号、同4,142,900号、同4,
459,353号、英国特許第2,038,792号、米国特許第4,349,
622号、同4,395,478号、同4,433,501号、同4,463,087
号、同3,656,962号、同3,852,067号、特開昭59−162540
号等に開示されている。
ハロゲン化銀乳剤の製造工程で使用される添加剤はリ
サーチ・ディスクロージャーNo.17643および同No.18716
に記載されており、その該当箇所を後掲の表にまとめ
た。
本発明に使用できる公知の写真添加剤も上記の2つの
リサーチ・ディスクロージャーに記載されており、下記
の表に関連する記載箇所を示した。
本発明には種々のカラーカプラーを使用することがで
き、その具体例は前出のRD、No.17643、VII−C〜G項
に記載された特許に記載されている。色素形成カプラー
としては、減色法の三原色(すなわち、イエロー、マゼ
ンタおよびシアン)を発色現像で与えるカプラーが重要
であり、耐拡散化された疎水性の、4当量または2当量
カプラーの具体例は前述のRD、No.17643、VII−Cおよ
びD項記載の特許に記載されたカプラーの他、下記のも
のを本発明で好ましく使用できる。
本発明に使用できるイエローカプラーとしては、バラ
スト基を有し疎水性のアシルアセトアミド系カプラーが
代表例として挙げられる。その具体例は、米国特許第2,
407,210号、同第2,875,057号および同第3,265,506号な
どに記載されている。本発明には、二当量イエローカプ
ラーの使用が好ましく、米国特許第3,408,194号、同第
3,447,928号、同第3,933,501号および同第4,022,620号
などに記載された酸素原子離脱型のイエローカプラーあ
るいは特公昭58−10739号、米国特許第4,401,752号、同
第4,326,024号、RD18053(1979年4月)、英国特許第1,
425,020号、西独出願公開第2,219,917号、同第2,261,36
1号、同第2,329,587号および同第2,433,812号などに記
載された窒素原子離脱型のイエローカプラーがその代表
例として挙げられる。α−ピバロイルアセトアニリド系
カプラーは発色色素の堅牢性、特に光堅牢性が優れてお
り、一方α−ベンゾイルアセトアニリド系カプラーは高
い発色濃度が得られる。
本発明に使用できるマゼンタカプラーとしては、バラ
スト基を有し疎水性の、インダゾロン系もしくはシアノ
アセチル系、好ましくは5−ピラゾロン系およびピラゾ
ロアゾール系のカプラーが挙げられる。5−ピラゾロン
系カプラーは3−位がアリールアミノ基もしくはアシル
アミノ基で置換されたカプラーが、発色色素の色相や発
色濃度の観点で好ましく、その代表例は、米国特許第2,
311,082号、同第2,343,703号、同第2,600,788号、同第
2,908,573号、同第3,062,653号、同第3,152,896号およ
び同第3,936,015号などに記載されている。二当量の5
−ピラゾロン系カプラーの離脱基として、米国特許第4,
310,619号に記載された窒素原子離脱基または米国特許
第4,351,897号に記載されたアリールチオ基が特に好ま
しい。また欧州特許第73,636号に記載のバラスト基を有
する5−ピラゾロン系カプラーは高い発色濃度が得られ
る。ピラゾロアゾール系カプラーとしては、米国特許第
3,016,432号記載のピラゾロベンズイミダゾール類、好
ましくは米国特許第3,725,067号に記載されたピラゾロ
[5,1−c][1,2,4]トリアゾール類、リサーチ・ディ
スクロージャーNo.24220(1984年6月)および特開昭60
−33552号に記載のピラゾロテトラゾール類およびリサ
ーチ・ディスクロージャーNo.24230(1984年6月)およ
び特開昭60−43659号に記載のピラゾロピラゾール類が
挙げられる。発色色素のイエロー副吸収の少なさおよび
光堅牢性の点で米国特許第4,500,630号に記載のイミダ
ゾ[1,2−b]ピラゾール類は好ましく、欧州特許第11
9,860A号に記載のピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリア
ゾールは特に好ましい。
本発明に使用できるシアンカプラーとしては、疎水性
で耐拡散性のナフトール系およびフェノール系のカプラ
ーがあり、米国特許第2,474,293号に記載のナフトール
系カプラー、好ましくは米国特許第4,052,212号、同第
4,146,396号、同第4,228,233号および同第4,296,200号
に記載された酸素原子離脱型の二当量ナフトール系カプ
ラーが代表例として挙げられる。またフェノール系カプ
ラーの具体例は、米国特許第2,369,929号、同第2,801,1
71号、同第2,772,162号、同第2,895,826号などに記載さ
れている。
湿度および温度に対し堅牢なシアンカプラーは、本発
明で好ましく使用され、その典型例を挙げると、米国特
許第3,772,002号に記載されたフェノール核のメター位
にエチル基以上のアルキル基を有するフェノール系シア
ンカプラー、米国特許第2,772,162号、同第3,758,308
号、同第4,126,396号、同第4,334,011号、同第4,327,17
3号、西独特許公開第3,329,729号および欧州特許第121,
365号などに記載された2,5−ジアシルアミノ置換フェノ
ール系カプラーおよび米国特許第3,446,622号、同第4,3
33,999号、同第4,451,559号および同第4,427,767号など
に記載された2−位にフェニルウレイド基を有し、かつ
5−位にアシルアミノ基を有するフェノール系カプラー
などである。
発色色素が適度に拡散性を有するカプラーを併用して
粒状性を改良することができる。このようなカプラー
は、米国特許第4,366,237号および英国特許第2,125,670
号にマゼンタカプラーの具体列が、また欧州特許第96,5
70号および西独出願公開第3,234,533号にはイエロー、
マゼンタもしくはシアンカプラーの具体例が記載されて
いる。
色素形成カプラーおよび上記の特殊カプラーは、二量
体以上の重合体を形成してもよい。ポリマー化された色
素形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,820号お
よび同第4,080,211号に記載されている。ポリマー化マ
ゼンタカプラーの具体例は、英国特許第2,102,173号お
よび米国特許第4,367,282号に記載されている。
本発明に使用するカプラーは、種々の公知分散方法に
より感光材料中に導入でき、、例えば固体分散法、アル
カリ分散法、好ましくはラテックス分散法、より好まし
くは水中油摘分散法などを典型例として挙げることがで
きる。水中油摘分散法では、沸点が175℃以上の高沸点
有機溶媒および低沸点のいわゆる補助溶媒のいずれか一
方の単独液または両者混合液に溶解した後、界面活性剤
の存在下に水またはゼラチン水溶液など水性媒体中に微
細分散する。高沸点有機溶媒の例は米国特許第2,322,02
7号などに記載されている。分散には転相を伴ってもよ
く、また必要に応じて補助溶媒を蒸留、ヌードル水洗ま
たは限外ろ過法などによって除去または減少させてから
塗布に使用してもよい。
ラテックス分散法の工程、効果および含浸用のラテッ
クスの具体例は、米国特許第4,199,363号、西独特許出
願(OLS)第2,541,274号および同第2,541,230号などに
記載されている。
本発明を用いて作られる感光材料は、色カブリ防止剤
もしくは混合防止剤として、ハイドロキノン誘導体、ア
ミノフェノール誘導体、アミン類、没食子酸誘導体、カ
テコール誘導体、アスコルビン酸誘導体、無呈色カプラ
ー、スルホンアミドフェノール誘導体などを含有しても
よい。
本発明の感光材料には、種々の退色防止剤を用いるこ
とができる。有機退色防止剤としてはハイドロキノン
類、6−ヒドロキシクロマン類、5−ヒドロキシクマラ
ン類、スピロクロマン類、p−アルコキシフェノール
類、ビスフェノール類を中心としたヒンダードフェノー
ル類、没食子酸誘導体、メチレンジオキシベンゼン類、
アミノフェノール類、ヒンダートアミン類およびこれら
各化合物のフェノール性水酸基をシリル化、アルキル化
したエーテルもしくはエステル誘導体が代表例として挙
げられる。また、(ビスサリチルアルドキシマト)ニッ
ケル錯体および(ビス−N,N−ジアルキルジチオカルバ
マト)ニッケル錯体に代表される金属錯体なども使用で
きる。
本発明は支持体上に少なくとも2つの異なる分光感度
を有する多層多色写真材料にも適用できる。多層天然色
写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤層、緑感性乳剤
層および青感性乳剤層を各々少なくとも一つ有する。こ
れらの層配列は必要に応じて任意に選択できる。好まし
い層配列の順序は支持体側から赤感性、緑感性、青感性
または支持体側から青感性、赤感性、緑感性である。ま
た前記の各乳剤層は感度の異なる2つ以上の乳剤層から
できていてもよく、また同一感性をもつ2つ以上の乳剤
層の間に非感光性層が存在していてもよい。赤感性乳剤
層にシアン形成カプラーを、緑感性乳剤層にマゼンタ形
成カプラーを、青感性乳剤層にイエロー形成カプラーを
それぞれ含むのが通常であるが、場合により異なる組合
せをとることもできる。
本発明に係る感光材料は、ハロゲン化銀乳剤層の他
に、保護層、中間層、フィルター層、ハレーション防止
層、バック層などとの補助層を適宜設けることが好まし
い。
本発明の写真感光材料において写真乳剤層その他は写
真感光材料に通常用いられているプラスチックフィル
ム、紙、布などの可撓性支持体またはガラス、陶器、金
属などの剛性の支持体に塗布される。可撓性支持体とし
て有用なものは、セルロース誘導体(硝酸セルロース、
酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロースなど)、合成高分
子(ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリカーボネートなど)から成るフィル
ム、バライタ層またはα−オレフィンポリマー(例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重
合体)等を塗布またはラミネートした紙等である。支持
体は染料や顔料を用いて着色されてもよい。遮光の目的
で黒色にしてもよい。これらの支持体の表面は一般に、
写真乳剤層等との接着をよくするために、下塗処理され
る。
カラー反転感光材料の処理を実施する場合は黒白現像
を行ってから発色現像する。この黒白現像液には、ハイ
ドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1−フェニ
ル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン類または
N−メチル−p−アミノフェノールなどのアミノフェノ
ール類など公知の黒白現像主薬を単独であるいは組み合
わせて用いることができる。
本発明の感光材料の現像処理に用いる発色現像液は、
好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主薬を主成分
とするアルカリ性水溶液である。この発色現像主薬とし
ては、アミノフェノール系化合物も有用であるが、p−
フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用され、その
代表例としては3−メチル−4−アミノ−N,N−ジエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N
−β−メトキシエチルアニリン及びこれらの硫酸塩、塩
酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。
これらの化合物は目的に応じ2種以上併用することもで
きる。
これらの発色現像液及び黒白現像液のpHは9〜12であ
ることが一般的である。本発明の発色現像液はpH11ない
し12の範囲にあることが望ましい。またこれらの現像液
の補充量は、処理するカラー写真感光材料にもよるが、
一般に感光材料1平方メートル当り3以下であり、補
充液中の臭化物イオン濃度を低減させておくことにより
500ml以下にすることもできる。補充量を低減する場合
には処理槽の空気との接触面積を小さくすることによっ
て液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。また
現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑える手段を用いるこ
とにより補充量を低減することもできる。
発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に行われてもよいし(漂白定着処
理)、個別に行われてもよい。さらに処理の迅速化を図
るため、漂白処理後漂白定着処理する処理方法でもよ
い。さらに二槽の連続した漂白定着浴で処理すること、
漂白定着処理の前に定着処理すること、又は漂白定着処
理後漂白処理することも目的に応じ任意に実施できる。
漂白剤としては、例えば鉄(III)、コバルト(III)、
クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合物、過酸
類、キノン類、ニトロ化合物等が用いられる。代表的漂
白剤としてはフェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(II
I)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シク
ロヘキサンジアミン四酢酸、メチルイミノ二酢酸、1,3
−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、などのアミノポリカルボン酸類もしくはクエ
ン酸、酒石酸、リンゴ酸などの錯塩;過硫酸塩;臭素酸
塩;過マンガン酸塩;ニトロベンゼン類などを用いるこ
とができる。これらのうちエチレンジアミン四酢酸鉄
(III)錯塩と始めとするアミノポリカルボン酸鉄(II
I)錯塩及び過硫酸塩は迅速処理と環境汚染防止の観点
から好ましい。
漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必要に応
じて漂白促進剤を使用することができる。
定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエ
ーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物塩等をあげ
ることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般的であり、
特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用できる。漂
白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や、重亜硫酸塩あ
るいはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は、脱銀処
理後、水洗及び/又は安定工程を経るのが一般的であ
る。水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性(例えば
カプラー等使用素材による)、用途、さらには水洗水
温、水洗タンクの数(段数)、向流、順流等の補充方
式、その他種々の条件によって広範囲に設定し得る。こ
のうち、多段向流方式における水洗タンク数と水量の関
係は、Journal of the Society of Motion picture and
Television Engineers第64巻、p.248〜253(1955年5
月号)に記載の方法で求めることができる。
本発明の感光材料の処理における水洗水のpHは4〜9
であり、好ましくは5〜8である。水洗水温、水洗時間
も、感光材料の特性、用途等で種々設定し得るが、一般
には、15〜45℃で20秒〜10分、好ましくは25〜40℃で30
秒〜5分の範囲が選択される。さらに本発明の感光材料
は、上記水洗に代り、直接安定液によって処理すること
もできる。このような安定化処理においては、特開昭57
−8543号、同58−14834号および同60−220345号に記載
の多段向流安定化処理やその低補充化、イオン交換処理
などの方法はすべて用いることができる。
また、前記水洗処理に続いて、さらに安定化処理する
場合もあり、その例として、撮影用カラー感光材料の最
終浴として使用される、ホルマリンと界面活性剤を含有
する安定浴を挙げることができる。この安定浴にも各種
キレート剤や防黴剤を加えることもできる。
本発明における各種処理液は10℃〜50℃において使用
される。通常は33℃〜38℃の温度が標準的であるが、よ
り高温にして処理を促進し処理時間を短縮したり、逆に
より低温にして画質の向上や処理液の安定性の改良を達
成することができる。
(発明の効果) 本発明の反転カラー写真感光材料は極めて自然な色相
と、高い彩度のカラー画像を与えるという優れた効果を
奏する。
(実施例) 以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1 下塗りを施した三酢酸セルロース支持体上に下記の組
成から成る乳剤層を塗布し、試料101を作成した(なお
本実施例における層の番号は試料101の番号とする)。
また以下の処理を用いて色再現性を評価した。
処理工程 工程 時間 温度 第一現像 6分 38℃ 水 洗 2分 38℃ 反 転 2分 38℃ 発色現像 6分 38℃ 調 整 2分 38℃ 漂 白 6分 38℃ 定 着 4分 38℃ 水 洗 4分 38℃ 安 定 1分 常温 乾 燥 処理液の組成は以下のものを用いる。
第1現像液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・五ナトリ
ウム塩 2g 亜硫酸ナトリウム 20g ハイドロキノン・モノスルフオネート 30g 炭酸ナトリウム(−水塩) 30g 1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3
ピラゾリドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム(0.1%溶液) 2ml 水を加えて 1000ml 反転液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメチレンホスホン酸・五ナトリ
ウム塩 3g 塩化第1スズ(二水塩) 1g 3,6−ジチアオクタン−1,8−ジオール 1g 水を加えて 1000ml 調整液 水 700ml 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(二水塩) 8g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3ml 水を加えて 1000ml 漂白液 水 800ml エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(二水塩) 2g エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム(二水
塩) 120g 臭化カリウム 100g 水を加えて 1000ml 定着液 水 800ml チオ硫酸ナトリウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000ml 安定液 水 800ml ホルマリン(37重量%)富士ドライウエル(富士フィル
ム(株)製界面活性剤) 5.0ml 水を加えて 1000ml 第1層:ハレーション防止層 黒色コロイド銀 0.25g/m2 U−1 0.1g/m2 U−2 0.1g/m2 Oil−1 0.1cc/m2 ゼラチン 1.9g/m2 第2層:中間層 Cpd−D 10mg/m2 Oil−3 40mg/m2 ゼラチン 0.4g/m2 第3層:中間層 ゼラチン 0.4g/m2 第4層:第1赤感乳剤層 増感色素S−1及びS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.4μ、AgI含量4.5モル%の単分散立方
体と平均粒径0.3μ、AgI含量4.5モル%の単分散立方体
の1対1の混合物) 銀量0.4g/m2 かぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤 (平均粒径0.06μm、AgI含量の0.1モル%) 銀量0.02g/m2 カプラーC−1 0.2g/m2 C−2 0.05g/m2 Oil−1 0.1cc/m2 Oil−2 0.05cc/m2 ゼラチン 0.8g/m2 第5層:第2赤感乳剤層 増感色素S−1及びS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.5μ、AgI含量4モル%の単分散立方
体) 銀量0.4g/m2 カプラーC−1 0.2g/m2 C−3 0.2g/m2 C−2 0.05g/m2 Oil−1 0.1cc/m2 Oil−2 0.05cc/m2 ゼラチン 0.8g/m2 第6項:第3赤感乳剤層 増感色素S−1及びS−2で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.7μ、AgI含量2モル%の単分散双晶粒
子) 銀量0.4g/m2 カプラーC−3 0.7g/m2 カプラーC−1 0.3g/m2 Oil−2 0.1cc/m2 ゼラチン 1.1g/m2 第7層:中間層 染料D−1 0.02g/m2 ゼラチン 0.6g/m2 第8層:中間層 化合物Cpd−A 0.2g/m2 ゼラチン 1.0g/m2 第9層:第1緑感乳剤層 増感色素S−3及びS−4で分光増感された沃臭化銀
乳剤(平均粒径0.4μ、AgI含量4.5モル%の単分散立方
体と平均粒径0.2μ、AgI含量4.5モル%の単分散立方体
の1対1の混合物) 銀量0.5g/m2 かぶらせた微粒子沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、
AgI含量の0.1モル%) 銀量0.02g/m2 カプラーC−4 0.10g/m2 カプラーC−7 0.10g/m2 カプラーC−8 0.10g/m2 化合物Cpd−B 0.03g/m2 Cpd−E 0.1g/m2 Cpd−F 0.1g/m2 Cpd−G 0.05g/m2 Cpd−H 0.05g/m2 Oil−2 0.1cc/m2 ゼラチン 0.5g/m2 第10層:第2緑感乳剤層 増感色素S−3及びS−4で含有する沃臭化銀乳剤(平
均粒径0.5μ、AgI含量3モル%の単分散立方体) 銀量0.4g/m2 カプラーC−4 0.10g/m2 カプラーC−7 0.10g/m2 カプラーC−8 0.10g/m2 化合物Cpd−B 0.03g/m2 Cpd−E 0.1g/m2 Cpd−F 0.1g/m2 Cpd−G 0.05g/m2 Cpd−H 0.05g/m2 Oil−2 0.1cc/m2 ゼラチン 0.6g/m2 第11層:第3緑感乳剤層 増感色素S−3及びS−4で含有する沃臭化銀乳剤
(球換算時平均粒径0.6μ、AgI含量0.6μ、直径/厚み
の平均値が7の単分散平板) 銀量0.5g/m2 カプラーC−4 0.4g/m2 カプラーC−7 0.2g/m2 カプラーC−8 0.2g/m2 化合物Cpd−B 0.08g/m2 Cpd−E 0.1g/m2 Cpd−F 0.1g/m2 Cpd−G 0.1g/m2 Cpd−H 0.1g/m2 Oil−2 0.1cc/m2 ゼラチン 1.0g/m2 第12層:中間層 染料D−2 0.05g/m2 ゼラチン 0.6 g/m2 第13層:黄色フィルター層 黄色コロイド銀 0.1 g/m2 化合物Cpd−A 0.01g/m2 ゼラチン 1.1 g/m2 第14層:中間層 ゼラチン 0.6g/m2 第15層:第1青感乳剤層 増感色素S−5及びS−6で含有する沃臭化銀乳剤
(平均粒径0.4μ、AgI含量3モル%の単分散立方体と平
均粒径0.2μ、AgI含量3モル%の単分散立方体の1対1
の混合物) 銀量0.6g/m2 カプラーC−5 0.5g/m2 カプラーC−9 0.3g/m2 Oil−2 0.02cc/m2 ゼラチン 0.8g/m2 第16層:第2青感乳剤層 増感色素S−5及びS−6で含量する沃臭化含乳剤
(平均粒径0.5μ、AgI含量2モル%の単分散立方体) 銀量0.4g/m2 カプラーC−5 0.3g/m2 カプラーC−6 0.3g/m2 Oil−2 0.01cc/m2 ゼラチン 0.9g/m2 第17層:第3青感乳剤層 増感色素S−5及びS−6で含有する沃臭化銀乳剤
(球換算時平均粒径0.7μ、AgI含量1.5モル%、直径/
厚みの平均値が7の平板) 銀量0.4g/m2 カプラーC−6 0.7g/m2 Oil−2 0.01cc/m2 ゼラチン 1.2g/m2 第18層:第1保護層 U−1 0.04g/m2 U−3 0.03g/m2 U−4 0.03g/m2 U−5 0.05g/m2 U−6 0.05g/m2 化合物Cpd−C 0.8 g/m2 染料D−3 0.05g/m2 ゼラチン 0.7 g/m2 第19層:第2保護層 かぶらせた沃臭化銀乳剤(平均粒径0.06μm、AgI含
量1モル%) 銀量0.1g/m2 ゼラチン 0.4g/m2 第20層:第3保護層 ポリメチルメタクリレート(平均粒径1.5μm) 0.1 g/m2 メチルメタクリレートとアクリル酸の4.6の共重合体
(平均粒径1.5μm) 0.1 g/m2 シリコーンオイル 0.03g/m2 W−1 3 g/m2 ゼラチン 0.4 g/m2 各層には、上記の組成物の他にゼラチン硬膜剤H−1
および界面活性剤を添加した。
Oil−1 フタル酸ジブチル Oil−2 リン酸トリクレジル
【図面の簡単な説明】
第1図は視覚の等色相対分光感度分布図、第2図はポジ
像の主波長を再現した色度図、第3図は露光されたスペ
クトル光の波長と色再現の主波長との関係を示すグラフ
である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に各々少なくとも一層の、イエロ
    ーカプラーを含有し、その特定分光感度域が400nmから5
    20nmの間にあるように分光増感されたハロゲン化銀乳剤
    層(BL)、マゼンタカプラーを含有し、その特定感度域
    が470nmから600nmの間にあるように分光増感されたハロ
    ゲン化銀乳剤層(GL)、及びシアンカプラーを含有し、
    その特定感度域が540nmから740nmの間にあるように分光
    増感されたハロゲン化銀乳剤層(RL)を、それぞれ有す
    る反転カラー写真感光材料において;GLの分光感度分布
    の重心感度波長()が約520nmから580nmの間にあ
    り、RLの分光感度分布の重心感度波長()が約590n
    mから650nmの間にあり、BLの分光感度分布の重心感度波
    長()が約430nmから480nmの間にあり、かつ少なく
    ともGLとRLの間に少なくとも2層の非感光性中間層を有
    し、かつGLとRLの間の非感光性中間層の内のGLに隣接し
    た層に表面および/または内部をかぶらせたハロゲン化
    銀粒子を含有することを特徴とする反転カラー写真感光
    材料。
  2. 【請求項2】黒白ネガ現像の際に重層効果を発現し、か
    つ実質的に画像色素を形成しない少なくとも1つのハロ
    ゲン化銀乳剤層(ICL)を有する請求項(1)記載の反
    転カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】ICL中に発色現像の際に重層効果を発現
    し、かつ実質的に画像色素を形成しない化合物を含有す
    る請求項(1)又は(2)記載の反転カラー写真感光材
    料。
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