JP2651663B2 - 吸引カップ - Google Patents

吸引カップ

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JP2651663B2
JP2651663B2 JP33833894A JP33833894A JP2651663B2 JP 2651663 B2 JP2651663 B2 JP 2651663B2 JP 33833894 A JP33833894 A JP 33833894A JP 33833894 A JP33833894 A JP 33833894A JP 2651663 B2 JP2651663 B2 JP 2651663B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、開放端を肌に密着させ
てその内部の空気を吸引し、負圧により肌に吸着させる
吸引カップに関する。
【0002】
【従来の技術】内部を負圧にした吸引カップを肌に吸着
させ、肌に付着した埃や老廃物の除去、肌の血行を良く
して新陳代謝を促すことなどが従来より行われていた。
ところで図5および図6に示す従来の吸引カップ1は、
一方の開放端が肌に密着される開口部3となっており、
また配管取付部11を有する逆止弁9が他方に取り付け
られているだけの極めて単純な構成であった。
【0003】そして図5に示すように使用時には、吸引
ポンプ(図示せず)に接続されている配管47を配管取
付部11に取り付けて吸引カップ1内の空気を抜き、肌
49の毛穴などに付着している埃や老廃物などを浮き上
がらせる。さらに吸引カップ1内の負圧が高まると、図
6に示すように肌49が吸引カップ1内に吸い込まれ、
その部分が刺激されて血行が良好となり肌の新陳代謝が
促される。なお、この図6に示す状態になった時には配
管47を取り外し、吸引カップ1内の負圧を逆止弁9の
作用および吸引カップ1の開口部3と肌49との密着に
よって保てば、吸引カップ1を肌49に吸着させておく
ことができる。
【0004】次に背中などの広い面積に使用する場合に
は、吸引カップ1を複数個用いることがあるが、上述の
ように、吸引カップ1は配管47を取り外しても肌49
に吸着させておくことができるので、個々の吸引カップ
1に対して配管47を同時に接続する必要はなく、一つ
の配管47を用いてそれぞれの吸引カップ1を順に肌4
9に吸着させることができるので、吸引ポンプや配管は
一組でよい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すように肌4
9に吸着している吸引カップ1を肌49から取り外す場
合、吸引カップ1内の負圧に抗してこの吸引カップ1を
引きはがすために非常に大きな力を必要とする。しかも
その際に肌49は引っ張られるから、この吸引カップ1
が取り付けられている人に苦痛を与えてしまう。
【0006】なお図6に示した状態で、逆止弁9の配管
取付部11の孔からピンなどを差し込み、内部のボール
などの機構部品を操作して逆止弁9の作用を解除し、吸
引カップ1内の負圧を減少させることはできるが、この
ような操作は、逆止弁9の本来の操作ではないので、手
間がかかる割に吸引カップ1内の負圧を速やかに減少さ
せることができなかった。なお、逆止弁9は吸引カップ
1の逆止弁取付部5に着脱可能に取り付けられている
が、吸引カップ1内が負圧である時は吸引カップ1に密
着されてしまうため、吸引カップ1から逆止弁9を取り
外すことは困難である。
【0007】また図5に示すように肌49の表面の多く
は湾曲しているから、吸引カップ1を肌49上に載置し
ただけでは開口部3と肌49との間にはほとんどの場
合、隙間ができてしまう。この隙間を有する状態では吸
引カップ1内を負圧状態にすることができず、操作者は
吸引カップ1を押圧して開口部3を肌49に密着させな
くてはならない。この間、操作者は吸引カップ1を保持
しなくてはならないので、次の作業の準備ができず作業
を効率よく行うことができなかった。
【0008】本発明は上述した問題を解決し、内部の負
圧状態を速やかに解除でき、また、肌に容易に吸着させ
ることができる吸引カップを提供することを目的とす
る。
【0009】なお負圧解除孔と吸着パッド(シール部
材)とを備える吸引カップが特開平3−158155号
公報(先願)の豊胸器具の出願に開示されている。しか
しながらこれらの負圧解除孔および吸着パッドの構成で
は上述の問題を完全に解決することができなかった。
【0010】つまりこの先願の負圧解除孔は、操作者の
指によって塞がれるものであり、吸引カップの使用中に
おいてひたすら操作者の手を煩わせ、3個以上の吸引カ
ップを一人の操作者で扱うことなどは到底できない。
【0011】またこの先願の吸着パッドは、吸引カップ
の開口端縁に添着されており、使用時には吸引カップと
肌との間に位置するものである。したがってこの吸着パ
ッドは基本的に吸引カップの開口端縁に倣うので、吸引
カップを肌に載置しただけでは肌の凹凸に追従すること
がなく、従来と同様に吸引カップを肌に押圧する必要が
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の吸引カップは、
直立させかつ肌にその開放端を密着させて内部の空気を
吸引し、負圧により肌に吸着させる吸引カップにおい
て、上記吸引カップの壁部の所定位置に設けられた負圧
解除孔と、上記吸引カップの外部からこの負圧解除孔
に嵌脱が自在でかつ変形によりこの吸引カップの内外を
連通できる蓋と、この蓋に嵌着させることによりこの蓋
の変形を阻止できる蓋固定部材とを備えることを特徴と
するものである。
【0013】なお、上記負圧解除孔に蓋取付部材を嵌着
し、上記蓋はこの蓋取付部材を介して上記負圧解除孔に
嵌脱されるようにしてもよい。
【0014】また上記負圧解除孔に嵌合された蓋および
/または上記蓋取付部材を吸引カップの上記外部側に突
出させて、上記吸引カップを肌から取り外し横倒させた
とき、この吸引カップの転動が妨げられるようにしても
よい。
【0015】さらに上記吸引カップの開放端を囲繞して
シール部材を取り付け、このシール部材にはラッパ状に
広がりかつ弾性材から成るスカートを設けたものが好ま
しい
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の吸引カップ
の実施例につき説明する。図1は吸引カップ1の分解斜
視図で、本発明の要部である蓋23およびシール部材4
1は、吸引カップ1から取り外した状態で示してある。
【0017】この吸引カップ1の基本的な構成は従来の
ものと同様で、一方の開放端が肌に密着される開口部3
になっており、配管取付部11を有する逆止弁9が他方
の端に取り付けられている。そして図示の実施例では壁
部のうち、吸引カップ1の軸線とほぼ平行になっている
部分に開口7が形成されている。この実施例では、開口
7を閉じるために蓋取付部材15、蓋23、蓋固定部材
35が組み合わされて用いられる。蓋取付部材15、蓋
23は、ゴムなどで成形され、特に蓋23は変形が容易
なように肉抜きされている。そして蓋固定部材35は、
金属あるいは合成樹脂などで成形されて、蓋23に嵌着
された際に、蓋23の変形を効果的に阻止できるように
構成されている。
【0018】蓋取付部材15は図1に示すように、リン
グ状で中心に負圧解除孔22を有し、内側フランジ17
と外側フランジ21との間に開口7の周縁と嵌合する嵌
合溝19が形成されている。また、蓋23は負圧解除孔
22に挿入される挿入部31とこの挿入部31の後端に
形成されたフランジ25とを有し、このフランジ25に
はリブ27と切り欠き29とが交互に形成されている。
またこのフランジ25側には、その中心に凹部33が設
けられている。次に蓋固定部材35は、この蓋23の切
り欠き29に嵌合する嵌合フランジ37と上記凹部33
に嵌合する嵌合凸部39とを有している。そして上記蓋
取付部材15、蓋23および蓋固定部材35は、吸引カ
ップ1の断面図である図2に示されるように組み合わさ
れて開口7を閉じる。
【0019】次に、吸引カップ1の開口部3にはシール
部材41が取り付けられる。このシール部材41のスカ
ート部45は、取付部43からラッパ状に広がりかつ弾
性材から成る。このシール部材41には、肌への密着
性、肌の湾曲に対する追従性や、耐久性などが要求され
るので、弾性材としてシリコンゴムなどを用いるのが好
ましい。図2の断面図に示すように取付部43が開口部
3の外周に沿って嵌着され、スカート部45が取付部4
3からラッパ状に広がり開口部3から突出する。
【0020】図3は本発明の吸引カップ1の使用初期状
態を示す断面図である。図示のように肌49が湾曲して
いてもシール部材41のスカート部45がその湾曲に追
従して肌49に密着する。したがって、この状態で配管
47を接続し吸引カップ1内の空気を吸引すれば直ちに
吸引カップ1がシール部材41を介して肌49に吸着さ
れ、操作者はすぐに次の作業(たとえば次の吸引カップ
の装着準備など)を行うことができる。なお、シール部
材41のスカート部45が、開口部3からラッパ状に広
がるようになっているので、吸引時にシール部材41
が、吸引カップ1内に引き込まれることはない。
【0021】図4は本発明の吸引カップ1の吸引完了状
態を示す断面図である。吸引完了時には図示のように肌
49が吸引カップ1内に吸引されるので、開口部3の全
周が肌49と密着し、吸引カップ1は肌49上に確実に
吸着される。
【0022】この吸引カップ1を肌49から取り外す際
には、まず蓋固定部材35を蓋23から取り外し、蓋2
3のリブ27をつまんで蓋23を変形させて吸引カップ
1の内外を連通させる。もし負圧が大きく、蓋23を蓋
取付部材15から引きはがすことが不可能な時には、リ
ブ27を負圧解除孔22に向けてこじり、この蓋23を
変形させて負圧解除孔22内に落とし込むようにする。
するとこの蓋23は吸引カップ1内の負圧により負圧解
除孔22から吸引カップ1内に吸い込まれ、負圧解除孔
22が開放される。このように蓋固定部材35は、蓋2
3の変形を防止し、蓋23の負圧解除孔22からの脱
落、あるいは負圧によりこの蓋23が吸引カップ1内に
吸い込まれるのを阻止する作用を果している。したがっ
て、この蓋固定部材35を用いることにより蓋23を大
径化することができ蓋23の取扱いが容易となる。
【0023】またこの蓋23は、吸引カップ1を寝かせ
て置く際の台として、あるいは回り止めとして利用する
ことができる。その際に蓋23を、その中心線が吸引カ
ップ1の軸線とほぼ直交するように設けておけば、吸引
カップ1が不測に転がり、損傷を生じるようなおそれが
ない。また実施例のように蓋取付部材15を開口7に嵌
合させておけば、蓋23が取り外された状態でもこの蓋
取付部材15を蓋23と同様に台あるいは回り止めとし
て利用することができる。
【0024】以上、本発明の実施例について述べたが、
本発明は上記実施例に限定されることなくさまざまな形
態を取り得る。たとえば、蓋23のフランジ25のリブ
27は、フランジ25からその軸線方向に突出している
が、このリブ27はフランジ25から径方向に突出する
ものであってもよい。また、リブ27、切り欠き29お
よび蓋固定部材35の嵌合フランジ37は実施例の4箇
所に限らず、蓋23の大きさなどに合わせて使い勝手の
よいように増減させてもよい。
【0025】さらに、シール部材41のスカート部45
に放射状や螺旋状などのリブを適宜設けて、肌49の凹
凸に対するシール部材41の密着性を向上させるように
してもよい。なお、吸引カップ1の形状についても、こ
の吸引カップ1を吸着させる身体部位の形状、使用目的
などに応じてさまざまな形状とすることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明の吸引カップによれば、直立させ
かつ肌にその開放端を密着させて内部の空気を吸引し、
負圧により肌に吸着させる吸引カップにおいて、上記吸
引カップの壁部の所定位置に設けられた負圧解除孔と、
上記吸引カップの外部からこの負圧解除孔に嵌脱が自
在でかつ変形によりこの吸引カップの内外を連通できる
蓋と、この蓋に嵌着させることによりこの蓋の変形を阻
止できる蓋固定部材とを備えているので、蓋を吸引カッ
プから取り外すことによって吸引カップ内の負圧を速や
かに解除して吸引カップを肌から容易に取り外すことが
できる。
【0027】また上記負圧解除孔に蓋取付部材を嵌着
し、上記蓋はこの蓋取付部材を介して上記負圧解除孔に
嵌脱されるので、この蓋を変形が容易な大きさおよび形
状にでき、蓋の嵌脱が非常に容易に行える。
【0028】また、この蓋は吸引カップの壁部から突出
しているので、吸引カップを寝かせて置く際の台あるい
は回り止めとして利用できる。
【0029】また、上記吸引カップの壁部の所定位置に
開口を形成し、この開口に取り付けられた蓋取付部材に
上記負圧解除孔が設けられていれば、蓋が取り外された
状態でもこの蓋取付部材が蓋と同様に台あるいは回り止
めとして利用できる。
【0030】さらに、上記吸引カップの開放端を囲繞し
てシール部材を取り付け、このシール部材にはラッパ状
に広がりかつ弾性材から成るスカートを設けたものは、
肌の湾曲している部分であってもこのスカート部が肌に
密着してこの吸引カップを容易に吸着させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸引カップの分解斜視図である。
【図2】本発明の吸引カップの断面図である。
【図3】本発明の吸引カップの使用初期状態を示す断面
図である。
【図4】本発明の吸引カップの吸引完了状態を示す断面
図である。
【図5】従来の吸引カップの使用初期状態を示す断面図
である。
【図6】従来の吸引カップの吸引完了状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 吸引カップ 3 開口部(開放端) 7 開口 15 蓋取付部材 22 負圧解除孔 23 蓋 35 蓋固定部材 41 シール部材 45 スカート部 49 肌

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直立させかつ肌にその開放端を密着させて
    内部の空気を吸引し、負圧により肌に吸着させる吸引カ
    ップにおいて、 上記吸引カップの壁部の所定位置に設けられた負圧解除
    孔と、 上記吸引カップの外部からこの負圧解除孔に嵌脱が自
    在でかつ変形によりこの吸引カップの内外を連通できる
    蓋と、 この蓋に嵌着させることによりこの蓋の変形を阻止でき
    る蓋固定部材とを備えることを特徴とする吸引カップ。
  2. 【請求項2】上記負圧解除孔に蓋取付部材を嵌着し、上
    記蓋はこの蓋取付部材を介して上記負圧解除孔に嵌脱さ
    れる請求項1記載の吸引カップ。
  3. 【請求項3】上記負圧解除孔に嵌合された蓋および/ま
    たは上記蓋取付部材を吸引カップの上記外部側に突出さ
    せて、上記吸引カップを肌から取り外し横倒させたと
    き、この吸引カップの転動が妨げられるようにした請求
    項1または2記載の吸引カップ。
  4. 【請求項4】上記吸引カップの開放端を囲繞してシール
    部材を取り付け、このシール部材にはラッパ状に広がり
    かつ弾性材から成るスカートを設けた請求項1、2また
    は3記載の吸引カップ。
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JP2019024675A (ja) * 2017-07-27 2019-02-21 株式会社レーベン 吸引器具

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