JP2650088B2 - 自動二輪車の車体構造 - Google Patents
自動二輪車の車体構造Info
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- JP2650088B2 JP2650088B2 JP9191495A JP9191495A JP2650088B2 JP 2650088 B2 JP2650088 B2 JP 2650088B2 JP 9191495 A JP9191495 A JP 9191495A JP 9191495 A JP9191495 A JP 9191495A JP 2650088 B2 JP2650088 B2 JP 2650088B2
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- Japan
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- frame
- engine
- tension
- rear frame
- tensile
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- Axle Suspensions And Sidecars For Cycles (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主パイプと下方に延び
る前部フレームと後部フレームとを有する車体フレーレ
ムと後部フレームに先端を枢支させたリヤアームを有
し、当該リヤアームを緩衝装置によって上下方向に支持
させ、前部フレーム下部と後部フレーム下部にエンジン
を取り付けた自動二輪車の車体構造に関するものであ
り、その車体フレームの曲げ、捩じりに対する剛性を飛
躍的に向上させることができ、さらに連結材として機能
を分担させられているエンジン、殊にエンジン下部のク
ランクケース、ミッションケースおよびその取り付け部
分に掛る負荷を軽減することができるものである。
る前部フレームと後部フレームとを有する車体フレーレ
ムと後部フレームに先端を枢支させたリヤアームを有
し、当該リヤアームを緩衝装置によって上下方向に支持
させ、前部フレーム下部と後部フレーム下部にエンジン
を取り付けた自動二輪車の車体構造に関するものであ
り、その車体フレームの曲げ、捩じりに対する剛性を飛
躍的に向上させることができ、さらに連結材として機能
を分担させられているエンジン、殊にエンジン下部のク
ランクケース、ミッションケースおよびその取り付け部
分に掛る負荷を軽減することができるものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車は主パイプから下方に延びる
前部フレームと後部フレームとを有し、主パイプの前端
に固定されたヘッドパイプにフロントフォークを回動自
在に支持させ、このフロントフォークに前輪を取り付
け、また、後部フレームに後輪を取り付けたリヤアーム
の前端を支持させ、当該リヤアームを油圧緩衝器、リン
ク等からなる種々の緩衝装置によって上下方向に支持さ
せている。そして、前部フレームと後部フレームとの間
にエンジンを配置し、エンジンの下部(クランクケース
およびミッションケースがこれに当たる)を前部フレー
ムの下部と、後部フレームの下部にそれぞれ取り付けて
いる自動二輪車の車体構造が知られている。ところで、
自動二輪車の車体構造としては主パイプから下方に延び
る前部フレームと後部フレームとをU型の一つのパイプ
材で構成するものがある。これが最も汎用されているも
のであるが、前部フレームと後部フレームとを下端がフ
リーの別体のパイプ材とし、その下部にエンジンを取り
付け、このエンジンを前部フレームの下部と後部フレー
ムの下部とを繋ぐ連結材として機能させるものがある。
この後者の構造は前者の車体構造に比して、車体フレー
ムの製造を容易にし、車体の軽量化を図る上で極めて有
効であり、殊に車体フレームが大型になりその重量の軽
量化が強く求められる大型自動二輪車において多用され
ているものである。本発明は後者の車体構造をその前提
技術とするものであるが、殊に大型の自動二輪車ではエ
ンジンの重量が極めて大きく、そのエンジンが前部フレ
ームの下部と後部フレームの下部とを繋ぐ連結材として
機能しているので、激しい上下方向の振動、激しい捩じ
りが車体に掛るとき、車体に歪み、捩じれが生じ、剛性
が不足するとこの車体の歪み、捩じれが小さくない。大
型の自動二輪車の安定性、操向性を一層向上させるに
は、車体構造の曲げ、捩じりに対する剛性をさらに高く
することが求められる。他方、エンジンは前部フレーム
の下部と後部フレームの下部とを繋ぐ連結材として機能
するので、その下部および取付部に衝撃的で大きな繰り
返し荷重が作用する。このためにエンジンの各部に劣
化、損傷(例えば、クランクケース、トランスミッショ
ンケースの締付ボルトの緩み、損傷等)を生じる恐れが
あるので、これに耐える強度が求められることになる。
他方、上記の問題を解消するために前部フレームおよび
後部フレームを強くし、エンジンの下部構造の強度を高
くするのでは無視し得ない重量増加を招くので、後者の
車体構造の利点が損なわれることになる。したがって、
前部フレームおよび後部フレーム自体の剛性を高め、ま
たエンジンの下部およびその取付部の強度を高めるとい
う方策は望ましい解決策ではない。
前部フレームと後部フレームとを有し、主パイプの前端
に固定されたヘッドパイプにフロントフォークを回動自
在に支持させ、このフロントフォークに前輪を取り付
け、また、後部フレームに後輪を取り付けたリヤアーム
の前端を支持させ、当該リヤアームを油圧緩衝器、リン
ク等からなる種々の緩衝装置によって上下方向に支持さ
せている。そして、前部フレームと後部フレームとの間
にエンジンを配置し、エンジンの下部(クランクケース
およびミッションケースがこれに当たる)を前部フレー
ムの下部と、後部フレームの下部にそれぞれ取り付けて
いる自動二輪車の車体構造が知られている。ところで、
自動二輪車の車体構造としては主パイプから下方に延び
る前部フレームと後部フレームとをU型の一つのパイプ
材で構成するものがある。これが最も汎用されているも
のであるが、前部フレームと後部フレームとを下端がフ
リーの別体のパイプ材とし、その下部にエンジンを取り
付け、このエンジンを前部フレームの下部と後部フレー
ムの下部とを繋ぐ連結材として機能させるものがある。
この後者の構造は前者の車体構造に比して、車体フレー
ムの製造を容易にし、車体の軽量化を図る上で極めて有
効であり、殊に車体フレームが大型になりその重量の軽
量化が強く求められる大型自動二輪車において多用され
ているものである。本発明は後者の車体構造をその前提
技術とするものであるが、殊に大型の自動二輪車ではエ
ンジンの重量が極めて大きく、そのエンジンが前部フレ
ームの下部と後部フレームの下部とを繋ぐ連結材として
機能しているので、激しい上下方向の振動、激しい捩じ
りが車体に掛るとき、車体に歪み、捩じれが生じ、剛性
が不足するとこの車体の歪み、捩じれが小さくない。大
型の自動二輪車の安定性、操向性を一層向上させるに
は、車体構造の曲げ、捩じりに対する剛性をさらに高く
することが求められる。他方、エンジンは前部フレーム
の下部と後部フレームの下部とを繋ぐ連結材として機能
するので、その下部および取付部に衝撃的で大きな繰り
返し荷重が作用する。このためにエンジンの各部に劣
化、損傷(例えば、クランクケース、トランスミッショ
ンケースの締付ボルトの緩み、損傷等)を生じる恐れが
あるので、これに耐える強度が求められることになる。
他方、上記の問題を解消するために前部フレームおよび
後部フレームを強くし、エンジンの下部構造の強度を高
くするのでは無視し得ない重量増加を招くので、後者の
車体構造の利点が損なわれることになる。したがって、
前部フレームおよび後部フレーム自体の剛性を高め、ま
たエンジンの下部およびその取付部の強度を高めるとい
う方策は望ましい解決策ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の問題の
解消を目的とし、そのために、重量増加を可及的に小さ
くしつつ、車体フレームの剛性を向上させ、さらにこれ
によってエンジンにかかる上記負荷を可及的に軽減でき
る新たな手段を工夫することをその課題とするものであ
る。
解消を目的とし、そのために、重量増加を可及的に小さ
くしつつ、車体フレームの剛性を向上させ、さらにこれ
によってエンジンにかかる上記負荷を可及的に軽減でき
る新たな手段を工夫することをその課題とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のために講
じた手段は「前部フレームの下端部と後部フレームの下
端部とに上記エンジンの下方に配置した略直線状の抗張
部材の前端、後端をそれぞれ着脱自在に連結し、この抗
張部材に張力を作用させるようにした」ことである。
じた手段は「前部フレームの下端部と後部フレームの下
端部とに上記エンジンの下方に配置した略直線状の抗張
部材の前端、後端をそれぞれ着脱自在に連結し、この抗
張部材に張力を作用させるようにした」ことである。
【0005】
【作 用】前部フレームの下端部と後部フレームの下端
部とに略直線状の抗張部材を着脱自在に連結し、この抗
張部材に張力を作用させるようにしたことによって、前
部フレームの下端部と後部フレームの下端部とが互いに
連結される。そして、この抗張部材はエンジンの下方に
位置するので、前部フレームの下部と後部フレームの下
部はエンジンと抗張部材とによって二重に連結される。
このためにエンジンと抗張部材とによる二重連結構造に
よって前部フレームの下部と後部フレームの下部とが連
結されることになり、フレームの剛性が飛躍的に向上す
る。そして、この抗張部材はフレームとは別体の抗張部
材であるから、軽量で、比較的細い部材によって所期の
強さを容易に確保することができる。したがって、格別
の重量増加を招来することなく、車体フレームの剛性を
向上させることができる。また、エンジンと抗張部材と
からなる上記二重連結構造は、曲げに対しては下方に位
置する抗張部材が引っ張り側となり、このためにエンジ
ンにかかる上記荷重が著しく軽減される。したがって、
上記荷重に対してエンジンは十分保護される。
部とに略直線状の抗張部材を着脱自在に連結し、この抗
張部材に張力を作用させるようにしたことによって、前
部フレームの下端部と後部フレームの下端部とが互いに
連結される。そして、この抗張部材はエンジンの下方に
位置するので、前部フレームの下部と後部フレームの下
部はエンジンと抗張部材とによって二重に連結される。
このためにエンジンと抗張部材とによる二重連結構造に
よって前部フレームの下部と後部フレームの下部とが連
結されることになり、フレームの剛性が飛躍的に向上す
る。そして、この抗張部材はフレームとは別体の抗張部
材であるから、軽量で、比較的細い部材によって所期の
強さを容易に確保することができる。したがって、格別
の重量増加を招来することなく、車体フレームの剛性を
向上させることができる。また、エンジンと抗張部材と
からなる上記二重連結構造は、曲げに対しては下方に位
置する抗張部材が引っ張り側となり、このためにエンジ
ンにかかる上記荷重が著しく軽減される。したがって、
上記荷重に対してエンジンは十分保護される。
【0006】
【実施態様1】上記抗張部材に張力を掛けた状態で組み
付けること。
付けること。
【0007】
【作 用】エンジンを搭載し、抗張部材に張力を掛けた
状態でその前端、後端を前部フレームの下端部、後部フ
レームの下端部に連結する。これによって前部フレーム
の下端部と後部フレームの下端部とはエンジンの下方に
位置する略直線状の抗張部材によって互いに引っ張り合
うように連結される。抗張部材に張力を掛けて組み付け
ることにより、前部フレームと後部フレームに車体前後
方向の力が予め加えられるので、曲げ、捩じりに対する
車体フレーム自体の剛性は極めて高くなる。また、この
ために前輪、後輪に作用する垂直荷重が車体フレームに
掛ったときの曲げモーメントによる、エンジン下部に掛
る引張力は著しく軽減される。
状態でその前端、後端を前部フレームの下端部、後部フ
レームの下端部に連結する。これによって前部フレーム
の下端部と後部フレームの下端部とはエンジンの下方に
位置する略直線状の抗張部材によって互いに引っ張り合
うように連結される。抗張部材に張力を掛けて組み付け
ることにより、前部フレームと後部フレームに車体前後
方向の力が予め加えられるので、曲げ、捩じりに対する
車体フレーム自体の剛性は極めて高くなる。また、この
ために前輪、後輪に作用する垂直荷重が車体フレームに
掛ったときの曲げモーメントによる、エンジン下部に掛
る引張力は著しく軽減される。
【0008】
【実施態様2】抗張部材をいわゆるターンバックルによ
る張力部材としたこと。
る張力部材としたこと。
【0009】
【作 用】抗張部材の有効長さを自由に調節できるの
で、車体フレームに組み付けるときの組み付け作業が極
めて簡単であり、さらにその張力の調整が極めて容易で
ある。さらに供用期間中においても、その張力を容易に
調整できるので、車体フレームの曲げ、捩じりに対する
剛性、換言すると車体フレームの堅さを適宜調節するこ
とができる。
で、車体フレームに組み付けるときの組み付け作業が極
めて簡単であり、さらにその張力の調整が極めて容易で
ある。さらに供用期間中においても、その張力を容易に
調整できるので、車体フレームの曲げ、捩じりに対する
剛性、換言すると車体フレームの堅さを適宜調節するこ
とができる。
【0010】
【実 施 例】次いで図面を参照しつつ実施例を説明す
る。車体フレーム1はヘッドパイプから後方に延びる主
パイプ3と、下方斜め後方に延びる前部フレーム4と、
下方斜め後方に延びる後部フレーム5とを有し、左右の
後部フレーム5、5の下端はクロス部材19によって互
いに連結されている。前部フレーム4のステー6にボル
ト8、9によってエンジン2の下部の前方部を取り付
け、また後部フレームのブラケット7にボルト10によ
ってエンジン2の下部の後方部を取り付けている。この
ボルト10によってリヤアーム11の前端を枢支させて
いる。リヤアーム11は後輪12を支持するものである
が、この実施例においては、車体中央に配置された一つ
の油圧緩衝器18によって、リンク17を介して上下方
向に揺動自在に支持されている。前部フレーム4のステ
ー6にボルト16によって取付板14が固定されてお
り、この取付板はエンジン2の下方に延びており、この
取付板14の後端に左右一対の略直線状の抗張ロッド2
5(抗張部材)の先端がボルト26によって連結されて
いる。そして、当該抗張ロッド25の後端は後部フレー
ム5、5の下端を互いに連結するクロス部材19のブラ
ケット23、23にボルト軸24によってそれぞれ連結
されている。したがって、左右一対の抗張ロッド25は
エンジン2の下方に位置し、前部フレーム4の下端と後
部フレーム5の下端とを取付板14、クロス部材19を
介して前後方向に連結することになる。エンジン2も前
部フレーム4の下部と後部フレーム5の下部とを連結す
る連結材として機能するので、主パイプ3と前部フレー
ム4と後部フレーム5とエンジン2と抗張ロッド25と
によって一つの構造体が構成され、エンジン2の下方に
おいて前部フレームと後部フレームとを抗張ロッド25
によって連結するので、上記構造体の下部の強度、剛性
は極めて高い。上記抗張ロッド25は前後ロッド部材2
7、28と両ロッド部材を繋ぐ連結ボルト29とからな
り、この連結ボルト29は中央の六角部を挾んで、その
前、後に互いに方向が反対のネジ部があり、このネジ部
がロッド部材27、28の端面のネジ穴に螺合されてい
て、いわゆるターンバックルになっている。取付板1
4、クロス部材19のブラケット23にその前端、後端
を連結した後、連結ボルト29を回動させることによっ
て、抗張ロッド25の有効長さが伸縮する。短縮する方
向に連結ボルト29を回動させることによって抗張ロッ
ド25の張力が増大し、伸長する方向に連結ボルト29
を回動させることによって抗張ロッド25の張力が減少
する。組み付け時の抗張ロッド25の張力を増大させる
ほど、前部フレームの下端と後部フレームの下端とが互
いに強く引き寄せられ、エンジン2の下部を両フレーム
によって一層強く前後方向から締め付けるようになる。
抗張ロッド25をターンバックルにしたことによって、
製作誤差による取付板のボルト26とクロス部材19の
ボルト軸24の位置の狂いに関わりなく、抗張ロッド2
5の長さを調節することができる。したがって、その取
り付けを簡単、容易に行うことができる。取付板14に
は保護板13の前部が取り付けられ、保護板13の後部
の取付ボス15が上記クロス部材19のブラケット20
にボルト21、22によって取り付けられている。この
保護板はエンジンの下部を保護するカバーであり、従来
技術が備えているものである。ただし、この実施例の保
護板13には左右の連結ボルト29の六角部に対応する
位置にそれぞれ開口30、30が設けてあり、この開口
から工具を挿入して連結ボルト29を回動させることが
できるようにしている。この実施例における緩衝装置は
従来周知のリンク式のものであり、そのリンク機構17
は上記クロス部材19のブラケット23にボルト軸24
によって前端を連結されたL形のリンク17aと、後端
をリヤアーム下面のブラケットに連結されたリンクとか
らなるもので、リンク17aに緩衝器18の下端を連結
しているものである。緩衝器18によってリヤアーム1
1を下方に押し下げる力が作用するが、この支持力によ
ってリンク17aを介して後部フレーム5の下端が車両
後方に引っ張られる。この引張力に対しては抗張ロッド
25が抵抗部材として作用するので、リンク17aによ
って後部フレーム5の下端に作用する上記引張力による
後部フレームの歪みも著しく低減される。走行時にはリ
ヤアームが緩衝器の支持力に抗して上下に揺動するの
で、緩衝器18による支持力がリンク17aを介してブ
ラケット23、23に作用し、クロス部材19に捩じり
モーメントと曲げモーメントとが掛る。しかし、左右の
抗張ロッド25、25がブラケット23、23に対して
上記作用力とは反対方向の力を作用させるので、クロス
部材19に作用する力は極めて軽微になる。したがっ
て、クロス部材19の太さを従来のそれよりも小さくす
ることができる。
る。車体フレーム1はヘッドパイプから後方に延びる主
パイプ3と、下方斜め後方に延びる前部フレーム4と、
下方斜め後方に延びる後部フレーム5とを有し、左右の
後部フレーム5、5の下端はクロス部材19によって互
いに連結されている。前部フレーム4のステー6にボル
ト8、9によってエンジン2の下部の前方部を取り付
け、また後部フレームのブラケット7にボルト10によ
ってエンジン2の下部の後方部を取り付けている。この
ボルト10によってリヤアーム11の前端を枢支させて
いる。リヤアーム11は後輪12を支持するものである
が、この実施例においては、車体中央に配置された一つ
の油圧緩衝器18によって、リンク17を介して上下方
向に揺動自在に支持されている。前部フレーム4のステ
ー6にボルト16によって取付板14が固定されてお
り、この取付板はエンジン2の下方に延びており、この
取付板14の後端に左右一対の略直線状の抗張ロッド2
5(抗張部材)の先端がボルト26によって連結されて
いる。そして、当該抗張ロッド25の後端は後部フレー
ム5、5の下端を互いに連結するクロス部材19のブラ
ケット23、23にボルト軸24によってそれぞれ連結
されている。したがって、左右一対の抗張ロッド25は
エンジン2の下方に位置し、前部フレーム4の下端と後
部フレーム5の下端とを取付板14、クロス部材19を
介して前後方向に連結することになる。エンジン2も前
部フレーム4の下部と後部フレーム5の下部とを連結す
る連結材として機能するので、主パイプ3と前部フレー
ム4と後部フレーム5とエンジン2と抗張ロッド25と
によって一つの構造体が構成され、エンジン2の下方に
おいて前部フレームと後部フレームとを抗張ロッド25
によって連結するので、上記構造体の下部の強度、剛性
は極めて高い。上記抗張ロッド25は前後ロッド部材2
7、28と両ロッド部材を繋ぐ連結ボルト29とからな
り、この連結ボルト29は中央の六角部を挾んで、その
前、後に互いに方向が反対のネジ部があり、このネジ部
がロッド部材27、28の端面のネジ穴に螺合されてい
て、いわゆるターンバックルになっている。取付板1
4、クロス部材19のブラケット23にその前端、後端
を連結した後、連結ボルト29を回動させることによっ
て、抗張ロッド25の有効長さが伸縮する。短縮する方
向に連結ボルト29を回動させることによって抗張ロッ
ド25の張力が増大し、伸長する方向に連結ボルト29
を回動させることによって抗張ロッド25の張力が減少
する。組み付け時の抗張ロッド25の張力を増大させる
ほど、前部フレームの下端と後部フレームの下端とが互
いに強く引き寄せられ、エンジン2の下部を両フレーム
によって一層強く前後方向から締め付けるようになる。
抗張ロッド25をターンバックルにしたことによって、
製作誤差による取付板のボルト26とクロス部材19の
ボルト軸24の位置の狂いに関わりなく、抗張ロッド2
5の長さを調節することができる。したがって、その取
り付けを簡単、容易に行うことができる。取付板14に
は保護板13の前部が取り付けられ、保護板13の後部
の取付ボス15が上記クロス部材19のブラケット20
にボルト21、22によって取り付けられている。この
保護板はエンジンの下部を保護するカバーであり、従来
技術が備えているものである。ただし、この実施例の保
護板13には左右の連結ボルト29の六角部に対応する
位置にそれぞれ開口30、30が設けてあり、この開口
から工具を挿入して連結ボルト29を回動させることが
できるようにしている。この実施例における緩衝装置は
従来周知のリンク式のものであり、そのリンク機構17
は上記クロス部材19のブラケット23にボルト軸24
によって前端を連結されたL形のリンク17aと、後端
をリヤアーム下面のブラケットに連結されたリンクとか
らなるもので、リンク17aに緩衝器18の下端を連結
しているものである。緩衝器18によってリヤアーム1
1を下方に押し下げる力が作用するが、この支持力によ
ってリンク17aを介して後部フレーム5の下端が車両
後方に引っ張られる。この引張力に対しては抗張ロッド
25が抵抗部材として作用するので、リンク17aによ
って後部フレーム5の下端に作用する上記引張力による
後部フレームの歪みも著しく低減される。走行時にはリ
ヤアームが緩衝器の支持力に抗して上下に揺動するの
で、緩衝器18による支持力がリンク17aを介してブ
ラケット23、23に作用し、クロス部材19に捩じり
モーメントと曲げモーメントとが掛る。しかし、左右の
抗張ロッド25、25がブラケット23、23に対して
上記作用力とは反対方向の力を作用させるので、クロス
部材19に作用する力は極めて軽微になる。したがっ
て、クロス部材19の太さを従来のそれよりも小さくす
ることができる。
【0011】
【効 果】本発明の上記の課題を解決した発明は未だ公
知ではない。したがって、上記課題を解決して従来技術
の問題を解消したこと自体が本発明特有の効果である。
すなわち、本発明は、前記の前提となる自動二輪車の車
体フレームについて、その重量の増加を招くことなく、
その曲げ、捩じりに対する剛性を著しく向上させ、また
エンジンの下部に掛る引張力を著しく軽減して、過剰の
引張力によるエンジン下部の劣化、損傷を回避すること
ができたものである。また、抗張部材の有効長を調節自
在にすることによって、その組み付けを簡単・容易にす
ることができるとともに車体フレームの曲げ、捩じりに
対する剛性(車体フレームの堅さ)を適宜調節すること
ができる。
知ではない。したがって、上記課題を解決して従来技術
の問題を解消したこと自体が本発明特有の効果である。
すなわち、本発明は、前記の前提となる自動二輪車の車
体フレームについて、その重量の増加を招くことなく、
その曲げ、捩じりに対する剛性を著しく向上させ、また
エンジンの下部に掛る引張力を著しく軽減して、過剰の
引張力によるエンジン下部の劣化、損傷を回避すること
ができたものである。また、抗張部材の有効長を調節自
在にすることによって、その組み付けを簡単・容易にす
ることができるとともに車体フレームの曲げ、捩じりに
対する剛性(車体フレームの堅さ)を適宜調節すること
ができる。
【図1】実施例の側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2におけるB−B矢視断面図を右側に、B−
C矢視断面図を左側に同時に図示した断面図である。
C矢視断面図を左側に同時に図示した断面図である。
【図4】図2におけるA−A断面図である。
1・・・車体フレーム 2・・・エンジン 3・・・主パイプ 4・・・前部フレーム 5・・・後部フレーム 6・・・ステー 7、20・・・ブラケット 8、9、10、26・・・ボルト 11・・・リヤアーム 14・・・取付板 17・・・リンク機構 17a・・・リンク 18・・・緩衝器 19・・・クロス部材 23・・・ブラケット 24・・・ボルト軸 25・・・抗張ロッド(抗張部材) 27、28・・・ロッド部材 29・・・連結ボルト
Claims (2)
- 【請求項1】主パイプと下方に延びる前部フレームと後
部フレームとを有する車体フレームと後部フレームに先
端を枢支させたリヤアームを有し、当該リヤアームを緩
衝装置によって上下方向に支持させ、前部フレーム下部
と後部フレーム下部にエンジンを取り付けた自動二輪車
の車体構造において、 前部フレームの下端部と後部フレームの下端部とに上記
エンジンの下方に配置した略直線状の抗張部材の前端、
後端をそれぞれ着脱自在に連結し、この抗張部材に張力
を作用させるようにした自動二輪車の車体構造。 - 【請求項2】請求項1記載の抗張部材をターンバックル
とした自動二輪車の車体構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9191495A JP2650088B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 自動二輪車の車体構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9191495A JP2650088B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 自動二輪車の車体構造 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60252870A Division JPH0790830B2 (ja) | 1985-11-13 | 1985-11-13 | 自動二輪車の緩衝器リンク取付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08244666A JPH08244666A (ja) | 1996-09-24 |
JP2650088B2 true JP2650088B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=14039861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9191495A Expired - Fee Related JP2650088B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 自動二輪車の車体構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2650088B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006321461A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | Auto Magic:Kk | 自動二輪車のステー |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP9191495A patent/JP2650088B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08244666A (ja) | 1996-09-24 |
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