JP2644879B2 - 直動形ロータリサーボ弁並びにこれを用いた圧延機 - Google Patents
直動形ロータリサーボ弁並びにこれを用いた圧延機Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は直動形のロータリサーボ弁とこのロータリサ
ーボ弁が用いられる圧延機に関する。
ーボ弁が用いられる圧延機に関する。
従来のロータリサーボ弁としては、実開昭第63−5397
2号公報に記載されているような直動形ロータリサーボ
弁が知られている。この直動形ロータリサーボ弁は、ケ
ーシング内に、回動可能に設けられた弁体と、この弁体
に一体的に結合され駆動指令によって駆動される円板状
の回転子(可動子)と、固定子とを備えており、さらに
固定子と回転子(可動子)との間の空間には粘性流体が
満たされている。そして、この粘性流体の粘性抵抗によ
って回転子(可動子)や弁体等の可動部に減衰を与えて
いる。
2号公報に記載されているような直動形ロータリサーボ
弁が知られている。この直動形ロータリサーボ弁は、ケ
ーシング内に、回動可能に設けられた弁体と、この弁体
に一体的に結合され駆動指令によって駆動される円板状
の回転子(可動子)と、固定子とを備えており、さらに
固定子と回転子(可動子)との間の空間には粘性流体が
満たされている。そして、この粘性流体の粘性抵抗によ
って回転子(可動子)や弁体等の可動部に減衰を与えて
いる。
上記従来技術においては、固定子と可動子の間の空間
に流体を満たし、その粘性抵抗によって減衰を与える方
法を使用することは非常に有利であった。つまり、簡便
である上、流体の粘性抵抗は正規の運動方向以外の方向
にも減衰効果を発揮するため、特に可動部の中で機械強
度上最も弱い可動子の周りの空間に粘性流体を満たすこ
とによって、可動子や振動や衝撃などの外乱による損傷
から保護することができるからである。
に流体を満たし、その粘性抵抗によって減衰を与える方
法を使用することは非常に有利であった。つまり、簡便
である上、流体の粘性抵抗は正規の運動方向以外の方向
にも減衰効果を発揮するため、特に可動部の中で機械強
度上最も弱い可動子の周りの空間に粘性流体を満たすこ
とによって、可動子や振動や衝撃などの外乱による損傷
から保護することができるからである。
しかし、粘性流体の粘性抵抗は温度によって変化する
ため、駆動電源及び駆動手段の発熱により使用中に減衰
特性が変化するという問題があった。特に、可動部(弁
体)に対して高速応答性を要求する場合には、粘性抵抗
が可動子に与える抵抗力は可動子の速度に比例するため
より大きな駆動エネルギーが必要となり、駆動電源及び
駆動手段の発熱が大きくなり、減衰特性はさらに不安定
になる。
ため、駆動電源及び駆動手段の発熱により使用中に減衰
特性が変化するという問題があった。特に、可動部(弁
体)に対して高速応答性を要求する場合には、粘性抵抗
が可動子に与える抵抗力は可動子の速度に比例するため
より大きな駆動エネルギーが必要となり、駆動電源及び
駆動手段の発熱が大きくなり、減衰特性はさらに不安定
になる。
また、可動部の慣性負荷が大きい場合も大きな駆動エ
ネルギーを必要とするため、駆動電源及び駆動手段の大
形化により発熱量が増加し、減衰特性を不安定にする原
因となり得る。
ネルギーを必要とするため、駆動電源及び駆動手段の大
形化により発熱量が増加し、減衰特性を不安定にする原
因となり得る。
さらに、上記従来技術のように、粘性流体のみによっ
て可動部に減衰を付与しようとする場合、減衰量又は特
性の細かい調整を行うことができず、使用条件に最適な
減衰特性をサーボ弁に持たせることができなかった。
て可動部に減衰を付与しようとする場合、減衰量又は特
性の細かい調整を行うことができず、使用条件に最適な
減衰特性をサーボ弁に持たせることができなかった。
さらに、上述したような減衰特性が変化するサーボ弁
を圧延機に用いた場合には、圧延状態が不安定となり、
圧延材の板厚を所望の値に加工することが困難になる。
を圧延機に用いた場合には、圧延状態が不安定となり、
圧延材の板厚を所望の値に加工することが困難になる。
そこで、本発明の目的は、最適な減衰特性を安定して
維持することができる直動形ロータリサーボ弁を提供す
ることにある。
維持することができる直動形ロータリサーボ弁を提供す
ることにある。
また、本発明の他の目的は、安定した圧延状態を保つ
ことができる圧延機を提供することにある。
ことができる圧延機を提供することにある。
本発明の直動形ロータリサーボ弁は、ケーシングと、
前記ケーシング内で回動可能に設けられ流体源からの圧
力流体を制御対象に供給制御する弁体と、前記ケーシン
グ内に固定された固定子と、前記弁体に一体的に結合さ
れ駆動指令によって駆動される可動子とを備え、前記固
定子と前記可動子との間に粘性流体を満たしてなる直動
形ロータリサーボ弁において、前記弁体に回動する軸方
向に貫通する円筒穴と、前記ケーシングに前記弁体の円
筒穴との間で制御オリフィスを形成する前記円筒穴の内
径と同等の外径かつ同心のスリーブと、前記弁体の角速
度を検出する手段と、この手段からの角速度信号を目標
値と比較し、その偏差に基づいて、前記弁体の運動に減
衰を与えるように前記可動子に駆動指令を与える制御手
段とを備えたものである。
前記ケーシング内で回動可能に設けられ流体源からの圧
力流体を制御対象に供給制御する弁体と、前記ケーシン
グ内に固定された固定子と、前記弁体に一体的に結合さ
れ駆動指令によって駆動される可動子とを備え、前記固
定子と前記可動子との間に粘性流体を満たしてなる直動
形ロータリサーボ弁において、前記弁体に回動する軸方
向に貫通する円筒穴と、前記ケーシングに前記弁体の円
筒穴との間で制御オリフィスを形成する前記円筒穴の内
径と同等の外径かつ同心のスリーブと、前記弁体の角速
度を検出する手段と、この手段からの角速度信号を目標
値と比較し、その偏差に基づいて、前記弁体の運動に減
衰を与えるように前記可動子に駆動指令を与える制御手
段とを備えたものである。
また、本発明の圧延機は、流体圧源から圧下ジャッキ
に供給する高圧の作動流体を上述の本発明の直動形ロー
タリサーボ弁で制御し、圧延材に与える圧延荷重を制御
するものである。
に供給する高圧の作動流体を上述の本発明の直動形ロー
タリサーボ弁で制御し、圧延材に与える圧延荷重を制御
するものである。
以下、直動形ロータリサーボ弁を単に直動形サーボ弁
と呼ぶ場合もある。
と呼ぶ場合もある。
弁体に設けた回動する軸方向に貫通する円筒穴と、ケ
ーシングに設けた前記円筒穴の内径と同等の外径かつ同
心のスリーブとは、相対運動によって制御オリフィスの
開口面積が変化するように制御され、圧力流体の流れを
制御する。
ーシングに設けた前記円筒穴の内径と同等の外径かつ同
心のスリーブとは、相対運動によって制御オリフィスの
開口面積が変化するように制御され、圧力流体の流れを
制御する。
弁体を上述のような構造にすることにより、弁体の構
造が簡単となり、特に厚さを薄くできることから小形軽
量化が可能になる。従って、可動部(弁体)を小さい駆
動エネルギーで高速応答させることが可能になり、温度
上昇による粘性抵抗(減衰特性)の変化を抑制すること
ができる。
造が簡単となり、特に厚さを薄くできることから小形軽
量化が可能になる。従って、可動部(弁体)を小さい駆
動エネルギーで高速応答させることが可能になり、温度
上昇による粘性抵抗(減衰特性)の変化を抑制すること
ができる。
また、弁体の角速度を目標値と比較し、その偏差に基
づいて弁体の運動に減衰を与える制御手段は、駆動電源
及び駆動手段の発熱によって生じる粘性抵抗(減衰特
性)の変化分を補償する。さらに、粘性抵抗では調整不
可能な減衰量又は特性を使用条件に合わせて最適に調整
することを可能にする。
づいて弁体の運動に減衰を与える制御手段は、駆動電源
及び駆動手段の発熱によって生じる粘性抵抗(減衰特
性)の変化分を補償する。さらに、粘性抵抗では調整不
可能な減衰量又は特性を使用条件に合わせて最適に調整
することを可能にする。
以上のように、最適な減衰特性を安定して維持するこ
とができる直動形ロータリサーボ弁を提供することがで
きる。
とができる直動形ロータリサーボ弁を提供することがで
きる。
また、このような安定した減衰特性を有する直動形ロ
ータリサーボ弁を圧延機に用いることにより、圧延機は
安定した圧延状態を保つことができる。
ータリサーボ弁を圧延機に用いることにより、圧延機は
安定した圧延状態を保つことができる。
本発明の実施例を説明するに先立って、本発明の原理
を説明すると、本発明は、流体の粘性抵抗による減衰付
与方法は減衰力を可動部に直接作用させる方法である
が、速度帰還による減衰付与方法は純粋に制御系の特性
を変える方法なので抵抗となる減衰力が可動部に直接作
用することがないという性質、および、流体の粘性抵抗
による減衰効果は正規の運動方向以外の方法にも減衰効
果を発揮するという性質に基づいている。
を説明すると、本発明は、流体の粘性抵抗による減衰付
与方法は減衰力を可動部に直接作用させる方法である
が、速度帰還による減衰付与方法は純粋に制御系の特性
を変える方法なので抵抗となる減衰力が可動部に直接作
用することがないという性質、および、流体の粘性抵抗
による減衰効果は正規の運動方向以外の方法にも減衰効
果を発揮するという性質に基づいている。
そこで、本発明においては、流体の粘性抵抗による減
衰効果に速度帰還による減衰効果を加えて用いるように
し、流体の粘性抵抗による減衰効果は主に振動や衝撃な
どの外乱に対して可動子を保護するための防振効果を得
る目的で使用し、可動部の正規の運動方向についての減
衰付与方法としては主として速度帰還の方を使用するよ
うに構成している。こうすることによって、固定子と可
動子の間の空間に満たす粘性流体の粘度を小さくできる
ので、可動部に直接作用する抵抗力が小さくなり、減衰
を与えたことによる駆動力の損失が小さくなる結果、必
要な駆動エネルギーを小さくすることができるようにな
る。
衰効果に速度帰還による減衰効果を加えて用いるように
し、流体の粘性抵抗による減衰効果は主に振動や衝撃な
どの外乱に対して可動子を保護するための防振効果を得
る目的で使用し、可動部の正規の運動方向についての減
衰付与方法としては主として速度帰還の方を使用するよ
うに構成している。こうすることによって、固定子と可
動子の間の空間に満たす粘性流体の粘度を小さくできる
ので、可動部に直接作用する抵抗力が小さくなり、減衰
を与えたことによる駆動力の損失が小さくなる結果、必
要な駆動エネルギーを小さくすることができるようにな
る。
すなわち、入力信号eiから出力流体Qを至るまでのブ
ロック線図は、粘性流体の粘性抵抗のみの場合には第1
図に示すようになるが、これにサーボ弁可動部の速度帰
還を加えた場合には第2図に示すようになる。
ロック線図は、粘性流体の粘性抵抗のみの場合には第1
図に示すようになるが、これにサーボ弁可動部の速度帰
還を加えた場合には第2図に示すようになる。
これらの減衰の項を比較すると、後者の場合には速度
帰還の効果つまり速度帰還ゲインGVの分が加わるので、
その分だけ流体の粘性抵抗による粘性減衰係数c2を粘性
流体の粘性による減衰効果だけを用いた場合の粘性減衰
係数c1よりも小さくできことがわかる。つまり、固定子
と可動子の間の空間に満たす粘性流体の粘度を小さくで
きるのである。従って、粘性流体の粘度と可動部の速度
に比例して可動部に直接作用する抵抗力cxが小さくな
り、駆動力Fをより有効に使うことができるようにな
る。
帰還の効果つまり速度帰還ゲインGVの分が加わるので、
その分だけ流体の粘性抵抗による粘性減衰係数c2を粘性
流体の粘性による減衰効果だけを用いた場合の粘性減衰
係数c1よりも小さくできことがわかる。つまり、固定子
と可動子の間の空間に満たす粘性流体の粘度を小さくで
きるのである。従って、粘性流体の粘度と可動部の速度
に比例して可動部に直接作用する抵抗力cxが小さくな
り、駆動力Fをより有効に使うことができるようにな
る。
よって、可動部をx=a・sinωtを変位させるとき
の角速度ωと流体の粘性抵抗による抵抗力cxの関係は第
3図に示すようになり、例えば、角速度ωaまで駆動す
るために必要な駆動力はF0からF0′に低減され、あるい
は、駆動力F0で駆動可能な角速度はωaからωbに向上
する。すなわち、第3図中の斜線で示す領域の分だけ駆
動エネルギーを低減することができるのである。
の角速度ωと流体の粘性抵抗による抵抗力cxの関係は第
3図に示すようになり、例えば、角速度ωaまで駆動す
るために必要な駆動力はF0からF0′に低減され、あるい
は、駆動力F0で駆動可能な角速度はωaからωbに向上
する。すなわち、第3図中の斜線で示す領域の分だけ駆
動エネルギーを低減することができるのである。
しかも、本発明では、正規の運動状態での減衰付与方
法としては主に速度帰還による減衰効果の方法を用いて
おり、流体の粘性抵抗に依存する分Rc2よりも速度帰還
ゲインに依存する分KfGA・GVの方が大きくなるように、
粘性流体の粘度および速度帰還ゲインを設定しているの
で、より大きな駆動エネルギー低減の効果を得ることが
できる。
法としては主に速度帰還による減衰効果の方法を用いて
おり、流体の粘性抵抗に依存する分Rc2よりも速度帰還
ゲインに依存する分KfGA・GVの方が大きくなるように、
粘性流体の粘度および速度帰還ゲインを設定しているの
で、より大きな駆動エネルギー低減の効果を得ることが
できる。
従って、駆動力の損失が小さくなる結果、駆動エネル
ギーが小さくて済むようになり、駆動電流が大きくな
る。発熱量が大きくなる、制御装置が大形となる、ある
いは高い応答性を得ることが難しくなるなどの問題がな
くなる。
ギーが小さくて済むようになり、駆動電流が大きくな
る。発熱量が大きくなる、制御装置が大形となる、ある
いは高い応答性を得ることが難しくなるなどの問題がな
くなる。
また、流体の粘性抵抗があらゆる方向の外乱に対して
防振効果を発揮するので振動や衝撃などのような機械的
な外乱に対しても充分耐えることができ、特に外乱によ
る損傷を防ぐために可動子を補強しておく必要がないの
で可動子を軽構造にすることができ、可動部の慣性負荷
を小さくすることができる。従って、これによってもま
た駆動力の損失を少なくし駆動エネルギーを小さくする
ことができる。
防振効果を発揮するので振動や衝撃などのような機械的
な外乱に対しても充分耐えることができ、特に外乱によ
る損傷を防ぐために可動子を補強しておく必要がないの
で可動子を軽構造にすることができ、可動部の慣性負荷
を小さくすることができる。従って、これによってもま
た駆動力の損失を少なくし駆動エネルギーを小さくする
ことができる。
また、減衰特性を電気的に設定できるので使用条件に
適した特性に調整することが容易にでき、その上、たと
え温度によって流体の粘度を変化しても減衰特性はほと
んど変化しないので、常に安定した特性を得ることがで
きる。
適した特性に調整することが容易にでき、その上、たと
え温度によって流体の粘度を変化しても減衰特性はほと
んど変化しないので、常に安定した特性を得ることがで
きる。
さらに、固定子と可動子の間に空間に満たす粘性流体
は粘度の小さい流体で良いから、この流体を循環させる
ことができ、その循環経路中で熱交換を行えば、駆動手
段で発生した熱を効率良く外部に放出することが可能と
なるので温度上昇をより低く抑えることができる。
は粘度の小さい流体で良いから、この流体を循環させる
ことができ、その循環経路中で熱交換を行えば、駆動手
段で発生した熱を効率良く外部に放出することが可能と
なるので温度上昇をより低く抑えることができる。
また、速度帰還に用いる速度信号は速度検出器の出力
信号を用いるのが一般的であるが、変位検出器の出力信
号を微分した信号を用いれば、速度検出器が不要となり
サーボ弁の構造が簡単となる上、速度帰還用の信号線も
不要となるのでシステムの構成をより簡単にすることが
でき、より高い信頼性を実現することができる。
信号を用いるのが一般的であるが、変位検出器の出力信
号を微分した信号を用いれば、速度検出器が不要となり
サーボ弁の構造が簡単となる上、速度帰還用の信号線も
不要となるのでシステムの構成をより簡単にすることが
でき、より高い信頼性を実現することができる。
以下、本発明の一実施例を第4図ないし第10図を用い
て説明する。本実施例は直動形サーボ弁を用いて位置サ
ーボ系を構成した例を示す。
て説明する。本実施例は直動形サーボ弁を用いて位置サ
ーボ系を構成した例を示す。
まず、サーボ弁本体の構造と作用を説明する。
弁体1は、ケーシング2および3によって、弁体1よ
りも所定の厚み差だけ厚く成形されたスペーサ4ととも
にはさまれ、回動可能に設けられている。また、弁体1
の端面から突出し、ケーシング3を貫通した軸5には円
板状の可動子6が一体的に結合されている。
りも所定の厚み差だけ厚く成形されたスペーサ4ととも
にはさまれ、回動可能に設けられている。また、弁体1
の端面から突出し、ケーシング3を貫通した軸5には円
板状の可動子6が一体的に結合されている。
弁体1には、円筒穴7および貫通部8が設けられてお
り、一方、ケーシング2および3には、弁体1の円筒穴
7の内径と同等の外径に成形され、かつ円筒穴7と同心
に設けられたスリーブ9および10と、スリーブ9、10に
よって互いに分離されるように構成された流路11,12お
よび13,14がそれぞれ設けられ、流路11と13は貫通部8
を介して連通するように構成されている。そして、ケー
シング2において、スリーブ9の内径部には制御ポート
15が、流路11には供給ポート16が、また流路12には排出
ポート17がそれぞれ接続されている。
り、一方、ケーシング2および3には、弁体1の円筒穴
7の内径と同等の外径に成形され、かつ円筒穴7と同心
に設けられたスリーブ9および10と、スリーブ9、10に
よって互いに分離されるように構成された流路11,12お
よび13,14がそれぞれ設けられ、流路11と13は貫通部8
を介して連通するように構成されている。そして、ケー
シング2において、スリーブ9の内径部には制御ポート
15が、流路11には供給ポート16が、また流路12には排出
ポート17がそれぞれ接続されている。
従って、第6図および第7図に示すように、円筒穴7
の内縁とスリーブ9および10の外縁が一致しているとき
には、制御ポート15は供給ポート16、排出ポート17のい
ずれとも隔てられているので流体の流れは停止し中立状
態となるが、第8図および第9図に示すように、弁体1
が矢印の向きに変位したとすると、円筒穴7の内縁とス
リーブ9,10の外縁、および流路11,13の内外縁によって
囲まれる制御オリフィスが開口し、流体は供給ポート16
から制御ポート15へと流れる。また、弁体1が矢印と反
対の向きに変位すれば流体は制御ポート15から排出ポー
ト17へと流れる。すなわち正逆連続可変の3方弁を構成
している。
の内縁とスリーブ9および10の外縁が一致しているとき
には、制御ポート15は供給ポート16、排出ポート17のい
ずれとも隔てられているので流体の流れは停止し中立状
態となるが、第8図および第9図に示すように、弁体1
が矢印の向きに変位したとすると、円筒穴7の内縁とス
リーブ9,10の外縁、および流路11,13の内外縁によって
囲まれる制御オリフィスが開口し、流体は供給ポート16
から制御ポート15へと流れる。また、弁体1が矢印と反
対の向きに変位すれば流体は制御ポート15から排出ポー
ト17へと流れる。すなわち正逆連続可変の3方弁を構成
している。
一方、可動子6は磁石18およびヨークを兼ねるケーシ
ング3によって所定の間隔を持って回動可能に狭設され
ている。第10図に示すように、可動子6上には角度α毎
に円周方向に交互に巻方向が替わるように構成された複
数の巻線19が設けられており、これと同様に磁石18も各
種の極性が角度α毎に円周方向に交互に替わるように構
成されている。そして、弁体1と可動子6とは、弁部の
中立状態において、巻線19の各種の境目と磁石18の各種
の境目とが互いに角度α/2だけずれるように給合されて
いる。従って、巻線19に電流を流したときに各極で発生
する電磁力はすべて同じ向きのモーメントを生ずるよう
に作用し、弁体1を回動させる。
ング3によって所定の間隔を持って回動可能に狭設され
ている。第10図に示すように、可動子6上には角度α毎
に円周方向に交互に巻方向が替わるように構成された複
数の巻線19が設けられており、これと同様に磁石18も各
種の極性が角度α毎に円周方向に交互に替わるように構
成されている。そして、弁体1と可動子6とは、弁部の
中立状態において、巻線19の各種の境目と磁石18の各種
の境目とが互いに角度α/2だけずれるように給合されて
いる。従って、巻線19に電流を流したときに各極で発生
する電磁力はすべて同じ向きのモーメントを生ずるよう
に作用し、弁体1を回動させる。
さらに、磁石18の背面には角変位検出器20および角速
度検出器21が設けられており、これらの検出軸は弁体1
および可動子6に結合されている。
度検出器21が設けられており、これらの検出軸は弁体1
および可動子6に結合されている。
さて、制御対象22の位置制御を行うため、主フィール
ドバック信号として制御対象22に設けた変位検出器23の
出力信号24を帰還して制御装置25内で目標値26と比較
し、その偏差に応じてサーボ弁を駆動しアクチュエータ
の連動を制御するようにしているが、本実施例の直動形
サーボ弁では、さらに角度位検出器20の出力信号27も帰
還して弁体1の位置制御を行うように構成し、入力信号
に比例した出力流量が得られるようにしている。そし
て、ケーシング3に軸シール29を設けて弁部側と駆動部
側とを分離遮断し、可動子6と、固定子すなわちケーシ
ング3および磁石18との間の空間に粘性流体30を満たし
ている。さらに、角速度検出器21が出力した角速度信号
28を帰還して閉ループを構成し、速度帰還を行なってい
る。
ドバック信号として制御対象22に設けた変位検出器23の
出力信号24を帰還して制御装置25内で目標値26と比較
し、その偏差に応じてサーボ弁を駆動しアクチュエータ
の連動を制御するようにしているが、本実施例の直動形
サーボ弁では、さらに角度位検出器20の出力信号27も帰
還して弁体1の位置制御を行うように構成し、入力信号
に比例した出力流量が得られるようにしている。そし
て、ケーシング3に軸シール29を設けて弁部側と駆動部
側とを分離遮断し、可動子6と、固定子すなわちケーシ
ング3および磁石18との間の空間に粘性流体30を満たし
ている。さらに、角速度検出器21が出力した角速度信号
28を帰還して閉ループを構成し、速度帰還を行なってい
る。
ただし、可動子が連動する際には流体の粘性抵抗によ
っても減衰が付与される。そこで、本実施例において
は、流体の粘性抵抗による減衰効果は主に振動や衝撃な
どの外乱に対して可動子を保護する目的で使用し、正常
な運動状態での減衰付与方法としては主として速度帰還
による減衰効果の方を使用している。すなわち、正規の
運動方向については、流体の粘性抵抗による減衰効果よ
りも速度帰還による減衰効果の方が大きくなるように、
粘性流体の粘度および速度帰還ゲインを設定している。
っても減衰が付与される。そこで、本実施例において
は、流体の粘性抵抗による減衰効果は主に振動や衝撃な
どの外乱に対して可動子を保護する目的で使用し、正常
な運動状態での減衰付与方法としては主として速度帰還
による減衰効果の方を使用している。すなわち、正規の
運動方向については、流体の粘性抵抗による減衰効果よ
りも速度帰還による減衰効果の方が大きくなるように、
粘性流体の粘度および速度帰還ゲインを設定している。
従って、本実施例によれば、速度帰還による減衰効果
の分だけ粘性流体30の粘度を小さくできるので、可動子
6および弁体1が回動する際、その角速度と粘性流体30
の粘度に比例して可動子に直接作用する抵抗力が小さく
なり、駆動力の損失が小さくなる。よって、駆動エネル
ギーが小さくて済むので、駆動手段が小形のもので済む
上、駆動電流も小さくて済み、しかも高い応答性を得る
ことができる。また、駆動手段からの発熱量も少なくな
り、制御装置も小形のもので済む。
の分だけ粘性流体30の粘度を小さくできるので、可動子
6および弁体1が回動する際、その角速度と粘性流体30
の粘度に比例して可動子に直接作用する抵抗力が小さく
なり、駆動力の損失が小さくなる。よって、駆動エネル
ギーが小さくて済むので、駆動手段が小形のもので済む
上、駆動電流も小さくて済み、しかも高い応答性を得る
ことができる。また、駆動手段からの発熱量も少なくな
り、制御装置も小形のもので済む。
その上、流体の粘性抵抗が可動子を振動や衝撃などの
外乱から保護する防振効果を有するので、耐振性を確保
するために可動子を補強しておく必要がない。従って、
可動子をより軽構造にすることができ、可動部の慣性負
荷が小さくできるため、これによってもまた必要な駆動
エネルギーを小さくすることができる。
外乱から保護する防振効果を有するので、耐振性を確保
するために可動子を補強しておく必要がない。従って、
可動子をより軽構造にすることができ、可動部の慣性負
荷が小さくできるため、これによってもまた必要な駆動
エネルギーを小さくすることができる。
また、減衰特性を電気的に設定できるので使用条件に
最も適した特性に調整することが容易にでき、その上、
たとえ温度によって流体の粘度が変化しても減衰特性は
ほとんど変化しないので、常に安定した特性を得ること
ができる。
最も適した特性に調整することが容易にでき、その上、
たとえ温度によって流体の粘度が変化しても減衰特性は
ほとんど変化しないので、常に安定した特性を得ること
ができる。
次に、本発明の他の実施例を第11図を用いて説明す
る。本実施例は、前述の実施例と同様に直動形サーボ弁
を用いて位置サーボ系を構成した例であるが、本実施例
では角速度検出器を用いず、角変位検出器の出力信号を
微分し、これを角速度信号として用いている。
る。本実施例は、前述の実施例と同様に直動形サーボ弁
を用いて位置サーボ系を構成した例であるが、本実施例
では角速度検出器を用いず、角変位検出器の出力信号を
微分し、これを角速度信号として用いている。
すなわち、角変位検出器20の出力信号は、制御装置25
へ角変位信号27として直接帰還されるとともに、微分器
31によって微分され角速度信号28としても帰還されてい
る。その他の構成は前述の実施例と同じである。
へ角変位信号27として直接帰還されるとともに、微分器
31によって微分され角速度信号28としても帰還されてい
る。その他の構成は前述の実施例と同じである。
従って、前述の実施例と全く同様の効果が得られる
上、角速度検出器が不要になるのでサーボ弁本体の構造
が簡単になり、また、微分器31を制御装置25のそばに設
けておけば角速度帰還用の信号線も不要となるので、制
御系全体の構成が簡単になり、信頼性が向上するという
効果も得られる。
上、角速度検出器が不要になるのでサーボ弁本体の構造
が簡単になり、また、微分器31を制御装置25のそばに設
けておけば角速度帰還用の信号線も不要となるので、制
御系全体の構成が簡単になり、信頼性が向上するという
効果も得られる。
また、本発明のさらに他の実施例を第12図に示す。本
実施例も直動形ロータリサーボ弁を用いて位置サーボ系
を構成した例であるが、弁体の位置決めの方法が異な
る。
実施例も直動形ロータリサーボ弁を用いて位置サーボ系
を構成した例であるが、弁体の位置決めの方法が異な
る。
可動子6と磁石18はねじりバネ32を介して連結されて
おり、磁石18の背面には角速度検出器21だけが設けられ
ている。すなわち、可動子6上に発生した駆動力によっ
て可動子6および弁体1が回動すると、ねじりバネ32内
にこれに抵抗するねじりモーメントが発生し、駆動力の
モーメントとこの抵抗モーメントとがつり合う位置で停
止するから、弁体1の位置は巻線19に流す電流によって
制御される。従って、角変位検出器は不要であり、角速
度検出器21の出力信号28を帰還すれば、前述の実施例と
同様の効果が得られる。
おり、磁石18の背面には角速度検出器21だけが設けられ
ている。すなわち、可動子6上に発生した駆動力によっ
て可動子6および弁体1が回動すると、ねじりバネ32内
にこれに抵抗するねじりモーメントが発生し、駆動力の
モーメントとこの抵抗モーメントとがつり合う位置で停
止するから、弁体1の位置は巻線19に流す電流によって
制御される。従って、角変位検出器は不要であり、角速
度検出器21の出力信号28を帰還すれば、前述の実施例と
同様の効果が得られる。
よって、本実施例によれば、角変位検出器が不要にな
るのでサーボ弁本体の構造が簡単になる上、角変位帰還
用の信号線も不要となるので、システム全体の構成が簡
単になり、信頼性が向上するという効果も得られる。
るのでサーボ弁本体の構造が簡単になる上、角変位帰還
用の信号線も不要となるので、システム全体の構成が簡
単になり、信頼性が向上するという効果も得られる。
次に、本発明の別の実施例を第13図を用いて説明す
る。
る。
本実施例では、第11図に示した実施例の直動形ロータ
リサーボ弁において、可動子6とケーシング3および磁
石18の間の空間に満たした粘性流体30を、ポンプ33を用
いて循環させるようにし、その循環経路中に熱交換器34
を設けている。すなわち、可動子6上の巻線19で発生し
た熱を粘性流体30を媒体として駆動手段外に送り出し、
熱交換器34によってこれを外部に放出するように構成し
ている。
リサーボ弁において、可動子6とケーシング3および磁
石18の間の空間に満たした粘性流体30を、ポンプ33を用
いて循環させるようにし、その循環経路中に熱交換器34
を設けている。すなわち、可動子6上の巻線19で発生し
た熱を粘性流体30を媒体として駆動手段外に送り出し、
熱交換器34によってこれを外部に放出するように構成し
ている。
従来技術による方法では、充分な減衰効果を得るため
には粘性流体の粘度がある程度大きくなければならなか
ったため、これを循環させることは困難であったが、本
発明によれば、前述のように速度帰還の効果によって粘
度の小さい粘性流体で済むので、このように循環させる
ことが可能となる。
には粘性流体の粘度がある程度大きくなければならなか
ったため、これを循環させることは困難であったが、本
発明によれば、前述のように速度帰還の効果によって粘
度の小さい粘性流体で済むので、このように循環させる
ことが可能となる。
従って、本実施例によれば、駆動手段で発生した熱を
効率良く外部に放出することができるので、駆動手段の
温度上昇を低く抑えることができ、一層安定した特性を
得ることができるようになる。
効率良く外部に放出することができるので、駆動手段の
温度上昇を低く抑えることができ、一層安定した特性を
得ることができるようになる。
尚、本発明は、第14図および第15図に示すような円錐
状の可動子を用いたものについても適用することができ
る。
状の可動子を用いたものについても適用することができ
る。
第15図に示すように、この実施例における駆動手段
は、角度β毎に円周方向に交互に巻方向が替わるように
構成された複数の巻線35を有する円錐状の可動子36を、
同様に角度β毎に円周方向に交互に極性が替わるように
構成された磁石37と、円錐状の面を有するヨーク38によ
って所定の間隙をもって回動可能に狭設し、弁部の中立
状態において、巻線35の各極の境目と磁石37の各極の境
目とが互いに角度β/2だけずれるように構成しており、
以上の実施例に示した円板状の可動子を用いた場合と全
く同様に動作する。
は、角度β毎に円周方向に交互に巻方向が替わるように
構成された複数の巻線35を有する円錐状の可動子36を、
同様に角度β毎に円周方向に交互に極性が替わるように
構成された磁石37と、円錐状の面を有するヨーク38によ
って所定の間隙をもって回動可能に狭設し、弁部の中立
状態において、巻線35の各極の境目と磁石37の各極の境
目とが互いに角度β/2だけずれるように構成しており、
以上の実施例に示した円板状の可動子を用いた場合と全
く同様に動作する。
従って、本実施例によっても以上に示した実施例と同
様の効果を得ることができる。
様の効果を得ることができる。
また、本発明は、第16図および第17図に示すような円
筒状の可動子を用いたものについても適用することがで
きる。
筒状の可動子を用いたものについても適用することがで
きる。
第17図に示すように、この実施例における駆動手段
は、角度γ毎に円周方向に交互に巻方向が替わるように
構成された複数の巻線39を有する円筒状の可動子40を、
同様に角度γ毎に円周方向に交互に極性が替わるように
構成された磁石41と、円筒状の面を有するヨーク42によ
って所定の間隙をもって回動可能に狭設し、弁部の中立
状態において、巻線39の各極の境目と磁石41の各極の境
目とが互いに角度γ/2だけずれるように構成しており、
以上の実施例に示した円板状あるいは円錐状の可動子を
用いた場合と全く同様に動作する。
は、角度γ毎に円周方向に交互に巻方向が替わるように
構成された複数の巻線39を有する円筒状の可動子40を、
同様に角度γ毎に円周方向に交互に極性が替わるように
構成された磁石41と、円筒状の面を有するヨーク42によ
って所定の間隙をもって回動可能に狭設し、弁部の中立
状態において、巻線39の各極の境目と磁石41の各極の境
目とが互いに角度γ/2だけずれるように構成しており、
以上の実施例に示した円板状あるいは円錐状の可動子を
用いた場合と全く同様に動作する。
従って、本実施例によっても以上に示した実施例と同
様の効果を得ることができる。
様の効果を得ることができる。
さらに、可動子と、固定子すなわち駆動側のケーシン
グおよび磁石との間の空間に満たす粘性流体30は、液体
圧回路中の作動流体と同じ流体としても良く、こうすれ
ば、弁部側と駆動手段側とを分離遮断する軸シール29が
不要となりサーボ弁本体の構造がさらに簡単になる。ま
た、粘性流体30すなわち作動流体を弁部の戻り側回路に
戻すようにすれば、循環用ポンプ33と熱交換器34を用い
なくても流体圧回路中の熱交換器によって放熱すること
ができるので、システムの構成がさらに簡単になる。
グおよび磁石との間の空間に満たす粘性流体30は、液体
圧回路中の作動流体と同じ流体としても良く、こうすれ
ば、弁部側と駆動手段側とを分離遮断する軸シール29が
不要となりサーボ弁本体の構造がさらに簡単になる。ま
た、粘性流体30すなわち作動流体を弁部の戻り側回路に
戻すようにすれば、循環用ポンプ33と熱交換器34を用い
なくても流体圧回路中の熱交換器によって放熱すること
ができるので、システムの構成がさらに簡単になる。
尚、以上に示した直動形ロータリサーボ弁の実施例は
全ての3方弁の例であるが、2方弁や4方弁あるいはさ
らに多くのポートを有する多方弁であっても良く、この
場合も全く同様の効果が得られる。
全ての3方弁の例であるが、2方弁や4方弁あるいはさ
らに多くのポートを有する多方弁であっても良く、この
場合も全く同様の効果が得られる。
次に、第18図に、本発明の直動形サーボ弁を用いた圧
延機の油圧制御システムの実施例を示す。
延機の油圧制御システムの実施例を示す。
圧延機63には圧延材64に圧延荷重を与えるための押圧
手段として圧下ジャッキ65が設けられており、油圧源66
から圧下ジャッキ65に供給、排出する作動流体を調節し
て作業ロール67、68間の距離を調節し圧延材64が出側板
厚を制御するために直動形サーボ弁69が設けられてい
る。この直動形サーボ弁69には可動部の変位を検出する
変位検出器が設けられており、かつ、固定子と可動子の
間の空間には粘性流体が満たされている。
手段として圧下ジャッキ65が設けられており、油圧源66
から圧下ジャッキ65に供給、排出する作動流体を調節し
て作業ロール67、68間の距離を調節し圧延材64が出側板
厚を制御するために直動形サーボ弁69が設けられてい
る。この直動形サーボ弁69には可動部の変位を検出する
変位検出器が設けられており、かつ、固定子と可動子の
間の空間には粘性流体が満たされている。
さて、圧下ジャッキ65には変位検出器70が設けられて
おり、ここで検出された変位信号71が主フィールドバッ
ク信号として制御装置72に帰還されて目標値73と比較さ
れ、その偏差に応じて直動形サーボ弁69が駆動される。
また、直動形サーボ弁69に設けられた変位検出器の出力
信号74は制御装置72の手前で二つの分岐し、一方はその
まま変位信号として制御装置72に取り込まれて弁体の位
置を制御するために使用され、他方は微分器75によって
微分され速度信号となった後に制御装置72に取り込ま
れ、サーボ弁可動部の動きに減衰を付与するために使用
される。ただし、前述のように直動形サーボ弁69の固定
子と可動子の間の空間には粘性流体が満たされているの
で、その粘性抵抗によってもまた減衰が付与される。し
かし、通常の制御状態、すなわち直動形サーボ弁可動部
の正規の運動方向については、粘性抵抗による減衰効果
よりも速度帰還による減衰効果の方が大きくなるよう
に、流体の粘度および速度帰還ゲインが設けられてお
り、粘性流体の粘度は速度帰還による減衰効果の分だけ
小さい値にしてある。
おり、ここで検出された変位信号71が主フィールドバッ
ク信号として制御装置72に帰還されて目標値73と比較さ
れ、その偏差に応じて直動形サーボ弁69が駆動される。
また、直動形サーボ弁69に設けられた変位検出器の出力
信号74は制御装置72の手前で二つの分岐し、一方はその
まま変位信号として制御装置72に取り込まれて弁体の位
置を制御するために使用され、他方は微分器75によって
微分され速度信号となった後に制御装置72に取り込ま
れ、サーボ弁可動部の動きに減衰を付与するために使用
される。ただし、前述のように直動形サーボ弁69の固定
子と可動子の間の空間には粘性流体が満たされているの
で、その粘性抵抗によってもまた減衰が付与される。し
かし、通常の制御状態、すなわち直動形サーボ弁可動部
の正規の運動方向については、粘性抵抗による減衰効果
よりも速度帰還による減衰効果の方が大きくなるよう
に、流体の粘度および速度帰還ゲインが設けられてお
り、粘性流体の粘度は速度帰還による減衰効果の分だけ
小さい値にしてある。
従って、本実施例によれば、直動形サーボ弁の可動部
が動く際に可動子に直接作用する抵抗力が小さいので駆
動力の損失が小さく、駆動エネルギーが小さく済むの
で、駆動手段が小形のもので済む上、駆動電源も小さく
済み、しかも高い応答性を得ることができる。また、駆
動手段からの発熱量も少なく、制御装置も小形のもので
済む。その上、主たる減衰付与方法としては速度帰還の
方が利用しているので、たとえ直動形サーボ弁内の温度
が変化し、流体の粘度が変化したとしてもシステムの特
性には影響しにくい。従って、常に安定した圧延状態を
保つことができ、品質の安定した圧延製品を得ることが
できる。
が動く際に可動子に直接作用する抵抗力が小さいので駆
動力の損失が小さく、駆動エネルギーが小さく済むの
で、駆動手段が小形のもので済む上、駆動電源も小さく
済み、しかも高い応答性を得ることができる。また、駆
動手段からの発熱量も少なく、制御装置も小形のもので
済む。その上、主たる減衰付与方法としては速度帰還の
方が利用しているので、たとえ直動形サーボ弁内の温度
が変化し、流体の粘度が変化したとしてもシステムの特
性には影響しにくい。従って、常に安定した圧延状態を
保つことができ、品質の安定した圧延製品を得ることが
できる。
また、圧延機では、特に圧延材の先端が作業ロール間
にかみ込まれる際に非常に大きな衝撃力が発生するた
め、サーボ弁などの制御手段はこれに耐え得るだけの耐
振性が要求されるが、本実施例の直動形サーボ弁によれ
ば、駆動手段内に満たした粘性流体があらゆる方向の外
乱に対して減衰効果を発揮するので、特に可動子の防振
に効果があり、サーボ弁の耐久性、信頼性が向上する。
にかみ込まれる際に非常に大きな衝撃力が発生するた
め、サーボ弁などの制御手段はこれに耐え得るだけの耐
振性が要求されるが、本実施例の直動形サーボ弁によれ
ば、駆動手段内に満たした粘性流体があらゆる方向の外
乱に対して減衰効果を発揮するので、特に可動子の防振
に効果があり、サーボ弁の耐久性、信頼性が向上する。
さらに、通常、制御装置は圧延機本体から離れた制御
室に設置されるが、本実施例では、制御装置の直前に設
けた微分器によって速度を作り出すようにしているの
で、圧延機本体と制御室の間には主フィードバック信号
71とサーボ弁可動部の変位信号74を帰還するための信号
線だけを設ければ良く、速度帰還用の信号線が不要とな
るので、システムの構成が簡単になり、価格が低減でき
る上、信頼性がさらに向上する。
室に設置されるが、本実施例では、制御装置の直前に設
けた微分器によって速度を作り出すようにしているの
で、圧延機本体と制御室の間には主フィードバック信号
71とサーボ弁可動部の変位信号74を帰還するための信号
線だけを設ければ良く、速度帰還用の信号線が不要とな
るので、システムの構成が簡単になり、価格が低減でき
る上、信頼性がさらに向上する。
以上説明したように、本発明の直動形サーボ弁によれ
ば、減衰を与えたことによる駆動力の損失が小さくな
り、駆動エネルギーが小さく済むので、駆動手段が小形
のもので済む上、駆動電流が小さく済み、しかも高い応
答性を得ることができる。
ば、減衰を与えたことによる駆動力の損失が小さくな
り、駆動エネルギーが小さく済むので、駆動手段が小形
のもので済む上、駆動電流が小さく済み、しかも高い応
答性を得ることができる。
その上、振動や衝撃などの外乱があった場合などにも
流体の粘性抵抗によって防振効果が得られるので、耐振
性、耐久性が向上し、高い信頼性を得ることができる。
流体の粘性抵抗によって防振効果が得られるので、耐振
性、耐久性が向上し、高い信頼性を得ることができる。
また、主たる減衰付与方法としては速度帰還の方を利
用しているので、使用条件も最も適した特性に調整する
ことが電気的に容易にできるとともに、たとえ温度の変
化によって粘性流体の粘度が変化したとしても減衰特性
はほとんど変化せず、常に安定した特性を得ることがで
きる。
用しているので、使用条件も最も適した特性に調整する
ことが電気的に容易にできるとともに、たとえ温度の変
化によって粘性流体の粘度が変化したとしても減衰特性
はほとんど変化せず、常に安定した特性を得ることがで
きる。
さらに、粘性流体の粘度が低くて済むので、これを循
環させることが可能になり、その循環経路中で熱交換を
行えば、駆動手段で発生した熱をさらに効率良く外部に
放出できるようなり、温度上昇を一層低く抑えることが
できる。
環させることが可能になり、その循環経路中で熱交換を
行えば、駆動手段で発生した熱をさらに効率良く外部に
放出できるようなり、温度上昇を一層低く抑えることが
できる。
また、変位信号を微分して速度信号を作り出すように
し、これを用いて温度帰還を行えば、速度検出器が不要
となりサーボ弁本体の構造が簡単になるばかりでなく、
速度帰還用の信号線も不要となるのでシステムの構成が
簡単となり、信頼性も向上する。
し、これを用いて温度帰還を行えば、速度検出器が不要
となりサーボ弁本体の構造が簡単になるばかりでなく、
速度帰還用の信号線も不要となるのでシステムの構成が
簡単となり、信頼性も向上する。
このように、本発明によれば、振動や衝撃などの外乱
に強い上、常に安定した特性が得られ、しかも駆動エネ
ルギーが小さくて済み、信頼性の高い直動形サーボ弁を
得ることができ、特に圧延機の油圧制御装置に適用すれ
ば、信頼性の高いシステムを実現することができるとと
もに、品質の安定した圧延製品を得ることができ、ま
た、設備の価格が低減されるなど経済上の効果も得るこ
とができる。
に強い上、常に安定した特性が得られ、しかも駆動エネ
ルギーが小さくて済み、信頼性の高い直動形サーボ弁を
得ることができ、特に圧延機の油圧制御装置に適用すれ
ば、信頼性の高いシステムを実現することができるとと
もに、品質の安定した圧延製品を得ることができ、ま
た、設備の価格が低減されるなど経済上の効果も得るこ
とができる。
本発明によれば、弁体の構造を小形可能な構造とし、
粘性流体による減衰付与手段のほかに、弁体の角速度フ
ィードバックによる減衰付与手段を設けたことにより、
最適な減衰特性を安定して維持することができる直動形
ロータリサーボ弁を提供することができる。
粘性流体による減衰付与手段のほかに、弁体の角速度フ
ィードバックによる減衰付与手段を設けたことにより、
最適な減衰特性を安定して維持することができる直動形
ロータリサーボ弁を提供することができる。
また、このように安定した減衰特性を有する直動形ロ
ータリサーボ弁を圧延機に用いることにより、圧延機は
安定した圧延状態を保つことができる。
ータリサーボ弁を圧延機に用いることにより、圧延機は
安定した圧延状態を保つことができる。
第1図は流体の粘性抵抗のみによって減衰を与える場合
の入力信号から出力流量に至までのブロック線図、第2
図は流体の粘性抵抗による減衰効果にサーボ弁可動部の
速度帰還による減衰効果を加えて用いた場合の入力信号
から出力流量に至るまでのブロック線図、第3図は固定
子と可動子の間の空間に満たす粘性流体の粘度の違いに
よる駆動力の損失の違いを示す図、第4図は本発明の直
動形ロータリサーボ弁の一実施例を示す一部断面図、第
5図は第7図の直動形ロータリサーボ弁の構成を示す斜
視図、第6図は第7図の中立状態を示すA−A線矢視
図、第7図は第6図のB−B線において展開した展開断
面図、第8図は第5図の開口状態を示すA−A線矢視
図、第9図は第8図のC−C線において展開した展開断
面図、第10図は第7図に示した直動形ロータリサーボ弁
の駆動手段の構成を示す平面図、第11図は本発明の他の
実施例を示す一部断面図、第12図は本発明のさらに他の
実施例を示す一部断面図、第13図は本発明の別の実施例
を示す一部断面図、第14図は駆動手段の形状の異なる一
実施例を示す一部断面図、第15図は第14図の駆動手段の
構成を示す斜視図、第16図は駆動手段の形状の異なる他
の実施例を示す一部断面図、第17図は第16図の駆動手段
の構成を示す斜視図、第18図は本発明の直動形サーボ弁
を用いた圧延機の油圧制御システムの実施例を示す図で
ある。 1……弁体、2,3……ケーシング,6,36,40……可動子、1
9,37,41……磁石、20……角変位検出器、21……角速度
検出器、30……粘性流体、31……微分器、34……熱交換
器。
の入力信号から出力流量に至までのブロック線図、第2
図は流体の粘性抵抗による減衰効果にサーボ弁可動部の
速度帰還による減衰効果を加えて用いた場合の入力信号
から出力流量に至るまでのブロック線図、第3図は固定
子と可動子の間の空間に満たす粘性流体の粘度の違いに
よる駆動力の損失の違いを示す図、第4図は本発明の直
動形ロータリサーボ弁の一実施例を示す一部断面図、第
5図は第7図の直動形ロータリサーボ弁の構成を示す斜
視図、第6図は第7図の中立状態を示すA−A線矢視
図、第7図は第6図のB−B線において展開した展開断
面図、第8図は第5図の開口状態を示すA−A線矢視
図、第9図は第8図のC−C線において展開した展開断
面図、第10図は第7図に示した直動形ロータリサーボ弁
の駆動手段の構成を示す平面図、第11図は本発明の他の
実施例を示す一部断面図、第12図は本発明のさらに他の
実施例を示す一部断面図、第13図は本発明の別の実施例
を示す一部断面図、第14図は駆動手段の形状の異なる一
実施例を示す一部断面図、第15図は第14図の駆動手段の
構成を示す斜視図、第16図は駆動手段の形状の異なる他
の実施例を示す一部断面図、第17図は第16図の駆動手段
の構成を示す斜視図、第18図は本発明の直動形サーボ弁
を用いた圧延機の油圧制御システムの実施例を示す図で
ある。 1……弁体、2,3……ケーシング,6,36,40……可動子、1
9,37,41……磁石、20……角変位検出器、21……角速度
検出器、30……粘性流体、31……微分器、34……熱交換
器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−68504(JP,A) 特開 昭62−274105(JP,A) 特開 昭63−254206(JP,A) 実開 昭63−53972(JP,U) 実開 昭61−131505(JP,U)
Claims (5)
- 【請求項1】ケーシングと、前記ケーシング内で回動可
能に設けられ流体源からの圧力流体を制御対象に供給制
御する弁体と、前記ケーシング内に固定された固定子
と、前記弁体に一体的に結合され駆動指令によって駆動
される可動子とを備え、前記固定子と前記可動子との間
に粘性流体を満たしてなる直動形ロータリサーボ弁にお
いて、 前記弁体に回動する軸方向に貫通する円筒穴と、 前記ケーシングに、前記弁体の円筒穴との間で制御オリ
フィスを形成する前記円筒穴の内径と同等の外径かつ同
心のスリーブと、 前記弁体の角速度を検出する手段と、 この手段からの角速度信号を目標値と比較し、その偏差
に基づいて、前記弁体の運動に減衰を与えるように前記
可動子に駆動指令を与える制御手段と、 を備えたことを特徴とする直動形ロータリサーボ弁。 - 【請求項2】前記ケーシングは前記弁体を前記円筒穴の
貫通方向の両側から狭設し、このケーシングの前記弁体
と対向する一方の面に前記スリーブと前記スリーブによ
って互いに分離するように設けられた流路とを有し、前
記スリーブには制御ポートが接続され、前記流路には供
給ポートと排出ポートとが接続されていることを特徴と
する請求項1に記載の直動形ロータリサーボ弁。 - 【請求項3】前記弁体にその回動軸方向に貫通した貫通
孔と、前記ケーシングの前記弁体と対向する面で前記ス
リーブが設けられたのと反対の面に、前記弁体を隔てて
前記スリーブ及び前記流路と対向する第二のスリーブ及
び流路を設けたことを特徴とする請求項2に記載の直動
形ロータリサーボ弁。 - 【請求項4】前記角速度を検出する手段は速度ゲイン調
整器を備えたことを特徴とする請求項1及至3のいずれ
かに記載の直動形ロータリサーボ弁。 - 【請求項5】圧延材に圧延荷重を与える圧下ジャッキ
と、流体圧源からこの圧下ジャッキに供給する作動流体
を調節するサーボ弁とを備えた圧延機において、 前記サーボ弁として、請求項1乃至4のいずれかに記載
の直動形ロータリサーボ弁を用いたことを特徴とする圧
延機。
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DE69016801T DE69016801T2 (de) | 1989-03-13 | 1990-02-13 | Direkt angetriebenes Servoventil, Druckmittel-Servoeinrichtung und Steuerungsverfahren für das direktangetriebene Servoventil. |
US07/479,519 US5040569A (en) | 1989-03-13 | 1990-02-13 | Direct-operated servo valve, fluid pressure servo mechanism and control method for the direct-operated servo valve |
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---|---|---|---|
JP1057751A JP2644879B2 (ja) | 1989-03-13 | 1989-03-13 | 直動形ロータリサーボ弁並びにこれを用いた圧延機 |
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1989
- 1989-03-13 JP JP1057751A patent/JP2644879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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1990
- 1990-02-13 US US07/479,519 patent/US5040569A/en not_active Expired - Fee Related
- 1990-02-13 EP EP90102800A patent/EP0387533B1/en not_active Expired - Lifetime
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