JP2643623B2 - 二軸配向積層ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフイルム

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JP2643623B2
JP2643623B2 JP5311391A JP5311391A JP2643623B2 JP 2643623 B2 JP2643623 B2 JP 2643623B2 JP 5311391 A JP5311391 A JP 5311391A JP 5311391 A JP5311391 A JP 5311391A JP 2643623 B2 JP2643623 B2 JP 2643623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層ポリエス
テルフイルムに関し、とくに磁気記録テープの基材とし
て用いて最適なフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレンナフタレートを主要
構成成分とするポリエステルからなる二軸配向ポリエス
テルフイルム(例えば特開昭62−143938号公
報、特開昭63−60732号公報)、芯層をエチレン
テレフタレートを主要構成成分とするポリエステル層、
外層をエチレンナフタレートを主要構成成分とするポリ
エステル層とした積層型の二軸配向ポリエステルフイル
ム(例えば特開昭63−197643号公報、特開平2
−14126号公報)が知られている。
【0003】エチレンナフタレートを主要構成成分とす
るポリエステルフイルムは、エチレンテレフタレートを
主要構成成分とするポリエステルフイルムに比べ、機械
的強度、特に弾性率がはるかに高いという優れた特性を
もっていることが知られている。また、これらポリエス
テルフイルムを磁気テープとして用いる場合、とくに磁
気テープの良好な走行性を確保するために、表面に均一
な微小突起を形成することにより、滑り性を改善するこ
とが有効で、そのための手段として、微小粒子の含有が
有効であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エチレ
ンナフタレートを主要構成成分とするポリエステルフイ
ルムは、高弾性率を有するものの、裂けやすく耐引き裂
き性が劣るという弱点を有し、磁気テープ等の幅に切断
するスリット工程において、トラブルを発生しやすいと
いう欠点がある。また、エチレンナフタレートを主要構
成成分とするポリエステルは、溶融状態において、エチ
レンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル
等に比べ、相当高粘度になる。そのため、溶融ポリエス
テルの濾過工程において、濾過精度を上げると濾圧が高
くなりすぎるため、結局高精度濾過が困難であるという
問題がある。高精度濾過ができないと、エチレンナフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルがフイルムの
表面を構成する場合、その表面に粗大突起が形成される
ことがあり、このようなフイルムを磁気テープにする
と、ドロップアウトが増大し、好ましくない。したがっ
て、前述の従来のエチレンナフタレートを主要構成成分
とするポリエステル単体からなるフイルムにおいては、
耐引き裂き性の問題と高精度濾過ができないための粗大
突起発生の問題があり、エチレンテレフタレートの芯層
にエチレンナフタレートを主要構成成分とするポリエス
テル層を積層したフイルムにおいては、エチレンナフタ
レートを主要構成成分とするポリエステル層が薄いため
その優れた機械的強度の積層フイルム全体に対する寄与
が小さく、全体としてそれ程機械的強度が上がらないと
いう問題、および、表層がエチレンナフタレートを主要
構成成分とするポリエステル層で形成されているため、
やはりフイルム表面の粗大突起発生を抑制するのが困難
であるという問題があった。
【0005】本発明は、かかる問題点を改善し、耐引き
裂き性を改良してスリット性を向上するとともに、表面
の粗大突起を抑えて特に磁気テープとした時のドロップ
アウトを抑制することが可能な二軸配向積層ポリエステ
ルフイルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層ポリエステルフイルムは、エチレンナフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルの少なくとも
片面に、エチレンテレフタレートを主要構成成分とする
ポリエステルを積層した積層フイルムであって、該エチ
レンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル
の積層厚みと積層フイルムの全厚みとの比が1/100
〜1/5であるものからなる。
【0007】本発明フイルムは、エチレンナフタレート
を主要構成成分とするポリエステルの少なくとも片面
に、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリ
エステルを積層した積層フイルムである。積層比は、エ
チレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステ
ル層の厚みが、積層フイルムの全厚みに対して、1/1
00〜1/5の範囲にあることが必要であり、好ましく
は1/75〜1/7の範囲である。つまり、エチレンナ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルが芯層を
構成し、その芯層の少なくとも片面にエチレンテレフタ
レートを主要構成成分とするポリエステル層が積層され
ている。エチレンテレフタレートを主要構成成分とする
ポリエステルが積層されているため、積層フイルム全体
としての耐引き裂き性が向上される。また、エチレンナ
フタレートを主要構成成分とするポリエステル層が芯層
を構成しているため、積層フイルム全体として、優れた
機械的強度、とくに弾性率を発揮することができる。積
層比が、上記範囲より大きいと、十分な耐引き裂き性向
上効果が得られないため好ましくない。逆に上記範囲よ
りも小さいと、エチレンナフタレートを主要構成成分と
するポリエステル層の優れた機械的強度が十分に発揮さ
れないため、積層フイルム全体としての機械的強度向上
効果が不十分となり好ましくない。
【0008】エチレンナフタレートを主要構成成分とす
るポリエステルおよびエチレンテレフタレートを主要構
成成分とするポリエステルとしては、本発明を阻害しな
い範囲内、好ましくは30モル%以内であれば他成分が
共重合されていてもよい。またこれらポリエステル及び
エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエス
テルの粘度(IV)は、0.55以上が好ましい。特に
エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエス
テルのIVは、0.58以上が好ましい。IVがこの値
よりも低いと、耐引き裂き性向上効果が悪化する。また
溶融粘度については、積層されるエチレンテレフタレー
トを主要構成成分とするポリエステルの溶融粘度を芯層
となるエチレンナフタレートを主要構成成分とするポリ
エステルの溶融粘度よりも1000ポイズ以上低くする
と、これらを積層した溶融シートを吐出する口金におい
て、口金筋等の欠点の発生が抑制される。
【0009】前述の如くエチレンナフタレートを主要構
成成分とするポリエステルは、エチレンテレフタレート
を主要構成成分とするポリエステルに比べ、かなり溶融
粘度が高いため、高精度濾過に伴う初期の濾圧が著しく
高い。また目詰まりによる濾圧上昇も急激に発生する。
しかし、本発明フイルムにおいては、表層側にエチレン
テレフタレートを主要構成成分とするポリエステル層が
積層されるため、このエチレンテレフタレートを主要構
成成分とするポリエステル層さえ高精度濾過にしておれ
ば、初期の濾圧上昇を抑制するためエチレンナフタレー
トを主要構成成分とするポリエステル層の濾材を多少甘
くしても、エチレンテレフタレートを主要構成成分とす
るポリエステル層で覆っているので積層フイルムの表面
の粗大突起を減らすことができる。そして、このエチレ
ンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル層
にて、均一な粒径の微小粒子含有により滑り性をもたせ
ておけば、エチレンナフタレートを主要構成成分とする
ポリエステル層には粒子をほとんど含有させなくてもよ
く、したがってエチレンナフタレートを主要構成成分と
するポリエステル層に対する濾圧上昇は、全く問題のな
い程度に低く抑えることができる。また、エチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルとエチレ
ンナフタレートを主要構成成分とするポリエステルとの
延伸温度条件の差を利用して、エチレンテレフタレート
層に粒子を含有させなくても、その表面に微細な凸凹を
作ることも可能である。
【0010】このように、本発明においてはエチレンテ
レフタレートを主要構成成分とするポリエステルを高精
度濾過することにより、積層フイルムの表面の粗大突起
の発生を抑制することができる。積層フイルムの表面の
突起については、突起高さが1.4μmを越える粗大突
起の数が3個/100cm2 以下、好ましくは1個/10
0cm2 以下であることが望ましい。粗大突起の数がこれ
よりも多いと、磁気テープとした時のドロップアウトが
増大し好ましくない。この粗大突起の数は、例えば滑り
性向上のためエチレンテレフタレートを主要構成成分と
するポリエステル層に微小粒子を含有させる場合、上記
高精度濾過により、含有微小粒子の粒径を均一にそろえ
るとともに該粒径をあるレベル以下にすることにより容
易にコントロールすることができる。
【0011】エチレンテレフタレートを主要構成成分と
するポリエステル層中の粒子は、粒径比(粒子の長径/
短径)が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状の粒子の
場合にドロップアウト抑制効果がより一層良好となるの
で望ましい。
【0012】また、上記含有粒子は相対標準偏差が0.
6以下、好ましくは0.5以下の場合にドロップアウト
抑制効果がより一層良好となるので望ましい。
【0013】このエチレンテレフタレートを主要構成成
分とするポリエステル層中の粒子は特に限定されない
が、上記の粗大突起特性を満足するにはアルミナ珪酸
塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析出粒子な
どは好ましくなく、コロイダルシリカに起因する実質的
に球形のシリカ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば
架橋ポリスチレンや架橋ジビニルベンゼン)などがあげ
られる。しかしながら、その他の粒子、例えば炭酸カル
シウム、二酸化チタン、アルミナ等の粒子でも、フイル
ム積層厚さと粒径分布の適切なコントロールにより十分
使いこなせるものである。
【0014】粒子の大きさは、特に限定されないが、ポ
リエステル層中での平均粒径が0.03〜1.5μm、
特に0.03〜1μmの場合にドロップアウト抑制効果
がより一層良好となるので望ましい。
【0015】上記ポリエステル中の粒子の含有量は0.
05〜20重量%であることが好ましく、より好ましく
は0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜10
重量%の範囲である場合に、粒子の分散性、フイルムの
滑り性が良好で、ドロップアウトを抑制できるので望ま
しい。
【0016】本発明フイルムはエチレンテレフタレート
を主要構成成分とするポリエステルを、エチレンナフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルの少なくとも
片面に積層してなる二軸配向積層ポリエステルフイルム
である。一軸あるいは無配向フイルムでは、磁気テープ
とした場合の良好な走行性、出力特性、ドロップアウト
抑制効果が得られないので好ましくない。この配向の程
度は特に限定されないが、分子配向の程度の目安である
F5値に関し、フイルム長手方向と幅方向のF5値の和
が30kg/mm2 以上となるようにすることにより、スリ
ット性がより良好となるので望ましい。
【0017】本発明フイルムのエチレンテレフタレート
を主要構成成分とするポリエステル層の厚さをtμm、
該ポリエステル層中の微粒子の平均粒径をdμmとした
時、t/dが0.1〜2.5、好ましくは0.3〜1.
5の範囲である場合に、ドロップアウトが抑制されるの
で望ましい。
【0018】次に本発明の二軸配向積層ポリエステルフ
イルムの製造方法について説明する。まず、エチレンテ
レフタレートを主要構成成分とするポリエステルに粒子
を含有させる場合には、その方法として、ポリエステル
の重合工程で粒子を含有せしめる方法、粒子を実質的に
含有しないポリエステルをあらかじめ重合しておき、そ
こにベント式二軸混練機等を用いて粒子を練り込む方法
等があるが、特に限定されず、粒子の種類によって適切
な方法を用いることができる。
【0019】かくして、(粒子を含有する)エチレンテ
レフタレートを主要構成成分とするポリエステルAのペ
レットを、必要に応じて、実質的に粒子を含有しないポ
リエステルAで希釈し、乾燥したのち、公知の溶融押出
機1に供給し、エチレンナフタレートを主要構成成分と
するポリエステルBからなる組成物を押出機2に供給
し、2または3層のマニホールドまたは合流ブロックを
用いて、ポリエステルAをポリエステルBの少なくとも
片面に積層し、スリット状の口金から2または3層のシ
ートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未延
伸フイルムを作る。この場合、合流断面が矩形の合流ブ
ロックを用いて積層する方法が、ポリエステルA層の厚
さをフイルム幅方向に均一にし、本発明範囲の積層厚み
構成のフイルムを延伸破れなく、安定して製造するのに
有効であり、磁気テープとした時のドロップアウトを抑
制するのに有効である。また、キャスティング方法とし
ては、静電印加キャストが好ましく、これによって成形
シートひいては最終二軸配向フイルムの厚みムラを改善
し、スリット性を向上できる。
【0020】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を2段階以上に分けて延伸を
行なう方法は延伸破れなく、本発明範囲の積層厚み構成
を得るのに有効である。長手方向延伸は、通常ロールを
用いて行なわれるが、予熱、延伸ロールでの粘着は粗大
突起発生につながるおそれがあるので、そのロール表面
材質は、非粘着性のもの(テフロンやシリコンゴム)が
好ましい。これによってドロップアウトをより抑制でき
る。長手方向延伸温度は、120〜150℃、好ましく
は125〜145℃のの範囲が望ましい。また、延伸倍
率は、3.5〜6倍、好ましくは4〜5.5倍である。
このような延伸温度、延伸倍率により、磁気テープとし
た場合のドロップアウト抑制効果が一層増大する。上記
温度範囲よりも高い場合、および上記延伸倍率よりも低
い場合、粗大突起を生じやすくなる。長手方向延伸速度
は、5000〜100000%/分の範囲が好適であ
る。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方法が
一般的であり、延伸温度としては100〜150℃、好
ましくは110〜140℃、延伸倍率としては、3〜6
倍、好ましくは3.5〜5.5倍の範囲が適当である。
これよりも延伸温度が高い場合、およびこれよりも延伸
倍率が高い場合、耐引き裂き性が劣り、スリット性が悪
化する。幅方向の延伸速度は、1000〜20000%
/分の範囲が好適である。また、一旦二軸延伸されたフ
イルムを少なくとも一方向にさらに延伸しても良い。再
延伸する場合には、110〜170℃、1.1〜2.0
倍の条件が好ましく、これを外れるとやはり耐引き裂き
性が劣ったものとなる。次にこの延伸フイルムを熱処理
する。この場合の熱処理温度は160〜240℃、時間
は0.5〜60秒の範囲が好適である。この温度範囲を
外れると、耐引き裂き性が劣ったものとなる。その後の
リラックスは、任意の値、たとえば10%以内の任意の
値とすればよい。
【0021】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径 フイルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子
を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが
粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSE
M(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像をイメー
ジアナライザーで処理する。観察箇所を替えて粒子数5
000個以上で次の数値処理を行ない、それによって求
めた数平均径Dを平均粒径とする。 D=ΣDi /N ここでDi は粒子の円相当径、Nは粒子数である。
【0022】(2)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値/
短径の平均値の比である。すなわち、下式で求められ
る。 長径=ΣD1i /N 短径=ΣD2i /N D1i 、D2i はそれぞれ個々の粒子の長径(最大
径)、短径(最短径)、Nは粒子数である。
【0023】(3)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の突起径Di 、平均
径D、粒子数Nから計算される標準偏差σ[=√〔Σ
(Di −D)2 /N〕]を平均径Dで割った値(σ/
D)で表した。
【0024】(4)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
【0025】(5)F5値 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。F5値とは5%伸長時の
強度のことである。
【0026】(6)積層ポリエステル層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0027】(7)粗大突起の数 測定面(100cm2 )同士を2枚重ね合わせて静電気力
で密着させる(印加電圧5.4KV)。2枚のフイルム
間で粗大突起部分の光の干渉によって生じるニュートン
環から粗大突起の高さを判定し、1.4μm(5重環)
以上のものを粗大突起としてカウントした。なお、光源
にはハロゲンランプに564nmのバンドパスフィルター
をかけて用い、n=5で測定した。
【0028】(8)スリット特性(耐引き裂き性) 後述の実施例と同等に近い条件で得られた原反をシア式
スリッターを用いて1/2インチ幅にマイクロスリット
を行なった。このスリット作業中に原反が裂けるトラブ
ルによって生じた屑の量が、トラブルなしで得られる予
定量の5%未満である場合はスリット性良好、屑の量が
5%以上である場合はスリット性不良と判定した。
【0029】(9)磁気テープにおけるドロップアウト
評価 後述の実施例と同等に近い条件で得られたテープにVT
Rを用い、TV試験信号発生機(シバソク製TG−7/
1型)からの信号を録画させた後、25℃、50%RH
で100パス(120分×100パス)走行させた。こ
のテープをドロップアウトカウンターを用いて、ドロッ
プアウトの幅が5μ秒以上で、再生された信号の減衰が
マイナス16db以上のものをピックアップしてドロッ
プアウトとした。測定は10巻について行ない、、1分
間当りに換算したドロップアウト個数が10個未満の場
合はドロップアウト良好、10個以上の場合を不良とし
た。
【0030】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜5、及び比較例1〜4 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダルシ
リカに起因するシリカ粒子を含有するエチレングリコー
ルスラリーを調製し、このエチレングリコールスラリー
をテレフタル酸ジメチルとエステル交換反応させ、重縮
合し、該粒子を0.5〜10重量%含有するポリエチレ
ンテレフタレート(以下PETと略す)のペレットを作
った。この時、重縮合時間を調節し固有粘度を0.66
とした(ポリエステルA)。また、常法によって、固有
粘度0.62のポリエチレンナフタレート(以下PEN
と略す)を製造した(ポリエステルB)。これらのポリ
マをそれぞれ180℃で6時間減圧乾燥(3Torr)した
後、A、Bをそれぞれ2台の押出器に供給し、280〜
300℃で溶融し、これらのポリマを合流面が矩形の3
層合流ブロックで合流積層し、静電印加キャスト法を用
いて表面温度30℃のキャスティング・ドラムに巻きつ
けて冷却固化し、積層未延伸フイルムを作った。この未
延伸フイルムを温度130℃にて長手方向に4.5倍延
伸した。この一軸延伸フイルムをステンタを用いて延伸
速度2000%/分で130℃で幅方向に4.0倍延伸
し、さらに再度長手方向に1.2倍延伸した後、定長下
で、190℃にて5秒間熱処理し、総厚さ6.5μmの
二軸配向積層ポリエステルフイルムを得た。
【0031】上記フイルムの磁気テープとしての特性を
評価するために、上記フイルムに磁性塗料をグラビヤロ
ールを用いて塗布する。磁性塗料は次のようにして調製
した。 ・Fe 100部 平均粒子サイズ 長さ :0.3μm 針状比:10/1 抗磁力 2000 Oe ・ポリウレタン樹脂 15部 ・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 5部 ・ニトロセルロール樹脂 5部 ・酸化アルミ粉末 3部 平均粒径 :0.3μm ・カーボンブラック 1部 ・レシチン 2部 ・メチルエチルケトン 100部 ・メチルイソブチルケトン 100部 ・トルエン 100部 ・ステアリン酸 2部
【0032】上記組成物をボールミルで48時間混合分
散した後、硬化剤6部を添加して得られた混練物をフィ
ルターでろ過して磁性塗布液を準備し、上記フイルム上
に塗布、磁場配向させ、110℃で乾燥し(ここまでの
工程張力は10kg/m)、さらにカレンダー装置(スチー
ルロール/ナイロンロール、5段)で、温度70℃、線
圧200kg/cm 、工程張力7kg/mでカレンダー処理した
後、ロール状に巻取って70℃で24時間キュアリング
し、さらに40℃で72時間エージングして磁気記録テ
ープを得た。
【0033】これらの二軸配向積層ポリエステルフイル
ムおよび磁気テープの特性は表1に示したとおりであ
り、本発明の要件を満足するものは、スリット特性(耐
引き裂き性)、ドロップアウト抑制効果ともに優れたも
のであったが、そうでない場合は両特性を兼備したもの
は得られなかった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、エチレンナフタレート
を主要構成成分とするポリエステルの少なくとも片面
に、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリ
エステルを特定の積層厚み構成にて積層した二軸配向積
層ポリエステルフイルムとしたので、芯層のエチレンナ
フタレートを主要構成成分とするポリエステル層によっ
て高い機械的強度を得つつ、表層のエチレンテレフタレ
ートを主要構成成分とするポリエステル層によって高い
耐引き裂き性を得ることができ、かつ、該エチレンテレ
フタレートを主要構成成分とするポリエステルは濾圧を
それ程上昇させることなく高精度濾過が可能であるの
で、表面の粗大突起発生を容易に抑制することができ、
本発明フイルムを磁気テープに用いた場合のドロップア
ウトを抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンナフタレートを主要構成成分と
    するポリエステルの少なくとも片面に、エチレンテレフ
    タレートを主要構成成分とするポリエステルを積層した
    積層フイルムであって、該エチレンテレフタレートを主
    要構成成分とするポリエステルの積層厚みと積層フイル
    ムの全厚みとの比が1/100〜1/5であることを特
    徴とする二軸配向積層ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 前記積層フイルムの表面突起について、
    突起高さが1.4μmを越える粗大突起の数が3個/1
    00cm2 以下である請求項1の二軸配向積層ポリエステ
    ルフイルム。
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