JP2803274B2 - 酸化物塗布型磁気記録媒体 - Google Patents

酸化物塗布型磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2803274B2
JP2803274B2 JP2002086A JP208690A JP2803274B2 JP 2803274 B2 JP2803274 B2 JP 2803274B2 JP 2002086 A JP2002086 A JP 2002086A JP 208690 A JP208690 A JP 208690A JP 2803274 B2 JP2803274 B2 JP 2803274B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
oxide
particles
coated magnetic
average particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002086A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03113717A (ja
Inventor
巌 岡崎
晃一 阿部
彰二 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JPH03113717A publication Critical patent/JPH03113717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2803274B2 publication Critical patent/JP2803274B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸化物塗布型磁気記録媒体に関するものであ
る。
[従来の技術] 酸化物塗布型磁気記録媒体としては、ポリエステルフ
ィルムに酸化物塗布型磁性層を設けてなる磁気記録媒体
が知られている(たとえば特開昭61−26933号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の酸化物塗布型磁気記録媒体
では、ダビングしてソフトテープ等を製造する工程等の
工程速度の増大に伴い、接触するロールやガイドでフィ
ルム表面に傷がつくという欠点があった。また、従来の
ものでは、上記ダビング時の画質低下のために、画質す
なわちS/N(シグナル/ノイズ比)も不十分という欠点
があった。
本発明はかかる課題を解決し、特に高速工程でテープ
に傷がつきにくく(以下耐スクラッチ性に優れるとい
う)、しかもダビング時の画質低下の少ない(以下耐ダ
ビング性に優れるという)酸化物塗布型磁気記録媒体を
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(1)基材フィルムの少なくとも片面に酸
化物塗布型磁性層を設けてなる酸化物塗布型磁気記録媒
体であって、該基材フィルムが熱可塑性樹脂Aよりなる
層(A層)の少なくとも片面に不活性粒子を含有する熱
可塑性樹脂Bよりなる層(B層)を積層してなる二軸配
向フィルムであり、B層に含有される不活性粒子の平均
粒径dBが30〜1000nm、該粒子のB層における含有量が1.
5〜40重量%、B層の厚さtBと平均粒径dBの比tB/dBが0.
1〜3の範囲であることを特徴とする酸化物塗布型磁気
記録媒体、(2)基材フィルムの少なくとも一方のB層
側に酸化物塗布型磁性層が設けられており、該磁性層側
のB層に含有される不活性粒子の平均粒径dBが30〜600n
mであることを特徴とする上記(1)記載の酸化物塗布
型磁気記録媒体、(3)基材フィルムがA層の片面にの
みB層を積層してなる二軸配向フィルムであり、A層側
にのみ酸化物塗布型磁性層が設けられており、該B層に
含有される不活性粒子の平均粒径dBが80〜1000nmである
ことを特徴とする上記(1)記載の酸化物塗布型磁気記
録媒体、(4)基材フィルムが、熱可塑性樹脂Aよりな
る層(A層)の一方の面に不活性粒子を含有する熱可塑
性樹脂Bよりなる層(B層)を他面に不活性粒子を含有
する熱可塑性樹脂Cよりなる層(C層)を積層してなる
二軸配向フィルムであって、該基材フィルムのB層側に
のみ酸化物塗布型磁性層が設けられており、該B層に含
有される不活性粒子の平均粒径dBが30〜600nm、該粒子
のB層における含有量が1.5〜40重量%、B層の厚さtB
と平均粒径dBの比tB/dBが0.1〜3、該C層に含有される
不活性粒子の平均粒径dCが80〜100nm、該粒子のC層に
おける含有量が1.5〜40重量%、C層の厚さtCと平均粒
径dCの比tC/dCが0.1〜3であることを特徴とする酸化物
塗布型磁気記録媒体に関するものである。
本判明の基材フィルムを構成する熱可塑性樹脂A、
B、Cは同じでも、異なる種類のものでも良く、ポリエ
ステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレン
スルフィドなど特に限定されることがないが、特に、ポ
リエステル、中でも、エチレンテレフタレート、エチレ
ンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート
単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成
成分とする場合に耐スクラッチ性がより一層良好となる
ので望ましい。
また、本発明を構成する熱可塑性樹脂Bおよび/また
はCは結晶性である場合に耐スクラッチ性がより一層良
好となるのできわめて望ましい。ここでいう結晶性とは
いわゆる非晶質ではないことを示すものであり、定量的
に結晶化パラメータにおける冷結晶化温度Tccが検出さ
れ、かつ結晶化パラメータΔTcgが150℃以下のものであ
る。さらに、示差走査熱量計で測定された融解熱(融解
エンタルピー変化)が7.5cal/g以上の結晶性を示す場合
に耐スクラッチ性がより一層良好となるのできわめて望
ましい。また、エチレンテレフタレートを主要構成成分
とするポリエステルの場合に耐スクラッチ性がより一層
良好となるので特に望ましい。
なお、本発明の阻害しない範囲内で、熱可塑性樹脂
A、B、Cから選ばれる少なくとも一種に他種の熱可塑
性樹脂を混合してもよいし共重合ポリマを用いても良
い。また、本発明の目的を阻害しない範囲内で、熱可塑
性樹脂A、B、Cから選ばれる少なくとも一種に酸化防
止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加剤
が通常添加される程度添加されていてもよい。
本発明を構成する基材フィルムのB層中の不活性粒子
の平均粒径dBは耐スクラッチ性、耐ダビング性の点から
30〜1000nmである必要があり、さらにB層側に磁性層が
設けられる場合には30〜600nm、磁性層が設けられない
場合には80〜1000nmが好ましい。また本発明の基材フィ
ルムB層中の不活性粒子の含有量は1.5〜40重量%、好
ましくは2〜30重量%、さらに好ましくは3〜20重量%
であることが必要である。含有量が上記の範囲より多い
と耐ダビング性が満足できず、少ないと耐スクラッチ性
が不良となり好ましくない。さらに本発明の基材フィル
ムB層の厚さtBと該B層中に含有する不活性粒子の平均
粒径dBの比、tB/dBは0.1〜3好ましくは0.2〜2.0、さら
に好ましくは0.3〜1.5の範囲であることが必要である。
tB/dBが上記の範囲より小さいと耐スクラッチ性が不良
となり、逆に大きいと耐ダビング性が不良となるので好
ましくない。
また本発明を構成する基材フィルムのC層中の不活性
粒子の平均粒径dCは、良好な耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性を得るために80〜1000nmが必要である。さらに基材
フィルムC層中に含有する不活性粒子の含有量は、良好
な耐スクラッチ性、耐ダビング性を有する磁気記録媒体
とするために1.5〜40重量%、好ましくは2〜15重量%
であることが必要である。またこのC層の厚さtCと、含
有する不活性粒子の平均粒径dCの比tC/dCは0.1〜3の範
囲である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一
層良好となるので望ましい。
さらに、基材フィルムA層中に不活性粒子を含有して
いる必要は特にないが、平均粒径が5〜1000nm、特に30
〜600nmの不活性粒子が0.001〜0.15重量%、特に0.005
〜0.05重量%含有されていると耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性がより一層良好となるので望ましい。本発明に使
用する不活性粒子は、粒径比(粒子の長径/短径)が1.
0〜1.3の粒子、特に、球形状の粒子の場合に耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので望まし
い。本発明に使用する不活性粒子は基材フィルム中での
単一粒子指数が0.7以上、好ましくは0.9以上である場合
に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので特に望ましい。本発明に使用する不活性粒子は粒径
の相対標準差が0.6以下、好ましくは0.5以下の場合に耐
スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので
望ましい。
本発明に使用する不活性粒子の種類は特に限定されな
いが、コロイダルシリカに起因する実質的に球形のシリ
カ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば架橋ポリスチ
レン)等があるが、特に10重量%減量時温度(窒素中で
熱重量分析装置島津TG−30Mを用いて測定。昇温速度20
℃/分)が380℃以上になるまで架橋度を高くした架橋
高分子粒子の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がよ
り一層良好となるので特に望ましい。なお、コロイダル
シリカに起因する球形シリカの場合にはアルコキシド法
で製造された、ナトリウム含有量が少ない、実質的に球
形のシリカの場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がよ
り一層良好となるので特に望ましい。しかしながら、そ
の他の粒子、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、ア
ルミナ等他の粒子でも熱可塑性樹脂B層の厚さtBと平均
粒径dBの比の適切なコントロールにより十分使いこなせ
るものである。
本発明を構成する基材フィルムは上記組成物からなる
積層フィルムを二軸配向せしめたフィルムであって、一
軸あるいは無配向フィルムでは耐スクラッチ性が不良と
なるので好ましくない。この配向の程度は特に限定され
ないが、高分子の分子配向の程度の目安であるヤング率
が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2以上である場合に
耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好となるの
できわめて望ましい。分子配向の程度の目安であるヤン
グ率の上限は特に限定されないが、通常、1500kg/mm2
度が製造上の限界である。
本発明を構成する基材フィルムの該B層表面の全反射
ラマン結晶化指数は、20cm-1以下の場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望まし
い。
また、本発明を構成する基材フィルムの該C層表面の
全反射ラマン結晶化指数は、20cm-1以下の場合に耐スク
ラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に
望ましい。
本発明は上記の二軸配向フィルムの少なくとも片面に
酸化物塗布型磁性層を設けてなる磁気記録媒体である。
用いられる磁性粉末は特に限定されないが強磁性粉末、
なかでもγ−Fe2O3、Co含有γ−Fe2O3、Fe3O4、Co含有F
e3O4、CrO2等が好ましく用いられる。
磁性粉は各種バインダーを用いて磁性塗料とすること
ができるが、一般には熱硬化性樹脂系バインダーおよび
放射線硬化系バインダーが好ましく、その他の添加剤と
して分散剤、潤滑剤、帯電防止剤を常法に従って用いて
もよい。例えば塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコ
ール共重合体、ポリウレタンプレポリマおよびポリイソ
シアネートよりなるバインダーなどを用いることができ
る。
酸化物塗布型磁性層の厚さtMは特に限定されないが、
磁性層側のB層の厚さtB(一層)との比、tB/tMが0.002
〜10、特に0.01〜10、さらに好ましくは0.01〜5の範囲
である場合に耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層
良好となるので望ましい。またtMの値としては0.5〜6
μmの範囲としておくことが耐ダビング性、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので望ましい。
本発明を構成する基材フィルムの該B層の幅方向厚さ
斑は25%以下、さらに好ましくは20%以下である場合に
耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に望ましい。
本発明を構成する基材フィルムの該B層の厚さは0.01
〜3μm、好ましくは0.02〜1μmの場合に耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。
本発明を構成する基材フィルムの該B層表面の中心線
平均粗さRaと最大高さRtの比、Rt/Raは9.0以下、特に8.
5以下の場合に耐ダビング性、耐スクラッチ性がより一
層良好となるので特に望ましい。
本発明を構成する基材フィルムの該B層表面の2次イ
オンマススペクトルによって測定される表層粒子濃度比
は特に限定されないが、表層粒子濃度比が1/10以下、特
に1/50以下である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性
がより一層良好となるので特に望ましい。
次に本発明の磁気記録媒体の製造方法について説明す
る。
まず、熱可塑性樹脂Bに不活性粒子を含有せしめる方
法としては、不活性粒子をエチレングリコールのスラリ
ーとし、ベント方式の2軸混練押出機を用いて熱可塑性
樹脂に練り込む方法が、延伸破れなく、本発明範囲の厚
さと平均粒径の関係、含有量の基材フィルムを得るのに
きわめて有効である。
粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高
濃度マスターを作っておき、それを製膜時に不活性粒子
を実質的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して粒子の含
有量を調節する方法が有効である。
次に、熱可塑性樹脂A、不活性粒子を所定量含有する
熱可塑性樹脂Bのペレットを必要に応じて乾燥したの
ち、公知の溶融積層用押出装置に供給し、スリット状の
ダイからシート状に押出し、キャスティングロール上で
冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、2
または3台の押出し機、2または3層のマニホールドま
たは合流ブロックを用いて、熱可塑性樹脂A、Bを積層
し、口金から2または3層のシートを押し出し、キャス
ティングロールで冷却して未延伸フィルムを作る。この
場合、熱可塑性樹脂Bのポリマ流路に、スタティックミ
キサー、ギヤポンプを設置する方法は延伸破れなく、本
発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範
囲の表層粒子濃度比のフィルムを得るのに有効である。
また、合流ブロックとして矩形のフィードブロックを用
いるのが本発明範囲の厚さと平均粒径の関係を得るのに
きわめて有効である。また、熱可塑性樹脂B側の押し出
し機の溶融温度を、熱可塑性樹脂A側より、10〜40℃高
くすることが、延伸破れなく、本発明範囲の厚さと平均
粒径の関係、含有量、望ましい範囲の積層厚さ斑、表層
粒子濃度比、全反射ラマン結晶化指数のフィルムを得る
のに有効である。上記の説明は構成として、A/B、B/A/B
について述べたが、B/A/Cの構成の場合は3台の押出機
を用いて同様に3層のマニホールドまたは合流ブロック
を用いて、熱可塑性樹脂B、A、Cを積層し、口金から
3層のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却
して未延伸フィルムを作る。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦延伸倍率を
3.0〜6.5倍で行なう方法は、本発明範囲の厚さと平均粒
径の関係、含有量のフィルムを得るのに有効である。長
手方向延伸温度は熱可塑性樹脂の種類によって異なり一
概には言えないが、通常、その1段目を50〜130℃と
し、2段目以降はそれより高くすることが本発明範囲の
厚さと平均粒径の関係、本発明の望ましい範囲の表層粒
子濃度比のフィルムを得るのに有効である。長手方向延
伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適である。幅方
向の延伸方法としてはステンタを用いる方法が一般的で
ある。延伸倍率は、3.0〜5.0倍、延伸速度は、1000〜20
000%/分、温度は80〜160℃の範囲が好適である。次に
この延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理温度
は170〜200℃、特に170〜190℃、時間は0.5〜60秒の範
囲が好適である。
次に、このフィルムに所定の磁性層を塗布する。磁性
層を塗布する方法は公知の方法で行なうことができる
が、グラビヤロールで塗布する方法が本発明範囲の厚さ
と平均粒径の関係、本発明の望ましい範囲の表層粒子濃
度比のフィルムを得るのに有効である。塗布後の乾燥工
程は、温度を90〜120℃とするのが好ましい。
また、カレンダー工程は、ポリアミドまたはポリエス
テルを弾性ロールに用い、25〜90℃、特に40〜70℃の温
度範囲で行うのが本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、
本発明の望ましい範囲の表層粒子濃度比のフィルムを得
るのに有効である。さらに、このフィルムの磁性層をキ
ュアした後、その原文(広幅)をスリットして本発明の
酸化物塗布型磁気記録媒体を得る。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の平均粒径 フィルムから熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法
で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は
灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択す
る。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子の
画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を変
えて粒子数5,000個以上で次の数値処理を行ない、それ
によって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは粒子数である。
(2)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の(長径の平均
値)/(短径の平均値)の比である。すなわち、下式で
求められる。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短
径(最短径)、Nは粒子数である。
(3)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の粒径Di、平均径
D、粒子数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(Di
D)2/N}1/2)を平均径Dで割った値(σ/D)で表わし
た。
(4)単一粒子指数 フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を10万倍程度にすれ
ば、それ以上分けることができない1個の粒子が観察で
きる。粒子の占める全面積をA、そのうち2個以上の粒
子が凝集している凝集体の占める面積をBとした時、
(A−B)/Aをもって、単一粒子指数とする。TEM条件
は下記のとおりであり1視野面積:2μm2の測定を場所を
変えて、500視野測定する。
・観察倍率:10万倍 ・加速電圧:100kV ・切片厚さ:約1,000Å (5)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の延滞重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
(6)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。DSCの測定
条件は次の通りである。すなわち、試料10mgをDSC装置
にセットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒
素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガ
ラス転移点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状
態からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tc
cとした。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を
求めた。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラメ
ータΔTcgと定義する。
(7)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、イン
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
(8)全反射ラマン結晶化指数 全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の伸
縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射ラ
マン結晶化指数とした。測定条件は次の通りである。但
し測定深さは、表面から500〜1000Å程度とした。
光源 アルゴンイオンレーザー(5,145Å) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平
行となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向
との角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230)(supply 1,600V) 測定条件 SLIT 1,000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (9)固有粘度[η](単位はdl/g) オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から下記式で計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]K+[η]・C ここでηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒10
0mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、K
はハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、溶
媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(10)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フィル
ム中の粒子に起因する元素のうち最も高濃度の元素と熱
可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚さ方
向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層粒子
濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深さ方
向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを表層
粒子濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおり
である。
1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流 :200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測 定 真 空 度:6.0×10-9Torr E−GUN :0.5kV−3.0A (11)表面粗さパラメータRa(中心線平均粗さ)、Rt
(最大高さ) 表面粗さ計を用いて測定した。条件は下記のとおりで
あり、20回の測定の平均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm (12)耐ダビング性 家庭用VTRを用いてテレビ試験波形発生器により100%
クロマ信号を記録し、その再生信号からカラービデオノ
イズ測定器でクロマS/Nを測定しAとした。また上記と
同じ信号を記録したテープのパンケーキを磁界転写方式
のビデオソフト高速プリントシステムを用いて同じ種類
のテープ(未記録)のパンケーキへダビングした後のテ
ープのクロマS/Nを上記と同様にして測定しBとした。
このダビングによるクロマS/Nの低下(A−B)が4.0dB
未満の場合は耐ダビング性良好、4.0dB以上の場合は耐
ダビング性不良と判定した。
(13)耐スクラッチ性 20℃相対湿度60%の雰囲気下で、外径6mmφの固定軸
(表面粗度0.2S)に1/2インチ幅のテープ非磁性面を角
度θ=60゜で接触させ、入テンション65gで速度500m/mi
n(=833cm/s)で10回走行させた後のテープ非磁性面ア
ルミ蒸着して、スクラッチ傷の本数、幅の大きさ及び白
粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察した。全くスクラ
ッチ傷が見られずかつ白粉の発生のないものを耐スクラ
ッチ性:優、スクラッチ傷が3本/cm未満でかつ白粉の
発生がほとんどないものを耐スクラッチ性:良、それ以
外を耐スクラッチ性:不良と判定した。
[実施例] 本発明の実施例に基づいて説明する。
実施例1、2、5、及び比較例2、3 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダル
シリカに起因するシリカ粒子を含有するエチレングリコ
ールスラリーを調製し、このエチレングリコールスラリ
ーを190℃で1.5時間熱処理した後、テレフタル酸ジメチ
ルとエステル交換反応させ、重縮合し、該粒子を0.1〜1
0重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略す)のペレットを作った。この時、重縮合時間を調
節し固有粘度を0.70とした(熱可塑性樹脂B)。また、
常法によって、固有粘度0.62のPETを製造し、熱可塑性
樹脂Aとした。
これらのポリマをそれぞれ180℃で6時間減圧乾燥(3
Torr)した後、熱可塑性樹脂Bを押出機1に供給し290
℃で溶融し、さらに、熱可塑性樹脂Aを押出機2に供給
し、280℃で溶融し、これらのポリマを合流ブロックで
合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃
のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、積層
未延伸フィルムを作った。この時、それぞれの押出機の
吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂B層の厚さを調節
した。
この未延伸フィルムを温度80℃にて長手方向に4.5倍
延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速差で、4
段階で行なった。この一軸延伸フィルムをステンタを用
いて延伸速度2,000%/分で100℃で幅方向に4.0倍延伸
し、定長下で、190℃にて5秒間熱処理し、総厚さ15μ
mの二軸配向積層フィルムを得た。
このフィルムに磁性塗料をグラビヤロールを用いて塗
布する。磁性塗料は次のようにして調製した。
・γ−Fe2O3 100部 平均粒子サイズ 長さ :0.3μm 針状比:10/1 抗磁力 :500 Oe ・ポリウレタン樹脂 15部 ・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 5部 ・ニトロセルロース樹脂 5部 ・酸化アルミ粉末 3部 (平均粒径:0.3μm) ・カーボンブラック 1部 ・レシチン 2部 ・メチルエチルケトン 100部 ・メチルイソブチルケトン 100部 ・トルエン 100部 ・ステアリン酸 2部 上記組成物をボールミルで48時間混合分散した後、硬
化剤6部を添加して得られた混合物をフィルターでろ過
して酸化物塗布液を準備し、上記フィルム上に塗布、磁
場配向させ、110℃で乾燥し、さらに小型テストカレン
ダー装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)
で、温度70℃、線圧200kg/cmでカレンダー処理した後、
70℃、48時間でキュアリングし磁性層厚さ5μmの酸化
物塗布型磁気記録媒体を得た。
実施例3、4、及び比較例1、4 上記の実施例と同様にして、実施例3では3台の押出
機を用いて3層積層の積層未延伸フィルムを、実施例4
ではさらにA層両面に異なるポリマを積層した3層積層
の積層未延伸フィルムを、また比較例1は通常の単層フ
ィルムを、比較例4では3台の押出機を用いて3層積層
の積層未延伸フィルムを得た。
これらの未延伸フィルムを温度80℃にて長手方向に4.
2倍延伸した。この一軸延伸フィルムをステンタを用い
て延伸速度2,000%/分で105℃で幅方向に4.5倍延伸
し、定長下で、190℃にて5秒間熱処理し、二軸配向フ
ィルムを得た。
このフィルムに磁性塗料をグラビヤロールを用いて塗
布する。磁性塗料は上記実施例と同様のものを用意し
た。その磁性塗料をボールミルで48時間混合分散した
後、硬化剤6部を添加して得られた混練物をフィルター
でろ過して磁性塗布液を準備し、塗布、磁場配向させ、
100℃で乾燥し、さらに小型テストカレンダー装置(ス
チロール/ナイロンロール、5段)で、温度70℃、線圧
200kg/cmでカレンダー処理した後、70℃、48時間でキュ
アリングし磁性層厚さ4μmの酸化物塗布型磁気記録媒
体を得た。
これらの特性は第1表に示したとおりであり、本発明
の酸化物塗布型磁気記録媒体は耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性は優または良であったが、そうでない場合は耐ス
クラッチ性、耐ダビング性を満足する酸化物塗布型磁気
記録媒体は得られなかった。
[発明の効果] 本発明は、製法の工夫により、不活性粒子を含有する
熱可塑性樹脂を用いて、粒子の大きさとフィルム厚さの
関係、含有量を特定範囲としたので、耐スクラッチ性、
耐ダビング性に優れた磁気記録媒体が得られたものであ
り、各用途でのフィルム加工速度の増大に対応できるも
のである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/704

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムの少なくとも片面に酸化物塗
    布型磁性層を設けてなる酸化物塗布型磁気記録媒体であ
    って、該基材フィルムが熱可塑性樹脂Aよりなる層(A
    層)の少なくとも片面に不活性粒子を含有する熱可塑性
    樹脂Bよりなる層(B層)を積層してなる二軸配向フィ
    ルムであり、B層に含有される不活性粒子の平均粒径dB
    が30〜1000nm、該粒子のB層における含有量が1.5〜40
    重量%、B層の厚さtBと平均粒径dBの比tB/dBが0.1〜3
    の範囲であることを特徴とする酸化物塗布型磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】基材フィルムの少なくとも一方のB層側に
    酸化物塗布型磁性層が設けられており、該磁性層側のB
    層に含有される不活性粒子の平均粒径dBが30〜600nmで
    あることを特徴とする請求項(1)記載の酸化物塗布型
    磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】基材フィルムがA層の片面にのみB層を積
    層してなる二軸配向フィルムであり、A層側にのみ酸化
    物塗布型磁性層が設けられており、該B層に含有される
    不活性粒子の平均粒径dBが80〜1000nmであることを特徴
    とする請求項(1)記載の酸化物塗布型磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】基材フィルムが、熱可塑性樹脂Aよりなる
    層(A層)の一方の面に不活性粒子を含有する熱可塑性
    樹脂Bよりなる層(B層)を、他面に不活性粒子を含有
    する熱可塑性樹脂Cよりなる層(C層)を積層してなる
    二軸配向フィルムであって、該基材フィルムのB層側に
    のみ酸化物塗布型磁性層が設けられており、該B層に含
    有される不活性粒子の平均粒径dBが30〜600nm、該粒子
    のB層における含有量が1.5〜40重量%、B層の厚さtB
    と平均粒径dBの比tB/dBが0.1〜3、該C層に含有される
    不活性粒子の平均粒径dCが80〜1000nm、該粒子のC層に
    おける含有量が1.5〜40重量%、C層の厚さtCと平均粒
    径dcの比tC/dCが0.1〜3であることを特徴とする酸化物
    塗布型磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂Cが結晶性ポリエステルであ
    り、かつ、C層表面の全反射ラマン結晶化指数が20cm-1
    以下であることを特徴とする請求項(4)に記載の酸化
    物塗布型磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂Bが結晶性ポリエステルであ
    り、かつ、B層表面の全反射ラマン結晶化指数が20cm-1
    以下であることを特徴とする請求項(1)〜(5)のい
    ずれかに記載の酸化物塗布型磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】磁性層側のB層の厚さtBと該磁性層の厚さ
    tMの比、tB/tMが0.002〜10の範囲であることを特徴とす
    る請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の酸化物塗布
    型磁気記録媒体。
JP2002086A 1989-06-06 1990-01-08 酸化物塗布型磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2803274B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14386489 1989-06-06
JP1-143864 1989-06-06

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03113717A JPH03113717A (ja) 1991-05-15
JP2803274B2 true JP2803274B2 (ja) 1998-09-24

Family

ID=15348762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002086A Expired - Lifetime JP2803274B2 (ja) 1989-06-06 1990-01-08 酸化物塗布型磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2803274B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2661403B2 (ja) * 1991-05-20 1997-10-08 東レ株式会社 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03113717A (ja) 1991-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0780282B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2653238B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2803274B2 (ja) 酸化物塗布型磁気記録媒体
JP2666498B2 (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JP2817302B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP2692320B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP2569853B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール
JP2870080B2 (ja) ビデオカセットテープ
JPH07111777B2 (ja) メタル塗布型磁気記録媒体
JP2687621B2 (ja) 磁気テープベース用二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
JP2666500B2 (ja) 高密度記録用ビデオテープ
JP2530747B2 (ja) 二軸配向積層ポリエステルフイルム
JP2892273B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2555739B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
JP2804434B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2827880B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2510791B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP2812136B2 (ja) 二軸配向積層フィルム
JPH06322147A (ja) 二軸配向フィルム
JP2959010B2 (ja) ビデオフロッピー
JP2510741B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2581287B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2666499B2 (ja) オーディオテープ
JP3575701B2 (ja) 磁気記録テープ
JPH0912745A (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム