JP2959010B2 - ビデオフロッピー - Google Patents

ビデオフロッピー

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JP2959010B2
JP2959010B2 JP2003997A JP399790A JP2959010B2 JP 2959010 B2 JP2959010 B2 JP 2959010B2 JP 2003997 A JP2003997 A JP 2003997A JP 399790 A JP399790 A JP 399790A JP 2959010 B2 JP2959010 B2 JP 2959010B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はビデオフロッピー、すなわち電子スチルカメ
ラシステムの記録媒体であるスチルビデオフロッピーに
関するものである。
[従来の技術] 従来、ビデオフロッピー用磁気記録媒体としては、二
軸配向ポリエステルフイルムを基板として、そのフイル
ム表面に微細針状鉄粉と高分子バインダーを塗布した小
型のフレキシブル磁気ディスクが用いられている。そし
て、かかるポリエステルフイルムとしては、例えば特開
昭60−205821等に開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを
用いたビデオフロッピーは、その磁性層が磁気ヘッドと
の接触により傷つけられたり、磨耗したりするという欠
点があった。
また、これを改善せんとして、フイルムの表面を粗す
と、電磁変換特性(ドロップアウト)が低下するという
問題があった。特に、ビデオフロッピーの場合は、磁性
層の厚みが薄いことから、フイルム表面の凹凸の影響が
磁性層表面に顕著に反映されるため、上記問題の解決が
急務であった。更に、最近では携行に便利な小型ビデオ
フロッピーの出現を見るにおよんで、いかなる使用環境
の変化にも適合し得るビデオフロッピーが熱望されてい
たのである。
本発明は、かかる従来技術の欠点を解決し、磁性層表
面の耐久性(以下、耐久性という)とドロップアウト特
性の両特性を満足させると共に、記録再生時のトラッキ
ングミスの少ない(以下、耐トラッキング性という)ビ
デオフロッピーを提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂フイルム及びその少
なくとも一方の表面に設けられた磁性層からなるビデオ
フロッピーであって、該二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
が熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする厚さ0.005〜
3μmのフィルム層Aを含み、かつ該フィルム層A中に
含有される粒子の平均粒径がフィルム層Aの厚さの0.2
〜10倍、該粒子の該熱可塑性樹脂A中の含有量が0.5〜3
0重量%であり、更に該二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
の面内任意の方向の湿度膨脹係数が16×10-6/%RH以下
の範囲であることを特徴とするビデオフロッピーに関す
るものである。
本発明を構成する熱可塑性樹脂Aはポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド
など特に限定されることはないが、特に、ポリエステ
ル、中でも、エチレンテレフタレート、エチレンα,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から
選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とす
る場合に耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング
性がより一層良好となるので望ましい。また、本発明を
構成する熱可塑性樹脂Aは結晶性である場合に耐久性、
ドロップアウト特性、耐トラッキング性がより一層良好
となるのできわめて望ましい。ここでいう結晶性とはい
わゆる非晶質ではないことを示すものであり、定量的に
は結晶化パラメータにおける冷結晶化温度Tccが検出さ
れ、かつ結晶化パラメータΔTcgが150℃以下のものであ
る。さらに、示差走査熱量計で測定された融解熱(融解
エンタルピー変化)が7.5cal/g以上の結晶性を示す場合
に耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング性がよ
り一層良好となるのできわめて望ましい。また、エチレ
ンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステルの
場合に耐トラッキング性と耐久性、ドロップアウト特性
がより一層良好となるので特に望ましい。なお、本発明
を阻害しない範囲内で、2種以上の熱可塑性樹脂を混合
しても良いし、共重合ポリマを用いても良い。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、フィルム層A中
での粒径比(粒子の長径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特
に、実質的に球形状の粒子の場合に耐久性がより一層良
好となるので望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子はフイルム層
A中での単一粒子指数が0.7以上、好ましくは0.9以上で
ある場合に耐久性、ドロップアウト特性がより一層良好
となるので特に望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、フィルム
層A中での相対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.5以下
の場合に耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング
性がより一層良好となるので望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の種類は特に限定さ
れないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはアル
ミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析
出粒子などは好ましくなく、コロイダルシリカに起因す
る実質的に球形のシリカ粒子、架橋高分子による粒子
(たとえば架橋ポリスチレン)などがあるが、特に10重
量%減量時温度(窒素中で熱重量分析装置島津TG−30M
を用いて測定。昇温速度20℃/分)が380℃以上になる
まで架橋度を高くした架橋高分子粒子の場合に耐久性、
ドロップアウト特性、耐トラッキング性耐スクラッチ性
がより一層良好となるので特に望ましい。なお、コロイ
ダルシリカに起因する球形シリカの場合にはアルコキシ
ド法で製造された、ナトリウム含有量が少ない、実質的
に球形のシリカの場合に耐久性がより一層良好となるの
で特に望ましい。しかしながら、その他の粒子、例えば
炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ等の粒子でも
フイルム層Aの厚さと平均粒径の適切なコントロールに
より十分使いこなせるものである。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の結晶化促進係数は
特に限定されないが、−15〜15℃、好ましくは5℃〜10
℃の場合に、耐久性、ドロップアウト特性がより一層良
好となるので特に望ましい。
粒子の大きさは、フイルム層A中での平均粒径がフイ
ルム層Aの厚さの0.2〜10倍、好ましくは0.5〜5倍、さ
らに好ましくは1.1〜3倍の範囲であることが必要であ
る。平均粒径/フイルム厚さ比が上記の範囲より小さく
てめ、逆に大きくても耐久性、ドロップアウト特性、耐
トラッキング性が不良となるので好ましくない。
また熱可塑性樹脂A中の粒子のフィルム層A中での平
均粒径(直径)が0.007〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.
5μmの範囲である場合に、耐久性、ドロップアウト特
性、耐トラッキング性がより一層良好となるので望まし
い。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の含有量は0.5〜30
重量%、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2
〜15重量%であることが必要である。粒子の含有量が上
記の範囲より少なくても、逆に大きくても耐久性、ドロ
ップアウト特性が不良となるので好ましくない。
本発明のフイルム層Aは上記熱可塑性樹脂Aと粒子か
らなる組成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害
しない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、
また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの
有機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよ
い。
本発明のフイルムは上記組成物の二軸配向せしめたフ
イルムである。一軸あるいは無配向フイルムでは耐久性
が不良となるので好ましくない。この配向の程度は特に
限定されないが、高分子の分子配向の程度の目安である
ヤング率が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2以上であ
る場合に耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング
性がより一層良好となるのできわめて望ましい。分子配
向の程度の目安であるヤング率の上限は特に限定されな
いが、通常、5000kg/mm2程度が製造上の限界である。
また、ヤング率が上記範囲内であって、かつフィルム
層Aが無配向、あるいは、一軸配向になっていない、す
なわち、フィルム層Aの分子配向が二軸配向である場合
に耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング性がよ
り一層良好となるので特に望ましい。
特にアッベ屈折率計、レーザーを用いた屈折率計、全
反射レーザーラマン法などによって測定されるフィルム
層Aの分子配向が二軸配向である場合に耐久性、ドロッ
プアウト特性、耐トラッキング性がより一層良好となる
ので特に望ましい。
このように、フィルム層Aが二軸配向になっているこ
とが従来の塗布あるいは塗布・延伸法で得られるフィル
ムと構造的に大きく異なる点である。
さらに熱可塑性樹脂Aが結晶性ポリエステルであり、
これを主成分とする本発明のフィルム層Aの表面の全反
射ラマン結晶化指数が20cm-1以下、好ましくは18cm-1
下の場合に耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキン
グ性がより一層良好となるのできわめて望ましい。
本発明を構成するフイルムはフイルム層Aの表面近傍
の粒子によって表面突起が形成されるものであるが、そ
の突起部分の粒子の上の熱可塑性樹脂の皮の厚さ、表皮
厚さが5〜200nm、好ましくは10〜150nm、さらに15〜12
0nmの範囲である場合に耐久性、ドロップアウト特性、
耐トラッキング性がより一層良好となるので特に望まし
い。また、この表皮厚さの別の見方として表層粒子濃度
比を用いることができる(例えば表皮厚さが厚い場合は
表層の粒子濃度比が小さい)。この表層粒子濃度比が1/
10000〜1/10、特に1/1000〜1/50である場合に上記表皮
厚さ範囲と対応し望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の厚さは0.005〜3μm、好ましくは0.01〜1μm、さ
らに好ましくは0.03〜0.8μmであることが必要であ
る。フイルム層Aの厚さが上記の範囲より小さいと耐久
性が不良となり逆に大きいとドロップアウト特性、耐ト
ラッキング性が不良となるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の表面の平均突起高さは5〜500nm、好ましくは10〜300
nm、さらに好ましくは15〜200nmの範囲である場合に耐
久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング性がより一
層良好となるので特に望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の平均突起間隔は6μm以下、好ましくは4μm以下で
ある場合に耐久性がより一層良好となるので特に望まし
い。
本発明を構成するフイルムは該表面の突起高さ分布の
相対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.55以下、さらに
好ましく0.5以下の場合に耐久性、ドロップアウト特
性、耐トラッキング性がより一層良好となるので特に望
ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の表面の中心線平均粗さRaと最大高さRtの比、Rt/Raが
9.0以下、特に8.5以下の場合に耐久性、ドロップアウト
特性、耐トラッキング性がより一層良好となるので特に
望ましい。
本発明のフイルム層Aは上述したように、構成する熱
可塑性樹脂が結晶性であることがきわめて望ましいが、
結晶化パラメータΔTcgが25〜65℃である場合に耐久
性、ドロップアウト特性、耐トラッキング性がより一層
良好となるので特に望ましい。
なお熱可塑性樹脂Aがポリエステルの場合には熱可塑
性樹脂A面の厚さ方向屈折率が1.5以下の場合に、耐久
性、ドロップアウト特性、耐トラッキング性がより一層
良好となるので特に望ましい。
本発明のフイルム層Aを構成する熱可塑性樹脂Aがポ
リエステルの場合はフイルムの固有粘度が0.60以上、特
に0.70以上の場合に耐久性、ドロップアウト特性、耐ト
ラッキング性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明のフイルム層Aを構成する熱可塑性樹脂Aがポ
リエステルの場合はフイルム中の低分子成分含有量が0.
8重量%以下、特に0.5重量%以下の場合に耐久性、ドロ
ップアウト特性がより一層良好となるので特に望まし
い。
本発明フィルムの積層構成は層A/層B/層A、層A/層B
の場合、および、層Aと異なる表面状態を有する層Cを
Aと反対面に設けた層A/層B/層Cでも、あるいはそれ以
上の多層構造でもよい。(ここで、層A、層B、層Cそ
れぞれの熱可塑性樹脂の種類は同種でも、異種でもよ
い。また、少なくとも片方の表面は層Aであることが必
要である。) 熱可塑性樹脂Bとしては結晶性ポリマが望ましく、特
に、結晶性パラメータΔTcgが20〜100℃の範囲の場合
に、耐トラッキング性がより一層良好となるので望まし
い。具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリフ
ェレンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられるが、ポ
リエステル、ポリフェニレンスルフィドの場合に耐トラ
ッキング性がより一層良好となるので特に望ましい。ま
た、ポリエステルとしては、エチレンテレフタレート、
エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4−4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフ
タレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を
主要構成成分とする場合に耐トラッキング性が特に良好
となるので望ましい。ただし、本発明を阻害しない範囲
内、望ましい結晶性を損なわない範囲内で、好ましくは
5モル%以内であれば他成分が共重合されていてもよ
い。
本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発明の目的を阻害し
ない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、ま
た酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルム層B中には粒
子を含有している必要は特にないが、平均粒径が0.007
〜2μm、特に0.02〜0.45μmの粒子が0.001〜0.7重量
%、特に0.005〜0.2重量%、さらには0.005〜0.15重量
%含有されていると、耐久性がより一層良好となるので
望ましく、またフィルムの巻姿(ロールの巻姿)も良好
となるので望ましい。含有する粒子の種類は熱可塑性樹
脂Aに望ましく用いられるものを使用することが望まし
い。熱可塑性樹脂AとBに含有する粒子の種類、大きさ
は同じでも異なっていても良い。
上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの結晶化パラメ
ータΔTcgの差(A−B)は特に限定されないが、−30
〜+20℃の場合に、耐久性、ドロップアウト特性、耐ト
ラッキング性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明で用いられる二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
は、面内任意の方向の湿度膨脹係数が16×10-6/%RH 以
下、好ましくは14×10-6/%RH 以下、さらに好ましくは
12×10-6/%RH 以下の範囲でなければならない。湿度膨
脹係数が大きすぎると、記録再生時にトラッキングミス
を起こし易くなり、信号の正確な再生が難しくなり、ま
た、フロッピー製造工程でフロッピーを打ち抜く時、割
れたり、ひびが入ったり、あるいは打ち抜き端面がギザ
ギザになったりする。なお、湿度膨脹係数の値は、フイ
ルム面内、即ちフイルムの長手方向、幅方向あるいは斜
め方向のいずれの方向でも上記範囲内にあることが必要
である。
フィルムの厚さは特に限定されないが、20〜100μm,
特に25〜80μmの場合に耐久性、耐トラッキング性が一
層良好となるので望ましい。
本発明は上記の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの片面
に磁性層を設けてなる磁気記録媒体である。用いられる
磁性粉末は特に限定されないが、酸化鉄、酸化クロム、
Co被着酸化鉄などの酸化物、あるいは、Fe、Co、Fe−C
o、Fe−Co−Ni、Co−Ni等の金属または合金、これらとA
l、Cr、Si等との合金等が用いられ、これらの磁性粉末
と有機バインダーを主成分とする磁性塗料を塗布したい
わゆる塗布型の磁気記録テープ、あるいは、実質的に有
機バインダーを含有しない磁性金属を蒸着、スパッタ法
などによって基材フイルムの表面に設けた金属薄膜型磁
気記録テープのいずれでもよい。また、上記塗布型磁性
層の場合、バインダーの種類は特に限定されないが、一
般的には熱硬化性樹脂系バインダーおよび放射線硬化系
バインダーが好ましく、その他添加剤として公知の潤滑
剤、研磨剤、遮光剤、帯電防止剤等の添加物を常法に従
って用いてもよい。例えば塩化ビニル・酢酸ビニル・ビ
ニルアルコール共重合体、ポリウレタンプレポリマおよ
びポリイソシアネートよりなるバインダーなどを用いる
ことができる。また、金属薄膜型磁性層の場合にはその
表面潤滑剤、保護膜等公知の処理をしてもよい。
磁性層の厚さは特に限定されないが、塗布型磁気記録
テープの場合は、0.3〜5μmの範囲、金属薄膜型の場
合は0.05〜0.5μmとしておくと耐久性、ドロップアウ
ト特性、耐トラッキング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
次に本発明に用いるフィルムの製造方法について説明
する。
まず、熱可塑性樹脂Aに粒子を含有せしめる方法とし
ては、熱可塑性樹脂がポリエステルの場合には、ジオー
ル成分であるエチレングリコールのスラリーの形で分散
せしめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸
成分と重合せしめるのが延伸破れなく、本発明範囲のフ
ィルム層Aの厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい
範囲の配向状態のフイルムを得るのに有効である。ま
た、粒子を含有するポリエステルの溶融粘度、共重合成
分などを調節して、その結晶化パラメータΔTcgを40〜6
5℃の範囲にしておく方法は延伸破れなく、本発明範囲
のフィルム層Aの厚さと平均粒径の関係、含有量、望ま
しい範囲の配向状態、表層粒子濃度比、平均突起高さ、
Rt/Ra比のフイルムを得るのに有効である。
また、粒子のエチレングリコールのスラリーを140〜2
00℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時間、特に1〜
3時間熱処理する方法は延伸破れなく、本発明範囲のフ
ィルム層Aの厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい
範囲の配向状態、表皮厚さのフイルムを得るのに有効で
ある。
また熱可塑性樹脂(ポリエステルも含めて)に粒子を
含有せしめる方法として、粒子をエチレングリコール中
で140〜200℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時間、
特に1〜3時間熱処理した後、溶媒を水に置換したスラ
リーの形で熱可塑性樹脂と混合し、ベント方式の2軸押
出機を用いて混練して熱可塑性樹脂に練り込む方法も本
発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範
囲の配向状態、表皮厚さ、平均突起高さ、Rt/Ra比のフ
イルムを得るのにきわめて有効である。
粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高
濃度マスターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質
的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して粒子の含有量を
調節する方法が有効である。
かくして、粒子を所定量含有するペレットを必要に応
じて乾燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、熱可塑
性樹脂の融点以上、分解点以下でスリット状のダイから
シート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化
せしめて未延伸フィルムを作る。
熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルムの少なくとも
片面に熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルムを積層す
る方法としては、次の方法が有効である。
所定の熱可塑性樹脂A組成物と熱可塑性樹脂B(A、
Bは同種、異種どちらでもよい)を公知の溶融積層用押
出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フィルムを作る。すなわち、2または3台の押出し機、
2または3層のマニホールドまたは合流部分が角形の合
流ブロックを用いて、熱可塑性樹脂A、Bを積層し、口
金から2または3層のシートを押し出し、キャスティン
グロールで冷却して未延伸フイルムを作り、熱可塑性樹
脂Aのポリマ流路に、スタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法が延伸破れなく、本発明範囲のフィル
ム層Aの厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲
の配向状態、平均突起高さ、Rt/Ra比、表層粒子濃度比
のフイルムを得るのに有効である。また、熱可塑性樹脂
A側の押し出し機の溶融温度を、熱可塑性樹脂B側よ
り、10〜40℃高くすることが、延伸破れなく、本発明範
囲のフィルム層Aの厚さと平均粒径の関係、湿度膨脹係
数、含有量、望ましい範囲の配向状態、平均突起高さ、
Rt/Ra比、表層粒子濃度比、全反射ラマン結晶化指数の
フイルムを得るのに有効である。
また、層構成をA/B/Aとし、後の横延伸時をステンタ
で行なう際のクリップ把持部分は、実質的にB層のみと
なるように合流部分の形状をA層のエッジ部分が閉じた
形としておくことが、本発明の湿度膨脹係数を得るのに
有効である。
上記A/B、A/B/Aのどちらの場合でも、未延伸フイルム
に押出し成形する時の、口金スリット間隙/未延伸フイ
ルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の範囲にする
ことが、延伸破れなく本発明範囲の厚さと平均粒径の関
係、含有量の範囲、望ましい範囲の配向状態、表皮厚
さ、全反射ラマン結晶化指数のフイルムを得るのに有効
である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法、チューブラー延伸法を用いることができる。
ただし、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐
次二軸延伸法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分
けて、総縦延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は延伸破
れなく、本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、
望ましい範囲の配向状態、表層粒子濃度比のフイルムを
得るのに有効である。ただし、熱可塑性樹脂が溶融光学
異方性樹脂である場合は長手方向延伸倍率は1〜1.1倍
が適切である。長手方向延伸温度は熱可塑性樹脂の種類
によって異なり一概には言えないが、通常、その1段目
を50〜130℃とし、2段目以降はそれより高くすること
が本発明範囲のフィルム層Aの厚さと平均粒径の関係、
含有量、湿度膨脹係数、望ましい範囲の配向状態、平均
突起高さ、表皮厚さのフイルムを得るのに有効である。
長手方向延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適で
ある。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方法
が一般的である。延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範囲が適当
である。幅方向の延伸速度は、1000〜20000%/分、温
度は80〜160℃の範囲が好適である。機械強度が必要な
場合は、さらに少なくとも一方向に再延伸する方法が有
効である。また、この延伸フィルムを幅方向に弛緩状態
で熱処理し、その後徐冷する方法が本発明の湿度膨脹係
数を得るのに有効である。
次に、この基材フィルムに磁性層を設ける。磁性層を
塗布する方法は公知の方法で行なうことができるが、グ
ラビヤロールやギーサで塗布する方法が耐久性、ドロッ
プアウト特性、耐トラッキング性を一層良好とできるの
で望ましい。
塗布後の乾燥工程は、温度を90〜120℃とするのが耐
トラッキング性を一層良好とできるので望ましい。
また、カレンダー工程は、ポリアミド系樹脂またはポ
リエステル系樹脂を弾性ロールに用い、25〜90℃の温度
範囲で行なうのが、耐久性を一層良好とできるので望ま
しい。またカレンダー時の圧力は100〜500kg/cmの範囲
が、耐久性、ドロップアウト特性、耐トラッキング性を
一層良好とできるので望ましい。
次に磁性層が塗布された原反を巻とってロールの形で
磁性層硬化のためにキュアする。キュアの温度条件は40
〜100℃の範囲が、ドロップアウト特性、耐トラッキン
グ性、耐久性を一層良好とできるので望ましい。
また金属薄膜型の場合の磁性層の形成法は公知の方法
で可能であり、例えば、鉄、コバルト・ニッケルまたは
その合金の金属薄膜を真空蒸着、イオンプレーティン
グ、スパッタリング法等により基材フィルム上に直接、
あるいはアルミニウム、チタン、クロム等の下地薄膜を
介して形成させるのが好ましい。
かくして得られた原反を所定の大きさに打ち抜いて本
発明のビデオフロッピーが得られる。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の平均粒径 フィルム表面から熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処
理法(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子
を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰化されるが
粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM
(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によ
ってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえ
ばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付
け、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理
を行ない、それによって求めた数平均径Dを平均粒径と
する。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(2)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
(3)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。
すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度
で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷する。この急冷
試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。
さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク
温度をもって冷結晶化温度Tccとした。さらに昇温を続
け、融解ピークから融解熱を求めた。ここでTccとTgの
差(Tcc−Tg)を結晶化パラメータΔTcgと定義する。
(4)表面の分子配向(屈折率) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配向
性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N2、N3
とした時(N1−N2)の絶対値が0.07以下、かつ、N3/
[(N1−N2)/2]が0.95以下であることをひとつの基準
とできる。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を
測定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場
合は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクト
ルを測定し、例えばポリエチレンテレフタレートの場合
では、1615cm-1(ベンゼン環の骨格振動)と1730cm
-1(カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光測
定比(YY/XX比など。ここでYY:レーザーの偏光方向をY
にしてYに対して平行なラマン光検出、XX:レーザーの
偏光方向をXにしてXに対して平行なラマン光検出)が
分子配向と対応することを利用できる。ポリマの二軸配
向性はラマン測定から得られたパラメータを長手方向、
幅方向の屈折率に換算して、その絶対値、差などから判
定できる。この場合の測定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザの
プリズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm -1 REPEAT TIME 6 (5)全反射ラマン結晶化指数 Jobin−Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムによ
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定条件は次のとおりであ
る。測定深さは、表面から500〜1000オングストローム
程度である。
アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平
行となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向と
の角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230) (supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm -1 REPEAT TIME 6 (6)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面の高さ
を0として走査した時の突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、突起個数を求め、測定された全突起についてその
高さの平均値を平均高さとした。また個々の突起の高さ
データをもとに、高さ分布の標準偏差を求めた。相対標
準偏差は標準偏差を平均高さで割ったものである。また
走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を選
択する。なお、場合によっては、高精度光干渉式3次元
表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200
倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高さ
情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
(7)中心線平均表面粗さRa、最大高さRt、突起間隔Sm 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定の平
均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rp、Rt、Smの定義は、たとえば、奈良治郎著
[表面粗さの測定・評価法](総合技術センター、198
3)に示されているものである。
(8)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、イン
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
(9)固有粘度[η](単位はdl/g) オルソクロルフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から下記式から計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]・C ここで、ηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、
溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(10)表皮厚さ 下記条件でのフイルム断面観察で突起部分のみ注目し
た観察を行ない突起100個の平均値をもって表皮厚さと
した(倍率は4万〜10万倍)。なお、さらに、同様の値
は表面からのラザフォード後方散乱分光法によっても得
ることができる。原理はフイルム表面から高エネルギー
のイオンを打ち込み、原子核同士の弾性散乱(ラザフォ
ード散乱)によって反跳してきたHeイオンのエネルギー
を調べることによって、フイルム表面近傍の元素分布の
情報を得るものであり、その条件は下記の通りである。
・装置:日新ハイボルテージ製の後方散乱測定装置(AN
−2500) ・測定条件: 入射イオン 4He+ 入射エネルギー 2.0MeV イオン電流 5nA 入射量 40μC イオンビーム径 1mmφ 入射角 0度 散乱角 160度 マルチチャンネルアナライザー 2keV/channel エネルギー分解能 18keV 上記測定によって得られた原スペクトルから粒子濃度
のデプスプロファイルを求め、粒子濃度が極大値の1/2
になる表面からの深さaを表皮厚さとした(ここで、粒
子濃度が極大値となる深さをbとするとa<b)。な
お、ラザフォード後方散乱分光法によって得られる情報
を厚さに換算する時の原子数密度はフイルムの密度、熱
可塑性樹脂の繰り返し単位の分子構造から求めた値を用
いた。熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレートの場
合は原子数密度:9.7×1022個/cm3を用いることができ
る。
・装置:電界放射型走査電子顕微鏡 (日立製S−800型) ・加速電圧:10kV ・切断:凍結ミクロトームによる切断面にカーボン蒸
着して測定試料作成 (切断方向はフイルムの横方向) (11)表層粒子濃度比 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フイルム
中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元素と
ポリエステルの炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚さ
方向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層粒
子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深さ
方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを表
層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおりで
ある。
測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領 域:400μm□ 分 析 領 域:ゲート30% 測 定 真 空 度:6.0×10-9Torr E − G U N:0.5KV−3.0A なお、SIMSによる測定が難しい粒子の場合には全反射赤
外分光法、コンフォーカル顕微鏡なども粒子のデプスプ
ロファイルを測定するのに有効である。
(12)単一粒子指数 フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を100000倍程度にすれ
ば、それ以上分けることができない1個の粒子が観察で
きる。粒子の占める全面積をA、その内2個以上の粒子
が凝集している凝集体の占める面積をBとした時、(A
−B)/Aをもって、単一粒子指数とする。TEM条件は下
記のとおりであり1視野面積:2μm2の測定を場所を変え
て、500視野測定する。
・装置:日本電子製JEM−1200EX ・観察倍率:100000倍 ・加速電圧:100kV ・切片厚さ:約1000オングストローム (13)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値
/短径の平均値の比である。
すなわち、下式で求められる。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短径
(最短径)、Nは総個数である。
(14)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の突起径Di、平均
径D、粒子総数Nから計算される標準偏差 を平均径Dで割った値(σ/D)で表わした。
(15)低分子成分含有量 試料ポリマを粉砕しソックスレー抽出器を用いて、ク
ロロホルムを溶媒として、還流下で24時間抽出を行な
う。クロロホルムを蒸発させて得られた抽出物の重量の
もとの試料の重量に対する比率(重量%)をもって低分
子成分含有量とした。
(16)結晶化促進係数 上記(3)の方法で粒子を1重量%含有するポリエス
テルのΔTcg(I)、およびこれから粒子を除去した同
粘度のポリエステルのΔTcg(II)を測定し、ΔTcg(I
I)とΔTcg(I)の差[ΔTcg(II)−ΔTcg(I)]を
もって、結晶化促進係数とした。
(17)積層フィルム中の熱可塑性樹脂A層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィルム
中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素と熱可塑
性樹脂の炭素元素の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、
熱可塑性樹脂A層の表面から深さ(厚さ)方向の分析を
行なう。表層では表面という界面のために粒子濃度は低
く表面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発
明フィルムの場合は通常深さ[I]でいったん極大値と
なった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線
をもとに極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](こ
こでII>I)を積層厚さとした。条件は測定法(11)と
同様である。
なお、フィルム中にもっとも多く含有する粒子が有機
高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面か
らエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR
(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、
その粒子濃度のデプスプロファイルを測定し、上記同様
の手法から積層厚さを求めても良い。
さらに、上述した粒子濃度のデプスプロファイルから
ではなく、フィルムの断面観察あるいは薄膜段差測定機
等によって熱可塑性樹脂Aの積層厚さを求めても良い。
(18)トラッキングずれテスト(耐トラッキング性) フロッピーを温度25℃、相対湿度20%の雰囲気で記録
し、更に雰囲気条件を25℃、相対湿度70%に保持し、25
℃、相対湿度20%のときと25℃相対湿度70%の出力エン
ベロープを比較する。この差が小さいほど、優れたトラ
ッキング特性を有している。この差が3dB以上になる
と、トラッキングが悪く、評価としては不良であり、3d
B以内のものは優として評価した。
(19)耐久性 上記(18)と同様にして得たフロッピーに磁気記録し
た同一トラックを相対走行速度6m/secで100万回以上走
査し、その出力エンベロープを調べた。評価基準は、磁
性層の表面に生じた傷を確認し、かつ出力エンベロープ
が不安定となったものを不良とした。磁性層の表面に傷
が発生せず、かつ出力エンベロープが安定なものを優と
評価した。
(20)湿度膨脹係数 フイルム試料から、測定すべき方向を長手として、長
さ100mm、幅10mmの試片を切り出し、これを恒温恒湿槽
内に定張力微小変位計(日本自動制御(株)製)を組み
込んだ伸縮測定器に初期長さl0でセットする。張力は10
g/mm2で一定とし、かつ槽内雰囲気を20℃、35%RHに一
定として、変位計出力が安定するまで、数十分ないし数
時間放置する。この安定した時の出力をX1とする。次
に、張力、温度は一定のままにして、湿度を85%RHまで
上げて、再び出力が安定するまで数十分ないし数時間放
置する。この安定した時の出力をX2とする。(X2−X1
を試片の長さ変化に換算した値をΔlとすると、湿度膨
脹係数(β)は、次式で求められる。
β=Δl/(50×l0) (21)ドロップアウト特性 東京エンジニアリング(株)製のフロッピディスク試
験装置SK−403Aを改造し、ディスク回転数を3600rpmと
し記録用ヘッドとして、センダストヘッドともギャップ
長0.3μm,トラック幅60μmで巻線数は8ターンであ
る。
同試験装置を恒温恒湿槽に入れ、20℃、40%RHの雰囲
気で7MHzの信号をビデオフロッピーのNo.1トラック(デ
ィスク記録半径20mm)に記録した後、ビデオフロッピー
を60℃,80%RHの雰囲気下で2時間放置した。次に、上
記試験装置で、20℃、40%RHの雰囲気下で再生し、ドロ
ップアウトカウンターを用いて信号出力50%以下のもの
を数えた。なお、測定はビデオフロッピー10枚について
5分ずつの測定を行ない、1枚あたりの個数が5個未満
の場合を良好、5個以上を不良とした。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜6、比較例1〜6 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダル
シリカに起因するシリカ粒子を含有するエチレングリコ
ールスラリーを調製し、このエチレングリコールスラリ
ーを190℃で1.5時間熱処理した後、常法によって該粒子
を所定量含有するポリエチレンテレフタレートおよびポ
リエチレン2,6−ナフタレートを作った(熱可塑性樹脂
A)。また、常法によって、実質的に粒子を含有しない
ポリエチレンテレフタレートを製造し、熱可塑性樹脂B
とした。これらのポリマをそれぞれ180℃で3時間減圧
乾燥(3Torr)した。熱可塑性樹脂Aを押出機1に供給
し310℃で溶融し、さらに、熱可塑性樹脂Bを押出機2
に供給、280℃で溶融し、これらのポリマを種々の形状
を有する合流ブロック(フィードブロック)で合流積層
し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャス
ティング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、2層構造の
未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット間隙/
未延伸フイルム厚さの比を10として未延伸フイルムを作
った。また、それぞれの押出機の吐出量を調節し総厚
さ、フィルム層Aの厚さを調節した。この未延伸フイル
ムを温度80℃にて長手方向4.5倍延伸した。この延伸は
2組ずつのロールの周速差で、4段階で行なった。この
一軸延伸フイルムをステンタを用いて延伸速度2000%/
分で100℃で幅方向に4.0倍延伸し、幅方向に5%弛緩さ
せつつ200℃にて5秒間熱処理し、総厚さ33μm、フィ
ルム層Aの厚さ0.004〜4.5μmの二軸配向積層フィルム
を得た。また、幅方向に微延伸させながら熱処理したも
のも作った。
これらのフィルムの層A面に電子ビーム蒸着法(最小
入射角:50゜の斜方蒸着)でコバルト/ニッケル合金(C
o/Ni=75/25重量比)を蒸着し、厚さ1000Aの金属薄膜型
磁気記録媒体を得た。これを2インチ径に打ち抜きを行
ないビデオフロッピーを得た。
これらのフィルムの本発明のパラメータは第1表に示
したとおりであり、本発明のパラメータが範囲内の場合
は耐久性、耐トラッキング性、ドロップアウト特性は第
1表に示したとおり優であったが、そうでない場合は耐
久性、耐トラッキング性、ドロップアウト特性を兼備す
るビデオフロッピーは得られなかった。
実施例7〜9,比較例7〜10 実施例1〜3に用いた熱可塑性樹脂Aの原料を押出機
1に供給し、平均粒径0.2〜1.0μmの架橋ポリスチレン
の粒子を所定量含有する固有粘度0.6のPETを熱可塑性樹
脂Bとしてこれを押出機2に供給して、実施例1と同様
にして、ただし/B/Aの3層構造の総厚さ33μm、フィル
ム層A(片側)の厚さが0.01〜4.5μmのフイルムを作
った。
これらのフィルムのフィルム層A面に磁性塗料をグラ
ビヤロールを用いて塗布した。磁性塗料は次のようにし
て調製した。
・Fe(鉄) 100部 平均粒子サイズ 長さ :0.3μm 針状比:10/1 抗磁力 2000 Oe ・ポリウレタン樹脂 15部 ・塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体 5部 ・ニトロセルロース樹脂 5部 ・酸化アルミ粉末 3部 平均粒径 :0.3μm ・カーボンブラック 1部 ・レシチン 2部 ・メチルエチルケトン 100部 ・メチルイソブチルケトン 100部 ・トルエン 100部 ・ステアリン酸 2部 上記組成物をボールミルで48時間混合分散した後、硬
化剤6部を添加して得られた混練物をフィルターでろ過
して磁性塗布液を準備し、上記フィルム上に塗布、磁場
配向させ、110℃で乾燥し、さらに小型テストカレンダ
ー装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)で、
温度、線圧を変更してカレンダー処理した後ロール状に
巻とり、10〜150℃の範囲で温度を変更して、48時間キ
ュアリングした後、2インチ径に打ち抜きを行ないビデ
オフロッピーを得た(磁性層の厚さは1.5μm)。
これらのフイルムの本発明パラメータは本発明範囲で
あり、耐久性、耐トラッキング性、ドロップアウト特性
ともに優れたビデオフロッピーであった(第2表)。し
かし、該パラメータが本発明範囲外では、それらの特性
を兼備したビデオフロッピーは得られなかった。
実施例10〜13、比較例11〜13 熱可塑性樹脂A、Bとして、PET、ポリフェニレンス
ルフィド、ナイロン6を準備した。熱可塑性樹脂Aには
各種粒子を含有するエチレングリコールスラリーを190
℃で1.5時間熱処理した後、溶媒を水に置換したスラリ
ーをベント方式の2軸押出機を用いて熱可塑性樹脂と混
練し、各種粒子を所定量含有する熱可塑性樹脂Aを作っ
た。熱可塑性樹脂Aを押出機1に供給し310〜330℃で溶
融し、さらに、実質的に粒子を含有しない熱可塑性樹脂
Bを押出機2に供給、290〜310℃で溶融し、これらの熱
可塑性樹脂を第3表のように組み合わせて、種々の3層
用合流ブロック(フィードブロック)で合流積層し、静
電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティン
グ・ドラムに巻きつけて冷却固化し、3層構造(A/B/
A)の未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フイルム厚さの比を10として未延伸フイル
ムを作った。また、それぞれの押出機の吐出量を調節し
総厚さ、フィルム層Aの厚さを調節した。この未延伸フ
イルムを温度50〜95℃にて長手方向に4.5倍延伸した。
この延伸は2組ずつのロールの周速差で、4段階で行な
った。この一軸延伸フイルムをステンタを用いて延伸速
度2000%/分で100℃で軸方向に4.0倍延伸し、幅方向に
5%弛緩させつつ、180℃にて5秒間熱処理し、総厚さ3
3μm、フィルム層Aの厚さ、および厚さと含有する粒
子の径の比、含有量が異なるサンプルを作った。これら
のフィルムに第3表に示すように磁性層を形成してビデ
オフロッピーを作成した。本発明のパラメータが範囲内
の場合は耐久性、耐トラッキング性、ドロップアウト特
性は第3表に示したとおり優であったが、そうでない場
合は耐久性、耐トラッキング性、ドロップアウト特性を
兼備するフイルムは得られなかった。
[発明の効果] 本発明は、製法の工夫により、粒子を含有する熱可塑
性樹脂を用いて、粒子の大きさとフイルム厚さの関係、
含有量、フイルム厚さ及び湿度膨脹係数等を特定範囲と
したフイルムあるいはその積層フイルムとしたので、こ
れを用いたビデオフロッピーは、磁性層の耐久性とドロ
ップアウト特性の両特性を満足すると共に、記録再生時
のトラッキングミスの少ない耐トラッキング性に優れた
ビデオフロッピーとなる。
また、本発明フイルムは、コーティングなどの操作な
しで直接複合積層によって作ったフイルムであり、製膜
工程中あるいはその後のコーティングによって作られる
積層フイルムに比べて、最表層の分子も二軸配向であ
り、表皮厚さも適切であるため、上述した特性以外、例
えば、表面の耐削れ性もはるかに優れ、しかもコスト
面、品質の安定性などにおいて有利である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−60120(JP,A) 特開 昭63−308723(JP,A) 特開 昭60−202530(JP,A) 特開 平3−207017(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/704 G11B 5/82

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向熱可塑性樹脂フィルム及びその少
    なくとも一方の表面に設けられた磁性層からなるビデオ
    フロッピーであって、該二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
    が熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする厚さ0.005〜
    3μmのフィルム層Aを含み、かつ該フィルム層A中に
    含有される粒子の平均粒径がフィルム層Aの厚さの0.2
    〜10倍、該粒子の該熱可塑性樹脂A中の含有量が0.5〜3
    0重量%であり、更に該二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
    の面内任意の方向の湿度膨脹係数が16×10-6/%RH以下
    の範囲であることを特徴とするビデオフロッピー。
  2. 【請求項2】二軸配向熱可塑性樹脂フィルムが、フィル
    ム層A及び熱可塑性樹脂Bを含むフィルム層Bからなる
    複合フィルムであることを特徴とする請求項1記載のビ
    デオフロッピー。
  3. 【請求項3】フィルム層Bが、実質的に粒子を含有しな
    いことを特徴とする請求項2記載のビデオフロッピー。
  4. 【請求項4】フィルム層Bが、熱可塑性樹脂Bと平均粒
    径0.007〜2μmの粒子とを主成分とし、該粒子の該熱
    可塑性樹脂B中の含有量が0.001〜0.7重量%であること
    を特徴とする請求項2記載のビデオフロッピー。
  5. 【請求項5】フィルム層Aに含有される粒子の相対標準
    偏差が0.6以下であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のビデオフロッピー。
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