JP2653238B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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Description
に塗布型磁性層を設けてなる磁気記録媒体が知られてい
る(たとえば特開昭60−66319号公報)。
ノイズの比であり高いほど画質が良好となる)を高くす
るため磁性層表面はますます平滑化されている。しか
し、磁性層の表面が平滑になると走行時の摩擦係数が大
きくなりその耐久性が不良となり、使用時の繰返し走行
によるS/Nの低下が大きくなるという問題点があった。
また磁性層の表面を粗くして耐久性を向上させようとす
るとS/Nが低くなるというジレンマを抱えていた。本発
明はかかる課題を改善し、S/Nが高くかつ繰返し走行に
よるS/Nの低下の小さい磁気記録媒体を提供することを
目的とする。
性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該磁性層の表
面の凹凸が凹主体であることを特徴とする磁気記録媒体
としたものであり、より定量的な表現としては、該磁性
層の表面が3次元表面粗さ計で測定されるSRpの値がSRv
より小さいこと特徴とする磁気記録媒体とするものであ
る。
エステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニル
レンスルフィドなど特に限定されることはないが、特
に、ポリエステル、中でも、エチレンテレフタレート、
エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレ
ート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要
構成成分とする場合にS/Nが高く、たく繰り返し走行に
よるS/Nの低下が少なくなるので望ましい。
が下記特徴を有している場合に、本発明の磁性層表面を
得るのにきわめて有効であり、また、S/Nを一層高く、S
/N低下を一層小さくできるので望ましい。すなわち、 基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであ
り、該フィルムが、熱可塑性樹脂Aと粒子を主成分とす
る厚さ0.005〜3μm、好ましくは0.01〜2μmの層で
あって、該層中に含有される粒子の平均粒径が該層の厚
さの0.1〜10倍、好ましくは0.3〜5倍、該粒子の含有量
が0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜20重量%である層
(フィルム層A)を少なくとも磁性層を設ける側と反対
の側に有している場合、 基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであ
り、該フィルムが、表面突起の平均高さがフィルム層A
に含有される粒子の平均粒径の1/4以上、好ましくは1/
3.5以上、さらに好ましくは1/3以上であり、かつ突起個
数が1万個/mm2以上、好ましくは2万個/mm2以上である
面を、少なくとも磁性層を設ける側と反対の側に有して
いる場合、 基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであ
り、該フィルムが、フィルム層Aに含有される粒子の平
均粒径の1/3以下の高さの突起数が全突起数の70%以
下、好ましくは65%以下である面を少なくとも磁性層を
設ける側と反対の側に有している場合、 基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイルムであ
り、該フィルムが、その表面突起高さ分布の相対標準偏
差が0.6以下、好ましくは0.55%以下、さらに好ましく
は0.5以下である面を少なくとも磁性層を設ける側と反
応の側に有している場合、である。
定されないが、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリア
ミド、ポリフェニルレンスルフィドなど結晶性の熱可塑
性樹脂、中でもポリエステル、ポリフェニレンスルフィ
ド、特にポリエステルが好ましく用いられる。また、ポ
リエステルの中でも、エチレンテレフタレート、エチレ
ンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート
単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成
成分とするものが本発明範囲の磁性層表面の形態を得る
のに望ましい。ここでいう結晶性とはいわゆる非晶質で
はないことを示すものであり、定量的に示差走査熱量計
(DSC)による昇温速度10℃/分の熱分析によって融点
が検出され、好ましくは結晶化パラメータΔTcgが150℃
以下のものである。さらに、示差走査熱量計で測定され
た融解熱(融解エンタルピー変化)が7.5cal/g以上の結
晶性を示す場合にS/Nがより一層良好となるのできわめ
て望ましい。
粒径比(粒子の長径/短径)が1.0〜1.3の球形状の粒子
の場合には本発明の磁性層表面形態が得られやすく、ま
た、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので望
ましい。
下、好ましくは0.5以下の場合に本発明の磁性層表面形
態が得られやすく、また、S/Nを一層高く、S/N低下を一
層小さくできるので望ましい。
はコロイダルシリカに起因する実質的に球形のシリカ粒
子、架橋高分子による粒子(たとえば架橋ポリスチレ
ン、シリコーン、ポリイミド等)などがあるが、これら
に限定されるわけではなく、製膜方法の工夫により他の
粒子、例えば二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウ
ム、カオリナイトなど従来公知の粒子でも使いこなし得
るものである。
径)が5〜2000nm、特に10〜1500nm、さらに10〜1000nm
の場合に本発明の磁性層表面形態が得られやすく、ま
た、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので望
ましい。
に支障のない範囲で、好ましくは1重量%以下の範囲
で、フィルム層Aの粒子より大きい粒子、同じ大きさの
粒子、小さい粒子、あるいはそれらの混合物を含有して
いても良い。
なる組成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害し
ない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、ま
た酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
ム層A面、あるいは表面形態が本発明で規定する特定の
特性を有する面)の全反射ラマン結晶化指数は、20cm-1
以下の場合に本発明の磁性層表面形態が得られやすく、
また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので
望ましい。
オンマススペクトルによって測定される表層粒子濃度比
は特に限定されないが、表層粒子濃度比が1/10以下、特
に1/50以下である場合にS/Nが高く、S/N低下を小さくす
ることができるので特に望ましい。この表層粒子濃度比
は従来の塗布法あるいは塗布・延伸法によっては得られ
ないものであり、表層粒子濃度比をこの範囲にしておく
ことにより本発明の磁性層表面形態が得られやすく、ま
た、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので望
ましく、また、フイルム表面の耐削れ性が向上し、製膜
工程、磁性層塗布やカレンダー等の加工工程の粒子脱落
によるトラブルが大きく改善されるものである。
とし、少なくともその特徴面が磁性層と反対側になるよ
うに塗布型磁性層を設けてなる磁気記録媒体である。す
なわち片面のみが特徴面である基材フイルムの場合に
は、その特徴面の反対面に磁性層を設け、両面ともが特
徴面の場合にはどちらの面に磁性層を設けてもよい。
化鉄、酸化クロム、Co被着酸化鉄などの酸化物、あるい
は、Fe、Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni等の金属また
は合金、これらAl、Cr、Si等との合金等が用いられる
が、特に実質的に酸化物ではない金属単体(合金も含
む)、すなわち磁性層がメタル塗布型である場合に本発
明の磁性層表面形態が得られやすく、また、S/Nを一層
高く、S/N低下を一層小さくできるので望ましい。
ができるが、一般には熱硬化性樹脂系バインダーおよび
放射線硬化系バインダーが好ましく、その他添加剤とし
て分散剤、潤滑剤、帯電防止剤を常法に従って用いても
よい。例えば塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコー
ル共重合体、ポリウレタンプレポリマおよびポリイソシ
アネートよりなるバインダーなどを用いることができ
る。
範囲としておくことが本発明の磁性層表面形態が得られ
やすく、また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくで
きるので望ましい。
凹主体であることが必要である。凸が主体であるとS/N
低下が大きく好ましくない。
より定量的に表現すると、3次元表面粗さ計で測定され
るSRpの値がSRvより小さい場合にS/Nを一層高く、S/N低
下を一層小さくできるので望ましい。
面粗さ計で測定されるSRvとSRpの差(SRv−SRp)が10nm
以上、好ましくは15nm以上、さらに好ましくは20nm以上
の場合にS/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるの
で望ましい。(SRv−SRp)の上限は特に限定されない
が、通常300nm程度が製造上の限界である。
さ計で測定されるSRv/SRaが10以下、さらに好ましくは
8以下の場合にS/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくで
きるので望ましい。
トSPcは100以上、好ましくは150以上、さらに好ましく
は200以上である場合にS/Nを一層高く、S/N低下を一層
小さくできるので望ましい。
m、特に10〜30nmの範囲である場合にS/Nを一層高く、S/
N低下を一層小さくできるので望ましい。またSRzは30〜
450nm、特に50〜300nmの範囲である場合にS/Nを一層高
く、S/N低下を一層小さくできるので望ましい。
合には、その反対側の基材フイルムの表面にいわゆるバ
ックコート処理されていてもよい。この場合のバックコ
ート層の厚さは0.1〜1.5μm、好ましくは0.1〜0.8μ
m、表面平均粗さRaは5〜200nm、好ましくは5〜100n
m、さらに好ましくは5〜50nmの範囲の場合に本発明の
磁性層表面形態が得られやすく、また、S/Nを一層高
く、S/N低下を一層小さくできるので望ましい。
る。
塑性樹脂フイルムの製法を説明する。
子をエチレングリコールのスラリーとし、重合時に添加
するかまたはベント方式の2軸混練押出機を用いて熱可
塑性樹脂に添加する方法が、延伸破れなく、本発明に望
ましい基材フイルムを得るのにきわめて有効である。
濃度マスターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質
的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して粒子の含有量を
調節する方法が有効である。次に、粒子を含有する熱可
塑性樹脂Aのペレットを必要に応じて乾燥したのち、公
知の溶融積層用押出装置に供給し、スリット状のダイか
らシート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固
化せしめて、A層の厚さがA層に含有される粒子の平均
粒径の0.8〜80倍である未延伸フィルムを作る。すなわ
ち、2または3台の押出し機、2または3層のマニホー
ルドまたは合流ブロックを用いて、熱可塑性樹脂A、B
を積層し、口金から2または3層のシートを押し出し、
キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを作
る。この場合、熱可塑性樹脂Aのポリマ流路に、スタテ
ィックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は延伸破れ
なく、本発明に望ましい基材フイルムを得るのにきわめ
て有効である。
ドブロックを用いるのが本発明に望ましい基材フイルム
を得るのにきわめて有効である。
て述べたが(A層面が特徴面)、A/B/Cの構成の場合は
3台の押出機を用いて同様に、3層のマニホールドまた
は合流ブロックを用いて、熱可塑性樹脂A、B、Cを積
層し、口金から3層のシートを押し出し、キャスティン
グロールで冷却して未延伸フィルムを作る。いずれの場
合もA、B、Cは同じ熱可塑性樹脂でも異なっていても
よい(A、C層の面が特徴面)。
める。延伸方法としては、公知の縦次に横、または横次
に縦の順で行なう逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法
を用いることができる。延伸条件は熱可塑性樹脂の種類
により一概には言えないが、延伸倍率としては縦倍率と
横倍率の積を8倍以上にすることが望ましい粒径と積層
厚さの関係を得て表面形態を最適化し、特徴面近傍のポ
リマ分子を二軸配向させ、かつフイルム全体の望ましい
機械特性を得るのに有効である。特徴面近傍のポリマ分
子が二軸配向していることが本フイルムが塗布法あるい
は塗布・延伸法によって作られるフイルムと大きく異な
る点であり、本発明の磁性層表面形態が得られやすく、
また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので
望ましく、また、フイルム表面の耐削れ性が向上し、製
膜工程、磁性層塗布やカレンダー等の加工工程での粒子
脱落によるトルブルが大きく改善されるものである。
に再延伸する方法が望ましい機械特性を得る有効であ
る。次にこの延伸フィルムを熱可塑性樹脂樹脂の融点〜
融点−100℃の温度範囲で0.5〜60秒行なうのが好適であ
る。
磁性層を塗布する方法は公知の方法で行なうことができ
るが、グラビヤロールやギーサで塗布する方法が本発明
の磁性層表面形態が得られやすく、また、S/Nを一層高
く、S/N低下を一層小さくできるので望ましい。両面が
特徴面の基材フィルム(A/B/A)の場合は塗布面はどち
らでも良いが、片面のみ特徴面(A/B)の場合は非特徴
面に磁性層を塗布することが本発明の磁性層表面形態が
得られやすく、また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小
さくできるので望ましい。
ましい。
リエステル系樹脂を弾性ロールに用い、20〜80℃の温度
範囲で行なうのが本発明の磁性層表面形態が得られやす
く、また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできる
ので望ましい。またカレンダー時の圧力は100〜500kg/c
mの範囲が本発明の磁性層表面形態が得られやすく、ま
た、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので望
ましい。
磁性層硬化のためにキュアする。この時の巻取張力を3k
g/m〜20kg/mとしておくことが本発明の磁性層表面形態
が得られやすく、また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層
小さくできるので望ましい。キュアの温度条件は40〜10
0℃の範囲が本発明の磁性層表面形態が得られやすく、
また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層小さくできるので
望ましい。
して磁気記録媒体を得る。また磁性層と反対側にバック
コートをする場合の時期は特に限定されず、磁性層塗布
の前、カレンダーの前、カレンダー後キュア前、キュア
後のいずれでも良いが、キュア後が特に望ましい。
の基材フィルムを工夫し、また、塗布面の反対側を少な
くとも特徴面としてその製法を工夫したものであるが、
下記の方法でも本発明範囲の磁性層表面を有する磁気記
録媒体を得ることは、勿論可能である。
範囲の面)と同様の表面形態を有するロール、例えば上
述のフィルムを表面に巻いたロールで、磁性層の表面を
エンボス加工する。
範囲の面)を片面に有するフィルムを強く巻いたフィル
ムロールとすることによって反対面にそのネガ(凹)を
形成したフィルムのネガ巻面に磁性層を塗布して凹主体
の磁性層表面を有する磁気記録媒体を作る。
の通りである。
処理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性
樹脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選
択する。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒
子の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所
を変えて粒子数5,000個以上で次の数値処理を行ない、
それによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
値)/(短径の平均値)の比である。すなわち、下式で
求められる。
径(最短径)、Nは粒子数である。
D、粒子数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(Di−
D)2/N}1/2)を平均径Dで割った値(σ/D)で表わし
た。
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
条件は次の通りである。すなわち、試料10mgをDSC装置
にセットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒
素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガ
ラス転移点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状
態からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tc
cとした。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を
求めた。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラメ
ータΔTcgと定義する。
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射ラ
マン結晶化指数とした。測定条件は次の通りである。但
し測定深さは、表面から500〜1,000Å程度とした。
行となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向
との角度)は60゜とした。
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配光
性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N2、N3
とした時、(N1−N2)の絶対値が0.07以下、かつN3/
[(N1+N2)/2]が0.95以下であることをひとつの基準
とできる。また、レーザー型屈性率計を用いて屈性率を
測定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場
合は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクト
ルを測定し、例えばポリエチレンテレフタレートの場合
では、1615cm-1(ベンゼン環の骨格振動)と1730cm
-1(カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光測
定比(YY/XX比など。ここでYY:レーザーの偏光方向をY
にしてYに対して平行なラマン光検出、XX:レーザーの
偏光方向をXにしてXに対して平行なラマン光検出)が
分子配向と対応することを利用できる。ポリマの二軸配
向性はラマン測定から得られたパラメータを長手方向、
幅方向の屈折率に換算して、その絶対値、差などから判
定できる。この場合の測定条件も(7)と同様である。
ム中の粒子に起因する元素のうち最も高濃度の元素と熱
可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚さ方
向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層粒子
濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aをさらに深さ方
向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを表層
粒子濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおり
である。
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面の高さ
を0として走査した時の突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、突起個数を求め、測定された全突起についてその
高さの平均値を平均高さとした。また個々の突起の高さ
データをもとに、高さ分布の標準偏差を求めた。相対標
準偏差はこの標準偏差を平均高さで割った値である。ま
た走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を
選択する。なお、場合によっては、高精度光干渉式3次
元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:20〜2
00倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高
さ精度を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
K)を用いて3次元粗さを測定した。条件は下記のとお
りであり、20回の測定の平均値をもって値とした。
均粗さ、SRpは上記測定によって得られる中心面からの
最大高さ、SRvは中心面からの最大深さでありSRvがSRp
より大きいことはその表面が凹主体であることを示すも
のである。ピーク数SPcは中心面±5nmの領域を下から横
切って上に出ているピークを1個と数えた場合のピーク
の数、すなわちHYST:±5nmにおけるピーク数であり、個
/0.1mm2に換算したものである。
を用いて測定した。条件は下記のとおりであり、20回の
測定の平均値をもって値とした。
深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっとも高濃
度の粒子に起因する元素と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃
度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ3000nmま
で厚さ方向の分析を行なう。表層では表面という界面の
ために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃
度は高くなる。本発明を構成する望ましいフイルムの場
合は、通常ではいったん極大値となった粒子濃度がまた
減少し始める。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度
がの極大値の1/2となる深さ(この深さは極大値となる
深さよりも深い)を求め、これを積層厚さとした。測定
条件は(9)と同様である。
する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難し
いので、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子
分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプ
ロファイルを測定し積層厚さを求めても良いし、また、
電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状態やコ
ントラストの差から界面を認識し積層厚さを求めること
もできる。
とした。このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製の
テレビ試験波形発生器(TG7/U706)により100%クロマ
信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラービデ
オノイズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定した。
ド用8mmVTRテープ、SONY製Hi8MP120)と比較して、S/N
が1dB以上高い場合はS/N良好、1dB未満の場合はS/N不良
と判定した。
件で1000回再生、巻き戻しを繰り返した後再度上記S/N
を測定しS/Nの低下が走行前に比べて1dB未満の場合は耐
久性良好、1dB以上の場合は耐久性不良と判定した。
シリカに起因する球形シリカ粒子、二酸化チタン粒子を
含有するエチレングリコールスラリーを調製し、テレフ
タル酸ジメチルとエステル交換反応させ、重縮合し、該
粒子を0.3〜35重量%含有するポリエチレンテレフタレ
ート(以下PETと略す)のペレットを作った(熱可塑性
樹脂A)。また、常法によって、コロイダルシリカに起
因する球形シリカ粒子(平均径0.2μm)を0.2重量%を
含有するPETを製造し、熱可塑性樹脂Bとした。
Torr)した後、熱可塑性樹脂Bを押出機1に供給し285
℃で溶融し、さらに、熱可塑性樹脂Aを押出機2に供給
し、280℃で溶融し、これらのポリマを合流ブロックで
合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃
のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、積層
未延伸フィルムを作った。この時、それぞれの押出機の
吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂A層の厚さを調節
した。
延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速差で、3
段階で行なった。この一軸延伸フィルムをステンタを用
いて延伸速度2,000%/分で100℃で幅方向に4.0倍延伸
し、さらに縦方向に1.6倍再延伸した後、定長下で、190
℃にて5秒間熱処理し、総厚さ7μmの二軸配向積層フ
ィルムを得た。また公知の方法で0.2μm径の球形シリ
カを0.2重量%および0.6μmの球形シリカを0.05重量%
をフイルム全体に含有する総厚さ7μmの二軸配向単層
フィルムを得た。さらに0.3μm径の球形シリカをフイ
ルム全体に6重量%含有する二軸配向単層フィルムを得
た。
て、A層と反対側の面に塗布した。磁性塗料は次によう
にして調製した。
化剤6部を添加して得られた混練物をフィルターでろ過
して磁性塗布液を準備し、上記フィルム上に塗布、磁場
配向させ、110℃で乾燥し、さらに小型テストカレンダ
ー装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)で、
温度、線圧を変更してカレンダー処理した後張力を変更
してロール状に巻とり、10〜150℃の範囲で温度を変更
して、48時間キュアリングし塗布型磁気記録媒体を得
た。
たとおりであり、本発明の要件を満足する塗布型磁気記
録媒体は、S/Nが高く、かつ繰り返し走行させた後のS/N
低下小さく耐久性に優れているが、そうでない場合は上
記を満足する磁気記録媒体は得られないことがわかる。
変え、緻密な凹凸を多く形成した結果、ノイズの発生は
小さく押さえながらその耐摩耗性を向上できたので、S/
Nが高く、かつ繰り返し走行させた後のS/N低下小さく耐
久性に優れる磁気記録媒体が得られたものであり、また
特殊な基材フイルムを用いることにより、上記磁性層の
表面が得やすく、また、S/Nを一層高く、S/N低下を一層
小さくできたものである。
ィスク、ビデオフロッピー、オーディオテープ、メモリ
ーテープ等全ての用途に有用であるが、高密度記録の8m
mビデオ、8mmハイバンドビデオ、SVHSビデオ、デジタル
ビデオ用、HDTV(ハイディフィニションTV、高品位テレ
ビ)用等の高密度磁気記録媒体あるいは繰り返し使用が
多いソフト用ビデオテープ等に特に有用である。
Claims (9)
- 【請求項1】基材フィルムの少なくとも片面に塗布型磁
性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該磁性層の表
面の凹凸が凹主体であることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項2】基材フィルムの少なくとも片面に塗布型磁
性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該磁性層の表
面における3次元表面粗さ計で測定されるSRpの値がSRv
より小さいこと特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項3】該磁性層の表面の3次元表面粗さ計で測定
されるSRvとSRpの差(SRv−SRp)が10nm以上であること
を特徴とする請求項(1)または(2)記載の磁気記録
媒体。 - 【請求項4】該磁性層の表面における3次元表面粗さ計
で測定されるSRvとSRaの比(SRv/SRa)が10以下である
ことを特徴とする請求項(1)または(2)記載の磁気
記録媒体。 - 【請求項5】該磁性層の表面の3次元表面粗さ計で測定
されるSPcが100以上であることを特徴とする請求項
(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】基材フィルムが、二軸配向熱可塑性樹脂フ
イルムであり、該フィルムが、熱可塑性樹脂Aと粒子を
主成分とする厚さ0.005〜3μmの層であって、該層中
に含有される粒子の平均粒径が該層の厚さの0.1〜10
倍、該粒子の含有量が0.1〜30重量%である層(フィル
ム層A)を、少なくとも磁性層を設ける側と反対の側に
有していることを特徴とする請求項(1)〜(5)のい
ずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイ
ルムであり、該フィルムが、表面突起の平均高さがフィ
ルム層Aに含有される粒子の平均粒径の1/4以上であ
り、かつ突起個数が1万個/mm2以上である面を少なくと
も磁性層を設ける側と反対の側に有していることを特徴
とする請求項(1)〜(6)のいずれかに記載の磁気記
録媒体。 - 【請求項8】基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイ
ルムであり、該フィルムが、フィルム層A含有される粒
子の平均粒径の1/3以下の高さの突起数が全突起数の70
%以下である面を少なくとも磁性層を設ける側と反応の
側に有していることを特徴とする請求項(1)〜(7)
のいずれかに記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】基材フィルムが二軸配向熱可塑性樹脂フイ
ルムであり、該フィルムが、その表面突起高さ分布の相
対標準偏差が0.6以下である面を少なくとも磁性層を設
ける側と反対の側に有していることを特徴とする請求項
(1)〜(8)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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JP1-337282 | 1989-12-25 | ||
JP28666490A JP2653238B2 (ja) | 1989-12-25 | 1990-10-23 | 磁気記録媒体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH03224127A JPH03224127A (ja) | 1991-10-03 |
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Family
ID=26556404
Family Applications (1)
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JP28666490A Expired - Lifetime JP2653238B2 (ja) | 1989-12-25 | 1990-10-23 | 磁気記録媒体 |
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-
1990
- 1990-10-23 JP JP28666490A patent/JP2653238B2/ja not_active Expired - Lifetime
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