JP2569853B2 - 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール - Google Patents
二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロールInfo
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Description
巻いてなるフィルムロールに関するものである。
ルに不活性無機粒子を含有せしめたフィルムが知られて
いる(たとえば、特開昭59−171623号公報)。
ムの中心線平均粗さ(Ra)と巻き硬さの関係を特定範囲
とした熱可塑性樹脂フイルムロールが知られている(例
えば、特開昭57−193322号公報)。
は、フィルムの加工工程、たとえば包装用途における印
刷工程、磁気媒体用途における磁性層塗布・カレンダー
工程などの工程速度の増大にともない、接触するロール
などでフィルムの表面に傷がつくという欠点が最近、問
題となってきている。また、最近の磁気記録媒体はます
ます高画質が要求されており、S/N(シグナル/ノイズ
の比でありこの値が高いほど画質が良好となる)を高く
するため基材フイルムの表面はますます平滑化されてい
る。しかし、フイルム表面が平滑になると走行時の摩擦
係数が大きくなるため上記高速走行時にますます傷が入
りやすくなるという問題点があった。
いは紙などからなるコアに巻かれたフィルムロールの状
態でなされるのが通常であるが、かかるフィルムロール
のおかれた雰囲気および時間によっては巻かれたフィル
ムにしわ等が入って後加工に使用できないといった事態
に陥ることもあった。
発生するしわが完全には解消できず、このしわのためフ
イルムの平滑性が劣り、例えば磁気記録媒体用ベースフ
イルムに用いた時のS/Nやコンデンサー用に用いた時の
電気特性が悪化するという問題点があった。
つかず(以下耐スクラッチ性良好という)、かつ、磁気
記録媒体とした時のS/Nが高くでき、フィルムロールの
状態で長時間放置されてもフィルムにしわ等が入りにく
いフィルム、およびフィルムロールを提供することを目
的とする。
と粒子からなる組成物を主たる成分とするフィルムであ
って、その少なくとも片面に形成された表面突起につい
て、突起部分の面積比率が6〜90%の範囲であり、さら
に表面のうねり指数が50nm以下であることを特徴とする
二軸配向熱可塑性樹脂フイルム、および、それを用いて
なるフィルムロールとするものである。
熱可塑性樹脂が結晶性ポリマである場合に本発明の突起
構造が得られやすく、また耐スクラッチ性も一層良好に
なるので望ましい。ここでいう結晶性とはいわゆる非晶
質ではないことを示すものであり、定量的には示差走査
熱量計(DSC)による昇温速度10℃/分の熱分析によっ
て融点が検出され、好ましくは結晶化パラメータΔTcg
が150℃以下のものである。さらに、示差走査熱量計で
測定された融解熱(融解エンタルピー変化)が7.5cal/g
以上の結晶性を示す場合に耐スクラッチ性がより一層良
好となるのできわめて望ましい。具体例としては、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリフェニレ
ンスルフィドなどを用いることができるが、ポリエステ
ル、特に、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−
ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカル
ボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から選
ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする
ポリエステルの場合に本発明の突起構造にした時の効果
が一層顕著になるので望ましい。
ないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはアルミ
ナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析出
粒子などは好ましくなく、粒子の真球度が1.6以下、好
ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下である場合
にS/N、耐スクラッチ性がより一層良好となるので特に
望ましい。また粒子の粒径分布の相対標準偏差が0.6以
下、好ましくは0.5以下のものを用いることが本発明の
突起構造を得るのに有効である。上記の特性を満足する
粒子としてはコロイダルシリカに起因する実質的に球形
のシリカ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば架橋ポ
リスチレン)などがあるが、特に10重量%減量時温度
(窒素中で熱重量分析装置島津TG−30Mを用いて測定。
昇温速度20℃/分)が380℃以上になるまで架橋度を高
くした架橋高分子粒子の場合に耐スクラッチ性、S/Nが
より一層良好となるので特に望ましい。なお、コロイダ
ルシリカに起因する球形シリカの場合にはアルコキシド
法で製造された、ナトリウム含有量が少ない、実質的に
球形のシリカの場合に耐スクラッチ性がより一層良好と
なるので特に望ましい。しかしながら、その他の粒子、
例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ等の粒
子でも後述する積層厚さと平均粒径の適切なコントロー
ルにより十分使いこなせるものである。
によって異なるが、平均粒径が0.01〜1μmの場合にS/
N、耐スクラッチ性がより一層良好となるので特に望ま
しい。
発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレン
ドまたは共重合してもよいし、また酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤などの無機または有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
ルムである。未延伸フィルムでは耐スクラッチ性が不良
となるので好ましくないし、また表面部分のみが一軸配
向になっているような塗布延伸法によるフイルムでは耐
スクラッチ性を満足し得ない。すなわちフイルムの特徴
面(本発明で規定する特有の表面突起を有する面)近傍
のポリマ分子が二軸配向になっていることが望ましい。
二軸配向の程度は特に限定されないが、分子配向の程度
を表わすフイルムのヤング率が長手方向、幅方向とも
に、350kg/mm2、好ましくは400kg/mm2以上の場合に耐ス
クラッチ性が一層良好となるので特に望ましい。また極
表層の分子配向は全反射ラマン法、赤外スペクトルなど
で確認できる。
表面突起について、突起部分の面積比率が6〜90%、好
ましくは15〜85%、さらに好ましくは20〜80%の範囲で
あることが必要である。ここでいう突起部分とは微分干
渉顕微鏡による表面写真等が認識できるが、より定量的
には2検出方式の走査型電子顕微鏡で突起と認識できる
高さ約15nm以上の突起をいう。突起部分の面積比率が上
記の範囲より小さい場合はS/Nが不良となり、逆に大き
い場合は耐スクラッチ性が不良となるので好ましくな
い。
分にうねりがない場合に耐スクラッチ性、S/Nが一層良
好となるので特に望ましい。かかるうねりは通常フィル
ム内部に含有される粒子の突き上げによって生じること
が多いが、フイルム内部の粒子の突き上げによるうねり
は微分干渉顕微鏡による表面写真等でも認識できるが
(図面参照)、より定量的には、その部分に注目した触
針式表面粗さ計、非接触表面粗さ計、あるいは2検出方
式の走査型電子顕微鏡等での高さの振幅が10nm以下であ
る場合が特に望ましい。本発明では、このフイルム表面
の表面粗さ曲線を周波数解析して波長が50μm以上のう
ねりを取り出してそのうねりの大きさから突起部分以外
の平坦部分の領域のうねりを判定し、そのうねりの振幅
であるうねり指数が50nm以下となるようにする。好まし
くは40以下である。さらに別の見方としては、2検出方
式の走査型電子顕微鏡を用いて、表面突起の平均高さの
1/3以下の高さの突起の全突起数に占める割合が15%以
下であるということも平坦部分にうねりがないことを表
わすものである。
分布の相対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.55以下、
さらに好ましく0.5以下の場合にS/N、耐スクラッチ性が
より一層良好となるので望ましい。
の粒子の上の熱可塑性樹脂の皮(表皮)の厚さが5〜50
0nm、好ましくは10〜400nm、さらに好ましくは10〜150n
mの範囲の場合に耐スクラッチ性、S/Nが一層良好となる
ので望ましい。
のコアにフイルムが巻かれたロールであるが、フイルム
幅方向について、突起部分の面積比率の斑が50%以下、
好ましくは40%以下、さらに好ましくは35%以下である
フイルムが巻かれているフイルムロールである場合に、
フイルムロールが使用されるまでの流通、保管時間が長
くなってもシワ等が発生しないので望ましい。
合に特に巻姿が良好となるので望ましい。またコアの内
径は1インチ、好ましくは3インチ以上の場合に特に巻
姿が良好となるので望ましい。また、コアの肉厚は3nm
以上、特に5mm以上の場合に巻姿が良好となるので望ま
しい。
形成された表面突起の平均径が25〜1500nm、好ましくは
30〜1000nm、さらには40〜600nmの範囲の場合に耐スク
ラッチ性、S/Nが一層良好となるので望ましい。
ンマススペクトルによって測定される表層粒子濃度比は
特に限定されないが、上述した特定の表面突起を有する
フィルム表面の表層粒子濃度比が1/10以下、特に1/50以
下である場合に摩擦係数、耐スクラッチ性がより一層良
好となるので特に望ましい。
均高さが25〜500nmの範囲である場合にS/N、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので望ましい。
としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添加して
もよいが、ポリエステルの場合はジオール成分にスラリ
ーの形で混合、分散せしめて添加する方法が本発明の表
面形態パラメータを満足させるのに有効である。また、
粒子の含有量を調節する方法としては、高濃度のマスタ
ーポリマを製膜時に稀釈する方法を用い、かつこのマス
ターポリマの溶融粘度を稀釈する熱可塑性樹脂の溶融粘
度より低い、好ましくは100〜600ポイズ低くしておくこ
とが本発明の表面形態パラメータを満足させるのに有効
である。
(これを熱可塑性樹脂Aとする)のペレットを必要に応
じて乾燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、スリッ
ト状のダイからシート状に押出し、キャスティングロー
ル上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。この場
合、公知の積層シート用製膜装置(たとえば、2または
3台の押出し機、2または3層の合流ブロックやマニホ
ールドなど)を用いて、粒子含有量が上記熱可塑性樹脂
組成物Aの1/4以下の熱可塑性樹脂B組成物(BとAは
同種または異種)に積層してなる2〜3層構造の未延伸
フイルムとしておくことが本発明の表面形態パラメータ
を得るのに有効である。また積層装置において、特に口
金より上流に設置した合流ブロックが望ましく、また、
熱可塑性樹脂が合流する部分の断面形状を横/縦比が2
以上である長方形にしておくことが突起部分面積比率の
幅方向の斑を望ましい範囲とするのにきわめて有効であ
る。
層)に用いる熱可塑性樹脂の溶融粘度をそれと接触する
他層の熱可塑性樹脂の溶融粘度よりも150ポイズ、好ま
しは300ポイズ程度低くしておくことが本発明の表面形
態パラメータを満足させるのに有効である。
ィックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は延伸破れ
なく、本発明の表面形態パラメータを満足させるのにき
わめて有効である。また該A層の熱可塑性樹脂Aの結晶
化パラメータΔTcgをそれと接触する他層の熱可塑性樹
脂のΔTcgよりも小さく、好ましくは10℃以上小さくし
ておくことは本発明の表面形態パラメータを満足させる
のにきわめて有効である。
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法、チューブラー延伸法を用いることができる。
ただし、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐
次二軸延伸法を用い、長手方向の延伸を熱可塑性樹脂の
ガラス転移点から10℃低い温度から10℃高い温度の範囲
で行なうことが本発明の表面形態パラメータを満足させ
るのにきわめて有効である。幅方向の延伸方法としては
ガラス転移点より10℃低い温度からガラス転移点より30
℃高い温度までの範囲で延伸する方法が本発明の表面形
態パラメータを満足させるのに有効である。延伸倍率は
長手、幅方向ともに2.5〜7倍が好適であり、また、総
面積倍率(縦総倍率×横総倍率)を8倍以上、好ましく
は10倍以上としておくことが本発明の表面形態パラメー
タを満足させるのに有効である。また機械強度が要求さ
れる用途に用いる場合は二軸延伸フイルムをさらに少な
くとも1方向に再延伸しても良い。次にこの延伸フィル
ムを熱処理するが、公知の方法を用いることができる。
ただし最終的なフイルムの状態でのA層の積層厚さt
(nm)とその層に含有する粒子の平均粒径d(nm)との
関係を、0.3≦t/d≦1.5、さらに好ましくは、0.4≦t/d
≦0.9となるよう吐出量、延伸倍率を調整することが本
発明の表面形態パラメータを満足させるのにきわめて有
効である。また該A層の厚さは0.03〜0.5μmとするこ
とは本発明の表面形態パラメータを満足させるのにきわ
めて有効である。
融粘度の調整、ポリマ流路へのギヤポンプ、スタティッ
クミキサーの導入、延伸条件の厳密な調整あるいは溶液
製膜などの手法で本発明の表面形態パラメータを満足さ
せることも不可能ではないが、安定性、再現性などの問
題があり、工業的には好ましくない。
ールとして巻き取った後、センターワインドとサーフェ
ースワインド併用方式のスリッター等にセットし所定幅
にスリットした後、プラスチック、紙等のコアにフイル
ムを通常長さ1000m以上巻き上げて、本発明のフイルム
ロールができあがる。
の通りである。
媒を選択し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子
の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量
とする。
条件は次の通りである。すなわち、試料10mgをDSC装置
にセットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒
素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガ
ラス転移点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状
態からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tc
cとした。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を
求めた。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラメ
ータΔTcgと定義する。
して測定試料作成(切断方向はフイルムの横方向) (4)突起部分の表皮厚さ 上記(3)で突起部分のみ注目した観察を行ない突起
100個の平均値をもって表皮厚さとした。なお、同様の
値は表面からのラザフォード後方散乱法によっても得る
ことができる。
理法で除去した表面近傍の粒子を露出させる。処理条件
は熱可塑性樹脂は灰化されるが粒子はダメージを受けな
い条件を選択する。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で
観察し、粒子の画像をイメージアナライザーで処理す
る。観察箇所を変えて粒子数5,000個以上で次の数値処
理を行ない、それによって求めた数平均径Dを平均粒径
とする。
値)/(短径の平均値)の比である。すなわち、下式で
求められる。
径(最短径)、Nは粒子数である。
D、粒子数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(Di-D)2
/N}1/2)を平均径Dで割った値(σ/D)で表わした。
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]を用いてフィルム表面を電子線を走査
させた時の突起の高さ測定値を画像処理装置[IBAS200
0、カールツァイス(株)製]に送り、画像処理装置上
にフイルム表面突起画像を再構築する。次に、この表面
突起画像で突起部分を2値化して得られた個々の突起の
面積の和を測定単位面積で割り返して突起部分の面積比
率を求める。また、この2値化された個々の突起部分の
中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の突
起について求める。これらの測定を場所をかえて500回
繰返し、突起部分面積比率、平均高さとした。また個々
の突起の高さデータをもとに、高さ分布の標準偏差を求
めた。相対標準偏差はこの標準偏差を平均高さで割った
値である。また走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000
倍の間の値を選択する。なお、場合によっては、高精度
光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物
レンズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用が有効)を用い
て得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用いて
もよい。
を行ない、その最大値と最小値の差aを平均値bで割っ
た値、a/b、に100を乗じた値(%)を積層厚さを斑とし
た。ただし、フイルムロール両端部の10mmずつは除いた
全幅を50等分して各等分の中央部を測定した。
あり、20回の測定の平均値をもって値とした(小坂研究
所ET−10)。
取り込み、周波数解析によって波長50μm以上のうねり
成分を取り出してその最大振幅をもってうねりの大きさ
とした。測定は20回行ないその平均値をもって値とした
(小坂研究所ET−10)。
深さ6000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっとも高濃
度の粒子に起因する元素と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃
度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ6000nmま
で厚さ方向の分析を行なう。表層では表面という界面の
ために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃
度は高くなる。本発明フイルムの場合は通常いったん極
大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分
布曲線をもとに表層粒子濃度がの極大値の1/2となる深
さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、
これを積層厚さとした。条件は次の通り。
する粒子が有機高分子粒子の場合等、SIMS測定が難しい
場合は、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子
分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプ
ロファイルを測定した積層厚さを求めても良いし、ま
た、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状態
やコントラストの差から界面を認識し積層厚さを求める
こともできる。
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
-1で測定した。
ム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元素
と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚
さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層
粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深
さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを
表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおり
である。測定装置、条件は下記のとおりである。
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配向
性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N2、N3
とした時、(N1−N2)の絶対値が0.07以下、かつ、N3/
[(N1+N2)/2]が0.95以下であることをひとつの基準
とできる。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を
測定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場
合は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクト
ルを測定し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸縮振
動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比など。ここ
でYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対して平行な
ラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向をXにしてXに
対して平行なラマン光検出)が分子配向と対応すること
を利用できる。ポリマの二軸配向性はラマン測定から得
られたパラメータを長手方向、幅方向の屈折率に換算し
て、その絶対値、差などから判定できる。この場合の測
定条件は次のとおりである。
プリズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
°とした。
0)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (18)磁気記録媒体とした時のS/N フィルムに磁性塗料をグラビヤロールを用いて乾燥厚
さが3μmとなるよう塗布した。磁性塗料は次のように
して調製した。
化剤6部を添加して得られた混練物をフィルターでろ過
して磁性塗布液を準備し、上記フィルム上に塗布、磁場
配向させ、110°で乾燥し、さらに小型テストカレンダ
ー装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)で、
70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理した後ロール状
に巻とり、50℃で48時間キュアリングした後幅8mmにス
リットして磁気記録テープを得た。
用VTRを用いてシバソク製のテレビ試験波形発生器(TG7
/U706)により100%クロマ信号を記録し、その再生信号
からシバソク製カラービデオノイズ測定器(925D/1)で
クロマS/Nを測定した。
ド用8mmVTRテープ、SONY製Hi8MP120)と比較して、S/N
が1dB以上高い場合はS/N良好、1dB未満の場合はS/N不良
と判定した。
ンに1/2インチ幅のテープ状フイルムを角度θ=π/2(r
ad)、テンションT1=200g、1000m/分の速さで30回走行
させた後のフイルム表面をアルミ蒸着して、傷の本数、
幅の大きさ、白粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察し
た。全く傷が見られずかつ白粉の発生がほとんどないも
のを耐スクラッチ性:4、傷が3本未満でかつ白粉の発生
がほとんどないものを耐スクラッチ性:3、傷が3〜10本
で幅の大きいものもあり、かつ白粉の発生が見られるも
のを耐スクラッチ性:2、傷が10本以上でで幅の大きいも
のもあり、かつ白粉の発生が激しく見られるものを耐ス
クラッチ性:1と判定した。耐スクラッチ性が4または3
であれば実用上問題なく使用できる。
ケ月間放置した後、ロールを観察し、しわ(長手、幅方
向)の発生状態をチェックした。
200m部分のみにしわが発生しているものを巻姿:良、20
0mを越えて内層までしわが発生しているものを不良と判
定した。巻姿:優が望ましいが良でも実用的には使用可
能であるる [実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
粒子、ジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を含
有するポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレートを調整した(熱可塑性樹脂A)。この
熱可塑性樹脂Aと種々の熱可塑性樹脂(B)をそれぞれ
押出機1、押出機2に供給、290℃で溶融し、これらの
ポリマを合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表面
温度45℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却固
化し、合流装置を偏光することにより2層(A/B)また
は3層(A/B/A)構造の未延伸フィルムを作った。ま
た、それぞれの押出機の吐出量を調節し熱可塑性樹脂A
層の厚さを調節した。この未延伸フイルムを90℃(B層
がポリエチレンテレフタレートの場合)、140℃(B層
がポリエチレン−2,6−ナフタレート)で長手方向に4.0
倍延伸した。この一軸延伸フイルムをステンタを用いて
長手方向延伸と同じ温度で幅方向に4.2倍延伸した後、
定長下で、200℃にて5秒間熱処理し、総厚さ15μmの
二軸配向積層フィルムを得た。これらのフィルムの本発
明のパラメータは第1表に示したとおりであり、本発明
のパラメータが範囲内の場合は耐スクラッチ性、S/Nは
第1表に示したとおり良好であったが、そうでない場合
は耐スクラッチ性、S/Nを満足するフイルムは得られな
かった。なお、第1図は実施例1のフィルム、第2図は
比較例3のフィルムの表面状態を示したものであるが、
実施例1のフィルムは突起以外の平坦部分にうねりがな
く、真に平坦であるのに対して、比較例3のフィルムで
は突起以外の部分にうねりがあることが分かる。
樹脂の合流部分の断面形状を横縦比の異なる長方形、丸
型等種々変更して幅方向の突起部分面積比率の斑の異な
る厚さ15μmのフイルムを作り、これらのフイルムの中
間スプールをセンターワインドとサーフェースワインド
併用方式のスリッターにセットし1100mm幅にスリットし
た後、長さ1500mm、内径6インチのベークライト製のコ
アに、フイルム長さ10000mで巻いたフイルムロールを作
成した。
ケ月放置した後の巻姿を調べた。本発明範囲内のものは
巻姿:優または良であったが、本発明範囲外のものは不
良であった(第2表)。
ータを特殊な状態にしたため、高速走行等の苛酷な条件
で走行しても傷がつかず、また、フィルムロールの状態
で放置してもフィルムにしわが入ることがなく、そのた
めにそれを用いた磁気記録媒体の磁性層の表面が特異な
形態となりS/Nが高い、すなわち、高画質な磁気記録媒
体を作り得るものである。また本方法によるフイルムは
粒子を含有する塗料をフイルム表面に塗布したりあるい
は塗布してから延伸して作られるフイルムに比べて、表
皮厚さが厚くなる特徴を有し、その結果、S/Nが高く、
かつ耐スクラッチ性に優れるのみならず工業的な生産性
にも優れるものである。
録媒体であるビデオテープ、フロッピーディスク、ビデ
オフロッピー、オーディオテープ、メモリーテープ等の
磁気記録媒体、特に高密度記録の8mmビデオ、8mmハイバ
ンドビデオ、SVHSビデオ、デジタルビデオ用、HDTV用等
の高密度磁気記録媒体あるいは繰り返し使用が多いソフ
ト用ビデオテープ等に有用である。
途、例えば、包装用、グラフィック用、コンデンサ用な
どの電気材料用などで工程上、性能上のトラブルの原因
となるのでそれらの用途にももちろん有用である。
したので幅方向の空気の抜け方が均一化できた結果、放
置したときのシワの発生がないフィルムロールが得られ
たものである。
表面の結晶構造を示す表面顕微鏡写真、第2図は比較例
3によって得られた従来のフィルムの表面の結晶構造を
示す表面顕微鏡写真である。いずれ倍率は1000倍であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂と粒子からなる組成物を主た
る成分とするフィルムであって、その少なくとも片面に
形成された表面突起について、突起部分の面積比率が6
〜90%の範囲であり、さらに表面のうねり指数が50nm以
下であることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂フィル
ム。 - 【請求項2】該突起を有するフィルム表面について、突
起以外の平坦面にうねりがないことを特徴とする請求項
(1)記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項3】該突起を有するフィルム表面について、そ
の突起平均高さの1/3以下の高さの突起が全突起数の15
%以下であることを特徴とする請求項(1)または
(2)記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項4】該突起を有するフィルム表面について、突
起高さ分布の相対標準偏差が0.6以下であることを特徴
とする請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸配
向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項5】該突起を有するフィルム表面について、突
起部分の粒子の上の熱可塑性樹脂の皮の厚さが5〜500n
mの範囲であることを特徴とする請求項(1)〜(4)
のいずれかに記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項6】請求項(1)〜(5)のいずれかに記載の
二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを巻いてなるフィルムロ
ール。 - 【請求項7】フィルムの少なくとも片面に形成された表
面突起について、フィルム幅方向の該突起部分の面積比
率の斑が50%以下であることを特徴とする請求項(6)
に記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルムロール。
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---|---|---|---|
JP2003995A JP2569853B2 (ja) | 1990-01-11 | 1990-01-11 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003995A JP2569853B2 (ja) | 1990-01-11 | 1990-01-11 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03207727A JPH03207727A (ja) | 1991-09-11 |
JP2569853B2 true JP2569853B2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=11572591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003995A Expired - Lifetime JP2569853B2 (ja) | 1990-01-11 | 1990-01-11 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP4595289B2 (ja) * | 2003-03-28 | 2010-12-08 | 東レ株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
JP6049337B2 (ja) * | 2012-07-23 | 2016-12-21 | 帝人フィルムソリューション株式会社 | 二軸配向ポリエステルフィルムおよびそれを用いた塗布型磁気記録テープ |
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JPH02214659A (ja) * | 1989-02-15 | 1990-08-27 | Seiki Ind Co Ltd | 製版印刷装置 |
-
1990
- 1990-01-11 JP JP2003995A patent/JP2569853B2/ja not_active Expired - Lifetime
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