JP2864602B2 - 熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルム

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JP2864602B2 JP2004001A JP400190A JP2864602B2 JP 2864602 B2 JP2864602 B2 JP 2864602B2 JP 2004001 A JP2004001 A JP 2004001A JP 400190 A JP400190 A JP 400190A JP 2864602 B2 JP2864602 B2 JP 2864602B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱可塑性樹脂フィルムに関するものである。
[従来の技術] 熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステルに不活
性無機粒子を含有せしめたフィルムが知られている(た
とえば、特開昭59−171623号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の熱可塑性樹脂フィルムは、最近の
フィルムの加工工程、たとえば包装用途における印刷工
程、磁気媒体用途における磁性層塗布・カレンダー工程
などの工程速度の増大にともない、接触するロールなど
でフィルムの表面に傷がついたり、また、表面が削れる
という欠点が最近、問題となってきている。
本発明はかかる課題を解決し、高速走行した時も傷が
つかず(以下、耐スクラッチ性良好という)、かつ、表
面が削れない(以下、耐削れ性良好という)フィルムを
提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために、熱可塑性樹脂
Bを主成分とする二軸配向フィルム層Bの少なくとも片
面に熱可塑性樹脂Aと粒子を主成分とする厚さ0.01〜3
μmの幅方向に配向しているフィルム層Aを有するフィ
ルムであって、該フィルム層Aの長手方向と幅方向の屈
折率の差(絶対値)が0.025以上、且つ、該フィルム層
Aに含有される粒子の平均粒径がフィルム層Aの厚さの
0.1〜10倍、該粒子の含有量がフィルム層Aに対して2
〜30重量%であり、さらに該フィルム層Aが一軸配向で
あることを特徴とする熱可塑性樹脂フィルムとしたもの
である。
本発明フイルムは、上記要件を満足するフィルム層A
(以下、単に層Aと称することがある)、およびフィル
ム層B(以下、単に層Bと称することがある)を必須と
し、さらに必要により層Aとは含有する粒子の大きさ、
種類、熱可塑性樹脂の組成等の少なくとも一つが異なる
フィルム層C(以下、単に層Cと称することがある)と
からなる積層構成を有するフィルムであって、その積層
構成は、層A/層B、層A/層B/層A、層A/層B/層Cのいず
れでも良い。
本発明における熱可塑性樹脂A、B、Cは特に限定さ
れないが、熱可塑性樹脂A、Cが結晶性ポリマである場
合に耐スクラッチ性が一層良好になるので望ましい。こ
こでいう結晶性とはいわゆる非晶質ではないことを示す
ものであり、定量的には示差走査熱量計(DSC)による
昇温速度10℃/分の熱分析によって融点が検出され、好
ましくは結晶化パラメータΔTcgが150℃以下のものであ
る。さらに、示差走査熱量計で測定された融解熱(融解
エンタルピー変化)が7.5ca1/g以上の結晶性を示す場合
に耐スクラッチ性がより一層良好となるのできわめて望
ましい。具体例としては、ポリエステル、ポリアミド、
ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィドなどを用い
ることができるが、ポリエステル、特に、エチレンテレ
フタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノ
キシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン
2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種の
構造単位を主要構成成分とするポリエステルの場合に本
発明の構成にした時の効果が一層顕著になるので望まし
い。
本発明の熱可塑性樹脂中の粒子の種類は特に限定され
ないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはアルミ
ナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析出
粒子などは好ましくなく、粒子の真球度が1.6以下、好
ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下である場合
に耐削れ性、耐スクラッチ性がより一層良好となるので
特に望ましい。また粒子の粒径分布の相対標準偏差が0.
6以下、好ましくは0.5以下のものを用いることが、それ
によって得られるフィルムの表面突起構造が本発明の目
的を達成するのに好ましい構造となるため望ましい。上
記の特性を満足する粒子としてはコロイダルシリカに起
因する実質的に球形のシリカ粒子、架橋高分子による粒
子(たとえば架橋ポリスチレン)などがあるが、特に10
重量%減量時温度(窒素中で熱重量分析装置島津TG−30
Mを用いて測定。昇温速度20℃/分)が380℃以上になる
まで架橋度を高くした架橋高分子粒子の場合に耐スクラ
ッチ性、耐削れ性がより一層良好となるので特に望まし
い。なお、コロイダルシリカに起因する球形シリカの場
合にはアルコキシド法で製造された、ナトリウム含有量
が少ない、実質的に球形のシリカの場合に耐スクラッチ
性がより一層良好となるので特に望ましい。しかしなが
ら、その他の粒子、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタ
ン、アルミナ等の粒子でも後述する積層厚さと平均粒径
の適切なコントロールにより十分使いこなせるものであ
る。
粒子の平均粒径は特に限定されず好ましい範囲も種類
によって異なるが、平均粒径が0.01〜1μmの場合に耐
削れ性、耐スクラッチ性がより一層良好となるので特に
望ましい。
本発明の層Aおよび層Cに含有される粒子の含有量
は、フィルム層Aおよびフィルム層Cそれぞれに対して
2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、さらに好まし
くは3〜15重量%であることが必要である。含有量が上
記の範囲より少なくても、多くても、耐スクラッチ性、
耐削れ性が不良となるので好ましくない。
なお本発明の層Aには粒子が含有されていることが必
須であるが、層Bには必ずしも粒子が含有されている必
要はないが、本発明を阻害しない範囲内、好ましくは0.
5重量%以下の粒子が含有されていても良い。
本発明フイルムは上記組成物を主要成分とするが、層
A、層B、層Cのいずれにおいても本発明の目的を阻害
しない範囲内で、他種ポリマをブレンドまたは共重合し
てもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線
吸収剤、核生成剤などの無機または有機添加剤が通常添
加される程度添加されていてもよい 本発明フィルムは上記組成物からなる配向フイルムで
ある。未配向フィルムでは耐スクラッチ性、耐削れ性が
不良となるので好ましくない。
本発明フイルムの層Aおよび層Cの厚さは0.01〜3μ
m、好ましくは0.02〜2μm、さらに好ましくは0.02〜
0.8μmであることが必要である。層Aおよび層Cの厚
さが上記の範囲より小さくても、大きくても耐スクラッ
チ性、耐削れ性が不良となるので好ましくない。
本発明の層Aは一軸配向であることが必要である。該
層Aが二軸配向、未配向の場合は耐削れ性、耐スクラッ
チ性を満足し得ない。
配向方向は、特に幅方向に分子が配向している場合に
耐削れ性、耐スクラッチ性が一層良好となる。
該層Aの一軸配向の程度は特に限定されないが、分子
配向の程度を表わす屈折率の差が、(長手方向−幅方
向)の差の絶対値で0.025以上、好ましくは0.030以上、
さらに好ましくは0.040以上である場合に耐削れ性、耐
スクラッチ性が一層良好となる。
また層B、層Cは二軸配向であって、フイルム全体の
ヤング率が長手方向、幅方向ともに、300kg/mm2、好ま
しくは350kg/mm2以上の場合に耐スクラッチ性が一層良
好となるので特に望ましい。また層A、層Cの分子配向
はアッベ屈折率計の他、層厚が薄い場合には、全、反射
ラマン法、赤外スペクトルなどの値から屈折率に読み替
えても良い。
また本発明の層A(および層C)の粒子によって形成
される表面突起の高さ分布の相対標準偏差が0.60以下、
好ましくは0.55以下、さらに好ましく0.50以下の場合に
耐削れ性、耐スクラッチ性がより一層良好となるので望
ましい。
また本発明の層A(および層C)の粒子によって形成
される表面突起の突起部分の粒子の上の熱可塑性樹脂の
皮(表皮)の厚さの尺度として、2次イオンマススペク
トルによって測定される表層粒子濃度比がある。この表
層粒子濃度比が小さいと表層に粒子が近接しすぎていた
り、また、突起を形成する粒子が露出していたりするこ
とを示すものであり、層A面の表層粒子濃度比が1/10以
下、特に1/50以下である場合に、耐スクラッチ性がより
一層良好となるので特に望ましい。層Aが溶融ラミネー
ト法によって形成された場合に表層粒子濃度比は上記の
範囲となりやすく、従来の塗布法、塗布・延伸法等では
得られないものである。
本発明のフイルムは上述の特徴を有する表面の突起の
平均高さが25〜500nmの範囲である場合に耐削れ性、耐
スクラッチ性がより一層良好となるので望ましい。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、所定の熱可塑性樹脂に粒子を含有せしめる方法
としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添加して
もよいが、熱可塑性樹脂がポリエステルの場合はジオー
ル成分にスラリーの形で混合、分散せしめて添加する方
法が本発明の好ましい表面形態パラメータを満足させる
のに有効である。また、粒子の含有量を調節する方法と
しては、高濃度のマスターポリマを製膜時に稀釈する方
法を用い、かつこのマスターポリマの溶融粘度を稀釈す
る熱可塑性樹脂の溶融粘度より高く、好ましくは500ポ
イズ以上高くしておくことが本発明の好ましい表面形態
パラメータ構成を満足させるのに有効である。
かくして2〜30重量%の粒子を含有する熱可塑性樹脂
Aのペレットを必要に応じて乾燥する。
一方、公知の方法で、延伸倍率を2.5〜7として長手
方向あるいは幅方向に一軸延伸した熱可塑性樹脂Bのフ
イルムの表面に、公知の溶融押出機を用いて上記の熱可
塑性樹脂Aを溶融状態で積層したのち(エクストルージ
ョンラミネート)、熱可塑性樹脂Bの配向方向と直角方
向に3〜7倍延伸し、次に必要に応じて、この延伸フィ
ルムを熱処理する。
層A/層B/層Aの構成、層A/層B/層Cの構成の場合は、
上記ラミネートを熱可塑性樹脂Bのフィルムの両側の表
面に同時、または逐次行なえばよい。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の含有量 熱可塑性樹脂ペレットを溶解し粒子は溶解させない溶
媒を選択し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子
の全体重量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量
とする。
(2)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。DSCの測定
条件は次の通りである。すなわち、試料10mgをDSC装置
にセットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒
素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガ
ラス転移点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状
態からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tc
cとした。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を
求めた。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラメ
ータΔTcgと定義する。
(3)突起部分の表皮厚さ 下記条件で突起部分のみ注目したフイルムの断面観察
を行ない突起100個の平均値をもって表皮厚さとした。
なお、同様の値は表面からのラザフォード後方散乱法に
よっても得ることができる。
・装置:電界放射型走査電子顕微鏡 (日立製S−800型) ・加速電圧:10kV ・切断:凍結ミクロトームによる切断面にカーボン蒸着
して測定試料作成 (切断方向はフイルムの横方向) (4)粒径 フィルム表面から熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処
理法で除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹
脂は灰化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択
する。これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子
の画像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を
変えて粒子数5,000個以上で次の数値処理を行ない、そ
れによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは粒子数である。
(5)真球度 上記(4)の測定において個々の粒子の(長径の平均
値)/(短径の平均値)の比である。すなわち、下式で
求められる。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短
径(最短径)、Nは粒子数である。
(6)粒径の相対標準偏差 上記(4)の方法で測定された個々の粒径Di、平均径
D、粒子数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(Di-D)
2/N}1/2)を平均径Dで割った値(σ/D)で表わした。
(7)突起平均高さ、高さ分布 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]を用いてフィルム表面を電子線を走査
させた時の突起の高さ測定値を画像処理装置[IBAS200
0、カールツァイス(株)製]に送り、画像処理装置上
にフイルム表面突起画像を再構築する。次に、この表面
突起画像で突起部分を2値化して得られた個々の突起の
面積の和を測定単位面積で割り返して突起部分の面積比
率を求める。また、この2値化された個々の突起部分の
中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の突
起について求める。これらの測定を場所をかえて500回
繰返し、突起部分面積比率、平均高さとした。また個々
の突起の高さデータをもとに、高さ分布の標準偏差を求
めた。相対標準偏差はこの標準偏差を平均高さで割った
値である。また走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000
倍の間の値を選択する。なお、場合によっては、高精度
光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物
レンズ:40〜200倍、高解像度カメラ使用が有効)を用い
て得られる高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用いて
もよい。
(8)積層厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から
深さ6000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっとも高濃
度の粒子に起因する元素と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃
度比(M+/C+)を粒子濃度とし、表面から深さ6000nmま
で厚さ方向の分析を行なう。表層では表面という界面の
ために粒子濃度は低く表面から遠ざかるにつれて粒子濃
度は高くなる。本発明フイルムの場合はいったん極大値
となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲
線をもとに表層粒子濃度がの極大値の1/2となる深さ
(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、こ
れを積層厚さとした。条件は次の通り。
測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:5.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A なお、表層から深さ6000nmの範囲にもっとも多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合等、SIMS測定が難しい
場合は、表面からエッチングしながらXPS(X線光電子
分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプ
ロファイルを測定し積層厚さを求めても良いし、また、
電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状態やコ
ントラストの差から界面を認識し積層厚さを求めること
もできる。
(9)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、イン
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
(10)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元素
と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚
さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層
粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深
さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを
表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおり
である。測定装置、条件は下記のとおりである。
測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領 域:400μm□ 分 析 領 域:ゲート30% 測 定 真 空 度:6.0×10-9Torr E − G U N:0.5KV−3.0A (11)表面の分子配向(屈折率) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。熱可塑性樹脂の一
軸配向性は長手、幅方向の屈折率で判定した、二軸配向
の目安は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N
2、N3とした時、(N1−N2)の絶対値が0.25未満である
ことをひとつの基準とできる。
また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定して
も良い。
さらに、層厚が薄く、上記方法では測定が難しい場合
は、全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクト
ルを測定し、例えばポリエチレンテレフタレートの場合
では、1615cm-1(ベンゼン環の骨格振動)と1730cm
-1(カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の偏光測
定比(YY/XX比など。ここでYY:レーザーの偏光方向をY
にしてYに対して平行なラマン光検出、XX:レーザーの
偏光方向をXにしてXに対して平行なラマン光検出)が
分子配向と対応することを利用できる。ポリマの二軸配
向性はラマン測定から得られたパラメータを長手方向、
幅方向の屈折率に換算して、判定できる。この場合の測
定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザの
プリズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
°とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System (Hamamatsu C1230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (12)耐削れ性 フイルムを、ポリエステルの弾性ロールと金属ロール
からなる5段カレンダー装置で、温度:85℃、線圧:200k
g/cm、走行速度:80m/分で、3000mの長さを処理した後に
カレンダー弾性ロールに付着した粉(破片)を溶剤で洗
い流しその液に含有する3μm以上の大きさの粉(破
片)をパーティクルカウンターで測定した。フイルムの
幅、長さから計算できる延べ通過面積から単位面積あた
りに粉の発生量を換算して100個/m2未満の場合を耐削
れ性良好、それ以上の場合は不良と判定した。
(13)耐スクラッチ性 20℃相対湿度60%の雰囲気で、外形6mmφのガイドピ
ンに1/2インチ幅のテープ状フイルムを角度θ=π/2(r
ad)、テンションT1=200g、1000m/分の速さで30回走行
させた後のフイルム表面をアルミ蒸着して、傷の本数、
幅の大きさ、白粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察し
た。全く傷が見られずかつ白粉の発生がほとんどないも
のを耐スクラッチ性:4、傷が3本未満でかつ白粉の発生
がほとんどないものを耐スクラッチ性:3、傷が3〜10本
で幅の大きいものもあり、かつ白粉の発生が見られるも
のを耐スクラッチ性:2、傷が10本以上でで幅の大きいも
のもあり、かつ白粉の発生が激しく見られるものを耐ス
クラッチ性:1と判定した。耐スクラッチ性が4または3
であれば実用上問題なく使用できる。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜6、比較例1〜6 平均粒径の異なるコロイダルシリカに起因するシリカ
粒子、ジビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子を含
有するポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレートを調整した(熱可塑性樹脂A)。
次にコロイダルシリカに起因するシリカ粒子(平均粒
径0.2μm)を0.2重量%含有するポリエチレンテレフタ
レートを調整した(熱可塑性樹脂B)。これを公知の溶
融押出機1に供給し、290℃で溶融し、スリット状の口
金からシートを押し出し、静電印加キャスト法を用いて
表面温度30℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷
却固化し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フイル
ムを90℃で長手方向に4.0倍延伸した。この一軸延伸フ
イルムの片側の表面に押出機2、スリット状の口金を用
いて、上記熱可塑性樹脂Aをラミネートした積層フイル
ムをステンタを用いて100℃で幅方向に4.5倍延伸し、定
長下で、200℃にて5秒間熱処理し、配向積層フィルム
を得た。この時押出機1、押出機2の吐出量を調節して
層Aの厚さを変更しつつ、全厚さは15μmとなるように
した。これらのフィルムの本発明のパラメータは第1表
に示したとおりであり、本発明のパラメータが範囲内の
場合は耐スクラッチ性、耐削れ性は良好であったが、そ
うでない場合は耐スクラッチ性、耐削れ性を満足するフ
イルムは得られなかった。
[発明の効果] 本発明は積層部分の粒子の粒径と積層厚さ等を特定範
囲とし、かつ、その部分の配向の異方性を強くしたため
従来では達成できなかった耐スクラッチ性、耐削れ性が
得られたものである。
本発明のフイルムの用途は特に限定されず、最近はフ
イルムの大部分の用途、磁気材料、工業材料(感熱転写
や孔版印刷等)、コンデンサー等の電気材料等での加工
工程が高速になっているため、耐スクラッチ性、耐削れ
性に優れた本発明フイルムを有用であると言える。磁気
記録媒体としては、ビデオテープ、フロッピーディス
ク、ビデオフロッピー、オーディオテープ、メモリーテ
ープ等の磁気記録媒体に有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 55/00 - 55/30 G11B 5/704

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂Bを主成分とする二軸配向フ
    ィルム層Bの少なくとも片面に熱可塑性樹脂Aと粒子を
    主成分とする厚さ0.01〜3μmの幅方向に配向している
    フィルム層Aを有するフィルムであって、該フィルム層
    Aの長手方向と幅方向の屈折率の差(絶対値)が0.025
    以上、且つ、該フィルム層Aに含有される粒子の平均粒
    径がフィルム層Aの厚さの0.1〜10倍、該粒子の含有量
    がフィルム層Aに対して2〜30重量%であり、さらに該
    フィルム層Aが一軸配向であることを特徴とする熱可塑
    性樹脂フィルム。
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