JP2745752B2 - フロッピーディスク - Google Patents

フロッピーディスク

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JP2745752B2
JP2745752B2 JP2002088A JP208890A JP2745752B2 JP 2745752 B2 JP2745752 B2 JP 2745752B2 JP 2002088 A JP2002088 A JP 2002088A JP 208890 A JP208890 A JP 208890A JP 2745752 B2 JP2745752 B2 JP 2745752B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はフロッピーディスクに関するものである。
[従来の技術] 近年パーソナルコンピューターやワードプロセッサー
の外部記憶装置として、フロッピーディスクドライブ装
置及びその磁気記録媒体としてフロッピーディスクを用
いることが一般化した。
これら磁気記録媒体の非磁性基板としては、二軸配向
熱可塑性樹脂フイルム、特に二軸配向ポリエステルフイ
ルムが用いられるのが通常である。そしてこのような二
軸配向ポリエステルフィルムとしては、熱可塑性樹脂で
あるポリエステルにコロイド状シリカに起因する実質的
に球形のシリカ粒子を含有せしめたフィルムなどが知ら
れている(たとえば特開昭60−205821号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の二軸配向熱可塑性樹脂フイルムを
用いたフロッピーディスクは、その磁性層が磁気ヘッド
との接触により傷つけられたり、磨耗したりするという
欠点があった。
また、これを改善せんとして、フイルムの表面を荒す
と、電磁変換特性(S/N)が低下するという問題があっ
た。特に、フロッピーディスクの場合は、磁性層の厚み
が薄いことから、フイルム表面の凹凸の影響が磁性層表
面に顕著に反映されるため、上記問題の解決が急務であ
った。更に、最近では携行に便利な小型フロッピーディ
スクの出現を見るにおよんで、いかなる使用環境の変化
にも適合し得るトラッキングエラーの少ないフロッピー
ディスクが熱望されていたのである。
本発明は、かかる従来技術の欠点を解決し、磁性層の
耐久性と高S/Nの両特性を満足させる(以下、耐スクラ
ッチ性という)と共に、高温高湿雰囲気下でも使用に耐
える(以下、耐トラッキング性という)フロッピーディ
スクを提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂フイルム及びその少
なくとも一方の表面に設けられた磁性層からなるフロッ
ピーディスクであって、該二軸配向熱可塑性樹脂フイル
ムが熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする厚さ0.005
〜3μmのフィルム層Aと熱可塑性樹脂Bを含むフイル
ム層Bとを含む複合フイルムからなり、かつ該フィルム
層A中に含有される粒子の平均粒径がフィルム層Aの厚
さの0.1〜10倍、該粒子の含有量が0.5〜50重量%であ
り、更に該二軸配向熱可塑性樹脂フイルムの80℃で30分
間加熱したときの熱収縮率が面内のあらゆる方向におい
て1.5%以下、100℃で30分間加熱したときの熱収縮率が
面内のあらゆる方向において5%以下であることを特徴
とするフロッピーディスクに関するものである。
本発明を構成する熱可塑性樹脂Aはポリエステル、ポ
リオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド
など特に限定されることはないが、特に、ポリエステ
ル、中でも、エチレンテレフタレート、エチレンα,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から
選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とす
る場合に耐スクラッチ性、耐トラッチング性がより一層
良好となるので望ましい。また、本発明を構成する熱可
塑性樹脂は結晶性、あるいは溶融時光学異方性である場
合に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好
となるのできわめて望ましい。ここでいう結晶性とはい
わゆる非晶質ではないことを示すものであり、定量的に
は結晶化パラメータにおける冷結晶化温度Tccが検出さ
れ、かつ結晶化パラメータΔTcgが150℃以下のものであ
る。さらに、示差走査熱量計で測定された融解熱(融解
エンタルピー変化)が7.5cal/g以上の結晶性を示す場合
に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好と
なるのできわめて望ましい。また、エチレンテレフタレ
ートを主要構成成分とするポリエステルの場合に耐トラ
ッキング性と耐スクラッチ性がより一層良好となるので
特に望ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2
種以上の熱可塑性樹脂を混合しても良いし、共重合ポリ
マを用いても良い。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、フィルム層A中
での粒径比(粒子の長径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特
に、球形状の粒子の場合に耐スクラッチ性がより一層良
好となるので望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子はフイルム層
A中での単一粒子指数が0.7以上、好ましくは0.9以上で
ある場合に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一
層良好となるので特に望ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は、フィルム
層A中での相対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.5以下
の場合に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一層
良好となるので望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の種類は特に限定さ
れないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはアル
ミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部析
出粒子などは好ましくなく、コロイダルシリカに起因す
る実質的に球形のシリカ粒子、架橋高分子による粒子
(たとえば架橋ポリスチレン)などがあるが、特に10重
量%減量時温度(窒素中で熱重量分析装置島津TG−30M
を用いて測定。昇温速度20℃/分)が380℃以上になる
まで架橋度を高くした架橋高分子粒子の場合に耐スクラ
ッチ性、耐トラッキング性がより一層良好となるので特
に望ましい。なお、コロイダルシリカに起因する球形シ
リカの場合にはアルコキシド法で製造された、ナトリウ
ム含有量が少ない、実質的に球形のシリカの場合に耐ス
クラッチ性がより一層良好となるので特に望ましい。し
かしながら、その他の粒子、例えば炭酸カルシウム、二
酸化チタン、アルミナ等の粒子でもフイルム厚さと平均
粒径の適切なコントロールにより十分使いこなせるもの
である。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の結晶化促進係数は
特に限定されないが、−15〜15℃、好ましくは−5℃〜
10℃の場合に、耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に望ましい。
粒子の大きさは、フイルム層A中での平均粒径がフイ
ルム厚さの0.1〜10倍、好ましくは0.5〜5倍、さらに好
ましくは1.1〜3倍の範囲であることが必要である。平
均粒径/フイルム厚さ比が上記の範囲より小さいと耐ス
クラッチ性が不良となり、逆に大きくても耐スクラッチ
性、耐トラッキング性が不良となるので好ましくない。
また熱可塑性樹脂A中の粒子のフィルム層A中での平
均粒径(直径)が0.007〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.
45μmの範囲である場合に、耐スクラッチ性、耐トラッ
キング性がより一層良好となるので望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の含有量は0.5〜50
重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2
〜15重量%であることが必要である。粒子の含有量が上
記の範囲より少なくても、逆に大きくても耐スクラッチ
性が不良となるので好ましくない。
本発明のフイルム層Aは上記熱可塑性樹脂Aと粒子か
らなる組成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害
しない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、
また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの
有機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよ
い。
本発明のフイルム層Aは上記組成物を二軸配向せしめ
たフイルムである。一軸あるいは無配向フイルムでは耐
スクラッチ性が不良となるので好ましくない。この配向
の程度は特に限定されないが、高分子の分子配向の程度
の目安であるヤング率が長手方向、幅方向ともに300kg/
mm2以上である場合に耐スクラッチ性がより一層良好と
なるのできわめて望ましい。分子配向の程度の目安であ
るヤング率の上限は特に限定されないが、通常、2000kg
/mm2程度が製造上の限界である。
また、本発明のフイルム層Aは、ヤング率が上記範囲
内であっても、フイルムの厚さ方向の一部分、例えば、
表層付近のポリマ分子の配向が無配向、あるいは、一軸
配向になっていない、すなわち、厚さ方向の全部分の分
子配向が二軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐トラ
ッキング性がより一層良好となるので特に望ましい。
特にアッベ屈折率計、レーザーを用いた屈折率計、全
反射レーザーラマン法などによって測定される分子配向
が、表面、裏面ともに二軸配向である場合に耐スクラッ
チ性、耐トラッキング性がより一層良好となるので特に
望ましい。
さらに熱可塑性樹脂Aが結晶性ポリエステルであり、
これを主成分とする本発明のフィルム層Aの表面の全反
射ラマン結晶化指数が20cm-1以下、好ましくは18cm-1
下、さらに17cm-1以下の場合に耐スクラッチ性、耐トラ
ッキング性がより一層良好となるのできわめて望まし
い。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の2次イオンマススペクトルによって測定される表層粒
子濃度比は特に限定されないが、1/10以下、特に1/50以
下である場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の厚さは0.005〜3μm、好ましくは0.01〜1μm、さ
らに好ましくは0.03〜0.5μmであることが必要であ
る。フイルム厚さが上記の範囲より小さいと耐トラッキ
ング性が不良となり逆に大きいと耐スクラッチ性が不良
となるので好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の表面の平均突起高さは5〜500nm、好ましくは10〜300
nm、さらに好ましくは15〜200nmの範囲である場合に耐
スクラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好となる
ので特に望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の平均突起間隔は6μm以下、好ましくは4μm以下で
ある場合に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一
層良好となるので特に望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の表面の中心線深さRpは特に限定されないが、Rpが180n
m以下、特に160nm以下の場合に耐トラッキング性がより
一層良好となるので特に望ましい。また、上記Rpと最大
高さRtの比、Rt/Rpが1.5〜2.5、特に、1.7〜2.3の場合
に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好と
なるので特に望ましい。
本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルム層A
の表面の中心線平均粗さRaと最大高さRtの比、Rt/Raが
9.0以下、特に8.5以下の場合に耐スクラッチ性、耐トラ
ッキング性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明のフイルム層Aは上述したように、構成する熱
可塑性樹脂が結晶性あるいは溶融光学異方性であること
がきわめて望ましいが、溶融等方性フイルムの場合、結
晶化パラメータΔTcgが25〜65℃である場合に耐スクラ
ッチ性、耐トラッキング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
なお熱可塑性樹脂Aがポリエステルの場合には熱可塑
性樹脂A面の厚さ方向屈折率が1.5以下の場合に、耐ス
クラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好となるの
で特に望ましい。
本発明のフイルム層Aを構成する熱可塑性樹脂Aがポ
リエステルの場合はフイルムの固有粘度が0.60以上、特
に0.70以上の場合に耐スクラッチ性がより一層良好とな
るので特に望ましい。
本発明のフイルム層Aを構成する熱可塑性樹脂Aがポ
リエステルの場合はフイルム中の低分子成分含有量が0.
8重量%以下、特に0.5重量%以下の場合に耐スクラッチ
性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明における二軸配向熱可塑性樹脂フイルムの積層
構成は層A/層B/層A、層A/層Bであるが、もちろん、層
Aと異なる表面状態を有する層CをAと反対面に設けた
層A/層B/層Cでも、あるいはそれ以上の多層構造でもよ
い。(ここで、層A、層B、層Cそれぞれの熱可塑性樹
脂の種類は同種でも、異種でもよい。また、少なくとも
片方の表面は層Aであることが必要である。) 熱可塑性樹脂Bとしては結晶性ポリマが望ましく、特
に、結晶性パラメータΔTcgが20〜100℃の範囲の場合
に、耐トラッキング性がより一層良好となるので望まし
い。具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられるが、
ポリエステルの場合に耐トラッキング性がより一層良好
となるので特に望ましい。また、ポリエステルとして
は、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキ
シレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれ
た少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合
に耐トラッキング性が特に良好となるので望ましい。た
だし、本発明を阻害しない範囲内、望ましい結晶性を損
なわない範囲内で、好ましくは5モル%以内であれば他
成分が共重合されていてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発明の目的を阻害し
ない範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、ま
た酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルム層B中には粒
子を含有している必要は特にないが、平均粒径が0.007
〜2μm、特に0.02〜0.45μmの粒子が0.001〜0.2重量
%、特に0.005〜0.15重量%、さらには0.005〜0.12重量
%含有されていると、耐スクラッチ性より一層良好とな
るのできわめて望ましい。含有する粒子の種類は熱可塑
性樹脂Aに望ましく用いられるものを使用することが望
ましい。熱可塑性樹脂AとBに含有する粒子の種類、大
きさは同じでも異なっていても良い。
上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの結晶化パラメ
ータΔTcgの差(A−B)は特に限定されないが、−30
〜+20℃の場合に、耐スクラッチ性、耐トラッキング性
がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明で用いられる二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
は、80℃で30分間加熱したときに熱収縮率が面内のあら
ゆる方向において1.5%以下、好ましくは1.0%以下、さ
らに好ましくは0.5以下で、かつ100℃で30分間加熱した
ときの熱収縮率が面内のあらゆる方向において5%以
下、好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下で
あることが必要である。前者の熱収縮率が1.5%を越え
ると高温雰囲気下での使用に耐えない。また後者の熱収
縮率が5%を越えると磁性層を塗布したり蒸着したりす
る工程で、フイルムが収縮してしまい、その結果異方性
を生ずることになり、フロッピーディスクの打ち抜きを
行なったときに真円の外径や内径を形成することができ
なくなる。
本発明を構成する二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの温
度膨脹係数は、5×10-6〜30×10-6-1の場合に耐スク
ラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好となるので
望ましい。
本発明における磁性層としては、γ−Fe2O3、Co含有
γ−Fe2O3、微細針状鉄粉やバリウムフェライト粉末を
塗設したものであってもよく、またCo、Ni、Cr、Fe又は
これらの合金をメッキ、蒸着又はスパッタリングなどの
処理により形成せしめたものであってもよい。
本発明を構成する二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの厚
さは20〜100μm、好ましくは25〜90μm、磁性層の厚
さは0.05〜10μm、好ましくは0.1〜5μmである場合
に耐スクラッチ性、耐トラッキング性がより一層良好と
なるので望ましい。
次に本発明に用いるフィルムの製造方法について説明
する。
まず、熱可塑性樹脂Aに粒子を含有せしめる方法とし
ては、熱可塑性樹脂がポリエステルの場合には、ジオー
ル成分であるエチレングリコールのスラリーの形で分散
せしめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸
成分と重合せしめるのが延伸破れなく、本発明範囲の厚
さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状態
のフイルムを得るのに有効である。また、粒子を含有す
るポリエステルの溶融粘度、共重合成分などを調節し
て、その結晶化パラメータΔTcgを40〜65℃の範囲にし
ておく方法は延伸破れなく、本発明範囲の厚さと平均粒
径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状態、表層粒子
濃度比、平均突起高さ、Rt/Rp比、Rt/Ra比のフイルムを
得るのに有効である。
また、粒子のエチレングリコールのスラリーを140〜2
00℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時間、特に1〜
3時間熱処理する方法は延伸破れなく、本発明範囲の厚
さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状
態、表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効である。
また熱可塑性樹脂(ポリエステルも含めて)に粒子を
含有せしめる方法として、粒子をエチレングリコール中
で140〜200℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時間、
特に1〜3時間熱処理した後、溶媒を水に置換したスラ
リーの形で熱可塑性樹脂と混合し、ベント方式の2軸押
出機を用いて混練して熱可塑性樹脂に練り込む方法も本
発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範
囲の配向状態、表層粒子濃度比、平均突起高さ、Rt/Rp
比、Rt/Ra比のフイルムを得るのにきわめて有効であ
る。
粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高
濃度マスターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質
的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して粒子の含有量を
調節する方法が有効である。
次に、熱可塑性樹脂Bを主成分とするフイルムの少な
くとも片面に熱可塑性樹脂Aを主成分とするフイルムを
積層する方法としては、次の方法が有効である。
所定の熱可塑性樹脂A組成物と熱可塑性樹脂B(A、
Bは同種、異種どちらでもよい)のペレットを必要に応
じて乾燥したのち公知の溶融積層用押出機に供給し、ス
リット状のダイからシート状に押出し、キャスティング
ロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。す
なわち、2または3台の押出機、2または3層のマニホ
ールドまたは合流ブロックを用いて、熱可塑性樹脂A、
Bを積層し、口金から2または3層のシートを押し出
し、キャスティングロールで冷却し未延伸フイルムを作
る。この場合、熱可塑性樹脂Aのポリマ流路に、スタテ
ィックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は延伸破れ
なく、本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望
ましい範囲の配向状態、平均突起高さ、Rt/Rp比、Rt/Ra
比、表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効である。
また、熱可塑性樹脂A側の押出機の溶融温度を、熱可塑
性樹脂B側より、10〜40℃高くすることが、延伸破れな
く、本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望ま
しい範囲の配向状態、平均突起高さ、Rt/Rp比、Rt/Ra
比、表層粒子濃度比、全反射ラマン結晶化指数のフイル
ムを得るのに有効である。この場合、未延伸フイルムに
押出し成形する時の、口金スリット間隙/未延伸フイル
ム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の範囲にするこ
とが、延伸破れなく本発明範囲の厚さと平均粒径の関
係、含有量の範囲、望ましい範囲の配向状態、表層粒子
濃度比、全反射ラマン結晶化指数のフイルムを得るのに
有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦延伸倍率を
3.5〜6.5倍で行なう方法は延伸破れなく、本発明範囲の
厚さと平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状
態、表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効である。
ただし、熱可塑性樹脂が溶融光学異方性樹脂である場合
は長手方向延伸倍率は1〜1.1倍が適切である。長手方
向延伸温度は熱可塑性樹脂の種類によって異なり一概に
は言えないが、通常、その1段目を50〜130℃とし、2
段目以降はそれより高くすることが本発明範囲の厚さと
平均粒径の関係、含有量、望ましい範囲の配向状態、平
均突起高さ、表層粒子濃度比のフイルムを得るのに有効
である。この場合の延伸温度の設定は熱可塑性樹脂Bを
基準として設定する必要がある。長手方向延伸速度は50
00〜50000%/分の範囲が好適である。幅方向の延伸方
法としてはステンタを用いる方法が一般的である。延伸
倍率は、3.0〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸
速度は、1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の範囲が
好適である。次にこの延伸フィルムを弛緩状態で熱処理
する。熱処理工程は、熱可塑性樹脂A層に吹き付ける熱
風温度を熱可塑性樹脂B層よりも3〜20℃低くすること
が、本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、望ま
しい範囲の配向状態、平均突起高さ、Rt/Rp比、Rt/Ra
比、表層粒子濃度比、全反射ラマン結晶化指数のフイル
ムを得るのに有効である。
得られたフイルムの熱収縮率を本発明で規定する範囲
内とするための手段は特に限定されない。例えば、上記
フイルムの製膜工程における延伸温度や延伸倍率などを
適宜選択し、また幅方向延伸後の熱処理工程の温度、処
理時間、弛緩率を適宜選択したり、更にはロールの周速
差やフィルムを把持するクリップの間隔差を利用した長
手方向の弛緩を行なうことによって、所定の熱収縮率と
することが可能である。特に長手方向の熱収縮率を効果
的に下げるためには、例えば得られたフイルムをロール
状に巻き取った状態で100〜130℃の雰囲気中に30分以上
放置する方法や、フイルムを60〜90℃に加熱しながら巻
き取る方法などがある。この場合の巻き取り張力は0.5
〜15kg/mが好ましい。前者の加熱方法としては、フイル
ムロールをオーブン中に放置しておくのが最も簡便であ
るが、後者の場合は、巻き取り工程において、ラジエー
ションヒータや熱風によって加熱する方法や、巻き取り
装置自体をオーブン中に設けて加熱する方法などがあ
る。いずれにしても、これらの方法に限定されるもので
ないことはもちろんである。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)粒子の平均粒径 フィルムから熱可塑性樹脂をプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子を露
出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰化されるが粒子
はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM(走
査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によって
できる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケ
ンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観
察箇所を変えて粒子数5000個以上で次の数値処理を行な
い、それによって求めた数平均径Dを平均粒径とする。
D=ΣD1/N ここで、D1は粒子の円相当径、Nは個数である。
(2)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
(3)結晶化パラメータΔTcg、融解熱 パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。
すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度
で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷する。この急冷
試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。
さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク
温度をもって冷結晶化温度Tccとした。さらに昇温を続
け、融解ピークから融解熱を求めた。ここでTccとTgの
差(Tcc−Tg)を結晶化パラメータΔTcgと定義する。
(4)表面の分子配向(屈折率) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配向
性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N2、N3
とした時、(N1−N2)の絶対値が0.07以下、かつ、N3/
[(N1+N2)/2]が0.95以下であることをひとつの基準
とできる。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を
測定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場
合は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000のラマンシステムにより、全反射ラマンスペク
トルを測定し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベン
ゼン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸縮振
動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比など。ここ
でYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対して平行な
ラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向をXにしてXに
対して平行なラマン光検出)が分子配向と対応すること
を利用できる。ポリマの二軸配向性はラマン測定から得
られたパラメータを長手方向、幅方向の屈折率に換算し
て、その絶対値、差などから判定できる。この場合の測
定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング フィルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザの
プリズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60
゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (5)全反射ラマン結晶化指数 Jobin−Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムによ
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定条件は次のとおりであ
る。測定深さは、表面から500〜1000オングストローム
程度である。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145Å) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平
行となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向と
の角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (6)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面の高さ
を0として走査した時の突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、突起個数を求め、測定された全突起についてその
高さの平均値を平均高さとした。また個々の突起の高さ
データをもとに、高さ分布の標準偏差を求めた。また走
査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間の値を選択
する。なお、場合によっては、高精度光干渉式3次元表
面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200
倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高さ
情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
(7)中心線平均表面粗さRa、中心線深さRp、最大高さ
Rt、突起間隔Sm 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定の平
均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rp、Rt、Smの定義は、たとえば、奈良治郎
著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、19
83)に示されているものである。
(8)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、イン
ストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%
RHにて測定した。
(9)固有粘度[η](単位はdl/g) オルソクロルフェノール中、25℃で測定した溶液粘度
から下記式から計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]・C ここで、ηSP=(溶液粘度/溶液粘度)−1、Cは溶媒
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、
溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(10)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイル
ム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元素
と熱可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚
さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される最表層
粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深
さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/Bを
表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記のとおり
である。測定装置、条件は下記のとおりである。
測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS)西独、ATOMIKA 社製
A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A (11)単一粒子指数 フイルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を100000倍程度にすれ
ば、それ以上分けることができない1個の粒子が観察で
きる。粒子の占める全面積をA、その内2個以上の粒子
が凝集している凝集体の占める面積をBとした時、(A
−B)/Aをもって、単一粒子指数とする。TEM条件は下
記のとおりであり1視野面積:2μm2の測定を場所を変え
て、500視野測定する。
・装置:日本電子製JEM−1200EX ・観察倍率:100000倍 ・加速電圧:100kV ・切片厚さ:約1000オングストローム (12)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値
/短径の平均値の比である。
すなわち、下式で求められる。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短
径(最短径)、Nは総個数である。
(13)粒径の相対標準偏差 上記(1)の方法で測定された個々の突起径Di、平均
径D、粒子総数Nから計算される標準偏差 を平均径Dで割った値(σ/D)で表わした。
(14)低分子成分含有量 試料ポリマを粉砕しソックスレー抽出器を用いて、ク
ロロホルムを溶媒として、還流下で24時間抽出を行な
う。クロロホルムを蒸発させて得られた抽出物の重量の
もとの試料の重量に対する比率(重量%)をもって低分
子成分含有量とした。
(15)結晶化促進係数 上記(3)の方法で粒子を1重量%含有する熱可塑性
樹脂のΔTcg(I)、およびこれから粒子を除去した同
粘度の熱可塑性樹脂のΔTcg(II)を測定し、ΔTcg(I
I)とΔTcg(I)の差[ΔTcg(II)−ΔTcg(I)]を
もって、結晶化促進係数とした。
(16)積層フィルム中のフィルム層Aの厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、フィルム
中の粒子の内最も高濃度の粒子に起因する元素と熱可塑
性樹脂の炭素原子の濃度比(M+/C+)を粒子濃度とし、
フィルム層Aの表面から深さ(厚さ)方向の分析を行な
う。表層では表面という界面のために粒子濃度は低く表
面から遠ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フ
ィルムの場合は深さ[I]でいったん極大値となった粒
子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲線をもとに
極大値の粒子濃度の1/2になる深さ[II](ここでII>
I)を積層厚さとした。条件は測定法(10)と同様であ
る。
なお、フィルム中にもっとも多く含有する粒子が有機
高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、表面か
らエッチングしながらXPS(X線光電子分光法)、IR
(赤外分光法)あるいはコンフォーカル顕微鏡などで、
その粒子濃度のデプスプロファイルを測定し、上記同様
の手法から積層厚さを求めても良い。
さらに、上述した粒子濃度のデプスプロファイルから
ではなく、フィルムの断面観察あるいは薄膜段差測定機
等によってフィルム層Aの積層厚さを求めても良い。
(17)トラッキングずれテスト(温度変化) トラッキングずれテストとしては次の様な方法を用い
る。金属薄膜をスパッタ法により基材フィルムの両面に
磁気記録層を形成してディスク状に打抜いた金属薄膜よ
りなるフロッピーディスクを温度15℃湿度60%RHでリン
グヘッドを用い磁気記録し、そのときの最大出力と磁気
シートの出力エンベロープを測定する。次に雰囲気温度
を40℃湿度60%RHになるように維持して、その温度にお
ける最大出力と出力エンベロープを調べ、15℃湿度60%
RHの時の出力エンベロープと40℃湿度60%RHのときの出
力エンベロープを比較して、トラッキングの状態を判定
する。この差が小さいほど優れたトラッキング特性を有
している。この差が3dB以上になるとトラッキングが悪
く、評価としては不良であり、3dB以内のものは優とし
て評価した。
トラッキングずれテスト(湿度変化) 前項と同様に温度25℃,相対湿度20%の雰囲気で記録
し、さらに雰囲気条件を25℃、相対湿度70%に保持し、
25℃,相対湿度20%のときと25℃、相対湿度70%の出力
エンベロープを比較する。前項と同様にトラッキングの
良好性を評価する。評価の方法は項と同様である。
(18)耐スクラッチ性 上記(17)と同様にして得られたフロッピーディスク
に磁気記録した同一トラックを相対走行速度6m/secで10
0万回以上走査し、その出力エンベロープを調べた。評
価基準は、磁性層の表面に生じた傷を確認し、かつ出力
エンベロープが不安定となったものを不良とした。磁性
層の表面に傷が発生せず、かつ出力エンベロープが安定
なものを優と評価した。
(19)熱収縮率 適当な大きさに試料を切り出し、23℃、60%RHの雰囲
気に30分間放置し、その雰囲気下で、測定しようとする
方向に約200mmの間隔で2つの印を付け、マイクロメー
ターにてその印の間隔を測定し、測定値をAとする。次
に、該試料を張力がかからない状態で所定の温度(80℃
又は100℃)の雰囲気中に30分間放置して、次いで23
℃、60%RHの雰囲気に取り出して1時間冷却後、先に付
した印の間隔を測定し、測定値をA′とする。
上記測定値から熱収縮率は下式により求める。
熱収縮率=100(A−A′)/A [実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜4、比較例1〜4 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダル
シリカに起因するシリカ粒子を含有するエチレングリコ
ールスラリーを調製し、このエチレングリコールスラリ
ーを190℃で1.5時間熱処理した後、テレフタル酸ジメチ
ルとエステル交換反応後、重縮合し、該粒子を0.4〜55
重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略記する)のペレットを作った。この時、重縮合時間
を調節し固有粘度を0.70とした(熱可塑性樹脂A)。ま
た、常法によって、固有粘度0.62の実質的に粒子を含有
しないPETを製造し、熱可塑性樹脂Bとした。これらの
ポリマをそれぞれ180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)し
た。熱可塑性樹脂Aを押出機1に供給し310℃で溶融
し、さらに、熱可塑性樹脂Bを押出機2に供給、280℃
で溶融し、これらのポリマを合流ブロック(フィードブ
ロック)で合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表
面温度30℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却
固化し、2層構造の未延伸フィルムを作った。この時、
口金スリット間隙/未延伸フイルムの厚さの比を10とし
て未延伸フイルムを作った。また、それぞれの押出機の
吐出量を調節し総厚さ、フィルム層Aの厚さを調節し
た。この未延伸フイルムを温度60〜12℃にて長手方向に
3〜5.5倍延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周
速差で、4段階で行なった。この一軸延伸フイルムをス
テンタを用いて延伸速度2000%/分で100℃で幅方向に
3〜6倍延伸し、定長下で、温度を120〜240℃の範囲で
変更して5秒間熱処理し、総厚さ75μm、フィルム層A
の厚さ0.2〜5μmの二軸配向積層フィルムを得た。こ
れらのフィルムの本発明のパラメータは第1表に示した
とおりであり、本発明のパラメータが範囲内の場合は耐
スクラッチ性、耐トラッキング性は第1表に示したとお
り優であったが、そうでない場合は耐スクラッチ性、耐
トラッキング性を兼備するフイルムは得られなかった。
[発明の効果] 本発明は、製法の工夫により、粒子を含有する熱可塑
性樹脂Aのフイルム層Aと、熱可塑性樹脂Bのフイルム
層Bとの複合フイルムとし、フイルム層Aの厚さ、フイ
ルム層A中の粒子の大きさとフイルム層Aの厚さとの関
係、粒子含有量、二軸熱可塑性樹脂フイルムの熱収縮率
を特定範囲とした積層フイルムを用いたため、耐スクラ
ッチ性、耐トラッキング性、寸法安定性に優れたフロッ
ピディスクを実現した。
また、本発明のフィルムが2層構造のものは、コーテ
ィングなどの操作なしで直接複合積層によって作ったフ
イルムであり、製膜工程中あるいはその後のコーティン
グによって作られる積層フイルムに比べて、最表層の分
子も二軸配向であるため、上述した特性以外、例えば、
表面の耐削れ性もはるかに優れ、しかもコスト面、品質
の安定性などにおいて有利であるものである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸配向熱可塑性樹脂フイルム及びその少
    なくとも一方の表面に設けられた磁性層からなるフロッ
    ピーディスクであって、該二軸配向熱可塑性樹脂フイル
    ムが熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする厚さ0.005
    〜3μmのフィルム層Aと熱可塑性樹脂Bを含むフイル
    ム層Bとを含む複合フイルムからなり、かつ該フィルム
    層A中に含有される粒子の平均粒径がフィルム層Aの厚
    さの0.1〜10倍、該粒子の含有量が0.5〜50重量%であ
    り、更に該二軸配向熱可塑性樹脂フイルムの80℃で30分
    間加熱したときの熱収縮率が面内のあらゆる方向におい
    て1.5%以下、100℃で30分間加熱したときの熱収縮率が
    面内のあらゆる方向において5%以下であることを特徴
    とするフロッピーディスク。
  2. 【請求項2】フイルム層Bが、実質的に粒子を含有しな
    いことを特徴とする請求項(1)記載のフロッピーディ
    スク。
  3. 【請求項3】フイルム層Bが、熱可塑性樹脂Bと平均粒
    径0.007〜2μmの粒子とを主成分とし、該粒子の含有
    量が0.001〜0.2重量%であることを特徴とする請求項
    (1)記載のフロッピーディスク。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂Aが結晶性ポリエステルであ
    り、かつ、フイルム層Aの表面の全反射ラマン結晶化指
    数が20cm-1以下であることを特徴とする請求項(1)〜
    (3)のいずれかに記載のフロッピーディスク。
  5. 【請求項5】フイルム層Aに含有される粒子が、粒径比
    1.0〜1.3の粒子であることを特徴とする請求項(1)〜
    (4)のいずれかに記載のフロッピーディスク。
  6. 【請求項6】フイルム層Aに含有される粒子の相対標準
    偏差が0.6以下であることを特徴とする請求項(1)〜
    (5)のいずれかに記載のフロッピーディスク。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61126629A (ja) * 1984-11-20 1986-06-14 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用二軸延伸ポリエステルフイルム
JPH01176556A (ja) * 1987-12-29 1989-07-12 Toyobo Co Ltd 複合ポリエステルフイルム

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