JP2631878B2 - ポリイミドシロキサン組成物および膜 - Google Patents

ポリイミドシロキサン組成物および膜

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JP2631878B2 JP63239837A JP23983788A JP2631878B2 JP 2631878 B2 JP2631878 B2 JP 2631878B2 JP 63239837 A JP63239837 A JP 63239837A JP 23983788 A JP23983788 A JP 23983788A JP 2631878 B2 JP2631878 B2 JP 2631878B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、特定の可溶性ポリイミドシロキサンが有
機溶媒に均一に溶解しているポリイミドシロキサン溶液
に、1級のアミノ基を一つ有するアミノシリコン化合物
を添加して得られたポリイミドシロキサン組成物および
膜に関するものである。
この発明のポリイミドシロキサン組成物は、種々の無
機質又は金属質材料などの表面に対し、塗布平坦性など
の優れた塗布性能を有し、また、その塗布層を乾燥及び
加熱処理することにより、優れた密着性、特に低温処理
で加湿雰囲気下での優れた耐湿密着性、及び優れた耐熱
性を有する被覆層を形成することができ、電子部品用の
層間絶縁膜や表面保護膜などの薄膜層形成材料として好
適に用いられる。
〔従来技術の説明〕
芳香族ポリイミドを電気絶縁性の保護膜(層間絶縁膜
など)として用いることは、既に種々提案されており、
例えば、特開昭48−34686号公報及び特開昭49−40077号
公報などには固体素子への絶縁膜、パッシベーション
膜、半導体集積回路などの層間絶縁膜などを、耐熱性お
よび絶縁性の優れた性質を有するポリイミドで形成する
ことが開示されている。
しかしながら、一般的に、芳香族ポリイミドは、有機
溶媒に溶解し難いため、芳香族ポリイミドの前躯体(芳
香族ポリアミック酸)の溶液を使用して、塗布膜を形成
し、次いで、乾燥とイミド化とのために、塗布膜をかな
りの高温で長時間、加熱処理して、芳香族ポリイミドか
らなる保護膜を形成する必要があり、芳香族ポリイミド
からなる保護膜を比較的低温で再現性よく形成できるも
のではなかったので、保護すべき電気又は電子材料自体
が熱的に劣化してしまうという問題があった。
一方、有機極性溶媒に可溶性芳香族ポリイミドは、例
えば、特開昭57−41491号公報に記載されているような
ポリイミドが知られている。しかし、それらの芳香族ポ
リイミドは塗布対象のシリコンウエハーやガラス板など
の基板との密着性が充分でなかったので、予め基板を密
着促進剤で処理して置くなどの手段をとる必要があっ
た。
このような問題点を解決するために、ポリイミドとし
てシリコン化合物との共重合体が提案されており、例え
ば、特開昭57−143328号公報、及び特開昭58−13531号
公報には、ジアミンで両末端を停止したポリシロキサン
をモノマー原料の一成分としたポリイミド前駆体が開示
されている。しかし、これらのポリイミド前駆体も、イ
ミド化のために塗布膜を高温で処理しなければいけない
という欠点を有していた。
また、特開昭61−118424号公報及び特開昭61−207438
号公報には、可溶性ポリイミドシロキサンが開示されて
いるが、前者のポリイミドシロキサンは、その製造工程
が数段階に及び製造法が複雑であって長時間を要すると
の製造上の問題があり、さらに、後者のポリイミドシロ
キサンは、アミン成分として芳香族ジアミンを含有して
いないので、耐熱性が低いという問題があった。
さらに、この発明者らは、先に、特願昭62−278687号
としてポリイミドシロキ酸及びそれを含有する組成物を
提案した。このポリイミドシロキサンはかなり優れた塗
布平坦性及び耐湿密着性を有していたが、加熱乾燥温度
が200℃以下の場合には、密着性が不十分であり、さら
に高温に加熱しなければ、電子部品の保護膜として信頼
性がなかったのである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明者らは、上述の問題点が解決されたポリイミ
ドシロキサンを提供すべく鋭意検討した結果、特定の可
溶性ポリイミドシロキサンを有機溶媒に均一に溶解させ
たポリイミドシロキサン溶液に、特定のアミノシリコン
化合物を添加して得られたポリイミドシロキサン組成物
が、無機又は金属板に対して優れた塗布平坦性を有し、
また、その塗布層を乾燥及び加熱処理することにより形
成された被覆層が優れた耐湿密着性、並びに優れた耐熱
性及び電気絶縁性を有していることを見出し、この発明
を完成した。
この出願の第1の発明は、芳香族テトラカルボン酸成
分と、ジアミノポリシロキサン及び芳香族ジアミンから
なるジアミン成分とを重合及びイミド化することにより
得られた下記(a)が5〜40モル%及び下記(b)が95
〜60モル%からなり対数粘度〔濃度:0.5g/100ml(N−
メチル−2−ピロリドン)、測定温度30℃〕が0.1〜2.0
の共重合ポリイミドシロキサンが1〜50重量%の濃度で
均一に溶解している共重合ポリイミドシロキサンの有機
溶媒溶液に、該共重合ポリイミドシロキサンに対して0.
01〜20重量%の下記一般式 H2N−R3−Si−(R43-k(R5 (ただし、R3は2価の炭化水素残基または−(CH2n1
−NH−(CH2n2−であり、n1およびn2は1−3の整数
を示し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5は炭
素数1〜3のアルコキシ基を示し、kは0〜3の整数を
示す)で示される1級のアミノ基を1つ有するアミノシ
リコン化合物を添加してなるポリイミドシロキサン組成
物に関する。
(a): 下記式(1)で示される構成単位80〜100モル%及び
下記式(2)で示される構成単位20モル%未満からなる
単位 式(1) (上記式(1)中、R1は−(CH2−、−(CH2
又はp−フェニレンを示し、R2はメチル又はフェニルを
示し、lは1〜30の整数である。) 式(2) (上記式(2)中、Xは3,4,3′,4′−又は2,3,3′,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸残基又はピロメリッ
ト酸残基を示し、R1、R2及びlは上記式(1)の場合と
同じである。) (b): 下記式(3)で示される構成単位80〜100モル%及び
下記式(4)で示される構成単位20モル%未満からなる
単位 式(3) (上記式(3)中、Aは4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−ジア
ニシジン、2,4−ジアミノトルエン、ビス〔4−(4′
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス
〔4′−(4″−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、1,4−ビス(4′−アミノフェノキシ)ベンゼン、
4,4′−ジアミノ−3−モノアミド−ジフェニルエーテ
ルから選ばれる芳香族ジアミン残基を示す。) 式(4) (上記式(4)中、Xは上記式(2)の場合と同じであ
り、Aは上記式(3)の場合と同じである。) この出願の第2の発明は、前述のポリイミドシロキサ
ン組成物を基材に塗布後、加熱乾燥してなる膜に関す
る。
以下、この発明のポリイミドシロキサン組成物につい
て、さらに詳しく説明する。
この発明の組成物に使用されている可溶性ポリイミド
シロキサンは、例えば、ビフェニルテトラカルボン酸類
を80モル%以上含有する芳香族テトラカルボン酸成分
と、ジアミノポリシロキサン及び芳香族ジアミンからな
るジアミン成分とを、略等モル、有機極性溶媒中で、か
なり高温(好ましくは100〜300℃の温度、特に140〜250
℃の温度)に加熱して、一段で重合およびイミド化する
ことによって製造されるか、あるいは、前記の二成分を
略等モル、有機極性溶媒中で、好ましくは約80℃以下の
温度、特に0〜60℃の温度で重合して、芳香族ポリアミ
ック酸(芳香族ポリイミド前駆体)を製造し、その芳香
族ポリアミック酸を適当な条件でイミド化して製造され
る。
前記のビフェニルテトラカルボン酸類としては、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸又はその酸二
無水物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸又
はその酸二無水物、或いは、上記の芳香族テトラカルボ
ン酸のエステル化物が適当である。特に、この発明で
は、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸又はそ
の酸二無水物を主成分とする芳香族テトラカルボン酸成
文を使用して得られたポリイミドシロキサンが、多くの
有機溶媒に対して溶解性が優れているので好適である。
前記の芳香族テトラカルボン酸成分は、前記のビフェ
ニルテトラカルボン酸類の20モル%以下を、例えば、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はその
酸二無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸又はその酸二無水物、ピロメリット酸又はその酸
二無水物などのその他の芳香族テトラカルボン酸類で置
き換えて、前記ビフェニルテトラカルボン酸類と鞆に使
用されていてもよい。前記の「その他の芳香族テトラカ
ルボン酸類」の使用量の割合は、全芳香族テトラカルボ
ン酸成分に対して約20モル%未満、好ましくは10モル%
未満である。である。
前記ジアミノポリシロキサンは、下記の一般式 (I) (式中、R1は−(CH2−、−(CH2−又はp−フ
ェニレンを示し、R2はメチレン又はフェニルを示し、m
は1〜30の整数、特に2〜20の整数を示す)で示される
ポリシロキサンであることが好ましい。
前記の一般式(I)で示されるジアミノポリシロキサ
ンとしては、以下のものが挙げられる。
これらのジアミノポリシロキサンは、mが1〜30の範
囲のものが好ましく、mが30を越えるものを前述の重合
に用いると、得られるポリイミドシロキサンの分子量が
低くなり、また、有機溶媒に対する溶解性も低下するの
で好ましくない。
また、前記の芳香族ジアミンとしては、例えば、4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、o−トリジン、o−ジアニシジン、2,
4−ジアミノトルエン、ビス〔4−(4′−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス〔4′−
(4″−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,4
−ビス(4′−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−
ジアミノ−3−モノアミド−ジフェニルエーテルなどの
ベンゼン核を2つ以上有する芳香族ジアミンを好適に挙
げることができる。
この発明で使用されるポリイミドシロキサンは、ジア
ミン成分として、ジアミノポリシロキサンが40モル%以
下、特に5〜35モル%の割合で含有されているものを使
用して、芳香族テトラカルボン酸成分を重合して得られ
たポリマーが好ましく、前記ジアミノポリシロキサンの
含有割合が余りに多くなり過ぎると、充分な耐熱性を有
するポリイミドシロキサンが得られないことがあるので
好ましくない。
前述のポリイミドシロキサンの製造に使用される重合
用の有機極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキ
シド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキド系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド
系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2
−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、ヘキサメチレン
ホスホアミド、γ−ブチルラクトン、ジエチルグリコー
ルジメリルエーテル、シクロヘキサノンなど、あるい
は、フェノール、o−,m−又はp−クレゾール、キシレ
ノール、ハロゲン化フェノール(パラクロルフェノー
ル、オルトクロルフェノール、パラブロムフェノールな
ど)、カテコールなどのフェノール系溶媒などを挙げる
ことができる。
この発明の組成物に使用されている可溶性ポリイミド
シロキサンは、高分子量のポリマーであることが好まし
く、例えば、濃度;0.5g/100ml溶媒(N−メチル−2−
ピロリドン)である溶液で、30℃の測定温度で測定した
対数粘度(ポリマーの重合度の程度を示す)が、0.1〜
2.0、特に、0.2〜1.5程度であることが好ましい。
この発明の組成物に使用される有機溶媒としては、前
述の可溶性ポリイミドシロキサンの製造において使用さ
れた有機極性溶媒と同様の有機極性溶媒、又は、それら
の有機極性溶媒にキシレン、エチルセロソルブ、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン(THF)などを一部配合した
混合溶媒が挙げられる。
この発明の組成物を調製する際に使用するポリイミド
シロキサン溶液中の可溶性ポリイミドシロキサンの濃度
は、1〜50重量%、特に3〜50重量%とすることが好ま
しい。
前記のポリイミドシロキサン溶液は、25℃での回転粘
度が約0.02〜10000ポイズ、特に0.1〜1000ポイズである
ことが好ましい。
この発明の組成物に使用される1級のアミノ基を一つ
有するシリコン化合物は、一般式 H2N−R3−Si−(R43-k(R5 (ただし、R3は、2価の炭化水素残基、または−(C
H2)n1−NH−(CH2)n2−であり、n1およびn2は1−3
の整数を示し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を示し、
R5は炭素数1〜3のアルコキシ基を示し、kは0〜3の
整数を示す)で示されるアミノシリコン化合物である。
前記のアミノシリコン化合物としては、例えば、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランなどを挙げることができる。
この発明の組成物は、ポリイミドシロキサン溶液に、
前記のアミノシリコン化合物を、前記のポリイミドシロ
キサンに対して0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%程
度となるような割合で添加して得られたものである。
この発明では、前記のアミノシリコン化合物の添加割
合が余りに少なくなった場合には、得られた組成物の密
着性が改良されず、また、前記の添加割合が余りに多く
なり過ぎる場合には、得られた組成物の安定が悪化し、
塗布の際に均一な塗膜が形成されないので好ましくな
い。
この発明の組成物においては、前記のポリイミドシロ
キサンと、前記の1級のアミノ基を一つ有するアミノシ
リコン化合物とが一部反応して、ポリイミドシロキサン
のイミド結合が開環されていて、ポリイミドシロキサン
が部分的に変性されているものであってもよい。
この発明の組成物性は、25℃の溶液粘度が、約0.02〜
50000ポイズ、特に0.04〜5000ポイズ程度であることが
好ましい。
この発明の組成物によれば、例えば、次のようにし
て、電気又は電子材料などの表面に優れた保護膜を形成
することができる。
この発明の組成物を被覆すべき対象物(回路基板、半
導体など)の表面に、常温または加温下、回転塗布機、
ディスペンサー又は印刷機などを使用する方法で均一な
厚さに塗布し、この発明の組成物からなる塗布膜を形成
し、次いで、その塗布膜を約50℃以上、特に60〜250℃
の温度で、乾燥させることにより、一種のポリイミドシ
ロキサンの固化膜(保護膜)を形成することができる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ、この発明をさらに詳しく説明す
る。
実施例1 〔可溶性ポリイミドシロキサンの製造〕 セパラブルフラスコ(撹拌機、窒素ガス導入口、およ
び水分定量受器付き)に、 (B)前記の一般式(I)において、m(平均値)が9.
8程度である『ω,ω′−ビス(3−アミノプロピル)
ポリジメチルシロキサン』6.17g、及び(C)『ビス
〔4−(4′−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホ
ン』12.09gと、 シクロヘキサノン91.08gとを入れ、 次いで、(A)2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物10.08gを加えて、 そのセパラブルフラスコ内へ窒素ガスを流通して撹拌
しながら、そのフラスコ内の反応液を150℃の反応温度
で8時間保持して、重合およびイミド化を行って、可溶
性ポリイミドシロキサンを生成させた。
得られた反応液を、撹拌している1のメタノール中
に少しずつ加えて、前述の反応で生成しているポリイミ
ドシロキサンを析出させ、これを濾過する。濾過後、濾
過で得られたポリイミドシロキサン粉末をメタノール80
0mlの入ったミキサー中で洗浄する。この洗浄を2回繰
り返した後、減圧乾燥して、可溶性ポリイミドシロキサ
ンの粉末24.5gを得た。
このポリイミドシロキサン粉末は、濃度;0.5g/100ml
(N−メチル−2−ピロリドン溶媒)での対数粘度(30
℃)が0.37であった。また、赤外吸収スペクトル分析を
行い、1770cm-1および730cm-1にイミド基の吸収が存在
することを確認した。
〔ポリイミドシロキサン組成物の調製〕
前述のようにして得られたポリイミドシロキサンの粉
末12.5gを、シクロヘキサノン50gに均一に溶解させ、ポ
リイミドシロキサン溶液を調製し、ついで、(E)N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン0.25gを添加し、均一な状態になるまで撹拌を行
い、ポリイミドシロキサン組成物(25℃溶液粘度;8.3ポ
イズ)を製造した。
〔耐湿密着性試験〕
上述のようにして得られたポリイミドシロキサン組成
物を、ガラス板上に回転塗布機を使用して塗布した。こ
の際、平坦な塗膜層が得られた。この塗膜を80℃で30分
間プリベーク後、200℃、300℃または400℃で30分間、
加熱乾燥して、約3μmの厚さの薄膜を形成した。
この薄膜で被覆されたガラス板を120℃の飽和蒸気中
に放置し、取り出した直後の膜面に1mm間隔のクロスカ
ットを100個入れ、カット部分に粘着テープ(スリーM
社製)を付着させた後、90゜方向に勢いよくテープを剥
離し、ガラス板上に異常なく残った塗膜の数を測定し
た。
その結果、前記の200℃、300℃、400℃で30分間、加
熱乾燥した各試料は、いずれも、試料の飽和水蒸気中へ
の放置を700時間行っても、100%密着していた。
さらに、ガラス板上と同様に、銅板、金の板、セラミ
ック板上にポリイミドシロキサン組成物を塗布した後、
加熱、乾燥し、前述と同様の耐湿密着性試験を行った結
果、各試料は、いずれも、試料の飽和水蒸気中への放置
を700時間行っても、100%密着していた。
実施例2〜4 第1表に示す重合条件としたほかは、実施例1と同様
にして重合およびイミド化を行い、可溶性ポリイミドシ
ロキサンをそれぞれ得た。
その結果、得られた可溶性ポリイミドシロキサンの収
量、対数粘度を第1表に示す。
また、得られた各可溶性ポリイミドシロキサンは赤外
吸収スペクトル分析を行い、1770cm-1および730cm-1
イミド基の吸収が存在することをそれぞれ確認した。
また、得られた各可溶性ポリイミドシロキサンを第2
表に示す溶媒の種類、各成分の使用割合としてほかは、
実施例1と同様にしてポリイミドシロキサン組成物を製
造した。
それらのポリイミドシロキサン組成物を用いて実施例
1と同様の耐湿密着性試験を行った。その結果を第3表
に示す。
実施例5 〔可溶性ポリイミドシロキサンの製造〕 セパラブルフラスコに、一般式のm(平均値)が9.8
である『ω,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメ
チルシロキサン』53.60g、及び『1,3−ビス(4′−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン44.92gと、NMP368.37g、ジグ
ライム122.79gを入れ、次いで、2,3,3′,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物64.82gを加えて、そのセパ
ラブルフラスコ内へ窒素ガスを流通して撹拌しながら、
そのフラスコ内の反応液を190℃の反応温度で7時間保
持して、重合およびイミド化を行って、可溶性ポリイミ
ドシロキサンを生成させた。
得られた反応液を撹拌している8のメタノール中に
少しづつ加えて、前述の反応で生成しているポリイミド
シロキサンを析出させ、これを濾過した。濾過後、濾過
で得られたポリイミドシロキサン粉末をメタノール6
の入ったミキサー中で洗浄する。この洗浄を2回繰り返
した後、減圧、乾燥して、可溶性ポリイミドシロキサン
粉末142.94gを得た。
このポリイミドシロキサン粉末は、30℃の対数粘度
(濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリ
ドン)が0.40であり、また、赤外吸収スペクトル分析を
行った結果、1770cm-1および730cm-1にイミド基の吸収
が存在することを確認した。
〔ポリイミドシロキサン組成物の調製〕
前述のようにして得られたポリイミドシロキサンの粉
末2.50gをテトラヒドロフラン47.5gに均一に溶解させ、
ポリイミドシロキサン溶液を調製し、次いで、(F)γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン0.25gを添加し、
均一な状態になるまで撹拌を行い、ポリイミドシロキサ
ン組成物(25℃の溶液粘度;0.04ポイズ)を調製した。
また、前記のポリイミドシロキサン組成物をテフロン
板に塗布し、80℃で30分間乾燥させ、フィルムを形成し
た。
このフィルムをテフロン板から剥離し、赤外吸収スペ
クトル分析を行った結果、1650cm-1にアミド基の新たな
吸収が確認され、ポリイミドシロキサンのイミド環の一
部が、前述のγ−アミノプロピルトリメトキシシランに
よって開環したと考えられる。
比較例1 ポリイミドシロキサン組成物の代わりに、実施例1で
調製したポリイミドシロキサン溶液(アミノシリコン化
合物が含有されていない溶液)を用いて、実施例1と同
様にして薄膜を形成し、この薄膜について、実施例1と
同様にして耐湿密着性試験を行った。その結果、各加熱
乾燥条件で、それぞれ、100%密着していた時間は、200
℃で100時間、300℃で240時間、400℃で260時間であっ
た。
比較例2 重合溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを使用
し、重合反応温度を20℃としたほかは、実施例1と同様
にして、重合を行い、その結果、可溶解性のポリアミッ
ク酸を生成した。
前記のポリアミック酸は、30℃の対数粘度が0.44であ
った。
そのポリアミック酸溶液(反応液)に実施例1で使用
したアミノシリコン化合物を添加して、ポリアミック酸
組成物(25℃の溶液粘度;15ポイズ)を調製した。
前述のようにして調製したポリアミック酸組成物を用
いて、薄膜を形成し、その薄膜について、実施例1と同
様の耐湿密着性試験を行った。
その結果、薄膜が100%密着していた時間は、200℃で
20時間未満、300℃で240時間、400℃で420時間であっ
た。
〔本発明の作用効果〕
この発明のポリイミドシロキサン組成物は、種々の無
機又は金属材料などの表面に対し、優れた塗布性を有
し、また、その塗布層を乾燥及び加熱処理することによ
り形成されたポリイミドシロキサンからなる薄膜は、特
に加湿雰囲気下の厳しい環境下でも優れた耐湿密着性を
示し、また、耐熱性をと優れているので、電子部品用の
層間絶縁膜や表面保護膜など形成材料として用いられ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−56452(JP,A) 特開 昭61−171762(JP,A) 特開 昭63−189252(JP,A) 特開 昭61−277923(JP,A) 特開 昭63−189255(JP,A) 特開 昭61−83228(JP,A) 特開 昭61−166053(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族テトラカルボン酸成分と、ジアミノ
    ポリシロキサン及び芳香族ジアミンからなるジアミン成
    分とを重合及びイミド化することにより得られた下記
    (a)が5〜40モル%及び下記(b)が95〜60モル%か
    らなり対数粘度〔濃度:0.5g/100ml(N−メチル−2−
    ピロリドン)、測定温度30℃〕が0.1〜2.0の共重合ポリ
    イミドシロキサンが1〜50重量%の濃度で均一に溶解し
    ている共重合ポリイミドシロキサンの有機溶媒溶液に、
    該共重合ポリイミドシロキサンに対して0.01〜20重量%
    の下記一般式 H2N−R3−Si−(R43-k(R5 (ただし、R3は2価の炭化水素残基または−(CH2n1
    −NH−(CH2n2−であり、n1およびn2は1−3の整数
    を示し、R4は炭素数1〜3のアルキル基を示し、R5は炭
    素数1〜3のアルコキシ基を示し、kは0〜3の整数を
    示す)で示される1級のアミノ基を1つ有するアミノシ
    リコン化合物を添加してなるポリイミドシロキサン組成
    物。 (a): 下記式(1)で示される構成単位80〜100モル%及び下
    記式(2)で示される構成単位20モル%未満からなる単
    位 式(1) (上記式(1)中、R1は−(CH2−、−(CH2
    又はp−フェニレンを示し、R2はメチル又はフェニルを
    示し、lは1〜30の整数である。) 式(2) (上記式(2)中、Xは3,4,3′,4′−又は2,3,3′,4′
    −ベンゾフェノンテトラカルボン酸残基又はピロメリッ
    ト酸残基を示し、R1、R2及びlは上記式(1)の場合と
    同じである。) (b): 下記式(3)で示される構成単位80〜100モル%及び下
    記式(4)で示される構成単位20モル%未満からなる単
    位 式(3) (上記式(3)中、Aは4,4′−ジアミノジフェニルエ
    ーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、o−ジア
    ニシジン、2,4−ジアミノトルエン、ビス〔4−(4′
    −アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス
    〔4′−(4″−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
    ン、1,4−ビス(4′−アミノフェノキシ)ベンゼン、
    4,4′−ジアミノ−3−モノアミド−ジフェニルエーテ
    ルから選ばれる芳香族ジアミン残基を示す。) 式(4) (上記式(4)中、Xは上記式(2)の場合と同じであ
    り、Aは上記式(3)の場合と同じである。)
  2. 【請求項2】請求項1のポリイミドシロキサン組成物を
    基材に塗布後、加熱乾燥してなる膜。
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