JP2597564B2 - サーマルヘツド - Google Patents
サーマルヘツドInfo
- Publication number
- JP2597564B2 JP2597564B2 JP62021298A JP2129887A JP2597564B2 JP 2597564 B2 JP2597564 B2 JP 2597564B2 JP 62021298 A JP62021298 A JP 62021298A JP 2129887 A JP2129887 A JP 2129887A JP 2597564 B2 JP2597564 B2 JP 2597564B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- thermal head
- resin layer
- resistant resin
- polyimide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/315—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
- B41J2/32—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
- B41J2/335—Structure of thermal heads
Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、金属支持体上にイミド成分を含有する耐熱
樹脂層を形成し、この耐熱樹脂層上に多数の発熱抵抗体
を形成してなるサーマルヘッドに関する。
樹脂層を形成し、この耐熱樹脂層上に多数の発熱抵抗体
を形成してなるサーマルヘッドに関する。
(従来の技術) 近年、サーマルヘッドは、少音、省保守、低ランニン
グコスト等の利点を生かして、ファクシミリ、ワードプ
ロセッサ用プリンタ等の各種記録装置に多用されるよう
になってきている。一方、これらの機器は小形化、低価
格化が要請されており、このためサーマルヘッドにも小
型で安価なものが望まれている。
グコスト等の利点を生かして、ファクシミリ、ワードプ
ロセッサ用プリンタ等の各種記録装置に多用されるよう
になってきている。一方、これらの機器は小形化、低価
格化が要請されており、このためサーマルヘッドにも小
型で安価なものが望まれている。
ところで従来のサーマルヘッドは、Al2O3純度が90%
以上のアルミナセラミック基板の上にグレーズガラス層
を形成し、その上に多数の発熱体と、この発熱体に接続
された導電体を形成してなるものが多用されていた。し
かしながらこのようなサーマルヘッドに用いられるセラ
ミック基板は、その製造に際して、原料粉末からアルカ
リ金属成分を除去する処理、高温焼成、高温焼成時に生
じた基板の反りをとるための仕上げの研摩等の多くの工
程を必要とするため生産コストが高くなるという問題が
あった。
以上のアルミナセラミック基板の上にグレーズガラス層
を形成し、その上に多数の発熱体と、この発熱体に接続
された導電体を形成してなるものが多用されていた。し
かしながらこのようなサーマルヘッドに用いられるセラ
ミック基板は、その製造に際して、原料粉末からアルカ
リ金属成分を除去する処理、高温焼成、高温焼成時に生
じた基板の反りをとるための仕上げの研摩等の多くの工
程を必要とするため生産コストが高くなるという問題が
あった。
このため、最近、金属基板上に熱の放散および蓄熱を
コントロールする保温層としてポリイミド樹脂層を形成
し、このポリイミド樹脂層上に多数の発熱抵抗体を形成
してなる小型で安価なサーマルヘッドが提案されている
(昭和61年度電子通信学会総合全国大会概要集(198
6),1−125および5−126)。
コントロールする保温層としてポリイミド樹脂層を形成
し、このポリイミド樹脂層上に多数の発熱抵抗体を形成
してなる小型で安価なサーマルヘッドが提案されている
(昭和61年度電子通信学会総合全国大会概要集(198
6),1−125および5−126)。
このように金属基板上に耐熱性に優れたポリイミド樹
脂層を形成し、この上に発熱抵抗体を形成してなるサー
マルヘッドは、従来のアルミナ基板上にグレースガラス
層を形成してなる基板を用いたサーマルヘッドと比較し
て、熱効率に優れ、しかも曲げ加工が可能で小型化し易
いという特長を有しており、今後小型で安価な高性能の
サーマルヘッドとして有望視されている。
脂層を形成し、この上に発熱抵抗体を形成してなるサー
マルヘッドは、従来のアルミナ基板上にグレースガラス
層を形成してなる基板を用いたサーマルヘッドと比較し
て、熱効率に優れ、しかも曲げ加工が可能で小型化し易
いという特長を有しており、今後小型で安価な高性能の
サーマルヘッドとして有望視されている。
ところがこのポリイミド樹脂層を用いたサーマルヘッ
ドでは、ポリイミド樹脂が耐熱性に極めて優れている特
長を有する半面、金属支持体および発熱抵抗体との密着
性に乏しく、このため後工程や使用中にはがれが生じ易
いという問題があった。
ドでは、ポリイミド樹脂が耐熱性に極めて優れている特
長を有する半面、金属支持体および発熱抵抗体との密着
性に乏しく、このため後工程や使用中にはがれが生じ易
いという問題があった。
(発明が解決しようとする問題点) このようにポリイミド樹脂層上に多数の発熱抵抗体を
形成してなるサーマルヘッドでは、ポリイミド樹脂が極
めて耐熱性に優れ、熱効率に優れ、また、曲げ加工が可
能で小型化し易いという長所を有する半面、後工程や使
用中にはがれが生じ易いという問題があった。
形成してなるサーマルヘッドでは、ポリイミド樹脂が極
めて耐熱性に優れ、熱効率に優れ、また、曲げ加工が可
能で小型化し易いという長所を有する半面、後工程や使
用中にはがれが生じ易いという問題があった。
本発明者等は、このような欠点を解消すべく鋭意研究
をすすめたところ、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物とp−フェニレンジアミンより得られた芳香族ポリイ
ミドは、耐熱性に優れ、しかも金属支持体の熱膨張率に
近い熱膨張率を有することを見出した。しかしながらこ
の芳香族ポリイミドはこのようなサーマルヘッドに適し
た特性を有する半面、金属支持体との密着性が不十分で
あるという問題がある。
をすすめたところ、ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物とp−フェニレンジアミンより得られた芳香族ポリイ
ミドは、耐熱性に優れ、しかも金属支持体の熱膨張率に
近い熱膨張率を有することを見出した。しかしながらこ
の芳香族ポリイミドはこのようなサーマルヘッドに適し
た特性を有する半面、金属支持体との密着性が不十分で
あるという問題がある。
本発明者等はさらにこの点を改善すべく研究をすす
め、この問題はp−フェニレンジアンミンの一部をSi基
を有するp−フェレンジアミンで置き変えることにより
大幅に改善されることを見出した。
め、この問題はp−フェニレンジアンミンの一部をSi基
を有するp−フェレンジアミンで置き変えることにより
大幅に改善されることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたもので、金属
基板上に熱の放散および蓄熱をコントロールする保温層
として設けた耐熱樹脂層と金属支持体および発熱抵抗体
との密着性を向上させた、熱効率に優れ曲げ加工が可能
で小型化しやすく、安価で高性能のサーマルヘッドを提
供することを目的としている。
基板上に熱の放散および蓄熱をコントロールする保温層
として設けた耐熱樹脂層と金属支持体および発熱抵抗体
との密着性を向上させた、熱効率に優れ曲げ加工が可能
で小型化しやすく、安価で高性能のサーマルヘッドを提
供することを目的としている。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明のサーマルヘッドは、金属支持体と、この金属
支持体上に形成されたイミド成分を含有する耐熱樹脂層
と、このイミド成分を含有する耐熱樹脂層上に形成され
た多数の発熱抵抗体と、これら各発熱抵抗体に接続され
た導電体とを備えてなるサーマルヘッドにおいて、前記
イミド成分を含有する耐熱樹脂層が、ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反応に
より得られたポリイミド系樹脂であり、かつ少なくとも
前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層の金属支持体側が
このポリイミド系樹脂の主鎖の一部にSi基を有するポリ
イミド系樹脂からなることを特徴としている。
支持体上に形成されたイミド成分を含有する耐熱樹脂層
と、このイミド成分を含有する耐熱樹脂層上に形成され
た多数の発熱抵抗体と、これら各発熱抵抗体に接続され
た導電体とを備えてなるサーマルヘッドにおいて、前記
イミド成分を含有する耐熱樹脂層が、ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反応に
より得られたポリイミド系樹脂であり、かつ少なくとも
前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層の金属支持体側が
このポリイミド系樹脂の主鎖の一部にSi基を有するポリ
イミド系樹脂からなることを特徴としている。
本発明に使用される芳香族ポリイミド樹脂は、p−フ
ェニレンジアミンとビフェニルテトラカルボン酸二無水
物との当量混合物を有機溶剤中で開環付加反応させ、得
られたポリアミック酸溶液からなるワニスを塗布し脱水
環化させることにより得られる。
ェニレンジアミンとビフェニルテトラカルボン酸二無水
物との当量混合物を有機溶剤中で開環付加反応させ、得
られたポリアミック酸溶液からなるワニスを塗布し脱水
環化させることにより得られる。
この分子構造中にSi基を導入するには、開環付加反応
時に、p−フェニレンジアミンの一部として例えば、 一般式 (式中、Rはアルキレン基のような2価の有機基、R′
はアルキル基のような1価の有機基を示す。)で表わさ
れるビスアミノジシロキサン、例えばビスアミノプロピ
ルテトラメチルジシロキサンを用いることにより得られ
る。
時に、p−フェニレンジアミンの一部として例えば、 一般式 (式中、Rはアルキレン基のような2価の有機基、R′
はアルキル基のような1価の有機基を示す。)で表わさ
れるビスアミノジシロキサン、例えばビスアミノプロピ
ルテトラメチルジシロキサンを用いることにより得られ
る。
なおビスアミノジシロキサンのようなSi基を有するジ
アミンの配合量は全ジアミン成分中の10モル%以下とす
ることが望ましい。
アミンの配合量は全ジアミン成分中の10モル%以下とす
ることが望ましい。
さらに本発明においては、上記の開環付加反応時に得
られる芳香族ポリイミドの上記の優れた耐熱性、または
金属支持体との優れた密着性を実質的に損わない範囲
で、p−フェニレンジアミンの一部を他の芳香族ジアミ
ンに置き代えたり、ビフェニルテトラカルボン酸無水物
の一部を他の芳香族テトラカルボン酸無水物またはジカ
ルボン酸で置き代えることも可能である。
られる芳香族ポリイミドの上記の優れた耐熱性、または
金属支持体との優れた密着性を実質的に損わない範囲
で、p−フェニレンジアミンの一部を他の芳香族ジアミ
ンに置き代えたり、ビフェニルテトラカルボン酸無水物
の一部を他の芳香族テトラカルボン酸無水物またはジカ
ルボン酸で置き代えることも可能である。
また、本発明においては芳香族ポリイミド中にシラン
カップリング剤を添加することにより金属支持体および
発熱低抗体、とりわけ発熱抵抗体との接着性をさらに向
上させることができる。
カップリング剤を添加することにより金属支持体および
発熱低抗体、とりわけ発熱抵抗体との接着性をさらに向
上させることができる。
このようなシランカップリング剤としては、例えばγ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ
結合を有するシラン化合物やγ−ウレイドプロピルトリ
メトキシシランのような尿素結合を有するイラン化合物
が挙げられる。
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−
γ−アミノプロピルトリメトキシシランのようなアミノ
結合を有するシラン化合物やγ−ウレイドプロピルトリ
メトキシシランのような尿素結合を有するイラン化合物
が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、開環付加反応の終
了した芳香族ポリアミック酸、または主鎖にSi基を有す
る芳香族ポリアミック酸中に任意の比率でその1種また
は2種以上が添加、混合される。
了した芳香族ポリアミック酸、または主鎖にSi基を有す
る芳香族ポリアミック酸中に任意の比率でその1種また
は2種以上が添加、混合される。
なおシランカップリング剤の添加量は、耐熱樹脂層中
に0.05〜10重量%程度とすることが望ましい。
に0.05〜10重量%程度とすることが望ましい。
本発明のサーマルヘッドにおける耐熱樹脂層は、上記
のワニスを1種または2種以上使い分けることにより、
例えば第2図および下記するように、金属支持体、例え
ば金属基板1上に次のような積層構造で形成することが
できる。
のワニスを1種または2種以上使い分けることにより、
例えば第2図および下記するように、金属支持体、例え
ば金属基板1上に次のような積層構造で形成することが
できる。
Pi(Si)+Si:Si基が導入され、シランカップリング剤
を含むポリイミド Pi(Si):Si基が導入されたポリイミド Pi+Pi:シランカップリング剤を含むポリイミド Pi:Si基が導入されず、シランカップリング剤を含まな
いポリイミド これらの層構造は、各ワニスと塗布乾燥を繰返し行う
ことにより形成される。
を含むポリイミド Pi(Si):Si基が導入されたポリイミド Pi+Pi:シランカップリング剤を含むポリイミド Pi:Si基が導入されず、シランカップリング剤を含まな
いポリイミド これらの層構造は、各ワニスと塗布乾燥を繰返し行う
ことにより形成される。
(作用) 本発明のサーマルヘッドにおいては、耐熱樹脂層を、
金属支持体との密着性の良好な、分子構造中にSi基を有
する耐熱樹脂により形成しているので、金属支持体との
熱膨張係数の差により発生する界面応力に起因するはが
れを有効に防止することができる。
金属支持体との密着性の良好な、分子構造中にSi基を有
する耐熱樹脂により形成しているので、金属支持体との
熱膨張係数の差により発生する界面応力に起因するはが
れを有効に防止することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
る。
この実施例のサーマルヘッドは、Fe合金からなる金属
基板1上に、(I)式で表されるSi基を導入したポリア
ミック酸を有機溶剤に溶解させたポリイミドワニスと、
(II)式で表されるポリアミック酸を有機溶剤に溶解さ
せこれにシランカップリング剤を添加してなるポリイミ
ドワニスとを重ね塗りして、厚さ5〜100μm、好まし
くは10〜50μmの耐熱樹脂層2が形成され、その上にTa
−SiO2、Cr−SiO2、Ti−SiO2等からなる発熱抵抗体3が
形成されている。
基板1上に、(I)式で表されるSi基を導入したポリア
ミック酸を有機溶剤に溶解させたポリイミドワニスと、
(II)式で表されるポリアミック酸を有機溶剤に溶解さ
せこれにシランカップリング剤を添加してなるポリイミ
ドワニスとを重ね塗りして、厚さ5〜100μm、好まし
くは10〜50μmの耐熱樹脂層2が形成され、その上にTa
−SiO2、Cr−SiO2、Ti−SiO2等からなる発熱抵抗体3が
形成されている。
(式中Xは を、nは正の数を表わす。以下同じ。) この発熱抵抗体3上には、発熱部4となる開口を形成
するごとくAl、Al−Si等からなる個別電極5および共通
電極6が形成され、少なくともこの発熱部4を被覆する
ようにSi−N−O系の酸化防止兼耐摩耗膜7が形成され
ている。
するごとくAl、Al−Si等からなる個別電極5および共通
電極6が形成され、少なくともこの発熱部4を被覆する
ようにSi−N−O系の酸化防止兼耐摩耗膜7が形成され
ている。
(III)式、(IV)式は、それぞれ(I)式および(I
I)式のポリアミック酸の脱水環化により形成されたポ
リイミドの分子構造である。なお環化後、シランカップ
リング剤は表面に薄い層となって存在する。
I)式のポリアミック酸の脱水環化により形成されたポ
リイミドの分子構造である。なお環化後、シランカップ
リング剤は表面に薄い層となって存在する。
そしてこのサーマルヘッドは、個別電極5と共通電極
6との間に所定の時間間隔でパルス電圧を印加すること
により発熱部4の発熱抵抗体3が発熱し印字記録が行わ
れる。
6との間に所定の時間間隔でパルス電圧を印加すること
により発熱部4の発熱抵抗体3が発熱し印字記録が行わ
れる。
このサーマルヘッドは、例えば次のようにして製造さ
れる。
れる。
まず、例えばCrを16重量%含有する厚さ0.3mm程度のF
e合金からなる金属基板1をレベリング後、所定の寸法
に切断し、脱脂、洗浄および乾水素雰囲気中で600℃〜8
00℃の温度で熱処理を行う。次に前述した(I)式で表
されるポリアミック酸を、N−メチルピロリド等の有機
溶剤を用いてローラーコーターやスピオンコーターを用
いて金属基板1上に所定の膜厚に塗布し、焼成炉を用い
て窒素ガス雰囲気中で、120℃30分の加熱を行い溶媒の7
0〜80%を除去し、この後この上にシランカップリング
剤を含む(II)式で示されるポリアミック酸を所定の粘
度に調整して所定の膜厚となるように塗布し、窒素ガス
雰囲気中で120℃30分間、150℃30分間、250℃30分、450
℃30分の加熱を行い成膜する。
e合金からなる金属基板1をレベリング後、所定の寸法
に切断し、脱脂、洗浄および乾水素雰囲気中で600℃〜8
00℃の温度で熱処理を行う。次に前述した(I)式で表
されるポリアミック酸を、N−メチルピロリド等の有機
溶剤を用いてローラーコーターやスピオンコーターを用
いて金属基板1上に所定の膜厚に塗布し、焼成炉を用い
て窒素ガス雰囲気中で、120℃30分の加熱を行い溶媒の7
0〜80%を除去し、この後この上にシランカップリング
剤を含む(II)式で示されるポリアミック酸を所定の粘
度に調整して所定の膜厚となるように塗布し、窒素ガス
雰囲気中で120℃30分間、150℃30分間、250℃30分、450
℃30分の加熱を行い成膜する。
しかる後、この耐熱樹脂層2上にスパッタリング、そ
の他公知の方法によりTa−SiO2、Cr−SiO2、Ti−SiO2等
からなる発熱抵抗体3を形成し、さらにこの発熱抵抗体
3上に発熱部4となる開口が形成されるようにスパッタ
リング、その他公知の方法によりAl、Al−Si、Al−Si−
CuあるいはAu等からなる個別電極5および共通電極6を
形成して、発熱部4を被覆するようにSi−N−Oからな
る酸化防止膜兼耐摩耗膜7を、例えばスパッタリング法
等で形成する。
の他公知の方法によりTa−SiO2、Cr−SiO2、Ti−SiO2等
からなる発熱抵抗体3を形成し、さらにこの発熱抵抗体
3上に発熱部4となる開口が形成されるようにスパッタ
リング、その他公知の方法によりAl、Al−Si、Al−Si−
CuあるいはAu等からなる個別電極5および共通電極6を
形成して、発熱部4を被覆するようにSi−N−Oからな
る酸化防止膜兼耐摩耗膜7を、例えばスパッタリング法
等で形成する。
このサーマルヘッドの製造過程において、ポリイミド
樹脂表面の付着力および耐熱性について評価した。
樹脂表面の付着力および耐熱性について評価した。
第3図は引張り試験の結果から求めた金属との付着強
度および熱重量測定より求めた熱分解開始温度をビスア
ミノシロキサンの添加量の関数として示したグラフであ
り、また第4図はポリイミド膜上の発熱抵抗体の付着強
度をシランカップリング剤の添加量の関数として示した
図である。
度および熱重量測定より求めた熱分解開始温度をビスア
ミノシロキサンの添加量の関数として示したグラフであ
り、また第4図はポリイミド膜上の発熱抵抗体の付着強
度をシランカップリング剤の添加量の関数として示した
図である。
なおこれらの図から、Si基を有するジアミンの置換量
は2〜10モル%程度の範囲が望ましく、シランカップリ
ング剤の添加量は0.05〜10重量%程度の範囲が好ましい
ことがわかる。またサーマルヘッドの発熱抵抗体は、瞬
時450℃前後、持続250〜300℃の温度で動作するが、第
4図の結果からシランカップリング剤の添加により耐熱
性が向上し、これを少くとも発熱抵抗体と接する側に使
用することにより耐熱樹脂層の耐熱寿命を伸ばすことが
できることがわかる。
は2〜10モル%程度の範囲が望ましく、シランカップリ
ング剤の添加量は0.05〜10重量%程度の範囲が好ましい
ことがわかる。またサーマルヘッドの発熱抵抗体は、瞬
時450℃前後、持続250〜300℃の温度で動作するが、第
4図の結果からシランカップリング剤の添加により耐熱
性が向上し、これを少くとも発熱抵抗体と接する側に使
用することにより耐熱樹脂層の耐熱寿命を伸ばすことが
できることがわかる。
なお発熱抵抗体側に、Si基を有しないポリイミド系樹
脂にシランカップリング剤を添加しないで使用する場合
には、発熱抵抗体との充分な接着強度を得るために表面
の改質を行うことが望ましい。このような表面処理は、
例えばプラズマ処理、O2を添加したAr中でのスパッタエ
ッチング処理等により実現することができる。
脂にシランカップリング剤を添加しないで使用する場合
には、発熱抵抗体との充分な接着強度を得るために表面
の改質を行うことが望ましい。このような表面処理は、
例えばプラズマ処理、O2を添加したAr中でのスパッタエ
ッチング処理等により実現することができる。
なお本発明では金属支持体を用いているので、この金
属支持体を共通電極として用い、さらに生産コストを低
減させることも可能である。さらに酸化防止兼耐摩耗膜
は必ずしも全面に設ける必要はなく、少なくとも発熱部
上に形成されていれば充分その機能を発揮する。
属支持体を共通電極として用い、さらに生産コストを低
減させることも可能である。さらに酸化防止兼耐摩耗膜
は必ずしも全面に設ける必要はなく、少なくとも発熱部
上に形成されていれば充分その機能を発揮する。
[発明の効果] 以上説明したように本発明においては、金属支持体上
に形成される耐熱樹脂としてビフェニルテトラカルボン
酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反応により得ら
れたポリイミド系樹脂を使用し、かつ少なくとも金属支
持体側にこのポリイミド系樹脂の主鎖の一部にSi基を有
するポリイミド系樹脂を使用したので、金属支持体およ
び発熱抵抗体との密着性が著しく向上し、また耐熱性も
向上し、これにより信頼性に優れ、安価でかつ小型化さ
れたサーマルヘッドを提供することができる。
に形成される耐熱樹脂としてビフェニルテトラカルボン
酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反応により得ら
れたポリイミド系樹脂を使用し、かつ少なくとも金属支
持体側にこのポリイミド系樹脂の主鎖の一部にSi基を有
するポリイミド系樹脂を使用したので、金属支持体およ
び発熱抵抗体との密着性が著しく向上し、また耐熱性も
向上し、これにより信頼性に優れ、安価でかつ小型化さ
れたサーマルヘッドを提供することができる。
第1図は本発明の一実施例のサーマルヘッドの要部を拡
大して示す断面図、第2図(a)〜(f)は、それぞれ
耐熱樹脂層の少くとも金属支持体に接する部分が分子構
造中にSi基を含有する構成例を示す断面図、第3図およ
び第4図は、それぞれ付着強度と熱分解開始温度をビス
アミノシロキサンまたはシランカップリング剤の添加量
の関数として示したグラフである。 1……金属基板 2……耐熱樹脂層 3……発熱抵抗体 4……発熱部 5……個別電極 6……共通電極 7……酸化防止膜兼耐摩耗膜
大して示す断面図、第2図(a)〜(f)は、それぞれ
耐熱樹脂層の少くとも金属支持体に接する部分が分子構
造中にSi基を含有する構成例を示す断面図、第3図およ
び第4図は、それぞれ付着強度と熱分解開始温度をビス
アミノシロキサンまたはシランカップリング剤の添加量
の関数として示したグラフである。 1……金属基板 2……耐熱樹脂層 3……発熱抵抗体 4……発熱部 5……個別電極 6……共通電極 7……酸化防止膜兼耐摩耗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−179650(JP,A) 特開 昭59−5648(JP,A) 特開 昭59−179651(JP,A) 特開 昭56−167333(JP,A) 特開 昭63−62745(JP,A) 特開 昭63−189254(JP,A)
Claims (10)
- 【請求項1】金属支持体と、この金属支持体上に形成さ
れたイミド成分を含有する耐熱樹脂層と、このイミド成
分を含有する耐熱樹脂層上に形成された多数の発熱抵抗
体と、これら各発熱抵抗体に接続された導電体とを備え
てなるサーマルヘッドにおいて、 前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層が、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反
応により得られたポリイミド系樹脂であり、かつ少なく
とも前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層の金属支持体
側及び発熱抵抗体側がこのポリイミド系樹脂の主鎖の一
部にSi基を有するポリイミド系樹脂からなることを特徴
とするサーマルヘッド。 - 【請求項2】金属支持体と、この金属支持体上に形成さ
れたイミド成分を含有する耐熱樹脂層と、このイミド成
分を含有する耐熱樹脂層上に形成された多数の発熱抵抗
体と、これら各発熱抵抗体に接続された導電体とを備え
てなるサーマルヘッドにおいて、 前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層が、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反
応により得られたポリイミド系樹脂であり、かつ少なく
とも前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層の金属支持体
側がこのポリイミド系樹脂の主鎖の一部にSi基を有する
ポリイミド系樹脂からなり、前記耐熱樹脂層の発熱抵抗
体側の表面がプラズマ処理またはO2を添加したAr中での
スパッタエッチング処理されていることを特徴とするサ
ーマルヘッド。 - 【請求項3】金属支持体と、この金属支持体上に形成さ
れたイミド成分を含有する耐熱樹脂層と、このイミド成
分を含有する耐熱樹脂層上に形成された多数の発熱抵抗
体と、これら各発熱抵抗体に接続された導電体とを備え
てなるサーマルヘッドにおいて、 前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層が、ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの反
応により得られたポリイミド系樹脂であり、かつ少なく
とも前記イミド成分を含有する耐熱樹脂層の金属支持体
側がこのポリイミド系樹脂の主鎖の一部にSi基を有する
ポリイミド系樹脂からなり、前記耐熱樹脂層の発熱抵抗
体側にはシランカップリング剤を添加されていることを
特徴とするサーマルヘッド。 - 【請求項4】前記ポリイミド系樹脂が、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンの開環
付加反応で得たポリアミック酸の脱水環化反応を経て形
成されたものであり、かつ前記主鎖の一部にSi基を有す
るポリイミド系樹脂が前記ビフェニルテトラカルボンと
p−フェニレンジアミンの一部をSi基を有する特許請求
の範囲第1項ないし第3項のいずれか1項記載のサーマ
ルヘッド。 - 【請求項5】前記Si基を有するジアミンは、 一般式 (式中、Rは2価の有機基、R′は1価の有機基を示
す。)で表されるビスアミノジシロキサンであることを
特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれ
か1項記載のサーマルヘッド。 - 【請求項6】前記式中、Rはアルキレン基、R′はアル
キル基であることを特徴とする特許請求の範囲第5項記
載のサーマルヘッド。 - 【請求項7】前記耐熱樹脂層の少なくとも発熱抵抗体側
が、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニ
レンジアミンの開環付加反応により得たポリアミック酸
にアミノ結合を有するシラン化合物および尿素結合を有
するシラン化合物の少なくとも1種をシランカップリン
グ剤成分として添加したポリアミック酸の脱水環化反応
を経て形成されたものであることを特徴とする特許請求
の範囲第1項ないし第6項のいずれか1項記載のサーマ
ルヘッド。 - 【請求項8】前記アミノ結合を有するシラン化合物が、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル
−γ−アミノプロピルトリメトキシシランのいずれかで
あることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載のサー
マルヘッド。 - 【請求項9】前記尿素結合を有するシラン化合物が、γ
−ウレイドプロピルトリメトキシシランであることを特
徴とする特許請求の範囲第7項記載のサーマルヘッド。 - 【請求項10】前記金属支持体を共通電極として用いる
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第3項の
いずれか1項記載のサーマルヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62021298A JP2597564B2 (ja) | 1987-01-31 | 1987-01-31 | サーマルヘツド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62021298A JP2597564B2 (ja) | 1987-01-31 | 1987-01-31 | サーマルヘツド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63189252A JPS63189252A (ja) | 1988-08-04 |
JP2597564B2 true JP2597564B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=12051237
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62021298A Expired - Lifetime JP2597564B2 (ja) | 1987-01-31 | 1987-01-31 | サーマルヘツド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2597564B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0304022A3 (en) * | 1987-08-21 | 1990-12-19 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Polyimide coating composition |
JP2631878B2 (ja) * | 1988-09-27 | 1997-07-16 | 宇部興産株式会社 | ポリイミドシロキサン組成物および膜 |
JP5885118B2 (ja) * | 2010-05-06 | 2016-03-15 | 日立金属株式会社 | Fe基ナノ結晶合金薄帯積層体の製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS595648A (ja) * | 1982-07-02 | 1984-01-12 | Oki Electric Ind Co Ltd | 多層配線構造体の製造方法 |
JPS59179650A (ja) * | 1983-03-31 | 1984-10-12 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 耐熱導電性ペ−スト組成物 |
-
1987
- 1987-01-31 JP JP62021298A patent/JP2597564B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63189252A (ja) | 1988-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5114757A (en) | Enhancement of polyimide adhesion on reactive metals | |
EP0133533A2 (en) | Low thermal expansion resin material for a wiring insulating film. | |
US4868584A (en) | Heat-resistant polyimide insulative coated thermal head | |
WO1992004811A1 (en) | Flexible printed circuit board and its manufacturing | |
JP4257583B2 (ja) | 金属化ポリイミドフィルム及びその製造方法 | |
JP2597564B2 (ja) | サーマルヘツド | |
US5133989A (en) | Process for producing metal-polyimide composite article | |
JP2549135B2 (ja) | サーマルヘッド | |
JP2549136B2 (ja) | サーマルヘッド | |
JP2602329B2 (ja) | 金属層で基板を被覆する方法 | |
JPS63189255A (ja) | サ−マルヘツド | |
JPH0710599B2 (ja) | サ−マルヘツド | |
US5157107A (en) | Heat-resistant insulating coating material and thermal head making use thereof | |
JPS63268665A (ja) | サ−マルヘツド | |
JPH0659737B2 (ja) | サーマルヘッド | |
JP2607669B2 (ja) | 樹脂被覆基板の製造方法 | |
EP0367122B1 (en) | Thermal head | |
JPH0297686A (ja) | ホウロウ基板の製造方法 | |
JPH06104542A (ja) | 金属ベース配線基板 | |
JPS63116867A (ja) | サ−マルヘツド | |
JPS61227040A (ja) | プリント回路用基板 | |
JPS63246260A (ja) | サ−マルヘツド | |
JP2894565B2 (ja) | 接着性耐熱コーティング剤 | |
JPS63248868A (ja) | 耐熱性絶縁被覆材 | |
JPS63297067A (ja) | サ−マルヘツド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |