JPH05331446A - 高分子量ポリイミド樹脂フィルム接着剤 - Google Patents

高分子量ポリイミド樹脂フィルム接着剤

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JPH05331446A
JPH05331446A JP4144185A JP14418592A JPH05331446A JP H05331446 A JPH05331446 A JP H05331446A JP 4144185 A JP4144185 A JP 4144185A JP 14418592 A JP14418592 A JP 14418592A JP H05331446 A JPH05331446 A JP H05331446A
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JP
Japan
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polyimide resin
film
molecular weight
film adhesive
heat
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JP4144185A
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English (en)
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Tatsuhiro Yoshida
達弘 吉田
Yoshitaka Okugawa
良隆 奥川
Toshio Suzuki
敏夫 鈴木
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シリコーンジアミンを必須のアミン成分とし
て得られたポリイミド樹脂を該ポリイミド樹脂のガラス
転移温度をTgとするとき温度T(℃)で下記式で表さ
れる時間(hr)t熱処理して得られたポリイミド樹脂
が主成分であるフィルム接着剤。 0.01×(Tg-T)×log(12)+log(96) > log(t) > 0.05×(Tg-T)×log(6)+log(8) Tg+120 ≧ T ≧ Tg−35 【効果】 低沸点の有機溶剤に可溶である特定構造の完
全にイミド化されたポリイミド樹脂を固相状態で熱処理
することにより高分子量化し、特性の優れたフィルム接
着剤を得ることができ、エレクトロニクス材料として工
業的に極めて利用価値が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ吸水性が
低くシリコン基板や金属に対する接着力が優れたマイク
ロ・エレクトロニクス用途に適したポリイミド樹脂フィ
ルム接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は、耐熱性が高く難燃性
で電気絶縁性に優れていることから電気、電子材料とし
て広く使用されている。フィルムとしてフレキシブル印
刷配線板や耐熱性接着テープの基材に、樹脂ワニスとし
て半導体の絶縁皮膜、保護皮膜に使用されている。しか
し、従来のポリイミド樹脂は耐熱性に優れている反面吸
湿性が高く、不溶不融であったり極めて融点が高く加工
性の点で決して使いやすい材料とはいえない。半導体の
構成材料として層間絶縁膜、表面保護膜などに使用され
ているが、これらは有機溶剤に可溶な前駆体ポリアミッ
ク酸を半導体表面に塗布し、加熱処理によって溶剤を除
去すると共にイミド化を進めている。この時用いる酸ア
ミド系溶剤は高沸点であり、皮膜の発泡の原因になった
り、完全に溶媒を揮散させるために250℃以上の高温で
長時間の乾燥を必要とする。また、皮膜の吸湿性が高い
ため高温時に吸収した水分が一気に蒸発して膨れやクラ
ックの原因となるなどの問題があった。
【0003】一方、シリコーン変性ポリイミド樹脂は、
低吸水性、低誘電率の特徴を有し、イミド化後も有機溶
剤に可溶で成形加工性に優れている。シリコーン変性ポ
リイミド樹脂の合成方法の一つとして、前駆体のポリア
ミック酸を反応溶剤中で加熱脱水によってイミド化を進
めポリイミド樹脂とする溶液イミド化法と呼ぶ方法があ
る。この方法によればワンポットで可溶性ポリイミド樹
脂が得られる利点がある。しかしながらイミド化時に発
生する縮合水は同時にイミド基を加水分解するため、イ
ミド閉環反応とイミド基の加水分解反応が競争的に起こ
り、このため十分高分子量のポリイミド樹脂が得られな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた特徴
を有する高分子量のシリコーン変性ポリイミド樹脂を得
るべく鋭意研究を重ねた結果、ポリイミド樹脂のガラス
転移温度近傍で熱処理した高分子量ポリイミド樹脂によ
り特性の優れたフィルム接着剤が得られることを見出
し、本発明に到達したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリコーンジ
アミンを必須のアミン成分として得られたポリイミド樹
脂を該ポリイミド樹脂のガラス転移温度をTgとすると
き温度T(℃)で下記式で表される時間(hr)t熱処
理して得られたポリイミド樹脂が主成分であるフィルム
接着剤である。 0.01×(Tg-T)×log(12)+log(96) > log(t) > 0.05×(Tg-T)×log(6)+log(8) Tg+120 ≧ T ≧ Tg−35
【0006】本発明の高分子量ポリイミド樹脂は、シリ
コーンジアミンを必須成分とするポリイミド樹脂であ
る。代表的なシリコーンジアミンは、式(1)で表され
るα,ω-ビスアミノポリジメチルシロキサン(以下AP
DMSと略す)であり、かつその量は全アミン成分の50
〜5モル%であることが好ましい。式(1)におけるn
の値は 0〜10 が好ましく、n=4〜10、あるいはこれに
n=0 のモノマーを混合して用いることが特に好まし
い。
【0007】
【化1】
【0008】本発明では、ポリイミド樹脂の酸成分とし
て、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物(BTDA)、4,4'-オキシジフタル酸二
無水物(ODPA)、4,4'-ジフェニルスルフォンテト
ラカルボン酸二無水物(DSDA)、1,2,4,5-ベンゼン
テトラカルボン酸二無水物(PMDA)などのテトラカ
ルボン酸二無水物、さらには分子量調節剤として無水フ
タル酸などのジカルボン酸無水物を使用することができ
る。
【0009】α,ω-ビスアミノポリジメチルシロキサン
以外のアミン成分としては、1,4-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン(1,4,3-APB)、1,3-ビス(3-アミノフ
ェノキシ)ベンゼン(1,3,3-APB)、1,3-ビス(4-アミ
ノフェノキシ)ベンゼン(1,3,4-APB)、2,2-ビス(4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BAP
P)、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4,4'-DD
E)、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミ
ノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスル
フォン、3,3'-ジアミノジフェニルスルフォン、2,2-ビ
ス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビ
ス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、ビス-4-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルフ
ォン、ビス-4-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルフォ
ン、4,4'-ジアミノベンズアニリド、m-フェニレンジア
ミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニ
ルメタンなどのジアミンを使用することができる。
【0010】α,ω-ビスアミノポリジメチルシロキサン
の量は、全アミン成分の50〜5モル%であることが好ま
しい。5モル%以下では有機溶剤に対する溶解性が低下
する、吸水性が高くなるなど好ましくない。また50モル
%を越えるとガラス転移温度が極めて低くなり耐熱性が
低下し、高温時の特性を重視する用途では好ましくな
い。
【0011】重縮合反応における酸無水物成分とジアミ
ン成分のモル比は、得られるポリアミック酸の分子量を
決定する重要な因子であるとともに、固相状態における
熱処理による高分子量化の作用に大きな影響を与える。
ポリマの分子量と物性、特に数平均分子量と機械的性質
の間に相関があることは良く知られ、数平均分子量が大
きいほど機械的性質が優れている。本発明の固相熱処理
よる高分子量化では詳しい機構は明らかではないが、ス
タートのポリイミド樹脂の分子量はある程度高分子量で
あることが好ましい。
【0012】本発明では、テトラカルボン酸二無水物成
分とジアミン成分の当量比rが 0.900 ≦ r ≦ 1.08 の範囲にあることが必要である。ただし、r=[全酸成
分の当量数]/[全アミン成分の当量数]である。rが
0.900未満または 1.08以上では、分子量が低く熱処理
による高分子量化の効果が顕著ではない。またrが1.08
を越えると、未反応のカルボン酸が加熱時に脱炭酸して
ガス発生、発泡の原因となり好ましくないことがある。
特に好ましくはr=1であり、固相熱処理による高分子
量化の効果が最も顕著である。
【0013】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA
C)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒド
ロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノン、
1,4-ジオキサンなどである。非プロトン性極性溶媒は、
一種類のみ用いてもよいし、二種類以上を混合して用い
てもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性
がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素
が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合
は、30重量%以下であることが好ましい。これは非極性
溶媒が30重量%以上では溶媒の溶解力が低下しポリアミ
ック酸が析出する恐れがあるためである。
【0014】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した前述
反応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好ましくは
99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物を添
加して反応を進める。このようにして得たポリアミック
酸溶液を続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化
しポリイミド樹脂にする。イミド化反応によって生じた
水は閉環反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤
を系中に加えて共沸させてディーン・スターク(Dean-S
tark)管などの装置を使用して系外に排出する。水と相
溶しない有機溶剤としては前記芳香族炭化水素などを使
用する。また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β
-ピコリン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨
げない。
【0015】本発明において、イミド閉環は程度が高い
ほど良く、イミド化率が低いと接着時の熱でイミド化が
起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、より
好ましくは98%以上のイミド化率が達成されていること
が望まれる。
【0016】この反応溶液をそのまま、あるいは樹脂固
形分濃度を調整して使用しても良いが、反応溶液を貧溶
媒中に投入してポリイミド樹脂を再沈析出させて未反応
モノマを取り除き、濾過、乾燥して精製することが好ま
しい。高分子量化は、固相状態で熱処理することによっ
て達成される。フィルムやコーティング皮膜などの製品
形態で熱処理することが可能である。また、再沈精製後
乾燥して得られたポリイミド樹脂に対して引き続き熱処
理を行うことも可能である。
【0017】熱処理条件は未処理のシリコーン変性ポリ
イミド樹脂のガラス転移温度をTgとすると下記式の条
件の温度と時間である。 0.01×(Tg-T)×log(96)+log(96) > log(t) > 0.05×(Tg-T)×log(6)+log(8) Tg+120 ≧ T ≧ Tg−35 Tg+120℃を超えると熱分解の恐れがあり、またTg
−35℃では高分子量化の効果が現れない。処理時間に関
しては上記条件式の範囲を超えると高分子量化の効果が
飽和して効果がない、樹脂が熱分解するなどで好ましく
ない。また、時間が条件式より短いと高分子量化の効果
が十分に現れないのでこれも好ましくない。熱処理によ
る高分子量化の機構は明確ではないが、一部主鎖の分解
と再結合、末端官能基の反応による鎖長延長などが複雑
に絡み合っていると推定している。
【0018】再沈精製後の乾燥温度と引き続き行う熱処
理の温度は同一でも良いが、粉粒状あるいはストランド
状の樹脂の融着を防ぎ、後工程での取扱いを容易にする
ため、乾燥は低温から始め徐々に昇温するのが好まし
い。フィルムやコーティング皮膜などの製品形態で熱処
理する時は、フィルムや皮膜がブロッキングしない条件
下で熱処理することが重要である。熱処理温度と時間は
上記式で表す範囲内にないと高分子量化の効果は期待で
きない。
【0019】本発明において、ポリイミド樹脂をフィル
ム形態にするには、高分子量化したポリイミド樹脂を再
び有機溶剤に溶解してワニスとし、これを支持体に塗布
・乾燥してフィルムにする。なお、先にフィルムや皮膜
状態とした後で熱処理して高分子量化するときは、熱処
理していない精製ポリイミド樹脂を再溶解してワニスと
し、同様にフィルムとすることは言うまでもない。この
時使用する溶剤は、可能な限りフィルム中の残留溶媒分
を極力少なくするためと、かつ塗布乾燥工程の経済性と
作業性を考えて沸点が180℃以下の溶剤を選択する。
【0020】180℃以下の溶剤として、本発明ではケト
ン系溶剤としてアセトン(bp 56.5℃)、メチルエチ
ルケトン(bp 79.6℃)、メチルイソブチルケトン
(bp 118℃)、シクロペンタノン(bp 130.6℃)、
シクロヘキサノン(bp 155.6℃)を、エーテル系溶剤
として1,4-ジオキサン(bp 101.1℃)、テトラヒドロ
フラン(bp 66℃)、ジグライム(bp 162℃)を使
用することができる。これらの溶剤は単独で使用しても
良いし、2種以上を混合して用いることもできる。アミ
ド系溶剤のN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミドはそれぞれ沸点は180℃以下であるが、ポリ
イミドとの相互作用が強く蒸発速度が遅く、200℃以上
で乾燥しないとポリイミドと溶媒和した溶媒分子を除く
ことが難しく、このためフィルムに残る溶媒分が多くな
るので好ましくない。また、吸湿性が高いためフィルム
塗工時に吸湿によるフィルムの白化が起こり易い点も好
ましくない。NMPの様な高沸点極性溶剤に溶かしたポ
リアミック酸をフィルム作成時に加熱イミド化する従来
のポリイミドフィルムに比較して、残留溶剤分を極めて
低レベルに抑えることが可能であると共に、樹脂が熱分
解しその生成物が被着体を汚染する様なことも防ぐこと
ができる。
【0021】ポリイミド樹脂ワニスには、表面平滑性を
出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤、密着改良剤
などの各種添加剤を必要に応じて添加することができ
る。また、溶剤の蒸発速度を調節するために均一に溶解
する範囲で芳香族炭化水素系溶剤を使用することもでき
る。
【0022】ポリイミド樹脂ワニスの支持体への塗布、
乾燥は、フローコーター、ロールコーターなどの塗布設
備と熱風乾燥炉を組み合わせた塗工装置を用いることが
できる。ポリイミド樹脂ワニスを支持体に塗工後、熱風
乾燥炉に導きワニスの溶剤を揮散させるに十分な温度と
風量でもって乾燥し、支持体より剥離してフィルムを得
る。この時使用する支持体は、ステンレス、アルミ、銅
などの金属薄板、ポリイミドフィルム、二軸延伸ポリエ
ステルフィルムなどのプラスチックフィルムが使用でき
る。
【0023】支持体をそのまま基材とした2層あるいは
3層構造の形態でフィルム接着剤として使用することも
可能であり、支持体にポリイミドフィルムなどの耐熱性
フィルム基材を用いると有利であるが、本発明の低吸水
性、低イオン性不純物、高分子量化した熱・機械特性の
特徴を十分に発揮するには、支持体と剥離して他の基材
なしで本発明のポリイミド樹脂のみの構成とすることも
好ましい。沸点180℃以下の溶剤とポリエステルフィル
ムとの組み合わせでは、金属支持体使用時に必要となる
離型剤が不要であり、容易にポリエステルフィルムから
剥離できる。接着性能を阻害する離型剤を添加しなくて
良いことはフィルム接着剤の製造方法として極めて有利
で本発明の目的に最も適い、ポリイミドの耐熱性と高信
頼性を活かすことができる。
【0024】本発明のポリイミド樹脂フィルム接着剤の
使用方法は特に限定されるものではないが、所定の形状
に切断して加熱したヒートブロックで熱圧着して接着す
るなど熱圧着可能な接着剤、接着テープとして使用する
ことができる。
【0025】
【作用】本発明のポリイミド樹脂フィルム接着剤は、シ
リコーンジアミンを必須成分とするシリコーン変性ポリ
イミド樹脂を固相状態で熱処理することにより高分子量
化した高分子量ポリイミド樹脂を主たる構成成分とする
フィルム接着剤である。熱処理はフィルム、コーティン
グ皮膜などの形態においても可能であり、特別な装置、
工程を必要としないため、低コストで特性の優れた高分
子量ポリイミド樹脂から容易にフィルム接着剤を得るこ
とができる。以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、これらの実施例に限定されるものではない。
【0026】
【実施例】本実施例では、分子量測定は東ソー(株)製H
LC-8020を使用し、単分散ポリスチレンで検量線を作
成してポリスチレン換算分子量を求めた。
【0027】(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、塩化カ
ルシウム乾燥管付き冷却器、温度計、撹拌機を備えた四
口フラスコに、脱水精製したNMP572gとキシレン143
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜ
る。これに1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(A
PB)35.0804g(0.120モル)とα,ω-ビス(3-アミノ
プロピル)ポリジメチルシロキサン(APDMS)54.07
02g(平均分子量837、0.0646モル)を投入し、系を60
℃に加熱し均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、
系を氷水浴で5℃に冷却し、4,4'-オキシジフタル酸二
無水物(ODPA)57.2718g(0.185モル)を粉末状の
まま15分間かけて添加し、その後3時間撹拌を続けた。
この間フラスコは5℃に保った。
【0028】続いて冷却器を外し、キシレンを満たした
ディーン・スターク管をフラスコに装着した。系を175
℃に加熱し発生する水を系外に除いた。5時間加熱した
ところ、系からの水の発生は認められなくなった。冷却
後この反応溶液を大量のメタノール中に投入しポリイミ
ド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃で12時間減
圧乾燥し溶剤を除いた。KBr錠剤法で赤外吸収スペク
トルを測定したところ、環状イミド結合に由来する5.6
μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来する6.06μm
の吸収を認めることはできず、この樹脂は100%イミド
化していることが確かめられた。
【0029】得られたポリイミド樹脂のGPCを測定し
た結果、数平均分子量は8,900、重量平均分子量は34,40
0であった。数平均分子量としてゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィ(GPC)で測定した単分散ポリ
スチレン換算分子量を使用する。このポリイミド樹脂を
熱風循環式恒温乾燥機で100℃で48時間加熱処理し、G
PCを測定したところ数平均分子量は13,200、重量平均
分子量は77,600であった。
【0030】このようにして得たポリイミド樹脂をシク
ロヘキサノン/ジグライム(70/30w/w%)に溶解し
塗布原液とした。この原液を二軸延伸ポリエステルフィ
ルム(商品名マイラー、東レ(株)製)に塗布し、120℃3
0分、150℃1時間乾燥した。乾燥後ポリイミド側からナ
イフで切れ目を入れるとポリエステルフィルムから容易
に剥離することができた。
【0031】このフィルムを熱重量分析したところ、熱
分解開始温度382℃まで溶媒や未反応モノマなどに起因
する減量ピークは現れなかった。このフィルムを35μm
銅箔の未処理面(光沢面)に35秒/240℃で加熱プレス
したところ、180゜ピール強度は1.8kgf/cmと良好な接
着力を示し、フィルムに発泡は認められなかった。質量
分析計とガスクロマトグラフィを組み合わせて250℃15
分加熱したときの発生ガスを測定したところ、290ppmと
低レベルであった。
【0032】(実施例2)75μm厚みのポリイミドフィ
ルム(ユーピレックスS、宇部興産(株)製)の片面に塗
工後、熱処理によって高分子量化したポリイミド樹脂フ
ィルム接着剤を銅箔の処理面に熱プレスで35秒/240℃
で接着した。180゜ピール強度は2.3kgf/cmと良好な接
着力を示し、フィルムに発泡は認められなかった。
【0033】(実施例3)50μm厚みのポリイミドフィ
ルム(ユーピレックスS)に塗布し、フィルム接着剤を
作成した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示
す。
【0034】(比較例1〜3)実施例1〜3の熱処理前
のポリイミド樹脂を用いて、それぞれの実施例と全く同
じ構成のフィルム接着剤を調製して、あるいは熱処理前
のフィルム接着剤について同様に評価した。結果を第1
表に示す。
【0035】
【表1】
【0036】なお、表中でフィルム構成が3層とは基材
の両側にポリイミド樹脂を塗布したもの、2層とは基材
の片面のみにポリイミド樹脂を塗布したもの、単層とは
ポリイミド樹脂を支持体から剥離し本発明のポリイミド
樹脂のみの構成としたものを指す。
【0037】(実施例4)実施例1で調製したポリイミ
ド樹脂を1,2-ジオキサンに溶解し、50μm厚みのポリイ
ミドフィルム(ユーピレックスS)に塗布し、フィルム
接着剤を作成した。この時溶剤の乾燥は100℃で2時間
行った。得られたフィルム接着剤の厚みは78μmであっ
た。このフィルム接着剤を実施例1と同じ乾燥機で200
℃で2時間熱処理した。NMPに接着層を溶解させ、G
PCで分子量を測定したところ、数平均分子量は36,10
0、重量平均分子量は161,000であった。このフィルム接
着剤を銅箔の処理面に熱プレスで35秒/240℃で接着し
た。180゜ピール強度は2.1kgf/cmと良好な接着力を示
し、フィルムに発泡は認められなかった。熱処理後は加
熱時の接着剤の流れが小さくなり、接着作業性が向上し
た。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、低吸水性、成形加工性
と熱特性、機械特性を両立させた高分子量高分子量ポリ
イミド樹脂フィルム接着剤を提供することが可能であ
る。特に、低吸水性で不純物レベルが低く、加熱時に発
生するガス成分が極めて低いため、エレクトロニクス材
料として工業的に極めて利用価値が高い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンジアミンを必須のアミン成分
    として得られたポリイミド樹脂を該ポリイミド樹脂のガ
    ラス転移温度をTgとするとき温度T(℃)で下記式で
    表される時間(hr)t熱処理して得られたポリイミド
    樹脂が主成分であるフィルム接着剤。 0.01×(Tg-T)×log(12)+log(96) > log(t) > 0.05×(Tg-T)×log(6)+log(8) Tg+120 ≧ T ≧ Tg−35
  2. 【請求項2】 シリコーンジアミンが式(1)で表され
    るα,ω-ビスアミノポリジメチルシロキサンであり、か
    つ全アミン成分の50〜5モル%である請求項1記載のポ
    リイミド樹脂を主成分とするフィルム接着剤。 【化1】
  3. 【請求項3】 ポリイミド樹脂が耐熱性フィルム基材の
    片面又は両面に施されたものである請求項1又は請求項
    2記載のフィルム接着剤。
JP4144185A 1992-06-04 1992-06-04 高分子量ポリイミド樹脂フィルム接着剤 Pending JPH05331446A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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