JPH05331445A - フィルム接着剤の製造方法 - Google Patents

フィルム接着剤の製造方法

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JPH05331445A
JPH05331445A JP14418392A JP14418392A JPH05331445A JP H05331445 A JPH05331445 A JP H05331445A JP 14418392 A JP14418392 A JP 14418392A JP 14418392 A JP14418392 A JP 14418392A JP H05331445 A JPH05331445 A JP H05331445A
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JP
Japan
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film
solvent
polyimide resin
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polyimide
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JP14418392A
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Yoshitaka Okugawa
良隆 奥川
Tatsuhiro Yoshida
達弘 吉田
Toshio Suzuki
敏夫 鈴木
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 全アミン成分の50〜5モル%がα,ω-ビスア
ミノポリジメチルシロキサンであるイミド閉環せしめた
ポリイミド樹脂を沸点180℃以下の有機溶剤に溶解した
溶液を支持体の上に塗布、乾燥して得るフィルム接着剤
の製造方法。 【効果】 耐熱性と接着作業性を両立させた信頼性の高
いポリイミドフィルム接着剤を得ることができる。フィ
ルム中の残留溶媒分を極めて低レベルにすることがで
き、低吸水性、低不純物レベル、加熱時に発生するガス
成分が少なく、半導体実装材料として工業的に極めて利
用価値が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ吸水性が
低くエレクトロニクス用途、特に半導体実装材料として
適したシリコン基板や金属に対する接着力が優れ、低温
短時間で接着可能なポリイミドフィルム接着剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップが高機能大容量化に
よって大型化する一方で電子機器小型化の要求から従来
と変わらない、あるいはむしろ小さな外形を要求されて
いる。この傾向に対応して半導体チップの高密度化と高
密度実装に対応した新しい実装方式が幾つか提案されて
いる。一つはメモリー素子に提案されているダイ・パッ
ドのないリードフレームのとチップを両面接着テープで
固定するLOC(リード・オン・チップ)構造である。
一方論理素子には電源、グランドを別フレームにし、さ
らに放熱のための金属プレートを多層化した多層リード
フレーム構造が提案されている。これらによるとチップ
内配線やワイヤー・ボンディングの合理化、配線短縮に
よる信号高速化、消費電力の増大に伴って発生する熱の
放散等と素子サイズの小型化を図ることが可能である。
【0003】この新しい実装形態では、半導体チップと
リードフレーム、リードフレームとプレート、リードフ
レーム同士など同種異種材質の接着界面が存在し、その
接着信頼性が素子の信頼性に大きな影響を与える。素子
組立作業時の工程温度に耐える信頼性は勿論のこと、吸
湿時、湿熱時などの接着信頼性が重要である。さらに接
着作業性も重要な項目である。
【0004】従来、これらの接着にはペースト状の接着
剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したものが使用されてい
た。エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ゴム−フェノー
ル樹脂系の熱硬化性樹脂が接着剤として使用されている
が、イオン性不純物が多い、加熱硬化に高温長時間を必
要とし生産性が悪い、加熱硬化時に多量の揮発分が発生
しリードを汚染する、吸湿性が高い、など高信頼性接着
剤としての要求を満たしているとは言い難く、満足でき
る材料が見当らない。
【0005】一方、耐熱性の熱圧着可能なフィルム接着
剤についてはいくつか知られており、例えば、特開平1-
282283号公報には、ポリアミドイミド系やポリアミド系
のホットメルト接着剤、特開昭58-157190号公報には、
ポリイミド系接着剤によるフレキシブル印刷回路基板の
製造法、特開昭62-235382号、特開昭62-235383号及び特
開平2-15663号公報には、熱硬化性のポリイミド系フィ
ルム接着剤に関する記述がなされている。ところが、ポ
リアミド系やポリアミドイミド系樹脂は、アミド基の親
水性のために吸水率が大きくなるという欠点を有し、信
頼性を必要とするエレクトロニクス用途としての接着剤
に用いるには限界があった。また熱硬化性のポリイミド
系フィルム接着剤は、熱圧着条件が、275度、50kgf/cm
2、30分間であったり、半硬化状態のものを高温で長時
間硬化させたりすることが必要で、また硬化時に縮合水
が発生するなど、熱や圧力、水の影響などに鋭敏な電子
部品や、量産性を必要とされる用途のフィルム接着剤と
しては充分なものとはいえなかった。このような理由
で、新しい実装形態に適した接着剤、特に生産性の観点
から接着テープの開発が求められている。
【0006】一方、ポリイミド樹脂は耐熱性が高く難燃
性で電気絶縁性に優れていることから電気、電子用途に
広く使用されている。しかし、従来のポリイミド樹脂は
吸湿性が高く、耐熱性に優れている反面不溶不融であっ
たり極めて融点が高く、加工性の点で決して使いやすい
材料とはいえなかった。半導体の実装材料として層間絶
縁膜、表面保護膜などに使用されているが、これらは有
機溶剤に可溶な前駆体ポリアミック酸を半導体表面に塗
布し、加熱処理によって溶剤を除去するとともにイミド
化を進めている。この時用いる酸アミド系溶剤は高沸点
であり皮膜の発泡の原因になったり、完全に溶媒を揮散
させるために250℃以上の高温乾燥工程を必要とし素子
を高温にさらすため、アセンブリ工程の収率を劣化させ
る原因となっている。また、吸湿性が高いため高温時に
吸収した水分が一気に蒸発して膨れやクラックの原因と
なるなどの問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温短時間
で接着可能な耐熱性に優れ吸水性の低いポリイミドフィ
ルム接着剤を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造
のポリイミド樹脂が上記課題を解決することを見出し、
本発明に到達したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、全アミン成分
の50〜5モル%がα,ω-ビスアミノポリジメチルシロキ
サンであるイミド閉環せしめたポリイミド樹脂を沸点18
0℃以下の有機溶剤に溶解した溶液を支持体の上に塗
布、乾燥して得ることを特徴とするフィルム接着剤の製
造方法および塗布乾燥後支持体を剥離することを特徴と
するフィルム接着剤の製造方法である。
【0009】本発明のポリイミド樹脂は、シリコーンジ
アミンを必須成分とするポリイミド樹脂である。好まし
くはシリコーンジアミンが式(1)で表されるα,ω-ビ
スアミノポリジメチルシロキサンであり、かつその量は
全アミン成分の50〜5モル%である。式(1)における
nの値は 0〜10 が好ましく、n=4〜10、あるいはこれ
に n=0 のモノマーを混合して用いることが特に好ま
しい。
【0010】
【化1】
【0011】本発明では、ポリイミド樹脂の酸成分とし
ては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、4,4'-ジフェニル
スルフォンテトラカルボン酸二無水物などの1種または
2種以上のテトラカルボン酸二無水物、さらには分子量
調節剤として無水フタル酸などのジカルボン酸無水物を
使用することができる。
【0012】α,ω-ビスアミノポリジメチルシロキサン
としては、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチル
シロキサンなどを挙げることができる。α,ω-ビスアミ
ノポリジメチルシロキサンの量は、全アミン成分の50〜
5モル%である。5モル%以下では有機溶剤に対する溶解
性が低下する、吸水性が高くなる、接着時に被着材への
塗れが悪くなり短時間での接着が困難になるなど好まし
くない。また50モル%を越えるとガラス転移温度が極め
て低くなり高温時の特性が劣化するので好ましくない。
【0013】α,ω-ビスアミノポリジメチルシロキサン
以外のアミン成分としては、1,4-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス
(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4'-ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニル
エーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジ
アミノジフェニルスルフォン、3,3'-ジアミノジフェニ
ルスルフォン、2,2-ビス-4-アミノフェニルヘキサフル
オロプロパン、2,2-ビス-4-アミノフェノキシフェニル
ヘキサフルオロプロパン、ビス-4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニルスルフォン、ビス-4-(3-アミノフェノキシ)
フェニルスルフォン、4,4'-ジアミノベンズアニリド、
m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'
-ジアミノジフェニルメタン、2,4-ジアミノトルエンな
どのジアミンを使用することができる。
【0014】重縮合反応におけるテトラカルボン酸二無
水物成分とジアミン成分のモル比は、得られるポリアミ
ック酸の分子量を決定する重要な因子である。ポリマの
分子量と物性、特に数平均分子量と機械的性質の間に相
関があることは良く知られている。数平均分子量が大き
いほど機械的性質が優れている。したがって、接着剤と
して実用的に優れた強度を得るためには、ある程度高分
子量であることが必要である。本発明では、酸無水物成
分とアミン成分の当量比rが 0.950 ≦ r ≦ 1.06 より好ましくは、 0.975 ≦ r ≦ 1.06 の範囲にあることが好ましい。ただし、r=[全酸成分
の当量数]/[全アミン成分の当量数]である。rが0.
950未満では、分子量が低くて脆くなるため接着力が弱
くなる。また1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加
熱時に脱炭酸してガス発生、発泡の原因となり好ましく
ないことがある。
【0015】酸無水物とアミンとの反応は、非プロトン
性極性溶媒中で公知の方法で行われる。非プロトン性極
性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-
ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチル-2-ピロ
リドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジ
グライム、シクロヘキサノン、1,4-ジオキサンなどであ
る。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。この時、上記
非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合
して使用しても良い。トルエン、キシレン、ソルベント
ナフサなどの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶
媒における非極性溶媒の割合は、30重量%以下であるこ
とが好ましい。これは非極性溶媒が30重量%以上では溶
媒の溶解力が低下しポリアミック酸が析出する恐れがあ
るためである。テトラカルボン酸二無水物とジアミンと
の反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した前
述反応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好ましく
は99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物を
添加して反応を進める。
【0016】このようにして得たポリアミック酸溶液を
続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイ
ミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環反応
を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に加え
て共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管など
の装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有機
溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、エレ
クトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れがある
ので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。ま
た、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピコリ
ン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨げない。
【0017】本発明において、イミド閉環後は程度が高
いほど良く、イミド化率が低いと接着時の熱でイミド化
が起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されているこ
とが望まれる。
【0018】本発明では、得られたポリイミド溶液はそ
のまま支持体に塗布せずに、該ポリイミド溶液を貧溶媒
中に投入してポリイミド樹脂を再沈析出させて未反応モ
ノマを取り除いて精製する。精製、濾過、乾燥したポリ
イミド樹脂は再び有機溶剤に溶解してワニスとする。こ
の時使用する溶剤は、可能な限りフィルム中の残留溶媒
分を極力少なくするためと、かつ塗布乾燥工程の経済性
と作業性を考えて、沸点が180℃以下の溶剤を選択す
る。180℃以下の溶剤として、本発明ではケトン系溶剤
としてアセトン(bp 56.5℃)、メチルエチルケトン
(bp 79.6℃)、メチルイソブチルケトン(bp 118
℃)、シクロペンタノン(bp 130.6℃)、シクロヘキ
サノン(bp 155.6℃)を、エーテル系溶剤として1,4-
ジオキサン(bp 101.1℃)、テトラヒドロフラン(b
p 66℃)、ジグライム(bp 162℃)を使用すること
ができる。これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2
種以上を混合して用いることもできる。アミド系溶剤の
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミドはそれぞれ沸点は180℃以下であるが、ポリイミ
ドとの相互作用が強く蒸発速度が遅く、200℃以上で乾
燥しないとポリイミドと溶媒和した溶媒分子を除くこと
が難しく、このためフィルムに残る溶媒分が多く好まし
くない。また、吸湿性が高いためフィルム塗工時に吸湿
によるフィルムの白化が起こり易い点も好ましくない。
NMPの様な高沸点極性溶剤に溶かしたポリアミック酸
をフィルム作成時に加熱イミド化する従来のポリイミド
フィルムに比較して、残留溶剤分を極めて低レベルに抑
えることが可能であると共に、樹脂が熱分解しその生成
物が被着体を汚染する様なことも防ぐことができる。
【0019】ポリイミド樹脂ワニスには、表面平滑性を
出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤、密着改良剤
などの各種添加剤を必要に応じて添加することができ
る。また、溶剤の蒸発速度を調節するために均一に溶解
する範囲で芳香族炭化水素系溶剤を使用することもでき
る。
【0020】ポリイミド樹脂ワニスの支持体への塗布、
乾燥は、フローコーター、ロールコーターなどの塗布設
備と熱風乾燥炉を組み合わせた塗工装置を用いることが
できる。ポリイミド樹脂ワニスを支持体に塗工後、熱風
乾燥炉に導きワニスの溶剤を揮散させるに十分な温度と
風量でもって乾燥する。この時使用する支持体は、ステ
ンレス、アルミ、銅などの金属薄板、ポリイミドフィル
ム、二軸延伸ポリエステルフィルムなどのプラスチック
フィルムが使用できる。
【0021】支持体をそのまま基材とした2層あるいは
3層構造の形態で接着剤として使用することも可能であ
り、支持体にポリイミドフィルムを用いると有利である
が、本発明の接着剤の低吸水性、低イオン性不純物の特
徴を十分に発揮するには、支持体を剥離して他の基材な
しで本発明のポリイミド樹脂のみの構成とすることが好
ましい。沸点180℃以下の溶剤とポリエステルフィルム
との組み合わせでは、金属支持体使用時に必要となる離
型剤が不要であり、容易にポリエステルフィルムから剥
離できる。接着性能を阻害する離型剤を添加しなくて良
いことはフィルム接着剤の製造方法として極めて有利で
本発明の目的に最も適い、ポリイミドの耐熱性と高信頼
性を活かすことができる。
【0022】本発明のポリイミドフィルム接着剤の使用
方法は特に限定されるものではないが、所定の形状に切
断して加熱したヒートブロックで熱圧着して接着する熱
圧着可能なフィルム接着剤として使用することができ
る。以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、こ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹
拌機を備えた四口フラスコに、脱水精製したNMP165
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜ
る。次に1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン 14.61
68g(0.050モル)とα,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポ
リジメチルシロキサン 7.6765g(平均分子量870、n=
8.38、0.0088モル)を投入し、系を60℃に加熱し均一に
なるまでかき混ぜる。均一に溶解後、系を氷水浴で5℃
に冷却し、4,4'-オキシジフタル酸二無水物 18.2484g
(0.0588モル)を粉末状のまま15分間かけて添加し、そ
の後3時間撹拌を続けた。この間フラスコは5℃に保っ
た。
【0024】その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレン20gを添加した。油浴に代えて系
を195℃に加熱し発生する水を系外に除いた。5時間加
熱したところ、系からの水の発生は認められなくなっ
た。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入し
ポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃で
12時間減圧乾燥し溶剤を除き、37.2984g(収率92%)
の固形樹脂を得た。KBr錠剤法で赤外吸収スペクトル
を測定したところ、環状イミド結合に由来する5.6μm
の吸収を認めたが、アミド結合に由来する6.06μmの吸
収を認めることはできず、この樹脂はほぼ100%イミド
化していることが確かめられた。この樹脂のガラス転移
温度は156℃であった。
【0025】このようにして得たポリイミド樹脂をシク
ロヘキサノン/ジグライム(70/30w/w%)に溶解
し、塗布原液とした。この原液を二軸延伸ポリエステル
フィルム(商品名マイラー、東レ(株)製)に塗布し、12
0℃30分、150℃1時間乾燥した。乾燥後ポリイミド側か
らナイフで切れ目を入れるとポリエステルフィルムから
容易に剥離することができた。
【0026】このフィルムを熱重量分析したところ、熱
分解開始温度382℃まで溶媒や未反応モノマなどに起因
する減量ピークは現れなかった。このフィルムを銅箔に
35秒/240℃で加熱プレスしたところ、180゜ピール強度
は1.8kgf/cmと良好な接着力を示し、フィルムに発泡は
認められなかった。質量分析計とガスクロマトグラフィ
を組み合わせて250℃15分加熱したときの発生ガスを測
定したところ、290ppmと低レベルであった。
【0027】(実施例2)実施例1と同様に、2,2-ビス
(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、α,ω-ビ
ス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分
子量870)と4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン
酸二無水物をモル比 0.7/0.3/1で反応し、ポリイミ
ド樹脂を得た。このポリイミド樹脂はシクロヘキサノン
/ジグライム混合溶媒に良く溶解し、ポリエステルフィ
ルムを支持体として単体フィルムを容易に作成できた。
乾燥条件は120℃0.5時間後さらに180℃0.5時間であっ
た。このフィルムのガラス転移温度は172℃で、42合金
のプレートに280℃20秒で接着し、1.95kgf/cmのピール
強度を示した。接着したフィルムに発泡は全く認められ
なかった。なお、このフィルムの発生ガスは実施例1と
同条件で測定し320ppmあった。
【0028】(実施例3)実施例1と同様に、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル)プロパン、α,ω-ビス(3-アミ
ノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子量87
0)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、4,4'-オキジフタル酸二無水物をモル比 0.4/0.4/
0.2/0.3/0.7 で反応し、ポリイミド樹脂を得た。この
ポリイミド樹脂はシクロヘキサノンに容易に溶解し、ポ
リエステルフィルムを支持体として単体フィルムを容易
に作成できた。乾燥条件は120℃0.5時間後さらに160℃
0.5時間であった。このフィルムのガラス転移温度は165
℃で、銅箔に240℃30秒で接着し、1.77kgf/cmのピール
強度を示した。接着したフィルムに発泡は全く認められ
なかった。なお、このフィルムの発生ガスは実施例1と
同条件で測定し204ppmあった。
【0029】(実施例4)実施例1と同様に、ビス-4-
(3-アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、α,ω-ビス
(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(平均分子
量870)、4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸
二無水物をモル比 0.85/0.15/1で反応し、ポリイミ
ド樹脂を得た。このポリイミド樹脂はシクロヘキサノン
/ジグライム(70/30 w/w%)に容易に溶解し、ポ
リエステルフィルムを支持体として単体フィルムを容易
に作成できた。乾燥条件は120℃0.5時間後さらに180℃
1.5時間であった。このフィルムのガラス転移温度は215
℃で、42合金板に290℃30秒で接着し、1.89kgf/cmのピ
ール強度を示した。接着したフィルムに発泡は全く認め
られなかった。なお、このフィルムの発生ガスは実施例
1と同条件で測定し297ppmあった。
【0030】(実施例5)実施例3で得られたポリイミ
ド樹脂溶液を厚さ50μmのポリイミドフィルム(ユーピ
レックスS、宇部興産(株)製)に塗布し、同様にしてフ
ィルム接着剤を得た。このフィルムも実施例3と同様の
特性を有していた。
【0031】(比較例1)実施例1と同様に、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン 0.03モルと2,2-ビス(4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン 0.07モルに対
し、4,4'-オキジフタル酸二無水物 0.10モルを反応して
ポリイミド樹脂を得た。この樹脂を実施例1と同じシク
ロヘキサノン/ジグライム混合溶媒に溶解しようとした
が溶解しなかった。そこでこれをDMAC/シクロヘキ
サノン(70/30 w/w%)混合溶媒に溶解し、ポリエ
ステルフィルムに塗布した。室内は約40%の湿度であっ
たが塗布後1分以内に表面が白化する現象がみられた。
これを120℃30分、150℃1時間乾燥したが、溶媒臭が残
るためさらに200℃で30分乾燥した。この時ポリエステ
ルフィルムに顕著な収縮が認められた。この乾燥したフ
ィルムを熱重量分析したところ、200℃を越えると約0.7
%の残存溶媒に基づく重量減少が認められた。このフィ
ルムを実施例1と同じ条件で接着試験したところ、フィ
ルムが全面発泡した。
【0032】(比較例2)実施例1と同様に、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル)プロパン、3,3',4,4'-ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物(モル比1/1/0.7/0.3)
からポリイミド樹脂を得た。このポリイミド樹脂はシク
ロヘキサノンや1,4-ジオキサン、ジグライムには溶解し
ないのでNMPに再度溶解した。これをポリエステルフ
ィルムに塗布してフィルムを作成しようとしたが、180
℃では3時間乾燥しても熱重量分析で5.5%の残存溶媒
が認められた。そこで120℃1時間、180℃1時間、250
℃で1時間乾燥したところ、ポリエステルフィルムから
剥離できなくなり単体テープの作成に失敗した。
【0033】(比較例3)比較例2のポリイミド樹脂の
NMP溶液を、支持体をステンレススチール板に替えて
フィルム作成を試みた。やはり剥離が難しく、シリコー
ン系離型剤(商品名SH7PA、東レシリコン(株)製)
を1PHR添加してフィルムを作成した。このフィルムは
熱重量分析で顕著な重量減少は観察できなかったが、発
生ガスが2400ppmと多かった。
【0034】(比較例4)実施例1のポリイミド樹脂を
NMP溶液とし、実施例1と同条件でポリエステルフィ
ルムを支持体としてフィルム作成を試みた。180℃で3
時間乾燥したが、熱重量分析の結果、200〜250℃で6.3
%の重量減少が認められた。熱プレスで接着試験したと
ころ、比較例1と同じく全面発泡した。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性と接着作業性を
両立させた信頼性の高いポリイミドフィルム接着剤を提
供することが可能である。特に低沸点溶剤を使用するた
め、従来のポリイミドの乾燥条件に比べて緩やかな条件
でフィルム中の残留溶媒分を極めて低レベルにすること
ができる。低吸水性、低不純物レベル、加熱時に発生す
るガス成分が極めて少ない、などの特徴を活かした半導
体実装材料として工業的に極めて利用価値が高い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全アミン成分の50〜5モル%がα,ω-ビ
    スアミノポリジメチルシロキサンであるイミド閉環せし
    めたポリイミド樹脂を沸点180℃以下の有機溶剤に溶解
    した溶液を支持体の上に塗布、乾燥して得ることを特徴
    とするフィルム接着剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 支持体がガラス転移温度350℃以上のポ
    リイミドフィルムである請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において塗布乾燥後支持体を剥
    離することを特徴とするフィルム接着剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 支持体が二軸延伸したポリエステルフィ
    ルムである請求項3記載の方法。
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