JP2887359B2 - フィルム接着剤 - Google Patents

フィルム接着剤

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JP2887359B2
JP2887359B2 JP4144187A JP14418792A JP2887359B2 JP 2887359 B2 JP2887359 B2 JP 2887359B2 JP 4144187 A JP4144187 A JP 4144187A JP 14418792 A JP14418792 A JP 14418792A JP 2887359 B2 JP2887359 B2 JP 2887359B2
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良隆 奥川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低吸水性と耐熱性に優
れたエレクトロニクス用途、特に半導体実装材料として
適したシリコン基板や金属に対する接着力が優れ、低温
短時間で接着可能なフィルム接着剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップが高機能大容量化に
よって大型化する一方、パッケージの大きさはプリント
回路設計上の制約、電子機器小型化の要求などから従来
と変わらない、あるいはむしろ小さな外形を要求されて
いる。この傾向に対応して半導体チップの高密度化と高
密度実装に対応した新しい実装方式が幾つか提案されて
いる。一つはメモリー素子に提案されているダイ・パッ
ドのないリードフレームの上にチップを載せるCOL
(チップ・オン・リード)構造とその発展形であるチッ
プの上にリードを載せるLOC(リード・オン・チッ
プ)構造である。一方論理素子には電源、グランドを別
フレームにし、さらに放熱のための金属プレートを多層
化した多層リードフレーム構造がある。これらによると
チップ内配線やワイヤー・ボンディングの合理化、配線
短縮による信号高速化、消費電力の増大に伴って発生す
る熱の放散等と素子サイズの小型化を図ることができ
る。
【0003】この新しい実装形態では半導体チップとリ
ードフレーム、リードフレームとプレート、リードフレ
ーム同士など同種異種材質の接着界面が存在し、その接
着信頼性が素子の信頼性に非常に大きな影響を与える。
素子組立作業時の工程温度に耐える信頼性は勿論のこ
と、吸湿時、湿熱時などの接着信頼性である。さらに接
着作業性も重要な項目である。
【0004】従来、これらの接着にはペースト状の接着
剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したものが使用されてい
た。エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ゴム−フェノー
ル樹脂系の熱硬化性樹脂が接着剤として使用されている
が、イオン性不純物が多い、加熱硬化に高温長時間を必
要とし生産性が悪い、加熱硬化時に多量の揮発分が発生
しリードを汚染する、吸湿性が高い、など高信頼性接着
剤としての要求を満たしているとは言い難く、満足でき
る材料が見当らない。
【0005】一方、耐熱性の熱圧着可能なフィルム接着
剤についてはいくつか知られており、例えば、特開平1-
282283号公報には、ポリアミドイミド系やポリアミド系
のホットメルト接着剤、特開昭58-157190号公報には、
ポリイミド系接着剤によるフレキシブル印刷回路基板の
製造法、特開昭62-235382号、特開昭62-235383号及び特
開平2-15663号公報には、熱硬化性のポリイミド系フィ
ルム接着剤に関する記述がなされている。ところが、ポ
リアミド系やポリアミドイミド系樹脂は、アミド基の親
水性のために吸水率が大きくなるという欠点を有し、信
頼性を必要とするエレクトロニクス用途としての接着剤
に用いるには限界があった。また熱硬化性のポリイミド
系フィルム接着剤は、熱圧着条件が、275℃、50kgf/cm
2、30分間であったり、半硬化状態のものを高温で長時
間硬化させたりすることが必要で、また硬化時に縮合水
が発生するなど、熱や圧力、水の影響などに鋭敏な電子
部品や、量産性を必要とされる用途のフィルム接着剤と
しては充分なものとはいえなかった。このような理由
で、新しい実装形態に適した接着剤の開発が求められて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温短時間
で接着可能な低吸水性と耐熱性に優れたフィルム接着剤
を得るべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリイミ
ド樹脂が上記課題を解決することを見出し、本発明に到
達したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、4,4'-オキシ
ジフタル酸二無水物aモルと、3,3',4,4'-ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物と3,3',4,4'-ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物からにる群より選ばれた1種類
または2種類のテトラカルボン酸二無水物bモルとを酸
成分とし、一般式(1)で表される1種類または2種類
以上のジアミンcモルと、1,3-ビス(3-アミノフェノキ
シ)ベンゼンdモルと、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)
ポリジメチルシロキサンeモルとをアミン成分とし、
a、b、c、d、eのモル比が a/(a+b)≧ 0.
6、0.05 ≦e/(c+d+e)≦ 0.5、かつ 0.1 ≦d
/(c+d+e)≦ 0.9 の割合で両成分を反応させて
イミド閉環せしめたポリイミド樹脂からなるフィルム接
着剤である。
【0008】本発明のポリイミド樹脂を得るのに用いら
れる4,4'-オキシジフタル酸二無水物は式(2)、3,3',
4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は式
(3)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物は式(4)、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベン
ゼンは式(5)、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジ
メチルシロキサンは式(6)で表わされるものである。
【0009】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【0010】酸成分の主要な構成成分である4,4'-オキ
シジフタル酸二無水物のモル比は、得られるポリイミド
樹脂の溶解性に極めて重要で、上記の範囲内にないと低
沸点溶剤に溶解するという本発明の特徴が失われる。
【0011】一般式(1)で表されるジアミンは、2,2-
ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BA
PP)、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘ
キサフルオロプロパン(BAPPF)、2,2-ビス(4-ア
ミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン(BAP
F)、ビス-4-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルフォ
ン(BAPS)、ビス-4-(3-アミノフェノキシ)フェニ
ルスルフォン(BAPSM)などである。
【0012】式(6)で表されるα,ω-ビス(3-アミノ
プロピル)ポリジメチルシロキサンは、n=0〜10 が好
ましく、特にnの値が 4〜10 の範囲が、ガラス転移温
度、接着性、耐熱性の点から好ましい。またn=0 と上
記n=4〜10 のものをブレンドして用いることは特に接
着性の点より好ましい。
【0013】各成分のモル比は上記範囲内にあることが
重要で、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサンが全アミン成分の5モル%以下では低吸湿性の
特徴が現れず、50モル%を越えるとガラス転移温度が著
しく低下し耐熱性に問題が生じる。1,3-ビス(3-アミノ
フェノキシ)ベンゼンのモル比に関しても同様で、上記
の範囲を越えると溶解性や耐熱性に問題が生じる。
【0014】重縮合反応における酸成分とアミン成分の
当量比は、得られるポリアミック酸の分子量を決定する
重要な因子である。ポリマの分子量と物性、特に数平均
分子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られ
ている。数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れて
いる。したがって、接着剤として実用的に優れた強度を
得るためには、ある程度高分子量であることが必要であ
る。
【0015】本発明では、酸成分とアミン成分の当量比
rが 0.900 ≦ r ≦ 1.06 より好ましくは、 0.975 ≦
r ≦ 1.06 の範囲にあることが好ましい。ただし、r=[全酸成分
の当量数]/[全アミン成分の当量数]である。rが0.
900未満では、分子量が低くて脆くなるため接着力が弱
くなる。また1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加
熱時に脱炭酸してガス発生、発泡の原因となり好ましく
ないことがある。
【0016】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA
C)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒド
ロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノン、
1,4-ジオキサンなどである。非プロトン性極性溶媒は、
一種類のみ用いてもよいし、二種類以上を混合して用い
てもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性
がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素
が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合
は、30重量%以下であることが好ましい。これは非極性
溶媒が30重量%以上では溶媒の溶解力が低下しポリアミ
ック酸が析出する恐れがあるためである。テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミンとの反応は、良く乾燥したジア
ミン成分を脱水精製した前述反応溶媒に溶解し、これに
閉環率98%、より好ましくは99%以上の良く乾燥したテ
トラカルボン酸二無水物を添加して反応を進める。
【0017】このようにして得たポリアミック酸溶液を
続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイ
ミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環反応
を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に加え
て共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管など
の装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有機
溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、エレ
クトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れがある
ので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。ま
た、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピコリ
ン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨げない。
【0018】本発明において、イミド閉環は程度が高い
ほど良く、イミド化率が低いと接着時の熱でイミド化が
起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、より
好ましくは98%以上のイミド化率が達成されていること
が望まれる。
【0019】本発明では得られたポリイミド溶液はその
まま用いても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投
入してポリイミド樹脂を再沈析出させて未反応モノマを
取り除いて精製することが好ましい。精製、濾過、乾燥
したポリイミド樹脂は再び有機溶剤に溶解してワニスと
する。この時使用する溶剤は反応溶媒と同じでも良い
が、塗布乾燥工程の作業性を考え、沸点の低い、好まし
くは沸点が200℃以下の溶剤を選択することが好まし
い。200℃以下の溶剤として、本発明ではケトン系溶剤
としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンを、エ
ーテル系溶剤として1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジグライムを挙げることができる。これらの溶剤は
単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いるこ
ともできる。アミド系溶剤のN,N-ジメチルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミドは沸点200℃以下で本発
明のポリイミド樹脂を良く溶解するが、ポリイミドとの
相互作用が強く、乾燥には250℃以上の高温を必要と
し、また吸湿性が高いためワニス塗布時にフィルムが白
化するのでその使用は好ましくない。
【0020】ポリイミド樹脂ワニスには、表面平滑性を
出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添
加剤を必要に応じて添加することができる。また、溶剤
の蒸発速度を調節するために均一に溶解する範囲で芳香
族炭化水素系溶剤を使用することもできる。
【0021】本発明において、ポリイミド樹脂をフィル
ム接着剤とするには、通常はポリイミド樹脂溶液(ワニ
ス)を流延あるいは塗布して得られ、例えば、ロールや
金属シート、ポリエステルシートなどの離型シートの上
にフローコーター、ロールコーターなどによりフィルム
を形成させ、加熱・乾燥後剥離してフィルム接着剤とし
たり、耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片
面又は両面に同様にフィルム層を形成させ、支持体と共
にフィルム接着剤とするなどの方法で得ることができ
る。
【0022】本発明において使用する耐熱性フィルム基
材は、ポリイミド樹脂フィルムが熱膨張係数が小さく温
度変化に対する寸法安定性に優れていること、可撓性に
富み取扱い易いこと、本発明の接着樹脂との密着力が優
れている点で好ましい。特に、ガラス転移温度が350℃
以上のポリイミド樹脂は、フィルム接着剤としての性能
と接着層であるポリイミド樹脂ワニスを塗布乾燥する工
程での作業性、安定性の点で優れている。接着ワニスの
基材フィルムへの塗布乾燥は、熱風乾燥炉とフローコー
ターやロールコーターを組み合わせた装置などを用いる
ことができる。ポリイミド樹脂ワニスを塗工後、熱風乾
燥炉に導きポリイミド樹脂ワニスの溶剤を揮散させるに
十分な温度と風量でもって乾燥する。
【0023】本発明のフィルム接着剤の使用方法は特に
限定されるものではないが、所定の形状に切断して加熱
したヒートブロックで熱圧着して接着するなど、接着テ
ープとして使用することができる。
【0024】
【作用】本発明のフィルム接着剤は、低沸点の有機溶剤
に可溶である特定構造の完全にイミド化されたポリイミ
ド樹脂を主たる構成成分とすることを特徴とする。接着
剤のポリイミド樹脂は、再沈精製することによって極め
て低いイオン性不純物レベルを達成できると共に、低沸
点の溶剤を使用しイミド化されていることを合わせて加
熱時の発生ガスをほぼ完全に無くすことができる。ま
た、低吸水性と耐熱性に優れ、化学反応を伴う熱硬化性
接着剤に比べると極めて短時間に接着可能である。テー
プ状に加工することにより、接着作業性、接着部の寸法
精度を優れたものにすることができる。以下実施例によ
り本発明を詳細に説明するが、これらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0025】
【実施例】
(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹
拌機を備えた四口フラスコに、脱水精製したNMP750
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜ
る。次に1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(AP
B)73.0847g(0.250モル)とα,ω-ビス(3-アミノプ
ロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)37.8163g
(平均分子量840.36、0.045モル)、α,ω-ビス(3-アミ
ノプロピル)テトラメチルジメチルシロキサン(APP
S,n=0)1.4971g(0.006モル、式(6)においてn
=0)を投入し、系を60℃に加熱し均一になるまでかき
混ぜる。均一に溶解後、系を氷水浴で5℃に冷却し、4,
4'-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)93.4404g
(0.301モル)を粉末状のまま15分間かけて添加し、そ
の後3時間撹拌を続けた。この間フラスコは5℃に保っ
た。
【0026】その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にトルエン187gを添加した。油浴に代えて
系を175℃に加熱し、発生する水を系外に除いた。4時
間加熱したところ、系からの水の発生は認められなくな
った。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入
しポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃
で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、186.28g(収率90.5
%)の固形樹脂を得た。KBr錠剤法で赤外吸収スペク
トルを測定したところ、環状イミド結合に由来する5.6
μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来する6.06μm
の吸収を認めることはできず、この樹脂はほぼ100%イ
ミド化していることが確かめられた。この時の酸、アミ
ンのモル比はそれぞれa/(a+b)=1、d/(c+
d+e)=0.83、e/(c+d+e)=0.17 である。
【0027】このようにして得たポリイミド樹脂をシク
ロヘキサノン/トルエン(90/10w/w%)に溶解し、
固形分25%のポリイミド樹脂ワニスを調製した。このワ
ニスをリバースロールコーターでポリイミドフィルム
(商品名ユーピレックスSGA、厚み50μm、宇部興産
(株)製)の片面に塗布し、接着剤層の厚みが30μmのフ
ィルム接着剤を得た。乾燥温度は最高185℃で乾燥時間
6分であった。このフィルム接着剤を35μm銅箔に熱プ
レスして試験片を作製した。銅箔の処理面に250℃2秒
間熱圧着し、圧を開放後250℃で30秒間アニールした。
接着面にかかる圧力はゲージ圧力と接着面積から計算の
結果4kgf/cm2であった。この試験片の180度ピール強度
は3.43kgf/cmであり、優れた接着力を示した。破断面
は接着樹脂層が凝集破壊し、発泡は全く認められなかっ
た。
【0028】(実施例2)実施例1のワニスを二軸延伸
ポリエステルフィルム(商品名ダイヤホイル、厚さ50μ
m、三菱レーヨン(株)製)に塗布し、乾燥温度は最高18
5℃で乾燥時間6分であった。乾燥後ポリエステルフィ
ルムから剥離し、32μm厚みの支持体なしの単層フィル
ムを得た。剥離は容易で特に支障はなかった。実施例1
と同様に銅箔光沢面に接着した結果を第1表に示す。
【0029】(実施例3〜5)実施例1と同様にして、
第1表に示した処方で反応させて可溶性ポリイミド樹脂
を得た。これらのポリイミド樹脂を用いて得られたフィ
ルム接着剤の評価結果を第1表に示す。いずれもフィル
ム接着剤として優れた性能を持つことが分かる。
【0030】
【表1】
【0031】なお、第1表でODPAは4,4'-オキシジ
フタル酸二無水物を、BTDAは4,4'-ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物を、BPDAは3,3',4,4'-ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物を、APBは1,3-ビ
ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンを、BAPPFは2,2-
ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロ
プロパンを、APPSはα,ω-ビス(3-アミノプロピル)
ポリジメチルシロキサンをそれぞれ略記したものであ
る。
【0032】また、配合の数値はそれぞれの成分中の配
合当量比であり、吸水率は85℃85%RHの環境下で168
時間放置(HH-500処理)後のフィルム全体の飽和吸水
率を、発生ガス、発生水分は250℃で15分間加熱した時
に発生するガスをGC-MS法で、水分はカール・フィ
ッシャー法でそれぞれ定量したフィルム全体の値を示
す。
【0033】(比較例1)実施例1と同条件で、4,4'-
オキシジフタル酸二無水物と1,3-ビス(3-アミノフェノ
キシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェ
ニル)プロパンをa/(a+b)=1、c/(c+d+
e)=0.5、d/(c+d+e)=0.5 の量比で反応し
ポリイミド樹脂を得た。この樹脂をシクロヘキサノンに
溶解しようとしたが、膨潤ゲル状態となり、完全に溶解
することができなかった。また、DMF、DMACに対
しても同様の状態となり樹脂ワニスを調製することがで
きなかった。そこでNMPに溶解してワニスを調製し、
ポリイミド樹脂に塗工しフィルムとした。乾燥温度185
℃では30分加熱しても熱重量分析で200〜250℃で約4.3
%の重量減少が認められた。これは残存溶媒のNMPが
蒸発することによる。250℃30分の乾燥で熱重量減少が
認められなくなったが、樹脂のガラス転移温度を大きく
越えるため両面塗工フィルムを作ることは不可能であっ
た。
【0034】(比較例2)実施例2と同様にポリエステ
ルフィルムに塗工して支持体なしのフィルムを作成しよ
うとしたが、200℃を越える温度では支持体のポリエス
テルフィルムが収縮して不可能であり、200℃以下での
乾燥温度では溶媒のNMPをとばすことができず、これ
もフィルムを作ることができなかった。
【0035】(比較例3〜4)実施例1と同様に、第2
表に示した処方で反応させて得られたポリイミド樹脂を
用いてフィルム接着剤としたものの評価結果を第2表に
示す。
【0036】
【表2】
【0037】なお、第2表においてPMDAは1,2,4,5-
ベンゼンテトラカルボン酸二無水物を、4,4'-DDEは
4,4'-ジアミノジフェニルエーテルを略記したものであ
る。以上の実施例から本発明により、耐熱性と低吸湿性
に優れたフィルム接着剤が得られることが示される。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、低吸水性と耐熱性と接
着作業性を両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提
供することが可能である。特に、不純物レベルが低く、
加熱時に発生するガス成分が極めて低いため、マイクロ
エレクトロニクス材料、半導体実装材料として工業的に
極めて利用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−179224(JP,A) 特開 平2−91125(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4,4'-オキシジフタル酸二無水物aモル
    と、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と
    3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物か
    らなる群より選ばれた1種類または2種類のテトラカル
    ボン酸二無水物bモルとを酸成分とし、一般式(1)で
    表される1種類または2種類以上のジアミンcモルと、
    1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンdモルと、α,
    ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンe
    モルとをアミン成分とし、a、b、c、d、eのモル比
    が a/(a+b)≧ 0.6、0.05 ≦e/(c+d+e)
    ≦0.5、かつ 0.1 ≦d/(c+d+e)≦ 0.9 の割合
    で両成分を反応させてイミド閉環せしめたポリイミド樹
    脂からなるフィルム接着剤。 【化1】
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