JP3164324B2 - 低温熱圧着可能なフィルム接着剤 - Google Patents
低温熱圧着可能なフィルム接着剤Info
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- JP3164324B2 JP3164324B2 JP14418192A JP14418192A JP3164324B2 JP 3164324 B2 JP3164324 B2 JP 3164324B2 JP 14418192 A JP14418192 A JP 14418192A JP 14418192 A JP14418192 A JP 14418192A JP 3164324 B2 JP3164324 B2 JP 3164324B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れたエレク
トロニクス用途、特に半導体実装材料として適したシリ
コン基板や金属に対する接着力が優れ、低温短時間で接
着可能なフィルム接着剤に関するものである。
トロニクス用途、特に半導体実装材料として適したシリ
コン基板や金属に対する接着力が優れ、低温短時間で接
着可能なフィルム接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体チップが高機能大容量化に
よって大型化する一方、素子の大きさは電子機器小型化
の要求から従来と変わらない外形を保つことが要求され
ている。この半導体チップの高密度化と高密度実装に対
応した新しい実装方式が幾つか提案されている。この新
しい実装方式に、ダイ・パッドのないリードフレームの
上にチップを載せるCOL(チップ・オン・リード)と
チップの上にリードを載せるLOC(リード・オン・チ
ップ)の二つの構造がある。従来方式ではチップ面積が
大きすぎインナーリードの面積が確保できなくなるが、
これらの方式では両面接着テープによって半導体チップ
とリードフレームを接着し大容量化によるチップ面積の
増大にも拘らず従来と同じ外形のパッケージに納めるこ
とができる。さらに、チップ内配線やワイヤー・ボンデ
ィングの合理化、配線短縮による信号高速化等の利点も
挙げることができる。
よって大型化する一方、素子の大きさは電子機器小型化
の要求から従来と変わらない外形を保つことが要求され
ている。この半導体チップの高密度化と高密度実装に対
応した新しい実装方式が幾つか提案されている。この新
しい実装方式に、ダイ・パッドのないリードフレームの
上にチップを載せるCOL(チップ・オン・リード)と
チップの上にリードを載せるLOC(リード・オン・チ
ップ)の二つの構造がある。従来方式ではチップ面積が
大きすぎインナーリードの面積が確保できなくなるが、
これらの方式では両面接着テープによって半導体チップ
とリードフレームを接着し大容量化によるチップ面積の
増大にも拘らず従来と同じ外形のパッケージに納めるこ
とができる。さらに、チップ内配線やワイヤー・ボンデ
ィングの合理化、配線短縮による信号高速化等の利点も
挙げることができる。
【0003】COL、LOC構造の半導体装置におい
て、半導体チップとリードフレームは、接着剤によって
固定されている。この接着剤には吸湿時に界面が剥離し
ないこと、リフロー半田時や温度サイクルなどの熱応力
を受けた時に界面が剥離しないこと、など優れた接着力
が要求される。また、加熱接着時に揮発成分が多いこと
は、作業環境やリードなどを汚染することから好ましく
ない。さらに量産性を考えると接着はできる限り短時間
で可能あることが望まれる。従来、これらの用途にはペ
ースト状の接着剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したもの
が使用されている。接着剤としてはエポキシ樹脂系、ア
クリル樹脂系、ゴム−フェノール樹脂系の熱硬化型樹脂
が使用されているが、イオン性不純物が多い、加熱硬化
に高温長時間を要し生産性が悪い、加熱硬化時の揮発分
が多い、吸湿性が高い、など上記の要求を満たしている
とは言い難く満足できる材料が見当らない。
て、半導体チップとリードフレームは、接着剤によって
固定されている。この接着剤には吸湿時に界面が剥離し
ないこと、リフロー半田時や温度サイクルなどの熱応力
を受けた時に界面が剥離しないこと、など優れた接着力
が要求される。また、加熱接着時に揮発成分が多いこと
は、作業環境やリードなどを汚染することから好ましく
ない。さらに量産性を考えると接着はできる限り短時間
で可能あることが望まれる。従来、これらの用途にはペ
ースト状の接着剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したもの
が使用されている。接着剤としてはエポキシ樹脂系、ア
クリル樹脂系、ゴム−フェノール樹脂系の熱硬化型樹脂
が使用されているが、イオン性不純物が多い、加熱硬化
に高温長時間を要し生産性が悪い、加熱硬化時の揮発分
が多い、吸湿性が高い、など上記の要求を満たしている
とは言い難く満足できる材料が見当らない。
【0004】一方、耐熱性の熱圧着可能なフィルム接着
剤についてはいくつか知られており、例えば、特開平1-
282283号公報には、ポリアミドイミド系やポリアミド系
のホットメルト接着剤、特開昭58-157190号公報には、
ポリイミド系接着剤によるフレキシブル印刷回路基板の
製造法、特開昭62-235382号、特開昭62-235383号及び特
開平2-15663号公報には、熱硬化性のポリイミド系フィ
ルム接着剤に関する記述がなされている。ところが、ポ
リアミド系やポリアミドイミド系樹脂は、アミド基の親
水性のために吸水率が大きくなるという欠点を有し、信
頼性を必要とするエレクトロニクス用途としての接着剤
に用いるには限界があった。また熱硬化性のポリイミド
系フィルム接着剤は、熱圧着条件が、275℃、50kgf/cm
2、30分間であったり、半硬化状態のものを高温で長時
間硬化させたりすることが必要で、また硬化時に縮合水
が発生するなど、熱や圧力、水の影響などに鋭敏な電子
部品や、量産性を必要とされる用途のフィルム接着剤と
しては充分なものとはいえなかった。このような理由
で、新しい実装形態に適した高信頼性接着剤の開発が求
められている。
剤についてはいくつか知られており、例えば、特開平1-
282283号公報には、ポリアミドイミド系やポリアミド系
のホットメルト接着剤、特開昭58-157190号公報には、
ポリイミド系接着剤によるフレキシブル印刷回路基板の
製造法、特開昭62-235382号、特開昭62-235383号及び特
開平2-15663号公報には、熱硬化性のポリイミド系フィ
ルム接着剤に関する記述がなされている。ところが、ポ
リアミド系やポリアミドイミド系樹脂は、アミド基の親
水性のために吸水率が大きくなるという欠点を有し、信
頼性を必要とするエレクトロニクス用途としての接着剤
に用いるには限界があった。また熱硬化性のポリイミド
系フィルム接着剤は、熱圧着条件が、275℃、50kgf/cm
2、30分間であったり、半硬化状態のものを高温で長時
間硬化させたりすることが必要で、また硬化時に縮合水
が発生するなど、熱や圧力、水の影響などに鋭敏な電子
部品や、量産性を必要とされる用途のフィルム接着剤と
しては充分なものとはいえなかった。このような理由
で、新しい実装形態に適した高信頼性接着剤の開発が求
められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低温短時間
で接着可能な耐熱性に優れたフィルム接着剤を得るべく
鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリイミド樹脂を用
いたフィルム接着剤が上記課題を解決することを見出
し、本発明に到達したものである。
で接着可能な耐熱性に優れたフィルム接着剤を得るべく
鋭意研究を重ねた結果、特定構造のポリイミド樹脂を用
いたフィルム接着剤が上記課題を解決することを見出
し、本発明に到達したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸成分がエチ
レングリコールビストリメリット酸二無水物aモルと他
のテトラカルボン酸二無水物bモル、アミン成分がα,
ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンc
モル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンdモル
と、他のジアミンeモルからなり、a/(a+b)≧
0.6、0.05 ≦c/(c+d+e)≦ 0.6、0.6 ≦(c+
d)/(c+d+e)、かつ 0.900≦(a+b)/(c
+d+e)≦1.06 の割合で両成分を反応させてイミド
閉環せしめたガラス転移温度が350℃以下のポリイミド
樹脂からなるフィルム接着剤である。
レングリコールビストリメリット酸二無水物aモルと他
のテトラカルボン酸二無水物bモル、アミン成分がα,
ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンc
モル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンdモル
と、他のジアミンeモルからなり、a/(a+b)≧
0.6、0.05 ≦c/(c+d+e)≦ 0.6、0.6 ≦(c+
d)/(c+d+e)、かつ 0.900≦(a+b)/(c
+d+e)≦1.06 の割合で両成分を反応させてイミド
閉環せしめたガラス転移温度が350℃以下のポリイミド
樹脂からなるフィルム接着剤である。
【0007】本発明において、接着剤を形成するポリイ
ミド樹脂を得るのに用いるエチレングリコールビストリ
メリット酸二無水物(以下EGTAと略す)は式
(1)、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサン(以下APPSと略す)は式(2)、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(以下APBと略す)は
式(3)で表わされるものである。
ミド樹脂を得るのに用いるエチレングリコールビストリ
メリット酸二無水物(以下EGTAと略す)は式
(1)、α,ω-ビス(3-アミノプロピル)ポリジメチルシ
ロキサン(以下APPSと略す)は式(2)、1,3-ビス
(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(以下APBと略す)は
式(3)で表わされるものである。
【0008】
【化1】
【化2】
【化3】
【0009】本発明で使用できる他のテトラカルボン酸
二無水物としては、例えば3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、1,2,4,
5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ビス(4-
(3,4-ジカルボキシフェニル)フェニル)プロパン二無水
物などのテトラカルボン酸二無水物、さらには分子量調
節剤として無水フタル酸(PA)などのジカルボン酸無
水物をあげることができる。
二無水物としては、例えば3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物(BPDA)、3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、1,2,4,
5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ビス(4-
(3,4-ジカルボキシフェニル)フェニル)プロパン二無水
物などのテトラカルボン酸二無水物、さらには分子量調
節剤として無水フタル酸(PA)などのジカルボン酸無
水物をあげることができる。
【0010】本発明で使用できる他のジアミンとして
は、例えば1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BAPP)、
4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4,4'-DDE)、3,
3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン
(4,4'-DDS)、3,3'-ジアミノジフェニルスルフォ
ン、2,2-ビス-4-アミノフェニルヘキサフルオロプロパ
ン(BAPF)、2,2-ビス-4-アミノフェノキシフェニ
ルヘキサフルオロプロパン(BAPPF)、ビス-4-(4-
アミノフェノキシ)フェニルスルフォン(BAPS)、
ビス-4-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルフォン(B
APSM)、4,4'-ジアミノベンズアニリド、m-フェニ
レンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノ
ジフェニルメタン、2,4-ジアミノトルエンなどのジアミ
ンをあげることができる。
は、例えば1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BAPP)、
4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4,4'-DDE)、3,
3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェ
ニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン
(4,4'-DDS)、3,3'-ジアミノジフェニルスルフォ
ン、2,2-ビス-4-アミノフェニルヘキサフルオロプロパ
ン(BAPF)、2,2-ビス-4-アミノフェノキシフェニ
ルヘキサフルオロプロパン(BAPPF)、ビス-4-(4-
アミノフェノキシ)フェニルスルフォン(BAPS)、
ビス-4-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルフォン(B
APSM)、4,4'-ジアミノベンズアニリド、m-フェニ
レンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノ
ジフェニルメタン、2,4-ジアミノトルエンなどのジアミ
ンをあげることができる。
【0011】本発明において、テトラカルボン酸成分、
ジアミン成分の各々のモル比は、テトラカルボン酸の必
須成分であるEGTAが a/(a+b)≧ 0.6、ジア
ミンの必須成分であるAPPSが 0.05 ≦c/(c+d
+e)≦ 0.6 、APBが 0.6 ≦(c+d)/(c+d
+e)の範囲になければならない。モル比が上記の範囲
にないと耐熱性が著しく劣る、あるいはガラス転移温度
が極めて高く接着作業性が悪い、有機溶剤に対する溶解
性が低下するなど、好ましくない。特に必須成分である
EGTAが酸成分の60モル%より少ないと、得られるポ
リイミド樹脂のガラス転移温度が高くなり、接着作業性
が著しく劣るようになる。APPSが60モル%を越える
と今度は逆にガラス転移温度が低くなり、耐熱性が著し
く劣るようになる。また、APPSが5モル%以下で
は、イミド化後、有機溶剤に対する溶解力が劣り好まし
くないなどの現象が顕著となり、本発明の目的に適さな
い。本発明で使用するAPPSは、式(2)におけるn
の値が 6〜10、平均分子量が600〜1000 の範囲にあるも
のが、ガラス転移温度、接着性、耐熱性の点から好まし
い。
ジアミン成分の各々のモル比は、テトラカルボン酸の必
須成分であるEGTAが a/(a+b)≧ 0.6、ジア
ミンの必須成分であるAPPSが 0.05 ≦c/(c+d
+e)≦ 0.6 、APBが 0.6 ≦(c+d)/(c+d
+e)の範囲になければならない。モル比が上記の範囲
にないと耐熱性が著しく劣る、あるいはガラス転移温度
が極めて高く接着作業性が悪い、有機溶剤に対する溶解
性が低下するなど、好ましくない。特に必須成分である
EGTAが酸成分の60モル%より少ないと、得られるポ
リイミド樹脂のガラス転移温度が高くなり、接着作業性
が著しく劣るようになる。APPSが60モル%を越える
と今度は逆にガラス転移温度が低くなり、耐熱性が著し
く劣るようになる。また、APPSが5モル%以下で
は、イミド化後、有機溶剤に対する溶解力が劣り好まし
くないなどの現象が顕著となり、本発明の目的に適さな
い。本発明で使用するAPPSは、式(2)におけるn
の値が 6〜10、平均分子量が600〜1000 の範囲にあるも
のが、ガラス転移温度、接着性、耐熱性の点から好まし
い。
【0012】重縮合反応における酸成分とアミン成分の
モル比は、得られるポリイミドの分子量を決定する重要
な因子である。ポリマーの分子量と物性、特に数平均分
子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られ、
数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れている。従
って、接着剤として実用的に優れた強度を得るために
は、ある程度高分子量であることが必要である。本発明
では、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の当量比r
は、0.900 ≦(a+b)/(c+d+e)≦ 1.06 の範
囲になければならない。0.900以下では分子量が低くて
脆くなるため、接着力や耐熱性が劣り不適当である。ま
た酸が過剰にあると未反応のカルボン酸が加熱時に脱炭
酸してガス発生、発泡の原因となり好ましくない。この
ため酸アミンモル比は上記の範囲になければならない。
モル比は、得られるポリイミドの分子量を決定する重要
な因子である。ポリマーの分子量と物性、特に数平均分
子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られ、
数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れている。従
って、接着剤として実用的に優れた強度を得るために
は、ある程度高分子量であることが必要である。本発明
では、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の当量比r
は、0.900 ≦(a+b)/(c+d+e)≦ 1.06 の範
囲になければならない。0.900以下では分子量が低くて
脆くなるため、接着力や耐熱性が劣り不適当である。ま
た酸が過剰にあると未反応のカルボン酸が加熱時に脱炭
酸してガス発生、発泡の原因となり好ましくない。この
ため酸アミンモル比は上記の範囲になければならない。
【0013】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA
C)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒド
ロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノン、
1,4-ジオキサンなどである。非プロトン性極性溶媒は、
一種類のみ用いてもよいし、二種類以上を混合して用い
てもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性
がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素
が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合
は、30重量%以下であることが好ましい。これは非極性
溶媒が30重量%以上では溶媒の溶解力が低下しポリアミ
ック酸が析出するためである。
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA
C)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、テトラヒド
ロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキサノン、
1,4-ジオキサンなどである。非プロトン性極性溶媒は、
一種類のみ用いてもよいし、二種類以上を混合して用い
てもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性
がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。トルエ
ン、キシレン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素
が良く使用される。混合溶媒における非極性溶媒の割合
は、30重量%以下であることが好ましい。これは非極性
溶媒が30重量%以上では溶媒の溶解力が低下しポリアミ
ック酸が析出するためである。
【0014】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した溶媒
に溶解し、これに閉環率98%、より好ましくは99%以上
の良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物を添加して反
応を進める。
反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製した溶媒
に溶解し、これに閉環率98%、より好ましくは99%以上
の良く乾燥したテトラカルボン酸二無水物を添加して反
応を進める。
【0015】このようにして得たポリアミック酸溶液を
続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイ
ミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環反応
を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に加え
て共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管など
の装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有機
溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、エレ
クトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れがある
ので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。ま
た、イミド化反応の触媒としてβ-ピコリン、ピリジン
などの化合物を使用することは妨げない。
続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポリイ
ミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環反応
を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に加え
て共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管など
の装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない有機
溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、エレ
クトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れがある
ので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。ま
た、イミド化反応の触媒としてβ-ピコリン、ピリジン
などの化合物を使用することは妨げない。
【0016】本発明において、イミド閉環は程度が高い
ほどよく、イミド化率が低いと接着時の熱でイミド化が
起こり、水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されているこ
とが望まれる。
ほどよく、イミド化率が低いと接着時の熱でイミド化が
起こり、水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されているこ
とが望まれる。
【0017】本発明では得られたポリイミド溶液はその
まま用いても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投
入してポリイミド樹脂を再沈析出させて未反応モノマを
取り除いて精製することが好ましい。精製、濾過、乾燥
したポリイミド樹脂は、再び有機溶剤に溶解してワニス
とする。この時使用する溶剤は反応溶媒と同じでも良
い。また塗布乾燥工程の作業性を考え、沸点の低い、好
ましくは沸点が200℃以下の溶剤を選択することも好ま
しい。200℃以下の溶剤として、本発明ではケトン系溶
剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンを、
エーテル系溶剤として1,4-ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジグライムを、アミド系溶剤としてN,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドを挙げること
ができる。これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2
種以上を混合して用いることもできる。
まま用いても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投
入してポリイミド樹脂を再沈析出させて未反応モノマを
取り除いて精製することが好ましい。精製、濾過、乾燥
したポリイミド樹脂は、再び有機溶剤に溶解してワニス
とする。この時使用する溶剤は反応溶媒と同じでも良
い。また塗布乾燥工程の作業性を考え、沸点の低い、好
ましくは沸点が200℃以下の溶剤を選択することも好ま
しい。200℃以下の溶剤として、本発明ではケトン系溶
剤としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンを、
エーテル系溶剤として1,4-ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジグライムを、アミド系溶剤としてN,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドを挙げること
ができる。これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2
種以上を混合して用いることもできる。
【0018】ポリイミド樹脂ワニスには、表面平滑性を
出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添
加剤を必要に応じて添加することができる。また、溶剤
の蒸発速度を調節するために均一に溶解する範囲で芳香
族炭化水素系溶剤を使用することもできる。
出すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添
加剤を必要に応じて添加することができる。また、溶剤
の蒸発速度を調節するために均一に溶解する範囲で芳香
族炭化水素系溶剤を使用することもできる。
【0019】本発明において、ポリイミド樹脂をフィル
ム接着剤とするには、通常はポリイミド樹脂溶液(ワニ
ス)を流延あるいは塗布して得られ、例えば、ロールや
金属シート、ポリエステルシートなどの離型シートの上
にフローコーター、ロールコーターなどによりフィルム
を形成させ、加熱・乾燥後剥離してフィルム接着剤とし
たり、耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片
面又は両面に同様にフィルム層を形成させ、支持体と共
にフィルム接着剤とするなどの方法で得ることができ
る。
ム接着剤とするには、通常はポリイミド樹脂溶液(ワニ
ス)を流延あるいは塗布して得られ、例えば、ロールや
金属シート、ポリエステルシートなどの離型シートの上
にフローコーター、ロールコーターなどによりフィルム
を形成させ、加熱・乾燥後剥離してフィルム接着剤とし
たり、耐熱性フィルム基材を支持体として用い、その片
面又は両面に同様にフィルム層を形成させ、支持体と共
にフィルム接着剤とするなどの方法で得ることができ
る。
【0020】本発明において使用する耐熱性フィルム基
材は、ポリイミド樹脂フィルムが熱膨張係数が小さく温
度変化に対する寸法安定性に優れていること、可撓性に
富み取扱い易いこと、本発明の接着樹脂との密着力が優
れている点で好ましい。特に、ガラス転移温度が350℃
以上のポリイミド樹脂は、フィルム接着剤としての性能
と接着層であるポリイミド樹脂ワニスを塗布乾燥する工
程での作業性、安定性の点で優れている。
材は、ポリイミド樹脂フィルムが熱膨張係数が小さく温
度変化に対する寸法安定性に優れていること、可撓性に
富み取扱い易いこと、本発明の接着樹脂との密着力が優
れている点で好ましい。特に、ガラス転移温度が350℃
以上のポリイミド樹脂は、フィルム接着剤としての性能
と接着層であるポリイミド樹脂ワニスを塗布乾燥する工
程での作業性、安定性の点で優れている。
【0021】接着ワニスの基材フィルムへの塗布乾燥
は、熱風乾燥炉とフローコーターやロールコーターを組
み合わせた装置などを用いることができる。ポリイミド
樹脂ワニスを塗工後、熱風乾燥炉に導きポリイミド樹脂
ワニスの溶剤を揮散させるに十分な温度と風量でもって
乾燥する。
は、熱風乾燥炉とフローコーターやロールコーターを組
み合わせた装置などを用いることができる。ポリイミド
樹脂ワニスを塗工後、熱風乾燥炉に導きポリイミド樹脂
ワニスの溶剤を揮散させるに十分な温度と風量でもって
乾燥する。
【0022】本発明のフィルム接着剤の使用方法は特に
限定されるものではないが、所定の形状に切断して加熱
したヒートブロックで熱圧着して接着するなど、接着テ
ープとして使用することができる。
限定されるものではないが、所定の形状に切断して加熱
したヒートブロックで熱圧着して接着するなど、接着テ
ープとして使用することができる。
【0023】
【作用】本発明のフィルム接着剤は、低沸点の有機溶剤
に可溶である特定構造の完全にイミド化されたポリイミ
ド樹脂を耐熱性フィルム基材に塗布して得られることを
特徴とする。接着層のポリイミド樹脂は再沈精製するこ
とによって極めて低いイオン性不純物レベルを達成でき
ると共に、低沸点の溶剤を使用しイミド化されているこ
とを合わせて加熱時の発生ガスをほぼ完全に無くすこと
ができる。
に可溶である特定構造の完全にイミド化されたポリイミ
ド樹脂を耐熱性フィルム基材に塗布して得られることを
特徴とする。接着層のポリイミド樹脂は再沈精製するこ
とによって極めて低いイオン性不純物レベルを達成でき
ると共に、低沸点の溶剤を使用しイミド化されているこ
とを合わせて加熱時の発生ガスをほぼ完全に無くすこと
ができる。
【0024】また、耐熱性に優れているにも拘らず、化
学反応を伴う熱硬化型接着剤に比べると低温で極めて短
時間に接着可能であり、テープ状に加工することによ
り、接着作業性、接着部の寸法精度を優れたものにする
ことができる。以下実施例により本発明を詳細に説明す
るが、これらの実施例に限定されるものではない。
学反応を伴う熱硬化型接着剤に比べると低温で極めて短
時間に接着可能であり、テープ状に加工することによ
り、接着作業性、接着部の寸法精度を優れたものにする
ことができる。以下実施例により本発明を詳細に説明す
るが、これらの実施例に限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹
拌機を備えた四口フラスコに、脱水精製したNMP1260
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜ
る。次にAPB 58.47g(0.200モル)とAPPS 116.
00g(平均分子量870、0.133モル)を投入し、系を60℃
に加熱し均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、系
を氷水浴で5℃に冷却し、EGTA 149.20g(0.364モ
ル)を粉末状のまま15分間かけて添加し、その後3時間
撹拌を続けた。この間フラスコは5℃に保った。
拌機を備えた四口フラスコに、脱水精製したNMP1260
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混ぜ
る。次にAPB 58.47g(0.200モル)とAPPS 116.
00g(平均分子量870、0.133モル)を投入し、系を60℃
に加熱し均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、系
を氷水浴で5℃に冷却し、EGTA 149.20g(0.364モ
ル)を粉末状のまま15分間かけて添加し、その後3時間
撹拌を続けた。この間フラスコは5℃に保った。
【0026】その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレン140gを添加した。油浴に代えて
系を200℃に加熱し発生する水を系外に除いた。4時間
加熱したところ、系からの水の発生は認められなくなっ
た。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入し
ポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃で
12時間減圧乾燥し、溶剤を除いた。KBr錠剤法で赤外
吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結合に由
来する5.6μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来す
る6.06μmの吸収を認めることはできず、この樹脂は10
0%イミド化していることが確かめられた。このように
して得たポリイミド樹脂325.52g(収率93%)をシクロ
ヘキサノン/トルエン(90/10 w/w%)に溶解し、
固形分30%のポリイミド樹脂ワニスを調製した。
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレン140gを添加した。油浴に代えて
系を200℃に加熱し発生する水を系外に除いた。4時間
加熱したところ、系からの水の発生は認められなくなっ
た。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入し
ポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃で
12時間減圧乾燥し、溶剤を除いた。KBr錠剤法で赤外
吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結合に由
来する5.6μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来す
る6.06μmの吸収を認めることはできず、この樹脂は10
0%イミド化していることが確かめられた。このように
して得たポリイミド樹脂325.52g(収率93%)をシクロ
ヘキサノン/トルエン(90/10 w/w%)に溶解し、
固形分30%のポリイミド樹脂ワニスを調製した。
【0027】このポリイミド樹脂ワニスを厚さ50μmの
ポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産(株)
製)に塗布し、熱風循環式乾燥機で120℃で0.5時間、20
0℃で1時間加熱乾燥した。冷却後フィルムの厚みを測
定し、接着層の厚みを計算したところ20μmであった。
得られたフィルムの接着面は、室温では全く粘着性を示
さずタックフリーであった。
ポリイミドフィルム(ユーピレックスS、宇部興産(株)
製)に塗布し、熱風循環式乾燥機で120℃で0.5時間、20
0℃で1時間加熱乾燥した。冷却後フィルムの厚みを測
定し、接着層の厚みを計算したところ20μmであった。
得られたフィルムの接着面は、室温では全く粘着性を示
さずタックフリーであった。
【0028】このフィルム接着剤を35μm電解銅箔の黒
処理をしていない金属光沢のある面にリン青銅製のヒー
トブロックを有する熱プレスで接着して試験片を作製し
た。接着条件は210℃2秒間熱圧着し、圧を開放後210℃
で30秒間アニールした。接着面にかかる圧力はゲージ圧
力と接着面積から計算の結果4kg/cm2であった。この試
験片の180度ピール強度は1.81kgf/cmであった。また、
85℃85%の環境下で168時間処理後の180度ピール強度は
1.46kgf/cmであり、銅に対し優れた接着力を示した。
破断面は接着樹脂層が凝集破壊し、発泡は全く認められ
なかった。また、基材のポリイミドフィルムに対しても
優れた接着力を示していることが分かった。他の性能も
含めて結果を第1表に示す。この時の酸、アミンのモル
比はそれぞれa/(a+b)=1、c/(c+d+e)
= 0.4、(c+d)/(c+d+e)=1 である。
処理をしていない金属光沢のある面にリン青銅製のヒー
トブロックを有する熱プレスで接着して試験片を作製し
た。接着条件は210℃2秒間熱圧着し、圧を開放後210℃
で30秒間アニールした。接着面にかかる圧力はゲージ圧
力と接着面積から計算の結果4kg/cm2であった。この試
験片の180度ピール強度は1.81kgf/cmであった。また、
85℃85%の環境下で168時間処理後の180度ピール強度は
1.46kgf/cmであり、銅に対し優れた接着力を示した。
破断面は接着樹脂層が凝集破壊し、発泡は全く認められ
なかった。また、基材のポリイミドフィルムに対しても
優れた接着力を示していることが分かった。他の性能も
含めて結果を第1表に示す。この時の酸、アミンのモル
比はそれぞれa/(a+b)=1、c/(c+d+e)
= 0.4、(c+d)/(c+d+e)=1 である。
【0029】(実施例2〜4)実施例1と同様の方法に
て、第1表に示した酸とアミン成分の種類と割合でポリ
イミド樹脂ワニスを調製し、ポリイミドフィルムに塗布
し、フィルム接着剤を作成した。これらの性能を第1表
に示す。
て、第1表に示した酸とアミン成分の種類と割合でポリ
イミド樹脂ワニスを調製し、ポリイミドフィルムに塗布
し、フィルム接着剤を作成した。これらの性能を第1表
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例5)実施例1で得られたポリイミ
ド樹脂ワニスを二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布
し、120℃で30分、200℃で1時間加熱乾燥した。冷却
後、ポリエステルフィルムを剥離してフィルム接着剤を
得た。このフィルムは、銅箔に対して優れた接着力を示
し、半導体チップとリードフレームの接着に極めて有効
であった。
ド樹脂ワニスを二軸延伸ポリエステルフィルムに塗布
し、120℃で30分、200℃で1時間加熱乾燥した。冷却
後、ポリエステルフィルムを剥離してフィルム接着剤を
得た。このフィルムは、銅箔に対して優れた接着力を示
し、半導体チップとリードフレームの接着に極めて有効
であった。
【0032】(比較例1)実施例1と全く同様に、AP
B 58.47g(0.200モル)と、APPS 116g(0.133モ
ル)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物42.7
5g(0.196モル)とEGTA 40.54g(0.131モル)と
からポリアミック酸を調製し、さらに加熱してイミド化
したが、反応が進むにつれ固形分が析出し、可溶性のポ
リイミド樹脂ワニスを得ることができなかった。この時
の酸、アミンのモル比はそれぞれa/(a+b)= 0.
4、c/(c+d+e)= 0.4、(c+d)/(c+d
+e)= 0.4 である。
B 58.47g(0.200モル)と、APPS 116g(0.133モ
ル)、1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物42.7
5g(0.196モル)とEGTA 40.54g(0.131モル)と
からポリアミック酸を調製し、さらに加熱してイミド化
したが、反応が進むにつれ固形分が析出し、可溶性のポ
リイミド樹脂ワニスを得ることができなかった。この時
の酸、アミンのモル比はそれぞれa/(a+b)= 0.
4、c/(c+d+e)= 0.4、(c+d)/(c+d
+e)= 0.4 である。
【0033】(比較例2)実施例1と同様に、APB 5
8.47g(0.200モル)とBAPSM 86.50g(0.200モ
ル)、EGTA 72.96g(0.235モル)とBPDA 46.1
3g(0.157モル)とからポリアミック酸を調製し、さら
に加熱してイミド化した。再沈精製後シクロヘキサノン
に溶解しようとしたが溶解せず、NMPに溶解した。こ
れを実施例1と同様にポリイミドフィルムに塗布した
が、乾燥条件は、120℃1時間、250℃1時間、300℃0.5
時間とした。銅に対する接着性の評価では、210℃70秒
で圧着したがピール強度は0.04kgf/cmであった。この
時の酸、アミンのモル比はそれぞれ a/(a+b)=
0.6、c/(c+d+e)=0、(c+d)/(c+d+
e)=0.5である。
8.47g(0.200モル)とBAPSM 86.50g(0.200モ
ル)、EGTA 72.96g(0.235モル)とBPDA 46.1
3g(0.157モル)とからポリアミック酸を調製し、さら
に加熱してイミド化した。再沈精製後シクロヘキサノン
に溶解しようとしたが溶解せず、NMPに溶解した。こ
れを実施例1と同様にポリイミドフィルムに塗布した
が、乾燥条件は、120℃1時間、250℃1時間、300℃0.5
時間とした。銅に対する接着性の評価では、210℃70秒
で圧着したがピール強度は0.04kgf/cmであった。この
時の酸、アミンのモル比はそれぞれ a/(a+b)=
0.6、c/(c+d+e)=0、(c+d)/(c+d+
e)=0.5である。
【0034】(比較例3)実施例1と同様に、APB 5
8.47g(0.200モル)とAPPS 58.00g(0.067モ
ル)、EGTA 32.43g(0.105モル)とBTDA 50.5
3g(0.157モル)とからポリアミック酸を調製し、さら
に加熱してイミド化した。再沈精製後DMFに溶解し
た。これを実施例1と同様にポリイミドフィルムに塗布
したが、乾燥条件は、120℃1時間、250℃1.5時間とし
た。銅に対する接着性の評価では、210℃70秒で圧着し
たがピール強度は0.12kgf/cmであった。この時の酸、
アミンのモル比はそれぞれ a/(a+b)=0.4、c/
(c+d+e)=0.25、(c+d)/(c+d+e)=
1である。
8.47g(0.200モル)とAPPS 58.00g(0.067モ
ル)、EGTA 32.43g(0.105モル)とBTDA 50.5
3g(0.157モル)とからポリアミック酸を調製し、さら
に加熱してイミド化した。再沈精製後DMFに溶解し
た。これを実施例1と同様にポリイミドフィルムに塗布
したが、乾燥条件は、120℃1時間、250℃1.5時間とし
た。銅に対する接着性の評価では、210℃70秒で圧着し
たがピール強度は0.12kgf/cmであった。この時の酸、
アミンのモル比はそれぞれ a/(a+b)=0.4、c/
(c+d+e)=0.25、(c+d)/(c+d+e)=
1である。
【0035】実施例に比べると、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンのモル比が本発明の範囲から外れると、
ポリイミド樹脂の溶解性や接着力が著しく低下すること
がわかる。
水物とジアミンのモル比が本発明の範囲から外れると、
ポリイミド樹脂の溶解性や接着力が著しく低下すること
がわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性と接着作業性を
両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提供すること
が可能である。特に、酸化され易い銅をリードフレーム
として使用するのに、低温短時間で接着可能であり、表
面を酸化させることがなく接着でき、半導体実装材料と
して工業的に極めて利用価値が高い。
両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提供すること
が可能である。特に、酸化され易い銅をリードフレーム
として使用するのに、低温短時間で接着可能であり、表
面を酸化させることがなく接着でき、半導体実装材料と
して工業的に極めて利用価値が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 179/08 C09J 183/10 C09J 7/02 - 7/04 C08G 73/10 C08G 77/455 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 酸成分がエチレングリコールビストリメ
リット酸二無水物aモルと他のテトラカルボン酸二無水
物bモル、アミン成分がα,ω-ビス(3-アミノプロピル)
ポリジメチルシロキサンcモル、1,3-ビス(3-アミノフ
ェノキシ)ベンゼンdモルと、他のジアミンeモルから
なり、a/(a+b)≧ 0.6、0.05≦c/(c+d+
e)≦ 0.6、0.6 ≦(c+d)/(c+d+e)、かつ
0.900≦(a+b)/(c+d+e)≦ 1.06 の割合で
両成分を反応させてイミド閉環せしめたガラス転移温度
が350℃以下のポリイミド樹脂からなるフィルム接着
剤。 - 【請求項2】 請求項1の接着剤が耐熱性フィルム基材
の片面又は両面に施されたフィルム接着剤。 - 【請求項3】 耐熱性フィルム基材が、ガラス転移温度
が350℃以上であるポリイミドフィルムである請求項2
のフィルム接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14418192A JP3164324B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 低温熱圧着可能なフィルム接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14418192A JP3164324B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 低温熱圧着可能なフィルム接着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331444A JPH05331444A (ja) | 1993-12-14 |
JP3164324B2 true JP3164324B2 (ja) | 2001-05-08 |
Family
ID=15356087
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14418192A Expired - Fee Related JP3164324B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 低温熱圧着可能なフィルム接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3164324B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10183079A (ja) * | 1996-12-26 | 1998-07-07 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 電子部品用接着テープ |
JP3839887B2 (ja) * | 1996-12-27 | 2006-11-01 | 株式会社巴川製紙所 | 電子部品用接着テープ |
JP3347632B2 (ja) * | 1997-01-30 | 2002-11-20 | 株式会社巴川製紙所 | 電子部品用接着テープ |
US7488532B2 (en) | 2003-05-14 | 2009-02-10 | Mitsui Chemicals, Inc. | Adhesive resin composition and adhesive agent in film form, and semiconductor device using the same |
-
1992
- 1992-06-04 JP JP14418192A patent/JP3164324B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05331444A (ja) | 1993-12-14 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |