JP2628007B2 - 鉛不含有ガラスおよびそれを用いたシーリング材料 - Google Patents
鉛不含有ガラスおよびそれを用いたシーリング材料Info
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Description
リットとして用いられるSnO−ZnO−P2 O5 ガラ
スであって、シール中でガラス質であるか、または結晶
化せしめられているガラスに関するものである。
合して複合体物品を形成することは熟達した技術であ
る。特に、ガラスどうしを互いに、または金属、合金、
またはセラミックとガラス部分とを接合する用途に数多
くの特別なシーリングガラスが開発されてきた。
ーリング表面をぬらすのに十分に軟化せしめられ、接着
気密結合を形成する温度まで、その材料を加熱しなけれ
ばならない。多くの目的のために、できるだけシーリン
グ温度を低く保持することが望ましい。このことは、通
常、熱感応性部分または被膜が用いられる電気製品およ
び電子製品において特に重要である。
の鉛ガラスは非常に注目されている。例えば、430 °−
500 ℃の範囲の軟化点および70−90×10-7/℃範囲の熱
膨脹係数を有する安定なシーリングガラスが米国特許第
2,642,633 号(ダルトン)に開示されている。その後の
研究は、熱的失透または結晶化にさらされた鉛−亜鉛ホ
ウ酸塩型ガラスに集中した。これらのガラスは、陰極線
管シーリング材料を探すために意図的に開発された。
ラスはガラスフリットと称する粉末形状で用いられる。
そのような用途の1つは、陰極線管のファンネル部材と
パネル部材の間にシールを形成することである。シーリ
ングガラスフリットは、通常酢酸アミルのような有機ビ
ヒクルと混合し、流動可能または押出可能ペーストを形
成する。次いでこの混合物をシーリング表面、例えば、
ファンネル部材またはパネル部材の周囲の縁に施す。ま
た、ミル添加物をガラスフリット混合物中に含有せしめ
ることが知られており、その主な理由は、シールの極限
(ultimate)熱膨脹係数を変更および/または
制御することにある。
ル部材を接合するシーリングガラスフリットには多くの
要件がある。そのなかで主な要件は、440 °−450 ℃の
最大温度におけるガラスの優れた流動、およびシール中
の低い残留ひずみである。後者は一般的に、約100 ×10
-7/℃の熱膨張係数(CTE)を必要とする。
ガラスフリットは多くの他の好ましい特性を有するべき
である。これらの特性には、シーリングされるガラス部
分の良好な湿潤性、回収目的のための通常の工業溶媒へ
の溶解度、および有機ビヒクルとの相容性があげられ
る。特に、フリットは、鉛ガラスフリットに対して現在
商業的に用いられているビヒクルである酢酸アミルとの
相容性を有しなければならない。
着、真空脱気またアニーリングのための二次的な(シー
ル後の)熱処理を必要とする。この第2の熱工程は、一
般的にシーリング操作よりも低い温度で行なわれる。し
かしながら、必要とされる温度は、フリットシールの粘
性変形を生じるほど十分に高い。これは、シーリングし
た組立体のゆがみとミスアラインメントをもたらす。こ
れらの理由のために、シーリング工程の最初の段階で広
い間隔でガラス質流動を生じる(理想的に)失透フリッ
トが用いられる。その後は、フリットが結晶化して、ゆ
がむことなく続いてのいかなる熱工程にも耐えられる堅
い、変形抵抗物質となる。
れるフリットは、結晶化および非結晶化の両者の亜鉛−
鉛ホウ酸塩シーリングガラスである。これらのガラス
は、長年に亘って用いられており、非常にうまくいくこ
とが証明されている。いうまでもなく、鉛−亜鉛ホウ酸
塩ガラスの好ましい特性の全てを有するが、いくぶん低
いシーリング温度を有するシーリングガラスフリットが
続いて望まれている。さらに、健康と安全の尺度とし
て、できるだけ鉛化合物の使用を避けるために奮闘して
いる。
国特許にも注意を向けられたい。
してSnOとMnOを含有する蛍光アルミノリン酸亜鉛
ガラスを記載している。
応じて多くの酸化物を含有し、そのうちの1つが35モル
パーセントまでのSnOを含有するR2 O−ZnO−P
2 O5 ガラスを開示している。そのガラスは450 ℃より
低い転移温度を有する。
ラスレンズ用のR2 O−ZnO−P2 O5 ガラスを開示
している。そのガラスは、20モルパーセントまでのSn
Oを含有し、屈折率を増大せしめている。
応じて10モルパーセントまでのSnOを含有するR2 O
−ZnO−P2 O5 ガラスを開示している。そのガラス
は350 ℃より低い転移温度を有する。
混合物を開示している。
属を金属またはガラスにシーリングするR2 O−Al2
O3 −ZnO−P2 O5 ガラスを開示している。
常に低い転移温度を有するスズ−亜リン酸−オキシフッ
化物ガラスを開示している。
鉛シーリングガラスの有効CTEを減じるピロリン酸マ
グネシウムの結晶性構造を有するピロリン酸塩の使用を
開示している。
ンフォードらのガラスの有効CTEを減少せしめる、ピ
ロリン酸塩を含有するミル添加物を開示している。
基本目的は、鉛不含有シーリングガラスフリットを提供
することにある。本発明のさらなる目的は、陰極線管の
ファンネル部材とパネル部材の間に融解シールを形成す
るのに適合した特性を有する鉛不含有ガラスを提供する
ことにある。本発明の別の目的は、新しい鉛不含有ガラ
スの有効CTEを変更して、潜在的な用途を、より低い
CTEを有するシーリング成分に広げる手段を提供する
ことにある。さらに別の目的は、400 −450 ℃の範囲の
温度で融解シールを形成できる中温シーリングガラスフ
リットを提供することにある。さらなる目的は、結晶化
シールを形成するが、結晶化前の450 ℃で良好な流動特
性を保持し、およそ100 ×10-7/℃のCTEを有する鉛
不含有シーリングガラスフリットを提供することにあ
る。
含有のSnO−ZnO−P2 O5 ガラスであって、該ガ
ラス組成が、酸化物基準のモルパーセントで計算して、
25−50%のP2 O5 およびSnO:ZnOのモル比が
1:1から5:1の範囲にあるような量のSnOとZn
Oから実質的になる。
のSnO−ZnO−P2 O5 ガラスフリットを含有する
シーリング材料であって、該ガラスフリットの組成が、
酸化物基準のモルパーセントで計算して、25−50%のP
2 O5 およびSnO:ZnOのモル比が1:1から5:
1の範囲にあるような量のSnOとZnOから実質的に
なるものであるシーリング材料にある。
からなる複合体物品であって、前記構成部分が、融解シ
ール、すなわち、活性成分としてSnO−ZnO−P2
O5シーリングガラスフリットを含有するシーリング材
料の融解物により接合され、そのガラスフリットの組成
が、酸化物基準のモルパーセントで計算して、25−50%
のP2 O5 およびSnO:ZnOのモル比が1:1から
5:1の範囲にあるような量のSnOとZnOから実質
的になるものである複合体物品に関する。
SnO:ZnOのモル比が1:1から5:1の範囲にあ
るような量のSnOとZnOから実質的になり、1−5
モルパーセントのジルコンおよび/またはジルコニアお
よび1−15モルパーセントのR2 O(Li2 Oおよび/
またはNa2 Oおよび/またはK2 O)からなる群より
選択される少なくとも1つの結晶化促進剤を含有するガ
ラスのバッチを配合し、混合し、溶融せしめ、その溶融
物からシーリングガラスフリットを生成し、該フリット
を含有するシーリング材料を形成し、該シーリング材料
をシーリング表面に施し、該表面にシールを形成するの
に十分な時間に亘り400 −450 ℃の範囲に加熱する各工
程からなる、少なくとも部分的に結晶化せしめられたシ
ールを製造する方法を含む。
ら実質的になる一群のガラスの発見に主に基づくもので
ある。本発明はさらに、これらのガラスは、特にフリッ
トの形態で、非常に有効な中温(400 −450 ℃)シーリ
ングガラスを提供するという発見に基づくものである。
そのガラスの応用分野を限定するものではないが、これ
らのガラスは、中温シーリングガラスとして現在用いら
れている鉛高含有量シーリングガラスの代替として特に
興味を引くものである。本発明のガラスの主な特徴は、
鉛を含有しないことにある。
を低下せしめる、ハロゲン化物、特にフッ化物の能力は
よく知られている。したがって、本発明のガラスは必要
に応じて10モルパーセントまでのハロゲン化物を含有す
る。しかしながら、製品を真空下で操作しなければなら
ない場合、そのようなハロゲン化物含有ガラスは加熱中
にガスを放出する心配がある。それゆえ、陰極線管シー
リングに関して、シーリングガラスはハロゲン化物を含
まないことが好ましい。
軟化せしめることも知られている。そのような添加物
は、シーリング表面の湿潤性も改善する。しかしなが
ら、それらの添加物は、熱膨脹係数を増大せしめ、およ
び/または耐候性を低下せしめる傾向にある。さらに、
電気的用途において、ガラス中のアルカリは、電気特性
に悪影響を与え、移行を起こす傾向がある。したがっ
て、本発明のガラスにおいて15モルパーセントまでのR
2 Oは許容されるが、10モルパーセント未満が好まし
く、本発明のガラスの特徴は、アルカリを含まなくても
よいことにある。
るための、約5モルパーセントまでのSiO2 、ガラス
を軟化せしめるための、約20モルパーセントまでである
が好ましくは10モルパーセントを超えないB2 O3 、お
よび耐水性を改善するための、約5モルパーセントまで
のAl2 O3 があげられる。ガラスはまた、5モルパー
セントまでのR′O(ここでR′は1つ以上のアルカリ
土類金属)、合計で10モルパーセントまでの1つ以上の
ハロゲン化物、合計が5モルパーセントまでのTi
O2 、ZrO2 およびNb2 O5 の1つ以上を含有して
もよい。そのような任意の酸化物成分の合計、すなわ
ち、SnO、ZnOおよびP2 O5 以外の成分の合計は
約20モルパーセントを超えるべきではない。
ラスが還元状態にあること、すなわち、スズが主に第一
スズ(Sn+2)状態にあることである。この目的のため
に、スズを第一スズ状態、すなわち、スズ精鉱(Sn
O)としてガラスバッチに添加する。あるいは、ライト
スズ(SnO2 )を用いる場合、大部分のスズが2価
(SnO)状態となるように、糖などの還元剤を加える
べきである。しかしながら、スズがさらに金属にまで還
元されるような激しい還元条件を用いないように注意し
なければならない。SnO2 が相当な量で存在する場
合、フリットがシーリング温度に加熱されると早期に結
晶化するように思われる。その結果、フリットは、強力
なシールに望まれるようには流動せずかつシーリング表
面をぬらさない。
ル、すなわち、約25モルパーセントのP2 O5 から、メ
タリン酸塩のレベル、すなわち、約50モルパーセントの
P2 O5 までの範囲のP2 O5 含有量に対して得られ
る。
て、ガラスは29−33モルパーセントのP2 O5 を含有す
ることが好ましい。より低いP2 O5 含有量のフリット
は、シーリング処理中に不規則で再生不可能な流動挙動
を示す傾向にある。高いP2 O5 含有量のフリットは、
結晶化が全く起こらないシールであるところの全ガラス
質シールを形成する傾向にある。また、そのような高い
P2 O5 含有量のガラスは、化学攻撃に対する耐久性が
小さい傾向にある。
しばしばその後の再加熱工程を必要とする。そのような
用途で特に興味のある1つは、陰極線管のファンネル部
材とパネル部材の間のシールである。そこでその陰極線
管は、焼出し等のその後の処理において325 −375 ℃の
範囲の温度に再加熱される。そのような温度では、全ガ
ラス質シールは、ガラス流動が生じるほど十分に軟化し
て陰極線管の成分のミスアラインメントを生じさせる可
能性がある。
流動を避ける堅い結晶化シールの必要性が生じる。この
必要条件により、シーリング工程中の本発明のガラスを
結晶化せしめることを意図した研究が行なわれた。より
詳しくは、結晶化を遅れさせて、完全な結晶化前に、45
0 ℃までの良好なガラス流動特性が保持されるようにす
ることが求められた。
ア(ZrO2 )のいずれかをガラスバッチに添加するこ
とにより、SnO−ZnO−P2 O5 系のガラスフリッ
トの結晶化が達成できることが分かった。1から5モル
パーセントの量のいずれかの材料は、内部核剤として作
用して結晶化を促進せしめる。ZrSiO4 は、2つの
内でより効果的なものである。
2 Oを含有させることによっても、結晶化は達成でき
る。アルカリ金属酸化物は、前駆体ガラス中でガラス−
イン−ガラスの相分離を生じさせるようである。これ
は、核形成および結晶化の部位を形成する。
める際に、ZrSiO4 またはZrO2 のいずれよりも
効果的ではない。しかしながら、驚くべきことに、アル
カリ金属酸化物がZrSiO4 またはZrO2 のいずれ
かとともにSnO−ZnO−P2 O5 ガラスに加えられ
る場合、その組合せにより、いずれのジルコニウム化合
物単体よりも高い結晶化が得られた。
が相乗作用を起こし、SnO−ZnO−P2 O5 ガラス
において高度な結晶化度を達成する。しかしながら、白
金が単体で用いられる場合、結晶化度を実際には高めて
いない。必要とされる白金の量は非常に小さく、その上
限は価格により規定される。0.001 から0.1 モルパーセ
ントが効果的であることが分かった。
を与えるだけでなく、結晶化工程も遅れるので、この組
合せが特に望ましい。それゆえ、白金とジルコンで変性
したガラスの流動ボタンを450 ℃に加熱して1時間保持
した。最初の保持段階で流動が生じ、ボタンは、完全に
ガラス質であることを示すガラス質外観を有した。保持
期間の終り際に、ボタン表面は織りの外観を示した。こ
れは結晶化が生じたことを示すものである。
ガラス中に取り込まなければならない;それらはミル添
加物として添加される場合には効果的ではない。また、
他のガラスにとって効果的な他の内部核剤は、本発明の
ガラスにおいて結晶化を促進せしめるのには効果的では
ないことが分かった。
ウム化合物またはアルカリ金属酸化物の添加のいずれか
により達成される結晶化度をさらに高める様々な応用手
段を発見した。そのような応用手段の1つは、SnO:
ZnOのモル比を1.8 :1まで低下せしめることであ
る。もう1つは、29−30%の範囲でP2 O5 含有量を用
いることである。また、別な手段は、10−20ミクロンの
範囲の平均粒子フリットサイズを用いることである。
SnO−ZnO−P2 O5 ガラスバッチに添加すること
は、ガラスから生成したシーリングフリット、特にソー
ダ石灰シリカガラスによるシールの接着特性に非常に有
利な効果がある。ガラス中に溶融させる量は、5モルパ
ーセントまでのMoO3 、5モルパーセントまでのWO
3 および/または0.10モルパーセントまでのAgであっ
た(5.5 重量%までのMoO3 、8.7 重量%までのWO
3 および0.08重量%までのAg金属に相当する)。
安定なガラスが形成される。ガラスの溶融と冷却中に失
透しないためには、1:1から5:1の範囲のSnO:
ZnOモル比が好ましい。シール中の最大限の流動特性
と耐水性特性を得るためには、1.7 :1から2.3 :1の
範囲が好ましい。その比はモルパーセント基準である。
れてシールのようになるときに、熱膨脹係数は一般的
に、95−115 ×10-7/℃の範囲にある。これらの値は、
焼成ボディが全てガラス質または部分的に結晶化してい
る形態にある場合に得られる。
ガラスおよび未知の結晶相からなるフリットに対して得
られた。後者は、X線回折(XRD)により示される3.
86オングストロームの最大ピークにより特徴付けられ
る。この特定の化合物は、25から約33モルパーセントの
P2 O5 含有量に亘り容易に形成された。第2の結晶相
が存在した場合に(3.41オングストロームのXRD最大
ピーク)、フリット中に望ましくない流動が生じた。3.
41オングストロームの相はおそらく、第2の結晶化物と
して生じ、シーリング用フリットに必要な長い期間のガ
ラス質流動を妨害した。
25−28モルパーセントのP2 O5 範囲に亘ってフリット
中に一貫性なく生じた:この相の存在は、Sn+2/Sn
+4比に敏感であるように思われた。この相は、約29モル
パーセント以上のP2 O5 含有量の元ではほとんど観察
されなかった。Zn−メタリン酸塩ガラスとSnOおよ
びSnO2 の様々な混合物とを400 °−600 ℃で長時間
に亘り反応させることによる、「良い」3.86オングスト
ローム相、または「悪い」3.41オングストローム相のい
ずれかを合成する試みは失敗に終わった。
O5 フリットの、市販のファンネルガラスとの良好な膨
脹適合性および優れた440 ℃の流動が確認された。加え
て、フリットは、満足できる、酢酸アミルとの物理的お
よび化学的特性を有することが報告され、陰極線管ガラ
スとの良好な湿潤性を有することが観察された。また、
フリット/酢酸アミルペーストの焼成試料は、コンダク
タンス試験における漏電で非常に満足な水準(0.1 nA
未満の電流量と測定された)を有した。
た表Iを参照しながら、本発明についてさらに詳細に説
明する。熱膨脹係数(CTE)は、室温と250 ℃の間の
平均膨張変化である。示した値に10-7/℃を掛けたもの
が、実際の測定値である。ひずみ点(St.Pt.)お
よびアニール点(An.Pt.)は℃で示す。450 ℃で
作られたシール中のガラス流動の質も示してある。
物基準のモルパーセントで組成を示す。対応する重量部
で示した組成を、表IBに示す。これらの組成の合計は
ほぼ100 になるので、パーセントとみなせる。表IC
は、記録した組成を有するガラスの関連特性を記載す
る。
2)状態で存在しなければならない。しかしながら、ス
ズの計算はSnO2 として報告するのが慣例であり、そ
の慣例をここでも採用する。このため、還元の程度に応
じて、酸化スズの値において約10パーセントまでの不一
致が生じるかもしれないことに留意されたい。
易に得られる原材料から調製した。これらの原材料に
は、リン酸アンモニウム、酸化亜鉛およびスズ精鉱(S
nO)があげられる。所望であれば、酸化物を形成でき
る他の材料も使用できる。例えば、リン酸アンモニウム
は、リン酸(H3 PO4 )により全体を、または一部を
代替できる。また、ライトスズ(SnO2 )と糖、また
はピロリン酸第1スズ(Sn2 P2 O7 )は、酸化第1
スズ(SnO)の供給源として用いられる。
な混合物を得て、次いで覆い付きシリカるつぼ中に装填
した。各バッチを900 °−1000℃の範囲の温度で2−4
時間に亘り溶融せしめた。この溶融物をスチールローラ
ーの間に注いで、フレークに冷却した。フレークを集積
し、約20ミクロンの平均粒径を有する粉末フリットにボ
ールミル粉砕した。バルクガラスで得られた、粘度また
は膨脹データのようなデータは、フリット挙動を予測す
るのにあまり適切ではないので、各組成はフリット形状
で評価した。
した様々な添加物を有する一連のSnO−ZnO−P2
O5 ガラス組成を示す。表IIAはモルで組成を示し、
一方表IIBは重量部で同一の組成を示す。基礎成分
(SnO2 、P2 O5 およびZnO)に関して示した含
有量は、合計が各組成においてほぼ100 になる。そのた
め、添加物は過剰分を構成する。
ように溶融せしめた。このように調製したガラスを急冷
して破砕ガラスとし、これを粉砕して約20ミクロンサイ
ズのフリットとした。各フリットを型に入れ、乾燥プレ
スしてもとの直径が0.5 インチの流動ボタンを形成し
た。これらのボタンを耐火性の土台上に配し、450 ℃で
1時間の標準焼成スケジュールを施した。予備的なスク
リーニングの目的で、流動の程度を焼成ボタンの状態か
ら視覚により測定した。
にプレスして、ボタンと同様なスケジュールで焼成し
た。ボタンとバーの両方をXRDにより試験した。ほと
んどの場合、単一の未確認結晶相が、3.86オングストロ
ーム、2.99オングストロームおよび2.52オングストロー
ムでの主要XRDピークで得られた。これは、Sn−Z
nリン酸塩化合物であると同定されたが、その結晶型は
同定されなかった。観察したXRDピーク強度(カウン
ト/秒)は、表IIAのXRDピーク高さで示した。ピ
ーク強度の相対的な大きさにより、結晶化潜在能力の大
雑把な比較ができる。データが示すように、最大の潜在
能力、従って観察された結晶化度が最大であったのは、
実施例14のガラスであった。この実施例においては、ジ
ルコンとアルカリ金属酸化物が添加され、比較的低いP
2 O5 含有量およびSnO/ZnO比が使用された。
析を示す。この図において、3つのピークが明確に示さ
れている。図2は、表IIの実施例15の基礎ガラスの焼
成フリットについての結果を示す。この結果にはピーク
がなく、この試料に結晶化がないということを示してい
る。この図において、1秒当たりのカウント数でX線の
強度を縦軸にプロットし、2θの角度の回折角度(銅の
照射)を横軸にプロットしている。
により、このフリットは、陰極線管製造のためのシーリ
ングフリットとしての使用に特に魅力的である。シーリ
ングされる陰極線管ガラス部材の線熱膨脹係数は、本発
明のシーリングフリットの示す値である95−115 ×10-7
/℃よりも低くてもよい。そのような場合、このこと
は、低膨脹のミル添加により改良される。
は、β−石英固溶体である。この材料の結晶は、ゼロ近
傍のCTE値を示す。この材料の劇的な効果は、5重量
%と10重量%のミル添加物を、表Iの実施例1の組成を
有するガラスフリットに行った試験により分かる。この
添加により、104.2 ×10-7/℃の実際のCTEが、それ
ぞれ、95.8×10-7/℃と84.2×10-7/℃の効果的な値に
変化した。
源は、約20ミクロンの平均粒径を有する粒子からなるも
のであった。これらは、ビジョンR の商標でニューヨー
ク州、コーニング、コーニングインコーポレーテッドか
ら市販されているガラスセラミックの調理器具をボール
ミル粉砕したものから得た。米国特許第4,018,612 号
(チャン)にその組成が記載されているガラスセラミッ
ク材料は、90容積%以上が結晶質である。β−石英固溶
体は実質的に唯一の結晶相を構成する。
リングフリットの膨脹係数を低下させる、当業者に知ら
れた他のミル添加物を本発明のフリットに含ませること
もできる。しかしながら、所望の範囲に膨脹係数を低減
させるのには、それらの材料を約15−30%添加する必要
がある。この量は、フリットの流動に不利な影響を与え
る。したがって、本発明のフリットに使用可能なミル添
加物は、約15重量%を超えるような量の添加を必要とし
ないような、非常に小さい線熱膨脹係数を有するもので
ある。そのような材料としては、β−スポジュメン固溶
体、インバー合金(Invar alloy)(64%鉄/36%ニッ
ケル)、β−ユークリプタイト固溶体、溶融石英、およ
びビカーR ブランドの96%SiO2 ガラスが挙げられ
る。
るピロリン酸塩結晶性物質が、米国特許第5,089,445 号
(フランシス)に、小さい熱膨脹係数を示すミル添加物
として記載されている。そこに開示されたピロリン酸塩
ミル添加物は、マグネシウム、アルミニウム、ヒ素、コ
バルト、鉄、亜鉛およびジルコニウムからなる群より選
択される少なくとも1つの陽イオンを含有する。
のガラスの膨脹係数を効果的に下げることが分かった。
それらの材料は比較的少量の添加で、比較的小さい膨脹
材料と共に使用できるシーリング混合物を提供するの
で、特に望ましく用いられる。これらの添加物には、約
65×10-7/℃の熱膨張係数を有するアルミナ、35−55×
10-7/℃の膨脹係数を有するホウケイ酸塩ガラスおよび
40×10-7/℃の膨脹係数を有するシリコンがあげられ
る。
ン酸塩は、10ミクロンから25ミクロンの範囲の粒径を有
するべきである。10ミクロン未満では、効果的なCTE
の低下をもたらす反転が生じない。一方、25ミクロンよ
り大きい場合には、シール中に亀裂が生じる傾向があ
る。これは、粉末形状のインバー(Invar)を添加する
ことにより、ある程度緩和できる。
リング材料である。これは、10グラムの実施例1のガラ
スと、0.8 グラムのMg Co P2 O7 および3.0 グ
ラムのインバー粉末を混合することにより調製できる。
シーリング材料を、アルミナの膨脹特性を有するガラス
に施した。この材料を430 ℃に加熱してガラスを溶融
し、シールを調製した。旋光計測定により、融解シール
とガラスとの間でガラスTgから室温への膨脹係数の整
合が示された。
る。
O−P2 O5 ガラスであって、該ガラス組成が、酸化物
基準のモルパーセントで計算して、25−50%のP
2 O5 、およびSnO:ZnOのモル比が1:1から
5:1の範囲にあるような量のSnOとZnOから実質
的になることを特徴とするリン酸塩ガラス。
的に、5モルパーセントまでのSiO2 、20モルパーセ
ントまでのB2 O3 および5モルパーセント%までのA
l2 O3 からなる群より選択される少なくとも1つの変
性酸化物(modifying oxide)(すなわち改質用酸化物)
を含有し、該変性酸化物の合計が20モルパーセントを超
えないことを特徴とする実施態様1記載のリン酸塩ガラ
ス。
29−33モルパーセントであることを特徴とする実施態様
1記載のリン酸塩ガラス。
ル比が1.7 :1から2.3 :1の範囲にあることを特徴と
する実施態様1記載のリン酸塩ガラス。
的に、1−5モルパーセントのジルコンおよび/または
ジルコニアおよび1−15モルパーセントのアルカリ金属
酸化物からなる群より選択される少なくとも1つの結晶
化促進剤を含有することを特徴とする実施態様1記載の
リン酸塩ガラス。
進剤が1−5モルパーセントのジルコンであることを特
徴とする実施態様5記載のリン酸塩ガラス。
的に、0.001 −0.1 モルパーセントの粉末白金を含有す
ることを特徴とする実施態様6記載のリン酸塩ガラス。
的に、1−15モルパーセントのアルカリ金属酸化物を含
有することを特徴とする実施態様6記載のリン酸塩ガラ
ス。
ZnOからなることを特徴とする実施態様1記載のリン
酸塩ガラス。
のWO3 、5モルパーセントまでのMoO3 および0.10
モルパーセントまでのAg金属からなる群より選択され
るシール密着促進剤を含有することを特徴とする実施態
様1記載のリン酸塩ガラス。
有のSnO−ZnO−P2 O5 ガラスフリットを含有す
るシーリング材料であって、該ガラスフリットの組成
が、酸化物基準のモルパーセントで計算して、25−50%
のP2 O5 およびSnO:ZnOのモル比が1:1から
5:1の範囲にあるような量のSnOとZnOから実質
的になることを特徴とするシーリング材料。
P2 O5 ガラスフリットがその組成中に追加的に、合計
の15パーセントまでの、1−5モルパーセントのジルコ
ンおよび/またはジルコニア、1−15モルパーセントの
アルカリ金属酸化物およびジルコンと0.001 −0.1 モル
パーセントの粉末白金との組合せからなる群より選択さ
れる少なくとも1つの結晶化促進剤を含有することを特
徴とする実施態様11記載のシーリング材料。
のWO3 、5モルパーセントまでのMoO3 および0.10
モルパーセントまでのAg金属からなる群より選択され
るシール密着促進剤を含有することを特徴とする実施態
様11記載のシーリング材料。
中のフリットの有効熱膨脹係数を下げる小さい熱膨張係
数を有するミル添加物を含有することを特徴とする実施
態様11記載のシーリング材料。
英結晶性粒子からなることを特徴とする実施態様14記
載のシーリング材料。
g、Al、As、Co、Fe、ZnおよびZrからなる
群より選択される少なくとも1つの陽イオンを含有する
ピロリン酸塩結晶性物質の粒子からなることを特徴とす
る実施態様14記載のシーリング材料。
部分からなる複合体物品であって、前記構成部分が、活
性成分としてSnO−ZnO−P2 O5 シーリングガラ
スフリットを含有するシーリング材料の融解物である融
解シールにより接合され、そのガラスフリットの組成
が、酸化物基準のモルパーセントで計算して、25−50%
のP2 O5 およびSnO:ZnOのモル比が1:1から
5:1の範囲にあるような量のSnOとZnOから実質
的になることを特徴とする物品。
追加的に、前記融解物品中の有効熱膨脹係数を下げる小
さい熱膨脹係数を有するミル添加物を含有することを特
徴とする実施態様17記載の物品。
くとも部分的に結晶化せしめられていることを特徴とす
る実施態様17記載の物品。
陰極線管のファンネル部材とパネル部材であることを特
徴とする実施態様17記載の物品。
よびSnO:ZnOのモル比が1:1から5:1の範囲
にあるような量のSnOとZnOから実質的になり、1
−5モルパーセントのジルコンおよび/またはジルコニ
アおよび1−15モルパーセントのR2 Oからなる群より
選択される少なくとも1つの結晶化促進剤を含有するガ
ラスのバッチを配合し、混合し、溶融せしめ、その溶融
物からシーリングガラスフリットを生成し、該フリット
を含有するシーリング材料を形成し、該シーリング材料
をシーリング表面に施し、該表面にシールを形成するの
に十分な時間に亘り400 −450 ℃の範囲に加熱する各工
程からなる実施態様19記載の少なくとも部分的に結晶
化せしめられたシールを製造する方法。
グラフ
トを説明するグラフ
Claims (7)
- 【請求項1】 鉛不含有のSnO−ZnO−P2 O5 ガ
ラスであって、該ガラスの組成が、酸化物基準のモルパ
ーセントで計算して、25−50%のP2 O5 、およびSn
O:ZnOのモル比が1:1から5:1の範囲にあるよ
うな量のSnOとZnOから実質的になることを特徴と
するリン酸塩ガラス。 - 【請求項2】 前記ガラスの組成がさらに、5モルパー
セントまでのSiO2 、20モルパーセントまでのB2 O
3 および5モルパーセントまでのAl2 O3からなる群
より選択される少なくとも1つの改質用酸化物を含有
し、該改質用酸化物の合計が20モルパーセントを超えな
いことを特徴とする請求項1記載のリン酸塩ガラス。 - 【請求項3】 前記ガラスの組成がさらに、(i) 1−5
モルパーセントのジルコンおよび/またはジルコニア
と、(ii)1−15モルパーセントのアルカリ金属酸化物
と、(iii) ジルコンと0.001 −0.1 モルパーセントの粉
末白金との組合せという、(i) 〜(iii) の構成要素から
なる群より選択される少なくとも1つの結晶化促進剤を
含有することを特徴とする請求項1記載のリン酸塩ガラ
ス。 - 【請求項4】 5モルパーセントまでのWO3 、5モル
パーセントまでのMoO3 および0.10モルパーセントま
でのAg金属からなる群より選択されるシール密着促進
剤を含有することを特徴とする請求項1記載のリン酸塩
ガラス。 - 【請求項5】 鉛不含有のSnO−ZnO−P2 O5 ガ
ラスフリットを含有するシーリング材料であって、該ガ
ラスフリットの組成が、酸化物基準のモルパーセントで
計算して、25−50%のP2 O5 、およびSnO:ZnO
のモル比が1:1から5:1の範囲にあるような量のS
nOとZnOから実質的になるものであることを特徴と
するシーリング材料。 - 【請求項6】 融解シールの熱膨脹係数を減少させる低
い熱膨張係数を有するミル添加物を含有することを特徴
とする請求項5記載のシーリング材料。 - 【請求項7】 少なくとも2つの構成部分からなる複合
体物品であって、前記構成部分が、SnO−ZnO−P
2 O5 シーリングガラスフリットを含有するシーリング
材料の融解物である融解シールにより接合されており、
そのガラスフリットの組成が、酸化物基準のモルパーセ
ントで計算して、25−50%のP2 O5、およびSnO:
ZnOのモル比が1:1から5:1の範囲にあるような
量のSnOとZnOから実質的になるものであることを
特徴とする複合体物品。
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