JP2623856B2 - 内燃機関のシリンダヘッド - Google Patents

内燃機関のシリンダヘッド

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    • F02F2001/245—Arrangement of valve stems in cylinder heads the valve stems being orientated at an angle with the cylinder axis

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関する。
（従来の技術およびその課題） 自動車用機関では気筒毎に２本の吸気弁または排気弁
を備え、吸気弁と排気弁のそれぞれに対応してシリンダ
ヘッド上に２本のカムシャフトを備えるDOHC型の動弁機
構が普及している。
この種のシリンダヘッドとして、従来例えば特公平１
−22464号公報に開示されているように、カムシャフト
と吸排気弁の間にエンドピボット式ロッカアームを備え
て、吸排気弁のリフト量を比較的大きく確保するものが
ある。
この場合、ロッカアームの基端を揺動可能に支持する
ピボットはカムシャフトより内側に設けられ、ピボット
を装着するボスを点火栓用ボスのまわりに集めるととも
に、ピボットにオイルを供給する油通路等をシリンダヘ
ッドの中央部に配設していた。
しかしながら、このようにシリンダヘッド上に点火栓
用ボスを挾んで吸気弁用ロッカアームと排気弁用ロッカ
アームが背中合わせに並ぶ構造は、吸気弁軸と排気弁軸
の為すバルブ挾角がロッカアームの長さによって制約さ
れるため、ペントルーフ型燃焼室壁の傾斜が大きくな
り、機関圧縮比を制約する原因になった。
この対策として、吸気弁用ロッカアームと排気弁用用
ロッカアームそれぞれの揺動先端が互いに向かい合う構
造とすることが考えられる。しかしながら、その場合は
ピボット装着穴が吸排気ポートの開口するシリンダヘッ
ドの側部に設けられるため、吸排気ポートの形状を制約
したり、あるいはピボット装着穴の深さを十分に確保す
ることができないという問題点が生じた。
本発明は、こうした従来の問題点を解決することを目
的とする。
（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本発明では、気筒毎に２本の
吸気弁または排気弁を備える内燃機関のシリンダヘッド
において、２本の吸気弁または排気弁の両弁軸頂部に当
接するＹ字形のロッカアームと、このロッカアームの基
端を揺動可能に支持するピボットと、ロッカアームを揺
動させるカムシャフトとを備えるとともに、ピボットを
カムシャフトに対して外側に配置する一方、共通の気筒
に連通する２つの吸気ポートまたは排気ポートはシリン
ダヘッド内で互いに集合する双胴型とし、ピボットを装
着するピボット装着穴を吸気ポートまたは排気ポートの
分岐点より内側で、２つのポート間に挾まれる位置に形
成した。
（作用） ２つの吸排気弁を駆動するロッカアームをＹ字形にし
て１本にまとめるとともに、各ピボット装着穴を双胴型
吸気ポートまたは排気ポートの分岐点より内側に位置し
て形成することにより、吸気ポートまたは排気ポートの
流路形状を制約することがなく、ピボット装着穴の深さ
を十分にとってピボットの取付け剛性を確保でき、ある
いはピボット装着穴に油圧式ラッシュアジャスタを介装
することが可能となる。
これにより、４弁式機関でも吸気弁用ロッカアームと
排気弁用ロッカアームそれぞれの揺動先端が互いに向か
い合う構造とすることができ、吸気弁軸と排気弁軸の為
すバルブ挾角がロッカアームの長さによって制約される
ことが回避され、ペントルーフ型燃焼室の壁面傾斜角度
を小さくして機関圧縮比等を所望の高い値に設定するこ
とができる。
（実施例） 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第１図に示すように、シリンダヘッド１はDOHC型４気
筒機関に備えられるもので、気筒毎に吸気弁と排気弁を
２本ずつ備える。
シリンダヘッド１には各気筒の中央部に点火栓を装着
するプラグボス11が形成され、このプラグボス11のまわ
りに吸排気弁をそれぞれ摺動可能に挿入させる４つのバ
ルブボス12,13が形成される。
シリンダヘッド１には気筒端および隣合う各気筒間に
位置して、吸気弁用と排気弁用の各カムシャフトの軸受
部14,15が形成される。
第２図にも示すように、各カムシャフト軸受部14,15
にはヘッドボルト通し穴16,17が形成されるとともに、
各ヘッドボルト通し穴16,17の下方にはヘッドボルト孔1
8,19が形成される。したがって、シリンダヘッド１をシ
リンダブロックに締結するヘッドボルトは所定の間隔で
配設され、ガスケットを介して十分なシール性を確保で
きる。
各カムシャフト軸受部14,15とプラグボス11を梁状に
結ぶリブ20が形成され、所定の剛性を確保する。
シリンダヘッド１上にはカムに従動して吸気弁または
排気弁を開閉作動させるＹ字形のロッカアーム2,3を備
える。各ロッカアーム2,3はＹ字形に分岐する２つの先
端が各吸気弁軸または排気弁軸の頂部に当接し、１つの
基端がピボットを介して揺動可能に支持される。
各ロッカアーム2,3の基端を揺動可能に支持するピボ
ットは平面図（第１図）上でカムシャフトに対して外側
に配置され、シリンダヘッド１にはピボットが装着され
るピボット装着穴21,22が開口するボス28,29が左右側壁
部23,24に近接して形成される。
第３図に示すように、吸気ポート４は共通の気筒に連
通する２つのポートがシリンダヘッド１内で互いに集合
する双胴型とし、各ピボット装着穴21,22は２つの吸気
ポート４の間に挾まれるようにして所定の深さで形成さ
れる。
第４図にも示すように、ピボット装着穴21はその底部
21aが吸気ポート４の分岐点4aの内側に位置して、各吸
気ポート４との間にシリンダヘッド母材の肉厚が所定値
だけ残るように形成される。
各ピボット装着穴21,22には油圧式ラッシュアジャス
タが挿入され、ピボットを油圧により保持するようにな
っている。
シリンダヘッド１には各ピボット装着穴21,22をそれ
ぞれ結ぶ油通路25,26が直線状に形成され、各ラッシュ
アジャスタに作動オイルを供給するとともに、ピボット
の摺動部を潤滑するようになっている。
各カムシャフト軸受部14,15にはカムブラケット６が
２本のボルト７を介して締結され、各カムブラケット６
の上方には管上の給油管８が設けられ、この給油管８か
らカムおよび吸排気弁の摺動部にそれぞれオイルを噴射
供給するようになっている。
なお、30はラッシュアジャスタ組付時に空気を抜くた
めの孔、図中31,32はバルブガイド、33,34はバルブシー
ト、35はウォータジャケットである。
次に作用について説明する。
シリンダヘッド１をシリンダブロックにヘッドボルト
を介して組み付ける際は、ヘッドボルトおよび工具を各
カムシャフト軸受部14,15に開口する各通し穴16,17から
差し込んでヘッドボルトの締付けが行われる。
これによりヘッドボルトとカムシャフト軸受部14,15
を気筒端および気筒間に集めるとともに、２本の吸排気
弁を開閉するロッカアーム2,3をＹ字形に形成して１本
にまとめることにより、ロッカアーム2,3の基端を支持
するピボットの取付けボス28,29のスペースをカムシャ
フトより外側のシリンダヘッド側方に確保することが可
能となる。
２つの吸気弁を駆動するロッカアームをＹ字形にして
１本にまとめるとともに、各ピボット装着穴21を双胴型
吸気ポート４の分岐点4aより内側に位置して形成したこ
とにより、吸気ポート４の流路形状を制約することがな
く、吸気ポート４をその傾斜角度が比較的に大きくとら
れるハイポート型として、吸気の流れに与える流路抵抗
を低減し、充填効率を改善できる。
さらに、各ピボット装着穴21を双胴型吸気ポート４の
分岐点4aより内側に位置して形成したことにより、ピボ
ット装着穴21の深さを十分にとってこれに油圧式ラッシ
ュアジャスタを介装することが可能となる。
これにより、４弁式機関でも吸気弁用ロッカアームと
排気弁用ロッカアームそれぞれの揺動先端が互いに向か
い合う構造として、吸気弁軸と排気弁軸の為すバルブ挾
角がロッカアーム2,3の長さによって制約されることを
回避し、ペントルーフ型燃焼室の壁面傾斜角度を小さく
して機関圧縮比を十分に高い値に設定することができ
る。
また、吸気弁のカムシャフトと排気弁のカムシャフト
の間隔を比較的に小さくして、シリンダヘッドの横巾を
抑えられる。
（発明の効果） 以上の通り本発明によれば、気筒毎に２本の吸気弁ま
たは排気弁を備えるDOHC式内燃機関において、吸気側と
排気側でエンドピボット式のＹ字形ロッカアームの揺動
端部が互いに向き合うように配置するとともに、双胴型
に形成した吸排気ポートの分岐点よりも内側にピボット
装着穴を配置したので、ピボットないしラッシュアジャ
スタ等のロッカアーム支持構造部分との干渉を回避して
吸排気ポート形状の自由度を向上し、これにより吸排気
効率の向上を図れる一方、吸排気弁のリフト量増大とバ
ルブ挟角の縮小による圧縮比の向上とを両立させること
ができ、これらの結果として機関の性能を確実に向上で
き、さらにシリンダヘッドをコンパクトにできるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第１図は本発明の実施例を示すシリンダヘッドの平面
図、第２図は同図Ａ−Ａ線に沿った横断面図、第３図は
同図Ｂ−Ｂ線に沿った横断面図、第４図は吸気ポートお
よびピボット装着穴の平面投影図である。 １…シリンダヘッド、2,3…ロッカアーム、４…吸気ポ
ート、4a…分岐点、11…プラグボス、12,13…バルブボ
ス、14,15…カムシャフト軸受部、16,17…ヘッドボルト
通し穴、18,19…ヘッドボルト孔、21,22…ピボット装着
穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−88953（ＪＰ，Ａ) 実開 昭64−11340（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−111165（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】気筒毎に２本の吸気弁または排気弁を備え
    る内燃機関のシリンダヘッドにおいて、２本の吸気弁ま
    たは排気弁の両弁軸頂部に当接するＹ字形のロッカアー
    ムと、このロッカアームの基端を揺動可能に支持するピ
    ボットと、ロッカアームを揺動させるカムシャフトとを
    備えるとともに、ピボットをカムシャフトに対して外側
    に配置する一方、共通の気筒に連通する２つの吸気ポー
    トまたは排気ポートはシリンダヘッド内で互いに集合す
    る双胴型とし、ピボットを装着するピボット装着穴を吸
    気ポートまたは排気ポートの分岐点より内側で、２つの
    ポート間に挾まれる位置に形成したことを特徴とする内
    燃機関のシリンダヘッド。
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