JP2617508B2 - 安定なジフェンヒドラミン含有水溶液 - Google Patents

安定なジフェンヒドラミン含有水溶液

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JP2617508B2 JP63025506A JP2550688A JP2617508B2 JP 2617508 B2 JP2617508 B2 JP 2617508B2 JP 63025506 A JP63025506 A JP 63025506A JP 2550688 A JP2550688 A JP 2550688A JP 2617508 B2 JP2617508 B2 JP 2617508B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、安定なジフェンヒドラミン含有水溶液に関
する。従って本発明は医薬品の製剤技術の分野において
利用される。即ち、本発明は抗ヒスタミン作用及び抗ア
レルギー鎮暈作用を有するジフェンヒドラミンを安定に
含有する水溶液を提供する製剤技術の発明である。
〔従来の技術〕
ジフェンヒドラミン含有水溶液は、注射剤、シロップ
剤、点眼剤として従来から調製されてきた。これらの製
剤において水溶液のpHは一般に中性域に調節されるのが
従来技術であった。即ち下記の文献(a)〜(b)に示
されるとおり、ジフェンヒドラミンは水溶液のpHによっ
てその安定性が著しく変動することが知られているの
で、水溶液の調製にあたっては、安定なpH域、即ち中性
pH域6〜7に調節されるのが通常である。
(a) 堀岡ら,薬誌,31(1),76(1960) (b) 日本薬局方第10版(広川書店)C427の「塩酸ジ
フェンヒドラミン」の注1の項。
しかしながら、ジフェンヒドラミン含有水溶液のpHを
酸性液に調節しなければならない場合がある。例えば、
ジフェンヒドラミンの外に中性pH域で不安定な臭化水素
酸スコポラミン、硫酸アドロピンのごとき他の薬剤を配
合する必要のあるときに、該薬剤の要請に基づき水溶液
のpHを酸性域に調節しなければならない場合がある。ま
たジフェンヒドラミンは、ドリンク剤においては中性pH
域で飲用した場合、苦味と同時に口腔内、特に舌上に麻
痺感を与え、これが比較的持続性が長いため、飲用者に
とって不快感を生ずることになる。これはジフェンヒド
ラミンの水溶液中での溶存型が、大部分分子型ジフェン
ヒドラミンとして、存在するためで、この分子型ジフェ
ンヒドラミン量を減少させる方向、即ち酸性pH域とし解
離型ジフェンヒドラミンとすることにより軽減すること
ができる。これらの目的のために、水溶液のpHを安定性
の許す限りにおいて酸性域に調節したいとする場合があ
る。
しかし、これらの場合において要請はジフェンヒドラ
ミンの安定性、とりわけ加水分解に対する安定性との間
で矛盾するものであり、それらを損なう結果となること
は既に前記したところにより明らかな如くである。この
要請が可能となるためには、酸性域のpHにおいてジフェ
ンヒドラミンの安定性を高めるための特別の手段が工夫
されなくてはならない。しかし従来の技術において未だ
上記の問題を解決するための特別な手段が完成されてい
ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記したところにより明らかな如く、本発明が解決し
ようとする課題は、酸性域のpHであるpH3〜5において
ジフェンヒドラミンの安定性を高めるための特別の手段
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題に対し、本発明者は種々の検討を行った結
果、ポリビニルピロリドンを必須成分として配合するこ
とにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を
完成するに至った。
即ち、本発明は、pH3〜5においてポリビニルピロリ
ドンを必須成分として配合してなることを特徴とするジ
フェンヒドラミン含有水溶液に係わるものである。
本発明においては、ポリビニルピロリドンと共にグリ
セリン及び/又はソルビット、あるいはグリシン、アス
パラギン酸、水溶性ポリペプタイドから選ばれる1種又
は2種以上を配合することによって、pH3〜5において
加水分解に対してより安定なジフェンヒドラミン含有水
溶液を得ることができる。
更に、pH3〜5においてポリビニルピロリドンを必須
成分として配合し、更にグリセリン及び/又はソルビッ
トと、グリシン、アスパラギン酸、水溶性ポリペプタイ
ドから選ばれる1種又は2種以上とを配合してなるジフ
ェンヒドラミン含有水溶液が加水分解に対する安定化に
おいて一層好ましい。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明においてジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン
剤のための医薬品として通常に入手されるものを使用す
ればよく、塩酸塩等の塩の形で用いても良い。
通常は経口投与されるが、抗ヒスタミン剤として10〜
30mgが皮下又は筋肉注射により、また2%軟膏が外用さ
れている。
本発明の水溶液中のジフェンヒドラミン量については
特に限定はされないが、本発明が医薬品として使用され
る関係から通常は0.01〜5重量%の濃度が好ましい。
本発明においてポリビニルピロリドンは、PVPK−15,3
0,60,90(GAF Corp社製)として入手されるものを使用
すればよい。本発明の水溶液中のポリビニルピロリドン
の量は、水溶液の必要な保存条件及び投与剤型に応じて
適宜に実験により選定すればよいが、例えば0.01〜10重
量%の範囲が好ましい。
また、本発明において、ソルビット及びグリセリンは
通常に入手されるものを使用すればよく、本発明の水溶
液中のそれぞれの量は5〜50重量%の範囲が好ましい。
本発明において、グリシン及びアスパラギン酸は、通
常に入手されるものを使用すればよく、本発明の水溶液
中のそれぞれの量は0.05〜5重量%の範囲が好ましい。
本発明において、水溶性ポリペプタイドとしては、卵
白加水分解物、ゼラチン加水分解物などを使用すればよ
い。本発明の水溶液中のこれらの量は0.1〜5重量%の
範囲が好ましい。
本発明の水溶液のpHは3〜5である。一般にpHの調整
には最大0.5程度の測定誤差が伴うので該pH範囲は厳密
に規定されるべきではなく、本発明の技術課題にそって
大約3〜5の意味に解釈されなければならない。測定誤
差の発生を回避するため好ましくは緩衝剤を加えるのが
よい。緩衝剤としては、例えばクエン酸緩衝液、酒石酸
緩衝液、リン酸緩衝液等を使用するのが望ましい。
本発明の水溶液に、ジフェンヒドラミン以外の医薬品
を含有せしめることは自由である。ジフェンヒドラミン
以外の医薬品としては、例えば、臭化水素酸スコポラミ
ン、硫酸アトロピン、マレイン酸クロルフェニラミン、
塩酸ピリドキシン、テオフィリン、8−ヒドロキシテオ
フィリン等を挙げることができる。又は、ジフェンヒド
ラミンの塩酸塩以外にジフェンヒドラミンのサリチル酸
塩、タンニン酸塩等を含有せしめることも自由である 本発明の水溶液は、主にドリンク剤、注射剤、点眼剤
として使用される。従って、本発明の水溶液の製造は、
これら製剤に応じてそれぞれにおける常法に従って行え
ばよい。又、本発明の水溶液には、上記の成分の他に、
従来のドリンク剤、注射剤、点眼剤等に使用されている
公知の添加剤を添加しても良い。
〔作 用〕
本発明の水溶液における作用は加水分解の抑制であ
り、具体的にはジフェンヒドラミンの加水分解反応の反
応速度定数の低下により示される。即ちポリビニルピロ
リドンの配合あるいはポリビニルピロリドンとグリセリ
ン等の配合によって、pH3〜5における反応速度定数が
低下することをもって示される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1(注射剤) pH5.0の0.05Mクエン酸緩衝液80mlに塩酸ジフェンヒド
ラミン3g、臭化水素酸スコポラミン0.001g、ポリビニル
ピロリドン(重合度30)0.1g、ソルビット(結晶)7gを
逐次加えて溶解後、全量を100mlとし常法により注射剤
を製造する。
実施例2(点眼剤) pH5.0の0.01Mリン酸緩衝液90mlに塩酸ジフェンヒドラ
ミン1g、硫酸アトロピン0.001g、ポリビニルピロリドン
(重合度30)0.3g、グリシン0.1g、塩化ナトリウム0.8g
を逐次加えて溶解する。必要により防腐剤を加えて全量
を100mlとし、常法により点眼剤とする。
実施例3(ドリンク剤) pH3.0の0.01M酒石酸緩衝液50mlに、塩酸ジフェンヒド
ラミン0.2g、臭化水素酸スコポラミン0.5mg、ポリビニ
ルピロリドン5g、アスパラギン酸1g、パラオキシ安息香
酸メチル10mg、フレーバー100mgを逐次加えて溶解し全
量を150mlとし、常法によりドリンク剤を製造する。
〔発明の効果〕
以下の実験例によって本発明の効果を説明する。
実施例1 試 料 pH2.0,3.0,4.0,5.0の0.01Mクエン酸緩衝液に塩酸ジフ
ェンヒドラミンを0.1g/100mlとなるように溶解し、更に
ポリビニルピロリドン、グリセリン、ソルビット、アミ
ノ酸(グリジン、アラニン、アスパラギン酸)又は水溶
性ポリペプタイド(卵白加水分解物)をそれぞれ、1
%,40%,40%,0.1%,0.1%となるように添加して全量と
し、検体試料とした。別に何も添加しないものを用意し
て対照試料とした。
方 法 各試料を120℃で20分間加熱し、塩酸ジフェンヒドラ
ミンの残存量を測定した。
結 果 いずれの場合も一次反応の形式で塩酸ジフェンヒドラ
ミンの残存量低下が見られたので、下記式によりそれぞ
れ反応速度定数Kを求めた。
K=2.303/t×log a/(a−x) a=塩酸ジフェンヒドラミンの初期濃度(%) x=t日後の加水分解された塩酸ジフェンヒドラミンの
濃度(%) t=day(日) 結果を表1に示す。
表中の値は、反応速度定数(day-1)を示す。
表1によりポリビニルピロリドン、グリシン、アスパ
ラギン酸、水溶性ポリペプタイド、グリセリン又はソル
ビットを配合することによってpH3〜5において、塩酸
ジフェンヒドラミンの加水分解が抑制されることがわか
った。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/18 A61K 47/18 J 47/26 47/26 J 47/32 AEM 47/32 AEMJ 47/42 47/42 J

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pH3〜5においてポリビニルピロリドンを
    必須成分として配合してなることを特徴とするジフェン
    ヒドラミン含有水溶液。
  2. 【請求項2】pH3〜5においてポリビニルピロリドンを
    必須成分として配合し、更にグリセリン及び/又はソル
    ビットを配合してなることを特徴とするジフェンヒドラ
    ミン含有水溶液。
  3. 【請求項3】pH3〜5においてポリビニルピロリドンを
    必須成分として配合し、更にグリシン、アスパラギン
    酸、水溶性ポリペプタイドから選ばれる1種又は2種以
    上を配合してなることを特徴とするジフェンヒドラミン
    含有水溶液。
  4. 【請求項4】pH3〜5においてポリビニルピロリドンを
    必須成分として配合し、更にグリセリン及び/又はソル
    ビットと、グリシン、アスパラギン酸、水溶性ポリペプ
    タイドから選ばれる1種又は2種以上とを配合してなる
    ことを特徴とするジフェンヒドラミン含有水溶液。
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