JP2995595B2 - ドリンク剤 - Google Patents
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Description
た医薬用ドリンク剤に関する。
工場(ワイン,ビール,ジュース,ハチミツ等)に分布
するグラム陰性菌であるが生育最適pHが3.5〜6.
5と低く一般の細菌,カビ,酵母等生存が不適な酸性領
域でも生育する。一般に医薬品,食品等で広く使用され
る防腐,防ばい剤(パラオキシ安息香酸エステル,安息
香酸等)はヒトに対する安全性(健康上)の観点から配
合可能な防腐剤,殺菌剤の種類や使用量に制限が設けら
れている。こうした制限下では上記酢酸菌に対する抵抗
性が得られない。一般的な殺菌処理法としては食品,医
薬品の最終製造工程で加熱処理等の瞬殺工程がとり入れ
られているが、医薬品,食品等の多くは内容成分が熱に
不安定なため熱処理を施し難い場合が多々ある。このよ
うな場合、飲料すなわち液状の医薬品及び飲食品そのも
のに抗菌力を保持させることが要望される。本発明の主
たる目的は、液状の医薬品飲料すなわち医薬用ドリンク
剤の酢酸菌の生育を抑制し抗菌力を保持させるための安
全で効率的な手段を提供することにある。
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、意外にもグリシンお
よび/または乳酸を目的とする医薬用ドリンク剤に添加
することによりこれら医薬品が酢酸菌に対して著しく抵
抗性を示すことを見出し、更に検討を重ねて、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は グリシンおよ
び/または乳酸を配合してなる医薬用ドリンク剤に関す
る。本発明に用いられるグリシンおよび乳酸(以下酢酸
菌防除剤と称することがある)としては、薬局方で又は
食品添加物として認められたもののみならず試薬として
市販されているものも含め医薬品及び飲食品として使用
され得るものを広く用いることができる。特に、乳酸は
D−乳酸,L−乳酸,DL−乳酸いずれも用いることが
できる。本発明における医薬用ドリンク剤は配合成分や
効能が限定される一般薬品の剤型の一つとして医薬品製
造指針に記載されているものである。本発明の医薬用ド
リンク剤に配合すべき上記酢酸菌防除剤の配合濃度はグ
リシンの場合は0.5w/v%以上、好ましくは0.8
w/v%〜5w/v%、乳酸の場合0.1v/v%以
上、好ましくは0.2〜0.5v/v%が適当である。
又、これらの酢酸菌防除剤は2種以上組み合わせて使用
することも可能であり、その場合これら防除剤の総量の
濃度が0.2w/v以上、好ましくは0.2〜10w/
v%に使用するのが好適である。
ン、乳酸の酢酸菌防除剤と共に防腐,防腐ばい剤を用い
るのがよく、これらを併用することにより酢酸菌の抑制
をより効果的に行うことができる。防腐,防ばい剤とし
てはたとえば安息香酸,そのナトリウム塩およびパラオ
キシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸ブチル,パ
ラオキシ安息香酸エチル,パラオキシ安息香酸プロピル
など)が挙げられる。これらの防腐防ばい剤は通常0.
00001〜1w/v%、好ましくは0.001〜0.
1w/v%の割合で用いられる。次に本発明の医薬用ド
リンク剤はpH2.5〜7好ましくはpH2.5〜5に
なるように調整されるのが好ましい。これは、他の雑菌
の生育阻害の点からも好ましい。とりわけ酢酸菌以外の
雑菌の多くがpH3付近以下の酸性領域では、生育不可
能なのに対し、酢酸菌は生育可能であるので、このよう
な低pH域へのpH調整だけでは酢酸菌の阻害が不可能
であるが、本発明によればpH調整も併せて行うことに
より、酢酸菌を含む巾広い菌の生育を抑制することが可
能になる。pH調整剤としては、可食性の有機酸類、無
機酸類またはそれらの塩類等から1種または2種以上組
み合わせて用いることができる。可食性有機酸類として
は、たとえばクエン酸,リンゴ酸,酒石酸,酢酸,コハ
ク酸,乳酸,アスコルビン酸,フマル酸,アジピン酸お
よびこれらのナトリウム塩,カリウム塩またはカルシウ
ム塩などが挙げられる。
ン、乳酸の酢酸菌防除剤及びpH調整剤等に加え下記成
分を下記割合で適宜添加してよい。甘味料(0.000
1〜50w/v%,例 砂糖,ハチミツ,グリセリン,
ソルビトール,グリチルリチン酸,アスパルテーム,パ
ラチノースなど),香辛料(0.0001〜10w/v
%,例 ガーリック,ジンジャー,ローズマリー,ロー
レルなど),着香料(0.00001〜10w/v%,
例 フルーツ系フレーバー,生薬系フレーバーなど),
着色剤(0.0001〜10w/v%,例酸化亜鉛,二
酸化チタン,ココア末,パプリカ,サフランなど),粘
稠剤(0.0001〜30w/v%,例 ステアリルア
ルコール,プロピレングリコール,カルボキシメチルセ
ルロースなど),可溶化剤(0.00001〜30w/
v%,例 HCO−50,−60,ポリソルベート8
0,イソプロパノールなど),抗酸化剤(0.0000
1〜10w/v%,例 エデト酸ナトリウム,エリソル
ビン酸,チオグリコール酸,チオ硫酸ナトリウムな
ど),苦味剤(0.00001〜10w/v%,例 カ
フェイン,苦味チンキなど),アミノ酸(0.0001
〜30w/v%,例 ロイシン,メチオニン,フェニル
アラニン,リジン,トリプトファン,タウリンなど),
生薬及び抽出物(0.0001〜30w/v%,例 ニ
ンジンエキス,ロクジョウ,シベットチンキ,ゴオウ,
サイカクなど),ビタミン類(0.001〜30w/v
%,例 ビタミンA,B,C,D,E,ニコチン酸アミ
ド,パントテン酸カルシウムなど)。
水又はベースとなる液状の経口医薬品に上記したような
各成分を前述のような割合で含有せしめればよく、その
調製方法は特に限定されない。例えば、各成分を上記の
配合割合で精製水の一部に溶かし、要すれば、約25〜
100℃に加熱して、混合溶解後、残りの精製水を加え
必要に応じてろ過することによって製造される。
説明する。 実施例1 シベットチンキ 250mg ニンジンエキス 10mg ビタミンB1 10mg ビタミンB6 10mg 酢酸トコフェロール 10mg 無水カフェイン 50mg 砂糖 5g ハチミツ 5g クエン酸 400mg クエン酸ナトリウム 50mg 安息香酸ナトリウム 35mg 乳酸 100μl 上記組成に従い、下記の方法により医薬用ドリンク剤を
得た。約40℃に加温した水約30mlに酢酸トコフェ
ロールを溶解したシベットチンキ及びニンジンエキスを
混合分散させる。約25℃まで冷却後、ビタミンB1,
ビタミンB6,無水カフェイン,砂糖,ハチミツ,クエ
ン酸,クエン酸ナトリウ ム,安息香酸ナトリウムを溶
解し、乳酸および1Nかせいソーダを添加し、pHを
6.0としたのち、水を加えて全量50mlとする。
た。約70℃に加温した水約30mlにパラオキシ安息
香酸ブチル、安息香酸を溶解し、約25℃まで冷却後、
塩酸フルスルチアミン,ビタミンB2,塩化カルニチ
ン,タウリン,パントテン酸ナトリウム,砂糖,クエン
酸,グリシンを溶解し、1Nかせいソーダを添加し、p
Hを3.5としたのち、水を加え全量50mlとする。
施例2と同じ方法で全量50mlの医薬用ドリンク剤を
得た。
た。約40℃に加温した水約30mlに安息香酸ナトリ
ウム,パラオキシ安息香酸エチルを溶解し、約25℃ま
で冷却後塩酸フルスルチアミン,リン酸リボフラビンナ
トリウム,塩酸ピリドキシン,ニコチン酸アミド,L−
アスパラギン酸ナトリウム,アミノエチルスルホン酸,
塩化カルニチン,コンドロイチン硫酸ナトリウム,無水
カフェイン,クエン酸,砂糖,フレーバーを溶解し、乳
酸および1Nかせいソーダを添加しpHを3.2とした
のち水を加えて全量50mlとする。
た。約40℃に加温した水約30mlにトチュウエキ
ス、ロクジョウチンキ、ニンジンエキス及びローヤルゼ
リーを混合分散させる。約25℃まで冷却後、ビタミン
B1,ビタミンB2,ビタミンB6,ニコチン酸アミド,
L−アスパラギン酸ナトリウム,塩化カルニチン,無水
カフェイン,砂糖,クエン酸,安息香酸ナトリウムを溶
解し、乳酸および1Nかせいソーダを添加しpHを3.
5としたのち水を加えて全量50mlとする。
にサンプリング後、Acetobacter sp. 試験菌液を接種
し25℃に保存した。この試料から経日毎に試料を秤り
取り、0.1%ペプトン加減菌生理食塩水で適宜希釈し
て、その1mlをGP寒天(ダイゴ)で混釈平板(pH
4)として30℃,48時間培養し、発生してくるコロ
ニー数を計測した。 試験結果 試験結果を下記〔表1〕に示す。
飲料中では顕著に抑制されていることがわかる。
とする医薬用ドリンク剤において酢酸菌の生育が顕著に
抑制され、該医薬用ドリンク剤にすぐれた抗菌力を保持
させることができる。
Claims (11)
- 【請求項1】グリシンおよび/または乳酸を配合するこ
とを特徴とする抗酢酸菌力が保持された医薬用ドリンク
剤。 - 【請求項2】さらに防腐,防ばい剤を配合してなる請求
項1記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項3】防腐、防ばい剤が安息香酸,そのナトリウ
ム塩およびパラオキシ安息香酸エステルの一種以上であ
る請求項2記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項4】グリシンを配合してなる請求項1記載の医
薬用ドリンク剤。 - 【請求項5】グリシン含量が0.5W/V%以上である
請求項4記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項6】乳酸を配合してなる請求項1記載の医薬用
ドリンク剤。 - 【請求項7】乳酸含量が0.1V/V%以上である請求
項6記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項8】グリシンおよび乳酸の双方を配合してなる
請求項1記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項9】グリシンおよび乳酸の総量が0.2W/V
%以上である請求項8記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項10】pHを2.5〜7に調整してなる請求項
1記載の医薬用ドリンク剤。 - 【請求項11】グリシンおよび/または乳酸を配合する
ことを特徴とする医薬用ドリンク剤の抗酢酸菌力保持方
法。
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Family Applications (1)
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Family Cites Families (5)
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