JP3213283B2 - 注射剤 - Google Patents

注射剤

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JP3213283B2 JP29332998A JP29332998A JP3213283B2 JP 3213283 B2 JP3213283 B2 JP 3213283B2 JP 29332998 A JP29332998 A JP 29332998A JP 29332998 A JP29332998 A JP 29332998A JP 3213283 B2 JP3213283 B2 JP 3213283B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファモチジンまた
はその塩を含有してなる注射剤に関する。詳細には、本
発明は、ファモチジンまたはその塩をファモチジンに換
算して約1〜約40mg/ml含有するpH約5.5〜
約7.5の注射剤に関する。また、本発明は、ファモチ
ジンまたはその塩と水溶性の非水溶剤及び酸性物質を含
有してなる注射剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ファモチジンまたはその塩(以下化合物
(I)と略称することもある)は、ヒスタミンH2受容
体を遮断することにより胃酸分泌抑制作用を示す化合物
として有用である(特公昭60−56143号公報参
照)。しかし、ファモチジンは水に難溶性であるため、
注射剤の開発にあたっては可溶化させる手段が必要であ
った。
【0003】特公昭63−65047号公報には、ファ
モチジンが酸性領域において不安定であり単に可溶化さ
せるだけでは不充分であることから、ファモチジンの可
溶化及び安定化のために酸性物質について検討を行い、
L−アスパラギン酸に当該所望の効果のあることが記載
されている。当該特許発明に基づき製造された凍結乾燥
製剤が現在医療現場に供されているが、一般的に凍結乾
燥製剤は、例えば生理食塩液などの生理学的に許容され
得る溶解液を用いて用時調製されなければならず、繁雑
さを伴う製剤であると言える。なお、該凍結乾燥製剤を
注射用水に溶解したときの溶液のpHは約5.2であ
る。
【0004】また米国特許5,650,421公報に
は、ファモチジンまたはその塩の濃度が0.1mg/m
l〜0.8mg/mlであり、L−アスパラギン酸等の
酸の添加によりpHが5.7〜6.4に調整された、予
め生理食塩液と混合されてなる注射液が開示されてい
る。しかし化合物(I)は、緩徐に静脈内投与された
り、輸液に混合して点滴静脈内投与されたり、筋肉内投
与されるため、これら全ての用法に同一製剤を適用する
ためには、できるだけ少ない容量の注射液製剤が必要と
なる。
【0005】前記製剤の液量としては、筋肉内投与の場
合約3ml以下(薬物濃度として約6.67mg/ml
以上)、緩徐な静脈内投与の場合約20ml(薬物濃度
として約1mg/ml以上)であるが、これらの液量で
ファモチジンの1回投与量である20mgを含有し、か
つ安定性の良好な同一注射液製剤は現在までのところ知
られていない。さらに、医療の現場からは、化合物
(I)の濃度が1mg/ml以上、特に筋肉内投与でき
る濃度で、かつ安定性の良好な注射液製剤の提供が今な
お要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ファモチジンの注射剤
を開発するにあたり、その特性に起因する問題がある。
例えばファモチジンは、pKa値が約7.1の塩基性化
合物であり、酸性側では水溶性であるが、pHの上昇に
伴い溶解度は極端に低下する。第十改正日本薬局方に記
載された方法によりファモチジンの溶解性を求めた結
果、pH5で約6.34mg/ml、pH6で約5.0
4mg/ml、pH7で約1.37mg/mlの値(2
0℃)を示したが、該溶解性の値がそのまま室温(1〜
30℃)におけるファモチジンの析出しない濃度になる
というものではなく、また該値は測定に使用する緩衝剤
成分の違いによっても相違するものである。一方、ファ
モチジンの安定性は中性付近では良好であるが、酸性へ
とpHを下げるに従い、安定性は低下する。また、前記
特公昭63−65047号公報には、ファモチジンの可
溶化能を有する酸性物質として、L−アスパラギン酸、
L−グルタミン酸、クエン酸が記載されているが、ファ
モチジンとこれらの酸性物質のみを共存させてなる注射
液製剤は、結晶析出または溶液のpHが低くなることに
基づく安定性の低下等の理由から、室温において長期間
保存することはできなかった。
【0007】すなわち、pHの観点からファモチジンの
溶解性と安定性が相反すること、またファモチジンが特
定の酸性物質とのみ安定な塩を形成することから、ファ
モチジンの安定性が良好な中性付近のpH領域におい
て、化合物(I)を高濃度に含有し、かつ安定な注射液
製剤の開発は困難であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような事情に鑑
み、本発明者らは種々検討した結果、ファモチジンはポ
リエチレングリコールなどの水溶性の非水溶剤で可溶化
できること、さらに該水溶性の非水溶剤に乳酸などの酸
性物質を共存させることにより、意外にもファモチジン
を高濃度に含有させ、かつ室温で長期間にわたって溶液
中のファモチジンを安定化させ得ることを見いだした。
また、本発明の系において、ファモチジンまたはその塩
をファモチジンに換算して約1mg/ml〜約40mg
/ml含有してなる注射液の安定なpH領域は、約5.
5〜約7.5であることを知見して本発明を完成させる
に至った。
【0009】すなわち、本発明は、(1)ファモチジン
またはファモチジンに換算して濃度が約5mg/ml〜
約40mg/mlであるファモチジンまたはその塩と、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、及び
エタノールからなる群より選択される一種または二種以
上の水溶性の非水溶剤と、乳酸及びL−アスパラギン酸
からなる群より選択される一種または二種以上の酸性物
質とを含有してなるpH約5.5〜約7.5の注射剤に
関する。また、本発明は、(2)ファモチジンまたはそ
の塩の濃度が、ファモチジンに換算して約6.67mg
/ml〜約20mg/mlである(1)記載の注射剤に
関するものである。また、本発明は、(3)水溶性の非
水溶剤が、ポリエチレングリコールである(1)記載の
注射剤に関するものである。また、本発明は、(4)ポ
リエチレングリコールが、過酸化物を除去されたもので
ある(3)記載の注射剤に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明注射剤をさらに詳細に説明
する。
【0011】本発明注射剤において、化合物(I)の濃
度としては、好ましくは化合物(I)20mg(ファモ
チジン換算値)を約0.5ml〜約20mlの容量で投
与することのできる、約1mg/ml〜約40mg/m
lである。さらに好ましくは、約1mg/ml〜約20
mg/mlである。約5mg/ml以上の濃度の場合、
生理食塩液などの生理学的に許容され得る液で希釈して
緩徐な静脈内投与、点滴静脈内投与に供することができ
る他、希釈せずに筋肉内投与、または皮下投与等の局所
投与を行うことも可能である。
【0012】本発明に用いられる水溶性の非水溶剤とし
ては、通常生理学的に許容され化合物(I)を可溶化す
る能力を有しているものであれば特に制限されないが、
好ましくは、ポリエチレングリコール(例えば、ポリエ
チレングリコール300、ポリエチレングリコール40
0など)、プロピレングリコール、エタノール、グリセ
リンなどが挙げられる。さらに好ましくは、局所刺激性
など毒性回避の観点からポリエチレングリコールであ
る。該ポリエチレングリコールとしては、通常各種の平
均分子量のものが使用できるが、好ましくは平均分子量
が200〜600であり、その可溶化効果とさらに溶血
性回避をも鑑みれば平均分子量が400のものである。
これらの非水溶剤は一種または二種以上混合して用いて
もよい。
【0013】なお、本発明に用いられる水溶性の非水溶
剤としてポリエチレングリコールを使用する場合、ポリ
エチレングリコール中に不純物として含まれる過酸化物
の影響によりファモチジンの酸化体が生成する。これを
抑制するために、予めポリエチレングリコール中にピロ
亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ベンジルアルコ
ール等の抗酸化剤を添加するか、もしくは活性炭などで
過酸化物を除去してもよい。
【0014】前記非水溶剤の添加量としては、化合物
(I)1mg当たり通常10mg〜100mg、好まし
くは25mg〜75mgである。
【0015】本発明に用いられる酸性物質としては、通
常生理学的に許容され化合物(I)と塩を形成すること
により化合物(I)を可溶化する能力を有し、かつ化合
物(I)を安定化する能力を有しているものであれば特
に制限されないが、好ましくは、塩酸、乳酸、L−アス
パラギン酸、L−グルタミン酸、安息香酸、クエン酸、
リンゴ酸、アスコルビン酸、グルコン酸、酢酸、ニコチ
ン酸などが挙げられる。さらに好ましくは、乳酸、L−
アスパラギン酸、L−グルタミン酸、安息香酸、または
ニコチン酸であり、さらにより好ましくは、乳酸、L−
アスパラギン酸、L−グルタミン酸である。最適には乳
酸である。これらの酸性物質は一種または二種以上混合
して用いてもよい。
【0016】前記酸性物質の添加量としては、化合物
(I)1モル当たり通常0.2モル〜1.5モル、好ま
しくは0.3モル〜1.0モルである。
【0017】本発明の注射剤のpHとしては、好ましく
は約5.5〜約7.5であり、さらに好ましくは約6.
0〜約7.0である。本発明の注射剤のpHは、最終的
に当該範囲に調節されるように酸性物質を配合するか、
過剰の酸性物質を配合した後に水酸化ナトリウム液等の
塩基性物質で当該範囲に調節することが好ましい。
【0018】本発明の注射剤には、ベンジルアルコー
ル、塩酸メピバカイン、塩酸キシロカイン等の無痛化
剤、ベンジルアルコール、パラ安息香酸メチル、パラ安
息香酸プロピル、チメロサール、クロロブタノール等の
防腐剤などの添加剤を必要に応じて添加することができ
る。また、局所毒性緩和のためグルコース、塩化ナトリ
ウム、グリシン、マンニトール等の親水性低分子などの
添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0019】本発明の注射剤は、生理食塩液等の塩化ナ
トリウム注射液、糖類輸液、電解質輸液、及びその他の
輸液類との配合性に優れており、これらの輸液と配合し
て使用することも可能である。
【0020】また本発明の注射剤は、生理学的に許容さ
れ得る賦形剤を添加して凍結乾燥製剤としてもよい。該
賦形剤としては、通常凍結乾燥物の成形性を高めるもの
であれば特に制限されないが、例えば、マンニトール、
イノシトール、マルトース、シュークロース、ラクトー
ス等の糖類、グリシン、アラニン、バリン、メチオニン
等のアミノ酸等が挙げられる。
【0021】次に本発明注射剤の製造法を説明する。本
発明注射剤を製造する工程においては、化合物(I)の
分解を極力少なくする必要がある。化合物(I)として
ファモチジンを使用する場合、溶媒に直接溶解させると
きにはファモチジン自身の塩基性によって、当該溶解工
程においてファモチジンの分解が進行する。また、溶媒
中の水の含量が高いときにはファモチジンの溶解に長時
間を要したり、また逆に非水溶剤単独では特にポリエチ
レングリコール等の粘稠性液体を使用するときにはその
粘性のためにファモチジンの溶解に長時間を要する。
【0022】したがって、本発明注射剤を製造する工
程、特に化合物(I)としてファモチジンをその安定性
が良好な中性領域で速やかに溶解させる工程において
は、ポリエチレングリコール等の水溶性の非水溶剤と予
め適当量の酸性物質を含有した水との混液にファモチジ
ンを溶解させることが好ましい。このとき、水溶性の非
水溶剤と酸性物質含有の水との割合は、約4:1〜約
1:1が好ましい。
【0023】また、本発明の注射剤は、通常自体公知の
方法により滅菌することができるが、調製中のファモチ
ジンの含量低下を可能な限り低減させるため、加熱滅菌
以外の公知の無菌操作法により製造されることが好まし
い。さらに、調製液に窒素ガスを通気したり、アンプル
空間部を窒素ガスで満たすなど、製品が酸素に触れぬよ
う処理することが好ましい。
【0024】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、これらにより本発明の範囲が限定されるもので
はない。
【0025】実施例1(ポリエチレングリコール+乳酸
含有10mg/ml注射液) ポリエチレングリコール400の270gに10mg/
mlの乳酸水溶液142mlを加え攪拌し室温まで冷却
させた後、ファモチジン10gを加え攪拌溶解させた。
ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち攪拌
しながら注射用水270mlを徐々に加え、次に該液の
pHが約6.5を示すまで10mg/mlの乳酸水溶液
を添加した。さらに、注射用水を加えて全量を900m
lとし、ベンジルアルコール9gを加えて混和した後、
さらに注射用水を加えて全量を1000mlとし、pH
6.4の注射液を得た。この液を常法により除菌ろ過後
アンプルに充填し、空間部を窒素置換した後にアンプル
を熔閉し、注射液製剤を製した。この製剤を40℃の条
件下に2ヶ月保存したときのファモチジンの残存率は9
7.2%であった。
【0026】実施例2(ポリエチレングリコール+乳酸
含有5mg/ml注射液) ポリエチレングリコール400の270gに注射用水3
0mlを添加し、10mg/mlの乳酸水溶液59.2
mlを加え攪拌し室温まで冷却させた後、ファモチジン
5gを加え攪拌溶解させた。ファモチジンを完全に溶解
させた液を20℃に保ち攪拌しながら注射用水240m
lを徐々に加え、次に該液のpHが約6.7を示すまで
10mg/mlの乳酸水溶液を添加した。さらに、注射
用水を加えて全量を900mlとし、ベンジアルコール
9gを加えて混和した後、さらに注射用水を加えて全量
を1000mlとし、pH6.6の注射液を得た。この
液を常法により除菌ろ過後アンプルに充填し、空間部を
窒素置換した後にアンプルを熔閉し、注射液製剤を製し
た。この製剤を40℃の条件下に2ヶ月保存したときの
ファモチジンの残存率は97.3%であった。
【0027】実施例3(ポリエチレングリコール+乳酸
含有1mg/ml注射液) ポリエチレングリコール400の270gに注射用水3
0mlを添加し、10mg/mlの乳酸水溶液59.2
mlを加え攪拌し室温まで冷却させた後、ファモチジン
5gを加え攪拌溶解させた。ファモチジンを完全に溶解
させた液を20℃に保ち攪拌しながら注射用水240m
lを徐々に加え、次に該液のpHが約6.7を示すまで
10mg/mlの乳酸水溶液を添加した。さらに、注射
用水を加えて全量を4500mlとし、ベンジルアルコ
ール45gを加えて混和した後、さらに注射用水を加え
て全量を5000mlとし、pH6.6の注射液を得
た。この液を常法により除菌ろ過後アンプルに充填し、
空間部を窒素置換した後にアンプルを熔閉し、注射液製
剤を製した。この製剤を40℃の条件下に2ヶ月保存し
たときのファモチジンの残存率は96.6%であった。
【0028】実施例4(ポリエチレングリコール+乳酸
含有20mg/ml注射液) ポリエチレングリコール400の500gに100mg
/mlの乳酸水溶液23.7mlを加え攪拌し室温まで
冷却させた後、ファモチジン20gを加え攪拌溶解させ
た。ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち
攪拌しながら注射用水333mlを徐々に加え、次に該
液のpHが約6.7を示すまで100mg/mlの乳酸
水溶液を添加した。さらに、注射用水を加えて全量を1
000mlとし、pH6.6の注射液を得た。この液を
常法により除菌ろ過後アンプルに充填し、空間部を窒素
置換した後にアンプルを熔閉し、注射液製剤を製した。
この製剤を40℃の条件下に3ヶ月保存したときのファ
モチジンの残存率は95.4%であった。
【0029】実施例5(プロピレングリコール+エタノ
ール+乳酸含有5mg/ml注射液) プロピレングリコール400gとエタノール100gと
の混液にファモチジン5gを加え攪拌溶解の後、10m
g/mlの乳酸水溶液約45mlを加えた。この液を攪
拌しながら注射用水を徐々に加えて全量を1000ml
とし、pH6.9の注射液を得た。この液を常法により
除菌ろ過後アンプルに充填し、空間部を窒素置換した後
にアンプルを熔閉し、注射液製剤を製した。この製剤を
115℃の条件下に30分保存したときのファモチジン
の残存率は95.8%であった。
【0030】実施例6(ポリエチレングリコール+アス
パラギン酸含有5mg/ml注射液) ポリエチレングリコール400の270gにファモチジ
ン5gを加え攪拌溶解させ、注射用水500mlを徐々
に加えて混和し、アスパラギン酸3gを加えて溶かし
た。さらに、別に調製した2mg/mlのアスパラギン
酸水溶液を加えながら薬液のpHを約6.5に調節し
た。さらに、ベンジルアルコール10gを加えて混和し
た後、注射用水を加えて全量を1000mlとし、pH
6.5の注射液を得た。この液を常法により除菌ろ過後
アンプルに充填し、空間部を窒素置換した後にアンプル
を熔閉し、注射液製剤を製した。この製剤を25℃の条
件下に9ヶ月保存したときのファモチジンの残存率は9
7.8%であった。
【0031】実施例7(ポリエチレングリコール+乳酸
含有5mg/ml注射液) 予めポリエチレングリコール400の1000gにピロ
亜硫酸ナトリウム20mg/ml溶液を10ml添加し
た液273gに注射用水30mlを添加し、10mg/
mlの乳酸水溶液59.2mlを加え攪拌し室温まで冷
却させた後、ファモチジン5gを加え攪拌溶解させた。
ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち攪拌
しながら注射用水240mlを徐々に加え、次に該液の
pHが6.7を示すまで10mg/mlの乳酸水溶液を
添加した。さらに、注射用水を加えて全量を900ml
とし、ベンジルアルコール9gを加えて混和した後、注
射用水を加えて全量を1000mlとし、pH6.6の
注射液を得た。この液を常法により除菌ろ過後アンプル
に充填し、空間部を窒素置換した後にアンプルを熔閉
し、注射液製剤を製した。この製剤を40℃の条件下に
1ヶ月保存したときのファモチジンの残存率は96.7
%であった。
【0032】実施例8(ポリエチレングリコール+乳酸
含有5mg/ml注射液) 予めポリエチレングリコール400の1000gにベン
ジルアルコール11.1gを添加した液273gに注射
用水30mlを添加し、10mg/mlの乳酸水溶液5
9.2mlを加え攪拌し室温まで冷却させた後、ファモ
チジン5gを加え攪拌溶解させた。ファモチジンを完全
に溶解させた液を20℃に保ち攪拌しながら注射用水2
40mlを徐々に加え、次に該液のpHが6.7を示す
まで10mg/mlの乳酸水溶液を添加した。さらに、
注射用水を加えて全量を900mlとし、ベンジルアル
コール6gを加えて混和した後、さらに注射用水を加え
て全量を1000mlとし、pH6.6の注射液を得
た。この液を常法により除菌ろ過後アンプルに充填し、
空間部を窒素置換した後にアンプルを熔閉し、注射液製
剤を製した。
【0033】実施例9(ポリエチレングリコール+乳酸
含有5mg/ml注射液) 予め活性炭を加えて攪拌し、これを除去したポリエチレ
ングリコール400の270gに注射用水30mlを添
加し、10mg/mlの乳酸水溶液59.2mlを加え
攪拌し室温まで冷却させた後、ファモチジン5gを加え
攪拌溶解させた。ファモチジンを完全に溶解させた液を
20℃に保ち攪拌しながら注射用水240mlを徐々に
加え、次に該液のpHが6.7を示すまで10mg/m
lの乳酸水溶液を添加した。さらに、注射用水を加えて
全量を900mlとし、ベンジルアルコール9gを加え
て混和した後、さらに注射用水を加えて全量を1000
mlとし、pH6.6の注射液を得た。この液を常法に
より除菌ろ過後アンプルに充填し、空間部を窒素置換し
た後にアンプルを熔閉し、注射液製剤を製した。この製
剤を40℃の条件下に1ヶ月保存したときのファモチジ
ンの残存率は98.2%であった。
【0034】実施例10(ポリエチレングリコール+乳
酸含有10mg/ml) ポリエチレングリコール300の270gに10mg/
mlの乳酸水溶液142mlを加え攪拌し室温まで冷却
させた後、ファモチジン10gを加え攪拌溶解させた。
ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち攪拌
しながら注射用水270mlを徐々に加え、次に該液の
pHが約6.5を示すまで10mg/mlの乳酸水溶液
を添加した。さらに、注射用水を加えて全量を900m
lとし、ベンジルアルコール9gを加えて混和した後、
さらに注射用水を加えて全量を1000mlとし、pH
6.4の注射液を得た。この液を常法により除菌ろ過後
アンプルに充填し、空間部を窒素置換した後にアンプル
を熔閉し、注射液製剤を製した。この製剤を40℃の条
件下に2ヶ月保存したときのファモチジンの残存率は9
6.9%であった。
【0035】実施例11(ポリエチレングリコール+乳
酸含有10mg/ml注射液) ポリエチレングリコール300の150gにファモチジ
ン10gを加え攪拌溶解の後、100mg/mlの乳酸
水溶液約21mlを加えた。この液を攪拌しながら徐々
に注射用水を加えて全量を900mlとし、ベンジルア
ルコール9gを加えて混和した後、さらに注射用水を加
えて全量1000mlとし、pH6.2の注射液を得
た。この液を常法により除菌ろ過後アンプルに充填し、
空間部を窒素置換した後にアンプルを熔閉し、注射液製
剤を製した。この製剤を40℃の条件下に2ヶ月保存し
たときのファモチジンの残存率は96.7%であった。
【0036】実施例12(ポリエチレングリコール+乳
酸含有10mg/ml注射液10mg/ml) ポリエチレングリコール400の270gに10mg/
mlの乳酸水溶液142mlを加え攪拌し室温まで冷却
させた後、ファモチジン10gを加え攪拌溶解させた。
ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち攪拌
しながら注射用水270mlを徐々に加え、次に該液の
pHが6.5を示すまで10mg/mlの乳酸水溶液を
添加した。さらに、注射用水を加えて全量を900ml
とし、グルコース50g及びベンジルアルコール9gを
加えて攪拌した後、さらに注射用水を加えて全量を10
00mlとした。この液を常法により除菌ろ過後アンプ
ルに充填し、空間部を窒素置換した後にアンプルを熔閉
し、注射液製剤を製した。
【0037】実施例13(ポリエチレングリコール+乳
酸含有10mg/ml注射液) ポリエチレングリコール400の270gに10mg/
mlの乳酸水溶液142mlを加え攪拌し室温まで冷却
させた後、ファモチジン10gを加え攪拌溶解させた。
ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち攪拌
しながら注射用水270mlを徐々に加え、次に該液の
pHが6.5を示すまで10mg/mlの乳酸水溶液を
添加した。さらに、注射用水を加えて全量を900ml
とし、D−マンニトール50g及びベンジルアルコール
9gを加えて攪拌した後、さらに注射用水を加えて全量
を1000mlとした。この液を常法により除菌ろ過後
アンプルに充填し、空間部を窒素置換した後にアンプル
を熔閉し、注射液製剤を製した。
【0038】実施例14(ポリエチレングリコール+乳
酸含有10mg/ml) ポリエチレングリコール400の270gに10mg/
mlの乳酸水溶液142mlを加え攪拌し室温まで冷却
させた後、ファモチジン10gを加え攪拌溶解させた。
ファモチジンを完全に溶解させた液を20℃に保ち攪拌
しながら注射用水270mlを徐々に加え、次に該液の
pHが6.5を示すまで10mg/mlの乳酸水溶液を
添加した。さらに、注射用水を加えて全量を900ml
とし、塩化ナトリウム9g及びベンジルアルコール9g
を加えて攪拌した後、さらに注射用水を加えて全量を1
000mlとした。この液を常法により除菌ろ過後アン
プルに充填し、空間部を窒素置換した後にアンプルを熔
閉し、注射液製剤を製した。
【0039】
【発明の効果】本発明の注射剤は、ポリエチレングリコ
ール等の水溶性の非水溶剤を可溶化剤として、乳酸等の
酸性物質を可溶化剤並びに安定化剤として配合すること
により、中性〜アルカリ性領域で難溶性のファモチジン
またはその塩を可溶化し、高濃度でかつ安定な注射剤を
製造することができる。本発明の注射剤は、特公昭63
−65047号において結晶析出の認められたL−グル
タミン酸を添加した場合においても、ファモチジンを高
濃度に含有し、かつ室温で長期間安定な注射液製剤とさ
せ得ることができる。また、従来までの酸性物質のみを
添加した製剤と比較して、安定性の優れた注射剤の提供
が可能となる。さらに、従来のファモチジンの凍結乾燥
製剤と比較して、使用時の利便性が向上することが期待
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/426 A61K 9/08 A61P 1/04 CA(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ファモチジンに換算して濃度が約5mg/
    ml〜約40mg/mlであるファモチジンまたはその
    ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
    ル、及びエタノールからなる群より選択される一種また
    は二種以上の水溶性の非水溶剤と、乳酸及びL−アスパ
    ラギン酸からなる群より選択される一種または二種以上
    酸性物質を含有してなるpH約5.5〜約7.5の
    注射剤。
  2. 【請求項2】ファモチジンまたはその塩の濃度が、ファ
    モチジンに換算して約6.67mg/ml〜約20mg
    /mlである請求項記載の注射剤。
  3. 【請求項3】水溶性の非水溶剤が、ポリエチレングリコ
    ールである請求項記載の注射剤。
  4. 【請求項4】ポリエチレングリコールが、過酸化物を除
    去されたものである請求項記載の注射剤。
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