JP2603041B2 - 寝たきり病人用等の身辺介護装置 - Google Patents

寝たきり病人用等の身辺介護装置

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JP2603041B2
JP2603041B2 JP5117140A JP11714093A JP2603041B2 JP 2603041 B2 JP2603041 B2 JP 2603041B2 JP 5117140 A JP5117140 A JP 5117140A JP 11714093 A JP11714093 A JP 11714093A JP 2603041 B2 JP2603041 B2 JP 2603041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自力で身動きできない
状態でも最小の人手で少なくとも寝返りや用便、入浴、
食事が行われるように改良した寝たきり病人用等の身辺
介護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自力で身動きできない状態の寝たきり病
人にあっては、献身的な家庭での介護や行き届いた病院
治療も、患者の体重がかかる位置が変わらずに一定して
いるので床ずれになり易い。あるいは、用便や入浴に多
大な人手による労力がかかるのが通常である。また、長
期的に付添いを配することは費用的にはもちろん、長期
の闘病に伴い病人自身も心理的に負担を感じ、家族一同
が憂鬱で不愉快な毎日を送る結果になる。現在用便にお
いては便器の差し込み、腰掛便器までの移動、オムツカ
バーの取付け、入浴においては看護人の抱きかかえを担
架、リフト等で行っているが病人本人も移動、入浴に非
常に不安を感じると共に看護人の肉体的労力は限界を越
えている。これが為に毎日清潔で爽快に過ごしたい病人
も自然と入浴の回数が減り、寝たきり病人特有の悪臭に
悩まされているのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、人手を借りず
に自動的に寝返りが打てて床ずれの防止ができ、極力人
手を借りずに用便や入浴、食事といった身の回りの世話
を済ますことのできる寝たきり病人用などの自動身辺介
護装置の登場が望まれている。この事情はやがて老齢化
社会を迎えなければならない世界情勢を考慮すると、見
逃すことのできない緊迫した必要性がある。
【0004】この発明は上記の事情を考慮してなされた
もので、その目的は付添い無しで常時寝返りが自動的に
打て、体重が分散して掛るようになるので長時間横向き
状態でいられることによって床ずれが未然に防止され、
また寝台の敷布団上から浴槽のベルトコンベヤーへ移る
際、最初のローラーによって足から頭までマッサージ効
果を得られる。あわせて極力人手を借りずに用便や入
浴、または食事、洗面といった身の回りの世話を済ます
ことができ、しかも看護人の労力を省くのはもちろん、
病人本人が多少の時間がかかっても自分で随意に行いた
い、他人に見られたくないという希望に適し、毎日きれ
いな状態でいて新聞、テレビ等が見られたら余病やボケ
の防止にもなるといった効果を有する寝たきり病人用な
どの自動身辺介護装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、少な
くとも第1、第2および第3の寝台板部からなり、これ
らの寝台板部はロッドにより支持され、各ロッドの選択
的変位により駆動されて第1の寝台板部と第2の寝台板
部との間、ならびに第2の寝台板部と第3の寝台板部と
の間で寝返りのために折れ曲がる寝台板部を有する寝台
部と、この寝台部に長さ方向に隣接された便器付浴槽
と、この便器付浴槽の上面開口面に閉鎖状態に設けた少
なくとも3つの第1、第2および第3の搬送板部からな
り、略水平状態の搬送位置と下方に変位して椅子形をな
す使用位置との間で移動可能に枢支されていることと、
この便器付浴槽に隣接されて設置され使用者に対して前
傾状態となるように設けられた支持柱と、この支持柱に
上下移動可能に設けられたテ−ブル板部とからなり、前
記搬送板部が使用位置にある時には、前記テ−ブル板部
が下降して使用者の膝に近接する生活物資供給部と、前
記搬送板部には,シ−トベルトが設置され使用位置で使
用者が不用意に前方に倒れないようにしていることとを
具備している。
【0006】請求項2によれば、前記便器付浴槽の上面
開口部の外周縁部の両側には、レ−ルが敷設され、この
レ−ル上には真空パイプを有する布団吸引装置が設けら
れ、搬送位置にある時に着布団を吸引して前記レ−ルに
沿って移動させることにより使用者から着布団を着脱す
るようになっていることを特徴とする。
【0007】請求項3によれば、前記搬送板部の長手方
向の両側にはエプロン板部を介して押さえシャフトが軸
方向に配置され、このシャフトには複数の押さえ棒が間
欠的配置でもって固定され、シャフトの回動に伴い、前
記押さえ棒が回動して着布団の両側部を搬送板部側に保
持するようになっていることを特徴とする。
【0008】請求項4によれば、前記寝台部から前記搬
送板部にかけては、移動レ−ルが設けられ使用者が前記
搬送板部に搬送されるに伴い、本装置操作用の操作盤を
始め、電話あるいは携帯品等が前記移動レ−ルにより使
用者に付随して移送されようになっていることを特徴と
する。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の作用および効果】(a)上記のように構成した
身辺介護装置によれば寝台板部は左右にV型に折れ曲が
るので着布団は敷布団と共に使用者を挟んで密着して動
くので布団の横ずれが生じず、また横向きになった時も
使用者と着布団とに隙間ができず冷気の心配がない。ま
た横向き垂直まで起きないので体が前倒する心配がない
ので足を曲げたり腕を前に出したりしてエビ形に成らな
くてもよい。 (b)入浴時には搬送板部に送られて下方に折れ曲がっ
て腰掛状態で入浴ができるので寝た状態で入浴するより
も使用者が安心する。なお体の安定が保てない使用者で
も下降前に胸を第1搬送板部の鍵穴にシートベルトでロ
ックし、また生活用品供給装置のテーブルを下ろしてテ
ーブル、洗面器を外せば枠だけとなって手摺りになり、
また下半身を洗うのに便利である。また、第2搬送板部
中央の便器に連通する蓋を下降前に取り去っておくと陰
部を洗うのに便利である。終わると排水ボタンを押し、
次にドライボタンを押すが大半はタオルで拭いてあが
る。 (c)用便も入浴同様だが事前に便器の蓋を開き、使用
者が搬送板部の下降直前に第2搬送板部中央の便器に連
通する蓋を自動で取り除いた後、下降して用便をする。
終わるとシャワーボックスのシャワー、ウオッシャーそ
れぞれのボタンを押し、次に便器排水ボタンを押し、最
後にドライボタンを押して乾いた後、上昇して寝台に戻
る。 (d)用便や休息で浴槽内に下降するに着布団を着た
ままの場合はエプロン板部両側線の布団押さえで押さえ
ておけば裸体を隣人に見られる心配もなく便器上に付い
ている脱臭器にも便所の覆いとなる。 (e)入浴等で浴槽で着布団を取り除きたい時は着布
団の吸引装置を用いて前方に取り寄せ、入浴後使用者が
上昇し水平になる直前に吸着した着布団が所定の位置ま
で来るのを待っても良く、また完全に上昇し水平になっ
てから着せるのも自由である。これは用便の時も同様で
ある。 (f)操作盤、電話機等の移動レールは使用者に随伴し
て移動するので安心感があり、留守番電話も兼ねるので
家族にも好都合である。 (g)日常品供給装置は介護人の不在中に使用者が自由
にテーブル上の飲食ができる。外テーブルを外せば洗面
器があり、排水ホースを連結しシャワーボックスよりシ
ャワーを取り出し受器に差し込むと洗面ができる。また
入浴や用便時の体の支えにもなる。 (h)寝台板部の折れ曲がりでの敷布団の傷みを無くす
もので片方を接着し片方に磁力により密着してスライド
する。
【0014】入浴時には、搬送板部に送られて、搬送板
部が下方に折れ曲がることにより浴槽内に漬かることが
できる。入浴後には搬送板部の上昇変位後にベルトによ
り自動的に移動するので、使用者はひとりでに寝台板部
に運ばれるようになり至便である。
【0015】また、浴槽内に便器を設けてあるので、用
便に際しては、使用者は入浴の場合と同様に搬送板部に
運ばれて使用位置に変位した後、日常品供給装置のテー
ブルを下降し、上体の支持にも利用できる。また、入浴
の場合にもテーブルと洗面器を外して手摺りとして使用
すると便利である。
【0016】また、浴槽において搬送板部が使用位置か
ら元の搬送位置に戻った後、布団吸引装置により着布団
が使用者上に運ばれ、使用者は着布団を着て、浴槽上か
ら寝台板部に戻される。
【0017】さらには、使用者が寝台部から搬送部に搬
送される際に、着布団を着たまま運ばれるので搬送位置
から使用に変位しても、布団は押さえ棒により保持され
るので、使い勝手がよい。
【0018】加えて、移動レールにより電話などの携帯
品が搬送板部に搬送される際に、使用者に随伴して移送
されるので、身辺雑事が効果的になされて介護人は勿
論、使用者にとっても負担が軽減され至便である。
【0019】この結果、人手を頼ることなく床ずれが防
止され、入浴は勿論、浴槽に便器を設けてあるので、用
便がほとんど自分ででき、家族ならびに病人の負担が軽
減するといった優れた効果を有する。それでいて、食膳
等が供給装置により略自動的に供給されるので、さらに
使用者が搬送される際、電話などの携帯品が移動レール
により使用者に随伴して搬送されるので至便であること
を始め、介護者の負担が軽減され、老齢化社会に優れて
対応できるといった来るべききめの細かい配慮の行き届
いた身辺介護装置を提供することができる。
【0020】
【実施例】以下この発明の一実施例を図を参照して説明
する。図1は、本発明に関する身辺介護装置の全体的な
概略図を示し、寝台部7a、浴槽104および置き台1
26が図の左から右方向に隣接状態に長手方向に配置さ
れている。寝台部7aから浴槽104にかけての側面に
は、手摺り状の移動レール139が設けられ、この移動
レール139には、電動機駆動形ワイヤ140が設けら
れ、操作盤141により駆動されるようになっている。
このワイヤ140には、操作盤付きの電話や書籍類をは
じめ必要な小間物が接合され、後述するように使用者U
が寝台部7aから浴槽104に搬送されたときに、小間
物類が使用者Uの移動に追従して伴うようになり、使用
者の便宜に供することが出来るようになっている。な
お、ワイヤ140はチェーンでも良い。
【0021】さて、図2および図3において、符号1な
いし4(図示せず)は、矩形の四隅となるように配置さ
れた支柱で、この支柱1、2および支柱3、4間には水
平な梁5、6(図示せず)がそれぞれ掛け渡されてい
る。7ないし9はこれら支柱1ないし4の上端部に配置
した第1ないし第3の寝台板部で、これらに互いに隣合
い、使用者Uの身長方向に沿う側部には、下方に谷状と
なる状態に折り曲げ可能となるように蝶番機構10、1
1が取付けられている。これら第1ないし第3の寝台板
部7、8、9は、各両端に回転可能に配設されたローラ
75、75と中間に多数の遊びローラを設け、これらロ
ーラ75、75間に掛け渡されたベルト76からなって
いる。これらのベルト76の裏側には、垂れ留め用のロ
ーラ75a(いずれも図示せず)が設けられている。
【0022】しかして、梁5、6には水平に伸びるアー
ム12、13が一対ずつ取付けられている。これら一対
のアーム12、12と第1の寝台板部7との間には、ロ
ッド14、14が枢支状態に配設され、ロッド14の下
端はアーム12にピン(図示せず)などにより回動可能
に支され、上端は第1の寝台板部7の底部に回動可能に
枢支されている。また、他のアーム13、13と第3の
寝台板部9との間には、ロッド15、15が枢支状態に
配設され、ロッド15の下端はアーム13にピンなどに
より回動可能に枢支され、上端は第3の寝台板部9の底
部に回動可能に枢支されている。
【0023】そして、ロッド15、15の間には、上下
二本の水平梁16、17、ならびにたすき掛け状態の斜
め梁18、19(いずれも図示せず)が設けられロッド
15、15を補強して全体の剛性を高めている。また、
ロッド14、14の間にも、図示はしないが、前記と同
様に上下二本の水平梁、ならびにたすき掛け状態の斜め
梁が設けられロッド14、14を補強して全体の剛性を
高めている。20は底板21上に設置した二基の油圧シ
リンダで、これらは所定の距離を隔て並列状態に位置
し、第1の寝台板部7に対応している。このシリンダ2
0からのロッド20a(図示せず)は、上面を開口する
コの字形のレール22上を先端のローラ23(いずれも
図示せず)を介して往復移動できるように設けられてい
る。24は第1の寝台板部7と油圧シリンダ20との間
に配設されたフォーク状の移動棒で、これの下端はロー
ラ23に回動可能に枢支され、上端は第1の寝台板部7
の底面にピン25により回動自在に枢支されている。
【0024】26は支持棒で、これは上端がピン25に
回動自在に枢支され、下端部には軸方向に伸びる長孔2
6aが形成されている。この支持棒26の長孔26a
は、底板21の取付片27に設けられたピン28により
長手方向に移動できるように嵌め込まれている。そし
て、この支持棒26はターンバックル機構29により軸
方向に長さが調節できるようになっている。そして、第
1の寝台板部7が水平状態では、ターンバックル機構2
9を操作して長孔26aの内周部下端がピン28に当接
するように支持棒26を緊張状態にしている。
【0025】一方、底板21上には、第3の寝台板部9
に対応して二基の油圧シリンダ30が前記と同様にして
配設されている。各油圧シリンダ30からはロッド30
aがローラ31を介してレール32上を往復移動できる
ようになっている。移動棒33はフォーク状をなし、上
端を第3の寝台板部9の底面にピン34により回動自在
に枢支され、下端はローラ31に回動自在に支持されて
いる。さらに、支持棒35はターンバックル機構tによ
り軸方向に伸縮移動調節可能になっており、下端部の長
孔35aを取付片36のピン37に移動可能に嵌め込ん
でいる。
【0026】図2に戻ると、各寝台板部7、8、9の両
側部において、上面から後方を介して下面にかけては、
上方から下方にかけてコの字状に曲成された鞘状のレー
ル78がそれぞれ配設されている。このレール78の内
方に面する部分は、長手方向に連続形成されたスリット
78a(図示せず)を有し、内部には連結部材により接
続されたローラ(図示せず)が一組となって走行可能に
配設されている。そして、ローラは、スリットから突出
するアーム81を有し、その先端には環状のフック部8
1aを形成している。これらローラは多数組からなり、
ローラ同士はワイヤにより連結され、このワイヤは鞘状
のレール78内を全周巡るように取付けられている。
【0027】そして、各寝台板部7、8、9上には敷布
団66が置かれ、その外周縁部からは多数の紐83が伸
びてローラにおけるフック部81aに繋がれている。8
4は各寝台板部7、9の両側部に縦型に配置した側板
で、これの上端部は、レール78にねじ止めされるとと
もに第1および第3の寝台板部7、9の側面部に蝶番8
5によりそれぞれ取付けられている。この側板84は、
左右方向に所定の幅寸法範囲で往復回動できるようにな
っている。
【0028】さて、38および39は第1と第2の寝台
板部7、8の間ならびに第2と第3の寝台板部8、9の
間にそれぞれ位置する側枕で、側枕38は寝台板部から
若干浮き上がるL字状のステー40を有し、その水平部
40a(いずれも図示せず)には使用者の側頭部を当て
る受け部41を設けている。また、このステー40の垂
直部40bには、左右に長孔42、43(図示せず)が
上下に指向して形成されており、この長孔42、43を
通してボルト44、45が受け部41に螺着されてい
る。そして、これらのボルト44、45を締め直すこと
により受け部41はステー40の垂直部40aに対して
長孔の上下寸法範囲内で高さ調節ができるようになって
いる。70はステー40の垂直部40bに突出状態に設
けられたストッパで、これは立上片46の上端の縁部に
当接し、図3のステー40が矢印V1方向に不用意に回
転してしまうのを阻止し、略水平状態になるように保持
している。
【0029】ステー40における垂直部40bの一端は
第2の寝台板部8からの立上片46の先端部にピン47
により回動可能に枢支され、他端は第1の寝台板部7か
らの立上片48の先端部にリンク49を介してピン50
により回動可能に枢支されている。リンク49の下端部
には軸方向に長孔49aが形成されており、この長孔4
9aは立上片48の先端にあるピン51に軸方向に移動
できるように嵌め込まれている。
【0030】一方、側枕39にも先の側枕38と同様に
ステー52(図示せず)があり、ステー52上に受け部
53(図示せず)が設けられている。この受け部53
は、前述の受け部41と同様にステー52に対して上下
方向に高さ調節できるようになっている。ステー52に
おける垂直部52bの一端は、第2の寝台板部8からの
立上片54によりピン55(図示せず)を介して回転可
能に枢支されている。また、ステー52の他端は、第3
の寝台板部9からの立上片56によりリンク57および
ピン58を介して回転可能に枢支されている。このリン
ク57の下端部には軸方向に指向する長孔57aが形成
され、この長孔57aは立上片56のピン59に移動可
能に嵌め込まれている。71はステー40と同様にステ
ー52に形成されたストッパで、これは立上片54の上
端縁部に当接してステー52が不用意に回転しないよう
にしている。
【0031】なお、60、61は第1と第2の寝台板部
7、8との接続部、ならびに第2と第3の寝台板部8、
9との接続部で互いにハの字状をなすように形成された
面取部である。62、63は支柱1、2の内側に形成し
たストッパで、これらのストッパには第1および第3の
寝台板部7、9の側面に設けた凸部64、65がそれぞ
れ衝止するようになっている。
【0032】つぎに、前記構成の作用を寝台板部から説
明する。まず、図2に示すように、第1ないし第3の寝
台板部7、8、9上にベルト76を介して敷布団66お
よび着布団67をセットし、病人などの使用者Uは頭部
を本枕68(図示せず)に乗せ、第2の寝台板部8に位
置するように仰向き状態に置かれている。この状態で
は、図2および図3に示すように第1、第2および第3
の寝台板部7、8、9が互いに水平な通常位置にある。
【0033】このとき、寝返りを打ちたい場合には、油
圧シリンダ30を駆動させ、ロッド30aを図3に示す
矢印A1方向に移動する。すると、ローラ31がレール
32を長手方向いっぱいまで走って停止する。これに伴
い移動棒33が下端部をローラ31を中心に矢印B1方
向に回動しつつ、矢印A1方向に移動する。移動棒33
の上端部は、ピン34を中心に矢印C1方向に回動しつ
つ矢印D1のごとく下降移動し、フォーク状の移動棒3
3がロッド30aを受け入れてロッド30aと一体的に
なり、互いに面一状態に位置する。移動棒33の上端部
が下降移動する過程では、第2と第3の寝台板部8、9
の間は蝶番機構11により互いに回動可能になっている
ことから、第2の寝台板部8は、蝶番機構10を中心に
矢印E1方向に回動するようになり、第3の寝台板部9
はロッド15により矢印F1方向に回動変位するように
なる。
【0034】この結果、第2と第3の寝台板部8、9と
は、蝶番機構11の箇所で下方に略90度に折れ曲がっ
て使用位置に変位し、図3に見られるように第2と第3
の寝台板部8、9により内部に谷状の窪みが生ずるよう
になる。この変位に伴い、凸部64がストッパ62から
離れる一方、支持棒35がピン37を中心に矢印G1方
向に回動して移動棒33と略一直線状態になり、ロッド
15がアーム13を中心に矢印H1方向に回動して垂直
状態から傾斜状態に変位する。
【0035】このとき、第2の寝台板部8は水平の位置
から傾斜状態になることから、使用者Uは仰向き状態か
ら第3の寝台板部9に対して体重が加わる横臥状態にな
る。しかして、寝台板部が水平位置から使用位置に変位
するに伴い、立上片54が垂直状態から傾斜状態に変位
するが、リンク57が矢印I1方向に回動することから
ステー52が受け部53とともに同方向に回動し、第3
の寝台板部9と平行状態に変位する。これにより使用者
Uは後頭部を本枕68に乗せながら側頭部が側枕39に
より良好に支持される。また、油圧シリンダ30を駆動
してロッド30aを矢印A1とは反対方向に後退させる
と、ローラ31が同方向に移動して移動棒33が矢印B
1とは反対方向に回動し、ロッド30aから離れて元の
位置に立ち上がる。
【0036】これにより移動棒33の上端部が上昇移動
することから、第2の寝台板部8が矢印E1とは反対方
向に回動するとともに、第3の寝台板部9が矢印F1と
は反対方向に回動し、傾斜した使用位置から元の水平状
態の通常位置に戻る。これに伴い、側枕39におけるリ
ンク57が矢印I1とは反対方向に回動して、受け部5
3が水平部52aを有するステー52とともに元の水平
状態に戻り、使用者Uの側頭部は側枕39から離れて側
枕39に対する加重状態が解除され、後頭部が本枕68
上に支えられた元の状態に復帰する。
【0037】さらに、油圧シリンダ20を駆動すると、
ローラ23とともに移動棒24が図2の左方向に移動す
る。これに伴いフォーク状の移動棒24がピン25を中
心に図2の矢印K1方向に回動し、ロッド20aを受け
入れ、一体的に重なり合う。これによりピン25の位置
する部分が下降移動するに伴い、支持棒26がピン28
を中心に矢印L1方向に回動し移動棒24と略一直線状
に位置する。すると、ピン25の位置する部分が下降す
ることから、第1に寝台板部7がロッド14を介して矢
印M1方向に回動し、第2の寝台板部8が蝶番機構11
を中心に矢印N1方向に回動して第1と第2の寝台板部
7、8が蝶番機構10の部分を境界にして下方に略直角
状態に折れ曲がり、使用位置に変位する。
【0038】これに伴い使用者Uは第2の寝台板部8に
仰向き状態の位置から第3の寝台板部9に横向き状態に
移行する。これと同時に、側板84は、枢支機構85a
により図示左方向に回動して略垂直な位置から傾斜位置
に変位するがローラ(図示せず)は、ほぼ水平状態にあ
り、プーリ92もほぼ垂直状態にあるので良好に巻回し
た状態に保持される。
【0039】また、寝台板部が通常位置から使用位置に
移行するに伴い側枕38にあっては、立上片46が傾斜
状態になることから、リンク49がピン51を中心に矢
印O1方向に回動し、ステー40が受け部41とともに
水平位置から第1の寝台板部7と平行状態となるように
傾斜した位置に移行する。これにより使用者Uが仰向位
置から横臥位置に変位するとき、使用者Uの後頭部が本
枕68に乗りながらも側頭部が側枕38の受け部41に
支持される。
【0040】また、第1および第2の寝台板部7、8を
使用位置から通常位置に戻す場合には、油圧シリンダ2
0を駆動すると、ロッド20aが矢印J1とは反対方向
に移動し、移動棒24が矢印K1とは反対方向に回動し
て横伏状態から立ち上がる。これに伴い移動棒24の上
端が上昇移動することから第1および第2の寝台板部
7、8がピン25を介して矢印M1および矢印N1とは
反対方向にそれぞれ回動してV字状に窪む使用位置から
元の水平状態の通常位置に戻る。
【0041】これに伴い支持棒26が矢印L1方向とは
反対方向に回動して移動棒24と一直線状態の位置から
元の傾斜状態位置に復帰する。このとき、使用者Uは第
1の寝台板部7に横向き状態から押し上げられて第2の
寝台板部8に仰向き状態の位置に復帰する。
【0042】また、側枕38にあっては、立上片46が
傾斜状態から元の垂直状態に戻り、リンク49が矢印O
1とは反対方向に回動してステー40が受け部41とと
もに第1の寝台板部7に平行な傾斜状態の位置から元の
水平状態に復帰する。このため使用者Uの側頭部は、側
枕38の受け部41から離れて後頭部が本枕68の上に
乗って元の状態に戻る。
【0043】このように前記構成によれば、第1と第2
の寝台板部7、8とともに、第2と第3の寝台板部8、
9が水平な通常位置から谷状に窪む使用位置との間で変
位可能となるように設けたので、仰向き状態に位置する
使用者Uが左右に交互に横向き状態に自動的に変化す
る。これにより使用者Uが寝たきり病人であって自力で
は身動きできない場合でも、看護人など付き添いの人手
に頼ることなく寝返りが打てて極めて便利である。これ
により体重が一定箇所に常に掛かるようなことがなくな
り、良好に分散されて横向き状態に長時間いられるとい
った好都合な効果が得られ、床ずれの問題が解消し、長
期にわたる場合の看護の費用の心配が不要になり、付き
添いに気兼ねして心理的な圧迫を感じることがなくなっ
て闘病状態ではありながらも、平静な安息状態が保たれ
る。
【0044】また、寝台板部が通常位置から使用位置に
移動するに伴い、寝返りを打つ時に左右に落ち込むよう
になるので、着布団67および敷布団66が寝台板部に
良好に追随し、布団66、67の横への位置ずれがな
く、さらには、背側および胸側に敷布団66と着布団6
7との隙間が生ずることがなく使用者Uに対して良好な
就寝状態が得られる。また、使用者Uが仰向き状態から
左右に横向き状態に移ることに伴い、左右に居る見舞客
などと自在に面会でき、掲示物や、テレビ画像を見るに
便利である。
【0045】また、病院などで比較的体重の重い使用者
が回診時に背側を診てもらうようなときにも効果的であ
る。
【0046】さらには、第2および第3の寝台板部8、
9が通常位置から使用位置に変位する際、特に上記実施
例では、側枕39が傾斜状態に移動するようにしたの
で、使用者Uの側頭部は側枕39に良好に支持され、布
団66、67の横方向の不要な位置ずれもなく寝返りを
打つときの便宜が得られる。しかも、この実現化には、
長孔57a、49aを有するリンク57、49を用いる
だけで済み、コストの低下とともに、構造の簡素化に寄
与するものである。なお、この場合、寝台板部の接続
は、図4に示すように、一端部が接着剤100により接
合され、他端部が磁石101によりスライド可能に吸着
された薄板片102により覆われ、敷布団が不用意に挟
まれないようにしている。
【0047】さて、103は生活資材供給装置であり、
これは図5から図7に示すように浴槽104の外側面に
隣接状態に設置された支持柱105を有し、この支持柱
105には、スライダー106が油圧シリンダー106
aのロッド106bにより上下方向に移動可能に設けら
れている。このスライダー106には腕部107を介し
て矩形状の付け枠部108が固定されている。この枠部
108には排水チューブ109付の流し台110を介し
てテーブル111が水平状態で着脱可能に設けられてい
る。
【0048】使用時には、テーブル111は、入浴の際
も手摺りとして使用することがあるが、後述する搬送板
部が図5および図7に示すように、浴槽104内に湯が
供給されていないときで、後述する搬送板部が使用位置
に変位した際には、浴槽104内の使用者Uの膝部に近
接状態に下降し、食膳や歯磨きや日常の必要な物が供給
されるようになっている。また、テーブル111は流し
台110に着脱自在に設置されているので、このテーブ
ル111を取り外せば流し台110が現れ、洗面作業が
できるようになっている。この流し台110のホース1
09の下端部は、浴槽104の底面に形成された排水口
136に遭遇し、洗面時などの排水を排水口136から
外部に排水できるようになっている。
【0049】また、浴槽104の内側面には、シャワー
収納部112が設けられ、内部にシャワーヘッド113
が収容されている。この時、テーブル111の下面に
は、流し台110の内面部110aに嵌まって位置決め
するための位置決め部材111aが左右一対固定されて
いる。この場合、上記ではテーブル111は、油圧シリ
ンダー106aのロッド106bにより上下に移動する
ようにしたが、この代わりにバランサーを用いてテーブ
ル111を上下に移動するようにしてもよい。この際に
は、テーブル111に置く品物によっては重さが全体的
に異なってくることから、テーブル111と支持柱10
5とは磁石により吸着させ、上にテーブル111を移
動する際にはテーブル111と支持柱105との磁石に
より吸着を強制的に外すようにしてもよい。
【0050】また、図8から図11は、着布団67を吸
引するための布団吸引装置114が示されている。この
布団吸引装置114においては、寝台板部7に縦長方向
に隣接された浴槽104の外縁部の両側には、レール1
15が敷設され、このレール115上には収容箱116
が車輪117を介して移動可能に設けられている。この
収容箱116内には、真空ホース118、119が一対
づつ枢軸部99a、99bにより揺動可能に設けられ、
真空ホース118は、その先端部である吸い込み口11
8aを布団の中央側に近接し、他方のホース119の吸
い込み口119aは着布団67の外側に対応させてい
る。そして、真空ポンプ120が駆動されると、ナット
121、スクリューシャフト122、駆動シャフト12
3、センターアーム124を介して、真空ホース11
8、119が枢軸部99a、99bを中心にして矢印
I、J方向にそれぞれ回動することにより吸い込み口1
18a、119aが上方に移動され着布団67が上方に
上げられる。
【0051】この場合には、真空ホース118、119
がそれぞれ円運動をすることから、着布団67に生じて
いる皺が延ばされるといった効果が生ずる。この状態
で、駆動鎖125が駆動されて車輪117が回転されて
布団吸引装置114が図11に矢印Hで示すように、移
動して浴槽106に隣接して設置された置き台126に
停止する。この時、使用者Uは寝台部7aから搬送板部
に搬送されたものであるが、この状態では、搬送板部は
図11に示すように、水平状態の搬送位置にある。この
搬送板部は第1ないし第3の搬送板部133〜135か
らなり、それぞれの搬送板部はヒンジにより互いに回転
可能に連結されている。また、各搬送板部133〜13
5は、ローラ133a、134a、135aおよびベル
ト133b、134b、135bを有するベルトコンベ
ヤーを構成しており、図示しない電動機により駆動され
使用者Uを寝台板部7から浴槽104に搬送し、あるい
は浴槽104から寝台部7aに戻すようになっている。
この搬送に伴い、敷布団66は図1に示すように、寝台
部7aと浴槽104との間から下方に移動されて、最終
的には収納部301(寝台部7aの下方空間)内に一時
的に収容されるようになっている。
【0052】しかして、この搬送板部の両側面には、ロ
ーラとベルトとからなるエプロン板部133A、133
Bが接続され、これらは搬送板部133〜135と面一
になっており、片方のエプロン板部133Aは後述する
図16に示すように、実線の位置と二点鎖線の位置との
間で回動出来るようになっており、常には実線の位置で
示すように、水平方向に移動可能に設けられた支え部材
142により搬送板部133〜135と面一になるよう
に支持されている。なお、163は搬送板部135に回
動可能に接続されたステップ部であり、これは後述する
ように、使用位置に下降移動した時に、使用者Uの足先
が掛かるように配慮して設けたものである。
【0053】しかして、搬送板部の搬送位置は、第1か
ら第4のリンク127〜130およびリンク130aを
介して油圧装置131のロッド132により保持されて
いる。そして、油圧装置131のロッド132が後退す
ると、第1から第4のリンク127〜130およびリン
ク130aの協働により搬送板部133〜135が下方
に折れ曲がって途中で船形の位置を経て図11に実線か
ら二点鎖線で示すように椅子形をなす使用位置を占め
る。このときには、シートベルト137により使用者
は、第1の搬送板部133に固定され不用意に前方向に
倒れないようにしている。
【0054】このシートベルト137は、手動により第
1の搬送板部133に着脱自在に装着されるもので、搬
送板部が不注意で急速に使用位置に下降された場合で
も、自力では身動きできない使用者Uであっても安全で
あり、きめの細かい介護上、非常に有利な処置である。
この使用位置を搬送板部133〜135が占めるに前後
して浴槽104内には、湯が供給され、使用者は湯を浴
びることができる。浴槽の使用の後には、湯を排水口1
36から排水し浴槽104内を空にする。
【0055】この状態で使用者Uは身体を乾かして、油
圧装置131を操作してロッド132を前進させると、
第1から第4のリンク127〜130の協働により搬送
板部133〜135が上方に上がって元の搬送位置まで
変位する。搬送板部133〜135が搬送位置に戻るに
前後して、布団吸引装置114の収容箱116が着布団
67を吸引した状態にてレール115に沿って置き台1
26から矢印Hとは反対方向に移動して、着布団67の
吸引状態が真空ポンプ120により真空ホース118、
119の吸い込み口118a、119aの着布団67に
対する吸引状態が解除され、着布団67が搬送板部13
3〜135に対向状態に位置するものである。その後に
は、着布団67を解除した布団吸引装置114の収容箱
116は、矢印H方向にレール115に沿って移動して
置き台126に戻る。
【0056】このように、使用者Uが寝台部7aから搬
送板部側に搬送されて、搬送板部133〜135が搬送
位置から使用位置に変位した時や、浴槽104の使用後
に身体を乾かして、搬送位置に移動しようとするときに
は、着布団67は浴槽104の上面に置かれた状態にあ
るために、着布団67を浴槽104の上面部に略水平状
態に位置保持するための保持装置が必要となる。この保
持装置138においては、図12から図14に示すよう
に、浴槽104の先端側部に設けられた電動機付リニア
ヘッド143を備えている。この電動機付リニアヘッド
143には、雄ねじ付プッシュロッド144が軸方向に
往復移動可能に設けられている。
【0057】このプッシュロッド144の一端は、エプ
ロン板部133B側に伸びてクレビス145を介して三
角リンク146に連結されている。この三角リンク14
6の残る二つの頂点部のうち一つは、リンク147を介
してエプロン板部133Bの側面部に回転可能に枢支さ
れている。他の頂点部は、長尺リンク148、短尺リン
ク149をそれぞれ介してエプロン板部133Bの側面
部に固定されたブラケット150に回転可能に枢支さ
れ、第1の平行四辺形リンク151を構成している。
【0058】このブラケット150には、図14に示す
ように、中間シャフト152が固定され、その軸方向は
エプロン板部133Bの側面部に沿う方向に配置されて
いる。この中間シャフト152は、ピン153およびス
リーブ154を介して押さえシャフト155に選択的回
転運動伝達可能に接続されている。そして、このスリー
ブ154は、固定軸受け156aにー端が固定されたコ
イルスプリング156によりピン153に弾接する方向
に付勢されている。
【0059】さらに、この押さえシャフト155には、
ボス部157が回転可能に挿入され外表面には、先端部
が若干湾曲する押さえ棒158が固定されている。この
押さえ棒158は、一端が固定子159を介して押さえ
シャフト155にねじ159aにより固定され、他端が
押さえ棒158に弾接するスプリング160により湾曲
部158aが常にエプロン板部133B側の表面に付勢
されている。
【0060】なお、161はハンドルレバーで、この先
端部はノブ161aを有し下端部はスリーブ154を介
して押さえシャフト155に固定的に設けられている。
そして、ハンドルレバー161を矢印K方向にコイルス
プリング156の付勢力に抗して移動させ、矢印L方向
(図示手前方向)に回転させると、ピン153に対する
スリーブ154の係合が解除されスリーブ154ととも
に、押さえシャフト155が中間シャフト152とは独
立に矢印L方向に回転するようになっている。
【0061】さらには、プッシュロッド144の他端部
は、エプロン板部133A側に伸びてクレビス145を
介して三角リンク146とは90度の角度間隔だけずれ
た位置にある三角リンク146aに連結されている。こ
のクレビス145の枢支位置は、エプロン板部133A
を折り曲げ方向に上下回動可能に支持した支持箇所と合
致するように設定している。この三角リンク146aの
残る二つの頂点部のうち一つは、リンク147を介して
エプロン板部133Aの側面部に回転可能に枢支されて
いる。
【0062】他の頂点部は、長尺リンク148、短尺リ
ンク149をそれぞれ介してエプロン板部133Aの側
面部に固定されたブラケット150に回転可能に枢支さ
れ、第2の平行四辺形リンク151aを構成している。
このブラケット150には、第1の平行四辺形リンク1
51を構成したときと同様に、図14に示す中間シャフ
ト152が固定され、その軸方向はエプロン板部133
Aの側面部に沿う方向に配置されている。この中間シャ
フト152は、ピン153およびスリーブ154を介し
て押さえシャフト155に選択的回転運動伝達可能に接
続されている。そして、このスリーブ154は、固定軸
受け156aにー端が固定されたコイルスプリング15
6によりピン153に弾接する方向に付勢されている。
【0063】さらに、この押さえシャフト155には、
ボス部157が回転可能に挿入され、外表面には先端部
が若干湾曲する押さえ棒158が固定されている。この
押さえ棒158は、一端が固定子159を介して押さえ
シャフト155にねじ159aにより固定され、他端が
押さえ棒158に弾接するスプリング160により湾曲
部158aが常にエプロン板部133A側の表面の方向
に付勢されている。かかる押さえ棒158は固定子15
9、ボス部157およびコイルスプリング160と共
に、押さえシャフト155に略等間隔に複数個も設けら
れているものである。
【0064】そして、電動機付リニアヘッド143は駆
動されると、プッシュロッド144が雄ねじと雌ねじと
の協働作用により図12の矢印M方向に移動し、クレビ
ス145を介して第1の平行四辺形リンク151および
第2の平行四辺形リンク151aをそれぞれ図12の矢
印N、O方向に変位させ、中間シャフト152、ピン
53、スリーブ154および押さえシャフト155を介
してエプロン板部133B、133Aの両側に存する押
さえ棒158を矢印PおよびQ方向にそれぞれ回動させ
て(実線から二点鎖線で示す如く)、その湾曲部158
aをスプリング160の作用により着布団67の両側縁
部に弾接し、図15および図16に示す如く着布団67
を横手方向に延ばされた状態で懸掛される如く搬送板部
側に保持する。
【0065】また、電動機付リニヤヘッド143によら
ず、手動により着布団67を搬送板部側に保持したり、
その保持を解除したい場合には、ハンドルレバー161
の先端部のノブ161aを矢印K方向にコイルスプリン
グ156の付勢力に抗して移動させ、矢印L方向(図示
手前方向)に回転させると、ピン153に対するスリー
ブ154の係合が解除されスリーブ154とともに、押
さえシャフト155が中間シャフト152とは独立に矢
印L方向に回転し、押さえ棒158が図12の二点鎖線
の位置から実線の位置に回動し、湾曲部158aによる
着布団67の保持が解除される。
【0066】また、上記と同様の手順により、ピン15
3およびスリーブ154の係合を解除した状態で、ハン
ドルレバー161の先端部のノブ161aを矢印Lとは
反対方向に回転させると、ピン153およびスリーブ1
54の係合が外れていることから、押さえシャフト15
5が中間シャフト152とは別に矢印Lの反対方向に回
転し、この状態を手動で維持している間は、押さえ棒1
58が図12の実線の位置から二点鎖線の位置に回動
し、湾曲部158aにより着布団67が保持されるよう
にすることもできる。
【0067】さらには、使用者Uが搬送板部133〜1
35が搬送位置から油圧装置131とリンク127〜1
30の協働作用により元の搬送位置に移動され、着布団
67を着せられた後には、搬送板部133〜135のロ
ーラ133a〜135aおよびベルト133b〜134
bからなるベルトコンベヤーにより寝台部7a側に戻さ
れる。この場合には、使用者が搬送される途中におい
て、寝台板部8のローラとベルトによるベルトコンベヤ
ー効果に支援されて寝台部7aに戻されるようにもなっ
ている。
【0068】上記実施例では、布団吸引装置114を作
動させる時宜については、使用者Uが搬送板部に搬送さ
れたとき搬送位置から使用位置に移動する前又は後に着
布団67を布団吸引装置114により使用者Uから取り
外すようにし、搬送部から使用者Uを寝台部に戻す際に
は、取り外した着布団67を布団吸引装置114により
搬送板部上の使用者Uに着布団67を装着できるように
したが、布団吸引装置114を使用せず着布団67を使
用者Uから取り外してから搬送板部を搬送位置から使用
位置に下降移動させるようにしてもよい。
【0069】特には、浴槽104内に湯を供給しない空
の状態で、使用者Uが使用位置に下降されたときには、
生活資材供給装置103により食事や洗面用のテーブル
111が膝近辺にまで下降できるので、このテーブル1
11は食事や洗面ばかりではなく、読者や絵画や書き物
をしたり、携帯テレビ、ラジオやお土産などの様々な日
用品を置くものとして使用できることは勿論である。
【0070】また、浴槽104内には図1や図16でも
示したように便器162を設けて使用者Uが使用位置に
下降した時には、使用者Uの臀部が便器162の開口部
に遭遇するようにしている。この場合には、便器162
の開口部は常には液密に閉鎖されており、用便の時のみ
に開放され搬送板部134に選択開放可能に形成された
用便口部に連通状態に密着して排泄物が便器162内に
収容されるように設定されているものである。
【0071】このように本発明によれば、生活資材供給
装置103を浴槽104の外側面に隣接状態に設けたの
で、使用者Uが搬送板部133〜135に搬送され、搬
送位置から使用位置に下降変位したとき、所望に応じて
テーブル111などが自動的に提供されるので、自力で
は身動きできない使用者であっても、食事などの日常の
身辺雑事を良好に行うことができ、介護上の世話が大幅
に軽減される。しかも、このテーブル111は流し台1
10に着脱自在に設けたので、テーブル111を取り外
すだけで洗面作業が可能になり、使い勝手がよく使用者
配慮上、極めて好都合である。
【0072】また、使用者Uが寝台部7aから搬送板部
に搬送されたとき、着布団67は、布団吸引装置114
により自動的に着脱できるので、使用者Uおよび介護人
の双方ともに楽であり、負担の軽減に寄与できる。特
に、入浴時には、使用者Uが使用位置から搬送位置に移
動するに先立って着布団67を搬送板部側に布団吸引装
置114により運んでおけば、使用者Uが外部に直接に
晒させることがなくなるので、風邪などを引く恐れが解
消され、とりわけ病弱なものにとっては至便な装置とし
て効果的に作用するものである。
【0073】さらには、入浴時に、使用者Uが使用位置
から搬送位置に移動するに先立って着布団67を搬送板
部側に布団吸引装置114により運んでおいても、位置
保持装置138の押さえ棒158により搬送板部側に良
好に保持しておけるので、何らの支障も生じないのであ
る。
【0074】加えて、寝台部7aから搬送板部にかけて
は、移動レール139を設けたので、使用者Uの搬送移
動に伴って電話などの小物品や身辺に常に置いておきた
い品々を浴槽104側に自動的に移送できて至便であ
る。とりわけ、本発明では、着布団67を押さえ棒15
8により保持した際、ハンドルレバー161の手動回動
により着布団67の保持を解除できるので、介護人の判
断により早急に着布団67を取り外す必要がある場合に
は、極めて有用である。総じて自力では身動きできない
使用者にとってはきめの細かい配慮が行き届き、介護人
および使用人の双方共に負担の軽減が図れて来るべき高
齢者社会に対応するに極めて有用な介護装置を提供でき
るものである。
【0075】本実施例では、寝台部7aや浴槽104に
おいては、使用者の寝返り変位の駆動源としては、油圧
シリンダとロッドを使用したが、この駆動源には、油圧
シリンダとロッドに代わって、原動機付減速機を使用し
て原動機付減速機に連結されたピニオンを用いて、当該
原動機の通電により、ピニオンを回転し、当該ピニオン
の回転を介してラックを変位させて寝台板部を寝返り時
に傾けて変位させるように構成してもよい。
【0076】さらには、本身辺介護装置の適用範囲とし
ては、寝たきり病人は勿論、足腰の不自由な障害者ばか
りではなく、場合によっては身体的には不自由のない健
常者が使用してもよい。加えて本実施例で用いた油圧装
置やロッドに変わっては、水圧、空気圧や各種の液体圧
を使用するようにしてもよい。とりわけ、寝台部7aに
あっては寝返り時の寝台板部7、8、9の傾斜変位の駆
動源は、油圧装置ばかりではなく、ナット型移動部にね
じ棒を螺合して、これの回転により寝台板部7、8、9
の傾斜変位を実行するようにしてもよい。
【0077】また、生活資材供給装置103の支持柱1
05は、本身辺介護装置が設置された地上に対して若干
傾斜していてもよいし、あるいは地上に対して垂直状態
に設けられていてもよく、要は必要に応じて傾斜角度を
自由に変更でき、設置スペース状況等に対応できるもの
である。この時、生活資材供給装置103のテーブル1
11は油圧装置に代わって電動機付減速機によるピニオ
ンとラックからなる昇降手段を設けるようにしてもよ
い。さらには、この昇降手段は、ナット型移動部と、こ
れに螺合された雄ねじ棒を含み、この雄ねじ棒の回転運
動によりナット型移動部を上下方向に螺進退変位せしめ
て、テーブルを所定の方向に移動させるように構成して
もよい。
【0078】また、布団吸引装置114にあっては、真
空ホースにより着布団を吸引する構成のみに限られず、
この真空ホースに代わって磁石を用い、該磁石により布
団に対する吸引を行ったり、その解除をしたりする構成
を採用してもよい。この際のレール115や車輪117
は、これらに代わって溝と当該溝に沿ってスライドする
ほぞ板部を設け、ほぞ板部が溝に沿って往復移動するよ
うに構成してもよいものである。
【0079】その他、具体的な実施に当たっては、この
身辺介護装置の設置場所は、家庭は勿論、病院や診療所
などに限定されないことや、生活資材供給装置103お
よび布団吸引装置114付の浴槽104は、寝台部7a
から離れて単独で使用できるなど発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更して実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による身辺介護装置の概略的側面図であ
る。
【図2】寝台部の横断面図である。
【図3】作用を説明するための寝台部の横断面図であ
る。
【図4】寝台板部の接続部を示す拡大横断面図である。
【図5】本発明に係る身辺介護装置の上面図である。
【図6】生活資材供給装置に係る分解斜視図である。
【図7】浴槽とその周辺部材の断面図である。
【図8】浴槽と共に示す布団吸引装置の断面図である。
【図9】(a)真空ホースの要部の拡大図である。 (b)(a)のA−A線に沿う縦断面図である。
【図10】布団吸引装置とともに示す浴槽の上面図であ
る。
【図11】布団吸引装置とともに示す浴槽の断面図であ
る。
【図12】布団の保持装置を示す拡大断面図である。
【図13】布団の保持装置の押さえ棒およびその周辺部
材を示す拡大斜視図である。
【図14】手動による布団保持を解除する装置を示す正
面図である。
【図15】使用者が浴槽内で使用位置を占めた時を示す
浴槽の断面図である。
【図16】布団の保持装置とともに示す浴槽の断面図で
ある。
【符号の説明】
7a 寝台部 103 生活資材供給装置 104 浴槽 110 流し台 111 テーブル 114 布団吸引装置 118、119 真空ホース 120 真空ポンプ 126 置き台 133〜135 搬送板部 138 布団の保持装置 139 移動レール 158 押さえ棒 301 収納部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも第1、第2および第3の寝台板
    部からなり、これらの寝台板部はロッドにより支持さ
    れ、各ロッドの選択的変位により駆動されて第1の寝台
    板部と第2の寝台板部との間、ならびに第2の寝台板部
    と第3の寝台板部との間で寝返りのために折れ曲がる寝
    台板部を有する寝台部と、 この寝台部に長さ方向に隣接された便器付浴槽と、 この便器付浴槽の上面開口面に閉鎖状態に設けた少なく
    とも3つの第1、第2および第3の搬送板部からなり、
    略水平状態の搬送位置と下方に変位して椅子形をなす使
    用位置との間で移動可能に枢支されていることと、 この便器付浴槽に隣接されて設置され使用者に対して前
    傾状態となるように設けられた支持柱と、この支持柱に
    上下移動可能に設けられたテ−ブル板部とからなり、前
    記搬送板部が使用位置にある時には、前記テ−ブル板部
    が下降して使用者の膝に近接する生活物資供給部と 前記搬送板部には,シ−トベルトが設置され使用位置で
    使用者が不用意に前方に倒れないようにしていることと
    を具備してなる寝たきり病人用等の身辺介護装置。
  2. 【請求項2】前記便器付浴槽の上面開口部の外周縁部の
    両側には、レ−ル敷設され、このレ−ル上には真空パ
    イプを有する布団吸引装置が設けられ、搬送位置にある
    時に着布団を吸引して前記レ−ルに沿って移動させるこ
    とにより使用者から着布団を着脱するようになっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の寝たきり病人用等の
    身辺介護装置。
  3. 【請求項3】前記搬送板部の長手方向の両側にはエプロ
    ン板部を介して押さえシャフトが軸方向に配置され、こ
    のシャフトには複数の押さえ棒が間欠的配置でもって固
    定され、シャフトの回動に伴い、前記押さえ棒が回動し
    て着布団の両側部を搬送板部側に保持するようになって
    いることを特徴とする請求項1に記載の寝たきり病人用
    等の身辺介護装置。
  4. 【請求項4】前記寝台部から前記搬送板部にかけては、
    移動レ−ルが設けられ使用者が前記搬送板部に搬送され
    るに伴い、本装置操作用の操作盤を始め、電話あるいは
    携帯品等が前記移動レ−ルにより使用者に付随して移送
    されようになっていることを特徴とする請求項1に記載
    の寝たきり病人用等の身辺介護装置。
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