JP3075497U - 多機能介護ベッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寝たきり老人を健常者と同じ様に、食事をさ
せる事。排便・排尿の時は、オムツ・尿器ではなく起こ
して便器にさせる事。車椅子で入浴をさせる事。これら
の介護負担を大幅に低減出来る多機能介護ベッドを提供
する。 【解決手段】 １台のベッドを図１の様に３分割する。
第１番目ブロック１に背もたれ部分を組込み、油圧シリ
ンダー１４で上半身部を起こす。第２番目ブロック２を
３分割して、中央サブブロック２−２は回転円板を持ち
第３番目ブロック３を後方に移動して中央サブブロック
の両側に、車椅子用手摺を取付けて足台を置くとテーブ
ル用椅子。回転円板８とトイレ用バケツとを入れ換える
とトイレ用椅子。回転円板を９０°回転して背中の後ろ
に車椅子用ハンドルを差込み、更にハンドルと直角に車
椅子用手摺を差し込み、車椅子用足乗せを取出すと車椅
子。車椅子用部材は耐蝕・防水材を使用しているため、
入浴が出来る車椅子。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、介護者が被介護者をベッドから次の行動へ移す際に、抱える、リフ トで吊り上げる又はリフトで吊り降ろす。という動作をなくして１人の介護者が 被介護者を寝かせる、食事をさせる、排便・排尿をさせる、入浴をさせる。等々 の日常生活を連続的に移ることが出来るベッドの長手方向の分割方法及び多機能 介護ベッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

寝たきり老人や身体に障害があって、歩行が不自由な人は日本で、約１００万 人いると言われている。これらの人に気持ちの良い生活を家庭で送ることが出来 る様にすることが社会的に問題になっている。介護者は家庭では主婦や老人に、 しわ寄せされている現状において、機能的であると同時に、取扱いの容易な多機 能介護ベッドの開発が期待されている。

【０００３】従来、寝たきりの老人が食事をする時は、起こして手摺にテ ーブルを置いて、食事をさせていた。

【０００４】従来、排便・排尿の時、寝かせたまま、紙オムツ又は尿器で させていた。

【０００５】従来、在宅で被介護者を入浴させる方法として、一度、人を 抱きあげて、車椅子に移乗させ、浴室に運んで、又、抱き降ろして浴槽に入れて いた。又、家庭内に移動用リフトを設置して被介護者を吊り上げ、被介護者を浴 室に運んで浴槽の中に吊り降ろして風呂に入れるということを行っていた。又、 ベッドの側に浴槽を置くものでは、一度、被介護者を吊り上げて浴槽に降ろした り、入浴後リフトで吊ってベッドに降ろしていた。このため被介護者が不安感を もつ。更に、費用として、吊り上げる設備費が必要であった。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来のものは、次のような欠点がある。ベッドに寝たきりの被介護者が食事を する時、起きて、ころげない様に、抱える。という介護負担がある。又、排便・ 排尿の時、寝かせたまま紙オムツ又は尿器でさせるという介護負担がある。又、 浴室へ行く時、抱えて車椅子に移乗するか、又はリフトで吊って浴室へ降ろす。 という介護負担がある。これらの介護機器を個別に購入すると多大な費用が発生 すると同時に、介護機器の保管場所が必要になって寝室が狭くなる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、１台のベッドの長手方向を直角に３分割して、４つの機能をつくる 手段を提案するものである。

【０００８】 １つのベッドを造るために、３つのブロックを手摺兼ブロック連結金具で結合 した。

【０００９】 ベッド３分割の中の第１番目ブロック（上半身部分）に背もたれを取付け、背 もたれの起伏はボタン操作で行い、起伏角度は０°〜８０°でボタン指示に従っ て油圧シリンダーが作動する。上半身部を起こし、第３番目ブロックを後方に移 動して、ベッドの下に格納している手摺と足台を取出し、第２番目ブロックの中 央のサブブロックの両側に、被介護者の座位保持具として手摺を差し込む。更に 足部に足台を取付けるとテーブル用椅子が出来た。

【００１０】 ベッド３分割の中の第２番目ブロックは，中央サブブロックに排便・排尿時の 着脱可能な回転円板を持つ。ベッドの下に格納している手摺を取出して、中央サ ブブロックの両側に手摺を取付け、ベッドの下に格納している足台を置き、回転 円板の替わりに、ポータブルトイレ用バケツを挿入して、上半身部を油圧シリン ダーで起こすとトイレ用椅子が出来た。

【００１１】 ベッド３分割の中の第２番目ブロックは、中央サブブロックに、回転円板を持 つ。回転円板の昇降は、回転円板ユニットの下部に組込んでいる簡易リフトによ る。回転円板を９０°回転して中央サブブロックの背中部分にベッドの下に格納 している背もたれを差込み、中央サブブロックの両側に、同じく、ベッドの下に 格納している手摺を取付け、中央サブブロック本体に組込んでいる足乗せを取出 す。車椅子の骨組はステンレス材、キャスター、ジャッキは防水型、シートは防 水材等々の構成により、車椅子のまま、浴室に入ることが出来る。

【００１２】 本考案のシステムは、上記のように介護負担の大きい、抱えて、次の行動に移 る。オムツ交換。車椅子への移乗。入浴。等々に対して有効なものであり、更に 被介護者が吊られるという工程がないので、被介護者に対して精神的不安を与え ない。被介護者が、寝たきり老人のみならず、下半身不自由な障害者に対しても 対処できるものである。上記のように、食事用椅子、トイレ用椅子、車椅子、ベ ッド等々をシステム化して使用されることにより、従来の介護用品に比較して、 介護者の省力、被介護者の精神的負担において、機能性を発揮し操作的に使いや すく、経済的に買いやすくなる構成にしている。

【００１３】

【考案の実施の形態】

ベッドの長手方向と直角に３分割し、更に、第２番目ブロック２を長手方向に ３分割し中央のサブブロック２−２に回転円板８を組込んでいる。中央のサブブ ロック２−２の両端のサブブロックは、第１目ブロック１、第３目ブロック３と サイド手摺兼ブロック連結金具６で連結している。この連結金具６を外して、両 端のサブブロック２−１、２−３をベッドの横に移動して、ベッドの下に格納し ている車椅子用手摺１０、車椅子用手押しハンドル１１を取り出して中央サブブ ロック２−２の横の方向に車椅子用手押しハンドル１１を差し込み、肩の両側に 車椅子用手摺１０を差し込む。車椅子の本体に組込んでいる車椅子用足乗せ２２ を取り出す。以上の構成部材の組合わせにより車椅子が出来る。逆の操作をする とサブブロック２−２になる構造である。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の実施例について説明する。図を参照しながら、詳細に説明する が、形状、寸法、材質等は一例であり、何ら本考案を限定するものではない。更 に、実施例は本考案を限定するものではない。

【００１５】 図１は、本考案の基本になる３分割した多機能介護ベッドの分割を示した斜視 図である。第１番目ブロック１は、上半身背もたれ部分１３を支持する。第１番 目ブロック１の頭部に差込み式のヘッドフレーム４を持ち、油圧シリンダー１４ を組込んで、上半身背もたれ部分１３を０°〜８０°起伏する。ブロック１の支 持は固定脚１２による。第２番目ブロック２を長手方向に３分割して中央サブブ ロック２−２は着脱可能な回転円板８をもち、その下部に回転円板受金具兼ポー タブルトイレ用バケツ受台１６を持ち、サブブロック２−２の右側サブブロック ２−１、左側サブブロック２−３を切離し、更に第１目ブロツク１からサブブロ ック２−２を切り離すと車椅子の本体になる構成となる。第３番目ブロック３は 足部を支持し、フットフレーム５を持つ。第２番目ブロック２のサブブロック２ −１、２−２、２−３、及び第３番目ブロック３の支持は、ストッパー付きキャ スター２３である。第１番目ブロック１、第２番目ブロック２、及び第３番目ブ ロック３の連結は、サイド手摺兼ブロック連結金具６による構成としている。背 もたれ１３、ブロック２、及びブロック３の上にマットレス２６を敷設しマット レス２６の連結はファスナー２７を使う。中央サブブロック２−２の回転円板８ のマットレスは床ずれ防止用マットレスを使用する。

【００１６】 図２は、考案した多機能介護ベッドの平面図であるる。本図の説明は、図１の 説明による。

【００１７】 図３は、考案した多機能介護ベッドの側面図であるる。第１番目ブロック１の 上半身背もたれ部分１３、第２番目ブロック２、第３番目ブロック３の上にマッ トレス２６を敷設し、マットレス２６の連結はファスナー２７で連結する。第１ 番目ブロック、第２番目ブロック、及び第３番目ブロックの連結はサイド手摺兼 ブロック連結金具６で連結する。

【００１８】 図４は、考案した多機能介護ベッドの全体の分割要領を示した斜視図である。 理解し易い様に、平面図２，側面図３を立体的に示したものである。

【００１９】 図５は、食事時の状況を示した斜視図である。第３番目ブロック３を後方に移 動して、中央サブブロック２−２の両側に、ベッドの下に格納している車椅子用 手摺１０を取付けて足部に足台２５を置いて、背もたれ１３をリモコン１５で約 ７５°起こし、ポータブルテーブル２４を差込むと食事が出来る構成である。

【００２０】 図６は排便・排尿時の簡易トイレの斜視図である。排便・排尿の時、上半身部 １３をリモコン１５で起こし、中央サブブロック２−２の両側に、手摺１０を取 付け、回転円板８を簡易リフト９で取外して、ベッドの下に格納しているポータ ブルトイレ用バケツ１７を挿入し、足部にベッドの下に格納している足台２５を 置くと排便・排尿が出来る構成にしている。逆の操作で元のブロック。

【００２１】 図７は車椅子の組立・分解を示す斜視図である。上半身背もたれ部分１３を油 圧シリンダー１４で起こし、第３番目ブロック３を後方に移動し、第２番目ブロ ックの中央サブブロック２−２の両側に車椅子用手押しハンドル１１をサブブロ ック側に差込み回転円板８を９０°回転する。サブブロックに直角に手摺１０を 差込み両端のサブブロック２−１、２−３を分離し車椅子本体に付いている車椅 子用足乗せ２２を取出し、車椅子７を第１番目ブロックから切り離す。車椅子の 材料は骨組みはステンレス、ストッパー付きキャスター２３は防水型、シート材 その他の構成部材は防水、防カビ、抗菌材等にする。逆の操作で元のブロック。

【００２２】 図８は、車椅子で、被介護者が浴室へ向かっている斜視図である。車椅子７を 第１番目ブロック１から分離して車椅子用手摺ハンドル１１を押して被介護者を 浴室へ案内している状況図である。

【００２３】 図９は、車椅子７を第１番目ブロック１から分離して健常者用浴槽１８の横に 並べているドック式木製浴槽２０をコの字型にして、車椅子７を浴槽２０に入れ る。車椅子７を浴槽へ入れた後、キャスター２３をストッパーで止めて車椅子７ を固定し、ゲート２１を閉めてシャワー１９を浴びせながら湯を浴槽２０に入れ る。入浴後、被介護者の身体を拭き、車椅子７を拭き、着衣させる。浴室から出 て車椅子７の本体２−２の受台１６を簡易リフトで２ｍｍ〜３ｍｍ浮かせて車輪 を拭いて更に車椅子７を吸水性のマットの上を通して水分を除去して寝室に入れ る。

【００２４】

【考案の効果】

上述の様に、本考案の多機能介護ベッドを使用すると介護者の介護負担が相当 軽減出来、更に、寝室を広く使用出来る。

【００２５】 本考案により、被介護者が、食事をするとき被介護者の上半身部をボタン操作 で起こし、第３番目のブロックを後方に移動して、テーブルを挿入して、食事を させることが出来る。

【００２６】 本考案により、被介護者が、トイレの時、被介護者の上半身部をボタン操作で 起こし、第３番目のブロックを後方に移動して、第２番目ブロックの中央サブブ ロックの両側に手摺を取付け、回転円板ユニットを外して、ポータブルトイレ用 バケツを挿入し、足台を置いて、排便・排尿をさせることが出来る。

【００２７】 本考案により、被介護者が入浴の時、上半身部をボタン操作で上半身を起こし 第３番目のブロックを後方に移動して、第２番目の中央サブブロック２−２の回 転円板を９０°回転し、背もたを取付け、被介護者の両側に、手摺を取付ける。 足乗せは、車椅子本体に組込んでいる。この操作で車椅子ができる。車椅子を防 水にしているため車椅子のまま浴室に入ることが出来る。風呂は船のドックと同 じ様に被介護者をコの字型風呂に入れて風呂に入った所で、ゲートを降ろす。シ ャワーを浴びせながら湯を入れる。入浴後、車椅子の本体部分を簡易リフトで２ ｍｍ〜３ｍｍあげて、車輪を浮かせて乾いたタオルで車輪を拭いて吸水性のマッ トの上を通して水滴を除去して、寝室に入ることが出来る。

【００２８】 本考案により、３個のブロックを結合すると、一体の介護ベッドにすることが 出来る。

【００２９】 本考案により、各種の介護用品をベッド１つにまとめたため、寝室を広く使用 することが出来る。

【００３０】 本考案により、各種の介護用品をベッド１つにまとめたため、介護用品の購入 費用が、３０％以上安くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】多機能介護ベッドの分割を示した斜視図であ
る。

【図２】３分割したベッドを示した平面図である。

【図３】３分割したベッドを示した側面図である。

【図４】多機能介護ベッドの一体を示した斜視図であ
る。

【図５】食事時の状況を示した斜視図である。

【図６】排便・排尿時のポータブルトイレ用バケツを挿
入した斜視図である。

【図７】車椅子の組立を示した斜視図と回転円板ユニッ
トの詳細図である。

【図８】車椅子による風呂場へ移動中の状況を示した斜
視図である。

【図９】車椅子での入浴状況を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ 第１番目ブロック（頭部、背中） ２ 第２番目ブロック（腰部、尻部、腿部） ２−１ 第２番目ブロックの右側サブブロック ２−２ 第２番目ブロックの中央サブブロック ２−３ 第２番目ブロックの左側サブブロック ３ 第３番目ブロック（足部） ４ ヘッドフレーム ５ フットフレーム ６ サイド手摺兼ブロック連結金具 ７ 車椅子 ８ 回転円板ユニット（使用しない時はベッドの下に格
納） ９ 回転円板及びポータブルトイレ用バケツ昇降用簡易
リフト １０ 食事・トイレ・車椅子用手摺（ベッドの下に格
納） １１ 車椅子用手押しハンドル（ベッドの下に格納） １２ 固定脚 １３ 上半身部背もたれ部分 １４ 油圧シリンダー １５ 背もたれ部分起伏用リモコン １６ 回転円板受金具兼ポータブルトイレ用バケツ受台 １７ ポータブルトイレ用バケツ（使用しない時はベッ
ドの下に格納） １８ 健常者用浴槽 １９ シャワー ２０ ドック式木製浴槽 ２１ ゲート（木製） ２２ 車椅子用足乗せ（車椅子本体に組み込み） ２３ ストッパー付きキャスター ２４ ポータブルテーブル（ベッドの側に並べて格納） ２５ 足台（ベッドの下に格納） ２６ マットレス ２７ ファスナー

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【手続補正書】

【提出日】平成１２年５月３１日（２０００．５．３
１）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項４】 請求項２記載のテーブル用椅子の状態
で、右側サブブロック及び左側サブブロックを中央サブ
ブロックから分離して、ベッドの下に格納している車椅
子用手摺、車椅子用手押しハンドルを取出して、中央サ
ブブロックの所定位置に差し込んで、中央サブブロック
に組み込んでいる車椅子用足乗せを引き出して、第１番
目ブロックから中央サブブロックを分離して、車椅子と
した請求項１、２又は３記載の４つの機能を持つ多機能
介護ベッド。

【手続補正書】

【提出日】平成１２年８月２９日（２０００．８．２
９）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】 多機能介護ベッド

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １台のベッドの長手方向を直角に切断し
   て３分割する。第１番目ブロック、第２番目ブロック、
   並びに、第３番目ブロックの３つのブロックを結合し
   て、１つのベッド。
2. 【請求項２】 第１番目ブロックに組込んでいる上半身
   部を油圧シリンダーで起こし第２番目ブロックを長手方
   向に３分割して中央のサブブロックに回転円板を組込
   む。作業のために、第３番目ブロックを後方に移動し
   て、ベッドの下に格納している手摺を中央のサブブロッ
   クの両側に取付け、ベッドの下に格納している足台を取
   付け、ポータブルテーブルを挿入して、テーブル用椅
   子。
3. 【請求項３】 作業のために、第３番目ブロックを後方
   に移動して、第２番目ブロックの中央のサブブロックの
   両側にベッドの下に格納している手摺を取付け、更に、
   ベッドの下に格納している足台を取付け上半身部を油圧
   シリンダーで起こし回転円板を外してポータブルトイレ
   用バケツを挿入して、トイレ用椅子。
4. 【請求項４】 第２番目ブロックを長手方向に３分割し
   て中央に回転円板を持つ。作業のために第３番目ブロッ
   クを後方に移動してベッドの下に格納している背もたれ
   ハンドルを中央のサブブロックの背になる部分に差し込
   み、更に、回転円板を９０°回転して、中央のサブブロ
   ックの両側に、ベッドの下に格納している手摺を取付け
   中央のサブブロックに組込んでいる車椅子用足乗せを引
   出して両端のサブブロックを切り離し、第１番目ブロッ
   クからも切り離すと、車椅子。