JP2002301109A - 移乗用車椅子と移乗補助車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】寝たきりの要介護者をベッドから車椅子へ容易
な移乗を可能とする補助車の提供。 【解決手段】座席シートが脱着可能な車椅子において、
該座席シートを車椅子の利用者が搭乗したままの状態で
移乗補助車の力により昇降できるように車椅子のフレー
ムとは独立した支柱に取付けた車椅子と、車椅子の座席
シートの該支柱を利用して搭乗者を持ち上げ、車椅子か
ら搭乗者を切り離し、目的とする場所へ搭乗者を搬送
し、そこへ下ろす事ができる、また逆に、該座席シート
に前もって座っている利用者を該支柱を利用して持ち上
げ、該車椅子のある場所へ搭乗者を搬送し、該車椅子に
下ろす事ができる移乗補助車。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、足腰の立たない要
介護者をベッドから車椅子やトイレへ、あるいは車椅子
やトイレからベッドへなどと動かすにあたり、介護者が
女性や高齢者のように力の弱い人でも軽い力で、かつ、
一人で要介護者を移動させることができる機能を有した
車椅子とその補助車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】寝たきりで、自分達の体を起こしたり、
移動させたりすることが満足にできない要介護者をベッ
ドから車椅子へ動かすには、車椅子をベッドの近くに運
んできて、介護者が要介護者の背中や腰の辺りに両手を
まわして抱え、要介護者がずり落ちたり、倒れたりしな
いように注意しながら要介護者を抱き起こし、車椅子の
所へ回転させながら移し、車椅子へ座らせねばならな
い。車椅子からベッドへ移す場合もこの様な操作で、要
介護者を車椅子から抱き起こしベッドへ移さねばならな
い。

【０００３】このような操作は、熟練を要す上、介護を
する人に取っては大きな力を必要とする。かつ、操作そ
のものが前屈みで、中腰の動作となるため腰を痛めた
り、バランスを失って転倒する事故が発生することもあ
る。そのため、特別養護老人ホームや福祉施設の介護専
門員には、慢性的な腰痛や筋肉疲労を持つ人が多い。

【０００４】

【発明が解決しようとしている課題】そこで本考案は移
乗用車椅子と、移乗補助車を提供する事により、寝たき
りで自分の体を起こしたり、移動させたりすることが満
足にできない要介護者を、ベッドから車椅子へ、あるい
は車椅子からベッドへなどと動かすにあたり、女性や高
齢者のように力の弱い人でも軽い力で、かつ、腰を痛め
たり、転倒することなく、しかも、一人で移動させるこ
とができるようにする事にある。また、その場合の座席
シートにトイレの便座状の孔をあけたものを使用するこ
とにより、ベッドや車椅子からトイレへ移乗できるよう
にすることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、座席シートが
脱着可能な構造とした車椅子と、車椅子の利用者が搭乗
したままの状態で、該座席シートを持ち上げ、車椅子か
ら搭乗者を切り離し、目的とする場所へ搭乗者を搬送
し、そこへ下ろす事ができる、また逆に、該座席シート
に前もって座っている利用者を持ち上げ、該車椅子のあ
る場所へ搭乗者を搬送し、該車椅子に下ろし、車椅子を
利用する事ができるようにする移乗補助車を提供すると
言うものである。

【０００６】本発明を、以下の実施例をもって説明をす
る。

【実施例】図１〜図３に、本発明を用いて要介護者を移
乗する時の移乗操作の流れを示す。すなわち、図１は座
席シートを脱着できる本考案の車椅子であるが、この車
椅子の座席シートの両端には中空パイプ２があり、該パ
イプに座席シートは固定されている。従って、該パイプ
部２に図２に示すように挿入できる支柱３を有す移乗補
助車を近づけ、該支柱３を該パイプ２に挿入する。その
後、搭乗者が該座席シートに座ったままの状態で、該補
助車のハンドル９を回し、該補助車の支柱を上昇させ、
搭乗者を車椅子から離し、図３のようにベッドへ移動さ
せると言うものである。

【０００７】ここで、該座席シートのパイプ２は図１の
車椅子フレーム１に図４の様に取り付けられたフック４
により支持され、搭乗者の体重を保持する。同時に、図
５は該座席シートの裏面を示すが、同図から判るように
搭乗者が座席シートに座った時の体重により起こるシー
トの沈み込み、シート幅の減少およびシートのねじれ等
の防止のために支え板５が設置される。該支え板５は図
５のように前記フック４に挟まれるように配置され、該
座席シートが前後にずれるのを防止する機能を果たす。

【０００８】本発明の移乗補助車の全体外観を図６に示
す。同図において座席シート支持支柱３は、搭乗者が座
っている座席シートのパイプ２に装入され、搭乗者を昇
降させる際の支柱である。この支持支柱３は、同図にお
いてＨ型の形状をしたＨ型板に、支柱取付用ホールダー
を介して固定されている。該Ｈ型板はボールネジ６のナ
ットに連結され、ボールネジの回転にともない上下方向
へ移動できる。また、この場合のボールネジ６は、ウォ
ームギアー７を介して、ハンドル９を回転させることに
より、回転する。なお、搭乗者を昇降させる際にかかる
モーメントは、Ｈ型板とそれに連結されているローラフ
ォロア８によって吸収される。同時にこのＨ型板には搭
乗者の体位保持のために、肘置きバー１０が設置され、
この肘置きバーには図３に示した背もたれ１２のバンド
を止めるためのフックが取り付けられている。またこの
移乗補助車には、自在型のキャスター１１が取り付けら
れ、前後左右あらゆる方向に動かすことが可能になって
いる。

【０００９】なお、本実施例ではボールネジを、人力に
よるハンドルの回転の例で示したが、電動モーターを使
って回転すると、介助する人にとってはより便利であ
る。

【００１０】以上の本発明の車椅子および移乗補助車を
用いて、例えば車椅子からベッドへ要看護者を移乗し終
わったら、更に要看護者をベッドに横たえ、座席シート
を取り除けば、すべての作業が完了することになる。

【００１１】逆に、ベッドに居る要看護者を車椅子に移
すときには、ベッドに横たわっている時に、要看護者の
お尻辺りに座席シートを置き、該シートの上に要看護者
を起こしながら座らせる。その後、移乗補助車をベッド
の前へ移し、該座席シートのパイプ部２に移乗補助車の
支持支柱３を挿入する。そして、要介護者に背もたれ１
２をかけ、そのベルトを肘置き支柱１０に掛けた後、要
介護者が該座席シートに座ったままの状態で、該補助車
のハンドル９を回し、該補助車の支柱を上昇させ、要介
護者をベッドから浮かせ、移乗補助車を動かして本考案
の車椅子の座席の所へ移し、車椅子の座席固定フック４
の上に該座席シートを下ろす、と言うものである。

【００１２】なお、上記実施例ではベッドと車椅子の間
の移動の例を示したが、座席シートに便座の様な孔をあ
けた専用シートを用いれば、ベッドからトイレへ移動
し、便座用の専用座席シートに座ったままの状態で用を
たすことができ、その後、再びベッドへ戻る事も可能で
ある。

【００１３】

【発明の効果】以上のように、本発明の移乗用車椅子と
移乗補助車により、寝たきりで自分の体を起こしたり、
移動させたりすることが満足にできない要介護者をベッ
ドから車椅子やトイレへ、あるいは車椅子からベッドへ
などと、種々な場所へ要介護者を容易に、かつ不安を与
えずに、女性や高齢者のように力の弱い人でも軽い力
で、かつ、腰を痛めたり、転倒することなく、しかも、
一人で移動させることができる事ができるようになっ
た。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明での車椅子で、その座席シートを取り外
す状態を示した図

【図２】車椅子の座席シートの支持パイプ２に移乗補助
車の支柱３を挿入している状態

【図３】要介護者に背もたれ１２をかけ、そのベルトを
肘置き支柱１０に掛けた後、要介護者が該座席シートに
座ったままの状態で、移乗補助車を動かして目的の所へ
要介護者を移動している状態

【図４】座席シートのパイプ２が本考案の車椅子フレー
ム１に取り付けられている状態

【図５】座席シートの裏面で、座席シートの支え板５が
設置されている状態と、同支え板がフック４に挟まれ、
該座席シートが前後にずれるのを防止する機能を示す図

【図６】本発明の移乗補助車の全体外観を示す図

【符号の説明】

１．本発明の座席シート ２．座席シートを取り付けるパイプ ３．座席シートを昇降する支柱 ４．車椅子フレームに取り付けられた座席シートの支持
フック ５．座席シートの幅の縮小やねじれを防止するための支
え板 ６．ボールネジ ７．ウォームギャー ８．ローラーフォロア ９．ハンドル １０．肘置きバー １１．自在型キャスター １２．背もたれ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 座席シートが脱着可能な車椅子において、該座席シート
   を車椅子のフレームとは独立した支柱に取付け、車椅子
   の利用者が車椅子に搭乗したままの状態で該座席シート
   を移乗補助車の力により昇降できるようにした車椅子
   と、該車椅子の座席シートの該支柱を利用して搭乗者を
   持ち上げ、車椅子から搭乗者を切り離し、目的とする場
   所へ搭乗者を搬送し、そこへ下ろしたり、逆に、該座席
   シートに前もって座っている利用者を該支柱を利用して
   持ち上げ、該車椅子のある場所へ搭乗者を搬送し、該車
   椅子に下ろす事ができる移乗補助車