JPH10225489A

JPH10225489A - 介護車

Info

Publication number: JPH10225489A
Application number: JP9065283A
Authority: JP
Inventors: Hideo Tomidokoro; 英雄富所
Original assignee: TAICHI CO Ltd; TAICHI KK
Current assignee: TAICHI CO Ltd; TAICHI KK
Priority date: 1997-02-12
Filing date: 1997-02-12
Publication date: 1998-08-25

Abstract

(57)【要約】【目的】寝たきりや歩行の困難な人のための移動用介
護機器である。車椅子のように自由に移動ができ、ベッ
ドから介護車への乗り降りや、排泄の際のズボンの上げ
下ろしが容易にできるようにする。【構成】手摺兼肘掛けと、足置きを有し、キャスター
付で移動可能な本体と、片側に本体との連結金具を有す
る取外し式の座板とから構成される。本体には、座板と
の連結部が昇降する機能を有し、座板は、片側に連結用
金具を設け、ベッドから介護車への乗り降りや、排泄の
際のズボンの上げ下ろしが楽にできるように、腿を支持
するための座面前部を残して、尻を支える座面後部が、
下方に倒れる機構を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、寝たきりや、歩行
の困難な人の介護を対象とした移動用介護機器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の移動用介護機器には、車椅子もし
くは吊り下げ式のリフター等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、介護をする者
が、「寝たきり」や歩行に障害のある人を、ベッドから
他の場所へ移動させるには、ベッドの縁に腰掛けている
被介護者を車椅子に乗せかえるにしても、簡易トイレに
座らせるにしても、抱き着く様にして、被介護者を持ち
上げたまま数歩の移動をしなければならず、介護をする
者の肉体的負担は非常に大きく、入浴の介護では、事故
の危険さえ伴う。

【０００４】このように車椅子は、移動用介護機器の標
準的存在であるが、乗り降りが容易でないという欠点が
ある。

【０００５】吊り下げ式のリフターは、持ち上げに力を
要しないが、移動範囲が限定されていて簡便性に欠ける
うえに、レール等の据え付け工事が必要で比較的高価な
ことが欠点である。

【０００６】ベッドから介護車への乗り込みや、介護車
から便器、その他の椅子等への乗り移りの際に、被介護
者を持ち上げる事無く、容易に乗り移れるようにする必
要がある。

【０００７】排泄の際にズボンを上げ下ろしする為に
は、車椅子の座面や便座から、被介護者の尻を浮かさな
ければならない。

【０００８】本発明は、乗り降りが容易で、車椅子のよ
うに自由な移動ができ、さらに排泄の際のズボンの上げ
下ろしが容易にできるような移動用介護機器（介護車）
の提供を目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本体（１）の座板取付け
部（７）に昇降機構（２）を設けることで、座板の高さ
が自由に調整でき、ベッド（１１）や便器の高さへの対
応が的確にできる。

【００１０】座板の前部座面（８）を残し、後部座面
（９）が下方に倒れる様にすると、よりベッドに接近す
ることができ、乗車するには、座板の前部座面（８）に
腿を乗せるだけで済む。

【００１１】座板の前部座面（８）を残し、後部座面
（９）が下方に倒れる様にすると、被介護者（１２）の
尻に接触する部分が無いため、ズボンの上げ下ろしが容
易になる。

【００１２】脛当て（１０）を設けると、被介護者（１
２）が前方に姿勢を移した際に、体重を支え易い。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明は、手摺兼肘掛け（４）
と、足置き（５）を有し、キャスター（６）付で移動可
能な本体（１）と、片側に本体との連結金具を有する取
外し式、または本体（１）に固定式の座板とから構成さ
れる。本体には、座板の取付け部が昇降する機能を有す
る。座板は、取外し式の場合は、片側に連結用金具を設
ける。ベッド（１１）から介護車（１３）への乗り降り
や、排泄の際のズボンの上げ下ろしが楽にできるよう
に、腿を支持するための前部座面（８）を残して、尻を
支える後部座面（９）が、下方に倒れるようになってい
る。後部座面（９）を倒す際に、前方に体重を移した被
介護者の脛（すね）を支える為の脛当て（１０）を設け
た。

【００１４】本発明の基本的な使い方を説明すると、ま
ずベッド（１１）の縁に腰掛けている被介護者（１２）
の前に、後部座面（９）を下に倒した状態の介護車（１
３）を置く。被介護者（１２）は、介護車（１３）の手
摺兼肘掛け（４）につかまり、座板の前部座面（８）を
またいで、腿を前部座面（８）に乗せ、足置き（５）に
足を乗せる。体重を前方に寄せ、手摺兼肘掛け（４）、
足置き（５）と前部座面（８）及び脛当て（１０）で体
重を支える。介護人は昇降機構（２）のハンドル（３）
を回す、もしくは電動式の場合はモーターを作動させ
て、被介護者（１２）をベッド（１１）から浮かせ、介
護車（１３）をベッド（１１）から引き出し、座板の後
部座面（９）を引き上げ、固定する。被介護者（１２）
は座板の後部座面（９）に尻を乗せ、普通に腰掛ける。
介護人に介護車（１３）を押してもらい移動する。排泄
の際には、被介護者（１２）は、便器の手前で再び体重
を前方に寄せ、介護車（１３）の手摺兼肘掛け（４）に
つかまり、尻を上げ、手摺兼肘掛け（４）、足置き
（５）と前部座面（８）及び脛当て（１０）で体重を支
える。介護人は、座板の後部座面（９）を下げて、被介
護者（１２）のズボンを下ろし、介護車（１３）を便器
に寄せ、昇降機構（２）で座面の高さを調節して、被介
護者（１２）を便器に座らせる。これら一連の介護動作
のなかで、介護する者が、被介護者（１２）を持ち上げ
ることは全んど無く、昇降機構（２）に採用しているス
クリュウ方式は、自動車のジャッキにも使われている原
理なので、人を持ち上げるくらいではハンドル（３）の
回転に要する力も微々たるものである。

【００１５】

【実施例】昇降機構（２）には、安全性、コスト、昇降
高さの任意性、浴室などの水場でも使用できるように耐
水性を考慮して、機構部品の露出しない構造でのスクリ
ューネジ方式の他、油圧シリンダーを使用したり、ワイ
ヤーやベルトやチェーンを使ったウィンチ方式等があ
る。座板は、前部座面（８）が介護車（１３）の本体
（１）に連結固定され、後部座面（９）は前方を支点に
して下方に倒せるように取付けられ、安全のためロック
機構を設ける。脛当て（１０）は、介護車（１３）の本
体（１）に取付けるか、または座板に設ける。

【００１６】

【発明の効果】このように本発明は、車椅子の様にどこ
へでも自由に移動可能で、吊り下げ式リフターのような
据え付け工事や、建物の改造工事を必要とせず、設備に
掛る費用も比較的軽微である。

【００１７】介護車（１３）へ乗り降りや排泄の際の介
護で、被介護者（１２）を持ち上げるという、肉体的作
業を必要としないため、介護する者の肉体的負担が軽減
できる。

【００１８】介護を要する人の身近にいる誰でもが簡便
に使用して移動、排泄の世話を容易に行えるため、介護
の理想である「随時性」を満足することができ、介護を
要する人を抱える家立の生活の平安と自立を促し、ホー
ムヘルパーの充実等に要する社会的負担の軽減につなが
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】介護車（１３）の外形図である。

【図２】介護車（１３）への乗り降りの際に、後部座面
（９）を下方に倒した状態での使用状況の説明図であ
る。

【図３】後部座面（９）を上げた状態での、使用状況の
説明図である。

【符号の説明】

１本体２昇降機構３ハンドル４手摺兼肘掛け５足置き６キャスター７座板連結部８前部座面９後部座面１０脛当て１１ベッド１２被介護者１３介護車

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】座板取付け部（７）が昇降する機能を有
し、キャスター（６）や車輪等で移動可能な本体（１）
と、片側に本体との連結部を有する座板とから構成され
る介護車。
【請求項２】座板の座面を前部座面（８）、後部座面
（９）とに分け、後部座面（９）が下に倒れる座板。
【請求項３】座板の座面を前部座面（８）、後部座面
（９）とに分け、後部座面（９）が下に倒れる座板を有
する介護車。
【請求項４】座板の座面を前部座面（８）、後部座面
（９）とに分け、後部座面（９）が下に倒れる座板と脛
（すね）当て（１０）を設けた介護車。
【請求項５】前部座面（８）のみの座板と脛（すね）
当て（１０）を設けた介護車。