JP2602883B2 - 金属微粉末の表面処理方法 - Google Patents

金属微粉末の表面処理方法

Info

Publication number
JP2602883B2
JP2602883B2 JP63057585A JP5758588A JP2602883B2 JP 2602883 B2 JP2602883 B2 JP 2602883B2 JP 63057585 A JP63057585 A JP 63057585A JP 5758588 A JP5758588 A JP 5758588A JP 2602883 B2 JP2602883 B2 JP 2602883B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
powder
phosphoric acid
surface treatment
metal powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63057585A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01234502A (ja
Inventor
道利 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MATE Co Ltd
Original Assignee
MATE Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MATE Co Ltd filed Critical MATE Co Ltd
Priority to JP63057585A priority Critical patent/JP2602883B2/ja
Priority to PCT/JP1989/000259 priority patent/WO1989008516A1/ja
Publication of JPH01234502A publication Critical patent/JPH01234502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2602883B2 publication Critical patent/JP2602883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22FWORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
    • B22F1/00Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
    • B22F1/10Metallic powder containing lubricating or binding agents; Metallic powder containing organic material
    • B22F1/102Metallic powder coated with organic material

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、プラスチック材料と一緒に混練し、成形し
て所謂プラスチックマグネットを製造するための磁性粉
末或は、焼結コア製造用金属粉末等の金属微粉末に於
て、大気中で安全に取り扱うことができる酸化防止の表
面処理を施した金属微粉の製法に関するものである。 (従来の技術) プラスチックマグネット用の磁性粉末、焼結コア用の
金属粉末などは、流動性、成形品及び焼結品の緻密性向
上及び磁場などの配向性の向上等の理由によってその粒
度を可及的に小さくすることが望ましい。 特に、異方性合金粉末磁石の製造の場合、磁性粉末の
時期異方性を利用した磁場配向を行なう必要上、磁性粉
末を磁場配向の効果が生ずる上限粒子径以下に微粉砕し
なければ、優れた磁気特性を得ることは困難である。 しかし、金属粉末は粒度が小さい程、表面積は粒度の
2乗に比例して増加し、酸化し易くなる。特に稀土類合
金磁石を製造するための磁性粉末は特にこの傾向が強
く、5μm以下の粒径にまで粉砕した場合、自然発火し
燃えてしまう危険な状態となる。過去に実験段階でも有
機溶媒などの存在下では火災、爆発の事故例が度々発生
し、死傷者も出している。このため粒子径は5μm程度
に留めておくことを余儀なくされ、磁性特性を最大限に
引き出すことは難しかった。 金属(以下の説明で、金属とは合金を含む)を微粉末
化して使用する過程では、金属の酸化の問題を避けるこ
とは出来ない。 (発明が解決しょうとする課題) 従来は、金属粉末の表面に有機系物質の表面皮膜を形
成していたが、この場合、金属粉砕装置から金属粉末を
取り出してから、金属粉末に表面処理を行なっているた
め、粉砕装置から金属粉末を取り出す際に、必然的に金
属粉末が大気に触れる。このため、前述の理由により、
金属粉末は5μm以下には粉砕出来なかった。 又、従来の表面処理に使用する有機系物質は加熱によ
って、有機系物質自体が軟化又は熱可溶して、やがては
固化し、次に酸化による熱劣化が始まるため、製造過程
及び使用上での制約が大きかった。 プラスチックマグネットを製造する際、磁性粉末は樹
脂と一緒に混練機にかけるか或は射出成形機などの加熱
シリンダーから押し出されるが、加熱シリンダーによっ
て磁性粉末も加熱されるため、表面皮膜層の有機系物質
に対して前記問題が生じる。 尚、成形品の使用温度も150℃以上が要求される特殊
用途も増えてきており、金属粉末の高温安定性が強く要
求されている。 本発明は金属粉末の表面に燐酸エステル系金属錯化合
物、特に加熱処理による燐酸金属化合物の緻密且つ安定
な薄皮層を形成することにより、金属粉末の粒径が5μ
m以下の微粒子になっても大気中での自然発火や高温加
熱時の顕著な酸化の問題は起こらず、大気中での取り扱
いが極めて容易となり、しかも流動性が良く、又、磁性
粉末であれば、優れた磁気特性を得ることが出来、加熱
によっても磁気特性が劣化しない金属微粉末の製造法を
明らかにするものである。 (課題を解決するための手段) 上記目的を達するために、本発明の金属微粉末を製造
する方法は、不活性雰囲気中で金属粒から微粉末を造
り、該金属微粉末を大気中へ取り出す前に、不活性雰囲
気下で燐酸エステル或は燐酸エステルを含む有機溶媒溶
液を投入し、金属微粉末の表面に燐酸エステル系の金属
錯化合物の薄皮膜を形成し、表面に燐酸エステル系の金
属錯化合物の薄皮膜を形成した金属粉末を大気中で300
〜450℃に加熱し、前述の薄皮膜を高温下でも安定な燐
酸金属錯化合物の薄皮膜に形成する。 (作用及び効果) 金属粉末の表面処理剤として燐酸エステルを採用した
理由は、多くの無機酸の中で燐酸は強酸としては比較的
穏やかに金属類と作用し、且つ得られる金属−燐酸化合
物は可成の高温度まで安定であり、特に大気中、加熱に
よって形成される遷移金属系−燐化合物は強磁性を示し
且つ電気絶縁性も高いなどの優れた特性を有するためで
ある。 しかし、金属微粉末に対して、強酸である燐酸を直接
に作用することは金属微粉末を著しく変質させて、その
表面を荒らすため、その作用を緩和するためにアルコー
ル類を用いてエステル化する。 表面処理剤はアルコール類と燐酸エステルの混合であ
ってもよい。 尚、実際には最良の表面処理を施すには多量のアルコ
ール類などを用いて燐酸濃度を下げる必要があるが、そ
の際にエステル化反応によって発生する水、燐酸自身の
持つ水(結晶水、吸湿水)及び、アルコール類に可溶し
ている水などが存在していると、表面処理層を形成する
際に、その水によって発生した燐酸水溶液へ金属が溶出
して不必要な金属塩が遊離して存在することになる。 これを避けるため、非水溶性不活性溶媒を用いて微粒
末粒径に応じた所定の燐酸濃度(0.5〜3%)となるま
でに稀釈する。 又、使用する燐酸も予め300℃まで加熱して脱水して
おくことが前述の不必要な遊離沈澱物の発生を未然に防
止出来て良好な結果が得られる。 本発明の製法では、金属粉体を大気に触れることな
く、酸化防止の表面処理を行なうため、表面処理すべき
金属粉体の粒度を安全に5μm以下とすることが出来
る。 表面を燐酸エステル系の錯化合物によって覆った金属
粉末は、酸化による発火の虞れはない。粉体の粒度は5
μm以下の超微粒子であるが安全に取り扱いが出来、粉
体の流動性はサラサラして良好である。 又、従来の有機系表面処理剤を用いて表面処理を行な
った場合は250℃〜300℃で有機物質が軟化又は熱可溶し
て、やがては固化してしまい、次に酸化による熱劣化が
始まる。 しかし、本発明の処理方法、特に金属微粉末の表面に
燐酸エステル系の金属錯化合物の薄皮膜を形成した後、
この金属粉末を大気中で300〜450℃に加熱することによ
って、燐酸系金属錯化合物に変成し、高温耐酸化性に優
れた薄膜を形成でき、450℃まで加熱しても、色、比
重、磁性特性は変わらず、安定していることが確認出来
た。 上記300〜450℃の加熱処理により、皮膜中の有機成分
が除かれて、露出する金属面が空気中の酸素と化合し、
皮膜中の空所が酸素分子と置換する緩慢な酸化によっ
て、粒子表面は、燐、燐酸化合物、燐酸系金属錯化合物
によって覆われると推定される。 燐酸金属錯化合物の薄膜によって覆われた金属粉末は
表面が緻密化、安定化する。従ってこの改良金属粉末は
高温用に使用できる。 (実施例) 第1図は本発明方法の実施に用いる金属粉末の酸化防
止表面処理装置を示している。 実施例の装置は、金属粒を粉末化する粉砕装置を兼用
しており、非水溶性不活性有機溶媒中にて不活性雰囲気
下で湿式粉砕を行ない、金属粒を粉末化した後、直ちに
酸化防止の表面処理を行なうことが出来る。 上面が開口した筒状撹拌槽(1)に気密に蓋板(13)
を被せ、撹拌槽内に撹拌体(2)を垂下配備している。 撹拌体(2)は蓋(13)の中央部を回転自由に且つ気
密に貫通した回転軸(21)に撹拌槽(1)内にて半径方
向に複数本の掻き棒(22)を突設して形成され、軸(2
1)の上端に可変速回転駆動装置(23)が連繁される。 撹拌槽(1)は2重構造であり、内壁と外壁との間は
環状の冷却水充填室(10)となっており、該室に冷却水
供給口(11)及び排出口(12)が接続されている。 又、蓋板(13)を貫通して不活性ガス供給管(4)、
及びガス圧力計(5)が接続されている。 上記装置の構成は金属粒を粉末化する公知の湿式金属
粉砕装置と同様の構成であって、撹拌槽(1)内に粉砕
すべき金属粒、直径5mm程度のスチールボール及びトル
エン、ベンゼン等の非水溶性有機溶媒を投入し、不活性
ガス供給管(4)からN2、Ar等の不活性ガスを撹拌槽
(1)内に充満させ、撹拌槽(1)内を大気圧よりも少
し高く維持して、外気の侵入を確実に防止し、この状態
にて撹拌体(2)を回転させる。 スチールボールと金属粒とが衝突を繰り返し、金属粒
が粉砕される。 この装置の特徴は、上記撹拌槽(1)内に表面処理液
の供給管(61)を接続した点である。 実施例では蓋板(13)を貫通して表面処理液供給管
(61)を撹拌槽(1)内に挿入し、該供給管(61)に処
理液タンク(6)を接続している。 上記処理液は加熱による脱水処理を施した燐酸をアル
コールに溶してエステル化した燐酸エステルアルコール
溶液である。 タンク(6)の上面開口には気密に蓋(62)が取付け
られ、更に、タンク(6)の上部に不活性ガス充填管
(63)が接続され、タンク(6)の液面と蓋との間の気
層部を常時不活性ガスにて充満し大気圧以上に維持し、
タンク(6)内への外気の流入を確実に防止している。 又、タンク(6)内の液の温度を計る液温計(7)が
蓋板(13)を貫通して配備されている。 上記装置を使用しての表面処理方法は、前述の如く、
撹拌槽(1)内を不活性ガスで充満させ、大気圧以上に
維持した状態にて、金属粒を粉砕する。 金属粒が所望の粒径に粉砕された時点で、供給管(1
6)を経てタンク(6)から燐酸エステルアルコール溶
液(以下、燐酸エステル溶液とする)を投入する。 該燐酸エステル溶液と、タンク(6)に最初から投入
されていた非水溶性不活性有機溶媒の総量に対して、燐
酸の量が1〜10%になるまで燐酸エステル溶液を投入
し、撹拌体(2)を回転させて溶液を急速に分散させ、
金属微粉末と反応させて微粉末の表面に極薄の燐酸エス
テル系金属錯化合物層を形成する。 この際、重要なことは、金属粉末の表面に酸化防止に
必要な最少量に正味燐酸の量を抑制することである。こ
れによって単分子層に近い燐酸金属化合物を金属粉末の
表面に形成することに留めることが出来、磁気特性を向
上できる。 上記の如く、燐酸エステル溶液と金属粉末の反応を短
時間に完成させた後、蓋板(13)を外して、ポンプにて
金属粉末液を装置外に取出し、速やかに脱液処理をした
後、防爆対策を施した乾燥装置に入れて大気中で乾燥さ
せる。 次に、大気中で300〜450℃に加熱することによって燐
酸エステル系の金属錯化合物を燐酸系金属錯化合物に変
成し、高温耐酸化性に優れた薄膜を形成する。 尚、量産用大形装置の場合は、粉末の投入口を上蓋板
に設け、開閉可能な排出口をタンク(6)の底部外周に
設けてポンプ類により金属粉末及び表面処理液を一緒に
投入及び排出を行なうことも可能である。 本発明の処理方法では、金属粉体の表面に錯体層を形
成するまでは、金属粉末を大気に触れさせないため、表
面処理すべき金属粉体の粒度が5μm以下(例えば1μ
m)であっても、酸化により発火の問題は生じず、粉体
の粒度を可及的に小さく出来、粉体の流動性も良好であ
る。 又、従来のように有機系表面処理剤を用いて表面処理
を行なった場合は250℃〜300℃で有機物質が軟化又は熱
可溶して、やがては固化してしまい、次に酸化による熱
劣化が始まる。 しかし、本発明の処理方法によって得られた金属粉末
は、450℃まで加熱しても磁性特性は変わらないことが
実験によって確認出来た(後記の実験表を参照)。 本発明において燐酸エステル溶液を採用した主たる理
由は多くの無機酸の中で燐酸は強酸としては比較的穏や
かに金属類と作用し、且つ得られる金属−燐化合物は可
成の高温まで安定であり、特に大気中、加熱によって形
成される遷移金属系−燐化合物は強磁性を示し且つ電気
絶縁性も高いなどの優れた特性を有することに着眼した
ことである。 しかし、磁性の極めて高い金属及び合金の微粉末に強
酸である燐酸を直接作用することは無謀なので、その作
用を穏和するためにアルコール類(例えばメチルアルコ
ール)を用いてエステル化し、実際に使用する場合は、
前述の如く、燐酸エステルを更にアルコール類にて稀釈
する。しかし、希釈液として吸水性の高いアルコール類
を多量に使用することを避けて、トルエン、ベンゼン等
の非水溶性の不活性有機溶媒を用いることが肝要であ
る。 これは、エステル化反応によって撹拌槽(1)に極少
量の水が発生しても金属は燐酸の作用を受けて直ちに溶
出し、遊離した金属塩を生成し、有害無益な沈澱物とし
て金属微粉末中に介在すること及び金属微粉末の表面を
腐触して脆弱且つ不安定な表面組織層を形成する問題が
あるから、これを防止するためである。 金属粒を微粉末化する場合には前記の湿式粉砕又は乾
式粉砕或いは金属塩類からの抽出などがある。又、磁石
合金粉末の製造の場合には溶解した合金を粗粉砕してか
ら、微粉砕工程を前述の二つの方式で行なうことが多い
が、本発明の方法は前記の如く、不活性雰囲気下で非水
溶性不活性有機溶媒中で湿式微粉砕を行なう場合に最も
適した方法である。 即ち、湿式微粉砕に使用される不活性有機溶媒をその
まま利用して、微粉砕終了後、その溶媒に適合した燐酸
エステル溶媒の適量を装置内に空気が混入しないように
注入し、急速撹拌により均一に極めて短時間に反応を完
成させることが出来る。 本発明の表面処理が施された金属の微粉末は大気中で
は450℃の高温まで極めて安定であり、その後の取扱い
も未処理の微粉末に比べて比較にならないほど安全且つ
容易である。然も450℃まての大気中での熱処理、例え
ば樹脂粉末との高温で混練作用及び高温下での射出成形
作業中でも酸化による変質の虞れはない。 本発明の処理方法によって形成された金属粉末の表面
皮膜は極めて薄く、微量なので、本金属微粉末を焼結す
る場合には従来の焼結温度よりも300〜600℃程度も低い
温度で加熱保持して、還元雰囲気処理を施すか或いは高
真空処理を施せばこの被膜層の大半を除去出来、本焼結
後に得られる焼結品の諸特性に大きな影響を及ぼす虞れ
はなく、微粉末化による焼結品の高密度化及び磁場印加
による高配向化の効果が顕著に現われ、焼結品の製品特
性の全てに著しい効果が期待出来る。 又、金属粉末の微粉末によって焼結温度も従来温度よ
りも100〜200℃の低い温度で焼結可能になり、熱エネル
ギーの節約及び焼結炉自体及び炉材の購入費の低減及び
使用機材の長寿命化が画れて多くの経済効果が期待出来
る。 尚、表面処理溶液を調製するとき、微粉砕後に得られ
る粒径に応じた燐酸量を金属又は合金の粉末重量に対し
て計量して活性溶媒であるアルコール類又はシンナーな
どに溶解してエステル化させるが、この濃度も微粉砕時
に使用する粉砕媒体であるトルエン、ベンゼン等の不活
性溶媒との兼ね合いで限定されてくる。 即ち、エステル化反応によって発生した少量の水や、
燐酸エステルの量によっては不活性溶媒は全くそれらを
可溶せずに白濁又は分離してしまうので良好な結果は得
られない。 実際には300℃に加熱して、脱水した燐酸を用いた場
合が一番好ましかったが、この場合でも不活性溶媒に溶
解する燐酸エステル溶液の濃度は約2%以内に限定され
る。一部活性化されたシンナー(トルエン65%、アルコ
ール35%)の場合には含有アルコール類の添加量に応じ
て必然的にその溶解量は増加するが、含まれる活性溶媒
(アルコール類)は吸水性を有するため、保管管理が難
しく、活性の極めて強い金属及び合金粉末の微粉化の製
造工程に於ては、使用を避けた方が安定いて品質の高い
製品が得られる。 本発明による表面処理溶液は、安価な市販の燐酸を加
熱して脱水後冷却し、使用直前にアルコール類を用いて
撹拌溶解し、所要濃度の燐酸エステル溶液を調製すれば
よいので、他の市販の高価な有機系表面処理剤よりも極
めて容易且つ安価に得られ、しかも表面処理後の金属微
粉末の取扱いは容易になり、極めて経済効果の高い表面
処理方法と云える。 又、本発明の製法を用いることにより、従来の5μm
以上の粒径を用いて製造していた稀土類磁石製品(焼結
型及び樹脂成形型とも)は今後は1〜3μmの極微粉末
を使用することが出来、成形性の向上はもとより、得ら
れる製品の諸特性の顕著な改良、更には製品の外観の美
麗化など極めて多くの効果を得ることができる。 尚、本発明の表面処理法は金属の微粉末の表面処理法
として卓効が認められることは上述の通りであるが、一
般の金属材料である板材及び管材に対する表面処理にも
十分に適用されるものである。 実施例 稀土類磁石合金(重量%で、Sm26%、Co50%、Fe17.5
%、Cu5%、Zn1.5%)を真空溶解して合金化後、鋳塊を
粗粉砕し保磁力を向上させる時効処理を施す。 不活性雰囲気下で、不活性有機溶媒溶液を粉末重量10
0部に対して250部を混合して前記湿式微粉砕機に投入
し、5〜10時間粉砕し、平均粒径が1〜3μmの金属粉
体を形成する。 予め調整した2%燐酸をメチルアルコールに溶解反応
させた燐酸エステル溶液を供給管(61)を通じてタンク
(6)から撹拌槽(1)内に投入する。 燐酸エステル溶液の投入量は、撹拌槽(1)内の不活
性有機溶媒の容積250部に対し83部である。 約1分間高速撹拌を行なった後、微粉砕機から表面処
理を完了した微粉末を処理液と一緒に撹拌槽(1)から
取出し、処理液を濾過分離した後、真空乾燥機で50℃ま
で加温する。 これによって極めて短時間に流動性の良好な上記の稀
土類合金磁石粉末が得られる。 次に本微粉末を電気炉を用いて300〜450℃大気中で加
熱処理を施す。 加熱温度により下記の表に示すような色変化を示す。 ・表面処理液の欄の数値は、ピロ燐酸溶液と不活性有機
溶媒の総量中に占めるピロ燐酸の割合である。 加熱温度による色変化及び磁力変化の欄の()内の数
値は下記の磁力測定法の概算値である。
【磁力測定法】
第2図に示す如く、スタンド(8)から磁石(81)を
吊す。 磁石(81)の下方にプラッスチックケース(9)を置
き、該プラッスチックケースに一定容量(実施例では5
g)の金属粉末を容れ、施蓋してセロハンテープでシー
ルする。 磁石(81)を徐々に下降させ、容器(9)内の金属粉
末が磁力の作用で立上った時の磁石(81)と容器蓋(9
1)との距離(単位mm)を測定する。 上記簡易磁力測定の結果からも、従来の市販の焼結用
ならびにプラスチツクマグネット用磁性金属粉末(平均
粒径 約5μm 粒径分布1〜30μm)に表面処理を施
したものよりも、5μm以下に微粉砕し表面処理方法を
施した本発明の金属粉末の方が磁場配向効果が著しく現
われることが判る。 本発明の表面処理を施さない5μm程度の金属粉末で
は、200℃に加熱した時の磁気特性が著しく低下する。 粒径が細かくなると成形品の緻密度が向上して、仕上
り外観も著しく改善される。 本発明は磁性粉末の他にも、各種用途の焼結コア製造
用の金属粉末にも実施できる等、特許請求の範囲に記載
の範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は金属粉末の表面処理装置を一部を断面で表した
正面図、第2図は簡易磁力測定装置の正面図である。 (1)……撹拌層、(2)……撹拌体 (6)……タンク、(61)……処理液供給管

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性雰囲気中で金属微粉末を造り、該金
    属微粉末を大気中に取り出す前に、不活性雰囲気中に燐
    酸エステル或は燐酸エステルを含む有機溶媒溶液を金属
    粉末へ投入して、金属微粉末の表面に燐酸エステル系の
    金属錯化合物の薄皮膜を形成し、次で大気中で300〜450
    ℃に加熱することによって燐酸エステル系の金属錯化合
    物を燐酸系金属錯化合物に変成し、高温耐酸化性に優れ
    た薄膜を形成することを特徴とする金属微粉末の表面処
    理方法。
JP63057585A 1988-03-11 1988-03-11 金属微粉末の表面処理方法 Expired - Fee Related JP2602883B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63057585A JP2602883B2 (ja) 1988-03-11 1988-03-11 金属微粉末の表面処理方法
PCT/JP1989/000259 WO1989008516A1 (en) 1988-03-11 1989-03-09 Fine metal powder and method of producing same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63057585A JP2602883B2 (ja) 1988-03-11 1988-03-11 金属微粉末の表面処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01234502A JPH01234502A (ja) 1989-09-19
JP2602883B2 true JP2602883B2 (ja) 1997-04-23

Family

ID=13059924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63057585A Expired - Fee Related JP2602883B2 (ja) 1988-03-11 1988-03-11 金属微粉末の表面処理方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2602883B2 (ja)
WO (1) WO1989008516A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2602979B2 (ja) * 1990-05-16 1997-04-23 株式会社 メイト 耐熱性金属微粉末の製法
US5372749A (en) * 1992-02-19 1994-12-13 Beijing Technology Of Printing Research Institute Chinese Method for surface treating conductive copper powder with a treating agent and coupler
JP3189956B2 (ja) * 1992-05-12 2001-07-16 セイコーエプソン株式会社 希土類ボンド磁石用組成物,希土類ボンド磁石及び希土類ボンド磁石の製造方法
JPH07278602A (ja) * 1994-12-21 1995-10-24 Meito:Kk 耐高熱性金属微粉末
WO2007036679A1 (en) * 2005-09-30 2007-04-05 Loughborough University Enterprises Limited Method for preparing insulated particulate metals
EP1995854B1 (en) 2006-03-16 2016-09-07 Panasonic Corporation Radial anisotropic magnet manufacturing method, permanent magnet motor using radial anisotropic magnet, iron core-equipped permanent magnet motor
JP2008069374A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Nippon Shokubai Co Ltd 金属ナノ粒子分散体および金属被膜
JP5267800B2 (ja) 2009-02-27 2013-08-21 ミネベア株式会社 自己修復性希土類−鉄系磁石
JP5344171B2 (ja) 2009-09-29 2013-11-20 ミネベア株式会社 異方性希土類−鉄系樹脂磁石
CN104190923B (zh) * 2014-09-18 2016-05-04 哈尔滨工程大学 纳米金属粉末包覆装置及包覆方法
US20230415227A1 (en) * 2020-11-19 2023-12-28 Nichia Corporation PRODUCTION METHOD FOR PHOSPHATE-COATED SmFeN-BASED ANISOTROPIC MAGNETIC POWDER, AND BONDED MAGNET

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5756521B2 (ja) * 1974-08-13 1982-11-30
JPS55111105A (en) * 1979-02-20 1980-08-27 Mitsui Toatsu Chem Inc Raw magnetic material
JPS5726104A (en) * 1980-07-23 1982-02-12 Seiko Epson Corp Magnetic powder with lubricating layer
JPS6041202A (ja) * 1983-08-17 1985-03-04 Shin Etsu Chem Co Ltd 高温成形用プラスチック磁石組成物
JPS60154503A (ja) * 1984-01-24 1985-08-14 Ube Ind Ltd 金属磁性粉末の安定化法
JPS60240105A (ja) * 1984-05-14 1985-11-29 Shin Etsu Chem Co Ltd プラスチツク磁石組成物
JPS61253302A (ja) * 1985-05-02 1986-11-11 Mitsui Toatsu Chem Inc 磁性粉末の処理法
JPH0656138B2 (ja) * 1984-06-27 1994-07-27 トヨタ自動車株式会社 複燃料噴射弁

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01234502A (ja) 1989-09-19
WO1989008516A1 (en) 1989-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2602883B2 (ja) 金属微粉末の表面処理方法
JP4236285B2 (ja) セラミックおよび金属の粉末から成形品を製造する方法
KR100300933B1 (ko) 희토류계소결자석의제조방법
KR950017021A (ko) 조립분의 제조 방법 및 제조 장치
JP2012060139A (ja) NdFeB系焼結磁石の製造方法
JP3435223B2 (ja) センダスト系焼結合金の製造方法
TW494027B (en) Stainless steel aqueous molding compositions
JP2002020802A (ja) 粉体プレス装置および当該装置を用いた希土類磁石の製造方法
JP4391985B2 (ja) NdFeB系磁石の製造方法
JPH02164008A (ja) Fe―Si合金軟質磁性焼結体の製造方法
JP2602979B2 (ja) 耐熱性金属微粉末の製法
JP2008294468A (ja) NdFeB系磁石の製造方法
JPH07278602A (ja) 耐高熱性金属微粉末
JP3083963B2 (ja) 異方性造粒粉の製造方法とその装置
JP3170156B2 (ja) 等方性造粒粉の製造方法
KR101963184B1 (ko) 니켈 나노 파우더의 제조 및 페이스트화 하는 방법
JP2018014341A (ja) ボンド磁石用希土類−鉄−窒素系磁石粉末の製造方法
JP3349061B2 (ja) 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法
JP4240988B2 (ja) 希土類合金の造粒粉の製造方法、希土類合金の造粒粉の製造装置および希土類合金焼結体の製造方法
JPH0372011A (ja) 焼結磁石用希土類―鉄―ホウ素系合金粉末の製造方法
JPH08120393A (ja) Fe−Si系軟質磁性焼結合金の製造方法
JPH0888111A (ja) R−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法
JPH0917674A (ja) 希土類系焼結磁石の製造方法
JP2002194402A (ja) 希土類合金焼結体の製造方法および希土類焼結磁石
JP3540389B2 (ja) R−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees