JP3349061B2 - 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法 - Google Patents

光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法

Info

Publication number
JP3349061B2
JP3349061B2 JP09013897A JP9013897A JP3349061B2 JP 3349061 B2 JP3349061 B2 JP 3349061B2 JP 09013897 A JP09013897 A JP 09013897A JP 9013897 A JP9013897 A JP 9013897A JP 3349061 B2 JP3349061 B2 JP 3349061B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
magnet
optical isolator
granulated
alloy powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP09013897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10270278A (ja
Inventor
顕 槇田
治 山下
博司 橋川
Original Assignee
住友特殊金属株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 住友特殊金属株式会社 filed Critical 住友特殊金属株式会社
Priority to JP09013897A priority Critical patent/JP3349061B2/ja
Publication of JPH10270278A publication Critical patent/JPH10270278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3349061B2 publication Critical patent/JP3349061B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/057Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B
    • H01F1/0571Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes
    • H01F1/0575Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together
    • H01F1/0577Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and IIIa elements, e.g. Nd2Fe14B in the form of particles, e.g. rapid quenched powders or ribbon flakes pressed, sintered or bonded together sintered

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーザー光によ
る光ファイバー通信に用いられる光アイソレーターの構
成部品でファラデー回転子を磁気飽和させるのに用いる
微小な光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製
造方法に係り、該Nd−Fe−B焼結磁石の原料である
Nd−Fe−B合金粉末をスプレー造粒法により造粒
し、得られた造粒合金粉末を開口部の開きの小さなダイ
スキャビティー内に給粉し、次いで該造粒合金粉末に磁
界を印加して配向しながらプレス成形し、焼結した後、
熱処理を施し、さらに表面処理を施すことにより、ファ
ラデー回転子を挿入するための中空部を有し、寸法精度
および磁気特性の優れた微小な筒状焼結磁石が得られ
る、光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光アイソレーターは、光を一方通行させ
るための素子であり、半導体レーザーモジュールや光フ
ァイバー増幅器などにおいて、レーザーの発振部に戻り
光が侵入するのを阻止し、発振を安定化させる働きをす
るものである。
【0003】光アイソレーターの一般的な構成は、偏光
子、光の偏光面を45度回転させるファラデー回転子、
並びにファラデー回転子を磁気飽和させる永久磁石、こ
れらを支える筐体などからなる。特に、レーザー光を用
いた光ファイバー通信システムに使われる光アイソレー
ターには非常に小さな寸法の希土類焼結磁石が用いられ
ている。
【0004】最近、レーザー光の波長域でファラデー回
転角が極めて大きいBi置換希土類鉄ガーネットが開発
され、レーザー光の偏光面を45度回転させるのに必要
なファラデー回転子の厚みが数100μmと小さくてす
むようになった。このため、光アイソレーターの小型化
が進み、それに伴い用いられる永久磁石のサイズも小さ
くなった。
【0005】光アイソレーターに用いられる希土類焼結
磁石の一般的な形状はリング状で、中心部に偏光子、フ
ァラデー回転子などを挿入する中空部を有する。一般的
なサイズは外径約2〜3mm、内径1.5〜2mm、高
さ約1〜3mmで、小型であるため高い寸法精度が要求
される。また、磁気特性としては、ファラデー回転子を
磁気飽和させるのに充分な1kOe以上の中空部の磁界
強度が要求される。
【0006】これらの要求に応える磁石材料として、光
アイソレーターには従来、2−17系Sm−Co焼結磁
石を精密加工したものが多く採用されてきた。この理由
は、2−17系Sm−Co磁石は保磁力の発生機構がピ
ニング型であるため、加工による磁気特性の劣化が少な
いという利点があるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発明者らは、
上記の光アイソレーター用磁石の製造方法には以下の問
題点があることを知見した。すなわち、従来用いられて
いる2−17系Sm−Co焼結磁石は機械的強度が低
く、非常に脆いため、前述の寸法に機械加工する際にワ
レやカケなどの加工不良の発生率が高くなる。また、ワ
レやカケなどの致命的な不良に至らずとも、製品のエッ
ジ部分に微少なチッピングが発生して製品の機械的強度
や磁気特性が低下したり、アイソレーターの組立工程中
にワレやカケが起こり不良が発生する。
【0008】2−17系Sm−Co磁石の機械的強度の
問題を解決する手段のひとつとして、磁石を粉末にして
樹脂と混合し、成形するボンド磁石化が考えられる。し
かし、ボンド磁石は樹脂を含有するため、ボンド磁石中
に含まれる磁石粉末の占有率は焼結磁石の場合に比べて
はるかに低い。このため、ボンド磁石の最大エネルギー
積は、同じ材料の焼結磁石の半分程度しか得られていな
いのが現状である。したがって、ボンド磁石では前述の
小さな寸法で高い中空部の磁界強度を得ることができな
い。
【0009】一方、光アイソレーターの磁石材料として
Nd−Fe−B焼結磁石を採用する場合は、機械的強度
が2−17系Sm−Co焼結磁石の2倍以上であるた
め、加工時の不良は低減する。しかし、Nd−Fe−B
焼結磁石の保磁力の発生機構はニュークリエーション型
なので加工歪みの影響を受けやすい。Nd−Fe−B焼
結体素材から機械加工によって光アイソレーター用磁石
を削り出す方法では、加工取りしろが大きく製品の受け
る加工歪みが増大するため、保磁力、および減磁曲線の
角形性が低下してしまうという問題がある。
【0010】上記の加工取りしろを減少させて製品の受
ける加工歪みを低減するには、焼結後にできるだけ製品
の最終寸法に近い焼結体が得られるように成形する必要
がある。光アイソレーターの寸法の成形体を得ようとす
ると、開口部の開き寸法が5mm以下のダイスキャビテ
ィー内にNd−Fe−B合金粉末を給粉することになる
が、通常の合金粉末は極めて流動性が悪く、このような
狭い空隙には容易に自由落下しないものであり、たとえ
給粉できたとしても、給粉量のバラツキが大きいために
焼結体の寸法が変動し、やはり加工取りしろを大きく設
定せざるを得なくなるという問題があった。
【0011】この発明は、光アイソレーターに要求され
る寸法精度と磁気特性の規格を満足する、微小で機械的
強度の高いNd−Fe−B焼結磁石を、機械加工量を極
小にして歩留まりよく製造できる光アイソレーター用N
d−Fe−B焼結磁石の製造方法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、微小な光ア
イソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の新規な製造方
法について種々検討した結果、Nd−Fe−B合金粉末
をスプレー造粒法によって造粒し、粉末の流動性を改善
することにより、プレス成形時のダイスキャビティーの
開口部の開き寸法が0.5mm以上ならば、造粒粉原料
を自由落下により容易に給粉できること、また、給粉量
のバラツキが低減するため、成形、焼結後の製品の寸法
精度が飛躍的に向上し、特に仕上げ加工を施さなくとも
所定の寸法精度の製品が得られることを知見した。
【0013】また、発明者らは、上記の方法で得られた
Nd−Fe−B焼結体にエッジ部分の面取りが必要な場
合、面取り加工後に必要に応じて熱処理を施すことによ
り加工歪みに起因する保磁力の減少、および減磁曲線の
角形性の低下が防止できることを知見し、この発明を完
成させた。
【0014】すなわち、この発明は、スプレー造粒法に
より造粒したNd−Fe−B合金粉末を、開口部の開き
寸法が0.2mm以上、5.0mm以下のダイスキャビ
ティー内に自由落下により給粉し、ついで該造粒合金粉
末に磁界を印加して配向しながらプレス成形し、脱バイ
ンダー後に焼結し、さらに熱処理を施した後、表面処理
を施し、肉厚が0.1mm以上、4.0mm以下で、フ
ァラデー回転子を挿入するための中空部を有する筒状磁
石を得る光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の
製造方法である。
【0015】また、この発明は、上記の製造方法におい
て、焼結後にエッジ部分に面取り加工を施し、ついで熱
処理、表面処理を施す、光アイソレーター用Nd−Fe
−B焼結磁石の製造方法を併せて提案する。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明において、対象とするN
d−Fe−B合金粉末は、単一の所要組成からなる合金
を粉砕した粉末や、異なる組成の合金を粉砕した後、混
合して所要組成に調整した粉末など、公知のNd−Fe
−B合金粉末を用いることができる。合金粉末の組成は
特に限定しないが、保磁力を向上させるためにNdの一
部をDyで置換したり、耐食性の向上のためにFeの一
部をCoで置換するなど、特公昭61−34242号公
報に代表されるような公知の組成のNd−Fe−B合金
を用いることができる。
【0017】Nd−Fe−B合金粉末の製造方法には、
鋳造粉砕法、超急冷法、直接還元拡散法、水素含有崩壊
法、アトマイズ法などの公知の方法を適宜選択すること
ができる。合金粉末の平均粒径は1μm未満では、大気
中の酸素あるいは溶媒と反応して酸化し易くなり、焼結
後の磁気特性を低下させるため好ましくなく、また、1
0μmを越えると粒径が大きすぎて焼結密度が低下する
ため好ましくない。よって、1〜10μmの平均粒径が
好ましい範囲である。より好ましくは1〜6μmの範囲
である。
【0018】この発明において、Nd−Fe−B合金粉
末をスプレー造粒する際に、合金粉末にバインダーとと
もに混合、攪拌してスラリーを作製するのに使用する溶
媒としては、バインダーを容易に溶解することが可能
で、かつNd−Fe−B合金粉末やバインダーと反応し
難く、沸点が比較的低く、化学的に安定なものが好まし
い。
【0019】具体的には、溶媒として水溶性バインダー
を用いる場合には水が最も好ましく、その純度は特に規
定しないが、Nd−Fe−B合金粉末の希土類成分との
反応を極力抑制するために、脱酸素処理した純水あるい
は窒素などの不活性ガスでバブリング処理した水が好ま
しい。また、溶媒として非水溶性バインダーを用いる場
合には、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
アセトン、メチルエチルケトン、ノルマルヘキサン、シ
クロヘキサン、トルエン、塩化メチレン、ジオキサン等
の有機系の溶媒を用いることが好ましい。
【0020】この発明において、Nd−Fe−B合金粉
末に加える溶媒の添加量は、20wt%未満ではスラリ
ー中のNd−Fe−B合金粉末の濃度が高くなって、粘
度が増加し過ぎるため、該スラリーを配管を経由してス
プレードライヤー装置に供給することができず、また、
50wt%を越えるとスラリー中のNd−Fe−B合金
粉末の濃度が低くなり過ぎて、配管内で沈殿が起こり供
給量が不安定になるとともに、スプレードライヤー装置
によって得られる造粒粉の平均粒径が小さくなり過ぎ、
さらに、粒径にバラツキを生じるため、20〜50wt
%が好ましい範囲である。
【0021】Nd−Fe−B合金粉末への溶媒の混合、
攪拌は、溶媒に水を用いた場合は、0〜15℃の温度範
囲で行うことが好ましく、合金粉末と水との酸化反応を
より抑制することができる。また、有機系の溶媒を用い
た場合は、0〜30℃の温度範囲で、密閉状態で行うこ
とが好ましく、溶媒の蒸発を抑え、スラリー中の溶媒濃
度を一定に保持することができ、造粒粉の粉体特性を安
定化させることができる。なお、上記の温度範囲で混
合、攪拌を行うには、予め該温度範囲に冷却した溶媒を
用いたり、攪拌容器を冷却水等によって冷却する手段を
採用することができる。
【0022】この発明において、Nd−Fe−B合金粉
末と溶媒とともに混合、攪拌するバインダーとしては、
メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルア
ルコールのうち少なくとも1種を用いることが好まし
い。また、有機系の溶媒を用いる場合には、パラフィン
ワックス、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビ
ニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロ
ース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(HPMC)、エチルセルロース(EC)、アセチルセ
ルロース、ニトロセルロース、酢酸ビニル樹脂等の、使
用する有機溶媒に溶解するバインダーの少なくとも1種
を用いることがてきる。
【0023】上記のバインダーは少量の添加でスラリー
の粘度を高めることができるとともに、乾燥後において
も、造粒粉中の粒子間に高い結合力を保持することがで
き、また、添加量が少量で十分なため、粉末中の残留酸
素量、炭素量を低減することができる。さらに、バイン
ダーを添加した場合、造粒粉がバインダーによって被覆
されているため大気中において酸化し難く造粒粉の取り
扱いが容易になったり、成形体の強度が向上するなどの
利点がある。
【0024】バインダーを単独で用いる場合の含有量
は、希土類含有合金粉末に対して0.05wt%未満で
は造粒粉中の粒子間の結合力が弱く、成形前の給粉時に
造粒粉が壊れて粉体の流動性が著しく低下し、また、
0.5wt%を越えると焼結体の残留炭素量と酸素量が
増加して保磁力が下がり、また磁界配向が困難になり磁
気特性が劣化するので、0.05〜0.5wt%の含有
量がこれらの点で好ましい。さらに、複合して用いる場
合は、上記と同様な理由により、すべてのバインダーの
含有量の合計が0.05〜0.5wt%の範囲であるこ
とが好ましい。
【0025】Nd−Fe−B合金粉末に上述した溶媒と
バインダーを混合、攪拌したスラリー中に、さらにグリ
セリン、ワックスエマルジョン、ステアリン酸、フター
ル酸エステル、ペトリオール、グライコール等の分散
剤、潤滑剤のうち少なくとも1種を添加するか、あるい
はさらに、n−オクチルアルコール、ポリアルキレン誘
導体、ポリエーテル系誘導体等の消泡剤を添加すると、
スラリーの分散性、均一性が向上し、スプレードライヤ
ー装置中でのスラリーの噴霧状態が良好になり、気泡が
少なく滑り性、流動性にすぐれる球形の造粒粉を得るこ
とが可能になる。
【0026】これらの分散剤、潤滑剤、消泡剤の添加量
は、0.03wt%未満では造粒粉を成形後の離型性改
善に効果がなく、また、0.3wt%を越えると焼結体
の残留炭素量と酸素量が増加して保磁力が下がり磁気特
性が劣化するので、0.03〜0.3wt%の含有量が
好ましい。
【0027】この発明において、Nd−Fe−B合金粉
末と溶媒からなるスラリー、あるいは該スラリー中にバ
インダーを含有したものから造粒粉を作製するには、ス
ラリーを噴霧して細かい液滴状にするアトマイザー、液
滴に磁界を印加して磁気配向させる磁気回路、および液
滴を乾燥、固化し回収する回収部から構成される、回転
ディスク型またはノズル型スプレードライヤー装置を用
いるとよい。
【0028】スプレードライヤー装置の回転ディスク、
加圧ノズル型または二流体ノズル型等の各アトマイザー
から高速で飛び出した液滴状のスラリーは、回収部内の
雰囲気ガスとの衝突によって減速しながらほぼ直線的に
飛行するが、この間に表面から溶媒の蒸発が起こり、短
時間で乾燥、固化して造粒粉となる。液滴の乾燥速度は
粒径が小さいほど早くなるので、粒径を小さくすること
が望ましい。
【0029】粒径を小さくするには、回転ディスクにお
いては回転数を上げてやればよい。好ましい回転数は、
乾燥温度、ディスクの半径、形状、スラリーの粘度等に
よって変動するが、ディスクの周速度が10m/s未満
では、液滴が大きすぎて乾燥せず、回収部の内壁に付着
し、また、200m/sを越えるとディスクの周囲に発
生する気流の乱れにより液滴が四方八方に飛散して造粒
ができないので、好ましいディスクの周速度は10〜2
00m/sである。
【0030】加圧ノズルまたは二流体ノズルでは、ノズ
ルのオリフィス径を小さくし、噴射圧を高めることによ
り、液滴の粒径を小さくし、乾燥速度を早めることがで
きる。好ましいオリフィス径は0.2〜2mmである。
好ましい噴射圧は、加圧ノズルの場合は2〜20kg/
cm2、二流体ノズルの場合は、ガス圧0.5〜10k
g/cm2である。
【0031】この発明において用いるNd−Fe−B合
金粉末は非常に酸化し易いため、スプレードライヤー装
置の回収部の雰囲気ガスには窒素ガス等の不活性ガスを
用いることが好ましい。また、液滴の乾燥固化や乾燥速
度を早めて造粒処理の効率を高めるためには、雰囲気の
不活性ガスを加熱する必要がある。この加熱温度は60
〜150℃で、Nd−Fe−B合金粉末の酸化を極力抑
制するために、乾燥が不十分にならない範囲でできるだ
け低めに設定することが望ましい。
【0032】この発明において、得られる造粒粉の粒径
は、上記のアトマイザーから噴霧される液滴の大きさ、
スプレードライヤー装置へ供給するスラリーの濃度や供
給速度などによって制御することができるが、例えば、
造粒粉の平均粒径が20μm未満では造粒粉の流動性が
ほとんど向上せず、また、平均粒径が400μmを越え
ると粒径が大き過ぎて成形時の金型内への充填密度が低
下するとともに成形体密度も低下し、ひていは、焼結密
度の低下を来たすことになるので好ましくなく、よっ
て、造粒粉の平均粒径は20〜400μmが好ましい。
より好ましい範囲は50〜200μmである。
【0033】また、スプレー造粒法で得られた造粒粉
を、ふるいによってアンダーカット、オーバーカットす
ることにより、さらに極めて流動性に富んだ造粒粉を得
ることができる。
【0034】さらに、得られた造粒粉にステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコー
ルなどの潤滑剤を少量添加すると、流動性をさらに向上
させることができ有効である。
【0035】この発明による造粒粉を用いて光アイソレ
ーター用磁石の成形を行う場合の成形方法は圧縮成形が
最も好ましい。金型への造粒粉の供給方法はダイスの上
面を移動できるフィーダーボックスによる方法が好まし
い。フィーダーボックスは底のない枠状で、枠内に造粒
粉を挿入し、枠がダイスキャビティーの真上に移動した
ときに自由落下により造粒粉が給粉される構造になって
いる。スプレー造粒法で得られた造粒粉は極めて流動性
に富むので、上記の方法で光アイソレーターの寸法のダ
イスに一定量の給粉を行うことが可能である。
【0036】この発明において、ダイスキャビティーの
開口部の開き寸法とは、ダイスの上面を真上から見た場
合の、合金粉末が落下するスリットの幅の最も狭いとこ
ろの寸法を指す。ダイスキャビティーの開口部の開き寸
法が0.2mm未満では、空隙部で造粒粉がブリッジを
形成して給粉が円滑に実施できないため、開口部の開き
寸法は0.2mm以上とする。また、中空部を有する光
アイソレーターの成形ではコアパンチを有するダイスセ
ットを用いるが、この場合はコアパンチの外面とダイス
壁面との開き寸法が0.2mm以上あれば、自由落下に
よる造粒粉の定量供給が可能である。
【0037】ダイスキャビティーの開口部の開き寸法が
5.0mmよりも大きい場合は、スプレー造粒を施す前
の合金粉末を用いても支障なく給粉が可能である。よっ
て、この発明の成形用ダイスキャビティーの開口部の開
き寸法は0.2〜5.0mmとする。
【0038】上記の条件下で給粉が円滑に実施できない
場合は、フィーダーボックスをダイスキャビティー上に
移動した後、下パンチを下げて下パンチの吸引効果を利
用して給粉したり、コアパンチを下げで開口部を広げた
状態で給粉した後にコアパンチを上げたり、あるいは給
粉動作の際にフィーダーボックスを前後に数回移動する
などの方法を単独、あるいは組み合わせて用いることが
できる。
【0039】成形は磁界中で行うが、造粒粉は通常の合
金粉末に比べてバインダーで固定されて配向し難くなっ
ているため、できるだけ高い成形磁界を印加することが
好ましい。この場合の磁界強度としては10〜20kO
eが好ましい範囲である。また、給粉後の造粒粉にパル
ス磁界を印加して造粒粉を一次粒子まで崩壊させて配向
を容易にし、その後に磁界中成形するのも好ましい実施
形態のひとつである。
【0040】この発明において、成形は適度な成形体強
度が得られる圧力で行うとよい。成形圧力が0.2to
n/cm2未満では成形体の強度が低くなり取り扱い中
に壊れることがあり、また、5.0ton/cm2を越
えるとプレスのパンチが破損しやすくなるため好ましく
ない。よって、好ましい成形圧力の範囲は0.2〜5.
0Ton/cm2である。ただし、パンチの肉厚が薄い
場合には破損しやすくなるため、成形圧力の上限をより
低く設定しなければならない。
【0041】この発明において、成形後の圧粉体を焼結
する前に脱バインダー処理を行うことが好ましい。脱バ
インダーの方法としては、真空中で加熱するか、水素流
気中で100〜200℃/hで昇温し、300〜600
℃で1〜2時間程度保持するなど、適宜選択できる。脱
バインダー処理を施すことにより、成形体中のバインダ
ー成分が抜けて焼結体中の残留炭素量を低減させること
ができ、磁気特性が向上する。
【0042】なお、Nd−Fe−B合金粉末は水素を吸
収し易いために、水素流気中での脱バインダー処理後は
脱水素処理を行うことが好ましい。脱水素処理の条件と
しては、は、真空中で50〜200℃/hの昇温速度で
昇温し、500〜800℃で1〜2時間程度保持するこ
とにより、吸蔵されていた水素はほぼ完全に除去され
る。
【0043】また、脱水素処理後は引き続いて昇温加熱
して焼結を行うことが好ましく、500℃を越えてから
の昇温速度は任意に選定すればよく、例えば、100〜
300℃/hなど、焼結に際して取られる公知の昇温条
件を採用できる。
【0044】脱バインダー処理後の成形体の焼結、並び
に焼結後の熱処理条件は、選定したNd−Fe−B合金
粉末の組成に応じて適宜選定されるが、例えば、焼結条
件としては1000℃〜1180℃で1〜2時間、熱処
理条件としては450〜800℃で1〜8時間などが好
ましい。また、この発明において熱処理は必ずとも必須
ではなく、熱処理による磁気特性その他の変化が少な
く、特に熱処理の必要がなければ、これを省略してもよ
い。
【0045】この発明で得られる焼結体は寸法が小さ
く、体積に対する表面積の割合が大きいため、焼結や熱
処理時の雰囲気の影響が通常の焼結体よりも大きい。特
に酸化による悪影響を防ぐためには、焼結、熱処理時の
雰囲気は高真空中か、窒素を除く高純度の不活性ガス雰
囲気中で行うのが望ましい。
【0046】この発明で得られる焼結体の肉厚は、成形
時の肉厚と焼結時の収縮率によって決まるが、通常の収
縮率で収縮する場合、成形時の肉厚が上記の0.2〜
5.0mmの範囲内ならば、得られる焼結体の肉厚は
0.1〜4.0mmの範囲になる。
【0047】この発明で得られる焼結磁石の寸法バラツ
キは小さく、そのままで寸法精度の高い製品が得られる
が、エッジ部分のチッピングを防止したり、表面処理の
付着性を高める目的で、エッジ部分の面取りを行うこと
が好ましい。面取り加工の方法としては、バレル研磨や
サンドブラストによる研磨などを適宜採用することがで
きる。このような場合には、面取り加工による加工歪み
の影響を低減する目的で仕上げ加工の後に熱処理を行う
ことが好ましい。
【0048】この発明の製造方法の表面処理としては、
寸法精度を損ねずに均一な被膜を形成する方法がよく、
なかでもTiNコーティング、Al真空蒸着、ポリイミ
ド蒸着重合法などが適している。TiNコーティングは
窒素を含む真空雰囲気中でTiを反応蒸着するもので、
薄くて硬度の高い被膜が得られる。Al真空蒸着は硬度
をあまり必要としない製品に適用できる。ポリイミド蒸
着重合は二種類のモノマーを製品の表面で重合反応させ
るもので、電気絶縁性の高い被膜が得られる。いずれの
表面処理も5〜10μmの膜厚で十分な被覆性能が得ら
れる。
【0049】
【実施例】
実施例1 Nd13.3at%、Pr0.31at%、Dy0.2
8at%、Co3.4at%、B6.5at%、残部F
e、および不可避的不純物からなる原料を、Arガス雰
囲気中で高周波溶解して、合金を溶製した。次に、該合
金を粗粉砕した後、ジョークラッシャー及びディスクミ
ルにより420μm以下に粉砕し、さらにジェットミル
粉砕して平均粒径3μmの粉末を得た。
【0050】該粉末に、バインダーとしてポリビニルア
ルコールの水溶液を、溶質の重量が粉末に対して0.1
0wt%になるように混合、攪拌し、さらにスラリー中
の合金粉末の含有量が65.0wt%になるように水を
加えて攪拌した。また、潤滑剤としてグリセリンとステ
アリン酸をそれぞれ粉末に対して0.05wt%になる
ように添加した。スラリーは、スプレードライヤー装置
に供給する直前まで攪拌し、スラリー中の合金粉末の濃
度や添加剤の濃度が均一に保たれるようにした。
【0051】該スラリーを、クローズドタイプのスプレ
ードライヤー装置に供給し、回転ディスク型アトマイザ
ーで噴霧を行い、窒素雰囲気中で乾燥を行った。乾燥温
度は窒素ガスの噴射口温度を80℃、排出口温度を50
℃に設定した。
【0052】得られた造粒粉を目の開きが250μmの
ふるいにかけて粗粒子を除去し、また、目の開きが32
μmのふるいにかけて微粒子を除去して、平均粒径87
μmの造粒粉を得た。この操作における歩留まりは85
wt%であった。粒径選別した造粒粉の粉体の流動性
を、最小内径8mmのロート状の管を100gの粉体が
自然落下して通過するまでに要する時間で測定したとこ
ろ、40秒であった。
【0053】粒径選別した該造粒粉を磁界中プレス機に
設置された給粉機に装填し、外径3.0〜12.6m
m、内径2.6mm、深さ5.0mmの寸法を持つ、円
筒形のダイスのキャビティー内に造粒粉を自然落下によ
り給粉し、次いで上下方向に10kOeの磁界を印加し
て造粒粉を配向しながら、深さ方向に0.5Ton/c
2の圧力を加えて成形した。
【0054】成形体を水素雰囲気中で室温から500℃
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し、1
時間保持する焼結を行い、さらに焼結完了後、Arガス
を導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却し、
その後、100℃/hの速度で冷却して、500℃で2
時間保持する熱処理を施して焼結磁石を得た。得られた
焼結体の寸法は収縮によって成形体よりも減少したが、
ワレ、ヒビ、変形などは全く見られなかった。
【0055】次に、焼結体を真空チャンバーに入れて真
空引きを行い、窒素ガスを導入しながらTiを蒸着し、
試料に電圧を印加して膜厚5μmのTiN膜を成膜し
た。得られたインランイ型光アイソレーター用磁石試料
100個の各部の寸法バラツキを表1に、磁気特性の平
均値を表2に示す。
【0056】比較例1 実施例1で得られたジェットミル粉砕後の合金粉末を、
スプレー造粒せずにそのままで、縦10mm、横15m
m、深さ30mmの寸法を持つ、直方体形のダイスのキ
ャビティー内に粉末を自然落下により給粉し、ついで、
10mmの辺に平行に10kOeの磁界を印加して粉末
を配向しながら、深さ方向に1.5Ton/cm2の圧
力を加えて成形した。
【0057】このとき成形に用いた合金粉末の流動性
を、最小内径8mmのロート状の管を100gの粉体が
自然落下して通過するまでに要する時間で測定しようと
したところ、粉末は全く流れなかった。
【0058】成形体を実施例1と同じ条件で焼結、熱処
理を行い、縦7.5mm、横8.5mm、高さ8.0m
mの加工用焼結体素材を得た後、外径3.0mm、内径
2.2mm、高さ3.0mmのリング形状に機械加工を
行った。
【0059】次に、加工した素材を真空チャンバーに入
れて真空引きを行い、窒素ガスを導入しながらTiを蒸
着し、試料に電圧を印加して膜厚5μmのTiN膜を成
膜した。得られたインライン型光アイソレーター用磁石
試料100個の各部の寸法バラツキを表1に、磁気特性
の平均値を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1の結果から明らかなように、この発明
で得られる光アイソレーター用微小磁石の寸法バラツキ
は、成形時のダイスキャビティーの開口部の開き寸法が
0.2mm以上であれば、焼結体素材から切り出し加工
したときと同等の寸法精度が得られる。また、表2の結
果から明らかなように、この発明で得られる磁石の磁気
特性は、焼結体素材から切り出し加工した場合に比べ
て、肉厚が薄くても保磁力や減磁曲線の角形性がさほど
低下せず、良好な磁気特性が得られる。
【0063】実施例2 Nd13.3at%、Pr0.31at%、Dy0.2
8at%、Co3.4at%、B6.5at%、残部F
e、および不可避的不純物からなる原料を、Arガス雰
囲気中で高周波溶解して、合金を溶製した。次に、該合
金を粗粉砕した後、ジョークラッシャー、およびディス
クミルにより420μm以下に粉砕し、さらに、ジェッ
トミル粉砕して平均粒径3μmの粉末を得た。
【0064】該粉末に、バインダーとしてヒドロシキプ
ロピルセルロースのエチルアルコール溶液を、溶質の重
量が粉末に対して0.10wt%になるように混合、攪
拌し、さらに、スラリー中の合金粉末の含有量が65.
0wt%になるようにエチルアルコールを加えて攪拌し
た。また、潤滑剤としてグリセリンとステアリン酸をそ
れぞれ粉末にたいして0.05wt%になるように添加
した。スラリーは、スプレードライヤー装置に供給する
直前まで攪拌し、スラリー中の合金粉末の濃度や添加剤
の濃度が均一に保たれるようにした。
【0065】該スラリーを、クローズドタイプのスプレ
ードライヤー装置に供給し、二流体ノズル型アトマイザ
ーで噴霧を行い、窒素雰囲気中で乾燥を行った。乾燥温
度は窒素ガスの噴射口温度を70℃、排出口温度を40
℃に設定した。
【0066】実施例1で得られたスプレー造粒粉を磁界
中プレス機に設置された給粉機に装填し、縦11.8m
m、横17.6mm、深さ15.0mm、肉厚1.8m
mの枠型のダイスキャビティー内に造粒粉を自由落下に
より給粉し、ついで、上下方向に20kOeのパルス磁
界を印加して造粒粉を崩壊させ、さらに上下方向に10
kOeの静磁界を印加して粉末を配向しながら、深さ方
向に1.0Ton/cm2の圧力を加えて成形した。
【0067】成形体を水素雰囲気中で室温から500℃
まで昇温速度100℃/hで加熱する脱バインダー処理
を行い、引き続いて真空中で1100℃まで昇温し、1
時間保持する焼結を行い、さらに焼結完了後、Arガス
を導入して7℃/minの速度で800℃まで冷却し、
その後、100℃/hの速度で冷却して縦10.0m
m、横15.0mm、高さ5.0mm、肉厚1.5mm
の枠型の焼結磁石を得た。得られた焼結体にはワレ、ヒ
ビ、変形などは全く見られなかった。
【0068】次に、得られた焼結体をバレル中で回転し
ながらサンドブラスト研磨し、エッジ部を半径0.1m
mだけ面取り加工した。加工時のワレ、ヒビの発生は皆
無であった。
【0069】加工後の素材を真空中で550℃で2時間
保持する熱処理を施した。さらに、熱処理後の素材を真
空チャンバーに入れて真空引きを行い、ピロメリット酸
二無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテルをそれ
ぞれ単体で同時に加熱蒸発させ、素材表面で蒸着重合さ
せてポリアミド膜を形成させ、ついで、真空中で加熱、
脱水反応を起こさせてイミド化処理を行い、膜厚5μm
のポリイミド蒸着重合膜を成膜した。得られたファイバ
ー集積型光アイソレーター用磁石試料の圧壊強度と磁気
特性の平均値を表3に示す。
【0070】比較例2 実施例1で得られたジェットミル粉砕後の合金粉末を、
スプレー造粒せずにそのままで、縦15.0mm、横2
0.0mm、深さ30.0mmの寸法を持つ、直方形の
ダイスのキャビティー内に粉末を自由落下により給粉
し、次いで上下方向に10kOeの静磁界を印加して粉
末を配向しながら、深さ方向に1.5Ton/cm2
圧力を加えて成形した。
【0071】成形体を実施例2と同じ条件で焼結し、縦
12.8mm、横17.0mm、高さ7.5mmの加工
用焼結体素材を得た後、実施例2と同じ寸法の枠型状に
機械加工を行った。この時の加工取りしろは0.5〜
1.5mmで、加工時の不良率は5%であった。次に、
加工した素材を真空チャンバーに入れて真空引きを行
い、実施例2と同様の手順で膜厚5μmのポリイミド蒸
着重合膜を成膜した。得られたファイバー集積型光アイ
ソレーター用磁石試料の圧壊強度と磁気特性の平均値を
表3に示す。
【0072】比較例3 Sm11.9at%、Cu8.8at%、Fe12.6
at%、Zr1.2at%、残部Co、および不可避的
不純物からなる原料を、Arガス雰囲気中で高周波溶解
して、合金を溶製した。次に、該合金を粗粉砕した後、
ジョークラッシャー、及びディスクミルにより420μ
m以下に粉砕した後、さらに、ジェットミル粉砕して平
均粒径3μmの粉末を得た。
【0073】得られたSm−Co系合金粉末を、スプレ
ー造粒せずにそのままで、縦15.0mm、横20.0
mm、深さ30.0mmの寸法を持つ、直方形のダイス
のキャビティー内に粉末を自由落下により給粉し、つい
で、上下方向に10kOeの静磁界を印加して粉末を配
向しながら、深さ方向に1.5Ton/cm2の圧力を
加えて成形した。
【0074】成形体を真空中で1200℃まで昇温し、
1時間保持する焼結を行い、さらに、焼結完了後、11
60℃にて溶体化処理を行い、その後、Arガスを導入
して800℃から400℃までの多段熱処理を施して加
工用の焼結磁石素材を得た。
【0075】得られた素材を実施例2と同じ寸法の枠型
状に機械加工を行った。この時の加工取りしろは0.5
〜1.5mmで、加工時にワレ、カケが発生し、加工不
良率は45%であった。次に、加工した素材を真空チャ
ンバーに入れて真空引きを行い、実施例2と同様の手順
で膜厚5μmのポリイミド蒸着重合膜を成膜した。得ら
れたファイバー集積型光アイソレーター用磁石試料の圧
壊強度と磁気特性の平均値を表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】表3の結果から明らかなように、この発明
で得られる光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石
の圧壊強度は2−17系Sm−Co磁石に比べて優れて
おり、光アイソレーターの組立工程における磁石の破損
を防止できる。また、表3の結果から明らかなように、
この発明で得られる磁石の磁気特性は、焼結体素材から
切り出し加工した場合に比べて加工による歪みの影響を
受けないため、本実施例の如く肉厚が薄い場合でも保磁
力や減磁曲線の角形性が低下せず、良好な磁気特性が得
られる。
【0078】
【発明の効果】この発明による光アイソレーター用Nd
−Fe−B焼結磁石の製造方法は、合金粉末をスプレー
造粒することにより流動性を向上させ、開口部の開き寸
法が0.2mm以上、5.0mm以下のダイスキャビテ
ィーを用いて寸法精度の良好な焼結体を得ることがで
き、これに表面処理を施すことにより、肉厚が0.1m
m以上、4.0mm以下で、ファラデー回転子を挿入す
るための中空部を有する、機械的強度と磁気特性の優れ
た光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石を容易に
製造できる。
【0079】また、この発明による光アイソレーター用
Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法は、上記の方法で得
られた焼結体素材にエッジ部分に面取り加工を施し、加
工後に熱処理を行うことにより面取り加工の歪みによる
磁気特性の劣化を緩和させ、機械的強度と磁気特性の優
れた光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石を容易
に製造できる。
【0080】この発明の製造方法で得られる微小なNd
−Fe−B焼結磁石は、光アイソレーターのみならず、
同様の形状を有するモーター用、あるいはアクチュエー
ター用磁石などにも応用が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−17674(JP,A) 特開 平2−50903(JP,A) 特開 平9−35933(JP,A) 特開 平4−268052(JP,A) 実開 平6−60822(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプレー造粒法により造粒したNd−F
    e−B合金粉末を、開口部の開き寸法が0.2mm以
    上、5.0mm以下のダイスキャビティー内に自由落下
    により給粉し、ついで該造粒合金粉末に磁界を印加して
    配向しながらプレス成形し、脱バインダー後に焼結し、
    さらに熱処理を施した後、表面処理を施し、肉厚が0.
    1mm以上、4.0mm以下で、ファラデー回転子を挿
    入するための中空部を有する筒状磁石を得る光アイソレ
    ーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、焼結後にエッジ部分
    に面取り加工を施し、ついで熱処理、表面処理を施す光
    アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法。
JP09013897A 1997-03-24 1997-03-24 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法 Expired - Lifetime JP3349061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09013897A JP3349061B2 (ja) 1997-03-24 1997-03-24 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09013897A JP3349061B2 (ja) 1997-03-24 1997-03-24 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10270278A JPH10270278A (ja) 1998-10-09
JP3349061B2 true JP3349061B2 (ja) 2002-11-20

Family

ID=13990158

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09013897A Expired - Lifetime JP3349061B2 (ja) 1997-03-24 1997-03-24 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3349061B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4552161B2 (ja) * 1999-11-09 2010-09-29 日立金属株式会社 耐食性のすぐれた超小型磁石
KR100440677B1 (ko) * 2000-12-22 2004-07-19 재단법인 포항산업과학연구원 내식성이 우수한 주석다층 도금 Nd-Fe-B계 자석
JP3897724B2 (ja) 2003-03-31 2007-03-28 独立行政法人科学技術振興機構 超小型製品用の微小、高性能焼結希土類磁石の製造方法
US20110250087A1 (en) 2008-11-06 2011-10-13 Intermetallics Co., Ltd. Method for producing sintered rare-earth magnet and powder-filling container for producing such magnet

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10270278A (ja) 1998-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100300933B1 (ko) 희토류계소결자석의제조방법
US6491765B2 (en) Rare earth magnet and method for manufacturing the same
JPH05295490A (ja) 磁石製造用母合金およびその製造方法ならびに磁石の製造方法
KR0135209B1 (ko) 조립분의 제조 방법 및 제조 장치
JPH1064746A (ja) 薄肉R−Fe−B系焼結磁石の製造方法
JP3349061B2 (ja) 光アイソレーター用Nd−Fe−B焼結磁石の製造方法
WO2002078882A1 (fr) Procede d'obtention d'une poudre granulee d'un alliage de type r-fe-b et procede d'obtention d'une piece frittee d'alliage de type r-fe-b
JPS6181606A (ja) 希土類磁石の製造方法
JPH1187164A (ja) 希土類焼結磁石の磁界中成形方法
JP3170156B2 (ja) 等方性造粒粉の製造方法
JP3083963B2 (ja) 異方性造粒粉の製造方法とその装置
JP4561432B2 (ja) R−t−b系焼結磁石の製造方法
JP2002208509A (ja) 希土類磁石およびその製造方法
JP3456958B2 (ja) R−Fe−B系焼結磁石の製造方法、およびR−Fe−B系焼結磁石用合金粉末材料の調製方法並びに保存方法
JP3556786B2 (ja) 異方性造粒粉の製造方法と製造装置
JPH08107034A (ja) R−Fe−B系焼結永久磁石の製造方法
JPS6181604A (ja) 希土類磁石の製造方法
JPH09287001A (ja) 異方性造粒粉の製造方法とその装置
JPH0436563B2 (ja)
JP4636240B2 (ja) R−t−b系焼結磁石製造用原料粉体
JP4240988B2 (ja) 希土類合金の造粒粉の製造方法、希土類合金の造粒粉の製造装置および希土類合金焼結体の製造方法
JPS63289905A (ja) 希土類−Fe−B系磁石の製造方法
JP2002194402A (ja) 希土類合金焼結体の製造方法および希土類焼結磁石
JP2002332507A (ja) 希土類磁石およびその製造方法
JP2005340323A (ja) 希土類焼結磁石用原料粉体、その製造方法及び希土類焼結磁石の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080913

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090913

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100913

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110913

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120913

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130913

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term